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銀河帝国攻略戦⑲~奇跡を、もしも起こせるのなら

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●研究開発開始
「銀河帝国攻略戦はみんなのおかげで順調だよ、ありがとう」
 水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)は猟兵たちの前でにこやかな顔でお礼を言った。だがすぐにその顔はまじめさを取り戻す。
「少し前にエンペラーズマインド・コアのところに行く猟兵達への説明会で『オロチ・ウイルス』ってのを聞いたみんなもいると思う。実はそれを満載した突撃艇群が見つかった」
 ざわめく猟兵たち。そんなのが、解放軍に突撃されたら――。
「――阿鼻叫喚、この世の地獄、間違いなしだね。これは、確実に阻止しないといけない――けど」
 けど? と不安げな猟兵たちの前で可奈は銃を机に置いた。
「ぶっちゃけ、無理。奇跡でもないと」
 えー、という声が上がる猟兵たち。
「存在を隠蔽されて各所に散ったオロチウイルス突撃艇群全てを発見、撃破するのは不可能だし、ワープしてくる敵を予測して全てを撃破する事も現状では無理」
 じゃあ、ウイルスだし、抗体があれば――と声を上げる一部の猟兵。
「うん――エンペラーズマインド・コアのコアマシンルームに踏み込んだ、猟兵達が『オロチウイルス』のサンプルを持ち帰ることに成功はした。さっそく組織でもミディア・スターゲイザーをはじめとして『古代遺跡船』に、スペースシップワールドの科学技術の粋を結集し、抗体作成の研究を進めてる。現在進行形で。だけど――『古代遺跡船』と『スペースシップワールドの科学の粋』の総力をあげても、通常の方法じゃあ、オロチウイルスの抗体を短期間に完成させる事は『奇跡でも無い限り』無理。」
 そう続ける可奈だが――次の瞬間。机に置いた銃を再び手に取り、何かに取りつかれたかのように呟く。
「――『奇跡』が無ければ不可能ならば、『奇跡』を起こせばいい。私たちの『ユーベルコード』こそ、『奇跡』の力。――これ以上、犠牲を増やしてたまるか。今度こそ――救う」
 と、ふと我に返ったかのように猟兵たちの方を向く。
「ごめん、芝居半分、私情半分出ちゃった。でもそういうこと。みんなには――研究をしてほしい。オロチウイルス抗体の、研究を」
 古代遺跡船の研究施設は多くの船から持ち込まれた多種多様な機材が運ばれており、広大な研究エリアが発生している。そのため機材は十分だ。文明の範囲内ならばなんでもできるだろう。またミディアが必要ならば手を借りることもできなくはない。

「やり方はなんでもいい。私たちの奇跡で、オロチウイルスに立ち向かおう」
 可奈は再び猟兵たちの眼を見てそう言った。


結衣謙太郎
 結衣です。理系な研究シナリオ。になるかはわからないですが。オロチウイルス抗体研究です。
 ユーベルコードさえ使えば手段は自由です。いいアプローチにはボーナスを与えることもあるでしょう。正解はないので、自由にやってください。普段戦闘で使えないようなユーベルコードも出番があるかも?
 最後には研究成果をまとめて提出し託すことになります。このシナリオ1本だけで完結はしないと言うことは、伝えておきます。

 なお、このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 冒険 『オロチウイルスの抗体を開発せよ!』

POW   :    オロチウイルスを摂取し、未完成の抗体とユーベルコードを駆使し、全力で耐え抜く事で抗体のヒントを得ます

SPD   :    圧倒的処理速度で演算を行なったり、肉眼では確認できないウイルスの動きを見切り、その特性を導き出します

WIZ   :    集積された膨大な情報を高速処理するなど、ユーベルコードを利用して開発に貢献する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レクシア・ノーレッド
抗体を作るの!?うぇ、辛いなぁ…
…でも私なりに、皆の手助けに…被検体に、なろうかな!

【SPD】

複数に分裂できる、という点を活かすよ!
2~30体程度に分裂して、3体を除き全部にウイルスを摂取させる!
思考能力は共有してるから、動きや特性は全部感覚で掴みにかかるよ!

被検体が足りないなら【ロリシアちゃん】も召喚してさらに接種させて、経過が見たい人とかが居るならそっちにも回して、試行回数でどんどん試していこう!
1回や2回じゃ分からない事も、何十回と試せる私なら、だんだん掴めるはず!

…きっと私は苦しいけど、大丈夫!薬の被検体になるのは、慣れてるから!

【アドリブ・連携歓迎】


ルーレイ・バーンシュタイン
ウィルスの治験ですか。やっぱり人体への影響を考えると自ら摂取するべきなんでしょうけど、私のUC『一輪の花』で対抗できる花や鎮痛効果のあるものを準備できるでしょうか。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるのっていいますし?」
他の方々の手伝いに回ったりできるなら、それもいいですね。
私は私にできることをしましょう。

アドリブ絡み歓迎



●被験者は多いほどいい?
 レクシア・ノーレッド(ひとりうちゅうせんそう・f01101)は待っていた。抗体ができるのを。彼女が座っている椅子の辺りには、【被験者募集】と書かれてある。そう、レクシアは被験者になろうとしていた。
 ……って、数が多くない?エリアのほとんどがレクシアと同じ姿なんですが?2~30体くらいいるんですが?
「実験体になるのは慣れているし、1回や2回じゃ分からない事も、何十回と試せる私なら、だんだん掴めるはず!」
 数こそはパワーだ、と言い張るレクシアだった。

 というわけで、研究者の1人がレクシアの1人を呼んだ。さっそく抗体を注射する。
(ビクンッ!)
 体をむしばむような感覚。これがオロチウイルス抗体か。正直、痛い。……あれ、ベンチメンバーみんなも同じところ押さえてる!?
 そう、レクシアたちはみんな感覚共有している。これにより情報をまとめやすくしているのだ。なにこの集合知。
 以後、レクシア2、レクシア3、レクシア4……何体いたかもう忘れた……レクシアたちは3体を除き全員被検体となり終わっていた。集合知が次々に報告され、研究員が涙目でメモを取っている。
「こんな効率よいデータ収集があるか……! やはり数がパワーなんだ! 次!」
「はい」

 レクシア……じゃない!ルーレイ・バーンシュタイン(人間の探索者・f01355)だ!
「先ほどまでの方とは違うみたいだね?」
「はい、ですが何か役立てることはないかと思い……」
 ルーレイはUCでいくつか花を呼び出す。
「この花は……たぶん鎮痛効果とかのあるものだと思います。私でも何回かやれるはず……下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるのっていいますし?」
 一人の存在が何度も挑戦できるのは心強い、と研究者からGOが出る。さっそくルーレイに注射がされ、その顔がゆがむ。
「くっ……でも、散っていった仲間に何もできなかった自分を考えれば……! これで役に立てるのなら……!」
 ほぼ気合に近かったが、研究者たちの一部が自分も同じような経験をしたからか頑張れ、俺も頑張るから、という顔をする。ルーレイは必死に注射を受けながら報告しつつ花で鎮痛し、を繰り返していた。

「あのー、もう1回出来ますか?」
 レクシア軍団!? なんでまた!?
「私の花が……役に立ったみたいですね……」
 そう、レクシアたちがみんなもうだめーってなったところにルーレイの花だ。これでまた戦える(被験者的に)ようになったレクシアたちがまた並び出した。
 ねえ、被験者多くない? すごいアクセルで研究者の頭が大量の情報でパンクしない? 大丈夫?

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

仲佐・衣吹
オルタナティブ・ダブルで分身
今回は本体に僕ことベストが
分身に私ことウォッチが入ります

僕がオロチウイルスに感染するよ
うべぇ……熱と悪寒が同時に来て関節がバキバキいって歪んだ館の幻覚が見えるよ……
汗も涙も血反吐も出るけれど
トリニティ・エンハンスの魔力と強化でギリギリまで耐えるよ

私がそれ克明に記録しましょう
嗚呼ベスト、ほどほどに死なないで下さいね
至って冷静に懐中時計を見て時間ごとに
計測器の心拍数・体温・汗や痙攣の様子を報告書にまとめます
大体の魔力との相性も分かるでしょう
はっ! ベスト! 気を失ってはいけません!! まだ観察中なんですよ!!
明らかな病人を連動して強化された分身が、全力で張り飛ばします



●猟兵被験者その2
 こちらは別の研究者のスペース。レクシア軍団からはまた離れた場所。ここでも心強い被験者が来てくれた。
「はい、ですから、僕が受けて/私が記録します」
 一人称がめちゃくちゃ?これが仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)という存在だから仕方ない。
 どういうことかと問う研究者の前でもう一人の衣吹が現れる。
(以下もう一人の衣吹のセリフは『』で表現します)
『こちらの本体に被験者となってもらい、私が記録します』
「研究者さんからはわからない感覚もわかると思うよ」
 なるほど……と納得した研究者。目の前に同じ存在が2人出ても驚かないあたり、肝っ玉すわっている。

『嗚呼ベスト、ほどほどに死なないで下さいね』
「うべぇ……熱と悪寒が同時に来て関節がバキバキいって歪んだ館の幻覚が見えるよ……」
 本体(ベスト)はUCの自己強化でどうにか耐えているが、汗や涙、血反吐が止まらない。研究者もがくがく震える本体に心配さを感じるが、もう1人の衣吹(ウォッチ)が大丈夫、とほほ笑む。
『ふむ……』
 ウォッチは至って冷静に懐中時計を見て時間ごとに計測器の心拍数・体温・汗や痙攣の様子を報告書にまとめていく。
『今ベストのしているのは魔力強化……これにより大体の魔力との相性も分かるでしょう』
「あ、もう、げんか……」
『はっ! ベスト! 気を失ってはいけません!! まだ観察中なんですよ!!』
 彼方楽園に行こうとしていたベストをウォッチが張り飛ばす。死にかけ被検体にいいのかそれ、と研究者は思いながらもびっしりと書き込まれた報告書を自分の知識とかによる補足も交えつつまとめていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

宮代・夜々
■心情
実験体としての経験を猟兵としても活かせそうとはな。
この身体で役に立ちそうなら存分にウィルス研究に使ってくれ。
…なるべく他の仲間にこんな危険を背負わせたくもないしな。

■ユーベルコード
ウィルスに耐えるためのユーベルコードか……。
血統覚醒による身体強化に効果があるか…試してみるとしよう。
この技も生命力を消費するが…。幸いにも過去の実験体経験で【激痛耐性】もある。痛みや苦しみに耐えるのは得意分野だ。
それに…なにかあったとしてもそれは【覚悟】の上だ。
俺が倒れとしても…抗体が出来る事で他の仲間が安全な橋を渡る事ができるなら…。それでいい。



●猟兵被験者その3
「はあ、被験者になりたいと」
「ああ。この身体で役に立ちそうなら存分にウィルス研究に使ってくれ。なるべく他の仲間にこんな危険を背負わせたくもないしな」
 やけに被験者になりたがる人が多い猟兵たち。3か所目は宮代・夜々(舞い踊る大鎌・f14043)さん。仲間達へ莫大なお金を渡す事という交渉に乗って実験体となった過去があるらしいよ。それでなんだろうね、さっきの言葉も。
「では、ウイルスを打ち込むので、なるべく耐えてくれますか?」
「ああ」
 早速機材の準備が手早くされ、研究者が夜々に注射を1つ。夜々を生死の境目に追い込むような激痛が走る。
(……激痛には慣れている。それに、何かあったところで、俺の覚悟の上だ)
「……さん」
(……俺が倒れたとしても、これで他の仲間が安全な橋を渡れるなら、それでいい)
「……々さん」
(……誰かが傷つくくらいなら、俺が傷つく。それが俺の覚悟だ!)
「夜々さん!」
 気づけば夜々は血統覚醒で真紅の瞳のヴァンパイアになっていた。気合が入りすぎていたのか、身体強化に効果があるか試そうとしたのか、それともただの生存本能か。とにかく、研究者の言葉に夜々ははっと辺りを見渡す。
「ありがとうございます。おかげで身体強化した状態でのデータが取れました」
 機材が自分から離れていく音がする。夜々は耐えきったか、という気持ちとこれが仲間のためになったか? 俺は役に立てたか? という気持ちが半々だった。
「おかげで次の段階に進めそうです。A-23班! 抗体データHER-21を持ってきて!」
 叫んだ後、研究者が申し訳なさそうに尋ねる。
「すいませんが……もう少しだけ、被検体になれますか?」
「……」
 しばし、悩んだ後。
「……約束は違えない。この体朽ちるか、満足するまで使ってくれ」
 その言葉に満足した研究者は、その後も夜々を用いて色々実験したらしい。夜々の自己犠牲精神が、十二分に発揮されたといえよう。

成功 🔵​🔵​🔴​

泉・星流
(現在、戦争シナリオ二本参加…一方はコア破壊…とオロチウイルスに関わる依頼)

今回の話を聞いて、うってつけの人物(枸橘・水織・f11304)に連絡

なお『ME』は水織の『EA』を理論を元に星流が生み出したユーベルコード


行動
コア破壊の依頼でオロチウイルスの海?に飛び込んでいるので、多少は免疫が作られているかもしれない可能性を考えて…

水織がEAで作り出した、オロチウイルスの液体を(100/X)に薄めたものを注射(Xの値は1からスタート)…徐々に毒性を上げて免疫や抗体が作られるまで続ける
(確認は採血を行い、水織のEAやその他の研究員による検査)

…なお、当初は水織には危険だと涙目で猛反対されました


枸橘・水織
泉星流(f11303)から連絡を受けて研究施設に

「話は大体理解してます…みおの力なら役に立つと思う」

行動
EAを使いオロチウイルスを解析…フラスコ(EAで同時に作り出した)に液体化させた物を作り出す

「このまま細かく振り分けるね」
別個で成分別に試験官を作り出して振り分け、上記の物と一緒にサンプルで提出


報告
「…このウイルスが強力…かつ、抗体作成が難航する理由が分かったかも…」
言葉と同時に、『【暗黒物質】を思わせる塊が入ったフラスコ』を見せる

「意図したのか偶然なのか…多分製作者の【生命と世界…それらを守る者に対する呪い】…なのかな?…それを物質化ものなの…」

水織曰く…浄化かそれを跳ねのける精神力が抗体



●信じているから
「あの、僕も被験者になれますか」
 泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)がおずおずと研究者に語る。ぶっちゃけ、被験者もいいが、被験者が多いだけではもしかしたら研究はなかなか進まないかもしれない、と伝えると。
「大丈夫です。今回の話を聞いて、うってつけの人物に連絡しました」
 星流は指を鳴らす。すると研究者の後ろから出てきたのは彼の【別世界からやってきた、頼れる友人にして義理の妹】、枸橘・水織(オラトリオのウィザード・f11304)。
「話は大体理解してます…みおの力なら役に立つと思う」
 水織は研究者の近くにあったフラスコをいきなり手に取るとエナジーに変え、次の瞬間には大量のフラスコができあがる。
 水織は次にある試験管に入っている何かに目をつけた。
「これがオロチウイルス?」
「そうだけど、君、いきなり何を――」
 言ったところで止まらない。オロチウイルスを解析すると、先ほど作り出したフラスコに大量の液体を生み出す。
「今、私の力でオロチウイルスの液状化をした。このまま細かく振り分けるね」
 水織は別個で成分別に試験官を作り出して振り分け――
「わかった、わかったからとりあえず、誰か!試験官立てとフラスコ立て、できるだけ持ってきて!」
 丸底じゃないだけましだが、フラスコがいきなり大量に増えた現状、割れたら大変だ。試験管に至っては全部「立たない」し。

 待ってる間、星流は水織に話をしていた。
「わりぃな……巻き込んで」
「ほんとだよ……お兄ちゃん、いくら自分がコア破壊の依頼でオロチウイルスに飛び込んでいるからって……みお、この手でお兄ちゃんを殺したくない……」
 実は呼び出した時も、水織に危険だと猛反対されていた。しかしそれでも、自分ができることをしたい。その気持ちが、義妹を動かした。でも義妹もまた、今でも心配なのだ。
「……みお、本気出す。お兄ちゃんは絶対殺さないから」
「ああ、よろしくな」
 義妹の小さな手が、力強く払われた。

「100倍です」
 研究員から義妹に注射器が渡される。そこにはオロチウイルスを100倍に薄めたものが。他の研究員も集まり、機材と星流に注目している。
「お兄ちゃん、いくよ?」
 注射器が刺さる。激痛が走る――
「っ……ああ」
 いくらエンペラーズマインド・コアで経験あるとはいえ苦痛は苦痛だ。歪んだ顔に水織も心配しながらUCによる解析をする。研究員たちも機材の数字などを見ながらレポートをまとめていく。やがて研究員の1人が星流から採血をすると。
「50倍です」
 水織に次の注射器が渡された。先ほどより濃度が上がったもの。それを水織は、信じるように兄にうちこむ――

(まだ……耐えるんだ……信用してくれた水織のためにも――)
 徐々に濃くなるオロチウイルスに対し、星流は水織のUCをもとに編み出したエネルギー収束強化を用いて耐え続ける。こうして耐えていれば、いつかは結果(こうたい)がでると信じて……脳裏に浮かぶのは、エンペラーズマインド・コアのあの決戦……

「……このウイルスが強力…かつ、抗体作成が難航する理由が分かったかも……」
 すでに10倍まで研究が進んでいる中、水織がふと言葉を紡ぐ。そして片手に【暗黒物質】を思わせる塊が入ったフラスコを取り。
「意図したのか偶然なのか……多分製作者の【生命と世界、それらを守る者に対する呪い】なのかな?……それを物質化したものなの……だから」
 水織は研究者の方を向くと。
「呪いの浄化か、それをはねのける精神力。それこそが抗体なの。ちょうど、あのお兄ちゃんのように」
 水織はキメ顔でそう言った。兄、星流はまだ耐え続けている。UCの力もあるが、これだけオロチウイルスに耐え続けるのもなかなかのものだ。
「……水織」
 ふと、星流から声がした。
「……少し、楽になってきた。いい意味で」
 研究員たちがざわめく。いい意味で楽に――それはつまり。免疫や抗体ができたということだろう。
 すぐに研究員たちが採血をする。明らかに――今までとは、何かが違っていた。途端に騒がしくなる。
 水織に向かい、星流は先ほどまでの苦しみとは変わったいい顔をした。
「な――言ったろ」
 その言葉に水織は安心した笑みを返した。

●レポート回収しまーす
 かくして、様々な形で(というかほとんど被験者)猟兵たちが研究に加担した結果、内容の濃いレポートが大量に完成した。成分別の試験管には驚く研究者がいて水織が真面目に研究者として勧誘されたがそれはそれ。
 大量かつ濃密なレポートが他の研究者たちと共有される。あとは託した――参加した猟兵たちは、抗体の無事な完成を祈っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト