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銀河帝国攻略戦⑰~アゴニーフェイスを苦痛から救え

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「みなさま、準備はよろしいですか?」
 かかしを思わせる風貌のグリモア猟兵、ペパシア・ドロキペが集まった猟兵たちに真剣な表情でたずねる。
「スペースシップワールドを帝国軍から救おうと、解放軍は今も果敢に進撃を行っていますわ。…しかしそんな現状を帝国軍が良しとするはずがありません」
 ペパシアは戦場をわかりやすく表したマップをテーブルの上へと広げ、問題の箇所を指さす。
「今解放軍は無敵と思われた大要塞を越え、この辺りを進軍していますわ。…黒騎士アンヘルはそこに悪夢の兵器、『アゴニーフェイス』を中心に据えた艦隊を出撃させましたの…」
 アゴニーフェイス…、特殊加工したサイキッカーの脳をエネルギーとして「テレパシーの悲鳴」を打ち出す特殊兵器である。過去、伝説の解放軍もこれに苦しめられたという記録が残っており、これを何とかしなくてはこれからの進軍は難しくなるだろう。
「アゴニーフェイスは苦悶の表情をする人間の顔を模した金属の塊の形をしていますわ。それ自体には攻撃能力はないですけれど、悲鳴を受けてしまった人達は理性を失い、解放軍は壊滅してしまうと思われます」
 それは猟兵であろうと例外ではない。アゴニーフェイスを受けてしまった者は理性を失い…真の姿をさらけ出して大暴れしてしまうこととなるであろう。
「アゴニーフェイスの精神波に抵抗ができるのは猟兵だけですの。…みなさまの中にも、「真の姿」を見せることに抵抗がある人は多いと思いますわ…。それでも!なんとかみなさま、お力を貸していただけませんか?」
 真の姿をさらけ出すことはパワーアップにも繋がる。その力を存分に奮って、なんとかアゴニーフェイス艦隊を倒してやろうではないか!猟兵たちの中に熱い気持ちが広がっていくのを感じ、ペパシアはコクリと頷く。
「助かりますわ!…敵は兵器「アゴニーフェイス」を取り囲むような形で、解放軍の急襲を仕掛けてくると思われますわ。なのでみなさまはそこに飛んで、一気にそれらを壊滅されてくださいませ!」
 それと…と、ペパシアは言葉をつなげる。
「アゴニーフェイスのエネルギーには、サイキッカーの脳を使うと聞いていますわ…。こんな非人道的な兵器を許してはいけません…。もう既に兵器に使われてしまった人を助けることはできませんけれども…これ以上被害にあうサイキッカーの方々を無くす為にもなんとかみなさま!アゴニーフェイスを破壊することで、サイキッカーの方々をを苦悶の表情から救ってあげてくださいませ…!」


森の人
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 今回のシナリオは、強制的に真の姿を晒して戦っていただくことになります。真の姿は戦場から離れるかアゴニーフェイスを破壊することで解除されることになります。
 また、真の姿が元の姿から離れているほど猟兵はパワーアップすることでしょう。
 そういったことを踏まえてプレイングを送ってくださいませ!
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第1章 集団戦 『タイプ・メデューサ』

POW   :    触手の一撃
単純で重い【液状触手】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    強化増殖
自身が戦闘で瀕死になると【(強化版)タイプ・メデューサ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ   :    石化粘液
【液状の触手】から【石化粘液】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 苦悶の表情を浮かべる鉄の塊…、「アゴニーフェイス」。物を運搬するだけの単純な機械に取り付けられたそれは、弾丸となるサイキッカーの脳をなみなみと注ぎ込まれた状態で、黒い奇っ怪な生物たちに運ばれている。
 解放軍がこの先必ず通るであろう宇宙関所。そこに陣取った黒い生物たちは、運んできたアゴニーフェイスをゆっくりと台座から下ろすとあとは静かに獲物を待ち続ける。黒い生き物は、帝国軍から「タイプ・メデューサ」と呼ばれる意思無き戦闘生物だ。精神兵器、アゴニーフェイスを使用する時には、このような生物を使うのが最も手軽なのであろう。
 メデューサたちはアゴニーフェイスを取り囲み、解放軍がやってくるのをただ、待ち続けた。そして遂に関所へとやってくる集団が目に入る。メデューサはアゴニーフェイスのスイッチを、躊躇することなくただポチッと押した。
ウーゴ・ソルデビラ
どんな手を使おうが、勝ったもんが正しい。戦争ってのはいつでもどこでもそういうもんだぜ。だったら、俺達が勝ってその兵器は間違いだって事を証明してやんよ!
【先制攻撃】をする為に【ダッシュ】で間合いを詰めて、【シーブズ・ギャンビット】+【フェイント】+【2回攻撃】+【早業】で攻撃するぜ。敵の強化版が出てきたら他の猟兵と一緒にそっちから片付けちまわないとな。敵からの攻撃は【野生の勘】+【見切り】+【早業】で避けてやるぜ。

【真の姿】蝙蝠の半獣人。人相の悪い長髪の少年。蝙蝠の口や鼻を模した顔半分を覆うマスクや、フィンチの翼をイメージしたマントを身に着けた変身ヒーロー風。装備はいつも通り同じ物を使っている。



 ウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)が宇宙関所へと足を踏み入れたちょうどその時、アゴニーフェイスは起動した。
 サイキッカーの脳を消費して打ち出される精神波動…、苦しみの悲鳴が辺りに響き渡る。いや、音として発せられたわけではない。精神波動はテレパシーという形で近くの者に無差別に作用し、脳を勢いよく揺さぶった。
「ぐ…か…っ……!」
 ウーゴは頭を抑えて苦しむ。サイキッカーの苦痛、絶望の感情がダイレクトに頭に流れ込んでくる。ウーゴは自身の体がコントロールできず、変化していく事を客観的な視点で感じていた。暴走…、力がガソリンを注ぎ込むかのようにみなぎるのを感じる。自分の体に流れるキマイラの血がみるみる表面化していき…、そしてウーゴは、真の姿を現した。
 その姿は…まるでテレビの変身ヒーローだ。蝙蝠の顔を模したマスクが目から下を隠し、フィンチの翼を思わせるマントをはためかせている。
 アゴニーフェイスの悲鳴によりガンガン痛む頭を叩き意識をはっきりさせると、ウーゴは目の前の敵集団を睨みつけた。
「これが例のアゴニーフェイスってわけか…サイキッカーの脳を弾にして撃ち出す非人道的兵器…。なるほど、ひでぇもんだぜ…」
 ウーゴはダガーを鞘から抜き出しそれを逆手に構えると、メデューサの群れに向かって歩き出した。
「だがよ、どんな手を使おうが、勝ったもんが正しい。戦争ってのはいつでもどこでもそういうもんだぜ。」
 そしてウーゴは足を速める。近づいてきた敵を仕留めようと、タイプ・メデューサ達は触手を伸ばして打ち据えんとするが、ウーゴは構わずダガーの刃をくるりと敵へと向け、手をサッサと動かした。
 ナイフが瞬くかのようにチカ、チカと光を反射し煌めいたかと思うと、触手は空中で粉微塵に切りさかれた。そのまま触手は宇宙空間の塵となり消える。
「だったらよ、俺たちが勝ってその兵器は間違いだってことを証明してやんよ!!」
 ウーゴは踊るように敵陣へと姿を投じる。四方八方から飛び交う重たく素早い触手の一撃を背中に目がついているかのように躱しきり、その全てを高速の連撃で破壊し尽くした。
「頭がガンガン、バカみたいにいてーけどよ…、アゴニーフェイスの中の奴!あんたのおかげで体が嘘みたいに軽いぜ!…待ってな、すぐにこんな奴ら殲滅してやるからよ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

九重・十右衛門
【SPD】

■真の姿
腕が六本に増え、背中が開いて人骨を思わせる五角柱が生え、複数のケーブルが垂れている。

■行動
【観の目】を発動して敵の攻撃を読み取りながら【怪力】と六本腕を活かした【2回攻撃】を打ち、【グラップル】で敵を掴めば床や壁に敵を叩きつけた後、他の敵に向けて投げつけた上で追撃に【衝撃波】による【範囲攻撃】を行う。
敵を倒し終えれば【宙域戦闘装備】を使用してアゴニーフェイスを破壊する。



 九重・十右衛門(全身兵器・f05916)は、肉体の全てを機械と取り替えた異形のサイボーグである。だからこそ、十右衛門はアゴニーフェイスのテレパシーの悲鳴を受け取りなんとも言えない気分になった。
「…ふふ、この機械の脳すら揺さぶるか」
 アゴニーフェイスの効果を受け、十右衛門は真の姿を現す。…鉄の体を引き裂き腕がにょきりと生える。新たに増えた4本の腕を、十右衛門は重たそうに揺さぶった。また、背中がハッチを開くように内側からこじ開けられると、人骨…脊髄を思わせる五角柱がそこから伸びる。何本ものケーブルが、そこから垂れ下がっているのが確認できる。
 十右衛門を知っている人がここにやってきたとして、今の彼を彼だとひと目でわかるだろうか…。怪物的な姿に変わってしまった十右衛門であるが、それでもなお戦意を消すことはない。ガシャリガシャリと体を動かし、機械の瞳を闘志で燃やしながら敵陣に向かっていく。
 タイプ・メデューサの集団は一斉に、そのどろどろとした液状触手を器用に伸ばすと、向かってくる十右衛門に対して石化粘液を吹きかける。触れた相手を侵食し石へと変える恐ろしい液体である。
「残念だが…その攻撃は読めておるよ」
 巨体を誇るサイボーグの機械の体…当たらないのが不思議なくらいの大きな的であるが、石化粘液のスプレーは一粒たりとも十右衛門の肌に到達することは出来なかった。【観の目】…、十右衛門のユーベルコードである。敵の行動は全て脳内のプログラムによって解析済みなのだ。既に来ることがわかっている攻撃など当たるはずもない。
 そして十右衛門は六本の巨腕を敵に向けて容赦なく振るう。竜巻と見間違うほどの猛烈な連打がタイプ・メデューサ達へと突き刺さり、ちぎっては投げちぎっては投げ……。一方的な蹂躙がその場を支配した。その上ダメ押しとばかりに、十右衛門は衝撃波を体から放つ。何体ものタイプ・メデューサが近づくことすら出来ずに弾け飛んだ。
 暴力の嵐が吹き抜けて5分程が経った。その間に十右衛門が倒した敵の数はおよそ40以上。敵の陣形へのダメージは甚大だ。
 そして、陣形が崩れたことでアゴニーフェイスへの道筋も開けた。猟兵達の逆襲が始まった!

大成功 🔵​🔵​🔵​

リック・シックハント
ボクの真の姿は『紅い瞳を持つ多種多様な生物の形をした無数の影がボクの形に凝縮されたもの』
常に内側で蠢めく影は全周囲を見回してて、命が近づけば勝手に体から頭部や爪みたいに獣の部位が飛び出て命を狩ろうとしちゃう
普段は抑えられるんだけど、今日はダメみたい

……ああ、独りはもう嫌だ
どうして『ぼく』と一緒にいてくれないの? なんで?なんで?ねぇ、どうしてっ!

【行動】
代償として迸る鮮血にも気づかずに敵の数が多い所に飛び込んでは、全身から飛び出す無数の獣の部位で敵の体を引きちぎったり、噛み砕いたりと、力任せに破壊する
その度に悲しそうな咆哮をあげ、よりいっそう激しく敵を破壊して回る
#アドリブ・連携歓迎



 このまま全滅かと思われた帝国軍アゴニーフェイス艦隊であるが、そうは容易く倒れてはくれないようだ。ごぽり…嫌な音とともにタイプ・メデューサが分裂する。そうして現れた個体は先程と比べ物にならない巨体だ。強化版タイプ・メデューサとでも言ったところか…。
 リック・シックハント(繋ぐ旅人・f00522)は、あの悲鳴を聞いてからというもの胸を抑えて蹲り、苦しそうに息を荒くさせていた。
「ダメ…出てきちゃダメだよ…」
 強化版メデューサはそのリックの状態を攻める好機と見たのか大きく跳躍し、側にどさりと着陸する。そして、液状触手の容赦ない一撃をリックに浴びせようとして…
 触手は空中で無残に弾け飛ぶ。
「ダメって言ったのに…。ああ…独りはもう嫌だ…。どうして『ぼく』と一緒にいてくれないの?なんで?なんで?ねぇ、どうしてっ!」
 リックの体から伸びる黒い狼の顎…触手を噛み砕いたのはこの生き物の一撃であった。狼は相手を沈黙させたことを確認すると、リックの体内へと戻っていく…。
 リックの真の姿は、紅い瞳を持つ多種多様な生物の影だ。それらが細胞のように集まって、リックの姿を構築している。ぞろり…、アゴニーフェイスの効果により目を覚ましたそれらは目を大きく開くと強化メデューサ達のいる方向を見つめた。捕食者の目だ。
 するとさっそく、多種多様の猛獣たちが一斉に獲物へと襲いかかるような形でリックが跳ねた。無数の爪がメデューサを切り裂き、無数の牙がメデューサを打ち砕く。無限に湧き出てくる百鬼夜行が如くの獣の群れ。よく見るとそれらはみな一様に──異様な光景としか言い様がないが──涙を流しているのだった。
「あ、ああ、ああああああ!!」
 それもただの涙ではない。血だ。真っ赤な鮮血が涙腺から流れ出ているのだ。血の涙を流しながらリックが悲しそうに叫び声を上げる。そして悲しそうに、痛ましい表情を顔に浮かべたまま、リックはメデューサに食らいつくのであった。
「オオオォォォォオオン…」
 リックが咆哮をあげる。もはや悲鳴としか言い表せない唸り声である。真の姿が解除されるまでにはまだもう少しかかる。リックは一層涙を溢れさせ、次の獲物目指して動き出すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナミル・タグイール
よくわかんないけど暴れて壊せばいいんだにゃ?
ナミルはナミルだからきっと大丈夫デスにゃ!
・真の姿
金の装飾以外の身体が全て呪詛そのものになって実体がなくなる(装飾が本体)
黒と金の呪詛の影が猫獣人を形つくってる感じ
伸びたりでっかくなったりできる
獣のような唸り声しか喋れなくなる

・行動
UC【堕獣の腕輪】を使用、というかその呪いそのものになる
武器は呪詛を纏った斧と爪
本能のままに動くものを攻撃 すべて壊すにゃー!
近づくだけで呪うにゃ ダークにゃ
金ピカがあったら飛びついてナミルのものに…したいけど流石になさそうにゃ。

…あんまり覚えてないけど気持ちよかったにゃ!
・何でも歓迎



 ナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)は暴れることを厭わない。元は彼女は煌びやかな装飾を身につけた、猫を思わせる漆黒の毛並みのキマイラであった。そんな彼女も、アゴニーフェイスの効果を受けて真の姿を現す。
 その姿は、例えるなら視認することの出来ない黒いもやである。黒いもやが呪われた黄金の装飾を身に纏い、猫獣人の姿を形作っている。
「グルルルルァァァ……」
 真の姿を現したナミルが唸り声を上げる。今の彼女の本体は金色の装飾だ。それらが垂れ流す呪いの言葉が黒いもやの正体である。つまりは呪いそのものへと姿を変えたナミルは、面白いおもちゃでも見つけたかのように唐突に、タイプ・メデューサの群れの中へと飛び込んでいった。
 今の彼女を突き動かすのは暴れたいという本能だけである。呪いの装飾品、【堕獣の腕輪】が怪しく光ると、どす黒いオーラが辺り一面を包み込んだ。それらを正面から浴びたタイプ・メデューサはあまりにも濃厚な呪いに耐えることも出来ない。その火星人めいた姿を保つことが出来ず、どろどろと溶け始める。
「に゛ゃ゛ーーー!!!」
 溶けかけのメデューサを、ナミルが斧を振り回して消滅させる。勝手に倒れるんじゃない!ナミルの発散に付き合いなさい!という感情が伝わってくるかのようだ。
 そのまま楽しそうにナミルは大暴れだ。本能のままに暴れまくるナミルの前に、メデューサたちは右往左往するばかりである。
 時たま思い出したかのように石化粘液を吐きかけて攻撃するメデューサがいるのだが、そんなもの関係ないとばかりに繰り出される猫パンチに押されてそのまま吹き飛んだ。実際今のナミルには石化など関係ないのだろう。もっと多種多様な呪いの中に身を置いているのだから。
「に゛ゃ゛ーーーーー!!!」
 なんとも気持ちよさそうにナミルは敵を吹っ飛ばしていく。そして一帯のメデューサ達を討ち滅ぼすと、もっと遊び相手はいないか、そして金ピカの宝物は辺りにないかとナミルは真の姿のまま、探索を始めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リア・ファル
真の姿…ボクの場合は、使いたくてもなかなか使えないモノさ。
暴走…というのとは少し違うけれど。

何故なら…ボクの真の姿は、機動戦艦ティル・ナ・ノーグ
このスペースワールドの…戦闘用スペースシップだからさ!

確かに、ボクの中の制御が強制解除されていく!
これなら、…行ける!
「虚数空間より戦艦ティル・ナ・ノーグ、現実空間へ強制召喚(マテリアライズ)!」

あわせて、周辺宙域の敵をマルチターゲット
ハッキングからの電脳戦に平行して、主砲、副砲および光子魚雷、一斉射!

「久々の電子・制宙・砲雷撃戦だ! 惜しまず行くよ!」

UCは「召喚詠唱・楽園の守護者たち」を使用
さあ、みんな出撃! 残った敵は纏めて餌食になってもらおう!



 リア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)は、機動戦艦ティル・ナ・ノーグのヒューマンインターフェースである。その母船であるティル・ナ・ノーグは、銀河帝国の襲撃により大きな痛手を負った。つまりリア・フィルは、銀河帝国に対して人一倍の思いがあるのである。
「ぐっ、この音…」
 そんなリアも、他の猟兵達と同じくアゴニーフェイスの効果を受けてしまっていた。
 頭を抑えて苦しむリアであるが、真の姿はなかなか見せようとはしない。それもそのはずである、リアの真の姿は今、ここには存在しないのだ。
 リアの真の姿、それは機動戦艦ティル・ナ・ノーグそのものなのだ。先の帝国の襲撃により轟沈一歩手前に追い込まれたそれは、今は敵の手の届かない虚数空間へと退避させている。持ち出したくてもそう簡単に持ち出せる状態ではないのだ。

「…待って、アゴニーフェイスのこの力…ボクの中の制御が強制解除されていく…!これなら、…行ける!」
 アゴニーフェイスの効果を受け、自身の力が高ぶっていくのを感じる。辺りが急に光り輝き、現実世界と電脳世界とが重なり合っていくのを実感出来る!
「虚数空間より戦艦ティル・ナ・ノーグ、現実空間へ強制召喚(マテリアライズ)!」
 そして、リアは真の姿を現した。巨大なスペースシップが宇宙空間に突然顕現する!突然現れた巨船に反応して、タイプ・メデューサ達が群がるようにして襲いかかる。そもそもこの生物たちに下された命令は、やってくる解放軍の船の殲滅である。猟兵達の襲撃よりスペースシップの接近に反応するのは当然と言えた。
 リアは襲いかかってきた数十の生物たちに怯むことは一切無く、余裕の表情で自身の体に命令を下す。
「久々の電子・制宙・砲雷撃戦だ! 惜しまず行くよ!」
 そしてリアはユーベルコード、【召喚詠唱・楽園の守護者たち】を発動させる。戦艦の周りを護るかのようにたくさんの戦闘用動物型機械兵器が召喚される。動物達は召喚されると同時に動き出し、主人を脅かそうとするタコ型の黒い生物と戦い始めた。
 その間に、リアは戦艦内部のプログラムを動かす。目の前に広がる敵軍、その全てをマルチターゲットとして認識、解析のちにロックオンを行っていく。それの完了を確認すると、リアは一言。
「発射!!!」
 同時に戦艦の主砲、副砲、光子魚雷、内蔵された兵器が一斉に掃射される。その威力は…圧倒的だ。タイプ・メデューサによって構成された帝国の艦隊はこれによって全滅をすることとなった。

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 そしてついに、猟兵達は諸悪の根源、アゴニーフェイスを破壊する。
「大変だったね…。ゆっくりおやすみなさい」
 リアはアゴニーフェイスの残骸をそっと撫でる。苦痛に顔を歪めた表情を浮かべた鉄の塊アゴニーフェイス、こうして苦しみから解放した事で少しは楽になっただろうか。
 アゴニーフェイスが破壊されたことで、猟兵達は元の姿へと次々戻っていく。名残惜しいだろうか?清々しただろうか?それは様々であろう。
 これからこの宇宙関所にたくさんの解放が流れ込んでくる。戦況はどう変わっていくのだろうか…分からないことばかりではあるが、とにかく我々は勝った。
 戦争はまだまだ続いていく…。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月15日


挿絵イラスト