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銀河帝国攻略戦⑱~地獄門の守護者

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #アビ星人

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「帰ってきて早々ですまないが、出撃の準備をしてもらう」
 スペースシップワールドにおける戦争は未だ続いている。グリモア猟兵、ロア・メギドレクス(f00398)の顔にもそろそろ疲労の色が見えた。否、疲れているのは皆同じか。ロアは空元気で拳を握る。
「敵はドクター・オロチ率いるアマルテア情報艦隊。汝らには、その中の一隻に殴り込みをかけてもらう」
 艦内に直接転移突入しての白兵戦だ。アマルテア情報艦隊は、非常に高性能な処理能力を持ったリキッドコンピュータを搭載しており、これによって統合した情報で多くの作戦を計画してきた。
 この艦隊を叩き潰すことができればそのダメージは非常に大きいだろう。
「だが、容易い仕事ではない。このリキッドコンピュータは、銀河帝国に所属する強力な兵士を再現した『守護者』を用意しているのだ」
 ロアが案内する猟兵たちが殴り込む艦を守る液体兵士は、《地獄宇宙人 アビ星人》だ。強力な宇宙マーシャルアーツやテレポートを駆使した超次元殺法。あるいは光弾による攻撃などを行ってくる。シンプルな強敵である。
「なお、リキッドコンピュータの本体は艦内のどこかにあるプールのような施設に保管されている。今回相手をするアビ星人はリキッドコンピュータによって再現された存在であるゆえ、本体であるその液体の部屋は敵のウィークポイントになるやもしれぬな」
 あとは、がんばってやっつけろ……身もふたもない指令で、ロアは説明を終える。
「では、よいな。連戦続きで疲れているであろうが、がんばってくれ」
 そして、グリモアは輝いた。


無限宇宙人 カノー星人
=============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================

 ごきげんよう、イェーガー。お世話になっております。カノー星人です。
 カノー星人は侵略宇宙人がすきです。失礼、脱線いたしました。
 この度も、あなたがたとともに旅路を行けることに感謝いたします。
 よろしくおねがいいたします。
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第1章 ボス戦 『地獄宇宙人アビ星人』

POW   :    宇宙地獄近接格闘術
単純で重い【宇宙マーシャルアーツ 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    宇宙地獄超次元殺法
【短距離テレポートを駆使した近接格闘術 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【超高速連続攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    宇宙地獄プラズマ弾
【掌から100,000,000℃の光弾 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠砲撃怪獣・ガンドドンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

死之宮・謡
とても強そうな相手だねぇ?楽しみだよ殺し合うのがさぁ!
ん?何かこいつ見たこと有るような?前世の記憶かな?具体的には、そう、けむーrゴホゴホッ、おっと咳が…まぁどうだって良いか?強いんだろ?なら何だって良い強ければ何だって良い、此の私にとってはな?
というか今更ながら液体コンピュータってなんだよ…原理不明過ぎるでしょ…。
ま、其れもどうでも良いや…「呪詛」と「生命吸収」を掛けて「怪力」の「二回攻撃」で「傷口を抉る」。
バラバラに斬り刻んであげるよ…(こいつ宇宙って付けりゃ良いと思ってないかねぇ…)
死ネ…【天燐血統装具】展開!


竹城・落葉
戦況は大分進んだようだな。なら、我も闘いを加速させるのみ!
 我は名物竹城を手に『支柱一閃』で切り伏せる。攻撃には【残像】で避け、【フェイント】と【早業】で攻撃を的確に当てた後、【2】回攻撃で確実に仕留められるよう試みるぞ。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で戦おう。夜叉の如く突撃し、悪鬼の如く名物竹城を振るおう。我とて元武将、この一撃を受けて見よ!
 しかし、相手は中々の強敵と見受けられる。なら、こちらも全力で行くまでだ!元武将の名に懸けて、貴様を倒してやろう!
 ……だが、一ついいだろうか。……あいつ、ゼット〇星人ではないのか?


