銀河帝国攻略戦⑲~抗体開発研究者募集のお知らせ
●抗体開発の依頼
太く長い尻尾を揺らし、先日よりかはいくらか落ち着いた様子でグリモアスペースへ立つゾーヤ・マハノフ(キマイラのビーストマスター・f12664)が、ふうと一息、ゆっくりと口を開いた。
「猟兵達の活躍、しっかりとこの耳にも届いている。みんな、連日お疲れ様だ」
まずは募った猟兵達の連日の出兵への気遣いの言葉。
速報は多くの猟兵にも届いていることだろう。その進行に、焦っている者もいれば、思っていたより大丈夫そうだと胸をなでおろす者もいる。
ゾーヤはそんな猟兵達を一通り長め、その反応が落ち着くのを待ってから再び口を開いた。
「帝国の科学技術総であるドクター・オロチが開発した殺人ウイルス、【オロチウイルス】を乗せた艇群が、解放軍に迫っている」
敵は【オロチウイルス】を満載した突撃艇群を一斉ワープで解放軍船へぶつけ、自爆と共にオロチウイルスを散布。ウイルスの力で解放軍を抹殺しようというのだ。
「オロチウイルスを積んだ艇群全てを発見、撃破するのは難しい。かといって、ワープしてくる敵を全て撃破することも、現状ではとても簡単ではない」
目を細め、苦虫を噛み潰したような表情をするゾーヤだったが、その表情はすぐにニヤリと変化する。
「だが、このやっかいな殺人ウイルスのサンプルを持ち帰ってきてくれた猟兵がいるらしい」
ゆっくりと揺れていた尻尾も、勢いでぴょんと跳ね上がった。
それぼどの朗報だった。
「ミディア・スターゲイザーが『古代遺跡船』内にてオロチウイルスの抗体作成研究を行っている」
手から浮かび上がるグリモアが、ゾーヤの背面へ研究施設の映像を投射した。
古代遺跡船内の研究施設へは、スペースシップワールドの科学技術を集結させている。
通常ならば、スペースシップワールドの科学技術の総力を上げたところで、短期間でオロチウイルスの抗体を作り上げることは不可能に近いだろう。
そう、通常ならば。
「だが、私達には軌跡の力、【ユーベルコード】がある。ユーベルコードの力で、オロチウイルスの抗体開発に協力して欲しいんだ」
ゾーヤは「よろしく頼む」と一礼し、そそくさと猟兵を古代遺跡船に転送する準備を始めた。
56
お久しぶりです。56(ごろー)と申します。
私もつい先日からインフルエンザウイルスに敗北し、寝込んでおりました。予防接種はしていたのに、抗体ができていなかったというのです。ウイルス絶対許さない。
という事で、本日は皆様にウイルスの抗体を開発するお手伝いをして貰います。
データ集め、解析、進化などなど、とにかくユーベルコードを使ってのお手伝いをよろしくお願い致します。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 冒険
『オロチウイルスの抗体を開発せよ!』
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POW : オロチウイルスを摂取し、未完成の抗体とユーベルコードを駆使し、全力で耐え抜く事で抗体のヒントを得ます
SPD : 圧倒的処理速度で演算を行なったり、肉眼では確認できないウイルスの動きを見切り、その特性を導き出します
WIZ : 集積された膨大な情報を高速処理するなど、ユーベルコードを利用して開発に貢献する
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ウーゴ・ソルデビラ
【POW】へっへっへ、蝙蝠ってのは元々体ん中にウヨウヨ菌を飼ってるらしいからな。菌がどうのって話になれば俺の出番だぜ。キマイラでもなんとかなる・・筈だぜ、多分な。
残念ながらウィルスを跳ね除ける様なユーべルコードなんてないぜ。それならせめて結果を早く出す事にするかな。って事で、体に直に繋がってる【刻印】を【ブラッド・ガイスト】で【殺戮捕食態】にして抗体を一気に血の流れにぶち込んでみるぞ。飲んだり注射したりするよりこっちの方が直ぐ変化がでる気がするからな。みんな、【覚悟】は出来たか?俺は出来てる。なんつってな。他所じゃ皆が戦ってるが、こっちはこっちで、体ん中の戦争をおっぱじめる事にするぜ。
●ウーゴの担当区画
「蝙蝠ってのは元々体ん中にウヨウヨ菌を飼ってるらしいからな。菌がどうのって話になれば俺の出番だぜ」
へっへっへと笑いながら、ウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)は自身に与えられた研究区画で対オロチウイルス用の抗体開発の準備に取り掛かっていた。
古代遺跡船の研究施設はかなり広く、スペースシップワールドの多くの船から持ち込まれた多種多様な機材が運びこまれているにも関わらず、それすら上回るほどの広大な研究エリアが立ち上げられていた。
その広大な研究エリアの一区画で、ウーゴはその体内に埋め込まれた刻印を、自身の血液を代償にすることで殺戮捕食態へと変化させているところだった。
ユーベルコード【ブラッド・ガイスト】で殺戮捕食態を通してサンプルを取り込めば、きっと何かが起こるに違いない、という考えからだった。
「辛い仕事を任せることになりますが、どうか……ご無事で」
意を決して、オロチウイルスのサンプルを殺戮捕食態から摂取しようとしていた時、背後から声がかかった。
見ると、それは他ならぬミディア・スターゲイザーその人で。
「覚悟はできたぜ」
というウーゴの返事に一礼すると、ミディアは直ぐ様他の区画へと走って行ってしまった。
彼女も、また、抗体の開発研究の為にこの広い区画を走り回っていた。
他所じゃ皆戦っているが、それはこの研究所内だって同じだ。命がけで戦っているのだ。
「さて……こっちはこっちで、体ん中の戦争をおっぱじめる事にするぜ」
ウーゴは、手にとったオロチウイルスのサンプルのカプセルを、殺戮捕食態となった刻印に近づけるのだった。
成功
🔵🔵🔴
春霞・遙
まだ臨床のみで研究にはあまり縁がないんですけど、抗体だの予防接種だのは自分のフィールドですしやらないわけには行かないです。
自分が感染してへばっていられないので【悪霊祓いのまじない】で自身の周りを清浄に保つ。
また、この力が世界法則さえも覆しうるというのなら、場を流れる力を理解させるという【まじない】の灯火で重要な情報やそのつながりを照らして処理しやすくすることもできるはず。
抗体を作りやすいウイルスの接種方法は?
誰か抗体を持っていないか?
大量に複製することが出来る方法は?
確実に抵抗力を得ることができて、副作用も実用に耐えうる程度という手段は?
なにか…なにかヒントになる情報は!?
●遙の担当区画
自らが医師であり、多くの子ども達を救う生者でもある春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は、与えられた区画にて【悪霊祓いのまじない】を行っていた。
研究という分野には馴染みは薄いが、抗体だなんだとあっては医者が出ない訳にはいかない。
殺人ウイルスに歯止めを効かせるために、抗体を作り出すために、少しでも情報が欲しかった。
「夏至の夜を汚す悪しきものを追い払え、聖なる炎を消す水の流れを探し出せ……」
魔除けをもたらし、知恵と豊穣を与えるハシバミの枝に火を付け、オロチウイルスのサンプルに近付ける。
軌跡の力である"ユーベルコード"が、世界法則さえも覆しうるというのならば、【悪霊祓いのまじない】の効果で何か分かるはずだ。
もしくは、ウイルス自体に何か変化が起こらないとも限らない。
抗体を作りやすいウイルスの接種方法は?確実に抵抗力を得ることができて、副作用も実用レベルまで低い抗体を作る手段は?
知りたいことは山ほどあった。
この研究施設内で多数の猟兵が奇跡の力"ユーベルコード"を用い、実験と研究を繰り返すことによって、何か……何か、見つかるだろうか。否、見つけなければならないのだ。
遙は慣れない機材を手に、ウイルスの分析を開始した。
ユーベルコードを使用する前と後でウイルス自体に変化は起きていないか?変化があるとすれば、どんな効果をもたらしたのか。
普段医療で使用しているよりももっと多くのデータベースにアクセスし、情報をかき集める。今は、一分一秒でも惜しかった。
成功
🔵🔵🔴
中村・裕美
オロチウイルスを摂取し、全力で耐え抜く
「……やっぱり…手っ取り早いのは……これよね」
邪竜降臨で【不眠不休のタフネス】を手に入れ、抗体を打ち込んで耐えることで抗体の【情報収集】を行う。
UCの代償やウィルスの毒性はドラゴンエナジーを飲んで【毒】【呪詛】【激痛】それぞれに耐性を得て、【気合】で耐える。
「……解析より…被検体向きの能力を持ってしまったのが…果たして…運がいいのか悪いのか」
ごふりと吐血しつつ
「…絶対…完成させなさいよ。……完成できなければ…末代まで…呪うから」
●裕美の担当区画
電脳魔術師でありながら、自身の肉体でもって抗体完成を目指す事にした中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は、自身の能力を前になんとも言えない表情をしていた。
「……やっぱり……手っ取り早いのは……これよね」
ごくごくと、自前のソウルドリンクであるドラゴンエナジーを飲み干すと、自身に邪竜を降臨させる。
ドラゴンエナジーと邪竜降臨のコンボは、裕美に漆黒の翼を授けた。
今ならば、様々な耐性に加えて不眠不休のタフネスで被検体として輝くことができそうだ。
「……解析より……被検体向きの能力を持ってしまったのが……果たして……運がいいのか悪いのか」
肉体の上限を超えて一気に強化された影響で、呟く口元からごふりと血が流れ出た。
区画をパタパタと忙しなく走り回っていたミディア・スターゲイザーが、驚いたように立ち止まり、裕美の元へと駆け寄ってきた。
「ちょっと、大丈夫!?やはり体内摂取なんて……」
危険すぎます、と介抱しようとするミディアの手を振り払い、裕美は自分でその口元を拭った。
「大丈夫……これからだから」
無口だが、気迫があった。
裕美はその手でしっしっとミディアを追い払うような素振りをした後、黒竜の如きオーラを携えながら、オロチウイルスのサンプルと未完成の抗体をその体に打ち込んだ。
「……絶対……完成させなさいよ。……完成できなければ……末代まで……呪うから」
そして、追い払われて後退するミディアに向かって、恐ろしい言葉を呟いた。
ミディアはコクコクと無言で素早く頭を上下し、更に一度深々と頭を下げてから、足早にその区画を立ち去った。
ここまでやるんだ。完成して貰わないと困る。
それは、裕美のみならず、この抗体研究に携わっている者全ての思いだった。
大成功
🔵🔵🔵
久留米・圓太郎
さて、と。下手に動かれると怖いから、止めるぞ!
(【Page of Amulet】発動)
「全力魔法」「オーラ防御」「生命力吸収」「呪詛耐性」で、ウィルスの動きを押さえて、「世界知識」「情報収集」「戦闘知識」「封印を解く」…兎に角知恵に関する技能総動員で、抗体の開発と割り出しに力を使うよ。
…とはいっても、これ、俺の寿命も縮めるから、長くは使えない!
こればっかりは、俺一人で抗体の割り出しは無理だから、仲間(猟兵)との協力第一。
(くっそー。俺の師匠なら、もっと上手くやれるんだろうが、修行が足りないなぁ、俺)
「今のうちに早いとこ、割り出しと精製、複製を頼むぜ!」
●圓太郎の担当区画
「まいったな、他の猟兵と協力するつもりで来たんだけど……」
ワープするなり案内された区画の慣れない装置群を見回して、久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)は困ったように頭をかいた。
ここに来るまでに見た他の区画では、既に他の猟兵が一人ずつユーベルコードの力を使い、何かしらの"奇跡"を試行錯誤している様子だった。
それならば、自分も一人でやってみるしかない。
よし、と身に付ける五芒星のペンダントを握りしめ、無理矢理にでも気合を入れる。
「さて、と。下手に動かれると怖いから、止めるぞ!」
台の上に置かれたシャーレを見つめる。おそらく、ここに入っているのが殺人ウイルスのサンプルなのだろう。
圓太郎は意を決して【Page of Amulet】を発動させた。
五芒星メダルが静止しているシャーレに当たり、奇跡の力がシャーレを中身ごと捕縛する。
持てる知識と技術もフル動員で放たれたユーベルコードは、ウイルスのどの様な影響を与えるのだろうか。
ただ、その威力が強力である事は間違いない。
ユーベルコードの"奇跡"が、その力の広大さを示すように、圓太郎の寿命をじわじわと削り取っていた。
(くっそー。俺の師匠なら、もっと上手くやれるんだろうが、修行が足りないなぁ、俺)
前世で世話になった師を思い浮かべる。きっと、彼なら自身の寿命なんか削らずに、もっとうまい方法でこの局地を切り抜けた事だろう。
しかし、今の圓太郎にはこの方法でウイルスの動きを抑え、それによって何らかのウイルス反応の変化や静止を期待する他はない。
「今のうちに早いとこ、割り出しと精製、複製を頼むぜ!」
備え付けられたスペースシップワールドの機材が、指示をせずとも勝手にウイルスの分析を始めた。
しばらくすると、ウイルスに何らかの変化があったことを知らせる音が、ピピピと区画に響き渡った。
成功
🔵🔵🔴
陸刀・秋水
ウォーマシンやバーチャルキャラの方にも有効との謎深いウイルスですからね…
可能な範囲で揃えられる元素、微生物を準備
これらに対してウイルスがどう反応するかを顕微鏡で観察、記録します
補助の為にバトル・インテリジェンスを使用
戦闘能力の向上に視力や処理能力が含まれていると信じておりますので
早業、第六感も使い、微細な反応であろうとも見極めていければと願っております
何の反応も無い、他とは違う反応を示すものがあれば追加実験を
七星七縛符に破魔の力を込めて、ぺたりと護符を貼ってみましょうか
地味ですが、こういう作業は好きですね
落ち着きます
●秋水の担当区画
休むこと無く可動する巨大なコンピュータや進化した技術装置を眺めながら、陸刀・秋水(Algenib・f03122)もまた、自分専用と言われた区画でその身を落ち着けた。
この世界で自分が持っている知識と、古代遺跡船へ用意されていたデータベースを元に、可能な限りの元素、微生物をかき集めてからの参上だ。
「ウォーマシンやバーチャルキャラの方にも有効との謎深いウイルスですからね……」
しかし、人の手によって作り出されたものならば、絶対人の手で抗体も作れるはずなのだ。ただ、その為の時間が限られているだけで。
自由にしていいと与えられた区画内に、効率よく作業できるような環境を手早く整えれば準備は完了だ。
「さて、やりますか」
ユーベルコードにて召喚したAI搭載型戦術ドローンに自身を操らせ、通常では出来ないような早業で作業をこなしていく。
サンプル摘出、微生物投与、反応の観察、記録。時間経過による影響の算出、組み合わせによる変化の調査……。
能力自体が飛躍的に向上しているとはいえ、その速さにはまさしく猟兵でなければ耐えうることが出来ないだろう。速さのみならず、正確さもだ。
かき集めてきた全ての元素、微生物を全ての組み合わせで調査し終えるまでには確かに時間は要したが、それでも、圧倒的に速く終了した。
調査記録をレポートにし、その成果をミディア・スターゲイザーへと報告、提出する。
やれる事はやった。後はこの結果が、どのような形で抗体開発へと影響をもたらすのか。
秋水は、追加実験と称してオロチウイルスのサンプル入りのシャーレに、破魔の力を込めた護符をぺたりと貼っていた。
何事かを黙々と行っている時間は落ち着く。
そうしながら、自身と他の猟兵達の体を張った開発研究が実を結ぶ事を祈っていた。
大成功
🔵🔵🔵
猟兵達の協力により行われた"奇跡の力、ユーベルコードを用いた抗体研究・開発"の成果は全てミディア・スターゲイザーへと報告された。
その後の事は全てミディアに託す事となる。結果は後日、大々的に発表されることだろう。
様々な猟兵が持つ様々な能力によって、着実に変化は起こっている。今は、その変化が良い方向へと向かうことを信じて待つ事しか出来ない。
戦地へ赴く猟兵も、研究施設で結果を待つ猟兵も、願う心は一つであった。