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殲神封神大戦⑱〜初めてですよここまでするお馬鹿さん達は

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「殲神封神大戦もいよいよ大詰めですね」
 封神武侠界で起こっている大きな戦いに触れたフェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)は君たちにそんな戦いの一戦場に赴いてほしい旨を伝えた。
「皆さんに向かっていただきたいのは、封神武侠界の文化の祖とされる神、三皇『伏羲』の祠です」
 伏羲自体はオブリビオンとして蘇ってはいないようだが、それでもこの祠は「無限の書架」と「さまざまな世界の言語や呪文」で満たされており、恐ろしい魔力が充満しているのだという。
「伏義の書架に収められた膨大な知識は、近づいただけで理性ある存在を『知識中毒』状態にし、脳を破壊してしまう危険な場所なんですよね」
 故に祠にはこの効果で知恵を破壊されたオブリビオンが大量に蠢いているのだとか。
「これを排除して欲しいんですが、伏義の書庫は『会話や文字を操る者』を見つけると、瞬時に脳を破壊しようとしてくるようなんです」
 このため書庫に標的とされない為には「言葉と文字」を使うこと無く、みぶりてぶりや無意識の連携のみで戦うか、あるいは「ものすごいバカ」になって書庫の狙いから外れる様にしながらオブリビオンの群れと戦う必要があるのだとか。
「書庫に狙われてしまった場合は僕の方で強制離脱させますから脳を破壊されることはないでしょうが――」
 それは大した戦果をあげられず離脱するというのと同意味でもある。
「ここまで来たら張角の元にたどり着くのもあと一息の筈」
 大変かもしれませんがとしつつもよろしくお願いしますねとフェリクスは君たちに頭を下げたのだった。


聖山 葵
 一人称が僕でフから始まる名前なんてきっと珍しくない筈。

 それはさておき、今回は近づいただけで理性ある存在を「知識中毒」状態にし、脳を破壊してしまう危険な祠で蠢く知恵を破壊されたオブリビオンたちを倒していただくお話となっております。

 また、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になります。

=============================
 プレイングボーナス……「言葉と文字」を使用せず戦う。もしくはものすごいバカになる。
=============================

 ではご参加お待ちしておりますね。
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第1章 集団戦 『くじゃくさま』

POW   :    美しさは罪
【尾羽によるビンタ】が命中した生命体・無機物・自然現象は、レベル秒間、無意識に友好的な行動を行う(抵抗は可能)。
SPD   :    見惚れておしまい
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【自前の尾羽】で包囲攻撃する。
WIZ   :    見惚れなさいよぉおお!!
【無数の尾羽】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

日紫樹・蒼
性格:弱気
性質:ヘタレ
※どんな酷い目に遭っても構いません

喋ったらダメだから、詠唱魔法は使えないね

ここは『最強のバカ』を召喚して代わりに戦ってもらうことにします
(「今日こそ、変なのが出ませんように……」)
心の中で念じながら魔法生物召喚
現れたのは、頭に鹿の角を生やした馬面の筋肉マッチョ(脳筋馬鹿)

『フンスゥゥゥゥゥ!!
(「うわぁ……なにこれぇ……」)
声に出さずドン引き
その間に脳筋馬鹿は好き放題暴れます

馬鹿なので痛みは感じません(突撃のみ!
馬鹿なのでなんでも食べます(敵の羽むしゃむしゃ
そして馬鹿なので敵味方の区別もつきません(ぇ
(「ちょっ!? なんでこっちに……!

鹿の角で尻を突かれても構いません



(「……居る」)
 転送された日紫樹・蒼(呪われた受難体質・f22709)が『伏羲』の祠へ足を踏み入れて目にしたのは、書架の知識に知恵を破壊されてしまった犠牲者にして今回倒すべき敵の姿だった。
「ぴょぺっ、ぴょぺぺぺ」
「ぴょっ、ぴょ、ぴょーっ」
 虚ろに笑いながらずんぐりとした身体を弾ませるもの、ただひたすら床に身体を擦り付けるもの、意味のある行動とは思えないことを続ける様はまさになれの果てと言って過言はなく。
「喋ったらダメだから、詠唱魔法は使えないね」
 そううっかり蒼が口に出してしまうというようなベタな展開は流石になかったが、喋ったらどうなるかの実例なら視界の中にあるのだ。
(「今日こそ、変なのが出ませんように……」)
 いつもと違って声には出さず、ただ念じながら召喚を行えば。
『フンスゥゥゥゥゥ!!』
 蒼の召喚に応え姿を現したのは、頭に鹿の角を生やした馬面の筋肉マッチョであった。
(「うわぁ……なにこれぇ……」)
 顔をひきつらせた蒼は一歩退き。
『フゥン!』
(「えっ」)
 まだ何も命じていないにも関わらず馬面マッチョは動き出す、というか駆け出した。
『フン、フゥンスゥゥゥゥ!』
「ぴょぺぱーっ」
 その勢いで謎の行動を続けるずんぐりしたくじゃく風味の妖獣ことくじゃくさまに体当たりして吹き飛ばし。
『ハムッ、アグッ』
 転がったくじゃくさまを持ちあげるとその羽根を食べ始める。
「ぴょぺっ、ぴょぺぴょぺーっ!」
 知恵が破壊されていようが痛覚とかはあるのだろう。くじゃくさまは暴れるも馬面マッチョは平然とし。
『ンンーッ!』
 口からぐったりしたくじゃくさまをぶら下げたままぐりんと蒼の方を振り返ると、再び走り出す。
(「ちょっ!? なんでこっちに……!」)
 混乱し狼狽える蒼だったが、馬面マッチョは待ってくれない。
「ぴょげっ」
「ぴょがっ」
 途中で床に身体を擦り付けるくじゃくさまを何羽か踏みつぶし。
(「待――」)
 敵味方を判別できない馬面マッチョのタックルで蒼もまた宙に舞ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携歓迎


(なんとも妙な仕掛けだねえ)
(まあ、要は何も考えずに戦えればいいんだよね)

(何も考えずに戦うなら【戦闘神経】を使おうか)
(これなら反射だけで戦えるから、頭は使わなくて済むし)
(飛んでくる尾羽を回避しながら近づいて)
(適当に殴って倒すまでを勝手に神経がやってくれるよ)

(なんなら目が開いてれば寝てても体を動かして戦えるからね)
(向こうも知恵が破壊されてるなら反射を逆手に取るような事は出来ないだろうし)
(適当にどんどん倒していこうか)

(体が勝手に動くだけだからちょっと飽きてきたなあ)
(少し寝て、起きた頃には終わってるかなー)



(「なんとも妙な仕掛けだねえ」)
 転送されてきたペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)はおかしな行動を繰り返すオブリビオンの姿を眺めて首を傾げた。
「ぴょっぴょぴょぺぺ」
「ぴょぴょぴょ」
 条件を満たせば無差別に書架の知識が脳を破壊してしまうが故に犠牲となったくじゃくさまたちは隙だらけであり。
(「まあ、要は何も考えずに戦えればいいんだよね。何も考えずに戦うなら――」)
 為すべきことを鑑みればある意味好機でもある状況に、ペトニアロトゥシカは自身の肉体に手を加える。
(「うん、大丈夫そうかな」)
 外見上はほぼわからずとも反射のみで戦闘可能な神経系を生やした自分の身体の感触を確かめ、声には出さず太鼓判を押し。
(「これなら反射だけで戦えるから、頭は使わなくて済むし」)
 あとは任せたとばかりに生やした神経に身体を委ねれば、ペトニアロトゥシカが意識せずとも勝手に身体は動いてゆく。
「べびょっ」
「びょばべっ」
 ただ当人は目を見開いているだけにも拘わらず、ペトニアロトゥシカの身体がくじゃくさまたちを粉砕して断末魔をあげさせ。
(「なんなら目が開いてれば寝てても体を動かして戦えるからね」)
 オブリビオンたちの知恵が破壊されているが故にペトニアロトゥシカはくじゃくさまを脅威とは見ない。反射を逆手に取るような小賢しさどころかまともな思考能力も残っているか怪しいのだ。
(「適当にどんどん倒していこうか」)
 少なくとも現時点で戦果が出ているからこそ、疑うことなくペトニアロトゥシカは身体を反射によって動かし続ける。
(「体が勝手に動くだけだからちょっと飽きてきたなあ」)
 敵の排除はしばらく続き、ペトニアロトゥシカが後悔しただとか不都合を覚えたとしてらそれぐらいで。
(「少し寝て、起きた頃には終わってるかなー」)
「おびょっ」
 本当に寝ることも検討し出すペトニアロトゥシカの身体はまた一羽 くじゃくさまを粉砕した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

怨燃・羅鬼
凶のらきちゃん☆図書館でライブだよ!の手振り【バーサーク】
図書館だから静かにしなきゃネ!の手振り

くじゃくさまを見つけたら
わ~ぁ~☆綺麗な羽!まさにアイドル☆らきちゃん☆のライバルでは?
っとライブバトルを挑ネ!

世はまさにアイドル☆戦獄時代!戦わなければ生き残れない!
羽を『ダンス』で躱して『ブレス攻撃』で火を噴いて『焼却』!

そのまま焼いて、みじん切り!にふぁらりすくんでミンチ【重量攻撃】に


はい☆凶のお料理は鳥さんのハンバーグだよ!
おおありがたい。私はハンバーグが大好物なのだ(棒)
というわけで、凶の3分クッキングでした!『大声』



「凶のらきちゃん☆図書館でライブだよ!」
 手振りだけで転送された怨燃・羅鬼(怒りの心を火に焚べろ・f29417)はそう表現して見せる。
「図書館だから静かにしなきゃネ!」
 と続けた内容も言語ではなく見降り手振りによるものだ。
「ぴょぴゅー?」
「ぴょぺぺ」
 もっとも、知恵を破壊されたオブリビオンたちにはたとえ手ぶりでなくても理解はされなかったであろうが。自身らの美しさを誇り、他者へ見せつけようとする孔雀妖獣の筈のくじゃくさまたちは相も変わらず床を這ったり、床に転がって出鱈目に身体を動かすなど意味不明な行動を続けているのだ。
(「わ~ぁ~☆綺麗な羽! まさにアイドル☆らきちゃん☆のライバルでは?」)
 とは言え知恵を破壊されようと尾羽の美しさは損なわれず、くじゃくさまを目に入れた時点で対抗心を燃やし始めた羅鬼は拷問具のふぁらりすくんを引っ張りつつくじゃくさまたちへ近づいてゆく。
(「世はまさにアイドル☆戦獄時代! 戦わなければ生き残れない!」)
 意気込む羅鬼へもしくじゃくさまたちがまともな状態であれば挑まれたライブバトルにもすぐさま応じたことだろう。
「ぴょ、ぴょぴょーっ、びょ」
「ぴょ、ぴょぺぺ、べっ」
 だが、知恵を失ったくじゃくさまたちにこれを望むのは酷であった。弛緩した笑みを浮かべていたくじゃくさまたちが羅鬼の吐いた火に焼かれ。
(「みじん切り打ぁ☆包丁~☆」)
 拷問具の下部から生えたギロチンが程よく焼かれたくじゃくさまたちを切り刻んでゆく。
「はい☆凶のお料理は鳥さんのハンバーグだよ!」
 残虐ファイトと見せかけて実は料理であったのかと視聴者に見えるよう身振り手振りでそう羅鬼は表現すると。
「おおありがたい。私はハンバーグが大好物なのだ」
 まるで棒読みするかの如く先ほどより明らかに大根な演技で一人二役の二役目を演じてみせた。もちろん言語部分は引き続き身振り手振りである。
「とい」
 最後に大声で何か言いかけたところでグリモア猟兵によって強制的に転移させられて消えたのは、伏義の書架の効果を鑑みればやむ無しだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

御堂・伽藍
アドリブ、即席連携歓迎

さいしょから がらんどう
さいしょから がらくた

残像忍び足でゆるゆると接敵
存在感でお誘い陽動敵の攻撃を釣って誘き寄せ
落ち着いて見切り「がらんどう」で武器受け
カウンター念動怪力UCで範囲攻撃
ひたすら敵の攻撃を返す

時折念動怪力衝撃波すてぜにで範囲攻撃
傷物のマラカイトや錆びた銅貨を撃ち込んで薙ぎ払う

さいしょから がらんどう
さいしょから なにもない
ただまりょくをながし
ただかえすだけ

ぜんぶうけいれ ぜんぶながれる
さようなら さようなら


カノン・カノーネ
 ものすごくバカになればいいってそんなのアリ!? 具体的にどうすればいいのかよく分かんないけど、とりあえず〈砲撃〉しとけばいいかな!? いいよね、きっと!!

 【UC:滅殺・りゅうせいう!!】(WIZ)を発動! いっっっくよーーーー!! 本いっぱいあるからそこのところは気を付けて、あとは鳥さんを狙い撃ちしちゃうよ、〈蹂躙〉だ! 飛ばしてくる尾羽は、足元で炸裂した擲弾の〈衝撃波〉で〈吹き飛ばし〉ちゃおう!

 鳥さんたち、今から砲弾で吹っ飛ばすよ!! すっごい綺麗だからワルいことしてる気がする!! でもオブリビオンなら容赦いらないかな? それじゃあ、どっかーーん!!

(アドリブ連携等々全て歓迎です)


秋津洲・瑞穂
きゅー。
きゅ?
きゅー!

(とたたたたたたた

(がぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶ

(たたたたたたぴょん

(ぴょんぴょんぴょんぴょん

(ぴょんがぶ

(がぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶ

(とたたたたたたたたたたこけっ☆

(ころころころころころべしょ

きゅ……。

(たたたたたた

(ぴょんがぶ。がぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶ

(蹴り蹴り蹴り蹴りすかっごち☆

……。

(ガブ1



(「さいしょから がらんどう」)
 転送されるや一言も発せずに御堂・伽藍(がらんどう・f33020)は足音さえ殺して緩く歩き出す。
(「さいしょから がらくた」)
 視線はどこかへぼんやりとした表情でわらべ歌か何かの様に胸中で口ずさむ伽藍には当人の残像が付き従い。
「ぴょぺ!」
 急にいくらか濃くなった存在感はもはや知恵もないくじゃくさまへ珍しく他者の存在を認識させ。
「ぴょ」
(「伽藍洞と人の言う。はいって、とおって、さようなら」)
「ばっ」
 他者を害せる知恵が残っていたというよりもおそらくは反射的なモノか。放たれた複数の尾羽が幾何学模様を描きながら伽藍へ殺到したが、からくり人形であるがらんどうに受け止められると内部を通った尾羽は尾羽を放ったくじゃくさまへ突き刺さる。
(「さいしょから がらんどう。さいしょから なにもない。ただまりょくをながし ただかえすだけ」)
 知恵を失った身でも反射的に躱すくらいは出来たかもしれないが、そこは自分の放った尾羽が返ってくることなど想定もしないしそもそも理解も出来ていまい。
「びょべっ」
「びゃっ」
 伽藍は淡々と作業の様に攻撃を受けては返し、反応を示さぬくじゃくさまたちには傷物のマラカイトや錆びた銅貨を撃ち込んで薙ぎ払い、掃討してゆく。
(「ぜんぶうけいれ ぜんぶながれる。さようなら さようなら」)
 胸中で別れの言葉を流しつつ伽藍の通り過ぎた後には骸の海へ還り始めるくじゃくさまの死体が残るのみ。
「ものすごくバカになればいいってそんなのアリ!?」
 ともあれ、あっさり順応して流れ作業の様に敵を屠る猟兵が居れば、状況に戸惑う者も居て。グリモア猟兵の説明を聞いてそう驚きの声をあげた段階ではカノン・カノーネ(ウルトラボンバー!・f35172)は後者だったと思われる。
(「具体的にどうすればいいのかよく分かんないけど、とりあえず『砲撃』しとけばいいかな!? いいよね、きっと!!」)
 言葉を口にできない状況故に相談も出来ず、短い思考の結果仮の答えを出したカノンは大砲を床で蠢くくじゃくさまたちへと向ける。ただ、いくら敵が居ても本がたくさんある場所は避けての形であったが。
「いっっっくよーーーー!!」
 と本来なら声を発するところも心の中でだけ言う。
「鳥さんたち、今から砲弾で吹っ飛ばすよ!!」
 なんて宣言も無限の書架の仕様上口にはできず。
「ぴょ」
「うぴょ」
 大砲で狙われたくじゃくさまたちの鳴き声は、降り注ぐ砲弾で途絶えた。
(「すっごい綺麗だからワルいことしてる気がする!! でもオブリビオンなら容赦いらないかな?」)
 加えて知恵が破壊されているためか襲ってこない個体も多いのだが、ためらいを砲撃と一緒に吹っ飛ばす理由もカノンには存在して。
(「それじゃあ、どっかーーん!!」)
 声には出さず発した擬音と大砲から轟く音は重なる。砲声が響き渡る度に悲鳴を上げたくじゃくさまが吹っ飛び。
「きゅー」
 転送されて一声鳴いた子狐姿の秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)は次の瞬間、身体を跳ねさせた。
「きゅ?」
 すぐに周囲を見回せば自身を驚かせたものはすぐに見つかる。
「……ぴょ」
 砲撃の爆発と巻き込まれ、程よく焼けてぽてりと倒れるずんぐりとしたくじゃくの妖獣。
「きゅー!」
 砲撃の方はさておき、美味しそうに焼けた鳥を見た瑞穂の反応は早かった。全力で焼き鳥と化したくじゃくさまにとててと軽い足取りで駆けよっては噛みつき。
「ぴょ、ぴょ……」
「きゅー!」
 知恵を失っても身の危険は感じられたか、砲撃から離れようとする手負いのくじゃくさまを見つけては、駆け出して飛びかかる。
「ぴゅ、え゛」
 まさに狩りであった。
「ぴょ、ぴょぴょ」
「きゅ!」
 砲撃に追い立てられ、本能や反射で逃げようとするくじゃくさまや本や本棚を巻き込む恐れがあってカノンには手が出せなかったくじゃくさまを発見するたびに瑞穂は駆け、飛び掛かっては噛みついてゆく。
「ぴょ、ぴょっぴょ?!」
 流石に噛みつかれては知恵を破壊されていようがなすがままにはなっていない。振りほどこうと暴れ、噛みついた瑞穂を振り払おうとするも襲われたくじゃくさまにはもう知恵がない。効果的な振りほどき方もわからず出鱈目に暴れるだけではこの小さな狩人をどうにかすることは不可能だった。
「きゅぷっ」
 むしろくじゃくさまを追いかけている時、戦闘のはずみで落ちたか床に転がっていた本の方が瑞穂にとっては脅威だったと思われる。走る途中でつんのめりこける場面があったのだから。勢いあまって本棚にもぶつかるも。
「きゅ……」
 大したダメージではなかったようで、何事もなかったかのように身を起こした瑞穂は狙いを定めていたくじゃくさまへと駆け寄ると飛び掛かって噛みつき。
「びょーっ?!」
 痛みに暴れ始めたくじゃくさまのあちこちに噛みついた上で後ろ脚を使って何度も蹴り転がす。ダメージはなくともイラっとはしたらしい。ともあれ、こうして床で蠢いていたくじゃくさまたちは狩るかうち滅ぼされ骸の海へと姿を消したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月28日


挿絵イラスト