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殲神封神大戦⑮～一撃必殺の剣

作者：旅野文師

「もう話を聞いている人はいるかもしれないけど…アレ…本当に最強よね」
　集まった猟兵達の前で泉・火華流（人間のガジェッティア・f11305）は話し始めた。
「話を知らない人もいるかもしれないけど、まずはこれを見てほしいの…」
　火華流はグリモアを専用のモニターに接続すると…今回の相手…『神農兀突骨』の姿が映し出された。
「上半身と下半身、一方が主導することで２つの形態を持っているらしいけど、私達の相手は上半身主導の『ユグドラシルブレイド』を操る方なんだけど…これがかなりの厄介なモノらしいのよ…」
　火華流は顔をしかめながら説明を続けた。
「先に簡単に能力を説明すると…この剣が触れた対象を…どうにかできちゃうって代物らしいのよ…」
　…なんだよ…その…『どうにか』…って…、
「しょうがないじゃない…私だってどう説明していいか分からないんだから…」
　火華流は口を尖らせるのだった。

　『ユグドラシルブレイド』についてはこういう事らしい。
　触れた者を一撃で倒す代物で、かすり傷でも戦闘不能になる。
　事実上防御は不可能…盾などで防いでも意識が吹っ飛ぶ。
　オーラ防御やユーベルコードなども対象…気や魔力などの防護壁を破壊切り裂き、ユーベルコードなどはその『効果そのもの』を打ち消してしまう。

「試しに幾つかのユーベルコードでシュミレートしてみたんだけど…」
　無敵城塞→吹っ飛ばされて使用者は戦闘不能。
　ガラスのラビリンス→壁があっけなく破壊される。
　アリスナイト・イマジネーション→鎧が掻き消され、使用者に剣が直撃。

　確かに…『対象』を『どうにか』する…としか説明が出来ないわな…、

「『ユグドラシルブレイド』の事を理解してもらえたから、次に『神農兀突骨』の事を説明するわね…一応、コイツも幹部級オブビリオンって事で先制能力は持っているんだけど…あえてみんなの攻撃を待ち構えいるわ」
　どういう事だと言う猟兵達の反応に火華流は説明を続ける。
「コイツは私達の戦闘方法を知りたがっているようなの…だからあえて私達の攻撃を見てから対処する…って方法をとっているようなの…逆に言うなら相手は完全にこちらの攻撃を万全の状態で待ち構えていると思ってくれていいわ」
　火華流の説明によると、『神農兀突骨』は猟兵が行動するより早く『反撃・迎撃態勢』をとっているようなものだと言った。
　猟兵達は『神農兀突骨』の『一撃必殺のカウンター攻撃』に対抗し、そこから反撃に繋げていくという行動が求められる…と、付け加えた。

「私からの説明は以上よ…おそらく勝負は一瞬…決して長引かないと思うわ」
　火華流は最後にそう締めくくると猟兵達を送り出すのだった。

第1章 ボス戦 『『神農兀突骨』ユグドラシルブレイド態』

POW   :    三皇神農・変幻自在剣 【変形させた必殺剣「ユグドラシルブレイド」】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。 SPD   :    三皇神農・無限複製剣 自身が装備する【必殺剣「ユグドラシルブレイド」】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。 WIZ   :    三皇神農・絶対制御剣 【必殺剣「ユグドラシルブレイド」】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に生え狂う巨大食肉植物を剣と融合し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「分かった、じゃあもう僕のことは良い…即死じゃないだけ優しいと思おう」
　そう言って出撃していったのは待鳥・鎬（草径の探究者・f25865）だった。

「むう…誰か来たようだな…」
　場所は変わって神農兀突骨のいる戦場…その神農兀突骨が何者かの来訪を感じ取ったのだが、相手…鎬の姿が見えない…が、それも当たり前の事だった。
　彼女は着用者の姿を隠す“隠れ蓑”の効果を持つ『被衣「山吹」』の能力を発動させて、その姿を隠して戦場に来たのだからだ。
「…ならば…」
　神農兀突骨は必殺剣「ユグドラシルブレイド」をいくつも複製し、念力で操り自分の周囲を守らせるのだった。

　その様子を鎬は空中から見ていたのだが、決して動揺はしていなかった。
「いくら神農様でも、見えない相手からの音速を超える不意打ちを正確に捌くのは難しいはず」
　神農兀突骨もどこから攻撃してこようと即座に複製したユグドラシルブレイドを相手にけしかけようとしつつも、身を守る為に己の周囲を旋回させている。
　鎬はそんなユグドラシルブレイドの動きを見て、攻撃の為の軌道を落ち着いてじっと見極め…仕掛けた。

　神農兀突骨も突っ込んでくる鎬の気配を感じたが、姿を隠して突っ込んでくる鎬を捉える事は出来ず、迎撃したユグドラシルブレイドは既に鎬が通り過ぎて行った場所の空を切るだけだった。
　そして鎬の『打刀「鋼切」』が神農兀突骨の上半身を刺し貫いた。
「くっ…おのれっ!!!!」
　神農兀突骨は鎬を後方からユグドラシルブレイドを襲い掛からせようとしたが、鎬は一早く鋼切を神農兀突骨から引き抜くと空中に逃れて回避した。
「どうやらここまでですね…」
　流石に二度目は通用しないと思って鎬は戦場を去るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「戦い方を見たいって言うんなら、一撃で倒す剣なんて使わないで欲しいんだけどねえ」
　そんな言葉を神農兀突骨に言い放ったのは、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード（混沌獣・f07620）だった。
　ペトニアロトゥシカの姿を目視した神農兀突骨は先の戦闘のダメージも顧みず即座に身構え…迎撃の姿勢をとった。

「あたしは防いだり耐えたりする戦い方も得意なんだけど…まあ仕方ない、一発勝負といこうか」
　その言葉と同時にペトニアロトゥシカは神農兀突骨へと突っ込んだ。
「…考えなしの特攻か…」
　明らかに止まる事など考えていない、そう見た神農兀突骨は間合いに入ったところを一刀の下に切り伏せようと考えていた…のだったが…

　ペトニアロトゥシカは神農兀突骨が横薙ぎに剣を振るう構えを見せた瞬間、【如意伸躯（ヴァリアブル・フィジーク）】を発動させ体重を増加…植物の足場はその重みに沈み込み、ユグドラシルブレイドは彼女の頭上を通過した。
　…瞬間、ユーベルコードのもう一つの効果…自身の体躯を大きくし沈んだ分の距離を詰めると、ユグドラシルブレイドを空振りした神農兀突骨を拳でぶん殴り…吹っ飛ばすのだった。
「あいにく命の収穫はさせられないけど、これで満足かい？」
　ぶっ飛ばされて地に倒れている神農兀突骨へとペトニアロトゥシカは言うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　次に神農兀突骨と対峙したのはバルタン・ノーヴェ（雇われバトルサイボーグメイド・f30809）だった。
　彼女はファルシオン風サムライソードを構え、じっと神農兀突骨を見ていた。
『ふむ。どうにか、でありますか……様子を見るところ、防御はすべて貫かれそうデスネー』
『遠距離から攻撃しようとしても変幻自在に伸ばしそうデスシ、武器で受け止められれば効果が消えマスカ……』
　事前に得た情報に加えて、実際に対峙してみての相手の行動を予測していたのだった。
「どうした…来ないのか？」
『それはワタシも言いたいデスネー』
　…と、思った直後に意を決して…
『ならば、後の先に対して後の後、デスネ！』

　バルタンは神農兀突骨へと突っ込み跳躍…大上段にファルシオン風サムライソードを構えて振り下ろそうとした…が…
「遅いっ!!」
　それよりも早く神農兀突骨はユグドラシルブレイドを振り…バルタンは上下に真っ二つになった。
「…いえ…それは残像デス…」
　バルタンは攻撃の瞬間を見切り、空中機動とフェイントを織り交ぜ残像を残して相手の間合いから逃れていた。
「六式武装展開、光の番！」
　バルタンの振るったファルシオン風サムライソードから極大威力の光り輝く斬撃が放たれ、ユグドラシルブレイドを振るった姿勢のままの神農兀突骨を切りつけた。

「早く…回収をプリーズデス…」
　ユーベルコードの反動により戦闘不能になったバルタンが呟くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「あと一息といったところかしら？」
　これまでの猟兵の攻撃で神農兀突骨は満身創痍…そんな姿を見た楊・宵雪（狐狸精（フーリーチン）はそう呟くのだった。
　しかしそんな状況にあっても神農兀突骨は戦う意思をいまだ持っていて…
「さあ…かかってくるがいい猟兵よ…」
　…と、ユグドラシルブレイドを構えるのだった。

「いくわねっ!!」
　宵雪は『星符「めくるめく春夜はまた巡りて」』を掲げ、恋の妄想を流星に変じて戦場に雨あられと降らせ、神農兀突骨と共に足元の巨大食肉植物を薙ぎ払っていった。
「むうぅっ!!」
　神農兀突骨は自身に襲い来る流星をユグドラシルブレイドで薙ぎ払う…が、その瞬間に宵雪は『機鳥型電波妨害装置『舞鶴』』でジャミングしつつ、空中機動も用いて素早く動いて残像を伴い神農兀突骨へと全方位から強襲をしかけた。
「ちょこざいなっ！！！！」
　宵雪の波状攻撃に神農兀突骨は追い詰められてしまった。
　しかし宵雪の攻撃はここまでに留まらず、更なる一手の準備が終わっていた。
「これで終わり…ほんの少しだけ、目を閉じていれば終わるわ」
　宵雪のユーベルコード『花霞の燈火（ハナガスミノトモシビ）』が発動…100を超える狐火が直線…あるいは弧を描いて神農兀突骨へと襲い掛かる。
　これまでの宵雪の猛攻…そして戦闘のダメージの蓄積もあり、神農兀突骨はそのすべてを捌き切る事ができず、狐火の弾幕にさらされて倒れるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2022年01月29日