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殲神封神大戦⑱〜絆し、結び、縛るもの

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 封神武侠界の文化の祖とされる神、三皇『伏羲』。いかなる理由かかの神は骸の海から蘇る事はなかったものの、彼の祠は残りその力も健在である。
 八卦天命陣。ここは無限の書庫となっており、さらに様々なな世界の言語や呪文で満たされている。常人が立ち入れば直様にあらゆる物を失ってしまうだろう。そしてその奥には伏義が発明したとされている陰陽図が刻まれている。恐ろしい魔力を超え、これに相対すれば自身の未来を見せるという。
 ……しかし、それは平時の事。この戦乱期に於いてオブリビオンの跳梁と共にこの場所は変質してしまった。陰陽図が見せる未来は自らの滅びをもたらす可能性のみとなり、更に幻像ではなく魔力で実体を伴ったものとなり襲ってくるようになったのだ。


「要するに自分が受けうる死因が物理的に襲いかかってくる、ということですね」
 御鏡・更紗(白き娘・f35351)がさらっと説明した。
「誰かに殺されるかもしれないのなら直接殺す人が現れますし、飢えで死ぬのなら急に空腹に襲われますね。毒殺なら体内に直接毒が現れるんじゃないですかね、餅を喉につまらせて死ぬなら喉元に餅が現れます」
 しかもそれらは「生命の範疇の外である猟兵」にも作用するものだ。生半可な強度ではない。
「もしトラックが突然やってきても、それは普通のトラックじゃないということです。……ここにいるならトラックに轢かれて死ぬ人はいませんよね?」
 まあそれでも全力を出せば耐えることはできるだろう。
「ですが一つ。これに耐えた後、この先ずっと「自分を殺しうるもの」を覚えることになります。死ぬのが怖くないのなら構いませんが、怖いのなら常に現れたものに警戒することになるでしょうね」
 この場所を抜けても死の予感が意識されるだろう。それこそが最も恐れるべきものかもしれない。
「それでもよければここを踏破してきてくださいね」


西灰三
いつもお世話になっています。
西灰三です。
今回は殲神封神大戦のシナリオをお送りします。
詳しい内容はオープニングの通り、フラグメント1つだけのシナリオとなります。

リプレイ執筆タイミングは1/25からとなります(プレイング提出はいつでも問題ありません)。あまり多くのプレイングを書けるかどうか分かりませんが、それでもよろしければどうぞ。

それでは皆様のプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『八卦天命陣』

POW   :    腕力、もしくは胆力で破滅の未来を捻じ伏せる。

SPD   :    恐るべき絶望に耐えながら、一瞬の勝機を探す。

WIZ   :    破滅の予感すら布石にして、望む未来をその先に描く。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鍋島・小百合子
POW重視
アドリブ絡み可

自らが如何にして死ぬかなぞ想像できぬものよ
人はどう足掻こうがいずれ死ぬからの
武士としては戦で戦功を立てるために死ねる事は誉とするものじゃ

そんな事を心の中で考えておるうちにわらわを討たんとする輩が現れたか
それも何体も・・・顔も良く見えぬ
なれば返り討ちにするまでじゃ
わらわを討つのであれば此方も相応の力を出し尽くしてくれるわ!

何体斬り伏せたか知らぬがそうしている内にわかった事が一つだけある
生きるために足掻くという事じゃ
死した者達に付いていくのは容易いがそれは今ではない
わらわが生きているのは生きたいという想いを貫いているからの

この先何が起ころうともわらわは生きる
それだけの事よ




 鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)は肩で息をしながら薙刀を構える、これまで何度も死地を共に戦い抜いて来た物言わぬ戦友。今この時のように共に窮地に陥ったのも一度や二度ではない。
(「その時は自らが死地に足を踏み入れた事すら気付かなかったの」)
 装具は泥や血に塗れている、それは薙刀の切っ先――いや、それ以外にも自身を取り囲む敵兵によってもたらされたものだ。彼女を殺しうるもの、それは戦である。
(「此度は端から死地と分かっている、いつもに比べればマシというものぞ」)
 自らが如何にして死ぬか、それは想像できないものだ。そして人はいずれ死ぬ。だからこそ死地に身を置く武士と呼ばれる者には代えられない価値がある。
「わらわは肥前の鍋島小百合子! この首を求むるならばいくらでも相手をしようぞ!」
 視界をにじませるのは汗か泥水かはたまた己の血か。いずれにせよ取り囲む者達の顔ははっきり見えない。
(「だが武士としては戦で戦功を立てるために死ねる事は誉とするものじゃ」)
 窮地に置いて彼女は柄を両手で握り雲霞の如く迫りくる敵を薙ぎ払う。その度に槍や矢が彼女の命を奪わんと閃き、鎧の上から刃が肉に突き刺さる。鎧と肌の間にある布では流れる血を受け止めきれず、端からポタポタとこぼれ落ちていく。しかし自身の中から命の源が失われていくのとは裏腹に、ある思いが小百合子の中で一つの答えとなって輪郭をはっきりとさせていく。
(「……わかった事が一つだけある」)
 戦闘の間隙に大きく息を吸いそれを口にする。
「生きるために足掻くという事じゃ」
 ボロボロになった鎧が黄金色のそれとなり彼女に力を与える。抜けた血は戻らない、そして死した者も同じ。
「しかし死した者達に付いていくのは容易いがそれは今ではない!」
 その場から飛び出すと同時に薙刀を振るい囲む敵を討つ。そこには貫く意地が一本。
(「わらわが生きているのは生きたいという想いを貫いているからの」)
 全ての敵を打ち倒したあと、彼女は薙刀を杖として膝をつく。
「この先何が起ころうともわらわは生きる。それだけの事よ」
 彼女はしばらく息を整えてからゆっくりと立ち上がり歩きだした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カグラ・ルーラー
『アリス』の死因なんて大体『オウガ』さ。

食い千切られた普通のアリスも見たが、
身体の中から青白い炎で焼かれた『オウガ憑き』のアリスも見てきたぜ。

そんな俺を外から喰らおうとオウガが囲むし、中から焼こうと血が沸騰して立ってられねェ。
この死線はちょっと越えられそうにねェな……。

取り落としたアイスバーに額がぶつかる。冷てェ。
そうさ、俺はこんなモン貰える繋がりが出来てンだ。
喰われましたはい終わり、なんて不義理は死んでも御免なんだよ!

ユーベルコード「トリーズナーズ・スーパー・ジャスティス」だ!
俺っつうアリスは意地でもテメェらに喰われねェ!




 カグラ・ルーラー(バーバリス・f21754)の体は地に伏せて、そしてそこからは青白い炎がその身を焼き尽くさんとしていた。虚ろな瞳で見上げるオウガが自分に手を出さないのは内側からの炎で火傷を避けるためか、あるいは良い焼き具合になっているのを待っているのか。
(「クソッタレ……」)
 切れそうな意識に怒りを与えてカグラはなんとか思考を保つ。そして同時に浮かび上がるのはいくつものアリスの死体。アリスラビリンスではありふれたもの。ある時は腹から2つに裂かれ、あるものはオウガブラッドの血に焼かれていた。それでも死体が残ればマシな方で持っていたものごと消化され遺品すら残らないアリスもいた。
(「チクショウ……俺も彼奴等の仲間入りかよ……!」)
 その拒否感が体を動かそうとするが体がそれに応えてくれない。
(「この死線はちょっと越えられそうにねェな……」)
 そう思いながらもようやっと動き始めた体が立ち上がろうとし、そして無様に転ぶ。その際に自分の得物に頭をぶつけた彼女を取り囲むオウガ達が嘲笑う。それだけではなく彼女の中のオウガも炎を揺らしている。しかし今のカグラにはそれに怒りを持てるほどの余力もない。
(「……冷てェ……」)
 額に接した自分の武器から冷気を感じ取る、炎に焼かれすぎた体が訴える寒さではなく本当に冷たい。ああ、これは誰から貰ったんだっけか。……貰った?
(「……そうだ、貰ったんだ」)
 右手がアイスバーの柄を掴む、今度は体が言うことを聞いてくれた。
(「そうさ、俺はこんなモン貰える繋がりが出来てンだ」)
「喰われましたはい終わり、なんて不義理は死んでも御免なんだよ!」
 右手の中にあるものを握りしめ彼女は吠える。
「いつまでも愉しそうに俺を焼いてるんじゃねえ! 俺に憑いた以上てめェは俺の力だ!その力寄越せコラァ!」
 彼女がそう叫ぶとともに青白い炎は引っ込み、代わりに黄金の闘気が溢れ出る。同時に手にした繋がりを示すための武器を横薙ぎに奮って周りを取り囲んでいたオウガ達を吹き飛ばす。
「俺っつうアリスは意地でもテメェらに喰われねェ! こちとらか弱いアリスだからな、全力だコラァ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

葛城・時人
俺の破滅、か
信じられないほどの数の敵が押し寄せてくるのが見える

ああ、こうなる可能性はいつも考えてた
能力者のアビリティはとても強力だけど回数制限がある
こんな大群相手に一人で戦って使い果たしたら
あとは数の暴威に晒されるしかない
殺到するゴーストに蹂躙され、最後は…

否!
「生憎だったな!今の俺は猟兵だ!」
UC白燐大拡散砲詠唱
本来なら厳しい回数制限があるこの技を
ユーベルコードに変えた今なら幾度でも!
「消えて!無くなれっ!」
変化させた力は傷も癒す
白羽蟲笛からも蟲を呼ぶ
「ククルカン!殲滅を!」
長剣でも薙ぎ払い破滅を破る!

恐怖は残るだろうね…
けどこの先も戦うよ
そう決めているから。それが俺だから
折れないよ、決して




 かつてシルバーレインでは長く続く日常の外側での戦いがあった。限られた力、無数の敵。世界結界のひび割れから現れるゴースト達。
「ああ、こうなる可能性はいつも考えてた」
 葛城・時人(光望護花・f35294)はその時が来る可能性を考えていた、まるで勢力同士が争うような戦場で、個人にそれらが降りかかる時が来るのではないかと。そしてその予感の通りに彼の周りには種々のゴーストが集まっていた。
「ぐっ……!」
 アリイノシシの体当たりが重い。折りたたみ男の斧が鋭い。ナミダの嘆きの中、蛇女が飲み込まんと素早く迫ってくる。アビリティも無限に使えるものではなく、このままでは良くて残留思念か悪くてゴーストだろう。
「否!」
 時人はぐいとゴーストを弾き飛ばし叫ぶ。
「生憎だったな!今の俺は猟兵だ!」
 武器に取り付けられた回転動力炉が唸りを上げ白い燐光が彼を中心に集まり始める。それは人の技ではなく、通常の生命の理から外れた猟兵が持ちうる業。すなわちユーベルコード。
「今なら幾度でも! ……消えて! 無くなれっ!」
 周囲に白燐蟲が弾け飛びゴースト達を打ち貫く。
「ククルカン! 殲滅を!」
 名前を呼ばれた白燐蟲塊の羽蛇は時人を一撫ですると嵐のように暴れてゴースト達を駆逐していく。それと同時に時人自身も剣を振るいコンビネーションで敵を撃破していく。そして白燐蟲の光が収まると同時に彼は武器を収める。周りに動くものは既に無い。
「恐怖は残るだろうね……」
 彼は一人呟く、ここに案内した元能力者のグリモア猟兵に向かって聞こえるように。
「けどこの先も戦うよ。そう決めているから。それが俺だから」
 彼を包むような転送の光が溢れ出る、それは奇しくも白燐蟲の光に似て。
「折れないよ、決して」
 その言葉だけを残して彼は八卦天命陣を後にするのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年01月27日


挿絵イラスト