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銀河帝国攻略戦⑲~オロチウィルス克服大作戦!

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「帝国の執政官兼科学技術総監ドクター・オロチが乗る『実験戦艦ガルベリオン』の所在が判明したよ!
 ……だけど、ドクター・オロチ配下の『オロチウイルスを満載した突撃艇群』が行く手を阻んでいるみたい」
 リリーナ・ロリポップ(バーチャルキャラクターのゴッドペインター・f01947)は、緊迫した表情で猟兵へ説明を始めた。
「解放軍船の元へ『オロチウイルス突撃艇群』を一斉ワープさせて自爆……オロチウイルスで解放軍を抹殺しようというのがドクター・オロチの作戦なんだって。なんて恐ろしい事を考えるんだろう……」
 その作戦を阻止するため、オロチウィルスの抗体をつくる必要があるという。

「エンペラーズマインド・コアのコアマシンルームに踏み込んだ猟兵達が、『オロチウイルス』のサンプルを持ち帰ることに成功したっていうのは聞いたかな? 本当に、すごい事だよね!
 そのサンプルを使って、ミディアさんや他の猟兵と一緒に『古代遺跡船』に行ってオロチウイルスの抗体を完成させる研究をして欲しいんだ!」
 ミディア・スターゲイザーは、ヘロドトスの戦いで発見された『古代遺跡船』に、スペースシップワールドの科学技術の粋を結集し、抗体作成の研究を進めているという。
 しかし『古代遺跡船』と『スペースシップワールドの科学の粋』の総力をあげても、通常の方法で、オロチウイルスの抗体を短期間に完成させる事は『奇跡でも無い限り』不可能な事だろう。
「そこで猟兵の出番ってワケ!」
『奇跡』が無ければ不可能ならば、『奇跡』を起こせばよいのだ。
『ユーベルコード』こそ、『奇跡』の力なのだから。

「というわけで、今回の作戦の説明をするね!」
 ユーベルコードを使って、ミディア・スターゲイザー及び、他のシナリオの参加者が多数いる中で、オロチウイルスの抗体を開発してほしい。
 ちなみに古代遺跡船の研究施設内には、スペースシップワールドの多くの船から持ち込まれた多種多様な機材が運ばれており、広大な研究エリアが発生している。
「古代遺跡船の中はめっちゃ広いから、他のグリモア猟兵が率いる参加者と会う事は無いんだ。でもミディアさんは船内を駆け回っているそうだから、少し様子を見に来るかもね?」
 リリーナは意気込んで言う。
「みんなの研究成果を集めてミディアさんに報告するからね!
 他のチームの成果と合わせたら、絶対オロチウィルスを克服できるよ!
 あたしは信じているからね!」


koguma
 オープニングをご覧いただきありがとうございます。
=============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================
 皆様の素敵なユーベルコードで、オロチウィルスを克服する研究をしてみてくださいね!
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第1章 冒険 『オロチウイルスの抗体を開発せよ!』

POW   :    オロチウイルスを摂取し、未完成の抗体とユーベルコードを駆使し、全力で耐え抜く事で抗体のヒントを得ます

SPD   :    圧倒的処理速度で演算を行なったり、肉眼では確認できないウイルスの動きを見切り、その特性を導き出します

WIZ   :    集積された膨大な情報を高速処理するなど、ユーベルコードを利用して開発に貢献する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●集結した猟兵達
 『古代遺跡船』ーーミディア・スターゲイザーがスペースシップワールドの科学技術の粋を結集したという研究施設内では、集結した猟兵達の研究が急ピッチで進んでいた。
 如何なる種族の猟兵であっても僅か数秒しか耐えることの出来ない猛毒、『オロチウイルス』を克服しようというのだ。
 研究施設内は、あらゆる手を尽くす猟兵達の熱意で大いに活気づいていた。
苧環・つづら
待って猟兵すら行動不能に追い込むあのウィルスの、サンプル、ですって?
とんでもない偉業を成し遂げちゃった方々が居るのね……

ならばやる事はひとつ!セゼン!(オルタナティブ・ダブルで)来て!
セゼン垂涎のシチュエーションが全方位お待ちかね、
アタシはサポートに回るから指示宜しく!

