あの人の行方をご存知ですか?
#UDCアース
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●UDCアース
壁紙が破れ、下地がむき出しになった部屋。
蛍光灯や窓ガラスは全て割れ、破片が室内のあちこちに飛び散っているその部屋は、他の建物の影になっていて日が差し込みづらく薄暗いし寒い。
耐震強度がどうのという理由で使われなくなり、けれど取り壊すのも費用がかかるからと打ち捨てられたこの集合住宅は、人目を忍ぶものにとっては絶好の隠れ家だった。
それは、オブリビオンにとっても都合がいい場所だ。
外に出れば実験の被験者は選り取り見取り、どれでも好きなものを選んで消費できる立地や、もはや管理会社さえも管理を放棄している点が好評の理由だろう。
「この娘はどうしよう? 腕をドリルにしてみる? 脚をキャタピラにしちゃう?」
「えーそれなら兎耳みたいなアンテナ生やした方が可愛くない?」
きゃらきゃらと楽しそうな笑い声が響く。
今日も彼女らは暗躍し、被害者は増えるばかりだ。
●グリモアベース
「諸君、仕事の時間だ」
シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)がいつものように切り出した。
「場所はUDCアース。廃墟となった団地に、UDCが巣くっているようだ」
正確に言うと団地には、秘密裏に作られた施設への入り口があるらしい。組織が調査した時には猫の子一匹見当たらなかった。
シェーラが予知できたのは、密かに団地を出入りするUDCの姿だけだ。
「どうも、施設の中では怪しげな実験をしているらしくてな。組織が入手した情報によると、付近ではよく悲鳴のようなものが聞こえるとか、通りがかった人が何人も行方不明になっているとかいった噂が流れているようだ」
幽霊団地、なんてあだ名もあって、地元の人間もまず近付かないのだとか。
「だが、調べられたのはそこまでだ。……職員の一人が被害にあい、危険と判断した組織が僕に話を持ってきた」
最初からそうしていれば、被害が抑えられたものを。
シェーラは持ち前の正義感から眉間に皺を寄せる。
「ともかく、まずは団地を調べ、隠された秘密施設の入り口を探し出せ。そしてUDCを退治してほしい」
手元の資料を確認しながら、シェーラが続けた。
「……嗚呼、入り口と言ったが、物理的なものとは限らない。UDCの力なら、次元を歪めるぐらいはするだろう。扉、鏡、水面──先入観にとらわれず、柔軟に考えてくれ」
最後に頼んだぞと付け加えて、シェーラは猟兵たちを送り出した。
志崎キザシ
皆様、こんにちは。志崎キザシと申します。
裏のない単純なシナリオです。オブリビオンの住処に乗り込んで殴れば解決。
それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしております。
第1章 冒険
『死都探訪』
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POW : 壁や床を破壊して回れば、なにか見つけられるかも。
SPD : 知覚力を活かせば、怪しげな場所を特定できるかも。
WIZ : 建築記録等に目を通せば、重要な情報が掴めるかも。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
その団地は寂れていた。
建物が六棟、サイコロの目のように二列に並んでいる。昔は白かったらしい外壁は薄汚れてひび割れ、枯れた蔦が這っていた。
建物の側にある、かつては人の手が入っていたのだろう花壇も、今は無残な姿を晒している。積み上げられたレンガは欠け、雑草が生い茂って萎れた跡があった。
人気がなく静かだ。空気が冷たい。
猟兵たちは団地を見上げ、どこから手を付けようかと考え始めるのだった。
琥珀川・れに
女性による女性のピンチという予感がする…
SPDかPOW
【聞き耳】を使ってみようか
犯人の声が聞ければ最高なんだが…どうかな
女性の声ならきっと聞き逃さないよ
うーん他に、
【罠使い】スキルで【おびき寄せ】てみようか
囮は僕か他の猟兵だ、【存在感】を出して気づいてもらった後で気絶した風に倒れたり、休んでる振り。
敵が近づけば地面を崩して下の部屋に落ちて狭い壁で囲む作戦さ。
※アドリブ大好き&楽しみ。追加省略アレンジもご自由に。
夕闇霧・空音
怪しげな実験……何やら嫌な予感がしてきたわ…
ひょっとして…よく知っている輩かしらね…
SPDを利用した探索を実行する。
実験が人体改造のたぐいならきっと…
改造のための施設の匂いは…私がよく知っているわ。
実験室は薬品の匂いや、金属音がするわね…
改造された記憶のある私ならきっとその時と
似たような音や匂いを探せるかもしれない…
それと、人が入り込んだ形跡のある建物も調べてみようかしらね。
そういうところは意外とホコリとかが少ないのよね…
…あとは風の流れかしら
秘密の入口がある場所は隙間風が流れていそうだし…
●琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)、夕闇霧・空音(凶風・f00424)
「女性による女性のピンチという予感がする……」
整った眉を顰めてレニーが言う。
UDCが女性だという点は勘でしかないが、被害者が女性だというのには根拠があった。
組織の調査で得られた情報の中には、被害にあった職員のものも含まれていたのだ。簡素なものだが、これだけでも貴重な情報だ。
職員は若い女性で、団地の中を調べてくると言ったきり連絡が途絶えたらしい。他の職員が団地を探しても、遺留物すら見当たらなかったそうだ。事前の報告から、かろうじてどの建物を探っていたのかがわかった程度だった。
レニーは、女性職員が調べていたという北側の三棟に視線を向ける。
建物の外観は、他の三棟と変わらず寂れたものだ。しかし、事前に話を聞いてしまったからだろうか、どことなく不穏な空気が漂っている気がした。
「私も、何やら嫌な予感がしてきたわ……」
空音も頷いて団地を見上げた。
ひょっとして、よく知っている輩かしらね。
隣に立つレニーに聞こえないよう、小さく呟いて思いを馳せる。
秘密施設での怪しげな実験。想像通りの相手が実験をしているのだとしたら……おそらく、人体改造の類を行っているはずだ。
改造のための薬品の匂いや、使用する道具の金属音なら、よく知っている。
自分なら追える、と思えたのは単純に事実だからだ。
「……行きましょう」
確信とともに、空音は女性職員が調べていたと思われる建物の一つに踏み入る。
煌びやかなマントをなびかせて、レニーも空音に続いた。
団地の内部は、予想を裏切ることなく荒れ果てていた。
壁は黒ずんでひびが入り、玄関のドアが外れている部屋さえあった。床には埃の他にもガラス片や腐った木材等がいたるところに転がっていたが、職員が調査の際に退けたようで、歩き回るのに支障はなさそうだ。
レニーは散乱する瓦礫を踏まないように注意して歩きながら、耳を澄ます。
犯人の声や、もしかしたら被害者の声も聞こえるかもしれない。女性の声なら聞き逃さない自信があった。助けを求めるものなら猶更だ。
聞こえてくるのは自身と隣を歩く空音の足音、息遣い、隙間風の吹き込む音。他の猟兵たちが探索しているのだろう音も聞こえるが、犯人や被害者の声らしきものは聞き取れなかった。
手掛かりが得られず焦りが募るレニーに、空音が冷静に言った。
「……ねぇ、秘密の入口がある場所は、空気が流れていそうじゃない……?」
レニーははっとして立ち止まる。
被害者を思うあまり、視野が狭まっていたかもしれない。
恥ずかしさに顔が熱を持つのがわかる。
「それもそうだ、隙間風ならこちらから聞こえてくるね」
頬を赤くして先に進むレニーを微笑ましく思いながら、空音は彼の背を追った。
仇敵の気配はまだ、ない。
レニーと空音が探した建物では、結局入口は見つからなかった。
だが、それでも前進だ。
探さなければならない建物は、残り二つに絞られたのだから。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
萬場・了
【SPD】
もういいかーい…?ってな。
ふひひ、ロケ地にはなかなかいい物件だな。
…さあてと、まずは団地でのカクレンボ、楽しく〈情報収集〉しようじゃねえか。
とりあえず、俺ならどこに隠れるか。階段の物陰…バルコニーの隅…
…猫の子一匹いねえ、ってのは気になってんだよな。
猫も入りそうなところ…暗くて狭いところも怪しいか?
よし、仕事だぜ【愉快な仲間達】!
召喚したゾンビを団地の建物の下や壁の隙間なんかに入り込ませてみるぜ。何か面白いもんあったらすぐ教えろよ。
その間俺は周辺の撮影でもしつつ〈第六感〉と〈聞き耳〉使って猟兵以外の気配を探ってみるとするか。
……演出の先にある真実、掴んでやろうじゃねえか、なあ。
●萬場・了(トラッカーズハイ・f00664)
「ふひひ、ロケ地にはなかなかいい物件だな」
愛用のビデオカメラを片手にぶらぶらと団地の敷地内を歩き回りながら、了は建物を観察していた。
落ち着きなくきょろきょろとしているが、その視線を向ける先は的確だ。非常階段の物陰やバルコニーの隅等、見落としがちな箇所を逃さず確認している。
「しっかし、こうも広いとかなり時間取られちまうなあ……」
既に結構な範囲を歩いているが、手入れのされていない植え込みや生い茂る雑草が邪魔で死角になっている場所も多い。一人では限界があった。
「よし、仕事だぜ【愉快な仲間達】!」
それならばと、了が召喚したのは数十体のゾンビだ。
地面の下から土を押しのけながら這い出してきたゾンビたちは、団地の建物の下や壁の隙間なんかに入り込めと言う了の指示に従って方々に散っていく。
「何か面白いもんあったらすぐ教えろよー!」
手を振ってゾンビを見送ると、了も散策を再開する。
今のところ、猟兵やゾンビ以外の何者かの気配を感じることはない。……こういった廃墟を寝床にしていそうな、野良の犬や猫の気配すらないのが引っかかる。
「猫も入りそうなところ……暗くて狭いところも怪しいか?」
そこんとこ注意してもっかい回ってみるか、なんて呟きながら、了は足を進める。
了やゾンビたちが敷地内をくまなく調べても、秘密施設の入口らしきものは見つけられなかった。やはり入口は建物の外や外壁などではなく、中にありそうだ。
成功
🔵🔵🔴
片桐・公明
【SPD】視覚聴覚嗅覚。使えるものは全部使って団地周辺の情報を集める。ものを動かす場合、手ではなくUCで動かす。
「罠は無いとは思うけど、一応ね」
「拐われた人が抵抗したあととか無いかしら」
「窓に板を打ち込む。なにかを隠している。」
「私だったら地下を利用するかな。踏み込まれない限り分からないものね。」
「全棟焼いてしまった方が早い気もするけど、被害者がいると思うと……うーん。」
(アドリブ、絡み歓迎です。)
●片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)、
先に進んだ猟兵たちとは別の建物に侵入した公明は、廊下に積もる瓦礫をサイコキネシスで動かして、道を作りながら進んでいた。
「罠は無いとは思うけど、一応ね」
手を使わないのは、ここが既に敵の掌中にあると考えてのことだ。
UDCなら瓦礫の下に潜んで奇襲をしかけてきてもおかしくはない。時間はかかるが、物を動かすときはサイコキネシスを使って、安全マージンを確保した方が良い。
公明は周辺を警戒しつつ、五感を研ぎ澄ませて僅かな情報も根こそぎ拾っていく。
拐かされた人が抵抗した跡がないか。
窓を板で塞いで、なにかを隠していないか。
地下を利用した形跡はないか。
父親譲りの知識で思い付く限りの、様々な点を確認していった。
途中でふと、
「全棟焼いてしまった方が早い気もするけど、被害者がいると思うと……うーん」
なんて疲れて悩んでしまうこともあったほどの、地道な作業だ。
入口を潰された程度なら、UDCならどうとでも脱出できそうだと公明が思いとどまったのは、UDC組織の人々にとって幸運だっただろう。隠蔽工作が大変なので。
公明の堅実な情報収集の結果、この棟にも不審な点は見られなかった。普通に壊れて普通に寂れた建物だ。
まだ調べていない棟は、一つだけ。
外に出た公明と合流した猟兵たちの視線が、最後の一棟に向けられる──
成功
🔵🔵🔴
四季乃・瑠璃
【ダブル】で分身
二人で一緒に行動し、二人分の感知能力で怪しい場所を探り出す。
事前にUDC組織が調べたここまでの情報と団地の見取り図を入手。
実際に二人で団地の各所を回って確認。
瑠璃が周辺の魔力を探知しながら、見取り図と照らし合わせて儀式的・魔術的な隠蔽が行われそうな場所を確認。
緋瑪が実際に【見切り】を活用して物理的・魔術的な隠蔽、仕掛けを看破。また、不自然に埃等が少ない場所や不自然で怪しい物品や状況等、細かい情報を瑠璃と共有し、二人で調べる。
緋瑪「怪しげな実験って、邪神教団って言うより悪の秘密結社みたいだねー」
瑠璃「まぁ、似た様なモノなのかも…」
※アドリブ歓迎
●四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)
真っ先に秘密施設への入口があるだろう建物に踏み込んだのは瑠璃だった。
瑠璃の側には既にオルタナティブ・ダブルで呼び出した緋瑪が付き添っていて、二人で死角を補い合うようにして怪しい場所を探っている。思考や癖を把握できている、仲の良い多重人格者ならではの探索法だろう。
「怪しげな実験って、邪神教団って言うより悪の秘密結社みたいだねー」
瑠璃が建物の見取り図と現在地を照らし合わせるのを横目に見ながら、呑気な声で緋瑪が言った。
「まぁ、似たようなものなのかも……」
答える瑠璃は生返事だ。
マイペースなのもあるが、周辺の魔力を感知しながら見取り図と実際の建物とを見比べて、儀式的、もしくは魔術的な隠蔽が行われていそうな場所を探していて忙しく、緋瑪との会話に身が入っていないらしい。
緋瑪は構って貰えずに頬を膨らませる。
ちぇー、とわざとらしく口にして、それでも瑠璃が気にする様子を見せなかったので、渋々探索を再開した。
不自然に埃や瓦礫が少ない場所や、場違いな物が落ちていないかどうか。状況的におかしなことになっていないか。目についた情報を瑠璃と共有し、建物を調べ上げていく。
「あれ? ねー、これこれ」
何かに気付いた緋瑪が、先に進もうとしていた瑠璃の袖を引っ張った。
瑠璃は立ち止まって、緋瑪の指差したものを確認する。それは、他と同じように瓦礫が散乱した部屋の扉に見えた。
だが、
「変ね。ここの部屋の前だけ、埃が少なくない?」
扉の前の瓦礫の上に積もる埃が、薄かった。
何度も出入りするうちに扉を開閉する風で埃が舞い、だんだんと嵩を減らしていったような。そんな跡の残る薄さだ。足跡がないのが不自然で、だからこそ気付けたのだろう。扉自体には魔術的な気配はないから、この部屋の中に秘密施設への入口があるようだ。
「お手柄だね、緋瑪」
「いやー、それほどでもー!」
瑠璃に褒められて、緋瑪の機嫌はたちどころに直った。
成功
🔵🔵🔴
八坂・操
【SPD】
廃墟に響き渡る悲鳴! 人生舐め切ったジョックとプリーザーが足を踏み入れれば、人体実験の産物が牙をむく!
映画だとありがちなヤツだね♪ 操ちゃん知ってる☆
ま、今回は猟兵だ。餌枠はオアズケ、スプラッターになるのはどっちかなー?
とりあえず、棟は絞れたんでしょ? じゃあ【虫の知らせ】で棟内を隅々まで調べてみよう! 『暗視』も併用すれば、くらーい隙間もなんのその♪
入り口が物理的なものじゃないらしいけど、悲鳴が聞こえてるって事は、防音対策はしっかりしてないだろうね♪ 『聞き耳』立てて、怪しい箇所を絞れれば良いなー☆
「るーるる るるる るーるる るるる るーるーるーるー るーるるー♪」
●八坂・操(怪異・f04936)
「廃墟に響き渡る悲鳴! 人生舐め切ったジョックとプリーザーが足を踏み入れれば、人体実験の産物が牙をむく! 映画だとありがちなヤツだね♪ 操ちゃん知ってる☆」
ホラー映画では定番のシーンをキャッチコピーのように例えにあげて、操は秘密施設への入口があるだろう部屋の扉を、躊躇いもせず勢いよく開けた。
これが本当に映画なら観客をはらはらと動揺させるような思い切った行動だが、生憎ここは現実で、操だって無防備に敵の前に姿を晒すほど愚かではない。中に誰も潜んでいないのは確認済みだった。
操は玄関で立ち止まって、忍び込ませていた虫の影を回収する。それから、興味深そうに部屋の中を見回した。
当然、荒れている。
瓦礫を踏み越えて入った室内は家具もなく、壁紙も剥がれていた。窓も割れていて枠だけが残り、外の空気と混ざって寒々しい。陽の光が差し込まずに薄暗いのも原因だろう。
やっぱり映画のセットみたいだ。怪物ではなく幽霊が出てきそうな方の。
血が出るのも好みだが、精神的にクるのだって好きだ。
操の口が鋭利な三日月のように吊り上がる。
「さーて、本命の入口はどーこっかなー♪」
気軽な調子で言うと、この間見たテレビ番組のテーマ曲を口ずさみながら、怪しいものがないか確認していく。暗くて狭い隙間だろうと、操の夜でも見通せる目と虫の影があれば探索は簡単だ。
それに、事前情報にあった噂。悲鳴が聞こえているなら、防音対策はしっかりできていないだろう。耳を澄ませて鼻歌に異音が混じらないかを確かめる。
その音はすぐにわかった。小さな音だが、操の耳には確かに聞こえる。
操が音のする方へ進むと、どうやら洗面所の奥、浴室に据え付けられた姿見から聞こえてくるようだ。
この廃墟にあってなぜか傷一つない鏡に耳を近付けると、聞こえる。詳しい内容はわからないが、女の子が学校の休憩時間や、放課後のファストフード店でだべっているような調子の会話だ。
姿見の後ろにある空間は団地の廊下で、操がこの部屋に入ってくる前にそんな人影はなかった。そもそも今、この団地には猟兵しかいないはずだ。
「当たりだ! 操ちゃんさっすが☆」
きゃっほう! なんて。操が場違いな歓声をあげた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『風魔衆・下忍』
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POW : クナイスコール
【ホーミングクナイ】が命中した対象に対し、高威力高命中の【クナイ手裏剣の連射】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : サイバーアイ演算術
【バイザーで読み取った行動予測演算によって】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 居合抜き
【忍者刀】が命中した対象を切断する。
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
こっそりと鏡の中の様子をうかがうと、そこは手術室のような広い部屋になっていた。
白い清潔な部屋の天井には無影灯があり、すぐ下にある手術台を照らし出している。側にはメスや鉗子を置く台や輸血用のポンプ、他にも電圧や抵抗を調べるためのテスターやチェーンソー等も準備されていた。何に使うのかわからない機械も多い。
そして、真正面。
奥に繋がっているだろう出入口の横に、壁にもたれかかるようにして座って雑談している二人の少女がいた。
少女たちの四肢は黒く、本来なら目のある部分はバイザーで覆われている。セーラー服を着ていたが、ボロボロになっていてとても高校生には見えない。
「でもさ、やっぱ完全に人型にしちゃうよりも、わたしとしてはオプションパーツを盛りたいワケね? 羽根みたいなブースターとかー腹からミサイルとかー」
「浪漫はわかる。でも実用性だって大事でしょ? それやっちゃうと小回りが利かないし、それに擬態しにくいよ。生贄確保するんだったら絶対擬態しやすい方が良いって!」
「ぇー羽根って綺麗じゃない? 天使みたいなのとか、良いと思うんだけどなー」
「邪神様崇めてんのに天使ってのもどーよ」
二人の少女は、猟兵たちに気付いた様子もなく楽しそうに会話を続けている。
これなら奇襲が出来そうだ──などと、猟兵たちが思った、瞬間。
「で、そっちのアンタらは何? お客さん?」
ふいに投げかけられた疑問。慌てて声の方へ視線を向けると、既に立ち上がって臨戦態勢となった少女たちの姿があった。
やはりオブリビオンは、容易くやられてくれそうにない──!
片桐・公明
【WIZ】刀の攻撃を銃で受ける。両断されることはない。
「私の銃は特別製なの。そう簡単にに壊れはしないわ。」
素早そうなので、UCで拘束して動きを封じ込めた上で銃撃。
「ホームの戦闘で油断したかしら?……私今、旨いこと言った!!」
「忍が敵、ねぇ……。あなた達が従っているのはどんな奴かしら。教えてちょうだい。」
銃を向けて少し聞いてみる。答えがないのは予想通りだし、趣味ではないので拷問はしない。
「どーせ待ち構えているでしょうし。聞いてみただけよ。」
(アドリブ、絡み歓迎です。)
●片桐・公明
先に動いたのはUDC、二人の少女の方だった。
「敵襲!」
一人は警告を発しながら奥に繋がる出入口へと駆け出し、もう一方はいつの間にか手にしていた三本のクナイを、猟兵たちへと鋭く投げつけてくる。奥にいる者への報告と足止めだ。
アイコンタクトすら交わすことのない完璧な連携。練度の高さをうかがわせる二人の迅速な行動に、しかし公明が反応していた。
サイコキネシスで駆ける少女の脚を掴んで転ばせ、飛んでくるクナイを片手に持った銃で難なく弾く。硬質な音が響くが、公明の銃には傷一つない。
落ちたクナイをちらりと一瞥して、言う。
「忍びが敵、ねぇ……。あなた達が従っているのはどんな奴かしら。教えてちょうだい」
公明は空いた手で残りの銃を素早く引き抜くと、二つの銃口を少女たちに向けた。
威圧的に問う公明に、少女たちは何も言葉を返さない。逃げ出す隙を見付けようとする視線の動きを感じるが、瞳はバイザーに隠れて見えなった。
公明が大きく息を吐く。
「ま、どーせこの先に待ち構えているでしょうし。聞いてみただけよ」
奥にいるのが誰か、把握しているような口ぶりだ。少女たちが警戒の色を強め、腰を低くして脚に力を込める。
少女たちが動くのに合わせ、公明は容赦なく引き金を引いた。
二丁の銃による弾丸の乱舞は、次々と少女たちの身体を撃ち抜いていく。サイコキネシスでの拘束も相俟って、二人の少女は避けることもできずに銃弾の雨に打たれ、その度に機械化されたボディの破片が飛び散った。
やがて、銃撃が止む。
公明はぐったりと横たわる少女たちを確認して、打ち尽くした弾倉を入れ替えた。
「もうちょっと、歯応えがあるかと思っていたのだけれど……ホームの戦闘で油断したかしら?」
少女たちをあっけなく倒せてしまったことに首を傾げながらも、公明は他の猟兵たちと共に奥へと進む。
奥に待ち構えているだろう黒幕に、思いを馳せて。
大成功
🔵🔵🔵
夕闇霧・空音
アドリブ・共闘歓迎
(狼女の如き「真の姿」を顕にして戦闘を挑む
真の姿のときには口調が荒っぽく冷徹になる)
…お前ら、俺をこんなふうにしておいて忘れてねえだろうな?
