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殲神封神大戦⑱〜書架の知識地雷原

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●黙戦のススメ
「猟兵の皆さん、お疲れ様です!」
 元気な声がした。プルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)がグリモアベースを訪れるのは久しぶり、と感じる者もいるかもしれないし、そうでない者もいるかもしれない。
 ともあれ、彼女もグリモア猟兵であり、戦争を共に戦い抜く仲間の一人。
「新たな戦場、『三皇伏羲の塒』に到達できるようになりましたので、ご案内に参りました。ここは封神武侠界において文化の祖とされる神、三皇『伏羲』の祠でして、伏羲自体はオブリビオンとしては蘇っていないのですが、『無限の書架』と『さまざまな世界の言語や呪文』で満たされる、恐ろしい魔力が充満した場所となっています。『無限の書架』についてですが、その書架に納められた膨大な知識は近づいただけで理性ある存在を『知識中毒』状態にしてしまう、恐ろしいものなんです」
 知識中毒――それは単なる状態異常ではない。果てにあるのは脳の破壊で、祠にはそうして知恵を破壊されたオブリビオンが大量に蠢いている。ミイラ取りがミイラになる、などということがあってはいけないので、プルミエールは順を追いながら丹念に説明する。
「知識中毒から逃れるためには、理性ある存在を悟られないようにする、という対策が大事なのですが、これがどういうことかというと『会話や文字を使わずに戦う』ということなんです。例えば皆さん、ユーベルコードを使う時に何か叫んだりしていませんか? そういうことが一切できないので、戦場を共にする仲間とは身振り手振りといった原始的な連携や、あるいは無意識の連携といったことで対応していかないといけません。それと……大変言いにくいのですが、書架に理性ある存在と思われないほどの……おバカさんなら、もしかしたら普通に戦えるのかもしれません。なので、そうです、そういう演技をですね、すればいいのだと思います。あと、これが一番大事でしたね。私が皆さんを送り届けた先に居るオブリビオンは『僵尸兵士』になります。武器による攻撃やユーベルコードのコピー、また集団で連携して攻撃してくる場合がありますので注意してください。それでは皆さんのご健闘をお祈りしていますね」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 ピンチヒッターをお願いしました。自分の依頼でプルミエールさんのOP書くのは多分初めてですかねえ。

●フラグメント詳細
 第1章:集団戦『僵尸兵士』
 プレイングボーナスは【「言葉と文字」を使用せず戦う。もしくはものすごいバカになる。】となっております。
 どちらを選ぶかは皆さんにお任せしますよー。当然ながらプレイングは文字使っていいはず……です。
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第1章 集団戦 『僵尸兵士』

POW   :    僵尸兵器
【生前に愛用していた武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    僵尸鏡体
【硬質化した肉体】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、硬質化した肉体から何度でも発動できる。
WIZ   :    僵尸連携陣
敵より【仲間の数が多い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フィロメーラ・アステール
あうーあーあうああー。
難しいなーバカになるってのは!
いつも通りでいい? ……なんで?

そんなコトないし、いつもチョー頭いいから!
逆に考えればココで罠にかかれば頭いいってコトじゃ?
むしろそれでいいような気がしてきたぞ!

よーし頭のいいトコみせちゃうぞー!
頭の良さそうな攻撃をしたらいいんだわ!
えーとホラ、たとえば……えーと、なんだ?

あ、あそこにいるヤツにきいてみよう!
頭のいい戦い方って何だと思う?
なんで攻撃してくるんだ?
今それどころじゃないんだよバカ!

まったく知性のカケラもないヤツだったな!
あたしはもっと頭のいい戦い方をする!
えーとホラ、たとえば……えーと、なんだ?

あ、あそこにいるヤツにきいてみよう!



●まんじゅうとどっちが怖い?
 ばさばさばさ、と知識の泉たる書が羽ばたけば、ぱたぱたぱた、とフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が飛んでいく。ここはお花畑――ではなく、瘴気の如く淀んだ魔力が渦巻く三皇伏羲の塒。
「あうーあーあうああー、難しいなーバカになるってのは!」
 無限の書架は知恵が一つでもある者に無限を押し付け脳を破壊する。対し知恵無き者に無害なのは、あるいは知恵が乗算であるからなのかもしれない。
 さて、知恵判定は言語ないし文字の羅列によって行われる。喋れば凡そ知恵ある者で、文字を扱うのも凡そ知恵ある者。であるからフィロメーラは最大風力でバカ演出を決め込んでいたが、ぽろっと本音を零しても何故か書架は見向きもしない。
「あれー? あたし、いつも通りでいい? ……なんで?」
 フィロメーラの問いに書は答えない。ぱたんと閉じて背を向けると、書架へするりと収まった。書架は書架でだんまりで、書はやがて無限に溶け込み消えてしまう。
 そこでフィロメーラはピンときた。つまりはそういうことなのだと。
「そんなコトないし、いつもチョー頭いいから! 逆に考えればココで罠にかかれば頭いいってコトじゃ? むしろそれでいいような気がしてきたぞ!」
 天啓得たり。風邪を引けばバカじゃないくらいのノリでフィロメーラは猛アピールを開始する。
「よーし頭のいいトコみせちゃうぞー! 頭使ってなにするなにするー? ……そうだ、頭の良さそうな攻撃をしたらいいんだわ! えーとホラ、たとえば……えーと、なんだ?」
 フィロメーラは首を傾げた――ら、バカに見える! と思い直して背筋までピンと伸ばすと、青白い人魂のようなものをゆらゆら漂わせた謎の集団が目に飛び込んできた。薙刀片手にえーんやこーら、と揃って田畑でも耕すかのような動きをしている。
「あそこにいるヤツらにきいてみよう! おーいおーい! 頭のいい戦い方って何だと思うー?」
 道に迷ったら人に聞く、そんな気分でフィロメーラはピューっと飛んでいく。声掛けが実って謎の集団――僵尸兵士達は顔を上げたが、フィロメーラの姿を見るなり鍬代わりの薙刀をしゅっと突いてきた。相手が小さくとも狙いは確か。しかしそこはフィロメーラの機敏さが上回り、咄嗟のひょい飛行で難を逃れた。
「なんで攻撃してくるんだ? 今それどころじゃないんだよバカ!」
 こっちは生きるか死ぬかの瀬戸際にいるんだぞ! とでも言わんばかりにフィロメーラは無礼な奴らの頭をげしげしと踏みつけていく。その度に重力波が垂直に飛び出して、僵尸兵士達はリサイクル行きのアルミ缶みたいに潰れて動かなくなった。
「まったく知性のカケラもないヤツらだったな!」
 結局その場の全員が突きばかりしてきた。誰も前の者の行動を覚えていない。一つ覚えはバカのすること、と相場は決まっているのである。
「あたしはもっと頭のいい戦い方をする! えーとホラ、たとえば……えーと、なんだ?」
 フィロメーラは首を傾げた――ら、バカに見える! と思い直して背筋までピンと伸ばすと……?

「あそこにいるヤツらにきいてみよう!」

 無限とは斯くも恐ろしき。それを知る書架がフィロメーラに付き合わないのも道理であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒珠・檬果
何という場所でしょう…!無害なら、ずーっといたい場所であったのに。

で、UCなんですが。私がまーったく話さないやつがありまして。
まず、UC発動台詞がただ挙動不審してるやつなんですよ。
…まさかこういうところで刺さるとは思ってなかった。
ということで、推しといく伏羲の塒である。

七色竜珠を白日珠へ変換。そして、静かに水矢(病:脱力)を発射。
避けようにも、それ追尾するので難しく。
さらに、私自身も白日珠でなぎ払っていきますからね。

あ、攻撃は第六感からの見切りしますから。今の私は推しパワーで強い。
ひたすら黙々と狩っていく。ゲーマー舐めるな。



●推せ推せバトルゲーマー
 書架に収められている知識は世界を埋め尽くすほどに膨大だ。見果てぬ大海原への大航海を思わせる知識探訪は荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)にとって、時を忘れて耽りたくなるほどに魅力的なもの。しかし只ならぬ魔力を帯びた知識は触れたが最後、理性の一切を破壊してその者を廃人へと変えてしまう。
 それはオブリビオンとて例外ではなく、伏羲の祠は理性を破壊され有象無象と成り果てた僵尸兵士達がうろつき回っている。動くものを獣のように追いかけ、時に同士討ちをしているような輩だが、オブリビオンである以上は排除していかなければならない。
「…………」
 檬果は七色竜珠を白日珠の神をも抉る槍形態に変換して、無言のまま体を上下に揺らしながらどこぞの先住民族のような舞を披露していた。ただしあくまで「それらしい雰囲気」の動きであり、意味があるかは全く以って謎。傍から見れば挙動不審で近寄りがたいが、これは檬果が推しの将、于禁と合体したことによる喜びの表れであった。
「オォォ……」
「…………」
 理性を破壊された者達の遠吠えが聞こえてくる。有象無象であることが却って不審という理性的判断を起こさせないため、僵尸兵士達は檬果を見つけるや薙刀片手に群がり始めていた。
「…………」
 静かなるまま、檬果は指先で群がる僵尸兵士達を一続きの線にして宙になぞっていく。すると檬果の指の跡に沿って小さな水泡が無数に現れ、流星の如く射出されていった。当たれば脱力の病を引き起こす水矢は僵尸兵士達へ吸い付くように飛んでいく。
 本来なら数の利を利用した回避術を見せる僵尸兵士達だが、理性を破壊されている影響でただ動くものを追いかけ回す骸でしかない。そこへびゅんと水矢が飛んできたのだから当然のように薙刀を振り払う。振り払っては紙一重、水矢に刃をすり抜けられて胴体を射抜かれていた。
 僵尸兵士達は糸の切られた傀儡となって膝から落ちる。脱力で立つことが叶わない彼らだが、その手は震えながらも薙刀を振りかざそうとしていた。近づいてくる檬果は隙だらけ。そこへ一突き――の後、見切られするりと躱された僵尸兵士達は白日珠の槍で両肩を結び斬るように薙ぎ払われ、仰向けに崩れて正真正銘の骸となった。
「…………」
 檬果に感動はない。ただこなす。言うなれば最下級の魔物を狩り続けてレベルアップしていくような、派手さもなければ目新しいこともない作業だった。しかしそれを黙々とこなしていくのがゲーマーの性。
 推しと行く作業ゲーの旅、大いに結構。推しパワーで邁進する檬果の無敵ロードはまだ始まったばかり――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
【POW】
知識中毒って、本が大好きで、いつでもどこでも読んでいたい、とかそういうのじゃないのね。
こわー。
ともかく、文字で頭が満たされるのはごめんなので、今回ばかりは黙々と戦うことにします。
スマートグラスの電源は切っておきます。

魔法剣『緋月絢爛』で戦います。
敵からの攻撃は【第六感】と魔法剣の【受け流し】、【敵を盾にする】で回避します。
スマートグラス無いとやりにくいです……

反撃は【ダッシュ】で近接、魔法剣の【重量攻撃】【なぎ払い】を使って切り倒し、数を減らしていきます。



●技術は惜しみなく使うべき
 憑りつかれたように求め続ける――それが中毒症状の常だが、知識中毒は洪水の如く知識が流れ込むことにより強引に破壊される「脳のパンク」状態を指す。
 恐ろしや。言葉の羅列、文字の羅列、無限の書架はあらゆる知的存在を灰塵に変えようとしている。黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)もさすがにここでは数々の情報が浮かび上がるスマートグラスの電源を切らざるを得ない。
 摩那が手にする魔法剣『緋月絢爛』も今は部屋の片隅に捨て置かれたかのように輝きが鈍い。光の加減で万華鏡のように変わっていくルーン文字もまた知識の象徴だ。無限の書架に気付かれぬよう振舞わなければならなかった。
 僵尸兵士達は無骨な薙刀や槍を手にして襲い来る。薄暗闇に蠢く黒衣はなかなかに見にくい。その条件、僵尸兵士達にとっても然して変わらないはずだが、彼らは何を嗅ぎ取ってか摩那へ的確に刃を向けた。
 薙刀による上段からの叩きつけ、攻撃力を増した一撃だ。振るわれる圧は右より来たる――左に跳びながら魔法剣を叩きつけ、その反動で速度を稼いで僵尸兵士の間合いから逃れる。
 だがまだ安堵の時ではない。背後に寄る槍の刺突。摩那は身を反らしながらターンで躱してその者の黒衣の端を捕まえると、遠心力で強引に右へぶん投げる。その体は突撃兵が如く槍を固定し突進してきた別の僵尸兵士と衝突し、互いの槍が相手に刺さって縺れたまま倒れていった。
(どうにか立ち回れていますが……やっぱりスマートグラスが無いとやりにくいです……)
 物の有難みは失ってこそ分かるとも。スマートグラスを一時的に制限された状態での戦いは原点に戻ったようでありながら、やはり利便性に欠ける。ダッシュで踏み込むにも背筋の寒気が付き纏うのは久々だ。薙刀が左より斜に振り上げられるのを薙いで弾くが、剣戟の音がやけに近く感じる。薄氷を踏む危うさの中で摩那は魔法剣を翻し、重い斬撃を加えると黒衣ごと僵尸兵士の上体が千切れ飛んで、倒れた両足は靄となって掻き消えた。
 気を抜けば斬られる戦場は息つく暇もなく、その息さえ言葉に変化してしまわぬよう摩那は慎重に慎重を重ねた。敵の数に気を回している余裕は皆無で、斬った数もよくわからないまま左右の僵尸兵士を回転薙ぎで斬り捨てる。
(そろそろゴールが見えてくるといいんですけどね……無限の書架だから敵も無限湧きなんて、言わないでくださいよー……?)
 摩那は少しずつ攻撃の気配が薄らいでいくのを感じながら、新たな贄が飛び込んでこないのをただただ祈るばかりだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

怨燃・羅鬼
アイドルならきちゃん☆今日は図書館でライブだよ!の手振り【バーサーカー】
図書館だから静かにしないと逝けないネ!らきちゃん☆さいれんすで頑張るよ!【大声】


羅射武舞逝苦を狂狂『ぶん回し』、鼻歌歌いながら先へ
僵尸兵士を見つけたら、ファン発見!突撃ファンサービス☆と突撃し『串刺し』に
というわけでライブ開始だよ☆

ステージ呼び出し、大声で歌うネ!【ブレス攻撃】
数がいっぱい大変だネ!バックダンサーも含めてダンス【ぶん回し】
照明足りないから光量アップ(書架の本を燃やしながら)

さぁ!皆で歌おう愉しもう!(無言で手振り)



●狂気乱舞アイドルらきちゃん
(アイドルならきちゃん☆今日は図書館でライブだよ!)
 羅射武舞逝苦を高々掲げて、図書館こと伏羲の祠へ突入した怨燃・羅鬼(怒りの心を火に焚べろ・f29417)。無限の書架が見張る中、静謐のみが許されるその場所で、
「図書館だから静かにしないと逝けないネ! らきちゃん☆さいれんすで頑張るよ!」
 張り上げた声は既に矛盾を生んでいた。サイレンスという大声を敏感に察知した無限の書架が邪悪な魔力で大量の知識を流し込み、羅鬼の頭は大爆発寸前。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
 これが笑わずにいられようか。脳がとろけていきそうなこの快感。ライブマイク状の槍を両手で曲芸のようにぶん回し、僵尸兵士という名のファンを見つけて、いざ、突撃。
「アハハ~ハハハ~ハハ~♪ アハハハハハハ!!!」
 時に調子をつけながら、同じように槍を携え突き進んでくる僵尸兵士をずん、と一突き。常軌を逸した同士だが、狂気に勝る分だけ羅鬼の槍が先に届いていた。腹をぶち抜かれた僵尸兵士は「オォォ……」と歓喜にも嗚咽にもとれる呻きを上げる。ファンとの「お突き合い」、その第一号は羅鬼の目の前で無事に果てていく。
 羅鬼との交流を望む僵尸兵士達は我先にと殺到する。薙刀や槍といった自慢の得物を手にした者達。アイドルはお触り厳禁、なんて言っても聞かない無能な骸ばかりだ。
「アハハハハ! アハハハハ、ハハハハハハハ!」
 そんな彼らに最大級のファンサービスを。羅鬼の笑い声で足元からせり上がってきた獄炎のライブステージには槍型マイクやライトスティックという名の鈍器を手にした罪人の幽霊が溢れんばかりに乗っている。呑まれて見えなくなった羅鬼の姿、僵尸兵士達は燃え盛るのも構わずにステージ上へと乱入する。
「アハハハハアアァァァ!!」
 笑い声ばかりが筒抜けて、幽霊を押しのける僵尸兵士達の前にぼうぼう音を立てるブレスが吐き出された。寄せる吐息に巻き込まれた僵尸兵士達は極上の心地で極楽浄土へ。消滅したが団体さんはまだ多い。
 後続の僵尸兵士達が幽霊達を突き回し、薙ぎ払いながら羅鬼の元まで向かっている。ブレス攻撃で凡その場所が割れたか――それなら羅鬼は僵尸兵士達との間に挟まる幽霊達を串刺し全てを巻き込む華麗なダンスでお出迎え。大回転ぶん回しで迫り来る僵尸兵士達に幽霊達をぶち当てると、着火した彼らは湿気った打ち上げ花火となり、見所無く宙に燃え上がって消えていった。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
 割れんばかりの笑い声が祠に木霊する。愛想を尽かした無限の書架はそそくさと次の理性ある者を求めて逃げ去るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御堂・伽藍
アドリブ、即席連携歓迎

さいしょから がらんどう
さいしょから がらくた

地形を利用し魔力を増幅
先制UCに破魔と炎雷光地空属性を乗せ鎧無視最大範囲発動
強化効果を味方にも付与

残像忍び足でゆるゆると接敵
射程に入り次第破魔念動怪力五属性衝撃波UCで鎧無視範囲攻撃
フェイント二回攻撃を交え三本の「しん」やすてぜにでなぎ払う

敵の攻撃を落ち着いて見切り
躱せるなら残像忍び足フェイント等で躱し
さもなくば武器受け念動怪力衝撃波オーラ防御等で受け流す

さいしょから がらんどう
さいしょから なにもない
ただまりょくをながし
ただうごくだけ

なんでもうけいれ なんでもながれる
さようなら さようなら



●還るべき空虚
 浄化されつつある土地の魔力を御堂・伽藍(がらんどう・f33020)は静かに掴んでいた。それを手掛かりにして地に打つ楔は無限の書架の目を逃れながら巧妙に九曜紋を描く。上に乗る僵尸兵士達は無能な無脳。紋の意味を理解することなく辺りに蠢くばかり。
 破魔、炎、雷、光、地、空――空っぽな無に六つの魂が詰め込まれた。気配無く、音も無く、猫背の僵尸兵士達を紫電の剣が斬り裂き、燃え上がり、弾け散る。
 異変が唐突に現れて、残る僵尸兵士達は右往左往。破魔を踏み身を守る術を剥がされた彼らは薙ぎ払われたる紫電に槍を突きつけるも、衝突の寸前にふっと軌道を変えられた太刀筋に追いつけず胴体を寸断された。
 相対するは小さき者だ。物量に任せて僵尸兵士達は槍を突き出すが、伽藍の像は初めからどこにもいなかったかのように掻き消えて絡まる槍の穂だけが残る。ほんの少しずらしてやるだけで、脳無き者達は追いつけない。
 三本の「しん」の意味を知っているか? しんは時を動かすためにある。思考停止の停滞を押し流すように駆け巡る伽藍の後ろでは三つ折りに崩れていく過去があった。彼らはともすれば救いを得たのかもしれない。次に染み出してくるのがいつになるかはわからぬが。
 結局はがらんどう、結局はなにもない。全てが果たされぽっかり空いた祠の中で、伽藍は過去に別れを告げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月27日


挿絵イラスト