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殲神封神大戦⑮〜其の剣が齎すは絶対なる敗北

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑮ #神農兀突骨

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#神農兀突骨


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●単純にして最強
「封神武侠界での戦いも、いよいよ大詰めか。だが、敵も未だ恐ろしい隠し玉を用意していたようだな」
 ここに来て、とんでもない強敵が出現したと、霧崎・紫苑(機械仕掛けの闇医者・f32327)は猟兵達に告げた。その名は神農兀突骨。封神武侠界の農耕と医療の祖とされる神、三皇『神農』が、南蛮の魔獣『兀突骨』と合体して蘇った姿である。
「神農兀突骨は、かつて神農を祀っていた祠の中で我々を待ち受けているようだ。祠の内部は広大な空間となっているので、戦うのに支障はないようだが……神農兀突骨の神威により大量の巨大食肉植物が生え狂い蠢き回っている」
 いきなり植物に襲われることはないようだが、それでも足場は極めて不安定。加えて、この神農兀突骨は、その時々で『神農』と『兀突骨』のどちらが肉体の主導権を握っているのかが異なるのだとか。
「今回、お前達に相手をしてもらいたいのは、上半身の『神農』だ。下半身は、この際無視しても構わん。主導権があくまで『神農』にある以上、その状態での『兀突骨』は、脚として以外の役目を持っていないからな」
 もっとも、神農は神だけあって、その手に握られているのは禁忌の武器。ユグドラシルブレイドと呼ばれる、その剣の一撃を受けた者は……どのような存在であれ、一撃で倒されてしまうという。
「敵は我々の戦い方を知りたがっている。故に、先制で必殺剣を振るってこないのは助かるが……一瞬でも刃が掠っただけで、問答無用で戦闘不能にされてしまうぞ。鎧や盾のような防具はおろか、受け太刀、肉体形状変化による物理攻撃の無効化、果てはユーベルコードによる絶対防御まで、あらゆる防御手段が意味を成さないと考えて良いだろう」
 加えて、神農はこちらが動くのを見た瞬間に最適な解を瞬時に判断し、最悪でも相討ちに持ち込もうとしてくる。そうなった場合、こちらが一方的に深手を負わされてしまうので、同時攻撃になんとかして打ち勝つ方法を考えねばならない。
「正直に言おう。やつは強い。相討ちを繰り返したところで、こちらの負けが込んで敗退に追いやられるのが関の山だ。全員が完全なる勝利を目指せずとも、どこかで勝ち星を得られるように戦わねば、勝機はないと考えた方が良さそうだ」
 今までになく厳しい戦いになると思うが、それでも向かってくれる者はいるか。そう、猟兵達に尋ねた上で、それでも頷いた者達だけを、紫苑は神農の祠へと転送した。


雷紋寺音弥
 このシナリオは戦争シナリオです。
 1章だけで完結する、特殊なシナリオとなります。

●『神農兀突骨』ユグドラシルブレイド態(ボス戦)
 農耕と医療の神である『神農』が、南蛮の魔獣『兀突骨』と合体した姿です。
 このシナリオでは肉体の主導権を握っているのは『神農』の方です。

●プレイングボーナス
 『必殺剣「ユグドラシルブレイド」に対処する』ことで、プレイングボーナスが得られます。
 こちらが先制攻撃できる状況ではありますが、神農もこちらの動きに合わせ、最悪でも相討ちを狙い動いて来ます。
 ユグドラシルブレイドに少しでも触れられた場合、いかなる存在であろうと、いかなる防御手段を用いていようと、あらゆる理を無視して強制的に『戦闘不能』にさせられますので、それを念頭に置いた対処が必要となります。

●判定と描写
 判定結果により、リプレイ内での描写が変化します。

 大成功:ユグドラシルブレイドの攻撃を完全回避し、神農にクリティカルなダメージを与える。
 成功:ユグドラシルブレイドの攻撃を完全回避し、神農に普通にダメージを与える。
 苦戦:神農にダメージを与えたが、ユグドラシルブレイドの攻撃を避けきれなかった。
 失敗:神農にダメージを与えられず、ユグドラシルブレイドの攻撃により戦闘不能にさせられた。
190




第1章 ボス戦 『『神農兀突骨』ユグドラシルブレイド態』

POW   :    三皇神農・変幻自在剣
【変形させた必殺剣「ユグドラシルブレイド」】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    三皇神農・無限複製剣
自身が装備する【必殺剣「ユグドラシルブレイド」】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    三皇神農・絶対制御剣
【必殺剣「ユグドラシルブレイド」】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に生え狂う巨大食肉植物を剣と融合し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

大町・詩乃
とても強い相手ですが私達も先に進まねばなりません

それに農耕の神として人々の未来と命を”収穫”するのはやり過ぎで、同じ神として許せません!

まともに戦えば勝ち目はない…一対一なら。

UC:産巣で地面からA&Wのドラゴン/デビキンの悪魔/ブルーアルカディアのグリフォンを多数創造。
四方八方からドラゴンブレス・悪魔の魔術と武器・グリフォンの嘴と爪で蹂躙攻撃。

きっと相手は私を倒しにくる。

故に残像をその場に置いて囮にし、第六感と見切りでタイミングを読み、空中浮遊・自身への念動力・足からの衝撃波・空中戦で瞬時に空高く舞って剣を躱し、雷の属性攻撃・全力魔法・神罰・高速詠唱による雷をスナイパーにて敵頭部に貫通攻撃!



●神にして魔獣
 三皇神農。それは本来であれば、農耕と収穫を司る神であった。
 だが、オブリビオンとして復活した今、彼もまた人類の敵に他ならない。魔獣兀突骨と融合したその姿は、神を名乗るにはあまりにも禍々しいものだ。
「来たか、強者よ。汝は、この神農と相対するに相応しい存在であろうな?」
 大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)を前に、神農兀突骨は静かに剣を構えた。ユグドラシルブレイド。一瞬でも触れた者を一撃で戦闘不能に追い込むという、正に命を簒奪する剣だ。
「とても強い相手ですが、私達も先に進まねばなりません。それに、農耕の神として人々の未来と命を『収穫』するのはやり過ぎで、同じ神として許せません!」
 だが、それでも詩乃には退けぬ理由があった。まともに戦って勝てる相手ではない。しかし、それはあくまで1対1で戦った場合。
「神の理により、此処に生命を創造いたします」
 印を結び、大地より数多の竜や悪魔を創造する詩乃。力で負けているのであれば、数の差で補えば良いと考えたようだが……しかし、彼女の意に反し、実際は食肉植物で覆われた床が、ほんの少し盛り上がっただけだった。
「……出ない!?」
 驚愕する詩乃だったが、考えてみれば当然のこと。彼女が生命を創造するには、その素材として無機物が必要となる。今回は大地を対象に生命を創造したわけだが、当然のことながら床は植物で覆われているため、産まれた竜や悪魔達は、全て食肉植物の下に飲み込まれてしまっていた。
「どうした? それで終わりか? ならば……次はこちらから仕掛けさせてもらうとしよう」
 詩乃の目論見が空振りに終わったことを察し、神農兀突骨はユグドラシルブレイドを彼女目掛けて振り下ろした。咄嗟に、残像が生じるほどの速さで退いて避けるも、神農兀突骨は決して動揺などしておらず。
「ほう、避けたか。だが、いつまでも逃げ続けられると思う出ないぞ」
 攻撃か空振りに終わる度に、神農兀突骨は剣に食肉植物を融合させて戦闘力を増して来る。戦闘力の増強とは、即ち彼の全ての力が上がるということ。このまま逃げ続けていても、いずれ神農兀突骨の能力は詩乃の身体能力を完全に上回り、あらゆる技能を乗り越えて攻撃を届かせてくるだろう。
(「くっ……! せめて、予定通りに生命を創造できていれば……」)
 食肉植物の下で蠢く竜や悪魔達。彼らのパワーを以てすれば、いずれは植物の枷を突き破って神農兀突骨に攻撃できるだろうが、それまで自分が生き残らなければ意味はない。その間にも、神農兀突骨はどんどん力を増しており、このままでは完全に押さえきれなくなる。
「もはや、これまでだな。覚悟するがいい!」
 ついに壁際まで追い込まれ、詩乃は完全に逃げ場を失った。このままでは確実にやられる。そう思った瞬間……ついに、植物の枷を突き破り、竜や悪魔達が地表へと現れた。
「……なにっ!?」
 完全に後ろを取られる形となり、神農兀突骨の反応が一瞬だけ遅れた。そこへ殺到する、様々な属性を持ったブレスや魔術、あるいは純粋に強力な武器と爪の攻撃。堪らず、怪物達へと攻撃の矛先を変え、神農兀突骨は刃を振るう。
「有象無象の魑魅魍魎どもめ! 邪魔をするでない!!」
 さすがは万能の必殺剣。切っ先が触れただけで、次々と竜や悪魔、そして魔獣を土塊へと変えて行くが、しかしその瞬間だけは詩乃から意識が離れるわけで。
「隙が生じましたね。神罰を受けなさい!」
 敵の頭部に狙いを定め、詩乃は裁きの雷を放つ。直撃すれば、人間の頭など木っ端微塵に吹っ飛ぶほどの雷鳴だ。
「ぬぐぅぅぅぅ!!」
 さすがに、これは効いたのか、神農兀突骨も一瞬だけ攻撃の手を止めた。だが、全身から黒い煙を上げながらも、神農兀突骨は直ぐに体勢を立て直し、再び詩乃に向かって刃を構えた。
「……なるほど、少しはできるようであるな」
 空振りによる戦闘力の増加。それにより上昇した身体能力を以て、神農兀突骨は詩乃の雷撃に耐えきったのである。
(「運が良かったようですね。後少し、状況が変わるのが遅かったら、何もできずに負けていました……」)
 己の甘さを嚙み締めつつも、詩乃はこれ以上の戦闘は不利と判断し撤退して行く。
 神農兀突骨。魔獣と融合したかつての神の実力は、やはり伊達ではないようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルエリラ・ルエラ
当たらないよう気をつけよー

ブーツ(ルエリラのブーツ)で飛行しつつ、ポーチから量産型の『サメタンク』をいっぱい取り出し展開。さらに『芋煮ハンドグレネード』で周囲にスモークを散布して視界を潰すよ
タンクを突撃させ機銃や自爆で攻撃!ブレイドで貫かれても自爆装置を作動させて、貫いたブレイドや周囲のブレイドごと爆発させるね
距離がある場所に『サメタンク(ルエリラ専用)』を配置して、敵が量産タンクの物量や自爆で怯んだタイミングでキャノンやミサイルで攻撃
敵が私専用タンクを本命だと考えて追撃か自爆狙いをしてきたとこで、逆方向に隠ぺい魔術マントで隠れてた私が【アインス】(貫通する矢)で狙撃して一気に仕留めるね



●サメサメパニックの計!
 一瞬でも掠めたら、それだけで退場。なんとも理不尽極まりない能力を持った神剣を操る神農兀突骨は、今までにない強敵だ。
 しかし、それでもルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)は何ら臆することなく、神農兀突骨へと向かって行った。先手をこちらがもらえるなら、対処の方法はいくらでもある。そういうわけで、ルエリラはブーツの力で飛行しつつ、ポーチから大量の量産型サメタンクをバラ撒いた。
「まだまだ! ついでに、これもオマケだよ!」
 続けて、炸裂させたのは芋煮ハンドグレネード。これで周囲にスモークを散布すれば、とりあえず敵の視界は防げるはず。
「なるほど、我の視界を封じるか。ならば、こちらは手数で相手をするまでよ」
 そんなルエリラに対し、神農兀突骨はユグドラシルブレイドを数えきれないほどに複製し、それら全てを念で操り、一気にスモークの中へと突撃させてきた。
「汝がその煙の中にいると分かっている以上、我も包囲をするのは容易なり。隠れたつもりが、追い込まれたのは汝の方ではないか?」
 おまけに、煙は時間の経過に伴い地へ落ちる。この戦い、既に勝敗は決したとばかりに豪語する神農兀突骨であったが……果たして、本当にそうだろうか。
「残念だけど、まだ勝負は決まってないよ。それに……このサメタンクには、こういう使い方もあるんだから!」
 量産型のサメタンクを突撃させ、次々に自爆させてゆくルエリラ。その爆風で新たな煙が生じ、神農兀突骨の視界が再び遮られて行く。
「ぬぅ……まさか、このような捨て身の攻撃を用いるとは!?」
 祠の中は自爆したサメタンクの煙で充満し、もはや一寸先も見えない状態。そんな中、満を持して自分用のサメタンクを配置し、ルエリラはキャノンとミサイルで神農兀突骨を攻撃させた。
「……っ!? そこか!!」
 飛来するミサイルを神業的な反応で捕え、一刀の下に斬り捨てる神農兀突骨。だが、それはあくまで囮に過ぎない。本命は、魔術マントで身を隠し、背後へ回り込んでいたルエリラ自身。
「悪いけど、貫かせてもらうね」
「ぐぉっ! ぬ、ぬかった!!」
 放たれた魔力の矢はあらゆる防御を全て無視し、神農兀突骨の身体を背中から貫通したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御剣・刀也
ははは。一撃必殺の剣か
正に俺みたいな武芸者が追い求める理想の姿だな
それが相手となってはいやがおうにも燃えるってもんだ
てめぇの剣と俺の剣。どちらが上か、いざ尋常に勝負!

三皇神農・変幻自在剣で剣が変形して襲いかかってきたら、腕の動きを注視し、それから軌道や位置を推測し、第六感、見切り、残像で避ける
こちらの攻撃は、勇気で反撃を恐れず、グラップルとダッシュで食虫植物の床を駆け抜け、捨て身の一撃を叩き込む
「お前の剣ほどじゃないが、俺の剣も結構効くだろ?一撃必殺といかないのが、悔しいがな」



●武人の戦い
 触れただけで、問答無用で相手を倒せる必殺の剣。敵に回せば恐ろしいが、しかしそれは同時に武の道を究めた者だけに許される特権でもある。
「ははは。一撃必殺の剣か。正に俺みたいな武芸者が追い求める理想の姿だな」
 御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)にとっても、それは同じだった。ユグドラシルブレイド。確かに恐るべき剣かもしれないが、そこに己の目指すものがある限り、彼に撤退の二文字は存在しない。
「それが相手となってはいやがおうにも燃えるってもんだ。てめぇの剣と俺の剣。どちらが上か、いざ尋常に勝負!」
「正面から向かってくるか。ならば、我が試してやろうぞ。汝が、このユグドラシルブレイドの敵として相応しい存在であるのかを!」
 敢えて策を講じることなく、刀也は真正面から神農兀突骨へと向かって行った。どの道、小細工の類は好きではないのだ。どれだけ理不尽な存在でも、それが己の倒すべき目標である限り、真っ向勝負で打ち勝ってこそ意味があるのだから。
「……無策で向かってくるか。勇気と無謀をはき違えているのであれば、その身を以て愚かさの代償を受けよ!」
 神農兀突骨の手に握られた剣が、大きく歪む。刀身が、まるで蛇の如き自在に動き回る姿に変貌し、その切っ先が刀也を狙うが。
「……っ!? そこか!!」
 間一髪、刀也は繰り出された攻撃を回避した。どれだけ剣の形を変えようと、その武器が『斬る』ものである以上、最終的な攻撃の軌道は決まっている。
 斬撃であれば、振り下ろすか、あるいは薙ぎ払うかのどちらかだ。そのためには、腕にしろ刀身にしろ、一度大きく振り被るか、あるいは引かなければならない。
 その一方で、刺突もまた同じ。突き出す動作をするためには、やはり一度腕を引かなければならないし、刀身を伸ばして来たとしても、突くという攻撃の性質上、どうしても軌道は直線的にならざるを得ない。
 どれだけ恐ろしい武器であっても、その軌道が最初から型に嵌っているものであれば、今までの経験から対処はできる。元より、銃弾を掻い潜って火縄銃そのものを叩き折ることをも考えて編み出された古武術の後継者。この程度の修羅場であれば、刀也は幾度となく潜り抜けて来ているのだ。
「この切っ先に一擲をなして乾坤を賭せん!!」
 足場の悪い中、敵の攻撃を避けながら繰り出す反撃は、決していつも程の威力が期待できるものではない。それでも、この一瞬を逃せば好機はないと、刀也は手にした刃を振り下ろす。
「お前の剣ほどじゃないが、俺の剣も結構効くだろ? 一撃必殺といかないのが、悔しいがな」
「……見事。汝の太刀筋、鍛え上げれば、いずれは超常の力に頼ることなく、ユグドラシルブレイドの域に達することができるかもしれぬな……」
 攻撃は急所こそ外したが、それでも刀也は満足そうだった。それは神農兀突骨も同じであり、久々に出会えた強敵に、純粋な敬意を示すのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティオレンシア・シーディア
掠ってもアウトってのはちょっと面倒だけど、先制攻撃してこない分むしろいつもより楽まであるのよねぇ。あたしただの人間だもの、普段からモロ喰らったら一発だし。

ラグ(幻影)と摩利支天印(陽炎)で認識ズラして〇迷彩と残像を形成、回避を最優先しつつ煙幕と閃光弾で〇目潰しして射撃と○爆撃…


――まあ、うん。無理よねぇ。知ってた。
いくら回避に意識割いたってあくまで遅延策、一発で状況ひっくり返せるような手札がない以上どっかで捕まるわよねぇ。さんざ○範囲攻撃撃ちこんだし傷の一つや二つはできてると思いたいけど。

…ええ、「だからこそ」あたしの刃は、あなたに届く。
「ただの人間」、舐めないでちょうだいな?



●凡庸の意地
 普通の人間であれば、掠めただけでも即死する剣。猟兵であっても、一瞬でグリモアベース送りにされることは想像に難くないわけであり、それ故に神農兀突骨は恐ろしい相手だ。
 しかし、そんな強敵であっても、考えようによっては今までの敵より楽かもしれないとティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は思った。
(「掠ってもアウトってのはちょっと面倒だけど、先制攻撃してこない分むしろいつもより楽まであるのよねぇ」)
 様々な姿を持ち、時に人間を軽く凌駕する身体能力や、あるいは不老に近い寿命を持った者もいる猟兵達の中で、ティオレンシアはあくまで普通の人間である。鍛え上げられた匠の技は、時にユーベルコードと区別のつかない程にまで洗練されてはいるものの、それでも肉体の脆弱さだけはどうにもならない。
 ならば、ここは少しでも時間を稼ぎ、相手に近づく隙を作らねば。幻影や陽炎の力を利用しつつ、ティオレンシアは煙幕と閃光弾を併用することで、ひたすら遠方から射撃を繰り返す。敵の武器の射程外から攻撃すれば、とりあえず牽制程度にはなっているようだが。
「……下らぬ攻撃だな。汝は我を愚弄するために、この場所まで来たのか?」
 なにしろ、相手は神である。生半可な銃弾や爆撃程度では、表面を多少は傷つけられはしても、致命傷には程遠い。閃光と煙幕の効果が切れたところで、神農兀突骨は改めてティエレンシアの姿を捉えると、銃弾に怯むこともなく突撃して来た。
「……まあ、うん。無理よねぇ。知ってた」
 これ以上は、相手の足を止める術もない。半ば諦めたような形で、ティオレンシアは銃を降ろす。そんな彼女の姿を見て、戦闘を放棄したと思ったのか、神農兀突骨は勝利を確信して刃を振り下ろし。
「これで終わりか……。非力とは哀れなものだな、人間よ」
「……ええ、『だからこそ』あたしの刃は、あなたに届く」
 刃が身体を掠めた瞬間、命の鼓動が奪われて行くのを感じながら、ティオレンシアは笑みを浮かべた。このまま何もできずに倒れれば、そこで敗北してしまうわけだが。
「……敵を、前にして……舌なめずりしてんじゃないわよ、ド三流…! 『ただの人間』、舐めないでちょうだいな?」
 瞬間、神農兀突骨の傷が唐突に開き、先程の銃弾の攻撃では考えられない程の負傷を与えたのだ。
「ぬぅっ! 肉を斬らせて骨を断つという技か!」
 笑殺(バイツァダスト)。それは、使用者本人が戦闘不能になることで発動される諸刃の剣。相討ち故に、これ以上の戦闘は不可能。己の勝利をも犠牲にする形で、ティオレンシアは神農兀突骨に手痛い傷を与え、次なる猟兵へと願いを託したのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

桐崎・早苗
触れることさえ許されぬのは、なんともやり難い相手
これは困難を極めますね…

●対策
主とするのはUCによる回避
しかしこれのみに終わらず多くの技を重ねたく

袖から呪殺符を撒き呪詛の結界術を広く簡易に形成することで敵の武具へ呪いによる動きの阻害を与え自身は呪詛耐性で以て動きの優位を作り出します
この呪詛の結界は敵の念力に対するジャミングも兼ねましょう
ここに、身のこなしに関する技能の総動員とUCを重ねて敵が複製した無数の剣を掻い潜り斬撃を与えたい所でございます
自身の慢心にも注意をし当てる際の回避行動や残心も忘れずに
最後の要素は、気合と、覚悟と、勇気と幸運で補えればと考えます

アドリブアレンジok



●勝負は一瞬
 ほんの少しでも触れたのであれば、それだけで文字通り万死に値する神剣。そして、その剣を操る者は、人を超えた神とも呼べる存在である。
「触れることさえ許されぬのは、なんともやり難い相手。これは困難を極めますね……」
 受け太刀さえも許されないことに、さすがの桐崎・早苗(天然風味の狐娘・f10614)も攻めあぐねていた。数多の魑魅魍魎を討伐して来た彼女とて、今までの戦いで無傷であったわけではない。ましてや、身体どころか太刀と太刀が触れあっただけで戦闘不能にさせられるなど、理不尽極まりない仕様である。
 許されるのは回避のみ。しかし、そう簡単に回避させてはくれないと察し、早苗は袖から大量の呪殺符を撒き散らした。
「ほう、汝は呪詛を使うか。だが、この程度の呪詛で我を倒せるなどと思ってはいまいな?」
「ええ、勿論です。桐崎・早苗……参ります!」
 呪符が撒き散らされると同時に、早苗はそれに紛れて神農兀突骨へと突っ込んだ。呪いの結界を展開することで、少しでも敵の剣の制御を奪うことができれば幸いだとばかりに。そんな早苗を嘲笑うかの如く、神農兀突骨は多数のユグドラシルブレイドを生成し、彼女へ一斉に差し向けたのだが。
「む……? 動きが鈍い……これは、まさか!?」
「ええ、そのまさかです」
 早苗がニヤリと笑う。彼女は最初から、呪詛で神農兀突骨を攻撃するつもりなど全くなかったのだ。
 呪詛はあくまで、念を中和し敵の剣の動きを鈍らせるためのもの。完全に制御を奪えずとも、嫌がらせ程度に邪魔ができれば、それでよい。本来の軌道を描けなくなった刃など、早苗にとって見切るのは容易なことなのだから。
「見切りました……そこ!」
 迫り来る無数の剣を掻い潜り、早苗は神農兀突骨の懐に飛び込んだ。そして、神農兀突骨の持つユグドラシルブレイドが振り下ろされるよりも速く、擦れ違い様に斬り付ける。
「……ぬぅっ! 最初から、この一撃だけを狙ってのことだったというのか! 見事なり!!」
 太刀の極意は一撃必殺。振り向き様に刃を納めた早苗が神農兀突骨へと目をやれば、さしもの神も膝を突いて、愛用の剣を杖代わりにする他になくなっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

ふむ、かすっても終わりと。なるほどなるほど。



無理ゲじゃね?まぁ、なんとかしろと言われればなんとかするしか無いわけですが。
体感時間を引き伸ばす程の深い集中で己の才能(パフォーマンス)を最大限に引き出す神憑り(降霊)の境地。
結界とは内と外を分ける力、即ち『境界』の力。
サバイバルとは生存能力、生と死の『境界』を見極め生き残る力。
継戦能力とは戦闘を継続するための力。ならば、戦闘を継続するためにダメージを軽減し或いは避ける防御技術も含まれる。これもまた生と死の『境界』を生側に寄せる力。
化術とは森羅万象に化ける力。即ち『変化』の権能。勝敗の『境界』を『変化』させ、勝敗の天秤をこちらの勝利側に傾けさせる力。
そして、リミッター解除、限界突破、オーバーロード!多重詠唱で束ねたこれらの力でユグドラシルブレイドの回避を試みるわ。更に多重詠唱結界術で位相をずらせばそうそう私に攻撃は届かない。私とあなたでは位相が違うのごめんあそばせ♪
さぁ、天候操作結界術の暴力で蹂躙よ☆



