●
「もうわしが行くしかないじゃろうて……!」
とある村にて、年のいった男が鍬を手に立ち上がった。
「じいさん、無理だよ……いくら孫が心配だからって……」
「ええい、煩い! フェリシアが死んだら誰が責任を取ってくれるっていうんじゃあ!」
「そうだそうだ、アントンよ、俺も手伝おうぞ」
どっこいしょ、と斧を手にもう一人の老人も立ち上がる。老人達が構えているのは武器と呼ぶには程遠い農具だ。
都市への人口流出で過疎化が進んだ村には、戦える者など存在しない。
無謀にも、老人達は巨大樹へ向けて歩みを進めようとするのだった。
●
穂積・竜胆(妖狐の聖者・f09947)は焦った様子で切り出す。
「なんでも、大事なお孫さんをオブリビオンに攫われたらしいんだ」
その娘はアクアマリンの瞳に、金糸の髪を持つ、まだ5歳の少女であった。名を、フェリシアという。
「女の子を攫ったオブリビオンは、『あなたの持ってるもの、頂戴!』って言いながら連れて行っちゃったんだって」
フェリシアが持っているものなんて、ない。おそらく彼女の瞳と髪が羨ましかったのだろう。連れ去るときに何度も髪を触って、いいなぁいいなぁ、と言っていたのだ。
「でも、このオブリビオンの言う『頂戴』は……」
すなわち、破壊。
急いで少女を助けに行かねば、命がない。
だが、それ以前に。
「おじいちゃんたちが気にかかるんだよね……」
農作業で足腰はシャンとしているとはいえ、戦いに関しては素人。
敵が向かった方へ進むと勇み足で出かけたものの、村からろくに出たことがないような人たちだ。
「止めないと、これは二次被害になるよ……」
まずは、老人達を何とかして村に押しとどめることが先決なようだ。
狐路ユッカ
お世話になっております狐路です。
じいじ無茶すんなって。
第一章:おじいちゃんらの無茶を止めてやってください。どのように止めてもOKです。ついでにフェリシアを連れ去ったオブリビオンがどこへ向かったか探れるとよきです。
第二章:巨大樹を探索します。フェリシアとオブリビオンを探しましょう。
第三章:フェリシアを連れ去ったオブリビオン、『嫉妬』のステラ』との対決です。
無事に撃破し、フェリシアを村へ帰してあげましょう。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『老人達の意地』
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POW : 自分たちの力を見せつけて説得する等
SPD : 老人から武器を取り上げる、トラップで妨害する等
WIZ : 誠意を込めて会話し説得する等
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ビードット・ワイワイ
待たれよ老人。
かような歳、かような武器では奴等に敵わぬ。それは汝も分かるであろう。もし分からぬならそれはいと悲しきこと。されど汝は運が良き。敵わぬならばどうするか。我を頼るが良かろうて。
実行仮想破滅・さらなる火力を
地面に叩きつけ実力を示す。
汝にこれが可能なり?できるならば何も言わぬ。それで汝は如何せり?
言い分無き?さすれば少女はどこで連れ去られどこへ連れ去られしか分かりけりけり?大まかに分かりさえすれば我が探し出してしんぜよう。
「皆の者立ち上がれぇぃ! 行くのだ、わが村の宝、フェリシアを救うのだ!」
顔に刻まれた深い皺、まがった腰。どう見ても無理だ。誰が見てもわかる。その老人達へ声をかけたのは、ビードット・ワイワイ(根源的破滅招来者・f02622)だった。
「待たれよ老人」
「む、止めてくれるな!」
老人の1人が鍬を手に振り返った。
「かような歳、かような武器では奴等に敵わぬ。それは汝も分かるであろう」
うぐ、と老人が言葉を飲む。
「もし分からぬならそれはいと悲しきこと。されど汝は運が良き。敵わぬならばどうするか。我を頼るが良かろうて」
「し、しかしあんたは一体何者なんだい、あんたにできるのかい」
村に関係ない者を巻きこめないという老人を見て、ビードットはガンッ、と獲物を地に叩き付けて見せた。
「!?」
叩き付けたところを起点に、地が割れる。
「汝にこれが可能なり? できるならば何も言わぬ。それで汝は如何せり?」
「お、おお……」
「言い分無き? さすれば少女はどこで連れ去られどこへ連れ去られしか分かりけりけり? 大まかに分かりさえすれば我が探し出してしんぜよう」
「ほ、本当か?」
にわかに、老人達がわきたった。しかし、まだ頑固に農具を抱えたままの者も居る。
大成功
🔵🔵🔵
アスカ・ユークレース
私、知ってますよ
こういうのを年寄りの冷や水と言うのですよね?
【コミュ力】を使ってなんとか村にとどまってもらうよう説得
お孫さんは私達が絶対に助けるので、貴方達はお孫さんが帰ってきたときに優しく迎え入れて欲しい。余所者の私達にはそれはできないから
場合によっては自分の力を見せつけることも選択肢に入れておく
説得できたら
オブリビオンが去っていった方角や目撃情報を村人らに聞いてみる
アドリブ歓迎
レイ・アイオライト
【POW判定】
孫のことが大事なのは分かるけど、それでどちらとも死体になっちゃ元も子もないわよ。間に入って力づくで止めるわ。
難癖をつけてきたら、【斬影ノ型・閃煌】で近くにあった岩やら木を神速の太刀筋で両断、力量ってのを思い知らせる。
流石に暴走状態の老人たちも目が覚めるでしょ。
『情報収集』で老人たちからオブリビオンが向かった先を確認するわ。
オブリビオン狩りはあたしたち猟兵の仕事、アンタたちがするのは、孫が帰ってきたときに笑顔で迎え入れることぐらいよ。
帰ってきたときに居場所がなくなって後悔するのはアンタたちじゃなくて少女の方。
分かったらさっさと家で待機してなさい。
フレミア・レイブラッド
良いんじゃないかな?逝きたいなら逝かせてあげれば♪
ただ、フェリシアちゃん、だっけ?あなた達が怪我したり死人が出て、その子や残された大事な人達がどんな気持ちになるか、どんな風に思うか考えてから行くコトね。
といった感じで良い捨てて説得。
それでもまだ戦うつもりなら、サイコキネシスで強引に武器(農具)を浮かせて取り上げ、「わたし程度でもこれくらいできるの。少なくとも、わたしを倒せるくらいの力を持ってから言いなさい」とサイコキネシスで取り上げた武器を持ち主の目の前にそのまま突き立てて威嚇して諦めさせる。
※アドリブ歓迎
(「私、知ってますよ、こういうのを年寄りの冷や水と言うのですよね?」)
アスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)は頑固そうな目をした老人がそこから動かないのを見て、歩み寄る。
「お孫さんは私達が絶対に助けるます」
「なんだと」
老人はアスカを見るなり、首を横に振る。
「そんな……お嬢さんを危険な目に遭わせるわけにはいかん。それに、あんたらは余所者だ。余所者に迷惑かけるわけには」
遮って、アスカは続ける。
「貴方達はお孫さんが帰ってきたときに優しく迎え入れてあげてください。余所者の私達にはそれはできないから……」
そうでしょう? と言うと、老人は口を噤む。
「孫のことが大事なのは分かるけど、それでどちらとも死体になっちゃ元も子もないわよ」
レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)は小さくため息をつく。その言葉に、フレミア・レイブラッド(幼き吸血姫・f14467)が笑った。
「良いんじゃないかな? 逝きたいなら逝かせてあげれば♪」
死ににいきたいならね、と。
「わしらは……」
死なない、絶対にフェリシアを助けると言いかけた老人を制止し、フレミアは言葉を続ける。
「ただ、フェリシアちゃん、だっけ? あなた達の中に怪我人や死人が出て、その子や残された大事な人達がどんな気持ちになるか、どんな風に思うか考えてから行くコトね」
それでも、と老人達は武器を捨てない。
「わしらが束になってかかればあるいは」
まだそんなことを言うのか、とフレミアは老人の農具にサイコキネシスをかける。
「な、なんだ……!?」
男が持つ斧が、ぐぐ、と震えて老人のか弱い握力にサイコキネシスが打ち勝った。そのまま宙高く浮き上がらせると、老人の目の前にドスンと落として見せる
「ヒッ……」
「わたし程度でもこれくらいできるの。少なくとも、わたしを倒せるくらいの力を持ってから言いなさい」
どよめく老人達。
そこにトドメを刺すように、レイは近くにあった岩に斬りかかった。
「な、何しとるんだ嬢ちゃんよ」
「良いから、見て」
既にレイは剣を鞘へ収めている。すると、岩がずず、と音をたてた。
「え……」
ばき、ばき、と軋む音のあと、真っ二つに岩が割れる。
「オブリビオン狩りはあたしたち猟兵の仕事、アンタたちがするのは、孫が帰ってきたときに笑顔で迎え入れることぐらいよ」
「なんて力だ……」
農具を取り落とし、老人達は猟兵に縋るようにして請う。
「頼んで良いのか、あんたらに……」
猟兵たちは揃って頷く。
「帰ってきたときに居場所がなくなって後悔するのはアンタたちじゃなくて少女の方。分かったらさっさと家で待機してなさい」
ああ、でもその前に、とアスカは口を開いた。
「皆さん、オブリビオンが……フェリシアちゃんがどこへ連れ去られたか、見ていた方はいらっしゃいませんか? 方角だけでも」
すると、口々に老人達が答える。
「こっから東のほうへ飛んで行ったんだ。あっちには巨大樹がある。ここからでも見えるくらいの……」
「あとはひらけた野ッ原だ、根城にしてるとしたらそこくらいしか思いつかんな」
ただ、老人達の中に実際にそこへ出かけたことがある者はいない。
「何があるかわからん、おっかねぇ怪物が住んでるとか言う噂も聞いたことがある。気を付けて行くんだぞ」
そう言うと、老人は祈るように頭を下げるのであった。
大成功
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第2章 冒険
『超巨大樹攻略』
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POW : 気合で登る
SPD : 道具を巧みに使いこなして登る
WIZ : 登りやすい場所を探す
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フレミア・レイブラッド
はぁ…柄にも無いこと言っちゃったかな。まぁ、一度約束したことを翻すのも主義じゃないし、少しはやる気出そうかな……犯人も気に入らないし、ね。
なるべく人が乗れるくらい太い枝が密集してる箇所に目星を付け、念の為にフック付きワイヤーを引っ掛けながら【サイコキネシス】で自分を浮かせながら枝から枝へと登っていくわ。
地道に登っていくのは大変だしね。
それにしても、大きな木ね…。神木にでもなってるのかしら…。
※アドリブ歓迎
レイ・アイオライト
【SPD判定】
こんなところに本当にいるの?……いるとしても、普通に考えれば樹の頂上だけど……。
まあ、情報の収集と不安定な足場を駆け回るのは盗賊の十八番だし、気を引き締めて行くわよ。
大樹にフェリシアかそのオブリビオンの痕跡がないか『情報収集』『第六感』『追跡』をしながら登っていくわ。「雷竜真銀鋼糸」と「闇ノ足音」を駆使しながら超高速でね。
途中、敵との遭遇や落下物があったら影のオーラで『オーラ防御』、後は影の刃で他の猟兵が登りやすいように大樹を上手く斬って足場を作っていくわね。
……あの老人たち、この大樹登ろうとしてたのかしら。
(アドリブ歓迎です)
(「はぁ…柄にも無いこと言っちゃったかな」)
フレミアは、先刻老人達に向けて言ったことを振り返って小さく苦笑する。しかし、一度約束したことを翻すのは彼女の主義に反する。それならば。
「少しはやる気出そうかな……犯人も気に入らないし、ね」
そう呟きながら、その瞳には明確な意志が宿っていた。
早速、人が乗れるくらいの太い枝が密集しているところを探す。
(「あの辺なら」)
ぐっと踏込み、フック付のワイヤーを思い切り投げ、引っかけた。これを登りきるには、もう気合いと根性だ。フレミアは枝から枝へ、ひたすらに上を目指す。
(「それにしても、大きな木ね……神木にでもなってるのかしら……」)
だとしても、今はオブリビオンの根城。一刻も早く見つけねば、とその足を速めるのであった。ふと、足元を見る。
「金の……」
糸、いや、髪か。確実に誰かここにやってきている。その確証は、得られた。
「こんなところに本当にいるの?」
レイは、巨木を見上げると小さくため息をつく。
「……いるとしても、普通に考えれば樹の頂上だけど……」
これを登っていくと考えると、流石に気が遠くなる。しかし、情報の収集と不安定な足場を駆け回るのは盗賊の十八番だ。
「気を引き締めて行くわよ」
大きく息を吸って吐くと、レイは早速枝に足をかけた。
大樹にフェリシア、もしくはオブリビオンの痕跡がないか、目を凝らしながら上を目指す。『雷竜真銀鋼糸』をひっかけて、上の枝へ。出来るだけ足音を忍ばせながら、上へ、上へ。
「あ」
自分だけで登っているわけではないのだ。レイは手にしたダガーで木の蔓を斬りつける。ぶちん、と音をたてて、ロープのように蔓が下へと降りた。軽く手で引っ張って、強度を確認し、軽く頷く。更に、枝が邪魔して通りにくいところを軽く斬りながら足場を確保し、先へと進んだ。これで、後に続く猟兵も登りやすくなるはず、と。
それにしても……。
「……あの老人たち、この大樹登ろうとしてたのかしら」
私でこれだけ大変なんだから、絶対無理ね。
――止めてよかった。深くため息を落とすのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ビードット・ワイワイ
さて、かような大樹を前にしては我の巨躯もかすみけり
登るならば些か手段を選ばねばなるまいて
UCにて飛行装置を作成。これを補助と使いて登りきろう
我が巨躯では登ることも困難なり
【念動力】にて姿勢制御をし【ロープワーク】にて鉤付きロープを
放ちながら樹から離れぬようにせり
途中での落下物は【オーラ防御】にて防ごう
やはり我の巨躯はかような場合には不便かな
「……さて」
ビードットは遥かにかすむ大樹の頂上を見上げ、首を捻る。
(「かような大樹を前にしては我の巨躯もかすみけり」)
2mを優に超える巨体を持つビードットだが、巨木は更に高く高くそびえている。
「登るならば些か手段を選ばねばなるまいて」
ぐ、と踏み込み、ガジェットショータイムを繰り広げる。
「おぉ」
ひとつ、上手く出来上がったものがあった。飛行装置だ。
「これを補助と使いて登りきろう」
とはいえ、ビードットの身体を支えるほどのサイズ、力はない。どうしたものか。ビードットは少し考え、姿勢を整えながら木の枝に足をかけた。そして、鉤付きのロープを放ち、木の幹にひっかける。
「これで離れぬか」
さすがに、自分の重みも気になる。うっかり枝を折らぬよう、落ちないよう……、しかし手早く。
(「……我が巨躯では登ることも困難なり」)
ちょうど、木の枝が絡みあって踊り場のようになっている場所に出た。そこで、一息つくとビードットは小さくこぼすのだった。
「……やはり我の巨躯はかような場合には不便かな」
その時だ。
――わぁああああん。
童女の泣く声が、上部から聞こえたのだ。
「やはり」
この先か。
はやる気持ちを抑え、最上部を目指す。無事でいてくれと願いながら。
大成功
🔵🔵🔵
小宮・あき
お話聞きました。途中参戦ですが、手助けさせてくださいな!
●登りやすい場所を探す
周囲に鳥さんは居ないかしら?
【歌唱】で【おびき寄せ】をしましょう。
歌の中に【動物と話す】で「手伝ってほしい」「困っています」と混ぜましょう。
【動物と話す】継続、事情を説明。
「登りやすい場所を知りませんか?」
お礼に、いくつか木の実を持っていますので、好きな物を選んで貰おう。
実際に登るのは私の腕ですね!
【クライミング】の技能を駆使して登ります!
【視力】で幹をしっかり見て【世界知識】で安全な幹か判断。
【第六感】【野生の感】でピンときた場所に登っていきます。
【聞き耳】で落下物を察知し【早業】【ダッシュ】【ジャンプ】で回避!
小宮・あき(人間の聖者・f03848)は、枝を軽やかにわたりながら周囲を見回す。
(「鳥さんは居ないかしら?」)
これだけ大きな木なら、きっと何かしらの小動物がいるはず、と、柔らかく明るい歌を歌い始めた。すると、彼女の美しい囀りに呼応するかのように小鳥の声が響く。
「あ、やっぱり……!」
あきは、小鳥に懇願するようにその詞の中に『手伝って』と、言葉を織り込む。ピチチ……と答えた小鳥が、今度はリスを連れてきた。
「登りやすい場所を知りませんか?」
リスは、あきの問いに、こちらへおいでというように走り出す。
「あぁっ、待って……! これ、お礼です」
ぽろぽろと両手から木の実をこぼしながら、あきはリスの後ろを走った。リスはここから登るといいよ、というように鼻をふんふん言わせて幹をカリカリと引っかく。
「ありがとうございます……!」
あきは頷くと、木の実を抱えたリスに手を振って幹へと足をかける。ここからは自分の力で。上へ、上へと目指す中で小さな少女の泣き声が聞こえてきた。
(「間違いありませんね……」)
この道だ。確証と共に駆け上がる――!
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『嫉妬』のステラ』
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POW : あたしすごい?ほんと?……でっしょー!(ドヤ顔)
戦闘力のない【動画撮影ドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【視聴者の応援】によって武器や防具がパワーアップする。
SPD : そんなの、あたしだってできるんだから!
対象のユーベルコードに対し【正確に全く同じユーベルコード】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ : 違っ……あたしそんなつもりじゃ……
【槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【召喚ドラゴン】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠リサ・ムーンリッド」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
焔邑・彩
女の子を攫って行ったのはあなたね。
怖がってるじゃないの。
私達が相手してあげるから、その子は帰してあげて。
私のユーベルコードを真似するのね。
なら、降魔化身法の代償も一緒に真似してね。
今回の代償は呪縛で、お互いに動けなくなった隙に捕まってる女の子にコミュ力で話しかけすぐに家に帰るように伝えるわ。
「女の子を攫って行ったのはあなたね」
先の猟兵たちが作った道を来た焔邑・彩(終焔葬蒼・f18363)は、少女――フェリシアがへたり込んで泣いているのを楽し気に見つめるオブリビオンに、確認と宣戦の意を込めて告げた。
「あっは、攫うとか。気に入ったから持って帰っただけよ!」
あくまでも少女のことを『モノ』としてしか見ていない。
「怖がってるじゃないの」
「泣いたらさぁ、目がキラキラってして綺麗なの。見て~! これ、抉ってコレクションにしよっかなぁ♪」
彩は眦を上げる。駄目だ、このオブリビオンは話ができる相手ではない。
「私達が相手してあげるから、その子は帰してあげて」
剣を向けて言い放つと、オブリビオン『ステラ』はにたりと唇の端をつりあげた。
「いいよぉ? もっと綺麗なもの、くれるんならね……!」
降魔化身法で、彩は己の身に妖怪を降ろす。
「そんなの、あたしだってできるんだから!」
ステラは彩と同じく、己の身に妖怪を宿して自分の身を強化した。
「ふぅん、『そっくりそのまま』真似できるのね?」
「そうよ、あたしのこと、侮ってもらっちゃ困るわね」
「なら、降魔化身法の代償も一緒に真似してね」
「え……?」
ビキッ、とステラの体が強張った。彩も柳眉を顰める。体が、動かない。
「あんた……何した、のよ!」
「フェリシア!」
びくっ、と少女が肩を揺らした。上手く体を動かせずにステラとにらみ合ったままの彩が呼びかける。
「家に帰るのよ!」
「ふぇ」
フェリシアは腰が抜けているのか、よろよろと這うように動く。
「……っ、良いわ、少しでもここから離れて……!」
にらみ合う、彩とステラ。時間を稼いでいるうちになんとか――!
フェリシアは、おぼつかない足でなんとか樹上からツタを使ってゆっくりと下へ降りていった。早く、早く――!
成功
🔵🔵🔴
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【SPD】(連携・アドリブ可)
■作戦
オブリビオンの相手を弟に任せて、その間に女の子を
救出し村まで届ける
■行動
「フォルセティ、しばらく任せるわよ」
Flying Broom GTRに[騎乗]し巨大樹の上層へ。オートフォーカスで熱源を探しフェリシアをみつける
「もう大丈夫よ。お姉さんが助けてあげる」
フェリシアを見つけたら優しく声をかける
(優しさ&コミュ力)で安心させて、宇宙バイクに同上させる
「そしてちょっと急ぐから、掴まっていてね」
【ペガサスの翼】で速度をあげて、村に急行。
村人もしくは老人達にフェリシアを託して、そして意を決して【エキドナの鏡】を使用
一気に弟の傍らに降り立つ
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(共闘/アドリブ可)
「分かったよ。フェリシアさんを助けてあげてね」
フィオ姉ちゃんが戻るまでボクが『嫉妬』のステラの相手だ!
【行動】()内は技能
Flying Broom GTSに(騎乗)してステラの正面へ
「今度はボクが相手だよ」
(先制攻撃)でラビリント・ネプトゥノを唱えるよ
「簡単には抜け出せないよ」
氷壁の迷宮でステラを足止めして時間を稼ぐんだ
ステラが出口たどり着くまでフォルマ・ベンダバールで戦闘力をあげておくよ
いきなり槍が飛んで来たらグアルディアン・サトゥルノで相殺だね
「フィオ姉ちゃん、早ーい」
二人揃ったら最強だよ。あれ、お尻を気にしているけどなんでだろう?
●
フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)は、愛機であるFlying Broom GTRを、フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)はFlying Broom GTSにそれぞれ騎乗し、巨大樹の上層へ向かった。オートフォーカスで、熱を感知する。フィオリナは、木のつるをおそるおそるつたって降りようとしている小さな娘を発見した。
「あ」
「特徴を聞いた通りだ。この子だね」
「フォルセティ、しばらく任せるわよ」
フィオリナの言葉に、うん、とフォルセティは頷いた。
「分かったよ。フェリシアさんを助けてあげてね」
フェリシアは震えながら二人の顔を交互に見る。
「もう大丈夫よ。お姉さんが助けてあげる」
柔らかく微笑んで、手を差し伸べる。
「ほ、ほんと……?」
「あなたの村のおじいさんたちに頼まれて来たの。早くここを離れましょう。村まで送ってあげるわ」
フェリシアは緊張の糸が切れたのか、大きくため息をつくと、へたりとその場に座り込んでしまった。
「あらあら、大丈夫? ……少し頑張ってね」
ひょい、と抱き上げると、抱え込むように宇宙バイクにフェリシアを乗せ、フィオリナはアクセルを入れる。
「そしてちょっと急ぐから、掴まっていてね」
「ふぁ!?」
ペガサスの翼で速度を上げた宇宙バイクが、ぐんぐんと巨大樹を遠く背にして走ってゆく。
そのころ、フォルセティはというと。
「今度はボクが相手だよ」
やっと動けるようになったステラの前に、宇宙バイクで登場する。ステラはぎり、と歯ぎしりをしてから、舌打ちを一つ。
「次から次へと、わいてくんじゃないわよ! あたしのコレクション、返しなさいよ」
「まだ小さい女の子をコレクション呼ばわりなんて、趣味悪いよ」
「っ、うるさいわね!」
ステラは、槍を投げつけてくる。
とっさに、フォルセティは虹色の盾を展開した。がつん、と音を立て、槍は落ちる。槍の攻撃は防げたものの、次に現れたのは、召喚ドラゴンだった。
「まずい……ッ」
勢いよく突っ込んでくるドラゴンを躱しきれず、その身に受けながらフォルセティは詠唱する。
「凍結を抱きし冷雪の英霊よ。彼の者に封縛の柩を捧げよ」
「なっ……」
一瞬にして、樹上が霧に覆われる。そのまま、氷の迷宮がステラを包み込んだ。
「簡単には抜け出せないよ」
もはや、声も届かない。氷壁の迷宮は、ステラの行く手を阻んだ。一つきりの出口を目指し、すでに動き始めていることだろう。それならば。
村に到着したフィオリナは、老人たちにフェリシアを託す。
「おお! なんとお礼を言えばいいのか!」
駆け寄ってくる老人たちを制止し、フィオリナは頭を下げた。
「お礼はいいの。まずはフェリシアちゃんのケアをしてあげて。あと……その子を攫ったオブリビオンはまだ生きてるのよ。弟が対処してる。……もう行くわ」
「そうだったのですか、どうか、どうかお気を付けて」
「おねえちゃん、ありがとう……!」
手を振る村人からできるだけ離れ、フィオリナは木陰で大きく深呼吸をする。
(「致し方ないわ……」)
「写せ、エキドナの鏡よ!」
ふぁさり、そこには、おぱんつとぶらだけが落ちていた……。
フィオリナが降り立ったのは、弟の傍らだ。
「フィオ姉ちゃん、早ーい」
「ま、まあね、……迷宮の中にいるのね?」
「うん。もう出てくるころかな」
戦闘力を増強したフォルセティは、愛機に乗ったまま頷く。
「……い、いくわよ」
「……? うん」
二人揃ったら最強だよ。フォルセティが笑むのと裏腹に、フィオリナは落ち着かなさそうにもぞもぞやっていた。
(「おしりが……すーすーする……」)
迷宮を突破し、ステラが現れるのは時間の問題だ――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アレクシア・アークライト
目がキラキラってして綺麗なの――ね。
それを言うなら、貴方の目もとても綺麗だと思うわよ。
なら、私もこんな風に貴方の目をコレクションにしていいのかしら。
・念動力で敵のリボンその他の装飾品を奪う。
なーんちゃって。
オブリビオンのものなんて、塵一つ残さないわ。覚悟なさい。
・火焔を生み出し、装飾品を焼却・抹消。
・UC【超感覚的知覚】で敵やドローンの動きを予知。
・力場で敵やドローンの動きを阻害しつつ、念動力を用いて一気に接近し、拳や脚に火焔を纏わせて近接攻撃を仕掛ける。
貴方のコレクションはみんな元の持ち主に還してあげるわ。
だから、安心して骸の海に還りなさい。【記憶読取】
●
「目がキラキラってして綺麗なの――ね」
アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は、息を切らしながら迷宮を突破してきたステラの前に立ち、にっこりと笑った。
「それを言うなら、貴方の目もとても綺麗だと思うわよ」
ゆらり、と視線をさまよわせたステラは、アレクシアを見つめてにたりと笑う。
「ホント?」
「ええ、欲しくなっちゃうくらいね」
「ッ!?」
瞬間、ステラの長い髪を結ぶリボンがはらりとほどけてアレクシアの手元へ舞って行った。
「ちょっ……かえしなさいよ!」
「なら、私もこんな風に貴方の目をコレクションにしていいのかしら」
「は、はぁ!?」
リボンの次はヘアピン、その次はピアス、と次々奪っていく。
「返せって、……言ってるでしょ!」
槍が飛んでくる。それを、アレクシアは超感覚的知覚で察知し、ひらりと躱して見せた。
「なーんちゃって。オブリビオンのものなんて、塵一つ残さないわ」
そして、手元にあるステラの装飾品を燃やしてしまう。
「あっ……」
「覚悟なさい」
ぎろり、と目を剥いたステラは、地を蹴って一気にアレクシアに接近する。
「よくも、あたしのコレクションを……!」
つかみかかるようにしてやってくるステラ。その槍がアレクシアの腕を掠める。先刻までの戦いで消耗しているのか、ステラの勢いはさほどのものではなかった。それならば。
「力任せじゃ私からは奪えないわよ」
焔を纏わせた拳が、ステラの腹部を強かに打った。
「ッが、あっ……」
どしゃり、とその場に頽れ、ステラは手を伸ばす。
「返してよ、返してえ……」
何をつかめるわけでもなく虚空をさまよう指先に触れ、アレクシアは答えた。
「貴方のコレクションはみんな元の持ち主に還してあげるわ。だから、安心して骸の海に還りなさい」
その言葉を聞いたか、聞けなかったか、ステラの体は砂のように崩れ去った。
――村に、明るい笑い声が戻る。
大切な宝である、ただ一人の娘の帰還に、人々は喜び、村に報告へ戻った猟兵たちに口々に感謝を述べるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2019年08月07日
宿敵
『『嫉妬』のステラ』
を撃破!
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