ここでフリーズゼロを使えば巻き添えにしちまうなぁ
ヴァリアブルウェポン(爪)で命中率を重視して攻撃を仕掛ける。
二人同時でなくとも、分断じて片方に集中攻撃すれば
相手になるだろう。
それで倒れるまで攻撃を仕掛けるつもりだ。
「お前らに貰ったこの力で、たっぷり礼を返してやる。思い知れ」
●夕闇霧・空音
先程の戦闘で鳴り響いた銃撃音は、敵への宣戦布告として充分に効果があったようだ。
手術室を出て、ホールのような場所に足を踏み入れた途端、倒した少女たちと同じようにボロボロのセーラー服を着たUDCの集団が現れ、猟兵たちを取り囲んだ。
UDCは身のこなしも軽く左右に跳ね回り、仕掛ける機会をうかがっているようだ。時折わざと隙を見せ、猟兵たちの攻撃を誘っている。
様子を見るだけの敵に焦れて、前に出たのは空音だった。
敵を目の前にして自動起動したデバイスの効果で、徐々に戦意が高揚するのがわかる。狼女の如き真の姿の片鱗を顕しながら、それでもどうにか、デバイスによるものだけではない怒りを抑えて声を出した。
「……お前ら、俺をこんなふうにしておいて忘れてねえだろうな?」
狼の爪のように変化した手足を見せつけながら、射殺すような視線をUDCに向ける。
空音の身体は、風魔衆を名乗るUDCによって改造されたものだった。今は逃げ延びて、妹と共に暮らせているが……だからと言って、風魔衆への恨みを忘れたわけではない。
だが、空音の殺気を受けてもUDCは平然と首を傾げるだけだ。
「あたしらが、毎日どれだけ改造してると思ってんの?」
「そりゃ逃げ出せるヤツは少ないけどさー。全員の顔知ってるワケないじゃん!」
「てーか。戻ってきたっつーならさー、コイツをバラして調べりゃわかんじゃない?」
そりゃいいや! と。
嘲笑いながら同意したUDCが、目を細めて返答を聞いていた空音に襲い掛かる!
一人がクナイを手にして斬りかかり、別の一人が空音の逃げ道を塞ぐようにしてクナイを連射する。目を見張るようなコンビネーションだった。
しかし、空音の反応もまた早い。
強靭な狼の爪で飛びかかってくるUDCを突き刺し、振り回して飛来するクナイへの盾とする。受けきれずに皮膚を裂くクナイにも構わず、遠心力を利用して爪に刺さったUDCを投げ飛ばし、クナイの返礼とした。
腹を貫かれたUDCの口から苦痛の声が漏れ、弾丸のように他のUDCの元へ飛んでいく。逃げられずに仲間の身体を受け止めさせられたUDCだけでなく、まわりにいたものも巻き込んで吹き飛び、壁に叩きつけられた。
UDCの体液で汚れた爪を振って、空音が言う。
「お前らに貰ったこの力で、たっぷり礼を返してやる。思い知れ」
一人屠った程度では、まだまだ足りない。
成功
🔵🔵🔴
四季乃・瑠璃
緋瑪「お客さんに対しての応対じゃないなぁ…接客機能搭載したらどう?」
瑠璃「元人間…?だとしても、手加減はいらないね…殺るよ、緋瑪」
緋瑪「OK!瑠璃♪」
【ダブル】で分身継続。
予測対策に閃光仕様のジェノサイドボム(以下ボム)で視界を潰し、二人が同時に敵の視界に入らない様に別方向から攻撃。二人で連携し、接触式ボム【範囲攻撃、早業、2回攻撃】による予測しても回避しきれない程の絨毯爆撃とK100での銃撃を仕掛けて殲滅。
クナイは【クイックドロウ、2回攻撃】で迎撃。居合いは爆破と銃撃で間合いに入らせない。
緋瑪「わたし達は二人で一人の殺人姫♪」
瑠璃「殺るのに遠慮も容赦もしないよ」
※アドリブ等歓迎
●四季乃・瑠璃
広いホールのあちこちで戦闘が始まっていた。既に乱戦だ。
UDCのクナイや猟兵のユーベルコードが飛び交い、それぞれの武器を鍔迫り合いさせては離れ、所狭しと駆け回る。そんな戦闘が連続する。
瑠璃も生成した爆弾を放り投げ、閃光と爆音でUDCを撹乱する。
莫大な光量を直視したUDCの少女が、思わずといった様子で顔を覆う。その隙を突き、呼び出されたままの緋瑪が拳銃でバイザーの中央、眉間の位置を撃ち抜いて仕留めた。
UDCの連携は中々のものだが、瑠璃と緋瑪のコンビネーションも勝るとも劣らない。なんせ元々同じ一人だ。
緋瑪が銃を手の中で弄びながら愚痴る。
「お客さんに対しての応対じゃないなぁ……接客機能搭載したらどう?」
大量に殺せるのは良いんだけど、どうせなら甘いものも出してもてなしてほしい。
不満そうにこぼす緋瑪に、そうねぇなんて気のない返事をしながら、瑠璃は敵の死体を確認していた。
さっき緋瑪が撃った敵のバイザーの穴から、赤い液体が流れ出している。これまで数多くの死体を見てきた瑠璃だ、流れている液体がオイル等ではなく、血液だと断言できた。
どうやら、敵も元は人間だったようだ。
「……だとしても、手加減はいらないね……殺るよ、緋瑪」
「OK! 瑠璃♪」
二人は息を合わせてセーラー服の集団に突っ込んでいく。
瑠璃が再び爆弾を生成し爆撃を行えば、緋瑪が爆炎から逃れた敵を銃撃する。
熱と衝撃、銃弾。ばら撒かれる殺意の顕現はUDCを近寄らせない。
時折二人の反応よりもUDCの演算が上回り、傷付けられるが些細なものだ。
「わたし達は二人で一人の殺人姫♪」
緋瑪が楽しそうに笑い、
「殺るのに遠慮も容赦もしないよ」
瑠璃が淡々と告げた。
そう、殺すのなんて日常だ。
殺人姫の珍しくもなんともない一日は、まだ終わらない。
成功
🔵🔵🔴
八坂・操
【SPD】
操ちゃんは擬態特化な方が良いな☆ 身近なものであればあるほど、歪んだ部分が引き立つからね♪
そんなこんなでおっ邪魔っしまーす☆ ついでに【メリーさんの電話】で、もう一人呼んじゃおう!
「もしもしメリーちゃん? 遊びに来ない?」
メリーちゃんに遊撃して貰ったら、操ちゃんは『忍び足』で『目立たない』よう動くよ☆ 背後から一人ずつ『だまし討ち』だ♪
気付かれれば『敵を盾にする』事で身を隠し、また背後から奇襲しよう☆
操ちゃんを探せ! でも乱戦中に操ちゃん一人を探してる暇なんてあるかな?
「擬態ってホント便利だよね♪ 派手なミサイルも天使の羽根も……気付いた時には無用の長物だ」
●八坂・操
そういえば、最初の部屋にいた二人が浪漫がどうのって言ってたっけ。
「操ちゃんは擬態特化な方が良いな☆」
身近なものであればあるほど、歪んだ部分が引き立つからね♪
戯言めいた言葉を口にしながら、操は心臓を狙って飛んでくる数本のクナイを身軽に避ける。ふわりと広がったワンピースの端が裂けるが、身体には一筋の傷もない。
UDCたちは操を脅威に感じているのか、一定の距離から近付こうとしなかった。操の周囲をゆっくりとまわって、虎視眈々と襲い掛かる機会をうかがっているようだ。
操は狙われているのを気にもせず、にっこりと笑う。
「熱烈な歓迎ありがとう♪ お邪魔してまーす☆ ついでにもう一人、お友達呼んじゃうけどいいよね?」
元気に挨拶するが、UDCからの返答はない。黙ったまま、不気味に操を囲み続ける。
操は沈黙を肯定と受け取った。
「もしもしメリーちゃん? 今かごめかごめやってるんだけど、遊びに来ない?」
取り出したスマートフォンを一瞥もせずに操作して、電話した相手に軽い調子で問いかける。何度かやり取りする間にもクナイが飛ぶが、操はのらりくらりと躱し続けた。
やがて通話が終わる。
「メリーちゃん来てくれるって! やったね☆」
操がUDCに向けて言った瞬間、それは現れた。
刃物を持った少女が、その場にいた全員がまばたきをしたのかと思えるほど唐突に、操の後ろに立っている。
ふいに出現した少女に対応するためか、丁度操の前にいたUDCが動きを止めた、刹那。
少女の刃が閃く。
冷たい光を放つ刃が振りぬかれると、足を止めたUDCの頭がごとりと落ちる。首からオイルとも血液ともつかない液体が流れ出て、そして身体も膝から崩れ落ちた。
操を取り囲んでいるUDCたちの驚愕の視線が、たった今できたばかりの死体に集まる。
UDCの動きが停止する。
操の口の端が吊り上がる。
少女が流れるように刃を振るう。
振るわれた刃は次々と首を落とし、腕を断ち、腹を裂いてUDCを蹂躙していった。混乱するUDCたちを逃がさぬよう、操は背後からそっと寄り添って、確実に命を奪っていく。次第に混沌としていく状況の中、目立たぬよう奇襲する操の姿はまさに怪談だ。
確かにいるはずなのに、目で追えない。捉えられない。
「擬態ってホント便利だよね♪ 派手なミサイルも天使の羽根も……気付いた時には無用の長物だ」
浪漫なんて、合理性に欠ける遊びでしかないのだ。
そんな事を言う操の顔からは、普段の笑みが消え失せていて──不安を煽るような無表情が、長髪の隙間から覗いていた。
成功
🔵🔵🔴
萬場・了
ようは。計算させる余裕を奪って、動けなくすりゃあいいんだろ。
敵は二人、どんなに素早かろうが直接当てる必要はねえ。どちらも映り込むように、なるべく下がった位置から【強制記録媒体】を使うぜ!
外で、てめえら探しながら散々テスト撮影したんだ…!バッチリ映し込んでやるよ!
お、いいねえいいねえ!もっと表情くれよ!しかし、惜しいな、バイザーが邪魔なんだよなあ。
可能なら、敵の動きが鈍っている間に撮影や他の猟兵の攻撃に乗じて、その辺の小さなもの、無ければ俺の持つビー玉でもいいか。それを〈投擲〉してバイザーの破壊を狙うぜ。それで行動の計算は難しくなるだろうからな。
さあて、後はド派手に一撃決めればいいんじゃねえか?
●萬場・了
撮影で培った了の観察眼は、UDCの行動パターンをつまびらかにしていた。攻撃のタイミングや回避する時の身のこなし、UDC各人の呼吸の間隔に至るまで総ざらいだ。
そうして敵を注視していれば、わかる。
明らかに不自然な動作で、UDCが攻撃を躱すことがあるのだ。身体を動かす直前にバイザーに光が走るのだって妙だ。
了が導き出した答えは、バイザーで猟兵の行動を予測して、その結果に基づいて攻撃から逃れているというものだった。くるとわかっているなら避けるのは容易いだろう。
計算されてしまってはこちらの攻めも通じにくい。けれど穴だってある。
──ようは。計算させる余裕を奪って、動けなくすりゃあいいんだろ!
敵は多いが、どんなに素早くとも直接当てる必要はない。こんな状況にうってつけのユーベルコードを、了は扱える。
乱戦の続くホールから一歩退くようにして、UDCの全員が映り込むようビデオカメラを構えた。怪しい行動をとっているのに気付いたのだろうUDCが、了に向かって刀を投げつけてくるがもう遅い。
了は刀を飛びのいて躱すと、さながら勝利宣言でもするように笑いながら言う。
「てめえら探しながら散々テスト撮影したんだ……! バッチリ映し込んでやるよ!」
ビデオカメラが、起動した。
間髪入れずに出現したのは、UDCたちの目にだけ映る『なにか』だ。了には影や靄にしか見えない『なにか』を見たUDCは恐れ、怖気づいて身体を硬直させる。
「お、いいねえいいねえ! もっと表情くれよ!」
しかし、惜しいな、バイザーが邪魔なんだよなあ。
UDCの引きつった顔をレンズ越しに確認しながら、了がぼやく。UDCが回復する前にと取り出したのはビー玉だ。
「ま、止まったんならいくらでもやりようがあらアな!」
了は無垢な輝きを放つビー玉を、弾丸のような勢いで投げつける!
着弾したのはUDCのバイザーだった。ビー玉はガラス製とはいえその勢いは凄まじく、ビー玉自体も砕けてしまったがバイザーも無事では済まなかった。表面が割れ、中に仕込まれた機械が火花を散らす。
味を占めた了が次々とビー玉を投げれば、動きの鈍ったUDCのバイザーが面白いように割れていく。UDCがようやく動けるようになった頃には、了の前にいたUDCのほとんどの瞳が露出していた。
バイザーが破壊できれば、行動の計算は難しくなるはずだ。
「さあて、後はド派手に一撃決めようぜ!」
この場のUDCを駆逐するまで、もう少しだ。
成功
🔵🔵🔴
琥珀川・れに
こんな可憐な少女に会えるなんて。
調査はいつも素敵な出会いができる。
が、残念。もう他の者がダンスの相手をしていたようだ。
弱っているようだね。
美しいものを壊してはいけない。
皆そのままで素敵なのだから、整形…いや、改造はよくないよ。
なんて、挑発めいたおしゃべりを楽しみながら
ここぞというところで【カウンター】
【貫通攻撃】で致命傷を与えたい。
さて、皆には僕のUC【贄の天涙】で元気になってもらおう
次が待っている。
※アドリブ大好き&楽しみ。絡み・追加省略アレンジもご自由に。
●琥珀川・れに
「こんなに可憐な少女に会えるなんて、やはり調査では素敵な出逢いがあるね」
が、残念。もう他の者がダンスの相手をしていたようだ。
薄く笑みを張り付けた顔で嘯いて、レニーがバイザーの破損したUDCに踊りかかる。
UDCは刀を構えていたものの、レニーの振るった細身の魔法剣はするりと刀を躱して敵を貫く。引き抜くと、赤い液体が花弁のように宙を舞った。
倒れ伏したUDCを振り返ることなく、レニーは流れるような優雅なステップで次の標的に立ち向かう。
「皆そのままで素敵なのだから、整形……いや、改造はよくないよ」
化粧や装飾品で着飾ってくれるならともかく、身体を弄るのは感心できない。
美しいものを壊してはいけない。そんなレニーの考えは、今敵対しているUDCとは真逆のものだ。
「無粋なものを取り払って、出直しておいで」
甘く囁くレニーの言葉は、対峙するUDCの神経を逆撫でしたらしい。狂ったように刀を振り回し、息もつかせぬ連撃をレニーに浴びせてくる。
レニーの思惑通りだ。
UDCの猛攻を丁寧にいなして、レニーは敵に隙ができるのを待った。これだけの激しい攻撃だ、いつまでも続けられるはずがない。
案の定、UDCが致命的な隙をさらけ出した。大振りした勢いにつられて、こらえきれずに体勢を崩したのだ。無防備な腹がレニーの前に晒された。
機会を逃さず、レニーは一息に剣を突き出す!
決闘用の武器とも呼ばれるその剣は、狙いたがわずUDCの心臓を穿った。剣を抜けばうずくまるようにして倒れ込み、痙攣し、そして動かなくなる。開けた穴から血が流れだして床を染めた。
レニーは知らず止めていた息を吐きだすと、まわりを見回す。
どうやらレニーが相手していたのが最後だったようで、もう戦闘は途絶えていた。猟兵たちは思い思いに休んでいるようだ。
けれどレニーの耳には、こちらに近付いてくる微かな足音が届いている。
「皆、集まってくれ。……まだ、敵が残っているようだ。今のうちに回復しておこう」
警戒を強めてレニーが言う。
次が来る。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『643番目の殺人鬼』
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POW : 月光衝
【鋭い一閃から、冴え冴えとした月の如き衝撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 殺人鬼の最適解
【敵の挙動から最適な殺戮経路を算出し、】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 影縛り
【自身の影から伸びた蔓】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「片桐・公明」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
回復を終え、万全の態勢で待つ猟兵たちの前に、男が姿を現した。
勤め人のような恰好をした印象に残りにくい顔立ちの男だったが、無造作に手にしている刀と銃が異質だ。自然体なのに隙が見えない。
部屋の惨状をゆっくりと検分して、男が口を開く。
「……なんだ、お前ら。折角の雇い主を殺しちまったのか」
男は呆れたような口調で言って、銃を持った手でがりがりと頭をかく。
「やっと許しが出て殺し回れると思ったらこれだ。嗚呼、運が悪い──」
男の嘆きは心からのものなのだろう。それは態度から伝わってくるのだが……男の言葉には、猟兵たちには看過できないものが含まれていた。一部の猟兵が顔色を変える。
変化を察したのか、男が首を傾げた。
「うん? お前ら、正義の味方か何かか? 嗚呼、いや──そうか。お前らが例の」
組織間の抗争かとも思ったが、お前らが猟兵だと言うなら話は早い。
男は両手の凶器をそれぞれ構えた。刀を肩に担ぎ、銃口を猟兵たちへと向ける。
「俺の猛りを鎮めてくれよ、なァ」
──恐怖は狂気に通ず。死を目前とすれば人は自ずと堕ちて行く。
──我が目に映るのは人を殺す最適解のみ。
「俺の為に殺されろ」
男の口がにたりと歪む。
片桐・公明
へぇ。今度は用心棒の真似事?許可が出ず、暗い部屋に閉じ込められていたなんて、さぞかしストレスが溜まっていたことでしょう(少々嘲るような声音で)
…そのまま誰も殺せず、悔恨を抱えたまま海に沈め(無表情に)
【SPD】武器は両手に持つ拳銃。UCを推進力にして一気に近づく。0距離格闘戦。守備は紙一重の回避とエナジーを使用した[オーラ防御]
「越えてやる。貴方が出した殺人経路を。両親の知識と技術で!」
多少強引に、UCを接射。
「これこそ、確立した未来の焔よ!」
真剣な表情。わずかの余裕もない全力で戦う。
●片桐・公明
「へぇ。今度は用心棒の真似事?」
嘲るような声音で公明が言う。
「許可が出ず、暗い部屋に閉じ込められていたなんて、さぞかしストレスが溜まっていたことでしょう」
UDCの男はにやにやと笑ったままだ。
眼鏡の奥で、公明の目が細められた。表情が消える。
「……そのまま誰も殺せず、悔恨を抱えたまま海に沈め」
公明は断言して姿勢を低くした。駆け出すと同時に両手に持った拳銃で後方を撃ち、反動を推進力に変えて一気に男に肉薄する!
「おぉ、怖ェ怖ェ」
げらげらと耳障りな笑い声をあげながら、UDCは公明を迎え撃つ。
二丁の拳銃と日本刀が翻って火花を散らし、密着するような距離で銃弾が飛び交う。お互いに躱しきれず、細かな傷が増えていった。
UDCが不快気に舌打ちして飛び退く。床に落ちる男の影から蔓が伸び、公明を絡めとろうとして蠢いた。
公明は床を蹴って前に跳ね、蛇のように這い寄る蔓を紙一重で回避する。
「越えてやる。貴方が出した殺人経路を。両親の知識と技術で!」
そのまま勢いを殺すことなくUDCの懐に飛び込むと、銃口を揃えて曝け出された腹に押し付けた。
「これこそ、確立した未来の焔よ!」
並ぶ拳銃から放たれたのは弾丸ではなく業火だ。
他の猟兵たちにまで熱波が届くほどの熱量を孕んだエネルギーの奔流は、UDCの身体を後退らせ、焼き焦がし、纏わりついて離れない。
常人なら一瞬で蒸発しているだろう焔に耐えて見せたのは、UDCの故だろうか。
男は苦々しげに顔を歪め、邪魔にしかならなくなった上着を乱暴に脱ぎ捨てる。シャツには大きな穴が開いていて炭化した腹が見えた。
「このクソ尼が……ッ!」
聞くに堪えない言葉を尽くしてUDCが公明を罵る。足元に転がっていたセーラー服の死体を何度も踏みつけていて、苛立ちを抑えきれないようだ。
対して公明は変わらず真剣な表情だった。しかし極度の集中と至近距離での戦闘で消耗が激しく、息が荒い。
余裕はないが、まだ男との戦闘は始まったばかりだ。
公明は呼吸を整えると、父親から授かった二丁の拳銃を構え直した。
成功
🔵🔵🔴
四季乃・瑠璃
「ねぇ、瑠璃。この人、少し気が合うかもしれないね♪」
「私達と似た雰囲気は感じるね、緋瑪。だから…」
「「私(わたし)達の為に殺されて♪」」
【ダブル】で分身継続
瑠璃が片手でK100で銃撃しつつ接触式ボムで牽制爆破→緋瑪が爆風に紛れて飛び込み猛毒ダガーを振るい、零距離から接触式ボム投げつけ飛びのき、瑠璃はK100で後退を援護。爆風で手傷負わせた後、二人掛かりで接触式ボムによる飽和爆撃
更に切り札、ジェノサイドノヴァを起動。瑠璃と緋瑪の二人で【力溜め】魔力チャージ。最大火力で仕留める
「殺人鬼対殺人姫…良いね!楽しいよ♪」
「でも、私達二人には敵わない…貴方の予測、二人同時に対処できるかな?」
※アドリブ歓迎
●四季乃・瑠璃
足癖悪く死体を蹴り飛ばすUDCに目を向けながら、瑠璃の傍らに寄りそう緋瑪が言う。
「ねぇ、瑠璃。この人、少し気が合うかもしれないね♪」
「私達と似た雰囲気は感じるね、緋瑪。だから……」
瑠璃も応えて、そして二人の声が重なった。
「「私(わたし)達の為に殺されて♪」」
二人の口から出たのは、命令とお願いという違いはあったが、戦闘前のUDCと同じような宣言だ。聞きとがめたUDCが二人を睨んでくる。
瑠璃は殺気の篭った視線に構わず、片手で自動拳銃を連射した。空いた手で爆弾を生成し、UDCの逃げ場を塞ぐように放り投げる。
忌々しげな舌打ちと共にUDCが下がった。銃弾が掠めて男の肌を裂き、床と接触した爆弾が爆風をまき散らす。眼前で生じた熱風から顔を庇って、UDCの腕が持ち上げられた、瞬間。
緋瑪が炎と煙を突き破り、UDCの真正面に飛び出した。
目を見開くUDCを、緋瑪は鼻で笑う。飛び込む勢いで火を払って男に肉薄した。刀も銃も、密着するようなこの距離なら無意味だ。
毒を仕込んだダガーが閃いて、UDCの頬や顎に赤い線を描いた。傷を与えてはいるが、致命傷を回避されてしまうのは経験の差だろうか。男はのらりくらりと波に揺れる小舟のように刃を躱している。
実力差を感じて密かに歯噛みしながらも、緋瑪は冷静だった。UDCが完全に立ち直る前にその場から飛びのく。置き土産に爆弾を投げつけるのも忘れない。
UDCが眉根を寄せ、怒りのままに叫んだ。
「調子に乗ってンじゃねェ!」
爆発に巻き込まれようが深手を負うことはないと知っているように爆弾を無視し、銃を乱射する。薬莢が床を跳ね回った。
緋瑪は無秩序に飛んでくるために予測しにくい弾丸を必死に避ける。瑠璃が緋瑪の後退を拳銃を撃って援護するが、丁度着弾した爆弾の炎が邪魔になってUDCを狙えない。偶然か、緋瑪の頭のすぐ横を弾丸が通過し、数本の髪が宙に散る。
それでもなんとか瑠璃の元に戻った緋瑪は、炎に巻かれた暑さのためか、額から汗を流していた。
緋瑪は頬に伝う水滴を拭って、不敵に笑う。
「殺人鬼対殺人姫……良いね!楽しいよ♪」
「そうだね。面白くなってきたかも……」
怒りも露わに猟兵たちを睨みつけてくるUDCに銃口を向けながら、瑠璃も同意した。
うん、殺し合うのも嫌いじゃない。
淡々とした瑠璃の表情が、ほんの微かに愉悦に歪む。
苦戦
🔵🔴🔴
八坂・操
【SPD】
ン? アレを雇い主って呼ぶコトは、この人も被害者の一人かな? でもそれにしちゃあ随分と積極的だし、用心棒的なポジションだったのかな?
「『ちょっと、出てくんのが遅いよ。あたしら死んじゃったじゃん』」
なーんてね♪ ヒヒヒッ、声真似上手でしょ☆
ま、やる気十分なら仕方ないね♪ ……相手位はしてやるよ。
最初はドスで応戦だ☆ 『フェイント』を用いて『カウンター』を狙おう!
隙を見てドスを手放して『串刺し』貫手の『だまし討ち』だ♪ ……ま、それも『フェイント』の内だがな。
「避けた? 違うね、距離を詰めただけだ」
【細取】は霊障の一撃。目に見えている物だけが攻撃じゃあない。
「後ろの正面だぁれ?」
●八坂・操
アレを雇い主と呼ぶってコトは、この人も被害者の一人かな?
でもそれにしちゃあ随分と積極的だし、用心棒的なポジションだったのかな?
仲間と交戦中のUDCを注視しながらも次々浮かぶ疑問に、操は首を傾げる。
死体とはいえ、雇い主を文字通り踏んだり蹴ったりしていたのを見る限り、忠誠心なんて欠片もないのだろう。雇われていたのはバックアップを得るためで……殺した後の死体の処理や、身を潜める隠れ家を調達するのに便利だったとか、きっとそんな理由だ。尋ねても返事の代わりに銃弾が返ってくるだろうし、答え合わせはできそうにないけど。
とはいえ、雇用関係にあったというのは利用できそうだ。
操はにっこり笑うと、未だ燻る煙に紛れた。
UDCは漂う煙を隠れ蓑に、呼吸を整えていた。
熱がじりじりと肌を焼き、焦げた肉の異臭が鼻を突く。
風はないが、時間が経てば煙は晴れてしまうだろう。そうなる前に操は男の背後からそっと忍び寄り、囁く。
「『ちょっと、出てくんのが遅いよ。あたしら死んじゃったじゃん』」
操の口から出たのは、もう起き上がることのないセーラー服の少女の声音だ。
死んだはずの少女の声に、ばっ、とUDCが振り返る。男の表情は引きつっていた。
「なーんてね♪ ヒヒヒッ、声真似上手でしょ☆」
操が笑って言うと、UDCはからかわれたことに気付いたらしい。一瞬だけ呆けた顔を見せると、すぐに憤怒の形相へと変わった。
「テメ、……ッ!」
あまりの怒りに続く言葉も出てこないようで、UDCは代わりとばかりに刀を振るった。大きな横薙ぎの一閃は月の如き衝撃となって放たれ、無邪気な笑みを浮かべる操を襲う。
「そんな大振り、当たると思った?」
操は身体を床に付きそうなほどに逸らして斬撃を躱すと、そのままバク転して間合いを取った。UDCが詰め寄ってくるのをドスを投げつけて牽制し、着地と同時に跳ねるように床を蹴る。
「得物も持たずに特攻たァな!」
UDCがドスを手で払って嘲笑った。
操は笑ったまま表情を変えず、UDCに身体ごと突っ込みながら右手の親指以外の指を揃える。徒手ですら凶器と化すその形は貫手だ。手は、殺し方を知っている。
UDCは迫る貫手のただならぬ空気を感じ取ったらしく、咄嗟に身体を横にずらした。操の手は皮膚の一枚を裂くに留まる。
UDCがほくそ笑んだ。この貫手すらもフェイントだと知らずに。
表情の消えた操が言う。
「避けた? 違うね、距離を詰めただけだ」
抱き合うような距離で、UDCの耳元に口を寄せて囁く。
「後ろの正面、だぁれ?」
感情のない声を耳にした途端、UDCの背を『ナニカ』が切り裂いた。
傍目には勝手に背中が斬れていったようにしか見えなかっただろう一撃は、UDCの肉を深く裂いていた。てらてらと光るピンク色の断面から血が噴き出す。
「ぐ、ぐ、ッそ! 女ァ!!」
UDCが雄叫びをあげ、操を乱暴に引きはがして突き飛ばす。銃と刀を取り落とそうが、この気味の悪ィ女と離れられるならなんでも良いと、恐怖に染まる男の目が語っていた。
操は逆らうことなくUDCから距離を取り、側に落ちていたドスを拾い上げる。ついでに偶然近くにあった、男に足蹴にされていた死体の頭を撫でる。
操のものではない少女の笑い声がしてすぐに消えた。
成功
🔵🔵🔴
霑国・永一
【SPD】
俺が正義?実に笑止千万。多分俺は君と似たような思考だよ。
ま、正義でも悪でもどっちでもいいか。俺はしがない泥棒だからねぇ、成すことを成すだけ
俺の為に命を盗まれてくれ
狂気の戦鬼を発動
【ダッシュ】を加えて高速移動し、敵の視界から外れるよう動きながら衝撃波で攻撃、挙動を観察する暇をなるべく与えない
攻撃時は【見切り】【早業】を入れ、防御・回避時は【見切り】【ダッシュ】【フェイント】【逃げ足】
隙あらば【盗み攻撃】【盗み】もして相手の武器も奪って遠くへポイするなり破壊するなりする
拾いに隙晒すなら容赦なく追撃
「ハハハハッ!こうでなくちゃなぁ!!オラッ本職!俺様に盗まれたくなきゃ気概見せろよッ!!!」
●霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)
煙が晴れるとそこには、傷だらけのUDCが立っていた。
一連の戦闘で服はほとんど千切れ飛び、拾いなおしたのだろう銃と刀にも細かな傷がいたるところにある。
そんな状態でも戦意は変わらないようで、血を吐き捨てて怒鳴った。
「正義面してンじゃねェぞテメェら! すぐに細切れにしてやらァ!!」
痛みを紛らわすように威嚇するUDCに、永一が気軽な調子で返す。
「俺が正義? 実に笑止千万。多分俺は君と似たような思考だよ」
ま、正義でも悪でもどっちでもいいか。
嘯く永一は泥棒だ。金目のものが好きだが、他のものにも興味がないわけじゃない。
「俺の為に命を盗まれてくれ」
薄っぺらな笑みを張り付けて永一が言った、次の瞬間。
永一の表情が粗暴に歪む。眦は吊り上がり、口も三日月のような弧を描いた。同一人物とは思えないほどの豹変だ。纏う空気も一変している。
顎を上げて、『彼』が吼えた。
「ハハハハッ! 俺様がぶち殺してやるぜッッッ!!!!!」
獰猛な笑い声をあげる『彼』は、UDCに身構える暇も与えずに駆け出した。
縦横無尽に疾走する『彼』の姿を捉えようとしてか、UDCは忙しなく視線を走らせているが追い付けていない。疾駆する『彼』は、まるで獣のようだった。
「細切れにするんだろ? やってみろよホラよォッ!!」
挑発を交える余裕すら見せつけ、『彼』は立ち止まることなく刃物を振るう。離れた位置からでも衝撃波を飛ばして攻撃の出所を掴ませない。
どこから来るのかわからない斬撃に、UDCは身を固くして耐えることしかできていなかった。かろうじて急所は守られているもののそれだけだ。
隙を見せたUDCを、『彼』が強襲する。
正確にUDCの武器を狙った、衝撃を纏った一太刀は、銃と刀の両方を部屋の隅へと弾き飛ばした。思いがけない戦果に『彼』が哄笑する。
「ハハハハッ! オラッ本職! 俺様に盗まれたくなきゃ気概見せろよッ!!!」
UDCの血走った眼球は、未だに『彼』を捉えられない。
大成功
🔵🔵🔵
萬場・了
悪党の敵は正義だけじゃねえってことだな。まあ最期ぐらい楽しんでからいこうぜ!
俺は遠距離から〈撮影〉による敵の〈生命力吸収〉を続ける。
てめえの間合いになんざ誰が入るかっての…!
〈第六感〉頼りなのは認めるけどよ、こっちだって攻撃を〈見切り〉避けるのには自信あんだぜ!
〈存在感〉をアピールしながら敵を煽り、なるべく近距離での攻撃が最適だと見せかけ、向こうからの攻撃を待つ……!
致命傷にならない程度に攻撃を受けてやったところでユーベルコードを使用。傷口を塞ぎつつ、浴びせた血を変化させヤツを締め上げる。
〈捨て身の一撃〉にはなっちまうが〈激痛耐性、気合い〉がありゃ何とかなるだろ!これで確実に捕まえてやるぜ!
●萬場・了
了はUDCから離れた位置でビデオカメラを回していた。
手玉にとられるUDCなんて面白いもの、撮影せずにはいられない。
「悪党の敵は正義だけじゃねえってことだな。まあ最後ぐらい楽しんでからいこうぜ!」
メモ代わりの音声を吹き込んで、了はUDCの動く方へとレンズを向ける。
『写真を撮られると魂が抜ける』。そんな古い街談巷説を現代に蘇らせたかのような呪いのビデオカメラは、被写体の生命力を奪って稼働していた。事実UDCの体捌きは、疲労のせいだけとは思えないほど精彩に欠いている。
このまま録画を続けていても、援護には充分だっただろう。
しかし。
「てめえの間合いになんざ誰が入るかっての……!」
わざわざ了が口に出したのはアピールのためだ。
足を止めさせるには、近くに寄ってくれた方が望ましい。勘頼りになってしまうが、攻撃を見切って避けるのには自信がある。
UDCが、戦場にあって場違いにビデオカメラを構える了をギラついた目で射抜いた。
自らの倦怠感の理由に察しが付いたのだろう、他の猟兵たちを振り払い、一目散に了を目指す。
了は逃げ出したくなる衝動を堪え、無理やりに笑った。
「ふひひっ、こんなガキに血相変えてどうしたよ! ビビってんじゃねーの!」
UDCは恨みの篭った視線で了をねめつける。
走りながらそこかしこに散らばるクナイを拾って投擲し、もう一本拾い上げて取り落とした刀の代わりとした。
了は飛来するクナイをギリギリで躱す。距離を詰めたUDCの連撃も、薄皮一枚で避け続けた。了の服が裂け、むき出しになった肌から鮮血が飛び散ってUDCを赤く染める。
UDCの顔が愉悦に歪んだ。
「何だよ猟兵、口だけかァ?!」
「と、思うじゃん?」
了が悪戯が成功した子供のように笑う。
あん? とUDCが訝しげな声を出す、間もなく。
了の流れ出る血が、触手へと変貌した。
呆気にとられたUDCを、浴びせた血液が変化した触手が拘束せんと蠢く。触手を斬ろうとするUDCだったが、弾力性に阻まれて刃が通らない。UDCの口から舌打ちが漏れた。
しかし切り替えて対策するのも早い。服を切り裂き、脱ぎ捨てて触手の大半から逃れていた。皮膚に付いた分が片腕を胴体に縛り付けただけに留まる。
UDCが警戒してか距離を取った。激昂しやすくても土壇場で冷静な判断を下せるのは、経験の故だろうか。
「ふひひっ、片腕貰ったァ!」
傷口を触手で塞ぎながら、了が不敵に笑う。
確実に敵を追い詰めている。勝利はきっと、すぐそこだ。
いい画を見逃さないよう、了は痛みに耐えながら再びビデオカメラを構えた。
成功
🔵🔵🔴
琥珀川・れに
「どうして彼女らは君のような存在を…それに組織とは何だ?」
まあいいや、この世界の内情は。
嘆くべきはそんな情勢を生み出してしまっていることに少なからずオブリビオンが影響しているということだ。今は目の前の敵に集中しよう。
(貴族の決闘らしく剣を構える決めポーズ)
僕は(僕たちは)正義の味方で合っているよ
「刺客か何か分からないけれど、主人の命に間に合わないようなら
用心棒としては僕の城の家来にも劣るようだね」
【カウンター】を狙うのはいつもの僕のスタイルだけど【挑発】で戦いやすくしよう。
ここぞという時にUC【血統覚醒】
子供だと思って油断しないでくれ
※アドリブ大好き&楽しみ。絡み・追加省略アレンジもご自由に。
●琥珀川・れに
セーラー服の死体の前に膝をついて、レニーは疑問を口にした。
「どうして彼女らは彼のような存在を……それに組織とは何だ?」
気になったが、この世界の内情はとりあえず置いておく。
嘆くべきは、今回の事件のような情勢を生み出す組織に、少なからずオブリビオンが関わっているということだ。犠牲者だって何人いることか。
凶行は止めなければ。
レニーは内に沈んでいた意識を浮上させる。いつの間にか閉じていた瞼を開いた。
立ち上がって細身の剣を一息に抜き、貴族が決闘の前にやるように胸の前に構える。
「僕は正義の味方で合っているよ」
敵に応えたその言葉は同時に、レニー自身への宣誓だ。
犠牲者はこれ以上増やさせはしない。
レニーは決意と共に、片腕を封じられたままのUDCに突撃する。
軽やかにステップを踏みながら剣を突き出し、動きの鈍いUDCの身体を貫いては退く。敵の周囲を旋回しながら行われるそれはさながら舞踊のようだった。
UDCは満足に避けることもできず歯噛みする。
追い打ちをかけるようにレニーが言った。
「刺客か何か分からないけれど……主人の危機に間に合わないようなら、用心棒としては僕の城の家来にも劣るようだね」
「ンだと!?」
全ての発音に濁点が付いていそうなだみ声でUDCが怒鳴る。
自由になる方の腕で再度クナイを掴むと、がむしゃらに振り回した。
「誰がたかが家来如きに劣るってェンだ!!」
UDCが怒りと共に振るった刃には、先程までは確かにあった、ものを斬るための術理が失われていた。単なる斬撃ならば避けるのは容易い。
軽く地を蹴って後ろに飛び、レニーはクナイを回避する。
「ほら、稚拙な攻撃だ」
余裕のある表情で言うレニーの瞳が、血の色に染まる。
大振りの勢いでバランスを崩したUDCに踏み込む。一歩が、一瞬だった。
気付いた時にはレニーの剣が、UDCの胸、心臓を刺し貫いている。
「子供だと思って油断したね」
UDCの耳元で囁くようにレニーが言って、剣を引き抜いた。
迸る鮮血と絶叫に続いて、UDCが倒れ込む。しばらく血を流しながら痙攣していたが、やがて動かなくなった。
レニーは浴びてしまった血を刻印に食わせながらホールの中を確認する。しかし目当てのものの痕跡すら見付けられず、重い溜息を吐いた。元の紫色に戻った瞳を閉じる。
「UDCを倒しても、消えた犠牲者は戻らない、か。……せめて、冥福を祈ろう」
敵を討ったことが手向けになれば良いのだけれど。
呟いた言葉への返事は、ない。
成功
🔵🔵🔴
最終結果:成功
完成日:2019年03月09日
宿敵
『643番目の殺人鬼』
を撃破!
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