殲神封神大戦⑬〜アルティメットピーチウェポン!
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美しき桃源郷。散れども尽きぬ桃の花。それらは全て高い霊力を秘めた仙桃の欠片。
欠片は今は静かに時を待つ。集い、合わさり、力となるその時を……
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「みんなー! 殲神封神大戦の依頼だよー!」
ヒーローマスクミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)を装着した花園・ぺしぇが集まった猟兵を前にそう言う。
「あのね、今日行くのは桃月桃源郷ってとこ! ここは枯れない桃花がいっぱい咲いてるとこなんだって!」
いにしえの仙界「紫霄宫(しあいきゅう)」入口にあるその名の通りの桃源郷。そしてそのような場所の桃なのだから、当然ただの花ではない。
「ここの花はすっごい霊力があって、宝貝の材料にもなっちゃうんだって。それで、その宝貝を使うとこの先にいる『妲己』っておばちゃんの魅了攻撃を跳ね返せるんだって!」
今回の有力敵の一人であり、傾国の美女の代名詞とも言える妲己。その魅了の力は生物・無機物・自然現象をも虜にするという。いかに猟兵とはいえ無策でその魅了に立ち向かうことは不可能だろう。
「だからね、皆でここの桃の花で宝貝を作ってきて欲しいの! 例えばー……こーゆーの!」
ぺしぇが両手を高く上げると、車両搭載用の巨大なキャノン砲……『ミルクキャノン』が飛んできた。おそらくぺしぇが超能力で浮かせているのだろうが、仙界という言葉を無視するような突然の近代兵器出現に困惑する猟兵たちの前で、ぺしぇは得意げに説明を続ける。
「桃の花はいくらでもあるから、どんなおっきな兵器でも作れるよ! 仙界の不思議な桃だから強度の心配もなし! 一個ずつはちっちゃいから集めて作れば形も自由自在! 桃の花キャノンやスーパー花びらソード! さらに!」
ぺしぇがぱちんと指を鳴らすと、今度は後ろからピンクの犬型キャバリア『ピンクケルベロス』が飛び出してきた。
「仙界の他の素材や異世界の技術や魔法を組み合わせれば、人も乗れちゃうスーパー宝貝もつくれちゃうのだ! 変形、合体、自爆装置! 桃の花の可能性は無限大! 可能性の桃!」
なんか別の有力敵にぶつけるものが出来上がりそうな気もするが、とにかく妲己の魅了に対抗するために男の子回路全開の宝貝を作ってこいということらしい。それでどうやって魅了を跳ね返すのかという気にもなるが……まあ桃の花の霊力が何とかしてくれるのだろう。多分。
「それじゃみんな、かっこいい宝貝を作ってきてねー!」
元気よくそう言って、ぺしぇは猟兵を桃月桃源郷へ送り出すのであった。
鳴声海矢
こんにちは、鳴声海矢です。今回のプレイングボーナスはこちら。
『プレイングボーナス……霊力に満ちた桃の花を集め、宝貝を創造する』
桃の花を材料に有力敵『妲己』の魅了に対抗するための宝貝を創造していただきます。
基本的にはそれだけの依頼なのですが、このシナリオの方向性としては『ロボやらキャノンやらスーパー兵器』的な方面の宝貝を主に創造していただきたく思います。桃の花は万能素材なので、仙界の他の素材や異世界の技術を組み合わせて加工することもできます。魔法でも電力でもヒーローパワーでも好きなものを注ぎ込んでください。それでどうやって魅了に対抗するのかって? 気合と根性と屁理屈を滾らせてなんとかしてください。
まあ察せるでしょうが、ネタ依頼です。自由な発想でダイナミックな宝貝を創造してください。
ただしアイテムとしては発行できませんし、現状妲己本人が出てきてないので実戦では想定と違った用途を強いられるかもしれません。その辺りはご注意を。
それでは、スーパーなプレイングをお待ちしています。
第1章 冒険
『破魔の宝貝』
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POW : 大量の花を集め、多くの霊力を得る。
SPD : 仙界の他の素材と組み合わせ、更なる力を引き出す。
WIZ : 魔術的な加工を施し、宝貝の性能を高める。
👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
・デザインお任せ
■行動
凄い材質ですねぇ。
それでは、検討してみましょう。
『周囲の力をチャージして発射する大砲』は如何でしょう?
『チャージ可能なエネルギー』の種類に『霊力』や『魅了の力』を入れておけば『魅了の力を吸収してチャージ』という方法が採れるようになりますから、丁度良さそうですぅ。
折角ですし『吸収型バリア』も展開出来れば有効そうですねぇ。
『FCS』の『補助兵装』に使えそうな品が有りますので、此方と組み合わせれば、『祭器』の性質を付与し、他の『祭器』と連携させることも出来そうですぅ。
【豊饒宿霊】で[仙術]等の『関連しそうな技能』を指定、必要に応じて切替えながら制作しますねぇ。
いにしえの仙界『紫霄宫』。そこにある枯れない桃花は小さな花びらの中に膨大な霊力を秘めているという。それを材料として作られた宝貝は、天地万物を魅了する妲己の魅力にすら対抗する手段となるという。
その宝貝を創造せよという依頼を受け、猟兵たちはこの紫霄宫へと赴いていた。
「凄い材質ですねぇ。それでは、検討してみましょう」
まずは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が宝貝の概要を考える。
「『周囲の力をチャージして発射する大砲』は如何でしょう? 『チャージ可能なエネルギー』の種類に『霊力』や『魅了の力』を入れておけば『魅了の力を吸収してチャージ』という方法が採れるようになりますから、丁度良さそうですぅ。折角ですし『吸収型バリア』も展開出来れば有効そうですねぇ」
考えるのは彼女の得意とする、相手の力を封殺、無力化し一方的に攻撃するための兵器。
……そう、兵器である。封神武侠界なのに。
それもそのはず。ここに転送したグリモア猟兵が例に示したのは巨大キャノンに人が乗れるロボット。折角何でも作れるのだからそう言うのを作って来いという無茶ぶりをかましてきたのだ。それに答えたのだから、こういった兵器ができるのも当然のことである。
「大いなる豊饒の女神、古の使徒よりの豊かなる恵みをお貸しくださいませ」
【豊乳女神の加護・豊饒宿霊】で仙術技能を強化、その力を持って花びらを集めて宝貝を形作っていく。
「『FCS』の『補助兵装』に使えそうな品が有りますので、此方と組み合わせれば、『祭器』の性質を付与し、他の『祭器』と連携させることも出来そうですぅ」
とはいえただキャノンをぶっぱなすだけでは面白みがない。自身の兵装と連携させることで効果の切り替えや拡張を行えるようにすれば、より柔軟な運用も可能になるし見た目にも面白い。
高める技能を仙術から武器改造に変え、自身の兵装との接続機構を作っていく。元々材料の花びらの方に霊力は宿っているので、接続自体は機械的に行っても特に問題はない。
さらには防御用に防具改造、エネルギー効率を考えて継戦能力、性能を持った結果大きくなりすぎることを考えて詰め込み、ついでに外観を整えるためにアートと色々と技能を切り替えて整えていくるこる。一つの技能を高めれば他の技能は忘れてしまうため一度に出来るのは一つの事だが、戦闘中ならいざ知らず開発目的の現在ならばさしたる問題はない。
そのまま一人分業制でキャノンに欲しい機能を詰め込んでいき、やがて宝貝が完成する。
「さて、これでなんとかなりますかねぇ」
出来上がったのは目的通り、周囲からエネルギーを吸収して打ち返すキャノン砲。あとは試運転を重ね、吸収できるエネルギーの限界値や変換効率、威力や防御力の程を試していけばいい。流石に全てが高い水準で完璧とはいくまいが、落としどころを見つける、あるいはいっそ特定の分野に振り切ってロマン化させるなども兵器開発の醍醐味だろう。
こうしてまずは一つ、恐るべき寵姫の魅了に対抗する男の子系兵器が誕生したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
死絡・送
POW
アドリブ絡みOK
依頼を受けて参加。
「ならばまずは素材をたくさん集めるか」
物作りは何を作るにも素材が大事、まずは仲間の迷惑にならんように配慮しつつも素材集め。
仲間が花を集めるのも手伝う。
「巨大ロボットを作るか」
仙術とメカニックを組み合わせて、人型のスーパーロボットタイプの
巨大ロボットの制作にかかる。
「最初が肝心だから丁寧に行くぜ」
ジガンソーレも使い丁寧に作業を行う。
完成したら「完成、お前の名はジガンぺスカだ♪」
とイタリア語で「大きな桃」の意味を持つジガンぺスカと名付ける。
栗花落・澪
男の子回路…男のロマン重視?
ロボはあんまり詳しくないけど、自立型の何か作れるといいのかな
強そうなの…例えば…銃火器を内蔵した狼型キャバリアとか?
僕が乗れるくらい大きいやつ、みたいな…
狼かっこいいし、内蔵兵器もかっこいいし、戦闘時以外はペットにもなるし
ただ、本格的な銃火器は僕自身専門外だから
魔法銃だとメンテナンスもしやすくていいかな
あらゆる属性攻撃を扱う自分の魔力を拾い集めた花弁に与えキャバリアを創造
魔法銃は与えた魔力を撃ち出すため
僕が近くにいる限り弾切れの概念とも無縁
更に【指定UC】で知性を与え
戦況に合わせて攻撃、回避等最善を自分で考えて動けるように
えへへ、僕も相棒欲しかったんだ
よろしくね
瞳ヶ丘・だたら
SPDで挑む。連携アドリブ歓迎だ。
すばらしい企画だな。是非ともやらせてもらおう。
やはりあたしの好みといえば蒸気機関。宝貝を作れるというこの機会に活かさない手はあるまい。
そして形状は……そうだな、キャバリアや戦車も捨てがたいが、今日は空を飛びたい気分だ。
ブルーアルカディアのそれを参考に、蒸気噴出孔から高温の桃の香を噴き出す飛空挺を作成する。天使核があればなおよかったが、あいにくその手の持ち合わせはない。
とはいえ、蒸気と宝貝の融合だけでもお釣りがくる。
桃の実をイメージした流線的なボディ。魅了されるよりも速く飛翔する性能美。
名付けて、個人用蒸気飛空挺宝貝「呑武猟虎(どんぶらこ)」。いかがか。
封神武侠界でメカ系兵器を作れと言う無茶な依頼。だがそれに燃える者も猟兵には一定数いた。
「すばらしい企画だな。是非ともやらせてもらおう」
瞳ヶ丘・だたら(ギークでフリークな単眼少女・f28543)もその一人。嬉々として紫霄宫に乗り込み、兵器開発を始める。
「そして形状は……そうだな、キャバリアや戦車も捨てがたいが、今日は空を飛びたい気分だ」
搭乗できる兵器を愛好する彼女、とりわけ戦車については南瓜型戦車を作ってハロウィンパレードに参加するほどだが、いつもそればかりというわけではない。ここは空舞える仙人の本場たる仙界なのだ。その様式に合わせてみるのもまた一興である。
「ならばまずは素材をたくさん集めるか」
そして死絡・送(ノーブルバット・f00528)もまた巨大な搭乗兵器を愛好する者。彼は特に大きな兵器を考えているため、必要な花弁も必然的に多くなる。他の猟兵が使う分がなくならないよう気をつけねばとも思っていたが、ここの花はサクラミラージュの桜と同様いくら散ってもなくならない。枯渇など気にすることなくいくらでも集められるし、何なら他の猟兵の分まで集めて渡してしまっても構わない。
そんな既に作りたい兵器の概要が決まっている二人とは対照的に、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はまずこの依頼の趣旨についてから考えていた。
「男の子回路……男のロマン重視? ロボはあんまり詳しくないけど、自立型の何か作れるといいのかな」
性別は紛れもない男性である彼だが、どちらかと言えば魔法的な力を主に戦うこともあってそう言ったジャンルに明るいわけではない。なのでまずはどういった兵器を作るかの概要から自分なりに考える必要があった。
「強そうなの……例えば……銃火器を内蔵した狼型キャバリアとか? 僕が乗れるくらい大きいやつ、みたいな……」
ロボであるからと言って人型である必要は全くない。詳しくないが故の自由な発想が、澪にあった最適な答えを作り上げていく。
そうして始まるそれぞれの兵器づくり。
「ブルーアルカディアのガレオン、あれは参考になる」
だたらはガレオンの機構を参考にし、乗機式の飛空艇を作っていく。その噴出口から出るのは高温の桃の香りだ。もちろん、ただの飾りで香りを出しているわけではない。
「天使核があればなおよかったが、あいにくその手の持ち合わせはない。とはいえ、蒸気と宝貝の融合だけでもお釣りがくる」
本来飛空艇の動力源は天使核である。だがそれを持っていないだたらは、その代わりに桃の花を凝縮した宝貝を動力に利用した。それによって作られる霊力の乗った蒸気が飛空艇を巡り、最終的には噴出口から排気される。言ってみれば排気ガスにも近い者なのだが、その言葉を真っ向から否定するかの如くその香りは優しくかぐわしい。もちろん中身は霊力なので、大気汚染とも無縁のクリーンエネルギーだ。
「巨大ロボットを作るか」
送が作るものはやはりというかこれ。何しろ普段からロボに乗ってヒーロー活動をしているのだ。その彼がロボ的な兵器を作れと言われたらこの答えになるのも当然である。
「最初が肝心だから丁寧に行くぜ」
大量に集めた花びらを丁寧に集め、形を作り上げていく。もちろんただくっつけているだけではない。この殲神封神大戦がはじまってから学んだ仙術知識を動員し、その霊力が損なわれないようしっかり固めて形を作る。さらに霊力の流れ、作用を燃料や電力と同様に解釈し、効率的、効果的に流れるメカニズムを内部に走らせても行く。この機構がただ捏ねて固めた人形と乗って操作できるロボットの違いだとばかりに、内部機関を精密に組み上げていく送。
だが当然巨大ロボットというからには作業するための高さはそれ相応に必要になる。もちろんそこは想定済み。足元の基盤を作ったら、後は自前のロボット『ジガンソーレ』に乗り込んでの作業だ。
ロボがロボを作るという光景は作品によってはアイロニックに描かれるが、ここはむしろヒーローもののストーリー中盤で行われる二代目ロボに初代が力を注ぐ熱いシーンの方が相応しいだろう。
それぞれの得意分野で兵器を作り上げていく二人。その姿を見ながら、参考にはしつつも澪はこれをそのまま真似は出来ないと感じる。
「狼かっこいいし、内蔵兵器もかっこいいし、戦闘時以外はペットにもなるし。ただ、本格的な銃火器は僕自身専門外だから、魔法銃だとメンテナンスもしやすくていいかな」
無理に他人の真似をして専門外の兵器を作るより、自分の持つ知識と技術を注ぎ込んだ方が性能も上がるし愛着も湧く。あくまで基盤とするのは魔法的な力。むしろ桃の花の霊力とはその方が親和性が高いかもしれない。
まず行うのは、拾い集めた花びらに自身の扱うあらゆる属性の魔力を込めること。そのまま使うのではなく、材料の段階から自分の力を込めることでより自分自身との相性も高まる。
そうして作り上げるのは狼の形をしたキャバリア。魔法銃としての力は単なる武器としてだけではなく、自分の魔力を撃ちだすようにすることで、澪が傍にいる限り弾切れの概念もなくなるし、一方で他人が操作を奪い取り悪用することもできなくなる。まさに澪が作り上げた、澪だけの専用機。
これだけでも兵器としては十分な性能だが、ただ道具として使うだけにするのはあまりにも寂しい。
「さぁ、動いてごらん」
最後の、そして最も重要なパーツである『命』を、【生命の息吹】で吹き込む澪。自身の創造物に生命を与えるこの力は、まさに位置から自分で考え、作り出したこの魔法銃に最もふさわしい力。戦況に合わせて攻撃、回避等最善を自分で考えて動けるように知性を特に伸ばされたそれは、物言わぬ兵器から命ある自立した存在となり、創造主である澪にその鼻先を寄せた。
「えへへ、僕も相棒欲しかったんだ。よろしくね」
甘えるようなその仕草に笑顔で答える澪。その隣では、もう一つの機械の戦士が完成していた。
送の作りあげたロボット。桃の花を素材にしたとは思えぬほどに力強く逞しく、しかして桃の衣装は失わず一部に丸みのある曲線を取り入れたデザイン。その威容は軟弱な魅了など打ち砕き、力強く大地に立つ硬派な男の姿。桃はともすれば女性的なイメージの強いものだが、この封神武侠界ではまだ記憶に新しい現実である男たちの始まりの場所は満開の桃園だし、送自身の故郷に置いても桃は国一番の英雄の象徴だ。
「よし、試運転だ。発進せよ!」
声に応えるかのように、桃の巨人が最初の一歩を踏み出す。そしてその巨躯のさらに上を、一隻の船が飛んでいた。
「離陸はよし……あとは早さだ」
桃の実をイメージした流線的なボディ。魅了されるよりも速く飛翔する性能美。それを体現したその船は、作り手の期待に応えるが如く高速で仙界の空を飛び回った。この速さの前には、中身のない魅力など置き去りにされることだろう。
空を飛び、拳を握り試運転を行う二つの力。それに触発されたかのように知恵ある狼も大地をかけ魔力を放ち、己が力を創造主に知らしめた。
やがて最初の動きを終えた三つの兵器は、誰言うともなく横並びに並ぶ。搭乗可能な新たな機械が並ぶ様は、まるで新展開を控えたロボットアニメの予告シーンのよう。
「完成、お前の名はジガンぺスカだ♪」
「名付けて、個人用蒸気飛空挺宝貝「呑武猟虎(どんぶらこ)」。いかがか」
イタリア語で「大きな桃」の意味を持つ言葉と、日本一の英雄譚の始まりとなる擬音に『猟兵の武を中に呑む中華での力の象徴』の字を当てた名をそれぞれの新たな愛機につける二人。それを聞き、澪は自身の新たな相棒を見る。
「名前か……」
知性は自我を生み、名前は自己を定義する。折角知恵を与えたのだからそれもあってもいいかもしれない。
今はまだ実戦を知らぬ三つの新たな力。無限の花舞い散る桃園の中で、三機はその時を今はまだ静かに待つのであった。
大成功
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