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銀河帝国攻略戦⑰~真の姿に至りて

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「……戦果は上場ですが、敵の精神攻撃やらウイルスやら、厄介ですねぇ」
 コンラッド・アレグリアス(ケットシーの精霊術士・f01460)は戦況マップを振り返りながら、この場に集う猟兵へと説明を開始する。
 厄介、と言いながらもその愛らしい猫の口許は歪に微笑んでいた。
「銀河帝国の精神破壊兵器『アゴニーフェイス』が搭載された、その名もアゴニーフェイス艦隊。 これらが解放軍艦隊へ秘密裏に接近しているとの情報がありました。 皆さんにはこのアゴニーフェイスの破壊を行っていただきます」
 アゴニーフェイスは専用カートリッジ……特殊加工されたサイキッカーの脳に入れて作動させることで、強力な『テレパシーの悲鳴』を放つ。
 悲鳴を受けた人間達の精神を破壊してしまうというこの兵器、見た目は『苦痛に喘ぐ人間の顔のような形をした金属の塊』だと言う。
 悪趣味ですよねぇ、と目を細めたコンラッド。
 解放軍戦艦にはアゴニーフェイスの攻撃を防ぐ術を持たないため、接近を許せば確実に落とされてしまう、とも口にした。
 そうなってしまう前に、猟兵の力が必要なのだ、とも。
「アゴニーフェイスの性質上、アゴニーフェイス艦隊の乗組員は最小限に抑えられています。 なんせ精神攻撃さえ放ってしまえば、無力化した相手を一方的に殺すだけですから、最低限の護衛と残敵処理のための少ない人員で十分だったのでしょう。 ええ、猟兵が現れる前までは、の話ですが」
 解放軍では成す術もなかったであろうこの攻撃は、猟兵であれば精神攻撃に耐えた上で突破できる、とコンラッドはグリモアをさらに展開する。
「アゴニーフェイスの精神攻撃は、猟兵の理性を失わせる代わりに、その姿を強制的に真の姿へと変えてしまうというものになります。 アゴニーフェイスの破壊効果を、猟兵の生存本能が上回った結果と言えるでしょう……さて、もうやることはお分かりですね?」
 コンラッドの笑みの真意に気づいた者がいようといまいが、やることは一つだけだ。
「では改めて。 アゴニーフェイス艦隊の破壊を皆さんにお願いします。 僕たち猟兵を怒らせたこと……真の姿の、その力を以て後悔させてやりましょう。 多少、理性が飛んでも問題はありません……どの道、敵を殺して帰ってくるだけなのですから、さして大きな支障はないでしょう?」


四季臣
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 十六度目まして、四季臣です。
 この度はここまでOPを閲覧していただき、ありがとうございます。

 四季より戦争シナリオ三本目です。
 🔵か🔴が👑を達成した場合、それ以降のプレイングは却下対象となります。
 が、プレイング頭に「■」(「」は不要)の印を提示して頂ければ、継続して戦闘もしくはハイライトという形で採用を検討します。

 第1章は、集団戦です。
 皆さんは『アゴニーフェイス』の精神攻撃により、「理性を失う」「最初から真の姿である」という条件で戦っていただきます。
 理性をどうにか保とうとしながら戦うのか、それとも理性などお構いなしに真の力を振るうのか……皆さんのプレイングを、グリモア猟兵と共に楽しみにお待ちしております。

 それでは、よろしくお願い致します。
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第1章 集団戦 『アイスバーグレンジャー』

POW   :    フォーメーション『霜』
【冷凍ビーム】が命中した対象を爆破し、更に互いを【氷の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    フォーメーション『霰』
【隊長ペンギンの特攻体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【隊員ペンギン達の連続体当たり】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    フォーメーション『雹』
【隊員全員のパワーを合わせて巨大氷山】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●アゴニーフェイス艦隊
「敵影を確認、パターン不明、“猟兵”と判断」
 アゴニーフェイス艦隊に配属されたオブリビオン、アイスバーグレンジャーの隊長ペンギン。
 彼の無機質な声は、グリモア猟兵によって転移された猟兵にも聞こえていた。
「これより“猟兵”と交戦する。 並びにアゴニーフェイスの起動、総員戦闘配備」
「イエス、サー」
 まるで流れ作業であるかのように、その行為は行われた。
 苦痛に喘ぐ人間の顔を模した金属に、専用カートリッジを差し込んで“それ”は発動する。
 脳だけにされたサイキッカーの悲鳴が轟き……その声は確かに猟兵たちの理性を奪うものだった。
 しかし、ここで隊長ペンギンの顔が驚愕に歪む。
「……何だ? 奴等、なぜこちらへ向かってくる? バカな、精神破壊が効いていないのか?!」
須藤・莉亜
「うるせェ声だなァ。あれを壊せば良いって話か?」
久々に思いっきり暴れても良いんだよな?…敵はどこだァ!!!

真の姿
髪は白く染まり、左目は金に右目は白く濁った目に。背中から大鎌の刃を羽のように生やした異形の天使。テンションが戦場にいる間はどんどん上がっていく変な性格に。

大鎌を24本に複製し自分の周囲に展開、縦横無尽に動かしながら敵の固まった所へ突っ込んで行く。

囲まれたら、時喰らいを使い周囲の時間を止め、強引に突破する。

「ハッハァ!!!体が軽い!!!血が滾る!!!やっぱし戦いは最高だァ!!!」

ついでの様に眷属の腐蝕竜を召喚し、好きな様に暴れさせる。

「せっかくの宴だッ!!!お前も暴れとけや!!!」



 まず隊長ペンギンの視野に入ったのは、鋭い刃によって構成された異形の翼だった。
 触れようものなら全てを切り裂く翼を生やした天使……須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)は、テレパシーの悲鳴に頭を軽く押さえていた。
「うるせェ声だなァ。 あれを壊せばいいって話か?」
 紫色だった髪は白に染まる中、金色に輝く目がペンギンたちの危機感を煽る。
「くっ……奴等をアゴニーフェイスに近付けるな! フォーメーション『霰』!」
「さっきからゴチャゴチャと……うるせェんだよォ!!」
 真っ向から莉亜へ隊長ペンギンが突っ込んでくるのに対し、莉亜はそれを正面から迎え撃つ。
 白い大鎌を複製、総勢24本もの巨大な刃を自身の周囲に展開。
 それら全てを縦横無尽に振るいながら突撃し、敵の戦闘にいた隊長ペンギンの身を大きく切り裂いた。
「ぐぅ……ッ!」
「突っ込んでくるにゃ相手が悪かったなァ!!!」
 隊長ペンギンを薙ぎ払った先にいた、配下ペンギンたちにと24の刃は容赦なく振るまれ、その隊列を切り刻んでいく。
「な、なんだこいつは……ぐわああっ!!」
「ハッハァ!! 体が軽い!! 血が滾るゥ!! やっぱし戦いは最高だァ!!」
 刃を振るう度に配下ペンギンが一刀両断に切り捨てられ、莉亜の身を次第に返り血の赤へと染めていく。
「せっかくの宴だッ!! お前も暴れとけや!!」
 ことのついでにと、眷属の腐蝕竜をも呼び起こしてさらに攻勢に出る莉亜。
 異形の天使と腐蝕竜の挟撃から、猟兵たちの攻撃は幕を開ける。

成功 🔵​🔵​🔴​

シキ・ジルモント
◆SPD
理性を失おうと目の前に敵がいるなら行動は一つ
その殲滅あるのみだ

敵に接近、攻撃はユーベルコードで回避し隙ができたら反撃する(『カウンター』)
更に『2階攻撃』で追撃し、逃げるなら『追跡』して追い詰める

囲まれても構わず、近くの敵を掴んで他の敵に『投擲』して武器にしたり、
適当に撃てば当たる状況を利用して手数で攻める

頭にあるのは敵の殲滅だけ
元に戻った後は、獣じみた戦い方を思い出して少し自己嫌悪

◆真の姿
月光を纏うように全身が淡く光を帯びる
瞳が夜の狼のように輝き犬歯は大きく伸びて尖り、そのまま完全に狼獣人形態へ変化
普段より獣の姿に近くなる変化に戸惑う理性は無く、肉弾戦と『零距離射撃』での接近戦を挑む



 異形の天使から逃れようと下がった配下ペンギンらが見たのは、月の光のような淡い光だった。
 それを敵と認識し突撃したペンギンは、その光に触れることすら叶わずにカウンターを放たれて星の海に沈む。
「くっ、次から次へと!」
 たった今、一体のペンギンを沈めたシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は、その瞳を蒼く輝かせて敵郡を睨み付ける。
 犬歯が大きく伸びて尖り、完全に狼獣人の形態へと変化したシキは、新たな敵の気配に低く唸り声を上げた。
 普段よりも獣に近くなる変化に対し、戸惑うだけの理性を今のシキは失っている。
 その理性を失おうと、目前に敵がいるなら行動は一つ。
 その殲滅、ただそれだけだ。
 配下ペンギンがさらにシキへと突撃を試みようものなら、シキはそのペンギンを鷲掴みにして、他のペンギンへと強引に投げつける。
 そうして隊列を崩したところへ、すかさずハンドガンによる追撃、掃射を行って配下ペンギンたちを次々と撃ち抜いていく。
 その手際に怯んで逃げようとするペンギンがいるならば、その背中を的確に追い詰めてトドメを刺していく。
 まるで獣じみた戦い方、元に戻った頃にはこの事を思い返しては自己嫌悪に陥るのだろう。
 しかして今はそれを後悔する理性もなく、シキは淡々と敵を狩っていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

青葉・颯夏

真の姿は白藍の髪と翼
藤紫の瞳に浅紫のラナンキュラスを持つオラトリオ
いつもは抑えている分、理性がなくなったら友人を怖がらせてしまうわね

人形は持たず、代わりに普段は人形に持たせている黒紅を持って特攻
花風を撃ってから、手近な敵へと飛行して接近
手当たり次第に刃を振るう
自分が倒れるか、動く敵がいなくなるまで戦い続ける



「くっ、猟兵どもめ……!」
 隊列を整えようと、大いに暴れまわる猟兵二人から距離を置いたペンギンたち。
「フォーメーション『雹』だ、奴等を全て氷漬けに……む?」
 隊長ペンギンが自身の傷を庇いながら指示を飛ばす中、その鼻先に通りすぎたのは浅紫の花びらだった。
 このような宇宙になぜ、と手を伸ばす配下ペンギンたち……隊長ペンギンは声を張り上げる。
「やめろ、それに触るな!」
「逃がさないわ」
 宇宙空間を漂う花びらは吹き荒れ、配下ペンギンの身を覆い尽くしながらその身にダメージを与えていく。
 次いで振るわれた黒紅色の刃が、花に沈んだ配下ペンギンにトドメを刺していく。
 青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)は、普段は隠している白藍の翼を羽ばたかせ、その身に浅紫のラナンキュラスを咲かせながら敵を斬り払っていく。
 いつもは抑えているこの姿に加え、理性を失っているとなればきっと友人を怖がらせてしまうだろう。
「(ルーナを怖がらせたくはないものね)」
 心の奥底にそんな感情を抱きながら、颯夏はこの場に動く敵がいなくなるまで、その刃を振るうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

緋月・透乃
私は戦いは物理で殴り合うのがやっぱり好きだね。
精神攻撃とかよくわからないのはなんかねー。
ま、物理で壊せるのなら壊すだけだね。

●真の姿
髪の一部が緑色になって光り、瞳も緑色に光る。他の部分はそのまま。
火迅滅墜衝の炎と台詞が変化して、緑色の炎を放つ『翡翠の一撃』になる。

敵は全部見た目が同じっぽいね。
敵の姿を見るまでは気合いで理性を保って、敵を見たら『その敵を焼き殺したい』衝動で頭をいっぱいにして理性をすっとばそう!
理性とばして残った衝動を特化した殺戮衝動で上書きして敵だけ攻撃できたらいいねー、ってことだね。
上手くいけば気付いたら火迅滅墜衝で片っ端から焼き殺した状態になっているんじゃないかな。



「敵は全部見た目が同じっぽいね」
 緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)は、その赤い髪の一部と瞳を緑色に光らせながら、向かってくるペンギンたちを見つけた。
 隊長や配下といった位があるらしいが、その辺りは透乃にとってさほど重要ではない。
 精神攻撃を仕掛けてこようとも、それを物理で破壊できるならばそうするのみだ。
 ペンギンたちが目前へ迫ってきたところで、どうにか気合いで理性を保っていた透乃の感情は、ある一色へと染め上げられる。
『その敵を焼き殺したい』という、完膚なきまでの殺戮衝動だ。
 それまで理性を保っていた分だけ、『その敵』と認識されたペンギンたちへのみ、殺したいという衝動が向かうように感情をコントロールしたのだ。
「……?! なんだこのプレッシャーは!」
 透乃の気迫に圧されたペンギンたちが冷凍ビームを放つも、尋常ならざる衝動を纏った透乃を止めるに至らない。
「燃え上がれ私の魂! アイツの全てを――」
 ――焼き尽くせ。
 黒戦斧に緑色の炎を宿し、殺意の化身と化した透乃は勢いのままに振りかぶる。
「翡翠の一撃!! 火迅滅墜衝――!!」
「――がっ」
 その一撃をまず受けたペンギンは、あまりの勢いのままに叩き斬られ、分かたれた頭と胴は悲鳴を上げることも叶わずに、緑色の炎に焼かれて消える。
 死の残骸すら残さずに敵陣を焼き消していく透乃の荒業に、隊長を含むすべてのペンギンが退避を選択した。
 それでも、翡翠の一撃から逃れられた者は、片手の指で数えられるほどしか残らなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サリア・カーティス
【真の姿:下半身が複数の犬の体になったタイプのスキュラっぽい姿】

まあ、最初から真の姿に?
それはとても好都合……思い切り戦えるのでしょう?
そもそも私……戦っている時に正気でいた覚えなどないわぁ……?(語尾が伸びていく

相手は氷を使うのねえ……なら、鉄塊剣を炎の彼岸花に変えて、【地獄華乱舞】で燃やして行きましょう……氷の鎖で繋がれた場合? 鎖を伝って相手に炎を届けられるから好都合だと思うわあ?
ネクロオーブから【呪詛】を放って呪縛して動きを鈍らせるのも良いかもしれないわねえ



「あら、まあ」
 淑やかに、白い頬に手を添えたサリア・カーティス(過去を纏い狂う・f02638)は鉄塊剣より転じた炎の彼岸花を纏いながら、自らも真の姿へと変わっていく。
 下半身が複数の犬の体になったその姿は、スキュラと呼ばれる怪物を思わせる。
「それはとても好都合……思い切り戦えるのでしょう? そもそも私……戦っている時に正気でいた覚えなどないわぁ……?」
 くすくすと笑うサリアに反して、下半身の犬たちは敵に飢え、牙を噛み鳴らしながら吠え猛る。
 ここまで来れば、アイスバーグレンジャーのペンギン達は後悔していることだろう。
 アゴニーフェイスで精神を壊すどころか、精神破壊を超越して更なる力を引き出す猟兵という存在に、ペンギンたちは確実に恐怖していた。
「ぐぅ……ッ、ひ、怯むな、フォーメーションを!」
「ふふ……」
「?! お、おい、なにをしている!」
 隊長ペンギンは、配下ペンギンたちの明らかな動作の遅延に振り返る。
 それは猟兵に対する恐怖のみではなく、サリアがネクロオーブから放つ呪詛によって動きを鈍らせられたようだった。
「ほらぁ、早くフォーメーションを組まないと……綺麗に燃えちゃうわよぉ?」
「あぁ……畜生ッ!!」
 地獄花乱舞、炎でできた彼岸花に触れては焼かれる配下ペンギンを置いて、隊長ペンギンは呪詛から退避した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ファン・ティンタン


たがを、外せって…?
後のこと、知らないよ―――


私を、【天華】を鋼の右腕で振るう、小柄な女性
それが私の主、『  』だった
記憶にある彼女はよく、一人の寂しさを闘争で紛らわせていた
猛禽の笑みを浮かべて跳び回り、片っ端から敵を突き殺すその姿は、啄木鳥と言われていたか
感情も意図も無く、ただ振り回される私こそ、刀としての確かな“私”だった


【天羽々斬】で複製され宙に備えた【天華】を、私の記憶の中の主を模した黒い“影”が手当たり次第に掴み、縦横無尽に暴れ回る
瞬きの間に敵連隊へ幾度と放たれる刺突に、複製の【天華】が耐え切れず次々と砕ける
それさえ、至上の喜びだった

あぁ…『  』、私は大丈夫
だから、ね―――征こう



 こんなはずではなかった。
 こんな劣勢に立たされるはずがなかったのに!
 隊長ペンギンは急ぎアゴニーフェイスを回収し、撤退すべく宇宙を駆ける。
 そう、我等の本来の任務は猟兵との交戦ではないのだ、そう言い聞かせながら逃げ延びる道を模索する。
 そうしてアゴニーフェイスに辿り着いた隊長ペンギンを、待ち構えていた一人の猟兵がいた。
「たがを、外せって……?」
 ファン・ティンタン(天津華・f07547)は、その姿を白の一振り“天華”として、鋼の右腕を持つ小柄な女性に握られていた。
 その女性とは、ファンの……“天華”の主であった『  』。
 一人の寂しさを闘争で紛らわせていた主は、猛禽の笑みを浮かべては飛び回り、あらゆる敵を端から突き殺す様が印象的だった。
 その様から“啄木鳥”と呼ばれた主に、感情も意図も無く、ただ振り回されることが、“天華”の、刀としての確かな“私”だった。
 複製された“天華”が宙を舞う。
 主を模した黒い“影”がそれらを手当たり次第に掴み、縦横無尽に暴れまわる。
 生き残っていた配下ペンギンたちの眉間に次々と突き刺さる刃の群れ。
 幾度も繰り返される刺突に耐え切れず、次々と砕けるそれさえも、“天華”にとって至上の喜びであった。
「あぁ……『  』、私は大丈夫」
 ――だから、ね――征こう。
 “天華”の、啄木鳥たる刺突が隊長ペンギンと、その背後に庇われていたアゴニーフェイスへと突き刺さる。
 甲高い破砕音と共に砕けた、人の顔を模した金属。
 その内に納められていたサイキッカーの叫びが途絶えたとき、隊長ペンギンはどさりと崩れ落ちる。
「銀河帝国に……栄光、あれ」

 アゴニーフェイスの破壊は成され、その守護者たるアイスバーグレンジャーの全滅も確認された。
 精神攻撃が解除されたことにより、猟兵たちは理性を取り戻し、その姿は普段通りのかたちへと戻っていく。
 任務は成功だ、6人の猟兵たちはグリモア猟兵の手によって、グリモアベースへと帰還していく。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト