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殲神封神大戦⑰〜ネオンと黒猫Ex

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑰ #渾沌氏『鴻鈞道人』 #コンキスタドール『編笠』

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「こいつはすごい。まさしく私の知る香港租界の全てがここに再現されている」
 猟兵に斃されたはずのコンキスタドール『編笠』は煙管を吹かしながら己の熟知する香港租界の街並みを見下ろした。
 電線の一本、ゴミ箱ひとつに至るまで何から何まで愛しき記憶と完全に一致する。確かにここならば、『編笠』は誰よりも早く、誰よりも正確に地形を利用して動けるだろう。
「異門同胞のとばっちりを受けたのは本意でないが、『鴻鈞道人』に再孵化して戴けたのは僥倖だ。さあ、香港租界の夜景で踊ろうか猟兵よ。いま一度の、所謂リベンジマッチというやつさ」

「……渾沌の地。仙界の最深部にある、いまだ形定まらぬその場所で【骸の海】を自称する『鴻鈞道人』が猟兵を待ち受けている」
 仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は皆を出迎え、「どう思う?」と尋ねた。
「彼はこれまでに倒されたオブリビオンを再孵化によって復活させ、自らの戦力に加えている。今回、相手になるのは香港租界の主であるコンキスタドール『編笠』と配下のマフィアたちだ」
 『鴻鈞道人』本人は混沌の地と同化し、香港租界の光景そのものに姿を変えていて攻撃を与えることはできない。
「編笠の方も、前回より賢く立ち回るだろうね。コンキスタドール製の銃器を与えたマフィアたちとより連携を密にし、こちらの裏をかいてくるはず。銃器も威力と連射性能に加えて、射程も強化されている。距離も、範囲もね」
 編笠はここ封神武侠界に根城を築いたコンキスタドールの一人であり、卓越した銃の腕と煙を操る術を操る怪人物である。
 打ち勝つには、こちらも前回以上のアクロバット・アクションで対抗し、編笠の想定を超えて行くこと。

「編笠と猟兵、どちらが互いの想定をより超えられるかの勝負といったところかな。場所が同じな分、動きの違いがはっきりと出るだろうからね。何度やったところで無駄だってこと、教えてあげるといいよ」


ツヅキ
 プレイング受付期間:OP公開時~👑の数だけ🔵が獲得されるまで。

 連携無し、順次リプレイをお返ししていきます。プレイングを送れる間は受付中ですが、執筆のタイミングによっては早めに完結する場合があります。

●第1章
 骸の海を名乗る『鴻鈞道人』の再孵化によって蘇ったコンキスタドール『編笠』と、渾沌の地が姿を変えた香港租界を舞台にアクロバティックな戦闘が繰り広げられます。
 敵の先制攻撃ユーベルコードに対し、アクロバット・アクションで対処することがプレイングボーナスです。
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第1章 ボス戦 『『編笠』inノワール』

POW   :    紫煙龍降臨
自身の【煙管の煙から具現化した「紫煙龍」】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[煙管の煙から具現化した「紫煙龍」]から何度でも発動できる。
SPD   :    拳銃挽歌
【改造モーゼル銃】から、戦場全体に「敵味方を識別する【無数の銃弾】」を放ち、ダメージと【大量出血】の状態異常を与える。
WIZ   :    「今だ、私の家族(マイ・ファミリー)!」
【編笠の命令】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【香港マフィア】で囲まれた内部に【銃弾の雨】を落とし、極大ダメージを与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

楊・宵雪
敵の先制は椅子などを盾にし、あるいは[残像]で回避しつつ
[空中浮遊]で屋根上に退避

UC発動してマフィアに対して白乾児ぶちまけ狐火で着火
「日本の探偵ものアニメで有名なこのお酒はね、アルコール度数が金沢高いのよ

ひるんだマフィアを[気絶攻撃]で無力化しつつ適当なベランダや看板を盾にしつつ射線の通るポジションへ

編笠へ射線が通ったら残りの狐火で攻撃
「貴女とまた踊れるのは楽しかったわよ。殺し合いでさえなければよかったのにね



 楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)は咄嗟に屋台の裏に身を隠し、そこにあった椅子を盾にして降り注ぐ銃弾の雨に一瞬の死角を作り出した。
「そんなもの!」
 威力を強化された弾丸が椅子を打ち砕いて宵雪に迫るも、貫いたのは蛻の残像に過ぎなかった。
「何をしてるんだい、狙いが甘いよ」
 残像で敵の目を眩ませつつ、高みへと浮き上がる宵雪の耳に編笠の𠮟り付ける声が届いた。彼らに追いつかれるより先に屋根まで退避し、一息をついて振り返る。
「さすが、コンキスタドール製の強化銃ね。あと少し離脱が遅れていたら危なかったわ」
 宵雪は首を竦め、持ってきた容器の中身を追手に向かってぶちまけた。
「冷てッ!」
「なんだこれ、酒か!?」
 そして薄紅色に揺らめく幻想的な燈火が香港租界の夜景を彩るのが同時。マフィアも一瞬、目を奪われるほどに美しい光景であった。
「狐火――!?」
「ええ、そうよ。しかも、あなたたちが被ったお酒は白乾児という中国酒。日本の探偵ものアニメで有名なこのお酒はね、アルコール度数が凄く高いのよ」
 空になった容器を投げ捨て、飛びずさった宵雪の眼前で狐火が一気に燃え広がった。
「うわあッ」
「やべえ、逃げ……うッ」
「ぐあッ!」
 逃がす暇なんて与えると思って? 宵雪は混乱するマフィアに雷の符を張り付けて気絶を促しながら編笠の姿を探した。
「やれやれ、猫は火が怖いか。まあ足を引っ張らなかっただけでもよしとしよう」
 編笠の放つ弾丸を看板の裏に滑り込んで躱し、跳躍。目と目が合った。即ち――射線が通る。
「貴女とまた踊れるのは楽しかったわよ。殺し合いでさえなければよかったのにね」
 人差し指で示す編笠目がけ、残りの狐火の全てが殺到。炎に撒かれた編笠を一時撤退に追い込んだ。
「まあまあかしら? 悪いけど、2度目はないわ。貴女との因縁もここまでよ」

成功 🔵​🔵​🔴​

菱川・彌三八
懲りねェ奴
俺ァ暴れられんなら何だって構やしねェがよ

跳躍、回転、懸垂に滑り込み
壁を走って人波を飛び越え…
何?芸がねえって?
其れもそうさナ

此度は筆を使う
動きに合わせて円や線を描き、呼ぶ千鳥で目眩まし
有象無象を炙り出すにも使えるし、窓を割るも、管を倒して足場にするも、千鳥の群れで道創るなんてのもお手の物よ
落ち走り、跳ね翔び移り
そら、前以上に好きに動けるぜ

すれに千鳥ァ隙間も壁もおかまいなしさ
何処迄も追いかけ、幾らでも生まれる
弾の雨を飲み込み、囲みを突いて崩す
序でに雑魚にゃ罰印のおまけ付き

編笠の奴にゃ特大の群れを見舞ってやらあ
其れを囮に死角を取るも良いな
落下の速度を乗せた蹴りを見舞ってやるよ



「やあ、また逢ったね絵師の君?」
 其れはネオン瞬く真夜中の邂逅であった。
 楼閣を飾る置物を足場にたたずむ編笠と、鉄骨にしゃがみ込んで見上げる菱川・彌三八(彌栄・f12195)。
「覚えてくだすってたとは光栄だ」
「何しろリベンジマッチだからね。そうこなくては」
 どうやら、編笠は懲りるということを知らないらしい。当然、彌三八だって暴れられるなら理由も理屈も問わないタチであったので、突き付けられた挑戦状には乗ってやるだけのこと。
「出番だよ、私の家族!」
 降り注ぐ銃弾の雨を躱すため、彌三八はありとあらゆるものを盾に足場に跳び回った。両手で掴んだ鉄骨を軸に懸垂の要領で「あらよっと」屋根に飛び乗る。庇を穿つ弾丸の威力は確かに前よりも増しているようだ。
 長くは持たぬと隣の建物を目指して助走に入る。落ちれば真っ逆さまの高さを難なく跳び越え、マフィアたちを置き去りにしてやった。
 銃声に驚いた住民が悲鳴を上げて逃げ惑う。そんなもんまで再現してやがんのか、あのなんとか道人ってやつは。呆れながら三角跳びで壁を蹴って彼らの頭上を失礼と通らせてもらった。
「確かに身軽だが、それでは前と同じだね?」
 並走する編笠の挑発に其れもそうさナと笑み返し、あるものを取り出した。商売道具。
「ほう、絵筆だね」
「巷じゃ『あゝと』なんて言うらしいぜ」
 走りながら絵筆を舞わせれば、編笠の龍にも劣らぬ千鳥の群れが摩天楼の街並みを墨の羽搏きで染め上げた。激しく飛び交う群れはどんな建物だっておかまいなしに突っ込み、隠れていたマフィアたちを追い立てる。
「おやおや、凄まじいね」
 編笠の視界までをも眩ませ、窓を割り、管を倒す。そうして作られた足場を踏み台にと、彌三八はまさしく奇想天外に夜の雑多な街を楽しんだ。不意にふらっと落下して弾幕を抜けたかと思えば、追撃が来る前に路地裏を駆け抜けてもういない。
「駄目です、うッ……鳥の群れに呑まれて弾丸が届きません。しかも、次から次から湧いてきて……うわあッ――!!」
「とんだ暴れ絵師だね」
 仰向けに倒れたマフィアの顔には大きな罰印までついていた。もはや包囲は意味を為さず、あちらこちらで悲鳴が上がる。
「そこか」
 流石、編笠は迫る千鳥の群れ――それも特大の――に気付いて銃を抜いた。それを囮に飛び降りる彌三八の、落下の速度をそのまま乗せた蹴りが本命だとも知らずに。
「ッ!?」
「もらったぜ」
 派手に建物へ突っ込んだ編笠を崩れ落ちた瓦礫が襲いかかる。何とか這い出した編笠曰く。
「前言撤回するよ。絵師ではなくて喧嘩屋だったとはね」
「そりゃ買い被り過ぎってもんよ」
 彌三八は言った。
「ただの売れねェ絵描きだよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

上野・修介
※アドリブ歓迎
「向こうの土俵か」
だが何処であれ、誰が相手であれ、やることは変わらない。

――為すべきを定め、心を水鏡に

調息、脱力、戦場を観据える。

体幹と重心操作による移動方向と速度の偽装を掛けて攪乱しつつ、周囲の地形・建物を足場や遮蔽として利用し街中を跳躍しながら接近。

『紫煙龍』に対しては、攻撃のタイミングに合わせて上着を団扇のようにして突風を起こして掻き消す。

敵までの距離が残り九歩となったら回避を捨て相討ち覚悟で真っ直ぐに突貫――と見せてタクティカルペンを投擲。
それを目晦ましにして流星錘を放ち絡めて引き寄せる。

合わせて身体の捻りと体重、UCを乗せた渾身の後ろ回し蹴りを土手っ腹に突き立てる。



 ネオン煌めく摩天楼――その派手な雰囲気にも惑わされず、上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は心を水鏡として調息、身体から余計な力を抜いて洪水のような光に溺れる香港租界の夜景を見下ろした。
 まさしく、相手の土俵で戦うことになるわけだ。
 さっそくあらゆる場所からこちらを狙う銃口を躱すべく、修介は鍛えた体幹と的確な重力操作によって敵陣をかき乱すように動いた。
「ちッ――」
 狙いが定まらない。
 それもそのはず、修介は細かなフェイントをかけて先の行動を読ませない。右だと思えば左、そのまま駆け抜けると思って銃を放てば途中で停止して意表をつく。
「そっちにいったぞ!」
「駄目だ、間に合わん」
 修介を狙った弾丸が遮蔽物として飛び込んだ雅やかな塀を乱暴に打ち崩した。銃撃が一瞬だけ止んだ隙をつき、排水管を足場にひと際高く跳躍する。着地した長屋の屋根を駆け、紫煙をくゆらせる編笠に向かって上着を脱ぎながら接近を試みる。
「残念だが、私の紫煙龍はそんなものじゃ防げないよ」
「ならば――!」
 敵までの距離は残り九歩、修介は相討ち覚悟の突貫を心に決めたかのように見えた。回避など端から捨て、真っ直ぐに突っ込む。編笠もまた、受けて立つとばかりに紫煙龍を真っ向から迸らせた。
 長屋の中央で、両者は激突する――かに思えた瞬間、修介の手から何か小さなものが擲たれる。
 ――タクティカルペン。
 不意をつかれた編笠が、咄嗟に手にした銃でそれを薙ぎ払う。紫煙龍が肩口を噛み切ってゆくが、修介は構わず流星錘のロープで彼女の手首を捕まえた。こちらの間合いにまで引き寄せる。
 流れるような動作で身体を捻り、体重を乗せた後ろ回し蹴りが編笠を捉えた。空気を裂き、切断の気を纏った足刀が編笠の土手っ腹を渾身の力で打ち据える。
「ぐッ」
 ネオンを赤に染める血しぶきと、呻き声。
「やるじゃないか」
「何も特別なことはしていない」
 そう、何処であれ誰が相手であれ、修介は己の為すべきを行うまでのこと。その積み重ねがこうして編笠を追い詰めたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リオ・ウィンディア
SPD
編笠、あなたと直にやり合ってみたかったのよ

対UC
私の勘を舐めちゃいけないよ
でも私も過信しちゃいけないわね
しっかり地形や階段の位置を利用して飛び跳ねながらひねりも入れつつ回避
時に看板やバルコニーなど大きなものをダガーで切り落とし盾として使うわ
状態異常に対しては歌唱による浄化を試みるわ
まぁ、真っ黒のドレスだから出血は気にしないけどね
長引くのは避けたいところね

香港租界の全てがここに再現されているのならば残留思念もまた再現されていることでしょう
香港租界の毒素、私が届けてあげる!
UC発動
呪詛強化さらに楽器演奏、歌唱で聞くだけで呪われる音楽を発動
さぁ、味わいなさいこの世界の闇を
音楽による呪殺を開始



 ネオン。
 万華鏡のように鮮やかで、煌びやかで、光の洪水によって闇を払うもの。黒衣に身を包むリオ・ウィンディア(黄泉の国民的スタア・f24250)が縦横無尽にその中を飛び回る光景は映画のワンシーンのようでもあった。
 即ち、この戦場もまたリオの“舞台”であるということなのだろう。
「私の勘を舐めちゃいけないよ」
 この先の高層建物から狙撃の機会を窺うマフィアの気配を察知したリオは射線の通りづらい螺旋階段を見つけて飛び込んだ。中央の柱を掴み、一気に滑り降りる後を銃弾が一拍遅れで襲いかかる。階段に当たって跳弾するそれらを後目に、リオはすかさずダガーを放ってバルコニーを支えていた柱を崩した。
「くッ」
「お生憎様ね」
 マフィアたちを足止める間にひらりと体を捻って隣の建物まで跳び移る。先制の機会を逸した編笠が感心の言葉を漏らすほどに機敏な動きであった。
「やれやれ、お転婆なお嬢さんだ。私の街を実に軽々と跳び回ってくれる。おかげでマイ・ファミリーたちがまるでついていけやしない」
「だって、私はあなたと直にやり合ってみたかったのだもの。無粋な邪魔者にはお暇して頂かなきゃね」
 言葉を交わす間もふたりは動き続ける。
 マフィアのそれとは比べ物にならぬ編笠の弾幕がドレスの裾を裂き、帽子のレースを傷つけた。
 だが、リオは澄ました顔で歌い上げる。流れる血は黒衣で隠れるし、浄化の歌声が癒しとなって傷口の悪化を食い止めてくれるだろう。いずれにしても戦いを長引かせるつもりはない。
 弾丸によって裂かれた衣装を高所の風に靡かせ、リオは香港租界の全てを眺め渡した。
 全て、だ。
 ならば欲望渦巻く摩天楼に堆積した残留思念すらも再現されているはず。
「目覚めなさい」
 私が届けてあげるから。
「香港租界に眠りし闇よ、毒素よ。昏き旋律となっていま――ここに!」
「なにッ……」
 驚いた編笠が反射的に下がるが、その程度でリオの歌声から逃れられるわけがなかった。
 手回しオルガンの奏でる音色が哀愁を添え、編笠を呑み込んでゆく。そこは世界の闇。通常の3倍もの呪詛を孕む、音の坩堝。
「く――」
「さぁ、味わい尽くしなさい編笠。あなたのための、とっておきの演奏よ」
 呪歌の世界へ誘うように、リオはまだ幼い指先を相手に向けて差し伸べた。
「幕切れまではお付き合い頂くわ。だって、ここは香港租界。あなたを眠らせるのにこれ以上相応しい舞台はないのですもの」

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
まさかいきなり復活なんてな
今迄なかった展開かもしれないぞ

【戦闘知識】
今迄の編笠の戦い方と動きに差異はないか分析
更に周囲の街並みとアクロバティックに動くのに適した位置や構造も把握
【属性攻撃】
炎を全身に付与
対POW
【見切り・第六感・残像・空中機動・武器受け・オーラ防御】
空間を利用して飛び回り紫煙龍に食われない様にアクロバティックに残像を残しながら避ける!
更に三呪剣展開
避けきれなかったり迫られたら三呪剣で切り刻

【二回攻撃・切断・早業】
剣と太刀
三呪剣で連続斬撃を展開して切り結
斬撃は全て記憶に刻
【弾幕・貫通攻撃・重量攻撃】
ガンドライドとドリルビット展開
重力弾とドリル攻撃で動きを止

UC発動
斬斬斬斬斬斬斬!



「おいおい、まさかいきなり復活するなんてな。かなり意外だったぞ?」
 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は面白がるような笑みを浮かべ、全身に纏った炎を揺らめかせた。それはネオンとは違う、生きた色彩と温かみでもって夜の街を照らしている。
 匂い立つような雑多で溢れた香港租界の摩天楼は複雑に入り組み、足場に困ることはなさそうだ。
 編笠は無数に聳え立つ看板の一つに腰を下ろし、軽く挨拶するような素振りで煙管を持つ手を挙げてみせる。
「私も再び猟兵と見えて光栄さ。では、こちらからいかせてもらうよ!」
「こい!」
 テラは編笠の一挙手一投足を見定めるべく、彼女の動きに注力した。戦闘知識に照らし合わせれば、放つ紫煙龍の動きがマフィアを伏せた場所へ飛び退かせるための布石であると思われる。
(「なるほど。己を過信するのはやめたってことだな。なら――!」)
 既に動きやすい場所の目星はついていた。
 テラはマフィアのいる方ではなく、電信柱や看板で埋め尽くされた繁華街の屋根上を戦場に選び取る。
「ほら、こっちだ!」
 残像を描き、空中を自在に跳び回るテラを追う紫煙龍が遂に遅れを取った。看板を足場に跳び、そのまま相手を店先にぶつけてやる。さらには閃く三対の剣型宝貝が龍を細切れにし、編笠に感嘆の声を零させた。
「おやおや」
「今度はこっちの番だ!」
 空中に浮かんだ小型の自走砲台群が展開する重力弾幕に気圧された編笠の足が、ぴたりと止まる。そこへ斬りかかったテラの、宝剣と太刀による剣戟が相手のモーゼル銃を弾き飛ばして千載一遇の機会を作った。
 斬撃は全て記憶に刻まれている。体の開いた相手の懐へ飛び込ませるのはドリルビットの突進――!!
「ちッ……」
 流石の編笠もこの畳みかけには無事というわけにはいかなかった。満身創痍で舌を打つその背後に虚空が展開。空間に刻まれし斬撃こそが、テラの繰り出す奥の手であった。
「斬斬斬斬斬斬斬!」
「ぐはッ――」
 テラは容赦なく編笠を斬り捨て、ネオンの洪水に彼女の血潮という強烈な紅の洗礼を浴びせかける。
 どうだ、と胸を張って告げた。
「お前が以前より強くなろうと、こっちだってその予想を超えていくまでのことだ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

飛・千雨
SPD アドリブ連携歓迎

藤甲盾を伴い、戦場の空へ。
羽衣人であるこの身ならば空中を漂うことは容易いこと。
丸見えの獲物ですからね、当然撃ってくるのでしょう。
盾で防ぎ、桃花のロープや祝飛刀を振るい、軽やかなワイヤーアクションで避けてごらんに入れましょう。
……回避中はまだ、冷静に。怒ると視野が狭まりますから……。

モーゼル銃のマズルフラッシュから、敵の……編笠の居所を把握。
……大概にしろよ、コンキスタドール!
ここはオレたちの国(シマ)だっ! てめぇらの好きにさせてたまるかよっ!
神器変形! UC発動!
味方は離れてろ! こいつらに叩き込んでやる……踏み躙られる痛みをなぁ!
この偽りの街諸共、吹っ飛ばしてやる!



 摩天楼を擁する香港租界の空は瞬くネオンの洪水に溺れ、夜闇を祓うかのように輝かしい。
 その空を飛・千雨(偽神宝貝の使い手・f32933)は一見無防備に揺蕩っていた。敵の攻撃をわざと誘い込むために。羽衣人の由来たる薄手の羽衣がよい目印となって、マフィアたちの注目を一身に集める千雨はいまや戦場の中心も同然であった。
「ふ……」
 目論見通りの状況に千雨は薄く微笑み、己を狙う弾丸を藤の蔓で編まれた盾型の宝貝で跳ね除ける。鉤爪のついた桃花のロープを手ごろな建物に引っ掛け、壁の裏側を大きく回り込むことで弾幕を躱しながら魅せるワイヤーアクション。
「追え!」
 簡単に射落とせると思って油断したマフィアたちの足が浮足立った。……まだ、冷静に。祝飛刀を屋上に突き刺し、伸縮自在の紐型宝貝を操ることで軽やかに着地する。
 ――編笠はどこだ?
 そう、千雨がわざと攻撃を誘ったのはモーゼル銃のマズルフラッシュから敵の居場所を特定するためであったのだ。
 マフィアの銃器とは違う、一種独特のそれ――千雨は視界の隅で光ったそれを逃さず、これまで押さえてきた怒りを解き放ちながら振り返る。
「……大概にしろよ、コンキスタドール!」
 刹那、千雨の構える宝貝が一斉に巨大化した。戦場全体を射程に捉え、何もかもを一挙に薙ぎ払う。
「ここはオレたちの国(シマ)だっ! てめぇらの好きにさせてたまるかよっ! いいか、味方は巻き込まれないように離れてろ!」
「な――」
 それは、編笠も言葉を失うほどの有り様だった。
「私の香港租界が……ッ」
 うねるロープが高層建築を叩き崩し、瓦礫を避けようと足掻く編笠には巨大化した祝飛刀が横殴りに襲いかかる。
「ぐッ」
「吹っ飛ばしてやる」
 千雨は怒号を上げ、手を振るって合図した。互いに連動し合う宝貝が揃って暴れ狂い、雑多な街並みごと敵を撃ち据える。
 どうせ、偽りの街なのだ。
「踏み躙られる痛みが少しは判ったか? てめぇらのやったこと、オレは絶対に許さねえ。銃器、阿片……オレたちの国を荒らしたこと、後悔しながら逝きやがれ!」
 何度も宝貝を叩き付け、相手が起き上がれなくなるまで繰り返す。千雨は肩で息をしながら、編笠がぴくりとも動かないのを見てようやく宝貝を収めた。
「……因果応報ですよ、コンキスタドール」
 元の優美さを取り戻した千雨は、ほつれた髪を指先でそっとかき上げた。緩やかな吐息と共に、戦いで役立ってくれた宝貝を労うようにその表面を指で撫ぜる。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月28日


挿絵イラスト