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素晴らしき家畜人生よ、さらば

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 ――ああ、なんて幸福なんだろう。

 領主様の御厚意により、我々は皆、飢えに困った事はない。
 毎日送られてくる食材は、我々を必ず満腹にしてくれる。
 ああ、なんて楽なのだろう。

 村の周囲には、我々が逃げられない様に高い壁が作られているが。
 逃げようとした者は、即座にその場で殺されもしたが。

 領主様の意向に逆らいさえしなければ、ただ与えられた食物を口にする生活を続けていれば、我々は生きていられるのだ。

 ――ああ、我々は、家畜としてなんて幸福なんだろう。


 「Hello、ハロー!皆さんお元気でしょうか?今回の冒険を案内させて頂きます。ガラテアでございます!」
 姦しい声が、グリモアベースに集まったあなた達猟兵に掛けられる。
 声の主であるガラテア・オートマトン(アスタリスク・f12062)は、早速とばかりに説明を始める。

「今回はダークセイヴァー。とある村落が舞台となります。簡潔に言いますと、そこは既に復活したオブリビオンによって支配され、人間牧場に作り変えられています」
 村には取り囲むように高い石の壁が建てられ、人々は枷を付けられ、与えられる食物のみを食べる事しか許されず、それ以外の全ての自由を奪われている。

「通常ではオブリビオンの護衛が村の周辺に取り巻き、脱走者、侵入者が居ないか見張りを行っており、猟兵が来ているとバレてしまえば村人達に危険が及びますが…現在、見張りの護衛全員が領主のいる屋敷に招集されております。屋敷は村からは離れた位置にあります。つまり、今村には見張りが誰も居ないのです。これは大変なチャンスです!」
 護衛が居ない間に、村人を動きやすいように説得し、邪魔になる障害を破壊しながら、安全な場所まで誘導して助け出す。というのがガラテアの考えた作戦であった。
「安全な場所は、村の近くに鬱蒼とした森林地帯があります。一時的に村人の皆さんを隠れさせるには十分な場所だと私は判断します」

 しかし何時かは護衛達も戻ってくる。村人達も今まで自由を奪われていた分、オブリビオンから逃げ続けるという選択肢も難しい。
「なので、村人達の避難が完了した後は、戻ってきた護衛のオブリビオンと戦って貰います。村人達がこれから安全に暮らしていけるように危険を排除する、という事です」
 村人も最初から家畜として扱われていた訳でない。オブリビオンさえ居なくなれば、村人は元の暮らしを取り戻す事が出来る筈だ。

「説明は以上となります。どうか彼らに、人並みの尊厳をオブリビオンから取り返してきて下さい。例えそれが幸福だと感じていたとしても、私には間違っていると思うからです。どうか、よろしくお願いします」


赤黒い
 赤黒いです。今回は家畜にされている人々を開放するシナリオとなっております。

 第一章では、村人の救出を行って貰います。
 POWによる施設、拘束具の破壊。
 SPDによる村内部の細かな情報収集。
 WIZによる現状に満足している村人の説得。
 が、主な行動となると思います。勿論、その他思いつく行動がありましたら、何でもお送り下さい。
 初期転送位置は一律村内部となりますので、ご注意下さい。

 第二章以降はオブリビオンとの戦闘になります。村の外での戦闘を想定しております。

 それでは、よろしくお願い致します。
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第1章 冒険 『美食倶楽部』

POW   :    片っ端から施設の破壊

SPD   :    先行侵入して街の絡繰を調査

WIZ   :    街の人を説得して逃す

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リーヴァルディ・カーライル
事前に防具と小石に【常夜の鍵】を付与
可能なら他の猟兵に同様の小石を渡して使い方を教えておく
小石に魔力を溜めて保護した後、怪力任せに石壁の向こう側…。
第六感で森林地帯辺りを目指して投擲しておく

…ん。これで逃げ道は確保した。行動開始ね

私は村の中を暗視と第六感を頼りに回り、
囚われている村人を保護し【常夜の鍵】に収納する

私達が猟兵という吸血鬼を討伐している集団であり、
【常夜の鍵】から大量の保存食を出し入れして見せた後、
この中に入っていれば安全だと説得する

…ただし、決めるのは、貴方自身の意志…
家畜として死にたいなら止めないけど、どうする?

…ええ。自分の意志で選択した時点で貴方は人間よ。家畜じゃない


ニトロ・トリニィ
【WIZ】を選択

【心境】
人間牧場か… 嫌なものだよ。
それにしても、見張りが全く居ないって…かなり不用心だね。 村人達が逃げないって自信があるのかな?
…まぁ、考えても仕方ない!
村人達の為に、頑張らないと!

【行動】
完全に諦めている訳では無い様だけど、逃すのは大変そうだね…
それなら、みんなに希望を持たせるまでだよ!
逃げる事に不安を持つ人も出るだろうし、〈情報収集〉を使って何がどう不安なのか聞こうかな。
色々と聞いたら、〈鼓舞〉を使って
勇気付けられる様な熱い演説をしつつ、どう対処するのか話すよ!
《猫の手も借りたい》は村人から
力を見せろ!…とか言われたら発動しようかな。

アドリブ・絡み歓迎です!




 日が昇っている時間にも関わらず、闇に覆われて暗い空の下。その集落は存在していた。
 まるで牧舎の様に均等に建てられた無数の同じ小屋。それらを囲うように立つ、10mはあろうかという石積みの分厚い壁。
 人が住むにはあまりに息苦しい、人の自由を徹底的に排した集落。

 そんな集落の壁の真下。小さな何かが飛ばされる。
 猟兵であるリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)が投げた小石は、弧を描いて壁を越え、外の森林地帯にへと落ちる。
 これは彼女の作戦であった。
 【常夜の鍵(ブラッドゲート)】。魔法陣を出入り口とし、特定の空間に繋げ、他の魔法陣からも自由に出入りを可能とする彼女のユーベルコード。
 入口となる魔法陣は、先程投げた小石と、彼女の着る防具に描かれていた。
 つまり彼女は石壁を破壊すること無く、逃亡のための出入り口を作り出したのだ。

 先程投げられ、森林地帯に落ちた小石から―正確には刻まれた魔法陣から―真っ黒な顔が覗く。
 リーヴァルディと行動を共にしている、ニトロ・トリニィ(楽観的な旅人・f07375)は周囲を確認する。
 鬱蒼と草木が伸び、闇の空のせいもあり真っ暗で先を見通せない。確かに、隠しておくには十分だとニトロは判断する。
「大丈夫。ちゃんと森に小石は落ちたよ」
 魔法陣を通り戻ってきたニトロが、リーヴァルディと合流する。
「…ん。これで逃げ道は確保した。行動開始ね」
 そうして二人の猟兵は、ズラリと並ぶ小屋へと向かっていく。

 牧舎に似た小屋の内部は、外観から予想できる通り、悲惨なものであった。
 柵で区切られた僅かな空間に、手枷を付けられた人間が一人一人閉じ込められている。拘束手段こそ、柵に首輪が繋がれているだけという簡素な物だが、誰一人として外そうとしない。いや、動こうともすらしない。
 拘束されている全ての人間は、まるまると太っていた。動くことも許されず、ただ食物を詰め込まれていた、その結果であろう。
 リーヴァルディも、ニトロも、その様相に不快感を抱いたとしておかしくはない。

 だからこそ、二人の猟兵は動き出した。

「……もう、次の食事ですか…」
「いいえ、私達はあなた達を助けに来た」
 リーヴァルディが、村人の一人に声を掛ける。
「…助ける?何のために…」
「皆さんを自由にするために。それが僕達、猟兵の役目だから」
 ニトロも、また別の村人に語りかける。
「…必要ないさ。我々は幸福だ。与えられた飯を食うだけで生きていける…それだけで他の村の様に滅ぼされる事も無いんだ…だから」
「だから、じゃない!自由のない、選択肢のない人生なんて、そんなものは幸福とは呼ばない」
 先程よりも強い口調で、ニトロが語る。
「希望は必ずある。それを知らないままに生きていくなんて、あまりに悲しいよ」
「だが…どうすれば…奴らは…」
「だからこそ、私達猟兵が居る」
 リーヴァルディは【常夜の鍵】を発動させる。大量の保存食が魔法陣から出てきた、かと思えばまた即座に魔法陣へと吸い込まれていく。
 その様子を、村人は目を丸くして呆然と見ていた。
「これは出入り口…この中に入れば、あなた達はここから安全に逃げ出せる」
 だけど、とリーヴァルディは付け加える。
「決めるのは、貴方自身の意志…家畜として死にたいなら止めないけど、どうする?」
 リーヴァルディの冷たく、突き放すような言葉。
 村人がどうなっても知らない、そんな非常な言葉であっても、村人たちは猟兵と名乗った彼らを信じたかった。
「…助かるのか…?我々はまた、人に戻れるのか…?」
 先程までリーヴァルディと話していた村人が、魔法陣へと手を伸ばす。
「ええ…自分の意志で選択した時点で、貴方は既に人間よ。家畜じゃない」
 村人の首輪に繋がれていた縄を断つリーヴァルディ。そして魔法陣へと吸い込まれる村人。その様子を見ていた他の村人たちも我も我もと手を伸ばし始める。
「…さ、手伝って。これだけ多いと時間が掛かる」
「了解だよ。頑張ろうか!」
 ニトロもまた、柵に繋がれた村人達を開放するために動き始める。

 二人の猟兵の説得により、村人達の避難は順当に行われていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミーナ・アングリフ
…この人達は、わたしと一緒…。
ただ与えられる命令に従って生きるわたしと…。
……なんでだろう。凄く、ムカムカした…。
この人達は、わたしと違って、まだ人間のハズなのに…なんで、諦めてるんだろう…。なんで、こんなにムカムカするんだろう…。
(道具と定義した自分を見てる様で、内心苛立ちを感じてる)

村人達の拘束を身の丈をも越える鉄塊剣と【怪力】で破壊しながら、淡々と村人を縛る枷を若干の苛立ちと不機嫌さを込めて破壊していく。
素早く動けない幼い子や老人は召喚したみーくん(ライオン)に乗せて運搬…。

