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殲神封神大戦⑰〜流れる血の価値

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑰ #渾沌氏『鴻鈞道人』

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#渾沌氏『鴻鈞道人』


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「一旦お疲れ様、と言っておこうかな。これからまた大変ではあるんだけど」
 のんびりとした口調でルカ・クルオーレ(Falce vestita di nero・f18732)は話し始める。これから起こる事を知っていても普段通りの姿で。
「皆には、これから仙界の最深部にある、いまだ形定まらぬ渾沌の地に向かってもらうよ。そこで待ち受けてるのは――鴻鈞道人」
 自らを骸の海と称する謎の強敵。
「どうも、僕は向こうについた時点でそいつに乗っ取られるらしいよ。だから」
 戦うのは僕と。そう、穏やかに告げ笑う。転移が完了した時点で、鴻鈞道人がグリモア猟兵と自らを融合し、『渾沌の諸相』を身につけた状態で他の猟兵達に襲いかかるのだ。
「手加減は無しだよ、そんな余裕は存在しない。後、例え知り合いであったとしてもどうにも出来ないから気にしない事」
 今この話をしている時点で、残されている道は鴻鈞道人が力尽きるまで戦うしかない。そして、戦いが終わった際、生き残れるかどうかは――。
「まあ、大丈夫じゃないかなあ。それなりに丈夫なつもりではいるんだけど」
 ほら、僕そもそも人間じゃないし。と、自らの本体である大鎌を手元へと引き寄せて、転移の扉を開く。
「じゃあ、頑張ってね」

 降り立ったのは上下左右の果ても分からない、何も存在しない世界。
 声が響く。
(私は渾沌氏……すなわち【骸の海】である)
 ゆらり、と黒が揺らぐ。
(お前達が生きるために踏みしめてきた、全ての過去である)
 大鎌の刃が、ぎらりと不気味に光る。
(絶えず時は運び、全ては土へと還る)
 血の色をした石が、軌跡を描く。
(罪深き刃ユーベルコードを刻まれし者達よ)
 正面に立つのは、大鎌を構えたグリモア猟兵の姿。口元に浮かぶ微かな笑みは、彼と鴻鈞道人どちらのものだろうか。
「相争い、私の左目に炎の破滅カタストロフを見せてくれ」


真空。
 見て頂き有難う御座います、真空。(まそら)です。
 折角なので流れに乗ってみた感。

 プレイングボーナスは【グリモア猟兵と融合した鴻鈞道人の先制攻撃に対処する】です。
 全力でぶっ飛ばしちゃってください。

 1章完結戦争シナリオのため、公開後即受付します。

 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。

 皆様の参加、心よりお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『渾沌氏『鴻鈞道人』inグリモア猟兵』

POW   :    肉を喰らい貫く渾沌の諸相
自身の【融合したグリモア猟兵の部位】を代償に、【代償とした部位が異形化する『渾沌の諸相』】を籠めた一撃を放つ。自分にとって融合したグリモア猟兵の部位を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD   :    肉を破り現れる渾沌の諸相
【白き天使の翼】【白きおぞましき触手】【白き殺戮する刃】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    流れる血に嗤う渾沌の諸相
敵より【多く血を流している】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

有州院・こりす
過去は美化されるっていうけどまるっきりウソやったな
自称骸の海さんに乗っ取られた途端にちっとも綺麗やないもん
姿はそっくり同じでも
本当のルカちゃんはもっともっと
恐いくらい綺麗だし格好ええんやで

鞘から抜けないままのツインハート剣で応戦
攻撃を見切って怪力で捌いて
追いつかない分は浮かぶ姫ハートでオーラ防御

だいじな友だち
絶対に取り戻すんやと優しさと捨て身のUC敢行
奪われた部位がヒト部分でも大鎌部分でも
痛々しくあればあるほどこりすUCの威力もより強くなる

たとえ血を流してボロボロになったって
声が届かなくったって
願いそして笑いかけることは決して止めない
こりすちゃんはみんなを…今はルカちゃんを幸せにする姫やから



 飛び込んだ先は、自分の立つ位置すら、定かではない世界。そして、目の前に居るのは――。
「過去は美化されるっていうけどまるっきりウソやったな」
 有州院・こりす(まいごのまいごの・f24077)の声が響く。
「自称骸の海さんに乗っ取られた途端にちっとも綺麗やないもん。姿はそっくり同じでも本当のルカちゃんはもっともっと恐いくらい綺麗だし格好ええんやで」
 告げるのは、真っ直ぐな否定。その言葉に、目の前の青年が浮かべる笑みが、僅かに深くなる。
(――私が、醜いと言うか。お前達の、過去が)
 大鎌を握る手が動く。先制の一撃は、叩きつけるような上段からの一撃。それを、こりすは鞘から抜かないままの双剣を頭上で交差し受け止める。更に繰り出される刃をぎりぎりで見切って最小限の動きで躱し、鋭い柄の部分での突きを周囲を飛び回るプリンセスハートが受け止める。
「だいじな友だち」
(――ならば、抵抗するな)
 ルカの鎌を持つ手が肩近くまで一気に色を失い、そしてでたらめに翼の生えた異形と化す。放つ大鎌の衝撃波は渾沌の諸相を宿し、無数の羽根となってこりすへと降り注いだ。 鋭い刃となった羽根が、肌を、服を裂く。血の滲む姿で、こりすは痛々しくも思える異形の様相……その腕をじっと見つめ。
「ぐう、っ……こんなので、負けない! 絶対に取り戻すんや!」
(何だ、この力、は……!)
 力を乗せた、言葉を紡ぐ。こりすの声がそのまま衝撃の塊となって鴻鈞道人を叩き伏せた。姫の願いを阻む者には、裁きが下るのだ。
「たとえ血を流してボロボロになったって」
 こりすの体が揺らぎかけ、剣を地について支えながらも、目は真っ直ぐにルカを――その中にいる鴻鈞道人を見つめる。
「声が届かなくったって、願いそして笑いかけることは決して止めない」
 ピンクの髪を靡かせ、緑の瞳を煌めかせ、口元には笑みを。どんな状況でも、こりすは笑顔を絶やすことは無い、何故なら。
「こりすちゃんはみんなを……今はルカちゃんを幸せにする姫やから」
 プリンセスの矜持は、決して折れることは無い。
(――面白い)
 倒れ伏したルカが、ゆっくりと身体を起こす。その顔が浮かべた笑みは、歪なものへと変わっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ローズ・ベルシュタイン
アドリブや他猟兵との連携歓迎
WIZ判定

■心情
ルカ、私の友達でもある方ですから、
必ず助け出して見せますわ。
骸の海なんかに負けないで下さいませ!

■行動
まずは先制攻撃対策ですわ。
敵の能力が3倍になっていますから、無理に攻撃を避けようとせず
【集中力】で精神を研ぎ澄まし【視力】で敵の動きを良く見て
【盾受け】や【受け流し】で攻撃の直撃を受けない様しますわ。
多少の傷は【激痛耐性】で耐えます。

敵の攻撃が止んだら、白銀勇霊装で反撃します。
敵の先制攻撃により私も大分負傷してるでしょうし
戦闘力増強と【生命力吸収】の恩恵を受けつつ攻撃。
また、攻撃の際も敵に出血させない様【精神攻撃】使用。

「無事でしょうか、ルカ?」



「ルカ、私の友達でもある方ですから、必ず助け出して見せますわ」
 ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)の言葉を聞いた、鴻鈞道人は嗤う。ルカの姿で、歪な声で。
(――友情等、くだらぬ。無駄でしかないと、教えてやろう)
 止める間も無く、ルカが腕を鎌の刃へと当て、一気に引く。溢れ出る血はだらだらと流れ、大鎌の刃を、彼の立つ場所を汚し。
(叫べ、藻掻け。全て無駄と知りながら)
 血を吸った刃が鈍くぎらりと光る。片方の手で操っているとは思えぬ速度で、ローズへと叩きつけられるそれを、ぎりぎりまで動きを見る事で中央に深紅の薔薇の勲章が施された、ラウンドシールドで受け流す。初撃を耐え、体勢を立て直すローズへ更なる攻撃が襲う。夕焼け色の刀身を持つロングソードを構え受け止め、時には避けていくが、溢れる衝撃の刃が僅かにローズへと傷を刻む。それでも、決して退くことは無い。耐える力を持ち合わせてもいる、何よりも助けるという誓いが、彼女の足を前へと進ませているのだ。
(――これを、耐えるか)
「必ず、助けると決めているからですわ! 我は纏う薔薇の気高さに等しき極みの鎧!」
 ローズの身体を、中心に桃色を宿す白薔薇で彩られた、白銀の優美な鎧が覆っていく。美しき薔薇の騎士は手にした夕焼けの刃を構え、魔力と、想いを乗せて全力で振るう。
「ルカ、骸の海なんかに負けないで下さいませ!」
 ルカの身体ではなく、鴻鈞道人へと叩きつけられるのは魔力で編み上げた、直接精神を叩く力。
(――ぐああああっ!?)
 これ以上、血を流させる事の無いよう、考えられた攻撃。揺らめく身体を、大鎌で支えルカ……鴻鈞道人は吠える。
「(貴様ら等に、私が倒せると思うな!!)」
 思念と、ルカの口からと。同時に吐かれた叫び。それを、ローズは冷たい視線で受け流す。
「過去は過去。過ぎ去ったものに負けるわけがありませんわ」
 自らの言葉を立証せんと、薔薇の騎士は再び剣を向ける。未来へと、共に進む友人を助けるために。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クーナ・セラフィン
…そんな炎の破滅なんてのは見せてやれないね。
だって騎士はそういう理不尽を跳ねのけるような存在なんだから。
ましてや人の体乗っ取る卑怯者なんかには、ね?

とにかく距離とり少しでも広い視野で見てルカさんの動きを予測。
オーラ纏い守り固めつつ身軽さ活かし飛んで走り間合いから逃れ致命傷は避けるように。
…やり難い、けどあくまで冷静に。焦って仕損じない為にも。
粘り粘って避けきって、大鎌の一撃躱した直後の避け難いタイミングにUC発動し氷と花弁の吹雪をぶち当てる。
能力向上しててもまともに見えなければ話にならない。
皆待ってるんだから…さっさと出ていって、鴻鈞道人。
戦闘後可能ならルカさんの手当を。

※アドリブ絡み等お任せ


蓮条・凪紗
あちらこちらの猟兵の身体渡り歩くの、ほんま手に負えんなぁ
本体だけは折らん様は気ぃ付けるさかい…ルカ、堪忍したってや

改めて思うと…喋らんと笑みを無くせば鋭き武器で刃で冷たい鋼やな
とは言え大鎌の攻撃はどうしても動きも大きい故に読みやすい
足の動きと鎌の切っ先に集中し、少なくとも鎌の大きな一撃だけは受けない様に見極め
つーか喰ろぉたら真っ二つやし
それ以外なら蹴られようと斬られようと構わへん

長柄武器と鋼にはコイツが効くやろ
UC発動
ばら撒いた電気石の楔より広範囲に電撃広げ
捉えたら最後、傷は焼き止め技も封ず

一気に踏み出し全速力からの必殺・陰陽師パンチ食らわす
この憑き物落とすには物理で殴るより祓う方法無いし…な



 クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)のかまえる銀槍ヴァン・フルールが片腕を異形と化し、もう片方の腕から血を流し続けるグリモア猟兵の姿を映す。
「……そんな炎の破滅なんてのは見せてやれないね」
 彼女の誇りがそう言葉を紡がせる。 
「だって騎士はそういう理不尽を跳ねのけるような存在なんだから。ましてや人の体乗っ取る卑怯者なんかには、ね?」
「(卑怯者だと……最適解を選んだだけだ)」
「そんなんであちらこちらの猟兵の身体渡り歩くの、ほんま手に負えんなぁ」
 蓮条・凪紗(魂喰の翡翠・f12887)が肩を竦める。彼も鴻鈞道人に乗っ取られ、そして仲間に助けられた一人。だからこそ、その厄介さを身に染みて理解している。
「本体だけは折らん様は気ぃ付けるさかい……ルカ、堪忍したってや」
 ヤドリガミだから本体さえ無事ならきっと戻れる筈。今はそう信じるしかない。
「どっちから来るかな」
 ……やり難い、そう感じながらもあくまで冷静に。頭の中で念じつつクーナは距離を取り、どう動かれても対処出来るように目を逸らさずにルカの動きを追う。目の前に銀槍をかざせば百合の香りがふわりと漂い、白いオーラが小さな身体を覆い守りを固め。
「そっちか!」
 ぐん、と腕が引かれ振るった刃から衝撃波が放たれるもクーナは横に飛んで躱し、凪紗もしっかりと見極めぎりぎりで避ける。
「改めて思うと……喋らんと笑みを無くせば鋭き武器で刃で冷たい鋼やな」
 普段は穏やかな空気を纏っている――例え、戦いの最中であったとしても笑みを崩さない大鎌のヤドリガミが浮かべる無の表情。同じ旅団の中まであっても見たことの無い雰囲気が、別人なのだと雄弁に物語る。手にした大鎌も、輝きに邪の気配を漂わせ見た目の美しさを欠いていた。
「ルカが大鎌で良かったわ」
 動きが大きい故に攻撃を読みやすい。元々素早さに長けたクーナは勿論、凪紗も確りと見ていれば攻撃を受けることは無かった。
「見極めやすいのは有り難いね」
「……喰ろぉたら真っ二つやし」
「(戦いの最中に無駄口等、随分な態度だな)」
 再び、鎌が振り上げられる。身構えた二人が予測していたような衝撃波は飛んでこず――ぐん、と距離を詰めた鎌の柄が、足元を払う。鋭い赤の石が身体を掠め、服が裂かれる。負った傷は大した事が無いけれど、繰り返されればそれも脅威となるだろう。
 そして、躱した瞬間にクーナが動いた。
「この場所では少々映えないかもしれないが……こんな趣向はどうだい?」
 戦場に、雪が、花弁が舞う。クーナの槍から何もない世界に冷えた空気の渦が流れ、ルカを囲む竜巻の様相を成して、その動きを一時的に封じ反撃の間を作る。
「皆待ってるんだから……さっさと出ていって、鴻鈞道人」
 そう、連れて帰らなければ。今も心配して、待っているだろ仲間達の顔が浮かぶ。そのイメージも竜巻の幻惑へと流す、例え届かなくても、伝えようと。
(――何だ、これは)
「よっしゃ! 建御雷命よ、其の神鳴の御業を此処に!」
 凪紗は風花に惑わされる鴻鈞道人を取り囲むように、手にしたトルマリンを放る。素早く印を切り、指が振り下ろされると同時、凪紗の髪と同じ色をした石から、電撃の柱が噴き上がる様に竜巻ごと中の黒衣を包み込んだ。
「(ぐぅ、っ……!!!)」
 ルカの身体を捉えた電撃が、傷を焼き流れる血を止める。そして、そのまま絡み付くようにクーナの技と合わせてその動きを抑え込んで。
 雷撃弾ける上を、凪紗が駆ける。
「――必殺・陰陽師パンチ!!」
 全速力で距離を詰め、そのスピードも残った霊力も全て載せた渾身の拳がルカを抉る。この憑き物落とすには物理で殴るより祓う方法無い……という経験談からの重い一撃が細い身体を吹き飛ばし、手から大鎌が離れ大きな音を立てて、転がった。
「(――ここまでか)」
 鴻鈞道人の最期の言葉が、歪んだ声となって響く。声の余韻が消えて行くと合わせて、混沌の気配が薄れ、消滅した。

「本体は無事そうやな」
 凪紗が大鎌を拾い上げる。先程までとは違い、鋭く光る刃からは禍々しさを感じる事は無い。
「ルカ、ルカ大丈夫かい?」
 先程焼き切った傷に応急手当を施し、クーナがそっと肩を揺する。異形化していた部分も元の姿に戻っている。何度か声をかければ、僅かに瞼が動き。
「――ただいま」
 薄く開いた眼、掠れた小さな声。それでも口元に戻った何時もの笑みを見て、もう大丈夫とクーナが安堵の息を吐いた。凪紗と二人、顔を見合わせ声を揃えて。
「「おかえり」」
 当たり前の、でも万感の思いを込めた言葉。さあ帰ろう、皆の待つ暖かな場所へ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年02月05日


挿絵イラスト