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銀河帝国攻略戦⑲~爆散オロチウィルスの抗体を開発せよッ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●スペースシップワールド
 かつて悪辣な銀河帝国との戦いで、全ての居住可能惑星を失った宇宙世界スペースシップワールド。
 人々は無数の巨大宇宙船に乗って、日々の生活を送っている。
 ところが、何故か滅びたはずの銀河帝国が復活し、人類の生き残りを殲滅しようとしていた。

●捨て身の覚悟で特攻せよッ!
「君達がやるべき事は、ただひとつッ! この突撃艇を『解放軍』艦艇に向けてワープさせ、オロチウィルスをバラ撒く事だ。だが、何も恐れる事はない。お前達の魂は、後に続く隊員達の心に刻まれ、永遠のモノとなる。つまり、君達ひとり、ひとりが英雄であり、帝国軍を勝利に導いた歴史の一部となる。故に、恐れるなッ! 堂々と前を向き、自爆する事によって、一隻でも多くの艦に殺人ウィルスをバラ撒いてこいッ! それがお前達にとっての役目であり、果たすべき使命なのだから……!」
 上官と思しき男性が両目を血走らせ、唾を飛ばしながら、突撃艇の隊員達に対して、熱弁を振るう。
 まるで自分達が選ばれた人間であるように振舞う様は、まさに狂気ッ!
 それを聞いていた隊員達も、自分達が英雄であるかのように錯覚しつつ、自らの使命を果たすため、何やらヤル気になっていた。
 最悪の場合は、解放軍の艦めがけて、特攻をする覚悟で挑む隊員達の背中で、死神達が笑っていた。

●ガジルからの依頼
「みんな忙しい中、集まってくれてありがとうね」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が、猟兵達を前にして今回の依頼を説明した。
 ドクター・オロチが開発した殺人ウイルス『オロチウイルス』を満載した突撃艇群が、『解放軍』艦艇に向けてワープしようとしているらしい。
 オロチウイルス突撃艇群は、多数の突撃艇からなる敵集団で、戦闘機程度の大きさしかないため、直接的な戦闘力には乏しいようだ。
 ただし、ドクター・オロチが開発した殺人ウイルス『オロチウイルス』を満載しており、自爆をするような事があれば、『解放軍』艦艇に多大な被害が及ぶ事だろう。
 しかも、ワープしてくる敵を予測し、その全てを撃破する事も、現状では不可能。
 だが、希望はあるッ!
 わずかではあるが、希望はあるッ!
 エンペラーズマインド・コアのコアマシンルームに踏み込んだ、猟兵達が『オロチウイルス』のサンプルを持ち帰ることに成功したため、オロチウィルスの抗体を完成させれば、絶望を希望に変える事が出来るッ!
 ただし、通常の方法で、オロチウイルスの抗体を短期間に完成させる事は『奇跡でも無い限り』不可能。
 ならば、奇跡を起こせばいい。
 『ユーベルコード』こそ『奇跡』の力なのだから……。
 そして、今回の目的はミディア・スターゲイザーと共に、オロチウイルスの抗体を開発する事である。


ゆうきつかさ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 今回の目的は『ユーベルコード』を駆使し、オロチウイルスの抗体作成を進める事です。
 抗体が完成すれば、敵がワープしてオロチウイルスをバラまいても、被害0という結果と出来て、攻略が成功となります。
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第1章 冒険 『オロチウイルスの抗体を開発せよ!』

POW   :    オロチウイルスを摂取し、未完成の抗体とユーベルコードを駆使し、全力で耐え抜く事で抗体のヒントを得ます

SPD   :    圧倒的処理速度で演算を行なったり、肉眼では確認できないウイルスの動きを見切り、その特性を導き出します

WIZ   :    集積された膨大な情報を高速処理するなど、ユーベルコードを利用して開発に貢献する

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ナハト・ダァト
【WIZ判定】

さテ、実験を始めようカ

武器改造、八ノ叡智
生み出した触手を用い限界までウイルスを取り込む

その後
世界知識、医術、情報収集
治療、研究したあらゆる世界時代の毒や病を検索し
近いものを選択、抗体を立案

ニノ叡智によって自らの体内に抗体を産生して実験
効果が無ければすぐに次の抗体生成
2回攻撃、早業の技能を使い、素早く、正確に行う

ウイルスの痛みや症状は
激痛耐性、毒耐性、呪詛耐性
一ノ叡智を防御に振り限界まで耐える

協力できる人員が要れば、研究中の回復や支援を行ってもらう

※アドリブ歓迎


エルネスト・ポラリス
はい、未完成抗体とウイルスぐびー。
まあ、猟兵たるもの、ウイルスなんぞに負けるはずが……

キッッッッッッツ!!!
うわこれキッツ!!
今にも血反吐とかその他もろもろ出しちゃいけないものリバースしそうな気分になりますねコレ!

え、これ大丈夫。
他の猟兵さん方が抗体作るまで耐えるってホントに大丈夫?
今にも意識とか命とか絶えそうなんですけど私。

しかし、ええ。
こんなウイルスで苦しみ死んでいく人なんて見たくありませんし、私だって死ぬ気はないです。
故郷の弟妹が一人前になるまでお兄ちゃん死ねない……!
それに弟がくれたお守りだってあるんですから、耐え抜いてみせますよ!

あ、すみません、やっぱ吐きそうなんで誰かバケツを……


鎧坂・灯理
行動:UCを起動して現れた大量の人工知能と改造携帯端末、怪物携帯タブレットをコードで繋ぎ、並行処理による超高速の演算解析処理を行う。
使用技能:ハッキング、情報収集
心情:思考する暇も惜しい、周囲の音も聞こえないほど開発に集中する。


グルクトゥラ・ウォータンク
【SPD】
ウイルスの抗体を持ち帰ったけど、ウイルス散布まであと僅か…そんな経験在りますよね。ご安心ください!弊社なら即日即納でウイルス解析!安全と信頼のグルク屋!しかし実績は皆無じゃった。いと悲しき…。

さて、俄然楽しくなってきたぞい!この手の実験は詰まるところ試行回数こそ正義じゃ。ガジェットボールズをベースに完全密封の安全キャビネットを多数製作、探査電脳妖精を限界まで召喚してウイルスと一緒に中に詰め込みウイルスの性質を探査させるぞい。
40も同時に進行できれば十分じゃろ。

わし自身は探査の監督をしつつ開発にも協力しておくぞい。器具製作やデータ分析など、手が足りぬところを作らぬようにせんとな。


リサ・ムーンリッド
えっ好きにオロチウイルスを解析していいのかい!?ひゃっほー!!
よぅし、抗体だね。任せておくれ、医術と化学の心得はあるんだ。
情報収集もまあまあできるよ。

【SPD】
電子顕微鏡も持ち込んで性質の調査だ。
ウイルスを複数の株に分け【レプリカクラフト(錬金術)】で作った様々な化学物質を加えて反応を見るよ。【貪欲な好奇心】の元に食事も休憩も行わず徹底的にやるぞ!
変化が見られたサンプルはさらに株を分け【原子崩壊】でウイルスの核から特定の塩基配列だけを狙い、成功(破壊されるかどうか)したら塩基がわかる。DNA配列から性質を特定できるだろう。
神秘の要素は魔力を流したり遮断したりしての性質変化も確認だ。
たーのしー!


陰白・幽
ウイルスとか、ワクチンとか難しいことはよく分からないけど、どうにかしなくちゃいけないんだよね、ボクもできることを頑張ってみるよ〜……ワクチン接種は注射じゃ……ないよね?

飲むのか吸うのか注射か分かんないけどウイルスを摂取、そしてワクチンを摂取……そのあとは変化が出るまで我慢我慢っと、症状が出たらボクの血を龍刻印に吸わせて龍刻印を発動して左腕を強化、そうしたら強化状態の腕にもう一度ボクの血を吸わせてUCを使ってさらに強化をするよ。
……これだけウイルスとワクチンの入った血液を使って強化をしたんだから何か影響が出てるかもだよね〜え、サンプルを取る?これだけ流血してるんだから、注射はいらないよね?


ルナ・ステラ
殺人ウイルスなんて危険なものをどうして開発するのでしょうか...
抗体を完成させれば被害がでないですむんですね。
わたしも微力ながら抗体をつくるのに、お役に立てることはないでしょうか...

わたしには医学的な知識はほとんどないので、星霊さんたちの力をかりようと思います。
「星霊さんたち力をかしてください!」

召喚されたのは...
蛇を持った男の人ですか?

えっ?あなたはお医者さんなのですか?
それならば、この「オロチウイルス」というウイルスの抗体をつくることはできますか?
お願いです!わたしたちを助けてください!


メイスン・ドットハック
【SPD】
オロチウイルス、厄介なものじゃのー
じゃけど、創られたものである以上は解決方法はあるものじゃけー

電脳魔術とハッキングを応用したコード作成技術を駆使し、オロチウイルスの解析・研究スピードを速める(ハッキング、暗号作成)
ユーベルコード「井の中の蛙、大海を知らず」の電脳AIの助力も借りて、高速演算・情報処理・構造分析を行い、抗体の完成を急ぐ

他の研究班がいれば協力をして、結果を求めていく
助力と他の研究や実験の結果から、インスピレーションを得ることも忘れずに行う(第六感)

アドリブやアレンジは歓迎致します


レナータ・バルダーヌ
そのような危険なウイルス、一刻も早く対策を整えなくてはいけませんね。
……でも、抗体を作るということは、その威力を味わえるのは今だけかも……?未知のウイルスなら、きっと苦痛も未知のはずです……!

「わたし、実験台になりますっ!」

UC【防衛本能:原点回帰】により、私の体は苦痛を受けるほど生体防御力も強化されます。オロチウイルスがいかに強力でも、いいえ、強力であるほど、かえって大事には至らないでしょう。
後のことは他の皆さんが何とかしてくださると信じます。

……と、勢いに任せましたが、よく考えたら今回は復讐に繋がらないですし、わざわざ危険な役に名乗り出ることはなかったような?


揚羽・王子
ウイルスの情報を電脳世界にスキャン。
感染時のウイルスのシミュレーションをするわね。
【親指姫の絵本】で、浄化をしながら観察するわ。

でも、ウイルスが本領を発揮するのは、やはり人に感染した時よね。
単独では増殖できないのだもの。
だから、他にウイルスを接種して抗体を作ることに挑戦なさっている方がいらっしゃるなら、その様子は分析させていただくわ。
もしいらっしゃらないなら、あたくし自身が接種するわ。

そういえば、このウイルスはオブリビオンが作ったのだから、作成時にユーベルコードを絡めているかも知れないわ。
もしそうなら、【咎力封じ】を使うことで無効化もできる可能性があると思うの。

他の方との絡み・連携希望です



●オロチウイルス解析班
「ウイルスの抗体を持ち帰ったけど、ウイルス散布まで、あと僅か……。そんな経験在りますよね? ご安心ください! 弊社なら即日即納でウイルス解析! 安全と信頼のグルク屋! しかし、実績は皆無。いと悲し……」
 グルクトゥラ・ウォータンク(サイバー×スチーム×ファンタジー・f07586)がハイテンションで宣伝をした後、崩れ落ちるようにして両手をついた。
 とにかく、実績が……実績が欲しいッ!
 この状況で、何やら偉大なる存在が現れ、『……力が欲しいか?』と言われるような事があれば、迷わず飛びつくほどのレベルである。
「……えっ!? 好きにオロチウイルスを解析していいのかい? ひゃっほー!! よぅし、抗体だね。任せておくれ、医術と化学の心得はあるんだ」
 一方、リサ・ムーンリッド(知の探求者・エルフの錬金術師・f09977)は上機嫌な様子でウイルスを複数の株に分け、【レプリカクラフト(錬金術)】で作った様々な化学物質を加え、電子顕微鏡を使って性質を調査した。
 どうやら、オロチウイルスは他の細胞を攻撃して死滅させ、宿主を死に至らせるようである。
 そのため、どの株も最後に生き残ったのは、オロチウイルスだけだった。
「オロチウイルスか。厄介なものじゃのー。じゃけど、創られたものである以上、解決方法はあるものじゃけー」
 メイスン・ドットハック(引きこもり志望ハッカー・f03092)も電脳魔術とハッキングを応用したコード作成技術を駆使し、オロチウイルスの解析・研究スピードを速めた。
 オロチウイルスの中には、実験の中で独自の進化を遂げたものもあり、扱いには十分な注意が必要だった。
 万が一、流出するような事があれば、それこそシャレにならない事になってしまうため、辺りにはピリピリとした空気が漂っていた。
「……」
 その間も鎧坂・灯理(不退転・f14037)が小型の獣型人工知能を召喚し、改造携帯端末、怪物携帯タブレット等をコードで繋ぎ、並行処理による超高速の演算解析処理を行っていた。
 まるでコンピュータと、ひとつになったような一体感。
 それ故に、余計な事を考える事なく、作業にだけ集中する事が出来た。
「それじゃ、感染時のウイルスのシミュレーションをするわね」
 揚羽・王子(今日は昨日の夢を見て・f02885)も、ウイルスの情報を電脳世界にスキャンし、オロチウイルスの研究を進めた。
 オロチウイルスの感染力はハンパなく、一般人であれば、簡単にコロッと逝ってしまうほどのレベル。
 一応、猟兵であれば、そこまで深刻ではないものの、死ぬほどツライ思いをする事は間違いなかった。
 どちらにしても、ここで抗体が完成しなければ、解放軍が手痛いダメージを受けてしまう事は確実だった。
「電脳生命体『ノーキン』くんよ、協力してくれのー」
 メイスンも電脳情報処理を向上・補助する頭脳型AIの力を借り、高速演算・情報処理・構造分析を行い、抗体の完成を急ぐ。
 抗体の完成には、まだまだ時間が掛かりそうだが、仲間達のおかげで少しずつであるが、確実に抗体が完成に近づいていた。
「……」
 その間も、灯理が何かに取り憑かれた様子に、超高速の演算解析処理を行っていた。
 この状況では、思考する暇すら惜しい。
 周囲の音が聞こえないほど集中しており、解析する事以外はまったく興味が無かった。
 むしろ、それ以外は無駄ッ!
 解析に必要ないモノは、すべて不用ッ!
 そんな気持ちで、ただひたすら超高速の演算解析処理を続けていた。
「変化が見られたサンプルは、これと、これと……これかな」
 リサが変化したサンプルを、さらに株分けすると、【原子崩壊】でウイルスの核から特定の塩基配列だけを狙い、破壊できるかどうか試してみた。
 実験は、ほぼ成功。
 だが、完璧ではない。
 理由は分からないが、いくつかは失敗していた。
 その原因を究明するため、リサは食事も休憩も行う事なく研究を再開した。
「蝶々さん、お願いよ」
 王子も自身に煌めく蝶々の翅を纏い、高速移動と浄化作用のある鱗粉を放射し、オロチウイルスに変化があるのか試してみた。
 やはり、すべてを浄化する事が出来ず、いくつか失敗していた。
 その原因は分からないものの、何か理由があるはずである。
 それさえ分かれば、完璧な抗体を作り出す事が出来るだろう。
 どちらにしても、何度か実験しておく必要がありそうだ。
 最悪の場合は、自分自身で試すのみ。
 このウイルスはオブリビオンが作ったモノなのだから、作成時にユーベルコードを絡めている可能性が高い。
 その考えが間違っていないのであれば、【咎力封じ】を使うことで無効化する事が出来るかも知れない。
 今はまだ憶測でしかないものの、可能性は十分にあった。
「俄然、楽しくなってきたぞい! この手の実験は詰まるところ試行回数こそ正義じゃ!」
 一方、グルクトゥラは【ガジェットボールズ】をベースに、完全密封の安全キャビネットを多数製作、探査電脳妖精を限界まで召喚すると、オロチウイルスと一緒に詰め込み、ウイルスの性質を探査した。
 どうやら、ウイルスが独自に変化を遂げているものもあるらしく、どれも同じモノではなくなっていた。
 それが、どういった状況で変化したのか分からないが、その条件を知る事によって、完全な抗体を作り出す事が出来そうだ。
 重要なのは、どのタイミングで、ウイルスが変化するか、と言う事。
 変化した後では対処するのが難しくなるため、このタイミングを知る事が重要であった。
「もしかすると、これは……」
 メイスンがハッとした表情を浮かべ、自分の感を信じて、抗体の研究を進めていった。
 メイスンの考えが間違っていなければ、抗体は完成する。
 その確信にも見た気持ちが、メイスンの心を急かしていた。

●オロチウイルス実験班
「さテ、実験を始めようカ」
 一方、ナハト・ダァト(聖泥・f01760)は【八ノ叡智・栄光(セフィラ・ホド)】で深淵から召喚した触腕を使い、限界までオロチウイルスを取り込んだ。
 オロチウイルスの感染速度は異常に速く、常人であれば悲鳴を上げて、のた打ち回ってしまう程。
 例え、傭兵であっても、その苦痛から逃れる事が出来ないため、ナハトも苦痛に耐えて無言になった。
「まあ、猟兵たるもの、ウイルスなんぞに負けるはずが……」
 エルネスト・ポラリス(いつか満月の下で・f00066)も、オロチウイルスをぐびぃーっと直飲み。
 その途端、小さな虫が皮膚の下を無数に這い回るような錯覚を覚え、獲れたばかりの魚の如くピチピチ、バタバタ飛び跳ねた。
「キッッッッッッツ!!! うわ、これキッツ!!」
 そのため、シャレにならない、笑えない。
 今にも血反吐や、その他もろもろ出しちゃいけないモノをリバースしそうな気分になった。
 それでも、頑張って耐えてはいるものの、既にバケツが恋しい状態。
 ……と言うか、よく見ればバケツがズラリと並んでいるッ!
 これは間違いなく、リバース神のお導きッ!
 よし吐こうッ!
 すべてをブチ負けて、楽になろうッ!
 まるで取り調べを受ける犯罪者のような心境になりつつ、バケツにダッシュ!
 もう迷わないッ!
 迷う必要など何もないッ!
 素直に吐くッ!
 キッパリ吐くッ!
 それが最も優先すべき事ッ!
 そんな気持ちでいっぱいになりつつ、素早くリバース。
 だが、それでも楽にならず、気持ちが悪い。
 それ故に、バケツから離れる事が出来なくなった。
「それにしても、殺人ウイルスなんて危険なものをどうして開発するのでしょうか……。ま、まあ、抗体を完成させれば被害が出ないで済みますし、わたしも微力ながら抗体をつくるのに協力させていただきますッ!」
 すぐさま、ルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)が、【夜空の仲間たちの力添え(星霊召喚)】を使う。
 それに応えるようにして現れたのは、蛇を身体に巻いたロックミュージシャン風の医者だった。
「えーっと……」
 この状況で、何処からツッコんでいいのか分からないが、何となく昼間はロックミュージシャン、夜は無免許医と言った感じの風貌だった。
 そのせいで、余計にどう接していいのか分からなくなっているものの、『ウイルスはロックだ!』と言わんばかりの素振りで研究に加わっているため、多分大丈夫だろう。
 ……本当に?
 それでも、ここで役に立たない星霊が呼び出される訳が無い。
「えーっと、ブラッ……あ、ダークヴァイパー先生でいいんでしょうか。お願いです! わたしたちを助けてください!」
 ルナは自分の力を信じ、星霊にオネガイをした。
 それに応えるようにして、ダークヴァイパー先生も、ギターを掻き鳴らす仕草をし、再び猟兵達と一緒にウイルスの抗体を作る研究に加わった。
{未知のウイルスなら、きっと苦痛も未知のはずです……! わたし、実験台になりますっ!」
 そんな中、レナータ・バルダーヌ(復讐の輪廻・f13031)も、実験台に加わった。
 既に二名ほど涅槃の道に旅立っているような気もするが、レナータに迷いはない。
 それに未知のウイルスの威力を味わう事が出来るのは、今だけ!
 ……今だけなのであるッ!
 そういった意味でも、試してみる価値があるッ!
 念のため、【防衛本能:原点回帰】を使い、オロチウイルスを投与ッ!
「う……、これはッ!」
 正直、痛い。
 シャレにならない程、痛いッ!
 その上、気持ちが悪く、吐きそうである。
 しかし、【防衛本能:原点回帰】を使っているおかげで、身体が苦痛を受ければ受ける程、生体防御力も強化されていた。
 そのせいで、永遠に終わらぬ苦痛を味わっているような状態に陥っているものの、これも抗体を作るため。
「……!」
 ダークヴァイパー先生も上機嫌な様子で、サムズアップ!
 おそらく、いいサンプルが取れたと言う事だろう。
「何かあるはズ。抗体を作るキッカケになる何かがあるはずでス」
 ナハトも、ありとあらゆる世界の病や毒を検索し、近いものを選択、抗体を立案した。
 また【二ノ叡智・知恵(セフィラ・コクマ)】によって自らの体内に抗体を産生し、オロチウイルスに効果があるのか試してみた。
 実験は成功ッ!
 初期の状態であれば、確実に駆除できる。
 だが、ウイルスが変異した場合には、効果を発揮しなかった。
「ウイルスとか、ワクチンとか難しいことはよく分からないけど、どうにかしなくちゃいけないんだよね、ボクもできることを頑張ってみるよ~」
 陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)も覚悟を決めた様子で、自らの身体に抗体を摂取してみる事にした。
 猟兵達が完成させた抗体は、打つタイプ、飲むタイプ、吸うタイプの3種類。
 どれが効くのか分からないため、すべて試してみる必要があった。
 そこで幽は飲むタイプを選択。
 一見すると、栄養ドリンクのような色合いだが、見るからに不味そう。
 しかも、クサイ。
 どぶ臭いッ!
 まずはウイルスを摂取してみたものの、これがシャレにならないほど痛く、他の猟兵達と一緒に床をゴロゴロと広げ回った。
「さア、早く抗体ヲ」
 それに気づいたナハトが、幽にワクチンを飲ませた。
「うっ……!」
 不味い、不味すぎるッ!
 まるで胃液ッ!
 そのため、吐きそう。
 これは無理ッ!
 ナハトも、そんな空気を察したのか、バケツの中に吐かせた後、今度は注射を試してみた。
「ううっ! 痛い、痛い、痛いッ!」
 まるで体内に異物を流し込まれたような感覚……。
 痛いッ!
 シャレにならないほど痛いッ!
 悲鳴が悲鳴にならない程の激痛ッ!
 声が声にならず、意識がふわっと闇に落ちた。
「どうやラ、成功のようですネ」
 ナハトがボソリと呟いた。
 しかし、幽はグッタリ。
 全身汗だくで、しばらく動く事が出来ない程、グッタリであった。
「せ、成功なんですか、これで!? こんなの注射されたら、意識だけでなく、命まで絶えそうなんですけど……。た、確かに、ウイルスで苦しみ、死んでいく人なんて見たくありませんが、私だって死ぬ気は無いですッ! 故郷の弟妹が一人前になるまで、お兄ちゃん死ねない……! ……と言う訳で、吸うタイプでいいですか?」
 エルネストが気まずい様子で、ワクチンを吸う。
 先程から何度もリバースしていたせいで、既にゲッソリ。
 小さな天使達が迎えに来ている状況で、他の方法は無理ッ!
 これで効果がなければ、あっちの世界に旅立ってしまうところだが、結果は……成功ッ!
 ただし、効果があったのは、ここにあったウイルスのみ。
 別の場所では、まったく効果が無い可能性もあるため、この研究成果をミディアに報告した上で、後を託す事にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月14日


挿絵イラスト