「貴方達はまだ人間だから…だから、諦めないで…。貴方達はまだ戻れるんだから…」

※アドリブ、他の方との絡み歓迎です




 二人の猟兵が村人を救出している中、別の地区の小屋では、また別の猟兵が村人達の救出に当たっていた。
 金の髪に灰の瞳を持つ少女、ミーナ・アングリフ(自称・戦う道具・f14513)だ。
 小さな体躯を優に越える鉄塊剣を苦もなく担いで、ミーナは小屋の扉を破壊する。
 突然の衝撃。拘束されていた村人達も一斉に彼女の方向へと注目する。
 そんな村人の様子にも表情一つ返す、ミーナは淡々と一人の村人の元へと歩いていき、鉄塊剣を振り下ろす。
 決して傷つける為の動作ではない。彼女の鉄塊剣は、村人を拘束していた鎖を断ち切っただけである。
 あまりに唐突な襲撃。腰を抜かして呆けている村人に、ミーナは声を掛ける。
「立って…そして逃げて…案内は、この子にさせる…」
 ミーナの直ぐ側に寄り添うように、いつの間にか2mは越える巨体のライオンが現れる。ユーベルコード、【ライオンライド】により召喚されたミーナの数少ない友人、『みーくん』である。
 突如として現れた少女の力に圧倒された村人達は、ミーナの言葉に従わざるを得なかった。

 次々と村人達の枷を破壊していくミーナ。動けない村人は、ライオンの背に乗せられて運ばれていく。
 村人を傷つけないよう、最新の注意を払ってはいるが、その動作は少々荒っぽい。
 ミーナは内心、村人達に苛立っていた。
 ただ与えられる命令に従って生きているだけの、道具となった自分と同じ。
 だが、彼らは道具ではない。まだ人間だ。それなのに諦めている。
 その姿に、ミーナは自分自身でもよく分からない憤りを感じていたのだ。

 だからこそ彼女は、巨大な鉄塊剣を用いて村人達の尻を叩いてでも開放する。
「貴方達はまだ人間だから…だから、諦めないで…貴方達はまだ戻れるんだから…」
 自分のような道具はこれ以上必要ないのだと、心の奥底に仕舞いながら。

成功 🔵​🔵​🔴​

セシリア・サヴェージ
【POW】
【キア・レイスさんと共に行動】

これまでもオブリビオンによる非道な行いは幾度となく目にしてきましたが、人間を家畜扱いとは…一刻も早く救い出さなくては。

キアさんには敵が戻ってこないか見張りをお願いし、私は村人の解放に向かうために一旦別行動をとります。
村人が首輪や足枷などで拘束、あるいは牢などに閉じ込められていたらそれらを【怪力】で破壊。
解放した村人たちを【鼓舞】し、脱出を促します。
「まやかしの幸福に縋ってはいけない。まだ人間らしく生きたいと思うのなら私と共に行きましょう」
村人たちの安全を確保した後、キアさんと合流して敵の襲撃に備えます。


キア・レイス
セシリア・サヴェージと行動。

人間の飼育か…趣向は違うが、やっていることは似たようなものだな。
何をやっても外れなかった首輪と鎖が忌々しい、村人の説得も首輪付きだと説得力がなさそうだ。
セシリアや他の猟兵に村人は任せ、私は周囲の警戒と防御を行う。

【特殊機巧機動隊】を展開し配備、拠点防衛の知識で登れたり破壊できそうな石壁を防御させ侵入に備える。
出入り口には罠使いの要領で持っている擲弾発射器の弾を地雷代わりに、逆さに地面に埋め底面の雷管の上に石を乗せ踏むと爆発するように仕掛ける。

自分は狙撃できそうな高台を探して中を探索、道中で囚われている人がいたらセシリアに任せて、視力と暗視で敵の接近を察知する。




 村で最後の村人達が囚われている地区の一角、二人の猟兵が動き始めていた。
「それでは、行って参ります」
「ああ、頼んだ」
 短く言葉を交わすのは、セシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)とキア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)。
 本来であれば二人で村人の救出へ向かうのが効率がいいだろう。
 しかし、キアが自分から村人の救出を拒んだ。それは拘束されている村人達を思っての判断であった。
 キアには、何をどうしても外れない鎖付きに首輪が取り付けられていた。それは彼女の過去、奴隷時代の名残。
 そんな姿では村人達を開放すると言った所で説得力が無いだろう。との事で、救出はセシリアに任せ、キアは来るべきオブリビオンの見張りと、二人は別行動をする事にしたのだ。

 これまでもオブリビオンによる非道な行いは幾度となく目にしてきたが、人間を家畜扱いとは聞いた事がない。
 一刻も早く救い出さなくては。
 村人達が収監されている小屋に向かいながら、セシリアは決意を固めていく。
 そうして小屋へと入るなり、村人達へと声を大にして言い放った。
「私は猟兵です。あなた達を助けに来ました!」
 力強く、透き通った声が小屋の村人達へと響き渡る。そして近くの拘束されている村人の枷を咄嗟に掴むと、持ち前の怪力で引きちぎっていく。
 木製だろうと金属製だろうとお構いなしに、村人達を拘束している物を次々に破壊していくセシリア。
「あんた一体…猟兵とは…?」
 村人の一人がセシリアに問いかける。その問に、セシリアは真っ直ぐな瞳で見つめて答える。
「あなた達を助ける存在。今はそれだけでも信じて下さい」
 最後の一人の枷を破壊し、自由に動けるようになった村人達へ、再度セシリアは鼓舞する言葉を伝える。
「まやかしの幸福に縋ってはいけない。まだ人間らしく生きたいと思うのなら私と共に行きましょう」