聖護院・カプラ
銀河帝国の侵略宇宙人……それも、『地獄宇宙人アビ星人』ですか。
スペースシップワールドの住人ならば誰しもその名を知っています。
幾つもの船団がかの星人によって銀河の藻屑と化しました。
そしてそれを再現した液コン。この本体を破壊せぬ限り際限なく星人は復活するのでしょう。

間違いなく強敵です。
しかし、我々猟兵にはあって地獄宇宙人アビ星人にはない力があります。

―――積み上げた、徳です。

指向性を高めた『存在感』を放つ事で宇宙地獄プラズマ弾の狙いを私に向けさせ弾道を絞る事で、100,000,000℃の光弾も『功徳』の奇蹟で捻じ曲げやすくなりましょう。

光弾が逸れた先に星人が反応したなら、その先が液コンの在処です。



「あッ……ハハハ!強いネェ!ハハ!楽シめそうだ!」
「く……ッ!なるほど、相手は中々の強敵と見受けられる!」
「はははははははははは!はははははははは!あなた方猟兵たちはまさに飛んで恒星に入るナーツ銀河系の宇宙モスキート——」
 死之宮・謡(f13193)と竹城・落葉(f00809)は、既に敵の襲撃を受けていた!《地獄宇宙人アビ星人》の再現体。リキッドコンピュータが生み出した液体兵士である!
 船内へと乗り込んだ猟兵たちへと、液体アビ星人は即座に攻撃を仕掛けてきたのだ。リキッドコンピュータの情報集積能力が猟兵たちの攻撃を予測していたというのである。
 猟兵たちが転移した場所は艦の中央を通る幹線めいた広い通路であった。壁面には無数の配線やなにかのパイプが通っている。そして、そこは戦場にうってうけの広さもまた備えていた。
「ここまで進んできたあなたがたの実力は認めざるをえません。ですが」
 Blink!アビ星人は搔き消えるようにその存在を猟兵たちの視界から消滅させる——短距離空間転移!
「む……!」
 落葉は視線を巡らせながら精神を集中。アビ星人の再出現に備える——側面!右側!落葉は咄嗟に竹城を構えた!ガァンッ!!アビ星人の拳が竹城とぶつかる音が高らかに響き渡った!あまりの威力に落葉は受け切れず、衝撃をいなすため後退!
「私には、勝てない」
 男のような低い声。子供のように甲高い声。何人もの人間が同時に声を出しているかの如く重なった奇怪な音で液体兵士アビ星人は冷淡に嘲笑う。更にアビ星人は踏み込み、落葉へと向けて追撃の構えに入った!
「ひ、はは!アははははハハ!なんだっていい!なンダっテいい!!強いんだロ!強いンだろ!」
 だが、ここで謡が床を蹴立ててアビ星人に飛びかかる!強く握りしめた処刑剣・明日薙を勢いよく振り下ろした!
「死ネ!」
「ほう」
 アビ星人は落葉への追撃を一旦取りやめ視線を謡へと向けながら、動じることなくその一閃を身に受ける!ざ、ッ!その身体が大きく抉られるように削れた!
「良い攻撃でした」
 しかし、削られた身体はまるで動画を逆再生するかのようにわずかな時間で修復される——これは液体兵士がその身体を流体で構成しているが故に可能な特性である。船内を循環するリキッドコンピュータ本体の支援を十全に受けているがゆえに発揮できる驚異的な能力であった。
「ですが、足りない。勝てない。“地獄”の相手には、あなた方ではなまぬるい」
 だァんッ!艦全体が揺れるほどの勢いを乗せた震脚めいた踏み切りだ。凄まじい加速でアビ星人は飛び出す。落葉は静かに呼吸を置き、表情を引き締める。
 アビ星人は正面からこちらへと飛び込んでくる——否。恐らく、奴はまた短距離転移を使うはずだ。見切れ。精神を集中——Blink!アビ星人の姿がまたしても消えた!
「そこか!」
「ほう!」
 落葉は残像を残すほどの素早さで身を躱しながら反転!目にも留まらぬ早業!居合抜きめいて撃ち放つ一閃で竹城が唸りをあげる!落葉の背後へと転移していたアビ星人へ、彼女は強烈なカウンターを叩き込むことに成功したのだ!
「我とて元武将……!戦場での不意打ちなど、慣れたものよ!」
「く、く、はははははは!面白い!実に愉快です!」
 液体アビ星人は竹城の一撃に抉られた傷から返り血めいて液体を撒き散らした後、またしてもその傷を修復する!そこへ追い縋った謡が更に追撃を仕掛けた!
「死なナい!死ナナいのか!はは、アハ、ハ!楽しイ奴だ!」
「なら、倒れるまで全力で行くまでだ!元武将の名に懸けて、貴様を倒してやろう!」
「はは、ははは!威勢のいいことを!ではあなた方が泣きながら死を乞うまでいたぶり、辱めて差し上げましょう」
 だが、アビ星人は巧みな身のこなしと不気味なほどに完成された宇宙マーシャルアーツの技で攻撃を受け流し、防ぎ、あるいは身に受けながらも再生し、幾度となく態勢を立て直して猟兵たちを攻め立てる!
「ハハハハハ!こっチ、の、セリフだ、ァ!【天燐血統装具】!」
「この一撃、受けてみよ!」
 謡はユーベルコードを起動し、その双眸を紅く輝かせた。流れ出す自身の血を編み、緋色が大剣を形作る!落葉もまた悪鬼の如く、名物竹城を振るい液体アビ星人を攻め立てていた。
 だが、流体により身体を構成された液体兵士は、艦内リキッドコンピュータの支援を受けることで致命傷を避けることができる。実際、謡と落葉の攻撃はどれもしっかりと通っていた。しかし敵は艦そのものを味方にし常に支援を受けている状態である。通常のオブリビオンとの戦いと違う厳しさが猟兵たちを苛んだ。
「そもそも液体コンピュータってなんだよ……!」
 業を煮やしながら謡が吐き捨てるようにつぶやく。アビ星人は悪辣に笑い、宇宙マーシャルアーツによる廻し蹴りを回答として返した。謡は蹴り足をすんでのところで躱し、反撃に大剣での一撃を叩き込む!一進一退!彼らの攻防は続く。だが、このままでは徐々に不利だ。打開策を見つけなくては……!

「銀河帝国の侵略宇宙人——それも、『地獄宇宙人アビ星人』ですか」
 その一方で、戦場に到達した聖護院・カプラ(f00436)はその戦いの様子を見やりながら呟く。
「そう、スペースシップワールドの住人ならば誰しもその名を知っています。幾つもの船団がかの星人によって銀河の藻屑と化しました……」
 間違いなく、強敵です。カプラは静かに呼吸し、徳を高めた。凄まじい存在感が船内に染み渡る。
「しかし、我々にあって地獄宇宙人アビ星人にはない力があります」
 それは、高めた徳です。カプラは全身から光を放ちながら佇んでいた。あまりの存在感に敵もこれを放置してはいられない。通路を駆け抜け、こちらへ近づく気配。存在感に惹かれたアビ星人が襲撃の矛先を変えたのだ。手の中に邪悪なプラズマエネルギーを収束させたアビ星人がカプラへと襲いかかる!
「その輝き。その後光。その徳。さぞや高名な神仏とみました」
「いえいえ。私などまだまだです」
「ご謙遜を。ではお死にください」
 アビ星人の手の中に収束した100,000,000℃のプラズマエネルギー球がカプラへと向けてダンクシュートのように叩きつけられる。しかしカプラはタイミングを合わせ高めた徳を放射しぶつけることでそのエネルギーを散らし、力の矛先を逸らした!
 ぱァん!流れ弾のようにあらぬ方向へと飛んだプラズマ球が、通路の壁面に走るパイプを灼く!
「——!」
「む……?」
 パイプが焼けるその瞬間、アビ星人がほんのわずかな一瞬、動きを止めたのをカプラは見逃さなかった。破損したパイプからは、透明な液体が流れ出している。
「なるほど」
 あれがアビ星人に力を与えている液体コンピュータの一部か。どうやら、パイプを利用して艦内に張り巡らされ、循環している——?ならば、これを辿れば本体にいきつくか!
「この再現体は、恐らくリキッドコンピュータ本体に操られる端末に過ぎません。だからこそこれほどまでに強く、しかも何度でも再生できるのでしょう」
 プラズマ光弾と徳の撃ち合いによる砲撃戦に持ち込みながらもカプラは冷静に分析し、猟兵たちに通信する。
「すなわち我々のすべきことは、このパイプを辿った先にあるはずの敵本体、液体コンピュータの破壊!さすれば攻略の糸口がつかめるに違いありません!」
「させません……むう、ッ!!」
 カプラの狙いに気づいた液体アビ星人は踵を返し他の猟兵たちへ攻撃を仕掛けるべく動き出そうとするが、それを阻む者たちがいる!緋色の刃がアビ星人の路を遮り、名物竹城がその身体をしたたかに叩いた!
「ならば、我々が時を稼ごう!」
「アッハハハハ!!私はドれでモいいよォ、こいつと殺リあうのは、楽シい!」
「ちいッ!」
 ここではじめて液体アビ星人が焦りを見せる。それはカプラの狙いが正しいことの証明だ。落葉と謡は共に流れるような動作で二回連続の攻撃を交互に叩き込み、アビ星人を逃さない!
「皆さん、ここは我々が引き受けます。その間に敵の本体を叩くのです」
「だが、長くはもたないぞ!」
 3人は他の猟兵たちへと命運を託す。
「それにしてもこいつ、どこかで見たような顔を……!“あの星人”ではないのか!?」
「アハハ!私も知ってるぞ!“あの怪人”だろ!」
「ははは。他人の空似ですよ」
 ——強敵、液体アビ星人との戦いは、続く!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

メルノ・ネッケル
有効打を入れるには、コンピュータのある部屋を見つけないかんな……
そんならトオミドローンの出番!

まずは【戦闘知識】、隠れられるポイントを探す。隠れられたら捜索開始や。
視界の端をドローンに割き、船内を捜索。

コンピュータのある部屋を見つけたら、ドローンの軌跡を辿るように駆け出す!
テレポート攻撃は寸前で【見切り】、【零距離射撃】でいなしつつ何とか部屋まで持たせるで。

たどり着いたらコンピュータへ「クイックドロウ」!
補助バッテリーを繋いだR&Bを焼け付くまで撃ち続ける!
「演算続きで疲れたやろ、ええ加減に干上がって休むとええで!」

見つからんならとっとと切り替え、アビ星人の動きを【見切り】つつ足止めに回る!


不破・玄
宇宙に地獄があるという事か?奥が深いな。
まあ、地獄からの使者を撃退せねばならんな。
つーか、帝国にはいろんなエイリアンがいるのか?
ふむ実力を見せてもらおう。

遠近隙が無く油断が出来ない相手だ。まあ、負けるわけにはいかない。
テレポートは「第六感」で何とかするが宇宙船の壁を利用したりして自分の死角は作らない。もし仲間の背後にでも現れるなら射撃攻撃しつつ警告だな。
俺が相対する事になるのであれば『巫覡載霊の舞』で防御を固めつつ「2回攻撃」「武器受け」等を用い真っ向勝負で行くしか無い。其れで倒す。

あとは液体相手には氷「属性攻撃」で固めるかな。
無差別攻撃は宇宙船の構造物を盾にして防ぐ。

今個々こそお前の地獄だ。


霧島・クロト
速度には速度で対応しねェと……ダメってこったな。良いぜ相手してやる。
【高速詠唱】から【氷戒装法『貪狼の狩人』】。
高速機動に対応するにゃこっちも高速化だ。

【2回攻撃】の技術を活かして打撃の応酬に持ち込み。
氷の波動を乗せた拳を【マヒ攻撃】【属性攻撃】で強化して
必要に応じて【鎧砕き】で護りをぶち抜いてく感じで。

防御はラッシュを受け流せるように【オーラ防御】と氷の盾でパリィしていく感じで。

もし液体コンピュータに攻撃が通せるなら、氷の波動をぶつけて凍結させた後に粉砕だァ。
「アンタの強さは理解した。けどなァ、一つ残念な事がある」
「アンタが『本物』じゃねェってことだ」



「なんやあの宇宙人、デタラメな強さしよって!」
 メルノ・ネッケル(f09332)は艦内通路を走りながら液体兵士アビ星人の強さに文句をつける。敵はあまりにも強力だ。単純な戦闘力の強さだけでなく、その上無尽蔵にすら見える再生能力。『宇宙』っていえばなんでも通ると思いよって!けったいな!メルトは思わずこぼしながら次の角を右。
「だから俺たちの仕事が重要なんだろう!」
「なァ、ほんとにこっちで合ってんだよなァ!?」
 不破・玄(f02910)と霧島・クロト(f02330)はメルノに同行しながら通路を走る。
 猟兵たちはそれぞれ艦内に散らばり、液体アビ星人の本体であるリキッドコンピューターの部屋を捜索していた。アビ星人を足止めする猟兵たちが戦いを始めてから既に10分以上が経過している。艦内に散らばった猟兵たちへ液体アビ星人の追撃の手が及ぶまで、もはや一刻の猶予もないだろう。
「大丈夫や、うちに任しとき!」
 メルノは振り向かず走りながら親指を立ててみせる。彼女には勝算があった。それは彼女の持つトオミドローンだ。メルノは艦内通路をドローンによって調査し、液体コンピュータの循環するパイプの経路をたどっていたのだ。
 彼女は既にアタリをつけていた。艦内後部、中央に位置する箇所だ。もっとも装甲が厚く、万が一艦が攻撃を受けても損害が届きにくい——重要な施設を奥にはうってつけの場所だった。ドローンの視界を瞳に映しながら、メルノは一直線に目的の場所へと急ぐ!
 だが、その時である!
「汚らしいネズミがここまできていましたか」
 轟音とともに、猟兵たちが進んでいた先の通路の壁面が爆ぜた!穿たれた穴の中から響く、不気味に重なり合った声——!液体アビ星人だ!異貌の宇宙人は猟兵たちの道を遮るように立ちふさがる!
「うちは汚くないしネズミともちゃうで!」
「落ち着け!迎撃するぞ!」
「あァ!いいぜ、相手してやる!」
 3人はそれぞれ武具とユーベルコードを構える——敵が彼らの道を塞いだということは、この先こそ敵の最重要ポイントであり、すなわち中枢たる液体コンピュータ本体が座すコンピュータ室であるということはもはや明白だ!
 ならば、何があろうとここで退くわけにはいかない!猟兵たちは覚悟を決める!
「帝国に逆らった報いをお受けなさい」
 Blink!アビ星人の姿が消える!玄は精神を研ぎ澄まし、背後の死角を潰すように通路を背にしながら視線を巡らす。クロトはユーベルコード【氷戒装法『貪狼の狩人』】を起動し、高速戦闘に対応する。
 一拍の間を置いて、アビ星人は再び姿を見せた——玄の真上だ!虫の知らせか第六感か。襲撃の気配を感じた玄は咄嗟に薙刀を振り上げ、アビ星人の強力な踵を受け止めた!凄まじい重撃に手が痺れる!
「おらァッ!」
 そこに横合いからクロトが飛びかかった!獲物に喰らい付く狼の爪牙の如く鋭い一撃がアビ星人に叩き込まれる!アビ星人は衝撃に吹き飛ばされ、壁面や壁にしたたかに体を打ちつけながら転がっていく!
「ははは、ははははは!」
 だが、その身体はもう何度目とも知れぬ再生を繰り返す。その再生速度は度重なる猟兵たちの攻撃により磨耗し始めたか当初のそれよりも時間を要しているようだったが、未だ余裕を残している風情だ。正攻法で撃破するには、敵はあまりにも強力だった。
「やぁッ!!」
 だが怯むことなく玄は駆け出し、アビ星人に追撃を仕掛ける!サイコキャノンを腕に装備した玄はエネルギーを腕に収束し砲撃!サイキックの光弾がアビ星人を襲う!
「あなたは実に筋がいい。しかし、それまでです。私の地獄を砕くには至らない!」
 しかしアビ星人は開いた掌をまっすぐに向けるとプラズマを収束!撃ち放つ光球で砲撃を相殺!
「宇宙にも地獄があるのか?奥が深いことだ!」
 だが、その反応を引き出すことこそが玄の狙いだ!ぶつかり合う2つの光弾が激しく光を放ち弾け飛ぶ!その眩さを煙幕めいて利用し、玄は薙刀をかざしてアビ星人に迫った!その身体は光を放つ神霊体と化している。ユーベルコード【巫覡載霊の舞】の発現だ。強力な一撃を侵略宇宙人に叩き込む!
「グ、……は、ははは!」
「こっちも忘れないでもらいたいなァ!!」
 鋭く強力な刃がアビ星人を抉り、更にクロトが追撃に入る。冷気を纏う爪牙めいた拳が更に敵を打ち据えた!あびせいじんは衝撃に仰け反り苦悶するような呻き声を漏らすが即座に姿勢を立て直し、その勢いで拳を放つ!宇宙マーシャルアーツの重く鋭く強烈な一撃がクロトと玄に襲い掛かった!
「くッ……!負けるわけには、いかない!」
 玄はその攻撃を薙刀で弾くように受け後退!
「ああ……!こいつの強さは理解した。よくわかったぜ。けどなァ、一つ残念な事がある」
 クロトは虚空に形成した氷の盾でアビ星人の拳を受ける!そして、彼は砕ける盾の破片を浴びながら笑った。
「なに?」
 どういうことだ。何を笑っている?アビ星人は戸惑いを見せる。
「アンタが『本物』じゃねェってことだ」
「ああ……。骨は折れたが、この勝負、俺たちの勝ちだ」
「あなた方はいったい何を——まさか!」
「残念やったな!もう遅いで!」
 声を張り上げるのは、メルノである!彼女は2人がアビ星人との戦いを繰り広げている間にコンピュータルームへとたどり着いていたのだ!ガンガンガンガンガン!!得意の二挺撃ちでたちまち扉を撃ち壊し、メルノは蹴破って侵入!!プール状の設備へと貯蔵された輝く透明な液体——リキッドコンピュータへとたどり着く!
「や、ッめ、ろオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」
「バァカ!行かせるかよォ!」
「そうさ。今、此処こそがお前の地獄だ」
 玄とクロトはメルノを追うべく飛び出そうとした液体アビ星人に更に追い縋り攻撃!その足を止める!
「2人とも、おおきにな!そんじゃ、やらせてもらうで……!」
 メルノは補助バッテリーを愛用の熱線銃R&Bに接続!エネルギーをフル充填し、最大出力でトリガー!通常時の倍以上の出力で光を放つ!銃身が焼けつき使い物にならなくなる寸前まで、メルノは撃ち続けた!
「演算続きで疲れたやろ、ええ加減に干上がって休むとええで!」
 ぱぁん!!爆ぜるような音とともに、リキッドコンピュータ室が火花と炎に包まれる!メルノはに、と笑って親指を立てながら爆発するコンピュータ室より脱出!
「お、おお、おおおおおおおおおおお!!!お、おのれ、おのれ!!お、おおおあああああああ!!ち、力が!処理能力が!!よ、よくも、よくも私の本体をオオオオオオ!!!」
 床の上へ膝を屈し悲鳴をあげる液体アビ星人!本体を破壊されたことでその力が大きく失われたことを猟兵たちは理解する。
「悪行はここまでや、宇宙人!」
「コンピュータは破壊した。あとは、お前を倒して終わりだ!」
「へへ、好き勝手やってくれたじゃねェか……!ここから、反撃させてもらうぜェ!」
「おおおおおのおおおおおれええええええええええ!!!薄汚い、薄汚い、穢らわしいいいいいいい猟兵どもがああああああああああああ」
 だが、決着がついたわけではない……!未だ屈せぬ再現体アビ星人との戦いは、こうして佳境に入っていく!
 決着の時は近い。猟兵たちよ、最後まで油断せず戦い抜くのだ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

グウェンドリン・グレンジャー
【POW】
なるほど、強そ、う……
ダメージ、は、第六感、で……予測、して、回避する……か、避け、られ……そうにもない、なら、激痛耐性、で……我慢
ただし、宇宙地獄プラズマ弾だけ、は、何が……なんでも、シックスセンス・カイヒする。
オタッシャヤキトリは、やだ……

宇宙地獄近接格闘術、が……来たら、タイミング、見計らってAngel's Hammerで対抗
単純で、重い、一撃に……単純で、重、い……一撃、を、ぶつければ
その力の、弱い方に、倍になって、ダメージ、押し寄せるって
ママの、弟の、奥さんの、従妹の、旦那さん、ボイルドエッグおじさんが、昔言ってた
……気がする

※アドリブ、絡み歓迎


チトセ・シロガネ
【WIZ】
とんでもないものをコピーしたものネ。
だけど光の力を持ったボクがなんとかするヨ。
なんとかしてみせるヨ!

【光輝障壁】でボクがヤベープラズマ弾を防いでみるヨ。
大技を防ぎきれば反撃のチャンスができるのが定石って考えネ。
防ぎきったら他の猟兵に反撃を任せるよ。

ついでに【念動力】【地形の利用】でそこら編の瓦礫で遮蔽物を作って
さらに【オーラ防御】を張って威力の減衰を狙うヨ。

これ防ぎきれたら、あの伝説のヒーローと肩を並べられるかナ?
それはともかく出来たら反撃するビックなチャンスヨ!
女は度胸、やりきってみせるネ!