●我、空間と一つになる
 攻撃を掠っただけで、一瞬にして戦闘不能にさせられる剣。
 はっきり言って、それだけでかなり厄介な武器であった。単に強い威力を誇る攻撃を防ぐだけなら手段はいくらでもあるが、しかし触れた瞬間に威力関係なく敗退させられるとなれば、防御を固めるだけでは意味がない。
「ふむ、かすっても終わりと。なるほどなるほど……無理ゲじゃね?」
 防いでもダメ、弾いてもダメ、そもそも掠めた瞬間にゲームオーバー。
 あまりに理不尽な仕様に、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト艶魔少女・f05202)は早々に思考を放棄したようだ。もっとも、なんとかしろと言われている以上、勝つための手段は用意してきたわけであり。
「さあ、汝の力を我に見せるがよい」
 幸いにして、神農兀突骨は先手をこちらに譲ってくれている。ならば、準備するための時間もたっぷりあるので、ここは慎重に事を進めるとしようか。
 己の深層に意識を集中させ、アリスは自らの身体に霊を降ろした。この状態であれば、思考も反応も常人のそれを凌駕し、神の領域へと至ることができる。その上で、幾重にも結界を張った後に、あらゆる状況から生き延びるための術を計算すれば、それだけで敵の攻撃を回避できる可能性は高くなる。
(「ここまでは想定通り。後は……」)
 自分の力を極限にまで引き出した状態で、アリスはいよいよ本命である化術を行使した。本来であれば、狐狸が姿かたちを変えて人を騙すのに使う術。それを以て境界そのものを変化させるというのは、さすがに拡大解釈が過ぎるというものだが。
(「やっぱり、自分以外の何かを『変化させる』ことはできないみたいね。でも、それなら……『わたしが化ければ』いいだけの話よ」)
 いったい、何に化けるというのか。因果の理を操作できないのであれば、自らが因果になれば良いとばかりに、アリスはこの瞬間、『世界』に化けた。
 果たして、そんなことが可能なのか。結論から言えば、答えは『可』だ。ただ、それをするにはあまりに高度な術式が必要になるが故に、狐狸は元より高位の妖怪でさえも、そう簡単には行えないというだけで。
「私達の知覚を離れた客観的真理などない、故に、あらゆることは真実であり可能である☆ 私の“理”が支配する領域にようこそ♡」
 全ての準備が完了したところで、アリスはようやく動き出す。ちなみに、この時点で所要時間は0.1秒程度。リミッターを解除して限界突破した状態での演算能力は、大型コンピュータのそれも凌駕するのだ。
「何をしようというのか分からぬが、丸腰で来るとは随分な自信だな」
 武器も持たず、防具も纏わないまま挑もうとするアリスを見て、神農兀突骨は真正面からユグドラシルブレイドを叩きつけようとした。しかし、確かにアリスを斬ったはずなのにも関わらず、彼女は全く倒れることなく、そこにいた。
「なんと!? このタイミングで、我の知覚できぬ程の速さで避けたというのか!?」
「そんなんじゃないけどね。私とあなたでは位相が違うの。ごめんあそばせ♪」
 世界に溶けるような形で世界そのものに化けたアリスは、今や高位次元の存在でもある。位相が異なる以上、低位の次元の存在が高位の存在を正確に捉えることは不可能。今、神農兀突骨の目の前に見えているアリスは、しかしそこにいるように見えて、本体はそこにいないのだ。
「さぁ、天候操作結界術の暴力で蹂躙よ☆」
「ぬぉぉぉぉっ! なんのまやかしを使ったというのだ!!」
 アリスの攻撃の正体さえもつかめぬまま、神農兀突骨は荒れ狂う嵐に飲み込まれて行く。防ぐでもなく、弾くでもない。物理的な干渉をされない存在へ自らを昇華させることで、アリスは絶対無敵の必殺剣を前にして、武器も防具も持たずに神農兀突骨を圧倒した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シン・コーエン
これは強そうな奴が出てきたなあ。
なら、一つ揉んでもらおうか。
と、真の姿(強敵との戦いを歓喜する修羅)で笑みを浮かべて参戦。

神農の攻撃は避けるしかないから、極炎銃フォーマルハウトを抜きつつUC:神速之剣を使用して高速飛翔で距離を置く。

神農は接近戦を仕掛けてくるだろうから、ユグドラシルブレイドは第六感・瞬間思考力で軌道を読み、見切り・空中戦・空中機動にて躱す。
カウンターでフォーマルハウトを構え、炎の属性攻撃&UC効果を籠めた魔弾二連射(2回攻撃)で撃ち抜く(貫通攻撃)。

神農が本気で相討ち狙いに来た時こそ勝機。
UCの高速飛翔による残像で多数の分身を作り出して幻惑。
ユグドラシルブレイドを持つ手を念動力で拘束して剣を振るえなくする。
早業でフォーマルハウトから灼星剣に持ち替え、灼星剣を突き出しつつ高速飛翔による最高速度11500km/h(=マッハ9.4)で剣を躱して神農に激突(2回攻撃の1回目)、そのまま突き立てた灼星剣で頭部切断(2回攻撃の2回目)。
※尚、移動の衝撃についてはUC効果で無効化する。



●その修羅、神を喰らう
 絶対的な能力を持つ剣を携え、猟兵達の前に立ちはだかった神農兀突骨。だが、いかに強力な武器を手にした存在であれど、気が付けば完全に追い込まれていた。
 それでも、未だ気力だけでこの地に踏み止まっているのは、腐っても彼が神であるが故か。そのしぶとさに辟易する者も多いだろうが、しかし強敵を求めるシン・コーエン(灼閃・f13886)にとっては、むしろ願ったり叶ったりであった。
「これは強そうな奴が出てきたなあ。なら、一つ揉んでもらおうか」
 そこに立っていたのは修羅だった。戦いの中に生き、強敵との戦闘に歓喜する戦闘狂。一瞬でも触れたら最後という剣を振るう神を相手にできるともなれば、彼の血が滾らないはずがない。
「汝は戦いの中に生きる者か……。ならば、最後にその強さを我の前に見せるがいい」
 もはや己の運命を悟っているのか、神農兀突骨はシンを目の前にしてなお、撤退や逃走という手段を取ろうとしない。下半身を形成する兀突骨の闘争本能が、彼を戦場に留まらせているのだろうか。
「それじゃ、遠慮なく行くぜ!」
 高速で飛翔して距離を取りつつ、シンは手にした銃から牽制の弾を放つ。その銃口から放たれるのは炎の魔弾。ともすれば、食肉植物さながらの身体を持つ神農にとっては厄介な攻撃かもしれないが、しかし神農兀突骨は巧みにユグドラシルブレイドを振り回し、シンの放った銃弾を弾き飛ばして行く。
「どうした、戦士よ! 我と斬り合うことに対して臆したか!」
 一向に近づいて来ないシンに対して痺れを切らしたのか、ついに神農兀突骨の方から突っ込んで来た。その行動を先読みして空中に逃れるシンだったが、いつまでも牽制してばかりでは決定打に欠ける。
「冗談言うな。戦いは、これからが本番だ!」
「ほう……ならば、その力を余すところなく見せてみよ!」
 すかさず、全身全霊を込めた魔弾を連射するシンだったが、神農兀突骨はそれに貫かれても構わず突進して来た。最悪、相討ちに持ち込もうというのだろう。既に片腕を吹き飛ばされていたが、それでも悲鳴さえ上げないのは、彼にもまた神としてのプライドがあるからだろうか。
「さすがは、腐っても神ってところだな。だったら、この動きは見切れるか?」
「甘いわ! そのような残像、全て纏めて斬り伏せれば同じこと!」
 音速を超えた素早い動きで残像を繰り出しながら接近するシンだったが、神農兀突骨は残像諸共に本体を薙ぐべくユグドラシルブレイドを振るう。本体がどれか分からないなら、全て同時に殲滅すれば良いというのは確かだが、それを実際に実行してしまえる辺り、この神の底力は恐ろしいものだとシンは痛感し。
(「やはり、そう来るか。だが……纏めて薙ぎ払うつもりなら、軌道は読める!」)
 間一髪、身を屈めて攻撃を避けたところで、続く二撃目が放たれるよりも早く、神農兀突骨の腕を念の力で拘束した。
「む……? 汝は仙道をも使うというのか? だが、この程度で我の動きを封じようなど……」
「ああ、当然、考えちゃいないさ。ただ、嫌がらせをできれば、それで十分だ!」
 念の拘束を半ば強引に神農兀突骨が引き千切るのと、シンが相手の懐に飛び込むのが同時だった。シンの狙いは、トリッキーな動きで相手の攻撃を誘い、それに合わせて反撃を繰り出すというもの。銃撃も残像も、そして念の拘束でさえも、あくまで敵の攻撃を単調にし、見切り易くするための布石であり。
「この一閃に全てを籠める!」
 擦れ違い様に、神農兀突骨の首を問答無用で刎ね跳ばす。この手の敵は、中途半端な攻撃を繰り返したところで倒せはしない。徹底的に攻撃を避け、あるいは防ぎ……苦戦の中に勝機を見出し、その一瞬を以て討伐せねば、勝機は決して見えないのだ。
「……見事。我の完敗だ……」
 刎ね飛ばされた首が食肉植物で覆われた床を転がったところで、最後に神農兀突骨の首は、改めて猟兵を称える言葉を述べた。そして、床を覆う植物に取り込まれるかのようにして、静かに溶けてなくなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月30日


挿絵イラスト