――受諾。一介の演算端末を感嘆符塗れで顕現する様は相変わらずだ。
だが当該環境及び現状把握、故に端末に恥じぬ働きを。

……開始。演算資料を左手側に集積願う。仕分け不要。
右手側へ終了分を送る。崩壊しない程度に整理を。
そうだな、もし終了分側に何か直感に触れる事象あれば即座に指摘を。
直感だけは当方に存在しない重要な『着眼点』故に。



「待って猟兵すら行動不能に追い込むあのウィルスの、サンプル、ですって?
 とんでもない偉業を成し遂げちゃった方々が居るのね……」
 エンペラーズマインドのコアルームを満たしていたオロチウイルス。
 命からがら、戦闘に赴いた猟兵達の勇気ある行動によって、持ち帰る事が出来たのだ。
 驚愕と称賛の気持ちが入り混じり、苧環・つづら(残響にて紡ぐ円環・f06155)は目を見開いた。

 そしてこの『古代遺跡船』に運び込まれたオロチウイルスの研究サンプルを目にすれば、やる事はひとつ!
「セゼン! 来て!」
 つづらの戦闘人格『迦河稚』が揚々とオルタナティブ・ダブルを発動すると、もう一人の彼が現れた。
「セゼン垂涎のシチュエーションが全方位お待ちかねよ。アタシはサポートに回るから指示宜しく!」
「――受諾。一介の演算端末を感嘆符塗れで顕現する様は相変わらずだ。
 だが当該環境及び現状把握、故に端末に恥じぬ働きを」
 セゼンは表情一つ変えず、抑揚のない声でそう、答えた。
「……開始。演算資料を左手側に集積願う。仕分け不要。
 右手側へ終了分を送る。崩壊しない程度に整理を」
「わかったわ。どっさり資料を持ってくるから覚悟してね」
 資料を取りに行こうとする迦河稚をふと、呼び止める。
「待て……そうだな、もし終了分側に何か直感に触れる事象あれば即座に指摘を。
 直感だけは当方に存在しない重要な『着眼点』故に」
「”受諾”したわ。任せて頂戴」
 迦河稚はウィンクで応じたのだった。

 演算資料の解析を始めてから、たいした時間は経過していないが。
 セゼンの右側には、崩れ落ちそうな程の解析済み資料が積まれていた。
「ああ、もう! 置き場所が足りなくなりそうよセゼン!
 ……って聞こえてないわね。ふふ、夢中になっちゃって」
 相変わらず、顔色一つ変えず業務に取り組む様子を、迦河稚は微笑ましく見つめた。
 そして解析後の資料に目を通す。
「あら、変ね?」
「異変を発見したか? 速やかに説明を」
「いえ、些細な事よ。アタシの思い過ごしかも知れないわ」
「構わない。説明を」
「……グラフのこの部分。ここだけ規則性が乱れているのが気になったのよ」
 セゼンは解析の手を止め、じっと資料に見入った。
「迦河稚の発見に驚愕している。ミディア・スターゲイザーへ速やかに報告を」
 そう言って、凄まじい速さで報告資料を纏めるセゼンの隣で、迦河稚は満面の笑みを浮かべたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霑国・永一
【SPD】
中々の無茶ぶり、奇跡を起こせというだけはあるなぁ。コアルームではウイルス食らった身だし、やるのは吝かじゃないけどねぇ

とりあえずオルタナティブ・ダブル使うとしよう。ウイルスを見る目が多い方がデータ取りやすいからね。
【視力】【見切り】を使いつつ分身と共にウイルスの観察タイムだ。
無論動きを確認してる間に、手元にはノートパソコン用意して見ながら特性をキーボードに【早業】で打ち込んでいこう。如何にして侵食するのか、動きの法則は、未知のエネルギーでもあるのか。気になる点は山ほどだ
「これでついでに対オブリビオンウイルスなんてのも開発出来たら便利なんだけどなぁ。敵本拠地に撒いて即逃げるとか出来るし」



「中々の無茶ぶり、奇跡を起こせというだけはあるなぁ」
 霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)は、オロチウイルスの抗体を作れという今回のミッション内容を聞いて苦笑した。
 コアルームでウイルスを食らった者として、このウイルスの恐ろしさは身をもって知っているのだ。
 そして今は、銀河帝国攻略戦の渦中。
 オロチウイルスの抗体が短期間で必要になる事は必然であると。
 理解は出来るものの、『奇跡』でも起こさない限り不可能である事もまた事実である。
 しかし永一は些かも臆する事無く、ウイルス解析に取り組もうとしていた。

 先ずはオルタナティブ・ダブルでもうひとりの自分を呼び出した。
「ウイルスを見る目が多い方がデータ取りやすいからね。
 という訳で、よろしく」
 2人それぞれノートパソコンを開いて、準備完了だ。
 さっそく、研究用サンプルのオロチウイルスの観察を開始した。

 金色の瞳が、注意深くウイルスの動きを追う。
 肉眼ではとても確認できないであろうウイルスの動きを見切ってみせ、その特性を早業でノートパソコンで打ち込んでゆく。
 こうする事で、絶え間なく観察を続ける事が出来た。
 如何にして侵食するのか。動きの法則は、未知のエネルギーでもあるのか?
 ーー調べても調べても興味は尽きない。
 いつの間にか、2人がかりの作業によってパソコン上に大量の観察データが蓄積されていた。
 尋常ならざる集中力を要する研究である。
 眼鏡を外して眉間をさすり、ふと思う。
「これでついでに対オブリビオンウイルスなんてのも開発出来たら便利なんだけどなぁ。敵本拠地に撒いて即逃げるとか出来るし」
 そして再び観察ログ作成を再開させた。
 ミディアに提出する頃には、膨大な報告資料になっている事だろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナハト・ダァト
【WIZ判定】

やレやレ、休む暇もないネ

武器改造、八ノ叡智
召喚した触手を用い限界までウイルスを取り込む

その後
世界知識、医術、情報収集
過去に遭遇したあらゆる世界、時代の毒や病を調べなおし
近いものを選択、抗体を立案

ニノ叡智によって自らの体内に抗体を産生して実験
効果が無ければすぐに次の抗体生成
2回攻撃、早業の技能を使い、素早く、正確に行う

ウイルスの痛みや症状は
激痛耐性、毒耐性、呪詛耐性
一ノ叡智を防御に振り限界まで耐える

協力できる人員が要れば、研究中の回復や支援を行ってもらう

※アドリブ歓迎


メミニ・トリスティス
大丈夫? 人手は足りてるかな?
研究のお手伝いの為に【リザレクト・オブリビオン】で死霊さんを呼び出すよ。
普段は戦いの場でこそ活躍する死霊さんだけれど、抗体の開発も大事なお仕事。
他の猟兵さんの言い付けを守って、しっかりお手伝いしてね。

わたしは【情報収集】で情報や資料を纏める作業に専念するね。
少しでも役に立てたら嬉しい。


メンカル・プルモーサ
【連携希望】
……急いで解析……とにかくやるだけやる…
【現実を侵せし狩猟団】を召喚…手持ちのコンピュータと120体のガジェットの処理能力をまとめて解析に回す…
……並行して医療術式を起動……魔術的にウィルスを解析…上手くウィルスを殺す毒が作れないかも試してみる……
…ともあれ、【空より降りたる静謐の魔剣】を使ってウィルスを凍らせて…その状態から段々暖めてどの段階で活性化するか確認
活性化しかけで動きが鈍い段階を保って色々と実験を試みる……
……抗体を作る段階になったら【支え能わぬ絆の手】での超遠心機でウィルスや抗体のみを分離したり【尽きる事なき暴食の大火】で特定物質のみを燃料として取り除いたりで手伝う…


リダン・ムグルエギ
アドリブや絡み大歓迎

研究者って、世界の”デザイン”を探る仕事でしょ
だったら、デザイナーのアタシでもわかる事があると思うの

オロチさん視点で考えれば抗体作りは当然予見できるはずよ
アタシなら「一つの抗体で対抗可能」なウィルスにしないと思うの

だから、このウィルスを定義するなら
いま戦っている対象に有効な【致死性のウィルス】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
こうかしら?

この仮定を踏まえての抗体は…
このウィルス自身で行う、なんてどう?

コード定義、オロチウィルス改めカウンターオロチ
いま戦っている対象に有効な【致死性のウィルスを殺すウィルス】(以下略)

こんな感じで抗体を作れないかしら



●あくなき研究~抗体生成への道しるべ
 解放軍船の元へ『オロチウイルス突撃艇群』が一斉ワープし、攻撃を仕掛けて来るまでの短期間に抗体を作るという至難の研究。
「……急いで解析……とにかくやるだけやる……」
 古代遺跡船に着くや否や、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は【現実を侵せし狩猟団】を召喚した。
 120体ものガジェットと手持ちのコンピュータを用いて、早速解析に取り掛かり、
 それと並行して医療術式を起動させたのだった。
 魔術的視点からーーウイルスを殺す毒を作れないかと、彼女の成しうる手を尽くした解析が展開されてゆく。

 そこへナハト・ダァト(聖泥・f01760)が現れた。内側から溢れる光……只者ではない。
「やレやレ、休む暇もないネ」
 【八ノ叡智・栄光】で深淵から召喚した触腕を用いて、限界までオロチウイルスを取り込む!
 その危険な行為に、古代遺跡船の研究者達は騒然となったが、
 心身を蝕むウイルスの攻撃に構うことなく、ナハトは次の段階へ進めてゆく。
 抗体を立案するにあたって、過去に遭遇したあらゆる世界、時代の毒や病を調べなおすのだ。
 多岐にわたる情報収集の末、体内に抗体を生成すべく【ニノ叡智・知恵】を発動。
 ーーしかし、オロチウイルスの猛威は収まらない。
「ならバ、もう一度……!」
 効果が無いと分かれば、新たに抗体を立案するまで。
 激痛耐性を筆頭に様々な耐性を掛けて耐えながら、早業で次の抗体を生成するのだった。

「大丈夫? 人手は足りてるかな?」
 古代遺跡船に到着したメミニ・トリスティス(ホーンテッドコール・f03253)は、おずおずと研究に取り組む猟兵達を見回した。
 メニミはリザレクト・オブリビオンを唱えて、死霊達を呼び出しーー。
「他の猟兵さんの言い付けを守って、しっかりお手伝いしてね」
 普段は戦いの場でこそ活躍する死霊達だが、短期間の抗体開発を目指す今、彼らも大事な研究人員なのであった。
 周りの猟兵達の元へ死霊を支援に向かわせ、彼女自身は資料収集に取り掛かる。
 本棚に詰め込まれたあらゆるジャンルの資料に圧倒されるが、ひとつずつ目を通してゆく他ない。
「よし、頑張るよ……!」
 意気込んで、端の資料に手を掛けるのだった。

「解析完了……次は……。
 停滞せしの雫よ、集え、降れ。汝は氷雨、汝は凍刃。魔女が望むは数多の牙なる蒼の剣……」
 メンカルの見据える先には、研究サンプル用のオロチウイルス。
 ずらっと召喚された125本の氷属性の剣が、蠢くウイルスへ向けて放たれて瞬時に凍りついた。
「見事なものね。少し見ていてもいいかしら?」
 到着したリダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)は、いつも眠そうな瞳をきらりと光らせた。
 メンカルはこくりと頷いて、
「……この状態から徐々に暖めて、どの段階で活性化するか確認する……」
 注意深く、凍てついたウイルスを暖めてゆく。
 活性化しかけで動きが自部位段階を保ちながら、色々と実験を試みるのだという。
「なるほど、こういう方法もアリね」
 多くのウイルスは温度変化による活動率から特性を知る事が出来る。オロチウイルスも例外ではないだろう。

 そうして周囲の研究が着々と進んでゆく中、リダンも自身の研究に取り掛かった。
 彼女の視点は至ってユニークだ。
「研究者って、世界の”デザイン”を探る仕事でしょ。
 だったら、デザイナーのアタシでもわかる事があると思うの」
「……面白そうな話ね」
 資料から顔を覗かせたメニミと目が合って、リダンは言葉を続けた。
「オロチさん視点で考えれば抗体作りは当然予見できるはずよ。
 アタシなら『一つの抗体で対抗可能』なウィルスにしないと思うの」
 ほうほう。とメニミは聞き入る。
「だからこのウィルスを定義するなら、
 いま戦っている対象に有効な【致死性のウィルス】形状は毎回変わるの。
 そういったウイルスが召喚される。使い方を理解できれば強い。
 ーーこうかしら?」
 結論を得て、
「この仮定を踏まえての抗体は……このウィルス自身で行う、なんてどう?」
 リダンはユーベルコード【第六猟兵定義・人格解体催眠術】を唱えた。
「コード定義、オロチウィルス改めカウンターオロチ」
 その刹那、研究サンプルのオロチウイルスとカウンターオロチは激しく拮抗し、
 リダンの目の前で徐々に動きを鈍らせていく。
「すごい……!」
「アプローチは良さそうね。でも完全に無力化したとは言えないわね。
 もう一度試してみましょう」

 その傍らでーーナハトが何度目かの抗体生成を試みていた。
 【一ノ叡智・王冠】を防御に振り限界まで耐えるが、めいいっぱいに取り込んだウイルスのダメージを受けているのは傍目にも明らかだ。
「無理をしては駄目よ。こんなにボロボロになって……」
「アト少しで抗体完成への糸口を掴めそうなんダ。もう一度やってみよウ」
 丸く2つ輝く瞳をふにゃっと歪めて、気丈に振る舞うナハトだったが。
「それならわたしの死霊さん達に手伝わせて?」
「……私も抗体を作る段階になった……手伝う……」
 メニミ、メンカルの申し出を受けて、
「すまないネ。……では、いきますヨ! ーーIH」
 ナハトの体内に新しく立案した抗体が生成されると同時に、
 メニミの死霊達がオロチウイルスへ攻撃を放った。
「うン、今回は手ごたえがあったヨ」
「メンカルさんの方はどう?」
 振り向くと、【支え能わぬ絆の手】での超遠心機を用いた分離実験を終え、
 【尽きる事なき暴食の大火】の白色の炎に包まれた後のウイルスを、提出用のシリンダーに詰めているメンカルの姿があった。
「……ウイルスから抗体のみを分離出来た……。
 ……こっちは、特定物質のみを燃料として取り除いた」
 こうして各々、ミディアに報告する研究成果を用意する事が出来たのであった。

●研究室の扉が開きーー
 資料を取りに来たのだろうか。
 急ぎ足で現れたミディア・スターゲイザーは、猟兵達の研究風景を目にして驚愕した。
 この短期間で作業したとは信じられない量の解析資料が積まれ、
 抗体生成へのアプローチも多種多様な報告書に纏められているではないか。
 幾つものシリンダーに詰められた抗体や、分離させたウイルス達が、研究の成果を物語る。
「ユーベルコードを用いた研究がこれ程とは驚きました。
 常人では決して成し得ない研究成果です。皆さんの協力に感謝いたします」
 ミディアは深々と頭を下げ、6人の猟兵達を労ったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月15日


挿絵イラスト