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

短距離テレポートで距離を詰めての格闘戦、ねぇ…
単純だからこそ切り返しにくいあたりタチ悪いわねぇ、これ。

単純に狙ってもスカされるだろうし、攻撃〇見切って〇カウンター狙いねぇ。
〇第六感でアタリつけて〇クイックドロウから〇先制攻撃の●封殺を合わせるわぁ。〇鎧無視攻撃の〇一斉発射なら多少は堪えてくれるわよねぇ。
基本は〇援護射撃に回るけど…いざとなったら、〇零距離射撃の●滅殺も視野に入れるわぁ。〇捨て身の一撃になるから正直やりたくないけど。

というか、1兆℃なんてふざけた熱量ぶっ放して、船大丈夫なのかしらぁ?
…再現だし、死なば諸共、くらいやってきてもおかしくはないかしらねぇ。



「おおおおおのおおおおれえええええええ猟兵どもおおおおおおお!!!」
 本体であるリキッドコンピュータを破壊され、その端末である液体アビ星人には致命的な弱体化が発生していた!言語能力の乱れはそれを如実に示している。
 おのれ、よくもこの私にこんな屈辱を!頭部の発光器官が激しく明滅し、怒りの感情をあらわにしていた!
「なるほど、……よわくなってる、はずだけど、強そ、う……」
 グウェンドリン・グレンジャー(f00712)はクランケヴァッフェの翼を広げながら、油断なく相対する。
「ホントにとんでもないものをコピーしたものネ」
 チトセ・シロガネ(f01698)はその胸の内でフォトンハートの火を灯す。光子回路が駆動を始め、彼女の四肢に力が行き渡り始めた。
「アイツ、やっつけたら……ボクも、あの伝説の戦士みたいになれるかナ?」
「ききき貴様ままま……!そそそそそのひひひ光りりりははは、なななななんだ。るるるルトラ騎士しししにでもなななななったつもりかかかか!!」
 チトセの輝きを目にし、アビ星人はノイズ交じりの声で憎々しげに叫ぶ。ルトラ騎士とは、スペースシップワールドに伝わる伝説の騎士団である。
“ルトラの父”と呼ばれる騎士隊長ケーン・ウルドラゴンを筆頭に、ベゾフィエール、ウルトウェインやセブンスタンなど多くの騎士が名を連ねる宇宙円卓騎士団だ。多くの侵略宇宙人の魔の手から人々を守った伝説的な英雄譚のほか、裏切りの騎士ベリアスロットと息子ガラジードの確執を描いたドラマティックな叙事詩など様々な物語が残されている。話を戻そう。
「あらぁ。そんなご大層なヒーローになるつもり、あたしはぜんぜんないんだけどぉ……」
 ティオレンシア・シーディア(f04145)は引き金を引く。愛銃オブシディアンのさえずりが六度歌を奏で銃弾のメロディをアビ星人へと捧ぐ。【封殺(シールド)】!弾痕六つ、敵を穿つ!更にティオレンシアは鏖殺(アサルト)の構え!
「これ以上のおイタは、許しておけないのよねぇ」
「ざざざ戯れれれれ言とととををををを!!!」
 だがティオレンシアが追撃に移るより先にアビ星人は床を踏み切ると猟兵たちへ向かって襲撃を仕掛ける!Blink!超次元殺法!その姿が掻き消え、猟兵たちは身構えた!
「右から、くる……!」
「ええ、わかるわぁ」
「おおおおおお!!」
 Blink!アビ星人はSFX効果映像めいて虚空からティオレンシアの側面から出現し、強烈な宇宙マーシャルアーツの構え!拳にて重撃を叩きこみに来る!だがグウェンとティオレンシアは敵の襲撃を感じ取り回避機動!
「単純だからこそ切り返しにくいあたりタチ悪いわねぇ、これ」
 弱体化してなお強力な技の冴え!しかしティオレンシアはこれに対応し、身を躱し後退しながら射撃!銃撃に怯んだアビ星人へと更にグウェンはタイミングを合わせ、クランケヴァッフェの翼をブレード化し向かい来る敵の拳に叩きつける!【宇宙地獄近接格闘術】と【Angel's Hammer】!2つの強力なユーベルコード同士の激突だ!
「たたたただのののの人間んんんがああああああああ!!」
「私は……“ただの、人間”、じゃ……ない」
 互いに衝突の衝撃で身体が軋む!グウェンの骨格が悲鳴をあげるも、アビ星人を構成する流体もまた壊死し始めていた!
「単純で、重い、一撃に……単純で、重、い……一撃、を、ぶつければ……!」
 グウェンは激痛を堪えながら、更に力を込めて押し込むッ!その結果、押し負けたのは――アビ星人だッ!!
「その力の、弱い方に、倍になって、ダメージ、押し寄せる……!」
「グアアアアア……ッ!!」
 流体で構成されたその腕が、爆ぜる!アビ星人はたたらを踏むように後退し、頭部の発光体を激しく明滅させながら悲鳴をあげた!
「たたたたただではははははすすす済ままままささささん……!ここここの艦ももももろともこここ殺ししししてててててややややるるるるるる」
 憎悪に満ちた言葉を呪いのように吐き出しながら、アビ星人は残る片腕を掲げ、そこに残るすべてのエネルギーを収束させる……!光球を中心に膨大な熱量が渦巻き、激しい光を発した!それは100,000,000℃の熱量をもつプラズマエネルギー弾だ!
「あんなふざけた熱量ぶっ放して、船大丈夫なのかしらぁ?」
「ダメだと思うヨ」
「きっと、捨て身……」
「死なば諸共、ってわけねぇ」
「だいじょうぶ。ボクがなんとかするヨ」
 そこで、チトセは一歩前に進み出る。フォトンハートが光を放つ。それは、希望持つものに力を与える輝きだ。邪悪な力の前であれば、決して屈することはない。
「なんとかしてみせるヨ!」
 フォトンの光が満ちてゆく。
「ほほほほほ滅べえええええええええええええ!!」
「悪意を消し去るは光の障壁――」
 アビ星人は、極限にまで高めたプラズマエネルギー塊にのこる全ての力を注ぎ、そして艦ごと猟兵たちを滅ぼさんと放つ!
「我が前に立ち塞がれ、輝く星光の盾よ」
 だが、チトセは恐れない。前に出る。ユーベルコードを起動する。【光輝障壁(フォトンシールド)】。フォトンサーキット・フルドライブ。体内を循環するフォトンの流れを加速させ、その身は邪悪を遮る盾となる!
 プラズマエネルギー球がフォトンシールドとぶつかり合い、超新星爆発もかくや。爆発的な閃光と熱量があたりを包み込んだ!!
「すごい、ひかり」
「とんでもないわねぇ……!」
「女は度胸、やりきってみせるネ!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 そして弾けるように、光。
 ――そこに立っていたのは、プラズマエネルギー光球の熱量を耐え切り、しかし大きく消耗したチトセだ。
 相対するのは、もはや原型をとどめぬほどに自身のカタチを保つことすら困難になった液体兵士だ。もはやそれは、アビ星人ですらない。
「――――――――!!」
 言語機能はもはや失われている。戦闘能力などもはやゼロに等しい。それでも、それは、猟兵たちへと吼えていた。言葉にならぬ声で、敵意と憎悪を向けていた。
「おやすみなさい」
 そして、ティオレンシアは最後の一発を叩きこむ。既に本体の支援もなく、自身のカタチすらおぼつかないほどにダメージを受けた液体兵士は、その一撃に中枢を撃ち抜かれ遂に最期を迎える。それは最後にべしゃ、と音を立ててただの液体と化し、もはや動くことはなかった。
「すごかった。えらい」
「えへへ……」
「えぇ。よぉくがんばったわねぇ。こんどうちにいらっしゃぁい?一杯おごってあげるわぁ」
 グウェンは消耗しきったチトセを支えながら、艦からの脱出を開始する。艦の本体である液体コンピュータを破壊したときから、この艦は自壊を始めていたのだ。もはや一刻の猶予も残されてはいない。
「それじゃ、いきましょう。もう時間がないみたいよぉ」
 こうして、3人の猟兵たちは脱出を急ぐのであった。

 ――そして、艦が沈む。
 こうして、猟兵たちの活躍により銀河帝国の戦力がまたひとつ削がれた。
 帝国との戦争も、まもなく終局へと近づいて行く。
 猟兵たちよ、最後まで油断をしてはならない。この先どんな地獄が待ち受けていたとしても――走り続けるのだ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月15日


挿絵イラスト