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銀河帝国攻略戦⑱~液体コンピューターを破壊せよ!

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 エンペラーズマインドに近い、それでいてなにも存在しない宙域。
 最後のジャミング装置が破壊されたその瞬間、その場に彼らは現れた。
 ドクター・オロチが潜む『実験戦艦ガルベリオン』を旗艦としたその一群は、己が存在が看破されたことに気づき、解放軍への攻撃態勢へと移る。


「みんなのおかげで、ガルベリオンの居場所が突き止められたよっ!」
 エスペラ・アルベール(元気爆発笑顔の少女・f00095)からの朗報に、猟兵達が湧き上がる。
 しかし、これでドクター・オロチを追い詰められる、とまではいかない。
 彼の配下である艦隊が、ガルベリオンを守るように展開されているのだ。
「みんなに攻めてほしいのは、アマルテア情報艦隊」
 アマルテア情報艦隊は、ドクター・オロチがブラックタールから着想を得て開発したという『リキッドコンピューター』を搭載した艦隊である。
 艦内には粘性の液体が満ちた広いプール空間があり、この液体自体が情報を蓄積、処理するコンピューターとなっている。
 その情報処理性能は宇宙屈指で、帝国工作員達が宇宙各地で収集する多種多様な情報を集積、最適な作戦計画を立案して来た。
 この艦隊を叩くことができれば、ガルベリオンまでの侵攻ルートの確保ができると同時に、この戦いの後に残ったオブリビオン達は情報源を失い、その活動が抑止できると考えられる。
「ボクがみんなを敵艦の内部に転送するけれど、リキッドコンピューターはそれに反応して、敵を液体で強化再現した液体存在を作り出して迎撃してくる」
 この敵さえ倒してしまえば、敵艦を守る物は何もない、その艦は問題なく撃沈できるだろう。
「ここを攻め落とすことができれば、銀河皇帝までの道も見えてくる。もう一頑張りっ、みんな、頼んだよっ!」


芳乃桜花
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 本シナリオは「⑱アマルテア情報艦隊」の物となります。

 戦争も折り返し地点といったところでしょうか、皆さんお疲れ様です!
 今回のシナリオは液体コンピューターが強化再現したボス敵との対決となります。
 ボス敵が更に強化されているので、まともに戦うとなるとそこそこ強敵かもしれません。
 上手く敵の隙をつくことさえできれば、再現している本体の方を狙うことができるかも……?
 皆さんのプレイング、お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『ファントム・ガンマン』

POW   :    ボムファイア
【ブラスター銃の最大出力放射】が命中した対象を燃やす。放たれた【ブラスター銃の熱線の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    クイックドロウ
レベル分の1秒で【熱線銃(ブラスター)】を発射できる。
WIZ   :    ブラストキャンセラー
対象のユーベルコードに対し【ブラスター銃の一斉射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は麻生・大地です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

亜儀流野・珠
情報の蓄積、作戦の立案…つまり此処が銀河帝国の頭脳なんだな。
しっかり潰してから進もうじゃないか!

で、お前達は液体なのか?
そうは見えないな…いや敵ながら驚かされる。
まあ倒すことに変わりは無いんだがな!奥義「千珠魂」だ!
「俺たち」を前に出し戦って貰う!皆、薙刀「狐の爪」で斬り掛かれ!俺は後ろから狐火で援護だ!
他の猟兵も戦っていたらその相手に隙を作れるよう俺たちの一部でちょっかいを出す!

そして敵が俺たちや他の猟兵達との戦闘により隙ができたら「風渡り」で空を蹴り敵を大きく飛び越え本体狙いだ!お前ら飛べなさそうだしな!
狐火で焦げ付かせてやろう!
無理そうなら敵を減らすのに集中だ。強行はしない!


弥久・銀花
【POW】
私の所持品の『封刃の鞘杖』を使って【誘導弾】を【クイックドロウ】で放って射撃戦開始。
牽制して他の猟兵の行動の支援をします。

物陰に隠れての全うな銃撃戦なので相手の土俵です。
これならば相手も戦闘についての目算が色々と付くのでやりやすいでしょう、しかしそれこそが罠。

そうでない人から目を反らさせる為の作戦です、早くこちらを片付けて~する、に思考を誘導します。

埒が明かないように慎重にやるので、業を煮やすでしょう。
大きな攻撃が来たら人狼咆哮で掻き消してやります、私の隠し玉を見た敵は寄りこちらに注目すると思うんです。


シエル・マリアージュ
【トリニティ・エンハンス】で防御力を強化して戦闘開始。
聖銃剣ガーランドの射撃で繰り返しリキッドコンピューター本体を狙っていく、それを阻もうとファントム・ガンマンが動くだろうけど構わず攻撃を続けます。
敵の攻撃を【火炎耐性】と【オーラ防御】で軽減しながら耐え【戦闘知識】でファントム・ガンマンの弱点を探します。
弱点を見つけたらトリニティ・エンハンスを攻撃力強化に切り替え、【2回攻撃】で続けざまに銃弾を発射、1発目で【鎧無視攻撃】で防御を貫き【衝撃波】で傷を広げてガンマンの身体に穴を開け、2発目の【誘導弾】で穴を通してリキッドコンピューター本体を【衝撃波】や【属性攻撃】の電撃で強化した弾で狙い打つ。




 アマルテア情報艦隊の内の一隻。
 その内部へと転送された亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)は、部屋の奥に粘性の液体に満ちたプールが存在することを確認する。
 あれが目的のリキッドコンピューターと見て間違いないだろう。
「情報の蓄積、作戦の立案……つまり此処が銀河帝国の頭脳なんだな。しっかり潰してから進もうじゃないか!」
 珠が武器を構え、一歩踏み出すと同時に、その足元へと一条の熱線が炸裂し、その動きを制した。
 特別驚きもせず、彼女が熱線の放たれた先へと視線を移せば、そこには一人の男の姿。
 ファントム・ガンマン、幾度となく猟兵達の前に立ち塞がった男だ。
 しかし、目の前に立っているそれが本物でないことを、彼女は知っている。
「本当にお前は液体なのか? そうは見えないな……いや敵ながら驚かされる」
 珠の言葉にニヤリと口角を上げたのも、プログラムされた行動なのか。
 考えることは尽きないが、今すべきはコンピューターの破壊、頭を切り替え、ガンマンを真っ直ぐ見つめる。
 相手の指が、ブラスターへとかかったその瞬間。
「俺たち、召喚!」
 100を超える数の小型となった珠が現れ、その姿をガンマンから覆い隠す。
 放たれた熱線が小型珠を一人消滅させるが、その程度では焼け石に水だ。
 薙刀「狐の爪」を持ち突撃をかける小型珠達へと、ガンマンの注意は逸れ。
(今……!)
 シエル・マリアージュ(天に見初められし乙女・f01707)が飛び出したのはその瞬間だった。
 彼女の持つ聖銃剣ガーランドから放たれた魔力の弾丸が、リキッドコンピューターの入ったプールへと着弾する。
 流石にそれだけではプールに張られた装甲を抜けはしないが、ガンマンの姿が一瞬ブレ、リキッドコンピューターを破壊することがガンマンの撃破に繋がることを示していた。
 ガンマンはシエルの動きを阻止しようとするが、物陰から放たれた一発の弾丸がその手を弾き、シエルへの攻撃を防いでみせる。
 その弾丸の主、弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)は、あえて相手の土俵、距離を取っての銃撃戦を挑む。
 それは敵も望む所。ブラスターの一斉射撃によって小型珠の多数を吹き飛ばし、ガンマンは彼女の狙い通りに銃口を銀花へと向け、誘いに応じる姿勢だ。
 銀花はそのまま物陰に隠れながら、手にした封刃の鞘杖から放つ魔力の弾丸で応戦しつつ、目線を珠へと送る。
 それを受け取り、珠は強く足を踏み切って空高く跳び上がった。
 疑似重力がその身体を捕らえ、床へと叩きつけようとするが。
「跳ぶぞ!」
 彼女の足が、何もない虚空を蹴りつけて再び上昇する。
 珠の二つ目のユーベルコード、風渡りによってリキッドコンピューターに迫る彼女の姿に、ガンマンは気づかない。
「焦げ付きな!」
 放たれた狐火が、コンピューターを焼かんと燃え盛る。
 そのダメージで姿を幾度かブレさせながら、ガンマンは今度こそその銃口を銀花から引き剥がした。
 その銃口は未だ空中に浮いたままの珠に、ではなく。
「気づきましたか」
 ガンマンへと銃口を向けていたシエルを捕らえ、トリガーが引かれる。
 放たれた熱線はシエルの肩口を射抜くが、三種の魔力によって身の守りを強化していた彼女が怯むことはなく、即座にその魔力を火力へと転換し、引き金を引く。
 放たれた弾丸はガンマンの胴体を穿ち、続けざまの第二射がその穿たれた穴を抜けて後方のリキッドコンピューターに炸裂した。
 弾丸に込められていた雷撃のダメージからか、その身体を不自然に痙攣させつつ、ガンマンはブラスターの出力を高めていく。
 攻撃直後の珠とシエルの体勢は不安定なまま、ブラスターの照準が二人を捉え。
「やらせません!」
 銀花のあげた咆哮がガンマンを襲う。
 『音』による衝撃によって、その液体の身体は全身が波打ち、端々から崩れていった。
 足が崩れると同時にガンマンの身体は吹き飛び、リキッドコンピューターへと叩きつけられる。
「音による攻撃……当たり、だったようですね」
 本体から補給された液体によって、すぐに身体は修復された。
 しかし、その動きが先程までより精細を欠いているのは、誰の目にも明らかである。
 この液状のコンピューターに感情というものがあれば、自らの危機に「焦り」を感じていたのは間違いないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィン・スターニス
先のジャミングといい、今回の装置といい
ドクター・オロチは嫌な相手ですね
ですが、一つだけ感謝はしています
こんなに近くで見守ってくれていた事に気付かせてくれたのですから
心配性で過保護な本当に困った方々です
ですが、嬉しく頼もしいですね
では、参りましょう。先へ進む為に

龍域の郷を使い、手数を増やします
強化された敵の隙を作る為、
連携しての波状攻撃をお願いしましょう
時間を稼ぎ、僅かでも隙ができれば、
それを逃す皆では無い、はずです

龍域の郷が解除された場合は、
弓による援護射撃を中心に、
敵の動きを見切り、手足や急所を狙って狙撃します
少しでも動きを鈍らせるのです

敵の攻撃には、挙動に注意し、
射線を見切って回避です


甲斐・ツカサ
コンピュータが再現した相手なら、コンピュータ本体を壊せば良いよね!
オレが相手の注意を引き付けるから、そっちは頼んだ!!

初っ端からコード発動して、同時にホログラムで自分の分身を投影
赤いマントとマフラーで相手の気を惹きながら、纏った風から放つものと籠手から放つもの、二種類の空気を足場に、そしてワイヤーを使って足場がなくとも、縦横無尽に跳ねまわって的を絞らせない!

オレを狙えば狙う程、他のみんなが自由になるよ!
それならオレを無視する?
その場合は、攻撃だけじゃ済まないよ
ゴーグルを通してハッキングしてコンピュータとの接続を邪魔したり
それに、ブラスター用のエネルギーカートリッジ、隙があれば頂いちゃうからね!


シル・ウィンディア
ついにここまで来たかぁ…
さぁ、あと一息だから、頑張らないとねっ!!

味方が引き付けてくれて、隙をさらしたら
【高速詠唱】と【全力魔法】のエレメンタル・ファランクスで
一気に押しに行きますっ!
切札を最初に使わないなんて誰がいったかな?
これで流れを作らせてもらうからっ!!

撃った後は、間髪入れずに
【空中戦】と【残像】、【フェイント】を駆使して
三次元機動で敵を翻弄しつつ
二本の光刃剣を両手で束ねてもち、一本の大型剣にして斬りつけるよ

攻撃時は、切り返しも含めた【フェイント】、【二回攻撃】で
攻撃を行うね

敵攻撃は、【第六感】で感じて、【見切り】で回避を行うよ
被弾しかけたら、【オーラ防御】で軽減をはかるね


架空・春沙
情報を得れば強い、情報を失えば弱くなる…
道理ですね
では、後のためにも、彼らの罪をここで断つとしましょうか

先制攻撃で緋鎌一閃
2回攻撃で更に傷口を抉りましょう
さぁ、懺悔なさい

以降は誘惑やおびき寄せで敵の注意を引き付けつつ、武器受けで防御
フェイントを交えたりなぎ払うようにして、断罪の緋鎌を振るって攻撃していきます
敵の注意が自分から逸れたら、即座に目立たないからの暗殺でダメ押し攻撃です


リリスフィア・スターライト
旅団でチームを組んで連携して行動するつもりだよ。

事前に艦内のリキッドコンピューターのある空間を
情報収集で特定してから乗り込めたらかな。
ボスを引き付けてくれている間にコンピュータ本体のある
空間への直接攻撃を狙うよ。
ボスを避けるのが難しいようなら天体破局で
広範囲の雷の嵐を引き起こして
ボス毎、コンピュータの液体を巻き込んで破壊もしくは
処理能力を鈍らせることが出来ればかな。
間違っても仲間の猟兵を巻き込まないようには注意だね。

「この嵐、処理できるなら処理してみなよ!」
「色々調べてみたいけれどそうも言っていられないね」




 時折全身を痙攣させながら、それでいてニヤリと浮かべる笑みを一切変化させることのないガンマンを見て、フィン・スターニス(七彩龍の巫女・f00208)は不愉快そうに眼帯に隠れた表情を歪めた。
(ドクター・オロチ、嫌な相手ですね)
 近づいた者の心を抉る防衛装置、そして今目の前にいる、別の存在の姿だけを模して戦わせる装置。
 どちらも陰湿さを表したかのような存在だ、その存在は不快で、それでもフィンは、一つだけ感謝の念を抱いていた。
(こんなに近くで見守ってくれていた事に気付かせてくれたのですから)
「祈りを糧に現れよ、龍に守られし里の勇士達」
 フィンの側に現れたのは、一人の宮司。更にその周囲には各々武器を構えた何十人もの人々が、彼女を見守るように佇んでいる。
 それは、自身の心の闇を乗り越えたからこそ気づけた存在。
 命を失ってからも尚、彼女を側で守り続けてくれた、家族達。
(心配性で過保護な、本当に困った方々です)
 そんな事を思いながら、口元に小さく浮かんだ感情が彼女の心根を表して。
「では、参りましょう。先へ進む為に」
 その言葉を合図に、村人の霊達はガンマンへと突撃をかける。

(情報を得れば強い、情報を失えば弱くなる……道理ですね)
 村人の霊達へ応戦を始めたガンマンの動きは、やはり悪い。
 その様子を観察していた架空・春沙(緋の断罪・f03663)は、リキッドコンピューターのダメージが大きいことを確信し、手にした大鎌を構える。
「では、後のためにも、彼らの罪をここで断つとしましょうか」
 淡々と、普段の明るさを沈めて感情を見せぬままに大鎌を振るい。
 その軌跡をなぞるように飛来する衝撃波が、ガンマンの左腕を斬り裂いた。
 しかし、そこは元々液体の存在。腕の断面同士が波打ったかと思えば、互いに細く伸びて元通りにくっついてしまう。
 自身に攻撃を加えた者を狙おうと銃口を構え、その瞬間には既に春沙は懐へと入り込んでいた。
「さぁ、懺悔なさい」
 二度目の斬撃は直接ガンマンの胴を薙ぎ。
 再び再生しようとしたその全身へと、村人たちの武器が突き刺さった。
(決まったか?)
 全身を串刺しにされたガンマンの姿に、甲斐・ツカサ(宵空翔ける冒険家・f04788)は一瞬そんな思いを巡らせる。
 されど次の瞬間、その身体が不自然に波打ったのを目にして意識を切り替え、戦闘を続ける二人へと声を上げた。
「二人共気をつけて!」
「っ!」
 その声に春沙が反応するよりも早く、全身を液状へと戻したガンマンはその状態のまま素早く村人たちの囲いを抜け、素早く人型へと戻るとフィンへと熱線を放つ。
「くっ……」
 その攻撃はフィンを僅かに掠め、ガンマンを追い詰めていた守護霊達がかき消えていく。
 それを口惜しげに見ながら、彼女はすぐさま和弓を手にして、ガンマンの動きを制そうと狙いをつける。
(やっぱコンピュータ本体を狙った方が早いか!)
 液体へ物理攻撃を繰り返しても決定打にはならない、そうと決まればツカサの動きは早かった。
「過去も未来も、何処にでも。吹き抜ける風を見せてやる!」
 蒼く透き通る風がツカサを包む。
 その風を受けてはためくマフラーが自らの力を引き上げるのを感じ取り、彼はガンマンへと駆け出していった。
 その速度はかなりのものだが、真正面から来る的を外すガンマンではない。
 早撃ちされた熱線はツカサの姿を捉え―――僅かなノイズだけを残してすり抜ける。
『?』
 そこで初めて、ガンマンの動きに『戸惑い』が表れた。
 電子ゴーグル「Aby-STerra」によって自身そっくりのホログラムを生み出していたツカサは、その隙を見逃さずに今まで待機していた二人へと呼びかける。
「そっちは頼んだ!!」
「任せて!」
「今なら、直接狙える!」
 シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)とリリスフィア・スターライト(多重人格者のマジックナイト・f02074)は、ガンマンが圧縮された風を操り自在に飛び回るツカサへと注意を惹かれている隙をついて、リキッドコンピューターへと駆けていく。
(さぁ、あと一息だから、頑張らないとねっ!!)
 この艦隊を抜ければ、敵の幹部級であるドクター・オロチを射程に収め、銀河皇帝とも対峙できるまであと僅かだ。
 そのためにもこの戦いは負けられない、シルは全身の魔力を高めながら、気合を入れる。
(色々調べてみたいけれど、そうも言っていられないね)
 そんなシルの横を並走しながら、リリスフィアはリキッドコンピューターへの興味を湧かせつつも振り払う。
 事前に試みていた情報収集では、戦場となる空間の地形程度しか得ることができなかった。
 リキッドコンピューターに存在するはずの、銀河帝国が集めた情報には何か有益な物があるのではないだろうか、そんな思いを抱きつつ、操作方法も不明瞭な物のために、目の前の敵を見逃すわけにもいかない。
 コンピューターへと迫る二人を察知し、ガンマンは二人の背へとブラスターを向けようとするが、フィンが腕を射抜いて阻止をする。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ……!」
「この嵐、処理できるなら処理してみなよ! 唸れ雷光、轟け嵐、渦に飲まれ、全てを灰燼に帰せ!」
 4属性を複合させた魔力砲撃、エレメンタル・ファランクスがコンピューターの装甲を穿ち。
 雷の渦によって全ての敵を呑み込む術、天体破局によって、リキッドコンピューター本体である液体部分が、雷に焼かれていく。
 今まで力を温存し、一気に解き放った二人の攻撃が、リキッドコンピューターを機能停止へと追い込んだ。
「これで残すは!」
「あの偽物だけだね!」
 二人が振り向けば、当のガンマンは既にフィンや春沙、ツカサ達によって追い込まれている。
 情報処理の大部分を担っていた本体を潰されてしまえば、もはやこの端末に残された戦闘能力は殆ど無い。
 ツカサが素早い身のこなしでガンマンの身体を掴んで、投げ飛ばし。
「これで、トドメぇ!」
 二本の光刃剣を束ね、一本の巨大な剣と化したそれを振るったシルの一撃が、ガンマンの身体を両断。
 本体を失ったその身体は、今度こそ再生することができなかった。


 こうして、アマルテア情報艦隊の内、一隻が撃沈される。
 その光景を静かに見つめるドクター・オロチが何を思っているか、それは、誰にもわからない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト