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銀河帝国攻略戦⑲~『死の概念』に勝る『奇跡』

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「みんなーっ、戦争が動いたよーっ!!」
 ドーンっと効果音が付きそうな勢いで猟兵たちに飛びついてきたのはまだ幼さの残るグリモア猟兵、指矩・在真(クリエイトボーイ・f13191)だ。
 彼の後ろにはよく事件の説明で使うウィンドウ画面が浮いており、その画面をドクロマークが占拠している。
 息を切らす彼の様子は、明らかに異常事態を示していた。

「えっとえっと、スペースシップワールドで起きている戦争なんだけどね、『ガルべリオン』っていう要塞を発見したところまではよかったんだ。だけど、ドクター・オロチってやつが、すーっごく困った殺人ウイルスをばらまこうとしているんだ」
 差矩曰く、その殺人ウイルスというのは『オロチウイルス』という名がつけられており、死という概念そのものと化したそれを満載した突撃艇を開放軍船へ一斉ワープさせたうえで爆破、解放軍を抹殺しようとしているのだという。
 このまま感染してしまえば、全滅に至るのも時間の問題であろう。
「オロチってやつも馬鹿じゃなくて、いろーんなところにワープさせた上に存在隠しちゃってるからさ、ぼくたちがどんなに予知を頑張っても自爆の完全阻止はできないんだよね」
 してやられた、とばかりに差矩の頬が膨らむ。
「…だけど、作戦がないわけじゃないよ。ウイルスが入ってきちゃうなら、取り除く手段があればいいってね」
 画面の中に突如槍を持った白い騎士が現れ、ドクロマークの目が涙目になり、モザイクになって消える。
 それと同時に、にぃと差矩の口角が上がる。
「ウイルスにはお薬で対抗すればいいってこと!普通の方法じゃああっちの世界の技術をかき集めても難しいけど…あるよね、ぼくらの『奇跡』」
 そう、ユーベルコードという『奇跡』も動員すれば、抗体の作成が可能になるのだ。
「と、いうわけで!ユーベルコードを駆使して『オロチウイルス』を無力化してきて!ミディアさんも抗体づくりのために走り回ってるから、声をかければ手伝ってくれると思うよ!」
 よろしくー、と差矩は忙しなく手を振って猟兵たちを送り出すのであった。


灰猫
 御覧いただきましてありがとうございます。灰猫と申します。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 また、本依頼ではユーベルコードを利用した分析が重要となっております。
 コードの指定忘れにはご注意ください。

 それでは、皆様のプレイングを心よりお待ちしております。
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第1章 冒険 『オロチウイルスの抗体を開発せよ!』

POW   :    オロチウイルスを摂取し、未完成の抗体とユーベルコードを駆使し、全力で耐え抜く事で抗体のヒントを得ます

SPD   :    圧倒的処理速度で演算を行なったり、肉眼では確認できないウイルスの動きを見切り、その特性を導き出します

WIZ   :    集積された膨大な情報を高速処理するなど、ユーベルコードを利用して開発に貢献する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ナハト・ダァト
【WIZ判定】

奇跡カ…ふム。
そんなことに頼っていてハ、医者などやっていられないのだけド。
気持ち…意志の強さハ、確かに病とつながっていル。
論理的にしか動けないガ、役に立てるのであれバ
こういうのも悪くないネ

世界知識、医術、情報収集を用い

また過去に治療したあらゆる世界、時代の病の情報も併せて統合

近い症例を抽出したら
ニノ叡智を使用して抗体を産生
自らに実験を施す

効果が現れなければ、直ぐに次の抗体を検討

2回攻撃、早業を用いて、迅速正確に行う

協力できる人員がいれば支援、回復をお願いする

治療中のウイルスによる痛みは
呪詛耐性、毒耐性、激痛耐性
一ノ叡智を状態異常耐性の上げて対処
限界まで研究を行う

※アドリブ歓迎


エリカ・ブランシュ
【POW】
オロチウィルス……。その抗体が完成すればウィルスが怖くなくなるなら……やるしかないわね!
解放軍に参加してくれた人達。それに、猟兵仲間や大切な友達が安全に戦えるように絶対に抗体を完成させるんだから!

ウィルスの抗体だと……やっぱり回復系は試しておきたいわよね。
体力的にキツイものはあるけど……。そこは【覚悟】の上で、あとは【気合】でカバーしながらAmritaを同じようにウィルスに耐えてる仲間と自分にも使用しながらヒントが得られるまでの【時間を稼ぐ】わ。

ウィルス……正直厳しいけど……。
ここで耐える事も護る事に繋がるから……。
「アタシは絶対に……倒れたり諦めたりなんかしないんだから!」



「オロチウイルス……。その抗体が完成すればウイルスが怖くなくなるなら……やるしかないわね!」
 エリカ・ブランシュ(寂しさに揺れる白い花・f11942)のやる気は十分。
 解放軍や猟兵の仲間、彼女の友達が安全に戦うためには抗体が必要なのだから。
 彼女の赤い瞳は、絶対に完成させてみせるという強い意志で輝いていた。
「奇跡カ…」
 ナハト・ダァト(聖泥・f01760)は転送された研究室の中で、何かを考えているかのように呟く。
 医者は医学…先人たちが経験を積み重ね作り上げた理論に基づいて予防や治療を行う。
 医療行為は『奇跡』ではないのだ。
 むしろいつ起こるかわからないそれに頼っていては『医者』などやっていられるものではない。
「論理的にしか動けないガ、役に立てるのであれバ…こういうのも悪くないネ」
 ナハトはスペースシップワールドに関する知識、自身が身につけた医術、経験、その時特有の病等あらゆる情報を書き集め、ウイルスがもたらす症状を分析する。
 そしてサンプルとして得ていたウイルスと共に『二ノ叡智・知恵』で作り上げた抗体を接種する。
 間もなくしないうちに激しい痛みが、悪寒が、めまいがナハトを襲う。
 1作目は期待できる効果は出なかったようだが、この程度の失敗であきらめるほどやわではない。
 ならばと言わんばかりに調整を加えた2作目を作成し、すかさず接種。
 ウイルスによる症状は耐性を重ねることでごまかし、抗体を目にもとまらぬ速度で生み出し続けた。
「無茶してんじゃないわよ!」
 エリカの『MagicCode・Amrita』による高速治療もまた、ナハトの抗体開発をたしかに支えていた。
 エリカの頬につうっと汗が伝う。
 何度治療したのか、どのくらい時間が経過したかを考える余裕すらなくなっている。
 しかし、休憩を促す研究員に対して首を横に振り、彼女は疲労で震える体を叱責して聖なる雫による回復を施し続ける。
 体力が続かないことはエリカも最初から覚悟していたうえだ。
 護りたいという気持ちが、この闘いに耐え続ける原動力となっていた。
 今にも折れてしまいそうな膝に力を籠め、歯を食いしばる。
 自身にも治療を施し、少しでも実験時間を長引かせ、データを多く集めようと気合いを入れ直す。
「アタシは絶対に……倒れたり諦めたりなんかしないんだから!」
 未知のウイルスに論理的に粛々と対応策を練るナハト。
 己が願いを貫き通すエリカ。
 2人の姿は研究を手伝う船員の希望となり、奇跡を起こそうという意思を強くしていったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霑国・永一
【SPD】
やはりとんでもウイルスだったか。少しだけコア破壊する時に食らったけど、長時間は危ないなぁ。とはいえ抗体開発は面白そうだしやってみよう

とりあえずオルタナティブ・ダブル使うとしよう。ウイルスを見る目が多い方がデータ取りやすいからね。
【視力】【見切り】を使いつつ分身と共にウイルスの観察タイムだ。
無論動きを確認してる間に、手元にはノートパソコン用意して見ながら特性をキーボードに【早業】で打ち込んでいこう。如何にして侵食するのか、動きの法則は、未知のエネルギーでもあるのか。気になる点は山ほどだ。
「どうせなら抗体だけじゃなくウイルス自体も開発したいけどねぇ。オブリビオン本拠地にばら撒けるからね」



 集められた膨大なデータを前にして、霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)は思わず舌打ちをする。
「やはりとんでもないウイルスだったか…」
 脳裏をよぎるのは少し前に参加したエンペラーズマインド・コアの破壊作戦での出来事。
 霑国はその際にウイルスの脅威をわずかながらその身で体感していたのだ。
「とはいえ抗体開発は面白そうだしやってみよう」
 隣に現れたのは、霑国と瓜二つの男性。
 一部の研究員がざわつくのを余所に、霑国は分身と2人がかりでウイルスの観察に取り掛かり始めた。
 ―如何にして侵食するのか。
 ―動きに法則はないか。
 ―未知のエネルギーはないか。
 4つの目はウイルスの動きを見逃さない。
 小さな動きすらも霑国は手元にあるノートパソコンへブラインドタッチで打ち込んでいく。
 打ち込みの鮮やかさもだが、入力されるデータの細かさに画面を覗き見た若い男性はほうと息を漏らしていた。
「どうせなら抗体だけじゃなくウイルス自体も開発したいけどねぇ。オブリビオン本拠地にばら撒けるからね」
 きらりと妖しく眼鏡が光る。
 霑国の本当か嘘かわからぬ呟きに気が付いたものは、いない。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウレルト・ジュペル
中身のない体なら少しは反応も薄いでしょうから手伝うわ
これで他の子と反応に変わりがなければそれはそれでヒントになるものね

ウイルスからの攻撃と考えれば「無敵城塞」で対抗できるんじゃないかしら
完全に抑え込めなくても動きを鈍らせることはできるでしょう
それもダメなら体というより精神に直接影響を与えているものなのかしらね

耐えながら自分の症状も確認しておかなくちゃ
死を意識するなら生命の要に影響があるはず
わたしの場合、心臓もなければ動力源もないのだけどあるとすれば呼吸?
概念であるなら存在の否定かしら
過去そのものの否定とか?
そんなことウイルスでできるのかしら



 ウレルト・ジュペル(砂漠の守護者・f11934)もまた自身にウイルスを投与し、体への影響の出方を確認していた。
 直接その身をさらすことは危険に違いないが、反応が薄くなると考えられる要素を1つ持っていたからだ。
 それは、ブラックタール…液状生命体という特徴である。
 彼女に影響が出なければブラックタールの彼女が持っていない臓器類に、他の被検体同様に反応が出ればそれはそれで種族差を無視して死をもたらすというデータを得られると考えたのだ。
投与の結果、『無敵城塞』を発動し死は避け続けているものの、予想していたよりも強い苦痛がウレルトを襲っていた。
 ブラックタールたるウレルトに心臓はない。
 しかしそんな彼女にも爪を立てようとしているということは、『心臓』という人間が生きるための要だけに作用するものではないのだろう。
 超防御モードを維持しながら、ウレルトは極限まで抑え込んでいるウイルのがもたらす症状を確認していく。 
 ―心臓でなければ…呼吸?
 ―体というより、精神に直接影響を与えているものなのかしらね
 ―オロチウイルスが『死の概念』であるなら、存在や過去そのものの否定かしら?
 通常の病気では考えられない仮説も立て、それらを1つ1つ丁寧にくまなく確認していく。
 微動だにせず繰り広げられた闘いは、大量のデータという戦果を挙げた彼女に軍配が上がった。

 猟兵たちが体を張り、『奇跡』を駆使しまとめ上げたデータが1つの電子媒体にまとめ上げられる。
 それは死の概念を覆しうる、言わば奇跡の種のような存在となった。
 奇跡の種を手にし、研究員は最後の調整に走り出す。
 奇跡の実がこの世界になる時は、きっと近いだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月17日


挿絵イラスト