0
銀河帝国攻略戦⑱~艦隊を完膚なきまでに破壊せよ!

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#戦争
🔒
#銀河帝国攻略戦


0




「みなさん! 帝国の執政官兼科学技術総監ドクター・オロチが乗る『実験戦艦ガルベリオン』の所在が判明いたしました!」
 そう言いながら文字通り飛んできたのはファータ・カンタータ(遥か彼方の花びら・f02060)。
 これで総監の元へ突入できるかと思いきや、まだ弊害があるらしい。
 ドクター・オロチの元へ行くには、彼が率いる船隊たちを撃破する必要があるとのことだった。
 彼の配下である船隊はアマルテア情報艦隊というらしい。今回、猟兵たちにはそれらを撃破してほしいとのことだった。
 アマルテア情報艦隊?と首をかしげる猟兵。アマルテア情報船隊とは、ドクター・オロチがブラックタールから着想を得て開発したという『リキッドコンピューター』を搭載した艦隊だそうだ。
 艦内には粘性の液体が満ちた広いプール空間があり、この液体自体が情報を蓄積、処理するコンピューターとなっている。
 その情報処理性能は宇宙屈指で、帝国工作員達が宇宙各地で収集する多種多様な情報を集積、最適な作戦計画を立案することが可能だそうだ。
 つまり、頭脳に当たる艦隊ということか。
 武装は通常船隊には劣るものの、『リキッドコンピューター』は猟兵たちの出現に反応し、液体で敵を形成して差し向けて来るそうだ。
「今回、アマルテア情報艦隊内部への転移をさせて頂きます。艦内にいる敵を撃破し占拠、及び船隊を破壊してください!」
 そう言うとファータは、ゲートを開いていったのだった。


苗木 葉菜
 こんにちは、苗木です。
 余裕のある方はマスターページを見てからプレイングを描いて頂けると嬉しいです。
 今回は船内での戦いになります。ボス戦です。
 ボスを誰かに任せ船内を蹂躙しても構いませんが、敵がそれをさせてくれるかは分かりません。
 敵を撃破して船隊をぶっ壊しちゃってくださいね。
 それでは、お気をつけて。
47




第1章 ボス戦 『帝国宇宙戦艦』

POW   :    フルバースト・コズミック
【全砲一斉射撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    デストロイレーザー
【10秒間のエネルギーチャージ】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【主砲からのレーザー砲撃】で攻撃する。
WIZ   :    インペリアル・マカブル
【自身の稼働可能時間】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【帝国式鏖殺形態】に変化させ、殺傷力を増す。

イラスト:純志

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちが転送された時、一番初めに目に入ったのは、黒い水槽。
 いや、黒い水槽ではなく、透明な水槽に黒い液体が入ったモノだった。
 それは、その液体はとろりと溢れ出すと、やがて一つの塊となり、巨大な戦艦を作り出した。
 その名も『帝国宇宙戦艦』。
 艦の中に艦というのも、またおかしな話だ。この敵自体には、以前会った事がある者もいるかもしれない。
 しかしリキッドコンピューターが作り出したそれは、以前のそれとは段違いの強さを持つ。
 黒い水槽を背に動き出す戦艦。
 猟兵たちは各々武器を構えると、それを、そして自分たちが今乗っているアマルテア情報艦隊を破壊するために駆けて行った。
メルティア・サーゲイト
【チーム:ストライクバックス】
 今回陽動はレイリスちゃんがやってくれるらしいから私は殺戮者(フォーネリアス)を乗せてMODE PANZERで爆撃機形態。装備は機首ガトリングの両翼下部に巡行ミサイルだ。まずは巡航ミサイルとガトリングを主砲にブチかまし、これが本命の攻撃と誤認させる。このタイミングで殺戮者が突っ込む手筈だ。今まで使った戦法は知られてる可能性あるじゃんコイツ。だから、裏をかいて私が本命なんだぜ!
 殺戮者が離脱したら人型形態に変形しながらダイナミック着艦をキメて全武装と飛行パーツのパージ、両手に火炎放射器装備で焼き切るぜ。

「重装甲は廃熱効率悪くて大変だよなァ?」

♡♥▽▲


フォーネリアス・スカーレット
【チーム:ストライクバックス】
 メルティアに乗り込み、奴が仕掛けるのと同時に上から強襲する。奴は自分が本命のつもりのようだが知らん。だが、確かに一度使った手を知られている危険はある。故に、決め手は変える。
 まずは降下しながら神喰いを叩き付け、主砲を破壊する。出来ても出来なくともチェーンブレードは捨てる。両手に丸盾を持ち、致命打となる射撃武器は弾きながら楔打ちで砲塔を潰す。
 何より、一か所に拘らない。一撃打ったら即離脱して次を打ち込む。両手両足固定装備に改良した打ち杭を叩き込み、フックロープを使ったロープワークで翻弄する。D社の品質、当てにさせてもらう。

♡♥▽▲


一駒・丈一
さて。
敵の頭脳的な位置づけは、放っておけば厄介の種になる。
早々に沈めるとしよう。


リキッドコンピュータと云うからには、元は液体だろう。
ならば、先ずは様子見も兼ねて……
装備(磔用の杭)の『贖罪の道標』に、それを『投擲』する。
先ずはこれで物理攻撃が有効かどうかを見よう。
有効ならば、
ユーベルコードの『罪業罰下』で切るのみだ。


無効ならば、
まずは敵の攻撃を、今までの戦場での経験で培った『戦闘知識』を以て『見切り』つつ
、『早業』にて刀裁きで応じよう。
そして大業がくる場合は、
ユーベルコードの『決して何事も為し得ぬ呪い』で味方の盾となり、そのタイミングの攻撃を防ぎ、支援に徹するとしよう。

♡♥▽▲


紅月・美亜
【チーム:ストライクバックス】
 ちなみに今回の私達は三人組だ。Operation;UNCHAINEDで戦場を俯瞰しながら私自身はとにかく撃たれない位置を陣取りOperation;BLACKを展開し陽動を行う……と、言う事になっているが別にそのままBLACKで押し切ってしまっても構わないだろう。
 狙いが正確な主砲のレーザー砲台が厄介だ。攻撃を集中させて破壊する。気分は巨大戦艦ステージだな。対戦艦戦であれば部位破壊を狙うのが楽しい。壊せる部位は全て壊してパーツをはぎ取るのが最高だ。ついでなのでOperation;GROOVEで空間の音をハックしてR型三面の巨大戦艦戦をBGMに流しておこう。

♡♥▽▲


メルト・プティング
ほほー、情報処理能力に長けた液状疑似生命体さんですか。
なんか親近感を感じますね!まぁボクのほうがカワイイのですけれど!

今回は情報艦内部での戦闘ということで、【地形の利用】で狭い通路や置かれている障害物を盾にしつつ戦いましょう!
【目が電撃銃】で液状兵を迎撃しつつ、情報艦内を探索して【ハッキング】が行えそうな場所を並行して探します。
うまいこと見つけれたなら、生体コネクタを接続して液状こんぴゅーたに電脳戦をけしかけますよ!
まぁお相手さんの戦場なので勝てるかどうかは怪しいですが、バグのひとつでも埋め込めれば御の字。
これで敵の動きが鈍って他の猟兵の方が有利になることを期待しますよ!


リチア・スィール
おー、戦艦だかーっこいー!!この液体ぜーんぶが考えてつくったんだ?
やっぱ海賊っていったら戦艦だよね!
じゃあこの船はオレが乗っ取った!!…なんてわけにはいかないかなー。
ん、じゃあ仕方ないから倒しちゃお!

一緒に戦う人たちと連携取りながら射撃モード。
砲が多いから色んなとこに撃ってくるだろうし、あんまり射線とかかぶんないようにしないとね。
銃を使うからこそ、後ろで状況を見て[第六感]とかで危なそうな人たちには声かけれるように。
一緒に戦えるみんなって大事なお宝だもん、みんなで輝こうぜ!

「たくさんの砲には砲、全部展開!打ち抜いちゃえー!」
[月へ至る翼]で、一気にぶち抜く!!
♡♥



 巨大な戦艦を見上げる猟兵たち。
「おー、戦艦だかーっこいー!! この液体ぜーんぶが考えてつくったんだ?」
 そう子供のようにはしゃぐのはリチア・スィール(無限に描く航海図・f09595)。
 英雄となるため、力を手に入れる一つの手段として海賊を志す彼は、目の前の戦艦を乗っ取りたいけど、そういう訳にはいかないよねと独りごちる。
「ああ、敵の頭脳的な位置づけは、放っておけば厄介の種になるからな。早々に沈めるとしよう」
 そんなリチアを横目に自身の装備である杭【贖罪の道標】を構えるのは一駒・丈一(金眼の・f01005)だ。
「リキッドコンピューターと云うからには、元は液体だろう。まずは物理攻撃が通じるか――試してみるか」
 彼はそう言うと戦艦に向かって杭を勢いよく投げた。
 それは見事に砲台の一つへと命中し、ぷすぷすと小さな煙を上げている。がこんがこんと砲とという砲がこちらに向かって照準を合わせてきた。
「ふんふん、お相手は情報処理能力に長けた液状疑似生命体さんで、物理攻撃も有効と。リキットコンピューターはブラックタールから発想を得ているらしいですからね」
 ボクも物理攻撃はそれなりに痛いです!と憶さずいうのは件の種族であるメルト・プティング(夢見る電脳タール・f00394)。やはり親近感があるのだろうか、ブラックタールに似た物質で出来たそれを見上げた後「まぁボクのほうがカワイイのですけど!」と胸を張った。
 余談だがこの後この場所は砲弾の嵐となる。

 そんな彼女の上空を飛ぶドローンのような機械が、一機。
 その正体は紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)――通称『大いなる始祖の末裔 レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット』がユーベルコード“Operation;UNCHAINED”で召喚した熱光学迷彩搭載早期警戒機だ。
 彼女は早期警戒機と五感を共有し敵の死角になるであろう場所へ身を隠すと、“Operation;BLACK”を発動させ今度は大量の新型光学兵器搭載戦闘機を繰り出す。
 その数、百機。
 蜂が群がるがごとく戦艦に襲い掛かる様を、天井ぎりぎりの高度で見守る爆撃機がいた。
「おーおーレイリスちゃんやってるなー」
 爆撃機が喋る。いや、正確に言えばユーベルコード“MODE PANZER”で爆撃機に変形したメルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)なのだが。
「そのようだな、こちらも仕掛けるぞ」
 そしてその爆撃機に乗っているのはフォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)。
 あいよ、とどこか軽い返事をしながらも放たれるのは容赦ないガトリングと巡航ミサイル。
 主砲辺りを狙ったそれは着弾し爆煙を上げる。爆煙の中から出てきたのは、敵艦のレーザー砲。
 それをぎりぎりで避けると同時に、メルティアを足蹴にして宙を舞うのはフォーネリアスだ。相手もそれを読んでいたのか、彼女に向かって砲弾が放たれていた。
 が、それを美亜の新型光学兵器搭載戦闘機が庇う。
「主砲はかなり硬いぞ!」と美亜が叫んだ。どうやら先ほどから攻撃を集中させているようだ。
 着弾によって生じた爆風に怯むこともなく、フォーネリアスはチェーンブレードを振りかざした。
「なるほど、では試してみるか。どれくらい硬いかを」
 上空でお前はほんとそういうとこだぞ、と笑われた気がしたが、聞こえないふりをして勢いよくそれを振り下ろす。
 “神喰い”。対艦武器であるそれは敵艦の主砲に刺さる。チェーンブレードは主砲を輪切りにしようとぎゃりぎゃりと音を立てて斬り進めていたが、半ばで止まってしまった。
 彼女はそれが破壊出来ないとわかると即座に武器を手放す。そして素早く両手に丸盾を構え砲弾を弾いていった。
 これだけ巨大な敵だ。一か所に拘らず部位破壊に徹した方が得策だろう。
「よぉ殺戮者。やっぱ読まれてたか、一回見せた手だったからなー」
 かつん!と音を立ててフォーネリアスの背後に着艦したのは“MODE PANZER”を解除したメルティア。可愛らしいドールユニットと巨大なゴーレムユニット。二人で一つの彼女はそれぞれ武装が施されていた。
 艦上ではフォーネリアスとメルティアが、上空では美亜の新型光学兵器搭載戦闘機が着実に相手の戦力を剥いでいく。

「オレも負けてられないぜ!」
 そう言いながら狙撃をこなしていくのはリチア。元気そうなそぶりからは想像できないほど慣れた手つきでライフルを装填すると一点一点、着実に副砲を狙っていく。
 後衛の彼は戦況を良く見ていた。彼が狙っている副砲は新型光学兵器搭載戦闘機の攻撃を受け負傷をしているモノばかりだ。
 巨大な戦艦にある小さな副砲でさえ、当たればかなりのダメージを受けるだろう。少しでも戦力を削ろうと目を光らせていく。
 そんなリチアの少し前で、【介錯刀】を構えているのは丈一だ。構えているのはいいものの、戦艦へと刃を届かせるのはいささか距離が遠すぎる。弾幕により近づけないのだろうか、援護をするべきだろうか。
 そんなリチアの心配を後目に、彼はすうっと刀を振りかざすと素早く一線を放った。
 直後、砲塔がいとも簡単に崩れ落ちる。艦上で戦っていた二人が攻撃していたのもあったが、それを差し引いても彼のユーベルコード“罪業罰下”はかなりの威力、そして射程距離だった。
「! 頭上注意だぜ!」
 丈一の動きに感心していたリチアだったが、敵の様子からは目を離していない。即座に丈一に攻撃が来たことを知らせた。
「問題ない」
 丈一はそれを難なくかわすと、もう一線放っていく。
 しかしさすが戦艦というところだろうか、細かい部位は比較的容易に破壊出来るものの、主要となる武器となればその防御力は段違いだ。
「さっすがお相手硬いですねー!」
 丈一たちと共に自身のユーベルコード“目が電撃銃”で迎撃をしていたメルトだったが、大きな一つ目が捉えているのは戦艦ではなく、その奥の水槽。
 グリモア猟兵の説明を聞く限り、あの液体自体が今自分たちのいるアマルテア情報艦隊の大きなリソースを担っているのではないか。
 だとしたら、戦艦への攻撃よりも――。
「んー、ちょっとボクは別口でアプローチしてみます!」
 きゅるんと動く彼女の一つ目に、丈一は頷いた。
 回り込むように移動するメルトに砲弾が襲い掛かるが、すかさずリチアがフォロー、射線上に丈一が立つ。
「お、メルトがなんかする気だな? ここは目立っておくか!」
 それを見たのはメルトと同じ旅団に所属しているメルティア。
「纏めて燃え尽きやがれ!」
 そう言って放たれたのはユーベルコード“CODE INCINERATE”だ。近距離殲滅用大型火炎放射器による無差別攻撃に、フォーネリアスが「私まで燃やす気か」とぼやいた。尚ちゃっかり壊れた高射砲に回り込み凌いでいるのだが。
 美亜の活躍もあり、もう壊せそうな部位はほぼほぼ壊せつつある。が、やはり圧倒的な強さを持つ巨大な主砲がどうにもならなかった。
 ある程度の負傷覚悟で集中攻撃をするか考えていたその時、戦艦の内部から警報とアナウンスが流れる。
《只今より、鏖殺形態へ移行します。周辺の帝国軍兵は退避してください。繰り返します――》
「……おい、なんだあれは……」
 変形していく戦艦を思わず口をあけながら見上げる美亜。先ほどまで艦の形をしていたそれは、人型に形を変えていった。
 主砲は両の腕に装着され、そのレーザー砲で美亜の新型光学兵器搭載戦闘機を蹂躙していく。
 圧倒的攻撃力。
「はー、凄いけど体内の軋み音がヤバいな。こりゃ長くは持たないだろ」
 それに怖気づくかと思いきや、肩に乗り移りながら冷静に判断したのはメルティア。
「問題ない、どんな形になろうと殺すだけだ」
 同じくフォーネリアスが武器を構えなおすが、目の前に迫るのは腕の副砲。
 彼女はそれを飛び降りるようにして回避し、立っていた場所に【D社製巻き上げ機構付きフックロープ】を引っ掛けるとそのまま胸の真ん中あたりの位置まで降り、勢いを利用して【D社製撃ち杭仕込みガントレット&グリーヴ】に内蔵されている杭を打ち込む。
 がつん。という音と共にへこむ戦艦の胸囲。
 その攻撃痕を見て「防御力は変わってないようだな」と呟いた。
 しかし先ほどの戦艦にはなかった機動力が格段に上がっているのは確かだ。

 そんな戦艦の足元を、メルトが駆ける。
 どこだ、どこかにあるはず。
 くりくりと目を動かしながら辺りを見渡すと、水槽の丁度真横の壁、そこに水槽の状態を保つ機械らしきものを見つけた。
 戦艦に見つからない位置ではない、メルトは急いでそこに生体コネクタを接続すると、リキットコンピューターへとアクセスする。
 直後、メルトの頭に雪崩れ込んできたのはとてつもない情報量。
「っ……!」
 この世界――スペースシップワールドの情報すべてといっても過言ではない量に、メルトは思わず膝を突いた。
 だが彼女は諦めない。メルトの周りが、サイキックエナジーによってきらきらと輝いた。その輝きは接続部に入り込み、やっとの想いでそれらに対抗していく。
 しかし無情にも、そんな彼女の元へ戦艦の手、主砲によるレーザー砲撃が襲い掛かろうとしていた。
「ちょ、ちょ、ちょっと! すみませんが今お取込み中なんで!」
 メルトの静止も虚しく砲口が光る。が、その間に立ちはだかったのは、一人の断罪人。
 次の瞬間、フロアの一角が光に包まれる。
「っ! レイリスちゃん! 状況は!」
 その光を見たメルティアが空中にいる熱光学迷彩搭載早期警戒機に言う。艦上にいる二人は先ほど変形したとき新たに出てきた副砲の対応に追われていた。
「……あれだけのレーザーを受けて、立っていられるとは……」
 美亜が自身の熱光学迷彩搭載早期警戒機を通してメルトを、そして彼女を庇うようにして立つ丈一を見る。
 丈一はユーベルコード“決して何事も為し得ぬ呪い”を発動し、咎人の怨嗟を纏わせていた。
 それによりほぼ無敵状態となった彼はなんとかレーザー砲撃を凌いだのである。
「砲には砲、全部展開!」
 そしてその砲撃により生じたラグを、リチアは見逃さなかった。
 自身のユーベルコード“月へ至る翼”により自身の銃を出来る限り複製し始める。
「一気に打ち抜いちゃえー!」
 そしてそれは主砲に向かって一斉放射された。
「いい加減その主砲、剥ぎ取らせて貰おうか!」
 美亜の新型光学兵器搭載戦闘機の砲撃も手伝い、ついに主砲の装甲が歪む。
 彼らにもう片方の主砲を向けようとする戦艦だったが、それは叶わない。
 フォーネリアスが丁度手首辺りの装甲にフックロープを引っ掛け、もう片方の腕で装甲に杭を打ち込みながら踏ん張っていたからだ。

「むむむ! ここです!」
 その声と同時に水槽の一部に、きらきらとした光が現れる。
 それはメルトのサイキックエナジーで、その光が現れた瞬間、明らかに戦艦の動きが鈍くなるのがわかった。ほぼ固まっていると言っても過言ではないだろう。
「ふー、お相手さんの戦場なので勝てるか怪しかったですが――上級者ほど初歩的なミスには気付きにくいものですよね!」
 一体ブラックタールの内部でどれほどの電脳戦が繰り広げられていたのだろう。メルトは攻撃を庇ってくれた丈一に礼を言ってから高らかに叫ぶ。
「さてさて、巨大ロボと化した戦艦を水槽もろとも破壊しちゃいましょう!」
 それを聞いたメルティアが待ってましたとばかりに再び武装を展開した。
「重装甲は廃熱効率悪くて大変だよなァ? ずーっと私が仕込んでたんだ、もうガタが来たっておかしくないはずだぜ」
 火炎放射器を両手ににやりと笑うメルティア。確かに戦艦の装甲は、触れば反射的に手を退けるほど熱くなっていた。
 “決して何事も為し得ぬ呪い”を解除した丈一が、目の前の主砲からチェーンブレードを抜き取りフォーネリアスへ投げ渡す。
「でっかい一発、頼むんだぜ!」
 まだ処理しきれていない副砲をリチアが牽制し、
「一度侵されたからか、ハッキングし放題だな」
 美亜がおちょくるように機械兵器を通じて戦艦内部におどろおどろしい音楽を流す。
 そのBGMを背景に、フック付きワイヤーを駆使して頭上に迫ったフォーネリアスが、チェーンブレードを振り上げた。
 刹那、出たのは爆発音、煙、装甲が砕け落ちる音。
 自身の稼働時間限界が迫ってきたのもあったのだろうか、人型の戦艦はその一撃によってぐらりとバランスを崩すと、水槽を下敷きに倒れ込んだ。
 ばち、ばちばち!と電流や火花が散る中、それでも新たに何かを形成しようと鈍く蠢くリキットコンピューター。
「させませんよ!」
 それをメルトがゴーグルから放った高圧電流で動きを止め、
「――これにて終いだ」
 余罪は地獄にて禊がれよと、丈一が“罪業罰下”を放った。
 直後に揺れる船内。
 びーびーとなる警告音に、フロア内が赤く点滅する。
《リキットコンピューター破損、コアマシン停止、当艦は三十秒後に消滅します――》
「こっち! 急いでー!」
 後衛に徹してたリチアはいち早く退路を見つけると仲間に呼びかけた。
「帰るまでが依頼ですからね!」
 急いで猟兵たちがゲートをくぐった直後、小規模な爆発を繰り返し、銀河帝国が誇る情報艦隊は宇宙の塵へと姿を変えていったのだった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月15日


挿絵イラスト