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殲神封神大戦⑯〜言葉で伝える愛がある

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●口では何とでも言えようが、行動だけでは伝わらないこともある
「愛とは何だ」
 至極真摯にそう問うてきた織部・泰親(妖狐の戦巫女・f04498)に、猟兵たちは言葉に詰まった。
「……ためらわないことかな」
「あと、悔やまないこと……」
 かろうじて絞りだした答えを聞いて、泰親の尻尾がゆったりと揺れた。
「なるほど。知己の御母堂が『迷った時が買い時』『買った後悔より買わない後悔』とよく申しておるそうだが、そういうことかね」
「あっ、あー、うん、そういうことだね! うん!」
 明らかに間違った知識だが、そういうことにしておこう。
 再びなるほどと口にして、泰親は説明を始める。
「さて、此度の戦場は封神武侠界の人類の祖とされる神、三皇『女媧』の祠だ。女媧自身はオブリビオンとして蘇っておらぬようだが、それでもこの祠は「消えることのない炎」と「固まることのない泥」で満たされており、恐ろしい魔力が充満している。皆が相手するは泥のほうだ」
 猟兵たちが塒に踏み込むと、突如として「固まることのない泥」に四方を囲まれる。その後泥は速やかに固まり、美しい彫刻の施された「愛を語らないと出られない部屋」に変わるのだ。
 もう一度言う。「愛を語らないと出られない部屋」に変わるのだ。
「固まることがないのに固まるのか」
「まだ泥に襲われるとかのほうが救いがあった」
「しかも条件がさあ……」
「なにか不都合があるか?」
 深刻な表情の猟兵たちを見て、不思議そうな顔で尻尾を揺らす。
「閉じ込められても、愛する誰か、あるいは大好きな趣味などについて真摯に語ることができれば、この魔力を浄化できよう。俺は心の機微は分からぬのでな。ことのついでに、皆の愛というものについて教えてもらえれば」
「報告書までお待ちください!!!!」
 力いっぱいの期限報告に、それでは待とうと首肯が応える。
「なに、真に思うておるのであれば、思いの丈を伝えるのは容易であろう。では、よろしく頼むよ」
 笑ってそう告げ、泰親は静かに頭を下げた。


鈴木リョウジ
 こんにちは、鈴木です。
 今回お届けするのは、愛を叫べ。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●三皇『女媧』の祠と愛について
 封神武侠界の人類の祖とされる神、三皇『女媧』の祠です。女媧はオブリビオンとして蘇ってはいないようですが、それでもこの祠は「消えることのない炎」と「固まることのない泥」で満たされており、恐ろしい魔力が充満しています。
 猟兵が塒に踏み込むと、突如として「固まることのない泥」に四方を囲まれます。その後泥は速やかに固まり、美しい彫刻の施された「愛を語らないと出られない部屋」に変わります。
 閉じ込められた猟兵は、愛する誰か、あるいは大好きな趣味等について真摯に語ることができれば、この魔力を浄化できます。

 このシナリオには、以下のプレイングボーナスがあります。
=============================
 プレイングボーナス……誰か(あるいは何か)への愛を語る。
=============================

 なお、🔵が成功数に達すると判断して以降のプレイングの採用を見送らせていただく場合があります。ご了承ください。
 それではよろしくお願いいたします。
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第1章 日常 『愛を語らないと出られない部屋』

POW   :    情熱的に愛を語る

SPD   :    淀みなく愛を語る

WIZ   :    語彙を尽くして愛を語る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴェルンド・ラスリス
愛か…全くもって俺には縁遠い言葉に感じるな。

ただ…母様…貴方の温もりがあったからこそ今の俺がいます…母様の優しさがあったからこそ今俺はこの『黒撫』を振るえています。
今の復讐鬼として俺を見て母様は哀しむでしょうか…ですがこれが俺の精一杯です。

もう一度会えるのなら…母様愛しております…



 猟兵たちが三皇『女媧』の祠へと足を踏み入れたと同時に、そぶそぶと異様な泥が波打つ。回避する間もなく四方を囲まれ、壁と変わるとすぐに固まってしまった。
 無粋な凹凸もなめらかになり、その面に生み出された彫刻を一瞥し、ヴェルンド・ラスリス(獄炎の復讐鬼・f35125)はグリモア猟兵からの情報を思い返す。
(「愛か……全くもって俺には縁遠い言葉に感じるな」)
 唯一の肉親である母親を幼い頃に失った彼にとって、それはどこか、薄玻璃越しの曖昧なものに思えた。
 しかし、だからと彼は空虚ではない。決して心を失ったわけではない。
 幾度復讐に突き動かされようとも。
「ただ……母様……貴方の温もりがあったからこそ今の俺がいます……母様の優しさがあったからこそ今俺はこの『黒撫』を振るえています」
 煤けた黒い長剣へと視線を落とす。形見の剣は彼の復讐の刃となり、暗澹の道を斬り開く。
 だが、進む先にあるのは、終わることのない闇ではない。
「今の復讐鬼として俺を見て母様は哀しむでしょうか……ですがこれが俺の精一杯です」
 復讐を果たすという揺るがない覚悟は、彼が刻む愛情。闇に墜ちることなくその温もりを心に抱いて、彼が愛を忘れず前へ進むための。
 恨み憎む過去に縛られるためではない。
 鈍い刃に指を這わせ、思いを馳せる。
 いつか、この剣の振るわれることがなくなったなら。
 その日こそが、彼の本当の人生の始まりなのだろう。
 そして、願う。
「もう一度会えるのなら……母様愛しております……」
 心からの愛を口にしたその時、ヴェルンドを囲む泥の壁が静かに崩れていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クトゥルティア・ドラグノフ
※ルク君と一緒(f14346)

わ、私も緊張しゅる!ああかんじゃった!
そ、そりゃそれを見せたら一発かもだけど、語らなきゃいけないみたいだしね

夏休み、確か餌付けでルク君ぞわってしてたっけ?一緒に釣ったあの大物を思い出すね。
うん。イブで一緒に出掛けて、地元を紹介して、義父様義母様に挨拶にも行ったね。
そうそう悪魔のみんなも大喜びだったよねあの時。

ルク君がいたから、私は無茶に飛び出すことを止められた。
ルク君がいたから、私は一人の女の子になることができた。

ふふ、や、やっぱり誰かに惚気を言うのは、恥ずかしいね。
こういうのは、また二人の時に……ね?


ルク・フッシー
クーさん(f14438)と一緒

く、クーさん!緊張します!
愛を証明するだけなら簡単なんですけど〜(左手の婚約指輪が輝く)

3年前の夏休み、一緒に釣りに行ってから色んなことがありましたよね
クーさんに告白されたクリスマスイブ、次の日はお出かけしましたよね
買い物して水族館に行って、オーナメントを手作りしたりもしました
それからお祭りに行ったり、ボクの両親にクーさんを紹介したり…
バレンタインの時のケーキ、悪魔の皆さんに振る舞ったりもしましたね

色んな戦いもありましたね、クーさんと一緒だったから、ボク、安心して全力を出せました

それからそれから…あれっ(壁が溶ける)
…な、なんだか恥ずかしくなってきました(真っ赤)



「く、クーさん! 緊張します!」
 泥の壁に囲まれたルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)が訴えると、クトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)もやっぱり震える声で言い返した。
「わ、私も緊張しゅる! ああかんじゃった!」
 だって、愛を語るなんて。そりゃあ大好きを伝えるのは嫌じゃないけれど、そう意識してしまうとすごくドキドキする。
「愛を証明するだけなら簡単なんですけど〜」
 緊張のあまり声が震えてしまうルクの左手で、婚約指輪が輝く。
「そ、そりゃそれを見せたら一発かもだけど、語らなきゃいけないみたいだしね」
 そう、愛を語る。でも、どんな?
 ロマンティックな雰囲気は、今はちょっと違うかな。
 クトゥルティアが小さなダイヤのついた指輪を着けた手を触れ合わせると、視線を絡ませて。
 そうしたらほら、愛しい気持ちがあふれてくる。
「3年前の夏休み、一緒に釣りに行ってから色んなことがありましたよね」
 水着コンテストのあとに行われたサマーバケーション。彼女の手ほどきを受けながら、一緒に堤防釣りを楽しんだっけ。
 ちょっぴり刺激的な、彼女の水着姿に見とれたりもして。
「夏休み、確か餌付けでルク君ぞわってしてたっけ? 一緒に釣ったあの大物を思い出すね」
 ふたりで釣った、色彩をたくさん詰め込んだ魚たち。やってみたかった魚拓も取ったね。
 餌箱のなかでうごうご蠢いていた餌の記憶は、ちょっと遠慮したいけれど。
 ひとつ語りだせば、もうひとつ、ふたつと。
「クーさんに告白されたクリスマスイブ、次の日はお出かけしましたよね。買い物して水族館に行って、オーナメントを手作りしたりもしました」
 まろび出た思い出にふふっと笑う。
「うん。イブで一緒に出掛けて、地元を紹介して、義父様義母様に挨拶にも行ったね」
「それからお祭りに行ったり、ボクの両親にクーさんを紹介したり……。バレンタインの時のケーキ、悪魔の皆さんに振る舞ったりもしましたね」
「そうそう悪魔のみんなも大喜びだったよねあの時」
 ほかにも、たくさんの思い出。
 どれもちゃんと覚えてる。
 戦いのためとはいえ、結婚式をしたり、うっかり混浴を楽しんだ(?)り……思い出したら、ちょっと恥ずかしくなってきちゃった。
「色んな戦いもありましたね、クーさんと一緒だったから、ボク、安心して全力を出せました」
 言ってルクがクトゥルティアにはにかむと、返ってきたのは少しだけ真面目な表情で。
 その顔に見とれて息を呑む。
「ルク君がいたから、私は無茶に飛び出すことを止められた」
 ふっと優しく微笑み指を絡めて。
「ルク君がいたから、私は一人の女の子になることができた」
 大好きな瞳が笑うから、笑って返す。
 大切な、愛しい人。今この時よりもたくさん、愛しい想いを重ねていくんだ、きっと。
「それからそれから……あれっ」
 まだまだ語ることがあるんだとルクが言おうとしたその時、さらりと壁が溶けていく。
 そうすると急に、なんていうか、その、えっと。
「……な、なんだか恥ずかしくなってきました」
 真っ赤になってそおっとクトゥルティアを見ると、彼女も真っ赤な顔をしていて。
「ふふ、や、やっぱり誰かに惚気を言うのは、恥ずかしいね」
 聞いているのはルク君だけだけど、改めて口にすると、やっぱり、ね。
「こういうのは、また二人の時に……ね?」
 お互い真っ赤な顔のまま、こっくり頷きあった。
 だって、ぜんぜん足りないものね。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

揺歌語・なびき
こんな世界にもあるんだなぁ、出られない部屋
うん、UDCアースにはよくある
トンチキ邪神案件で

そりゃいくらでも語れるんだけど
あとで報告書になるのか…それはちょっとなぁ…
まぁいっか(けろ

雪が降ったふたつの角が
ぴょこぴょこ跳ねる仕草がかわいい

ずうっと曇らない色硝子の瞳が綺麗だ
それが曇らないためならなんでもする

やわらかい彩の髪は、麦畑のような、飴色のような
おれとおんなじシャンプーなのに
ずっと嗅いでたいにおいがする

誰にだってまっすぐで
自分とおんなじ泣き虫で寂しがりのこどもを
見捨てることができないのも

本当は誰より痛みに弱いくせに
平気なふりする意地っ張りなとこも

あの無垢とただしさが
何を捨て置いてでも、一番だよ



「こんな世界にもあるんだなぁ、出られない部屋」
 華美な装飾の施された壁を撫で、揺歌語・なびき(春怨・f02050)はひとりごつ。
 うん、UDCアースにはよくある。トンチキ邪神案件で。
 愛を語らないと出られない部屋。ふたりで何かする部屋じゃなくてよかった。
 そりゃいくらでも語れるんだけど。
「あとで報告書になるのか……それはちょっとなぁ……」
 しかも何割増しかで記されるんだぜ、きっと。
「まぁいっか」
 けろっとして、それからふっと息を吐く。
 何に対しての愛かなんて、決まっている。
 思い浮かべるのは、雪華散るスノーフレークオブシディアン。
「雪が降ったふたつの角が、ぴょこぴょこ跳ねる仕草がかわいい」
 色気も何もない、計算なんかどこにもないからこそ。
「ずうっと曇らない色硝子の瞳が綺麗だ」
 優しい夢のように煌めく瞳は、まぎれもない本物。
 それが曇らないためならなんでもする。
 やわらかい彩の髪は、麦畑のような、飴色のような。
「おれとおんなじシャンプーなのに、ずっと嗅いでたいにおいがする」
 きっと、純粋だから。
 抱きしめるように差し伸べたその指の先に、桜の花びらが触れた。
 滔々と紡がれる愛しい想いを巻き上げていく。
「誰にだってまっすぐで、自分とおんなじ泣き虫で寂しがりのこどもを見捨てることができないのも」
 自分だってまだこどもなのに、一生懸命こどもたちに手を差し伸べる。
「本当は誰より痛みに弱いくせに、平気なふりする意地っ張りなとこも」
 誰かのためなら、痛みに耐えて泣きながら立ち向かう。
 彼の桜人は、そういう子。
 ほかのやり方を知らない、不器用な子。
「あの無垢とただしさが、何を捨て置いてでも、一番だよ」
 はらはらと舞う花びらへ触れることを恐れるかのように、泥の壁が崩れていく。
 それを一瞥することなく、灰緑の人狼は足を向けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

瑞月・苺々子
『アイ』についてを語るのね!
ももにはまだよくわからないけれど、好きなもの想うことが『アイ』だって聞いたわ
ももの好きなものは両親!ママとととなの!
『家族愛』なら任せて!

ママとととは今でも仲良しよ
2人はたまに喧嘩しちゃうけど
大体はととがももを甘やかすからママが怒るの
そんなママは厳しそうだけど
ももと一緒の時はいっぱい甘やかしてくれるのよ
ととに内緒で、ママと一緒に食べたイチゴパフェ、おいしかったなぁ

……そうそう!イチゴ!
ももの名前。ママが考えてくれたの!
苺の花言葉は「幸福な家庭」
「ももは瑞月家の幸せな家庭の証だから、苺を付けたのよ」ってママに教えてもらったの
こんなにキュートでステキな名前を考えてくれたんだもの
ママを好きにならない理由、ある?

ととも勿論大好きよ
ママも言うけれど、とっても「顔が良い」の!
髪の色はももより白いけど、ももと同じ瞳の色と、大きなお耳に尻尾!
でもね、ととの尻尾は2本あるの!間に挟まって寝ると良い夢が見られるの
また会えたらね、ととのモフモフを思う存分に堪能するんだ……!



「『アイ』についてを語るのね!」
 耳をぴこんとはねさせて、瑞月・苺々子(苺の花詞・f29455)は声を躍らせた。
「ももにはまだよくわからないけれど、好きなもの想うことが『アイ』だって聞いたわ」
 それならね、どれだけお話ししても足りないくらいあるのよ。
 瀟洒に飾られた壁に囲まれながら、ぱちり手を合わせてうふふっと笑う。
「ももの好きなものは両親! ママとととなの!」
 『家族愛』なら任せて!
 だけど、何から話そうかしら? そうね、やっぱりママとととが仲良しってことから!
「ママとととは今でも仲良しよ。2人はたまに喧嘩しちゃうけど、大体はととがももを甘やかすからママが怒るの」
 そんなママは厳しそうだけど、ももと一緒の時はいっぱい甘やかしてくれるのよ。
 2人とも、もものことが大好きだから喧嘩しちゃうの。
「ととに内緒で、ママと一緒に食べたイチゴパフェ、おいしかったなぁ」
 うん、と首を振った拍子に大きな牡丹の髪飾りが揺れた。
 その時のことを思い出したら、心のなかに甘い気持ちが広がっていく。
 きゅってするこの甘さは、イチゴパフェの味だけじゃない。
「……そうそう! イチゴ!」
 ぱあっと笑顔が輝く。
「ももの名前。ママが考えてくれたの!」
 苺の花言葉は「幸福な家庭」。
 「ももは瑞月家の幸せな家庭の証だから、苺を付けたのよ」ってママに教えてもらったの。
「こんなにキュートでステキな名前を考えてくれたんだもの、ママを好きにならない理由、ある?」
 ママが大切に考えてくれた、苺々子だけの名前。
 こんなに嬉しいことってあるかしら?
「ととも勿論大好きよ」
 壁に刻まれたスズランの装飾に触れて微笑む。
「ママも言うけれど、とっても「顔が良い」の!」
 ととのいいところは勿論それだけじゃないけれど、特徴をそっくりに継いだ、苺々子の自慢。
「髪の色はももより白いけど、ももと同じ瞳の色と、大きなお耳に尻尾!」
 ぴょんと耳に手を添えてみるけれど、苺々子の手も耳もととの大きさにはかなわない。
 ふんわり尻尾はととにも負けないつもり。
「でもね、ととの尻尾は2本あるの! 間に挟まって寝ると良い夢が見られるの」
 それは苺々子にはまだできないこと。
 それに、ととがしてくれるから嬉しいのよ。
「また会えたらね、ととのモフモフを思う存分に堪能するんだ……!」
 それできっと、ととはももみたいなイチゴ模様の服を着ているんだわ。
 だって、ももと同じくらい、ととはもものことが大好きなんだもの!
 両手を打ち合わせてふふっと笑う。まだ先のことかもしれないけど、今からとっても楽しみ。
 そんな彼女を捕らえておけないというかのように、泥の壁はするりと消えていった。
 ぱちぱちとまばたきをして、苺々子はまわりをくるりと見回してから、とんっと駆け出す。
 ねえ、イチゴの花言葉をもうひとつ知っている?
 それは、「あなたは私を喜ばせる」。
 さあ、行こう。
 たくさん冒険してちょっぴり大人になって、大好きな家族に「ただいま」って言うために。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月29日


挿絵イラスト