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殲神封神大戦⑰〜神との和為すもの

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑰ #渾沌氏『鴻鈞道人』

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#渾沌氏『鴻鈞道人』


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●神降ろしは突然に
 多くの人々が行き交うグリモアベースの中で、
 郁芽・瑞莉(陽炎の戦巫女・f00305)の呼びかけに応じた猟兵たちに頭を下げる。
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます。
 今回皆さんにお集まり頂いたのは、自らを【骸の海】と自称する謎の敵、
 渾沌氏『鴻鈞道人』を倒して頂く為です」
 しかし、その顔はいつになく緊張の色に染められていた。
「鴻鈞道人は幾つもの力を持っていますが、
 その一つが転送を担当した「グリモア猟兵」を自らの元に呼び寄せ、
 瞬時に体内に潜り込み、融合する力を有しているようです」

 説明を聞いていた者達は瑞莉が緊張していた理由を悟る。
「お分かりになられたと思いますが、鴻鈞道人は私に憑依した上で、
 皆さんに襲い掛かるという事ですね」
 元より神なるものを降ろして戦う力を持っていたことも、
 この予知に繋がったのではないかと自己分析をして苦笑いを浮かべる。

「鴻鈞道人の融合元は私ではありますが、
 強大な力に私自身の意志は完全に封じ込められてしまうようです。
 ですので、心の繋がりに訴えても何かしらの効果は期待できません」
 取り込まれたとはいえ猟兵という事で、
 何かしらの影響を与えているのではという希望は打ち砕かれると共に。
「相手は我々猟兵よりはるかに格上、
 先手を打ってくる相手に全力を以って対処しなければ倒れるのはこちらです」
 自分の命を懸けなければ倒せるか分からない相手に、
 グリモア猟兵の命の心配などしている余裕はないという現実を突きつける。

「今回、鴻鈞道人を倒す為に命を懸けるのが私はこういう形になっただけの事です。
 そういう意味では皆さんと変わりませんよ。
 私が直接殴れない分、猟兵に憑依する事に恐ろしさ、逆に教えてやってくださいね」
 そんな重苦しい雰囲気を払拭し、励ます様に一人一人を見回す。

 一通り説明を終えた瑞莉は意識を接続するワールド、封神武侠界へと向ける。
「それでは覚悟は良いですか? くれぐれも油断なきよう気を付けて下さい。
 頼みましたよ、皆さん」

●渾沌の地にて
 通常ならグリモアベースいるはずの瑞莉も皆と相対する形で転送先にいる。
「ふむ、流石は神を下ろす力を持つだけあって、存外に馴染む」
 どんな相手でも丁寧な応対を崩さず、温かみを持つ女性はそこに無く。
 冷酷に猟兵達を見遣ると、圧倒的な力を溢れさせる。
「罪深き刃を刻まれし者達よ、相争い、私の左目に炎の破滅を見せてくれ」

 斯くして戦いの火蓋は切って落とされる。


義助次郎
 義助次郎と申します。
 ここ数年は筆を置いてただの猟兵として活動していたのですが。
 このシナリオは書いてみたいと久々に復帰と相成りました。

 グリモア猟兵である瑞莉に憑依した鴻鈞道人との一戦となります。
 OPにも書きましたが心情面が有利に働く事はありません。
(有利な事柄は無いですがプレイングでの心情面の描写は大歓迎です)
 また、格上相手ですので手加減などが通用する相手ではありません。
 瑞莉は気になると思いますが全力で行ってください。
 生存はお祈り申し上げて貰えればとっても嬉しいです!

 鴻鈞道人は憑依された瑞莉が行う戦闘をベースに戦います。
 早業の一撃を喰らわせて、
 傷口を抉って防御を無視やカウンターを狙う二回攻撃を行う。
 というのが、戦いのセオリーとなっています。

 そして、このシナリオには下記のプレイングボーナスがあります。

 プレイングボーナス……グリモア猟兵と融合した鴻鈞道人の先制攻撃に対処する。

 具体的には先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』、
 その作戦や行動を考えて貰う事が重要です。
 また、複数のユーベルコード使用はそれぞれに反撃が返ってくるという事を、
 頭に置いておいて頂ければと思います。
 攻撃の対抗策や工夫が無い場合や複数のユーベルコード使用の際には、
 厳しい判定を行いますのでご注意してください。

 それでは、皆さまからのプレイング、心よりお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『渾沌氏『鴻鈞道人』inグリモア猟兵』

POW   :    肉を喰らい貫く渾沌の諸相
自身の【融合したグリモア猟兵の部位】を代償に、【代償とした部位が異形化する『渾沌の諸相』】を籠めた一撃を放つ。自分にとって融合したグリモア猟兵の部位を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD   :    肉を破り現れる渾沌の諸相
【白き天使の翼】【白きおぞましき触手】【白き殺戮する刃】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    流れる血に嗤う渾沌の諸相
敵より【多く血を流している】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ウィユ・ウィク
瑞莉お姉さんが憑依される予知はあっても、いなくなる予知ではなかったのです!
数々の困難を乗り越えてきた瑞莉お姉さんのタフさを信じているのです!

瑞莉お姉さんは素早い攻撃と傷口への追撃が得意みたいなので、一撃必殺というタイプではなさそうなのです!

鴻鈞道人さんの超強化で起点の攻撃は躱しきれないかもですが、
追撃による大ダメージを受けないよう超高速でその場を離れて凌ぐのです!

素早さと逃げ足ならボクも負けないのです!
先制攻撃を凌ぎつつ『つばめさんもーど』でさらに加速して攻撃を躱しながら癖を見抜いて、
カウンターやフェイントをされないタイミングで超高速の体当たりをお見舞いして鴻鈞道人さんを弾き出しちゃうのです!



●陽炎の神和VS幸せの黒いキマイラ

仙界の最深部にある、いまだ形定まらぬ「渾沌の地」。
彼の地で相対するは予知を伝え、己を倒す覚悟を問うたグリモア猟兵の一人、郁芽・瑞莉。
メキメキという音に肉を破り現れる渾沌の諸相。
背には白き翼を、手の平からは白き殺戮する刃を、全身の至る所から白きおぞましき触手が、
瑞莉の血に濡れてその姿を現し、異形へとその姿を変える。

全身を己が血で濡らす痛々しい姿に相対した一人であるウィユ・ウィク(幸せの黒いキマイラ・f13034)は、
もしかしたらと不安を抱いてしまうも。

(瑞莉お姉さんが憑依される予知はあっても、いなくなる予知ではなかったのです!)
 
グリモア猟兵の予知の言葉に、内なる葛藤を断ち切ると、自らの背のツバメの翼を広げる。
瞬間、静から動の爆発的スピードで一気にウィユの間合いに入ると、手の白き殺戮する刃を揮う。

先制の一撃が来ることが分かっており、瑞莉から自身の戦闘スタイルを聞いていた事、そして自らの野生の勘。
三つが相まって一撃を喰らうも、致命の一撃を貰う事無く。

(鴻鈞道人さんの超強化で起点の攻撃は躱しきれなかったですが。
 追撃による大ダメージを受けないよう超高速でその場を離れて凌ぐのです!)

自身の持てる高速を以って白き触手が身体に絡み、更なる一撃を喰らう前に間合いを離す事に成功する。

「素早さと逃げ足ならボクも負けないのです!」

黒き燕と化したウィユを落さんと白き翼で同じく空中を飛び、
交差する様に残像や迷彩を織り交ぜた白き殺戮の刃を揮い、白き触手で絡め捕ろうと伸ばす。

そんな鴻鈞道人の猛攻に『つばめさんもーど』でさらに加速。
そうやって何度も攻撃を躱し、捌く中で動きの情報収集し、鴻鈞道人と器たる瑞莉の癖を見抜くと。
触手が伸び切りカウンターを受けず、交差すると見せてフェイントを仕掛けたタイミングで、
本命の超高速の体当たりをお見舞いする。

(鴻鈞道人さんを弾き出しちゃう勢いで!!
 数々の困難を乗り越えてきた瑞莉お姉さんのタフさを信じているのです!)

一切の加減の無い、しかしながらグリモア猟兵を信じた燕の一撃は見事その身体を捉える。

「がはっ!!!」

渾沌の地に強かに叩きつけられる瑞莉。
迷いのない一撃は、身体に宿る鴻鈞道人の力たる混沌の諸相(undefined)も削られるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神崎・零央
ええっと、よくわからんけど。
とにかくあの胸の大きなお姉さんを助けるには
お姉さんを倒すしかないんだな?
よくわからんけど、行くぞキング!(ガオー!)

キングの背に乗り、ダッシュでお姉さんに急接近。
回避はキングの勘に任せつつ、
自分はレオショットで翼、触手、刃を撃ち落とす。
攻撃を喰らっても勢いは殺さない。
地力じゃ叶わなくても、絶対挫けず突き進む。
根性、根性、ど根性だーっ!

さっきの子(ウィユ)の戦い方は自分と似てる。
なら同じパターンは通じない。
だからじっくり見極めるんじゃなく、一気に勢いでぶち当たるんだ!
「いっくぞー!キング!!」
黄金色の輝きを纏い、二人一体となって体当たり。
お姉さんから、出ていけーっ!!



●陽炎の神和VS百獣王

渾沌の地から再び立ち飛び上がるグリモア猟兵たる郁芽・瑞莉。
そんな彼女の前に立ち塞がるのは黄金に輝く、地獄の番犬ケルベロスに乗る少年。
神崎・零央(百獣王・f35441)の表情は不安が浮かんでいた。

「ええっと、よくわからんけど。
 とにかくあの胸の大きなお姉さんを助けるにはお姉さんを倒すしかないんだな?」

誰とも無く零した確認の言葉。しかしそれは過去にも現在にもなく。未来の話。
しかし過去の集積体と自称する鴻鈞道人に憑依された瑞莉は、
口から零れる血も顧みずにくつくつと哂う。

「これが罪深き刃を刻まれし者か。
 ですが、悪いですけど破滅の炎を見るまで倒れる訳には行きませんね」

時間が経つごとに浸蝕も現在進行形なのか。
言葉使いも動作も瑞莉そのものとなりつつある。
そんな様子に考えている時間はないと察して。
唯一無二の親友にして頼もしくも力強い戦友たる、キングに声を掛ける。

「よくわからんけど、行くぞキング!」
「ガァオー!!!!!!」

背に乗り、ダッシュで近づこうとした瞬間、
後の先を容易に取って白き触手が全方位で迫り、
手の白き殺戮する刃で斬り込まれる。

回避をキングに任せ、零央はスリングショットで迫りくる触手を叩き落とし、
速度を落とそうと翼を。刃に撃ち込んで逸らす。
しかし元々の地力、
さらには鴻鈞道人の力たる混沌の諸相(undefined)を得たグリモア猟兵が相手。
零央もキングもみる傷ついていくも、その勢いは落ちないどころか、加速していく。

「地力じゃ叶わなくても、絶対挫けず突き進むのが、俺とキングだ!
 根性、根性、ど根性ーっ!」

零央が銀の雨が降った世界から飛び出したのは。
好奇心旺盛で冒険好きだけだからではない。
自分を救ってくれ、今もなお世界を守ろうと奮闘している義両親の姿の憧れも―。
故に言葉では根性を叫びながらも、冷静に戦局を見極めていた。

(さっきの子の戦い方は自分と似てる。なら同じパターンは通じない。
 だからじっくり見極めるんじゃなく、一気に勢いでぶち当たるんだ!)

「いっくぞー!キング!! 」

その言葉に咆哮と共に黄金色の輝きを纏い、
文字通り人騎一体、一筋の光ととなっての体当たり。
工夫も何もない真っ直ぐな突進は、
直前の攻防と前回の直撃を喰らった攻防故の警戒から一拍遅れる。

「お姉さんから、出ていけーっ!!」

再び、渾沌の地に強かに叩きつけられる血塗れの異形天使と化した瑞莉。
身体に宿る鴻鈞道人の力たる混沌の諸相(undefined)は更に削られていく。
宿主にもダメージを残しながら。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハロ・シエラ
知らない相手であれば幾分か心が楽……とも行きませんね。
どちらにしても私が出来る事は全力で戦う事だけ。
【落ち着き】をもって挑みましょう。

相手の攻撃は早いですが、元より無傷で戦い抜けるとも思っていません。
どの様な異形と化すかもわからない以上、初撃は恐らく食らう事になるでしょうが、動けなくなるほどの深手を負わない様に【第六感】も使って急所は外します。
痛みには【激痛耐性】で対処しましょう。
恐らく本命の攻撃は二発目、この傷を抉ろうと狙ってくるはず。
その攻撃を【見切り】、【カウンター】のユーべルコードで攻撃を仕掛けます。
悪あがきですが、翼なり触手なり鴻鈞道人由来と思しき場所を【切断】してやりましょう。



●陽炎の神和VSソード&ダガー

2回の超速度での体当たりはグリモア猟兵たる、
郁芽・瑞莉の身体にも深刻なダメージ及ぼしている。
しかし宿主たる鴻鈞道人は混沌の諸相(undefined)を以って。
無理矢理身体を動かし、次なる相手に仕掛ける。

(知らない相手であれば幾分か心が楽……とも行きませんね)

対しているハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は紅の瞳で相手を捉えつつ、
油断なくリトルフォックスを構えながら、自分の心の揺らぎを見つめる。
見知らぬとは言えど、自分と同じく猟兵という意味では仲間ともいえる。

「どちらにしても私が出来る事は全力で戦う事だけ」

言葉にしたのは覚悟。心の水面に揺らぎは無くなり、広く深い集中が彼女を包む。
瞳に白き殺戮する刃を生やした瑞莉の両手が異形化し、
蛇腹剣の様に伸びて襲い掛かってきたとしても揺らぐ事はもうない。
変則的に襲い掛かる腕の一撃目はハロを捉え、血の華が咲く。
首を狙った一撃であったが、
第六感に従って身体を動かし肩を深く抉られるも急所を外す。

「元より無傷で戦い抜けるとも思っていません」

どの様な異形と化すかもわからない以上、初撃は避けられず喰らう事は想定済み。
そして、鴻鈞道人もそう簡単にいかない事は承知しているだろう。

(恐らく本命の攻撃は二発目、この傷を抉ろうと狙ってくるはず)

しかし、その思考の誘導こそ、ハロの狙いそのものであった。
宿主たる瑞莉の戦い方は憑依される本人に聞いていたのだから。

「悪足掻きかもしれませんが。私の剣が貴方の翼、断ち切りましょう」

動きを見切られ、
もう片方の異形の手を受け流しながらそのまま飛び込むようにして交差。
無事の手で保持していたリトルフォックスのカウンターの一撃が、
翼を切り飛ばす。
翼を失い、きりもみしながら渾沌の地へと堕ちる鴻鈞道人を宿し瑞莉。
斬り飛ばされた翼を形作っていた混沌の諸相(undefined)は霧散し、
さらに鴻鈞道人の力を削るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御鏡・幸四郎
あの女性も銀誓館の関係者なのですね。
(スマホで開いていた銀誓館の資料を閉じ)
ご同輩となればほっとくわけにもいかないでしょう。
ましてや小さい子達が頑張ってくれたのですから。

「!」
想定よりも動きが速い。
先の戦いのおかげで血を流しているからでしょう。
ガンナイフを巧みに振るい攻撃の受け流しに集中します。

銀誓館時代の彼女の戦い方は調べました。
後は攻撃に耐えて今の戦い方を読み切るだけ。
一挙手一投足、動きの癖までつぶさに観察。
そして。

「材料は揃いました」
自分の流血量が彼女を越えたタイミングでUC発動。
強化が解除された彼女に強化された自分が迫り、
零距離から斬撃と銃弾を見舞います。

「その女性は返して貰いますよ」



●陽炎の神和VS菓子職人は推理す

戦いが始まって以来、その攻防を余す事無く観察していた者がいる。

「あの女性も銀誓館の関係者なのですね」

銀の雨(シルバーレイン)の時代を戦い抜いた霊媒士の能力者にして、
勝ち取った世界を生きていた御鏡・幸四郎(菓子職人は推理する・f35892)である。
銀誓館のデータベースを映すスマホを閉じると、ガンナイフを構える。

「ご同輩となればほっとくわけにもいかないでしょう。
 ましてや小さい子達が頑張ってくれたのですから」

学園にいる時から、小さい後輩がこうして戦いの場にいる事は少なくなかった。
その頑張りにはいつも勇気と力を貰っていると感じながら仕掛けていく。
そんな相手に再び血に濡れた翼を生やし、
飛翔する後輩たるグリモア猟兵、郁芽・瑞莉。
しかし操る鴻鈞道人も度重なる力の喪失に、
これ以上はなるものかと更なる流血を糧に加速。

「っう!!! 想定よりも動きが速いですね……。
 先の戦いのおかげで血を流しているからでしょう、ね!」

嵐の様に襲い来る白き触手に白き殺戮の刃に緩急をつけた動き。
ガンナイフを巧みに振るい攻撃に対応し受け流していくも、
速く重い攻撃に傷つく身体に流れる血。

「銀の雨の時代を生き抜いた先輩の力は流石ですね。
 ですけど耐えるのが精一杯ですね!」

あと一歩で押し切れる。生まれた心の油断は鴻鈞道人へと跳ね返る。
幸四郎は勝機を得る為に戦いのこの瞬間も、観察を続けていたのだ。
一挙手一投足、動きの癖までつぶさに。
元々瑞莉も銀誓館に能力者として所属していたのだ。
銀の雨の時代ほどではないとはいえ、戦闘の記録は残っている。
あとは現在の戦い方に情報をアップデートしていく。

「材料は揃いました」

そう呟いた瞬間、攻守の立場は逆転する。
瑞莉の白と赤の結界とも呼べる攻撃、
血に濡れた白き触手と白き殺戮の刃はすり抜け受け流され、
距離はあっという間に零距離に。
材料は鴻鈞道人に寄生された瑞莉の動きの他にもう一つあった。
それは敵より多くの血を流す事。
幸四郎は耐えるのが精一杯だったのは事実だが。
相手の血の力を削ぎ、勝機を満たす為の必要条件でもあったのだ。

「その女性は返して貰いますよ」

零距離のガンナイフ斬撃は再度翼を細切れにし、銃撃は触手を撃ち抜いていく。
混沌の諸相(undefined)の力はいよいよ危険域まで削られるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

バルタン・ノーヴェ
POW
アドリブも他の方との連携も歓迎であります!

瑞莉殿! 救援に参りマシター!
と言っても、解放手段はわからないので、武力で鎮圧しにきたのでありますが。
御身が生き延びることを祈りつつ、手加減なしに鴻鈞道人を倒させていただきマース!

なるほど。瑞莉殿の機敏で手数の多い攻撃が、渾沌の諸相と噛み合ってマスネー。
時間をかけると代償でドンドン瑞莉殿が消耗してしまう。
ならば、速攻でのカウンターがベター!

先制攻撃の一撃を見極め、ファルシオンで受け流しマス!
この際、ワタシの右腕のダメージは度外視で!
二発目が来る前に勢いそのまま走り込み、至近距離にて反撃のUCを!
左手に装着したチェーンソードにて一刀両断であります!



●陽炎の神和VS雇われバトルサイボーグメイド

翼はもがれて、白き触手も無くして。残る白き殺戮の刃を生やした異形の手のみ。
しかしそんな状態でも、グリモア猟兵、
郁芽・瑞莉に憑依した鴻鈞道人の戦意は微塵も衰えていなかった。
傷ついていない猟兵はあと一人、
ここを撃破出来れば後の傷ついた者達を葬るのも容易い。
そうして無事な猟兵を見据える。

「瑞莉殿! 救援に参りマシター!」

見据えた先には共に戦った事もある同じくグリモアを操る猟兵、
バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は笑顔を絶やさずに。

「と言っても、解放手段はわからないので、武力で鎮圧しにきたのでありますが。
 御身が生き延びることを祈りつつ、
 手加減なしに鴻鈞道人を倒させていただきマース!」

相対した鴻鈞道人はその言葉のまま受け取ったが。
バルタンの頭では冷静に鴻鈞道人が融合した瑞莉を分析しつつも、
祈りだけでなく身体への負担を考慮する気遣いがあった。

(なるほど。瑞莉殿の機敏で手数の多い攻撃が、渾沌の諸相と噛み合ってマスネー。
 時間をかけると代償でドンドン瑞莉殿が消耗してしまう。
 ならば、速攻でのカウンターがベター!)

「破滅の炎を実現させる為に、罪深き刃を刻まれし者は排除させて貰います!」

振るわれる瑞莉の蛇腹と化した右の白き殺戮の刃、
しかしバルタンは敢えて右手のファルシオンで真っ向に受け流す。
受け流そうとする腕に絡みつき、右腕はズタズタに引き裂かれてしまう。
そうして腕を拘束したまま引き寄せて
左腕を腕全体を白き殺戮の刃で一本の異形の剣と化してそのまま貫こうとする。

「この際、ワタシの右腕のダメージは度外視で!」

しかし、バルタンは右腕一本はもとより犠牲にするつもりだった。
右腕は誘いだった。確実に勝利するのなら、身体全体を拘束すべきだったのだ。
そう気が付いても後の祭り。
バルタンは右腕を無理矢理引き抜いて拘束を振り解きながら瑞莉へと走り込み、
左手に装備したチェーンソードを揮う。

「これで、一刀両断であります!」

バルタンの一閃は両腕の白き殺戮の刃を火花を撒き散らしながら断ち切る。
霧散して消える刃。
そして瑞莉に宿る混沌の諸相(undefined)も霧散していき、
鴻鈞道人は忌々しく猟兵達を見る。

「我は敗れる、か。しかし諦めた訳では無い……、破滅の炎をこの目で見るまで、は……」

力が抜けた後、残されたのは血に塗れた瑞莉。
特に両腕の損傷は激しいものであったが、息はあった。

「ありがとうございます、皆さん……。ご心配とご迷惑を…お掛けしましたが……。
 皆さんなら倒してくれると…信じていましたよ」


猟兵達は急ぎグリモアベースへと戻る。傷ついた身体を癒すため。
そして次なる戦いへと赴く。
猟兵達は決して過去には屈しないと、己が意志を示す為に―。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年02月05日


挿絵イラスト