 セシリアが村人達を開放している最中、キアは石壁の上に立っていた。
 出入り口は堅く閉ざされてたが、関係ない。ダンピールとして、戦場傭兵として、鍛え上げられた強靭な身体能力と技術を駆使して、石壁の僅かな隙間に指を引っ掛けよじ登り、高い壁を乗り越えたのだった。
 遠くを見る。森の向こうに小高い丘、そこに立つ古風な洋館。あそこが領主が住んでいるという屋敷であろう。
 まだ護衛とやらは戻ってきていない。
 キアは自分に付けられた首輪に触れつつ、村を見下ろす。
 見れば他の猟兵達が村人達を避難させている姿が見える。その中には当然セシリアもいる。
「人間の飼育、か…趣向は違うが、やっていることは似たようなものだな」
 セシリアはまやかしの幸福に縋ってはいけないと言った。だが、私は、わたくしは――
 奥底より湧き出て来ようとする思考を、頭を振って払いのける。
 今は村人の救出と、敵の排除を優先しろ。すべき事をしっかりと頭の中に刻みつけるキア。
 準備は既に終わらせてある。

 他の猟兵達が、森林地帯へと村人の避難を終わらせた頃、
 キアの瞳は、遠くから此方へ向かってくる鉄甲冑の集団の姿を捉えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『朱殷の隷属戦士』

POW   :    慟哭のフレイル
【闇の力と血が染付いたフレイル】が命中した対象に対し、高威力高命中の【血から滲み出る、心に直接響く犠牲者の慟哭】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    血濡れの盾刃
【表面に棘を備えた盾を前面に構えての突進】による素早い一撃を放つ。また、【盾以外の武器を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    裏切りの弾丸
【マスケット銃より放った魔を封じる銀の弾丸】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 屋敷から戻ってきた奴隷戦士の集団は、村の石壁周辺に配置されている奇妙な存在を見つける。
 より近づいて様子を確認しようと、先頭の戦士が足を踏み出した瞬間。

 爆音。それと同時に吹き飛ぶ足元。
 キアが事前に仕掛けていた地雷が炸裂したのだ。
 最初の爆発に連鎖するように、次々と炸裂する地雷。
 それだけでない。混乱する奴隷戦士達へと、次は銃弾の嵐が殺到する。
 石壁前の奇妙な存在は、キアのユーベルコード、【特殊機巧機動隊(トクシュキコウキドウタイ)】により召喚された警備ロボットであった。
 地雷による奇襲と、短機関銃による掃射を受けた先頭集団の戦士達は大打撃を受ける。

 しかし奴隷戦士達はまだ大量にいる。初動こそ此方が制したが、まだ戦意は残っている。

 集落を、村人を守る為の、戦闘が始まる。
ミーナ・アングリフ
…この人達も、戦いの道具…?わたしと同じ…?
敵なら…倒す…それが、命令で…村の人達を守る事だから…。

召喚したみーくん(ライオン)と一緒に戦闘。
時にはみーくんの背に乗って鉄塊剣を振り回したり、時には別々の敵を倒したり、互いの隙を補いあったりとみーくんと連携して戦闘を行う。
敵は【怪力、鎧砕き】で敵の盾や鎧ごと粉砕。鎧を砕き切れなくても、鉄塊剣の重量と怪力で鎧の中身へ衝撃を伝わらせて骨を砕き、ダウンさせる。

「この先は通せないよ…。あと…あなた達はここで全員、倒させてもらう、ね…」
「みーくん、やっちゃって…」
「元々は人間…だったのかな…?」

※アドリブ、他の方との絡み歓迎です


ニトロ・トリニィ
【心境】
うわぁ…護衛達が戻ってきた…
それにしても… 奴隷戦士か…
元々人間だったのかな?だとしたら少し戦いづらいな… 倒さなきゃいけないのは分かっているんだけど…
でも…この村の為に戦わないとね!

【行動】
僕も前に出て戦うよ!
必要であれば、みんなの援護もするから頼ってね!
《猫の手も借りたい》で、相棒を召喚したら、〈鎧砕き/2回攻撃/なぎ払い/範囲攻撃〉で攻撃するよ!
敵の攻撃を全部避けるのは無理だから〈盾受け/激痛耐性/かばう〉で防ぎつつ〈カウンター〉で反撃だよ!

「相棒! 今回は、地対空ミサイルは使わずに、30mmガトリング砲で攻撃してくれるかな?…ありがとう!それじゃ頼んだよ!」

アドリブ歓迎!




 罠による先制攻撃により、奴隷戦士は隊列を乱していた。
 そんな様子を前に、ニトロ・トリニィは内心、躊躇いがあった。
「奴隷戦士か…元々人間だったのかな…」
 倒すべき相手だとは分かってはいる。しかし彼らも村人達と同じだったのかも知れない。そう考えると、少し戦いづらい。
 そんなニトロの隣から、一人の少女が黄金のライオンの背に乗り、奴隷戦士へと向けて駆け出していく。
「敵なら…倒す」
 それが命令で、村の人達を守る事だから。
 ミーナ・アングリフにはそれしか出来ない。それしか出来ないからこそ、全力を以て戦う。
 覚悟…とは、また違うものではあるが。
 しかしニトロの目に映る彼女の姿は、彼の中の躊躇いを拭い去るには十分なものであった。
「そうだ…この村の為に戦わないとね!」
 ニトロもクランク状の奇妙な大剣を手に、ミーナの後へと続く。

「みーくん、やっちゃって…」
 【ライオンライド】。黄金のライオンが奴隷戦士の一体へと飛びかかり、爪を、牙を、突き立てて喰らいつく。
 その背に乗るミーナも、細腕からは想像も出来ない怪力で鉄塊剣を振り回し、近くの敵をその装甲ごと砕き割り、叩き伏せる。
 奴隷戦士も棘付きの盾を構えてミーナへと突撃するが、ライオンの突撃の勢いと共に突き出される鉄塊剣に、容易く盾ごと貫かれる。
 縦横無尽に暴れまわるミーナ。
 そんな彼女へ一体の奴隷戦士が、倒れた味方の影に隠れマスケット銃を構える。
 魔を封じる銀の弾丸の入った銃である。命中すれば、黄金のライオンは消え去り、彼女の機動力を奪うことが出来る。

 だが銃の引き金が引かれることは無かった。銃を構えていた奴隷戦士が、蜂の巣にされたからだ。
「いいぞ相棒、その調子で頼むよ!」
 蜂の巣にしたのはニトロのユーベルコード、【猫の手も借りたい(サモン・エイリアンキャット)】により呼び出された…猫っぽい宇宙生物。
 口からガトリング砲を出している姿は戦場においてはあまりにもシュールだが、実際は先程の通り奴隷戦士を屠ったのだから堪らない。
 ニトロも自身の鉄塊剣『クランクソード』で戦士達の鎧を砕き、大勢をなぎ払っていく。
 戦士達からの銃撃も、指輪から発生されるビームシールドで防ぎつつ、彼の相棒のガトリングにより逆に撃ち抜かれる。
 ミーナがライオンと共に先陣を切って集団をなぎ払い、ニトロが宇宙生物と共に溢れた戦士を一人一人丁寧に潰していく。
 急な連携ではあったが、それでも現状の混乱状態にある奴隷兵士達には二人の猟兵は対処しきれず、手に余る。

 そして猟兵は、二人だけでない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フォルク・リア
現れた戦士を見て
「おでましか。
村人を助けてくれたみんなには
礼を言わないとな。
それを無にしない為にも、確り働くとしようか。」

命を喰らう漆黒の息吹を使い敵の中へ。
効率よく花びらでの攻撃に巻き込める様に戦いながらも
敵の攻撃は警戒して防御回避。
避け切れなければ花びらを使い攻撃を逸らす。
裏切りの弾丸を受けてしまったら
「っ…!やってくれる。
しかし、此処からは我慢比べだ。」
ユーベルコードを封じられたら
封じた相手を影刃(ダガー)の
残像を纏った2回攻撃で斬り付ける。
寿命を削っている筈の敵とユーベルコードを
使えない自分との我慢比べ。
オーラ防御や仲間との連携で凌ぐが。
敵が解除したらその瞬間。
花びらで仕留めにかかる。




「おでましか。村人を助けてくれた皆には礼を言わないとな」
 遅れながらも戦場へと、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)が現れる。
「それを無にしない為にも、確り働くとしようか」

 奴隷戦士の集団は、未だに混乱状態にあった。
 最初の罠による奇襲に、間髪入れぬ二人の猟兵の登場に、迎撃に精一杯に隊列を組み直す暇すら無い。
 そんな彼らへ、更に追撃が入る。
 奴隷戦士達に風と共に吹き付けられる、漆黒の花弁。
 フォルクのユーベルコード、【生命を喰らう漆黒の息吹(イノチヲクラウシッコクノイブキ)】。
 触れる者の生命を喰らう冥界の鳳仙花が、奴隷戦士達から立ち続ける力を奪い、次々と大地にへと倒れさせていく。
 それでも生き残った者がマスケット銃をフォルクへと向けるが、視界が花弁に覆われて狙いが定まらない。
 そうして花弁が張り付くたびに、更に生命力を奪われていく。
 引き金を引けたとして、弾丸がフォルクへ飛んでいったとして、オーラを纏った花弁が強固な盾となり、銀の弾丸を弾く。
「…我慢比べをするまでもないな」
 力なくマスケット銃を落とす奴隷戦士達を見ながら、フォルクは万が一と抜いていたダガーを鞘に収めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

セシリア・サヴェージ
【POW】
【キア・レイスさんと行動】

敵の見張りが戻ってきたようですね。村人たちもここならば暫くは安全でしょう。
急ぎ駆けつけ、キアさんと合流しなければ...。

キアさんの援護があれば何も恐れることはない。敵中に飛び込みひと暴れするとしましょう。
交戦前にUC【ブラッドウェポン】で暗黒剣を強化。
暗黒剣での【なぎ払い】や暗黒の【衝撃波】による【範囲攻撃】で複数人まとめて攻撃。
闇の力を宿す武器などと…笑止。暗黒騎士たる私が真の闇の力とは何か、お前たちに教授してやろう。

キアさんや他の猟兵の方に攻撃が向いたときは【かばう】【武器受け】で間に割って入ります。
騎士として、仲間を傷つけさせはしません。


キア・レイス
セシリア・サヴェージと行動。

始まったか、事前準備からの先制攻撃が功を奏したようで足並みも乱れているな。

後続を村の中に入れないように事前に出している警護ロボットの残りを全て投入、他の猟兵が来るまで時間稼ぎだ。
私も狙撃で敵を削る、ただし敵の銃撃を食らってしまわないように普段は目立たないよう姿を隠し狙撃は反撃が来ないと思えた時にとどめる。

セシリア達が現場に到着したら足並みを揃えるために前線に駆けつける、可能なら村の外まで押し返したい。
セシリアはそのまま敵中で暴れるようだ、ならば背後は守ろう、その方がセシリアも憂いなく戦えるだろうし。生き残りや取り零し、味方を狙う敵を援護射撃で確実に撃ち倒す。




「始まったか」
 キア・レイスは冷静に戦況を見つめていた。
 彼女の仕掛けた先制攻撃は功を奏した。結果として猟兵達の有利に事は運んでいる。
 キアは先の奇襲でも扱った警備ロボットを呼び出すと、その全てを戦場へと投入する。
 ダークセイヴァーではまず見る事の無い、自立する鉄の人形。短機関銃という文明の技術を超えた武器。
 奴隷戦士達もマスケット銃より銀の弾丸を放つが、数十体という数で押し寄せる警備ロボットは、装備する盾で弾丸を防ぎ、中々一撃を入れる事が出来ない。
 機関銃の掃射が行われる。奴隷戦士達も同じ様に盾で防ぐが、勢いが違う。
 ロボットは隊列を組み、奴隷戦士達を後方へと押し込んでいく。
 キア自身もまた、ロボの隊列の後ろからアサルトライフルによる射撃を行う。
 弾幕の嵐。だというのに奴隷戦士も中々に堅い。押されてこそいるが、何とか攻撃を凌いでいる。
 これで良いと、キアは考える。
 掃射は単なる攻撃ではない。彼女が戦場へとやって来るまでの時間稼ぎの手段。

「お待たせしました」
 キアの後ろから、声が掛けられる。
 村人の避難を行っていたセシリア・サヴェージが戻ってきたのだ。
 セシリアは自身の大剣『ダークスレイヤー』に暗黒を纏わせる。
 【死を呼ぶ魔剣(ブラッドウェポン)】により強化された大剣を手に、今まさに嵐が巻き起こる戦場へと躊躇いなくセシリアは身を投じる。
 一部の奴隷戦士達は、受け止めていた弾幕が途切れた事に気づく。
 それと同時に、迫るセシリアの存在にも。
 振るわれるセシリアの暗黒剣。暗黒の波動による衝撃波を発生させながら、数人の奴隷戦士が纏めて薙ぎ払われる。
 キアの援護のある今、セシリアの中に一切の迷いはなかった。
 振るわれる敵のフレイルにも、何の脅威も感じられない。
 その程度の闇など、より強大な呪いを扱う暗黒騎士には足元にすら及ばない。暗黒剣で弾き、その上で真正面から叩き伏せる。

 闇が、鉄が、戦場で抑えられない暴力として荒れ狂う。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。あれだけ着込んでいるなら、視界も制限される。
鎧の金属音や戦闘音でこちらの気配も読み辛いだろうし…。
…奇襲、しかる後離脱でやってみよう…。

事前に防具を改造して存在感を消す呪詛を付与。
小石のように気配を消し、敵の視線や行動を見切りながら接近。
第六感を頼りに限界まで近づいた所で【見えざる鏡像】を発動。

…どんな優れた攻撃も、当たらなければ意味がない。

…吸血鬼の前に無駄に消耗する訳にはいかない。手早く仕留めよう。

不可視化した後、怪力任せに大鎌をなぎ払い生命力を吸収、
力を溜めた銃撃で傷口を抉る2回攻撃を行った後、
防具に刻んだ【常夜の鍵】を発動して離脱する。

…遺体は後で回収してあげる。今は眠りなさい。




 片や獣の狩場。片や死の花弁に、暗黒と鉄の雨が舞い上がる。
 最早奴隷戦士達に勝ち目はない。
 それでも命尽きるその時まで、彼らに自由は与えられない。否、死した後にオブリビオンと化している以上、永久に自由になる日は無いのだろう。
 尚も抵抗を続けようと立ち上がろうとする奴隷戦士。
 その内の一人が、突如として倒れ込む。
 何事かと他の仲間達が見れば、そこには首が切り落とされている戦士の姿。
 更に、もう一人の奴隷戦士の首がいきなり跳ね飛ばされる。
 それを皮切りに、次々と切り飛ばされる奴隷戦士達の首。残っている者達は、只々混乱する他無かった。

 事の主はリーヴァルディ・カーライル。
 大鎌を携えて死神の如く、戦場を駆け抜けては残っている戦士達の首を刈り取っていた。
 【見えざる鏡像(インビジブル・ミラー)】
 透明化のユーベルコードにより姿を消していた彼女は、さらに防具に存在感を殺す呪詛を掛ける事で非常に見つかり辛い存在となっていた。
 その状態から振るわれる渾身の大鎌は、奴隷戦士達のなけなしの生命力を根こそぎ奪い取り、ユーベルコードの疲労というデメリットを消し去り、長時間の不可視での戦闘を続けられていた。

 やがて、怯え惑う最後の奴隷戦士の首が刈り取られ、その遺体は黒い靄となって霧散していく。
「…今は、眠りなさい」
 その救われない姿に、リーヴァルディはポツリと溢すように呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『リーシャ・ヴァーミリオン』

POW   :    魔槍剛撃
単純で重い【鮮血槍】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ブラッディ・カーニバル
自身に【忌まわしき血液】をまとい、高速移動と【血の刃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    魔槍連撃
【鮮血槍による連続突き】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天御鏡・百々です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 全ての奴隷戦士達を倒した、猟兵達。

「すごい、すごいわ!もう全滅しちゃってる!」
 そこへ掛けられる無邪気な声。
 現れたのはゾッとするほど真っ白な肌を持ち、鮮血を纏う赤い瞳の少女。
 あなた達猟兵は、一目見て確信できるだろう。

 彼女こそが、この村を牧場に変えた領主であり、ヴァンパイアであり、オブリビオンであると。

「家畜達が逃げ出そうとしていたから、奴隷で遊ぶのを止めてすぐ返したっていうのに、このざま!やっぱり猟兵が手伝っていたのね」
 少女は槍を手に、機嫌が良さそうにクルクルと弄ぶ。
「うふふ…でも、久しぶりに楽しめそう。さぁ!遊びましょ、猟兵!奴隷は脆くて、家畜は出来上がるのが遅くて、退屈で退屈で仕方がないの!」

 そう言うと彼女は、あなた達へ向けてただならぬ殺気を放つ…ボス戦だ!
ニトロ・トリニィ
おや? 来たようだね。
うわぁ… 想像通り歪んだ性格してるよ…
「さっきの奴隷戦士達よりは大分戦いやすいかな? 倒しやすい性格で助かるよ」

【行動】
今回は、敵の攻撃を引きつけるよ!
わざと怒らせれば僕を狙って来る様にするかな。 プライドが高そうだから、そこを傷つける言動をすればこっちに来るかもね。
〈盾受け/かばう/激痛耐性〉を使って攻撃を防ぎつつ、〈カウンター/2回攻撃/鎧砕き〉を組み合わせて反撃を狙おうかな。
〈地形の利用/念動力/目潰し〉で小石や砂埃を巻き上げるのも良さそうだね。 相棒には引き続き活躍してもらおうかな。
「相棒! 今回は手加減無しだよ!」

アドリブ・協力歓迎です!


フォルク・リア
「人の人生も命も全て退屈凌ぎの為か。」
「そんなに退屈なら、いっその事
その心臓を止めてしまえば、退屈も止むんじゃないか。」
お前との遊びなんて、全く楽しくはないが。
仕方ない。付き合ってやるよ。最期までな。

暴虐の黒竜王でユーベルコードを相殺する為
自分に向けられたものでなくとも
敵の行動をよく見て備える。

その間もデモニックロッドの魔弾等で攻撃。
接近されたら影刃で牽制
敵の行動をよく見て攻撃を躱し
敵がユーベルコードを発動したタイミングで
暴虐の黒竜王で相殺させ
後手に回ってしまっても可能であれば相殺させる。

仲間がいれば仲間への攻撃も相殺を狙う。
(特に攻撃時のサポート)
「その槍と血、黒竜の贄となって消えて貰う。」




 とうとう現れた領主、リーシャ・ヴァーミリオンの姿に、ニトロ・トリニィはつい言葉を漏らす。
「さっきの奴隷戦士達よりは大分戦いやすいかな? 倒しやすい性格で助かるよ」
 見た目通りの子供のような無邪気で残酷な性格。精神も戦闘の練度も未熟だろうと、ニトロは楽観的に考える。考えてしまう。
「あら、あら?私のことバカにしている?しているわね!」
 ニトロの言葉に、分かりやすく頬を膨らませて抗議するリーシャ。やはり子供っぽい。
「いいわ!まずはアナタから殺してあげる!」
 鮮血を纏う槍を振りかざして、リーシャがニトロ目掛けて躍り出る。
 ここまではニトロの想定内。
 彼女を挑発し、自身へと攻撃を引き付ける。その間に【猫の手も借りたい(サモン・エイリアンキャット)】で呼び出した相棒に攻撃を仕掛けさせる。それがニトロの考えていた作戦であった。
 だが、彼女の力量は彼の想定を超えていた。

「けどその前に、邪魔なペットから殺さなきゃね!」
 ニトロと接敵する直前で、リーシャは軌道をニトロからその背後の宇宙生物へと急に変更する。
 投げつけられる鮮血槍。宇宙生物は声も上げれずに消滅してしまう。
「なぁ!?」
「うふふ!2対1なんて卑怯じゃない、つまらないわ!」
 相棒を討たれたニトロの反撃にも、身を翻して軽々と避けるリーシャ。所有者の意思に答えるかのように飛んで戻ってきた鮮血槍を手に取ると、本番とばかりに槍を振るうリーシャ。
 突き、薙ぎ、払い、連続した攻撃がニトロへと襲いかかる。
 ニトロもまた、ビームシールドを展開して防ぐが、怒涛の連撃にニトロは防御を強いられる。反撃を与えられる隙が見えない。
「あはっ、いいわ!いいわ!!」
 鮮血槍が光の盾を削り、遂にはニトロの身を掠る。攻撃が続く度に、リーシャは頬を赤らめ昂ってゆく。
 もっと、もっと!そして最後には、とっておきの心臓を一突きで――!

「くだらん」
 リーシャの攻撃の手が止まる。彼女の意思ではない。死角から撃ち込まれた闇の魔弾による、強制的な停止。
 魔弾を撃ち込んだフォルク・リアは、デモニックロッドを手にリーシャへと言葉を吐き捨てる。
「人の人生も命も全て退屈凌ぎの為か」
 術士として、研究者として、何よりも生死に深く関わる呪術師として、フォルクは苛立ちを隠せなかった。
「そんなに退屈なら、いっその事その心臓を止めてしまえば、退屈も止むんじゃないか」
「なんてこと…なんてこと!今、とてもいい所だったのよ!」
 フォルクの言葉に意を介さないリーシャ。今この時、彼女の第一優先はニトロで、それを邪魔したフォルクは許しがたい存在となった。
 そして許しがたい存在はフォルクに取っても同じ。
『纏う風は黒。羽撃く翼は烈風。その身に宿すは狂乱。上げる咆哮は冥府の陣鐘。』
 詠唱。返す言葉は、ただ次の一撃を加える為のモノとして紡ぐ。
「気に入らないわ!」
 先ほどと同じく、鮮血槍を投げつけるリーシャ。違う点は、飛翔する槍に追従するように、リーシャもフォルクへと走り出していた。
『抗う全てを喰らい、その宿せし力の無慈悲なる真価を示せ。』
 迫る槍にも、リーシャにも恐れず、詠唱を完成させるフォルク。
 現れ出るは暗闇の如き黒竜。
「その槍と血、黒竜の贄となって消えて貰う」
 開く顎は鮮血槍を受け止め、更に近づいていたリーシャに牙を突き立てた。
「ッ…ァ…!」
 生暖かな感触と、鋭い痛み。それでもリーシャは黒竜に咥えられた鮮血槍を無理矢理に手を伸ばし掴むと、内側より突き破り黒竜を消滅させる。
 すぐ背後に、ニトロが『クランクソード』を手に迫っていることにも気付かずに。
「相棒の仇討ちだ!」
 振り下ろされるニトロの大剣。黒竜の拘束から逃れたリーシャの背中を、バッサリと斬りつける。

 渾身の一撃。しかしリーシャはそれでも尚機敏に動き、槍の刺突を交えながら彼ら二人から離れる。
「ふん!卑怯だわ、卑怯だわ!2対1はつまらないと言ったでしょ!」
 地団駄を踏んで悔しがるリーシャ。全身から血を流してはいるが、何事もないように動き続ける。
 流血する程の怪我でさえ、彼女にとっては取るに足らない切り傷程度でしか無かった。
 気分を害された少女は、不機嫌に鮮血槍を構え直した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミーナ・アングリフ
姿からは想像できない程の【怪力】で鉄塊剣を振り回し、剣から炎【属性攻撃】を噴出させ、【鎧砕き】で敵の武器や防御ごと粉砕する様に叩きつけて戦闘…。
敵の攻撃は【第六感】で感知して【武器受け】で防御…。
まだ未熟なので見切りとかはできないけど、今まで生きる為に培ってきた勘でなんとか…。
それでもやはり防ぎきるのは無理なので、それを利用して敵が傷を負わせた瞬間に【ブレイズフレイム】を発動…。
相手が手傷を追わせて油断した瞬間、傷口からカウンターで炎を噴出させ、相手を焼き尽くすよ…。
最後はその炎を剣に纏わせて一閃…。

「…自分の手を切る手間が省けた…ありがと…」(血がボタボタ)

※アドリブ、他の方との絡み歓迎です


フォルク・リア
「その狂暴性はやはり化け物の類だな。
しかし安心したよ。そんな化け物如きに
俺達が負ける筈ないからね。」

「2対1が卑怯だとか
あれだけの隷属戦士を仕掛けておいてよく言う。」
(しかし、望み通り此処は退くとするか。)
一旦前線を退いてから。
真の姿を開放し
(姿は基本的に今までと変りなし。
但し、全身に血煙の様な紅いオーラを纏う。)
リザレクト・オブリビオンを使用。
騎士には近接距離、
蛇竜には中・遠距離から敵を攻撃させ、
自身は後方から死霊に指示を出し
攻撃を受けない様に立ち回り
攻撃が自分に向かいそうなら
死霊に阻止させ、
仲間がいれば連携
仲間が危険そうなら庇わせる。
「さあ、また増えたぞ。
不満なら自力で減らしてみる事だ。」




 猟兵の攻撃を受け、体中から血を流しても尚、遊びの邪魔をされたという理由で怒るリーシャ。
「その狂暴性はやはり化け物の類だな」
 フォルクは引き続き戦線に立ち、怒りの矛先を自身へと向けさせる。
「しかし安心したよ。そんな化け物如きに、俺達が負ける筈ないからね」
「うるさいっ!」
 お前が邪魔をしなければ気持ちよく殺せていたのに!リーシャが鮮血槍を突き出し、フォルクへと突進しようとする。
 が、その直前にリーシャは背後より迫ってくる『熱』に勘付き、急遽その場から跳び去る。
 先程までリーシャがいた場所に、炎纏う鉄塊剣が轟音と火の粉を散らして叩きつけられる。不意打ちが避けられた事にも動じず、鉄塊剣の持ち主であるミーナ・アングリフは軽々と鉄塊剣を持ち上げると再びリーシャ目掛けて振り回す。
「また!また私の邪魔をする!」
 感情を爆発させるリーシャ。炎に巻かれながらも、血の滴る鮮血槍で鉄塊剣を受け流していく。対してミーナは驚くほど冷徹で、無感情であった。

 二人の少女による戦闘が始まっている中、フォルクは一時前線から引いていた。
 彼女、ミーナが相手をしてくれるのなら好都合。時間を稼いでいる間、新たな術を展開する準備の為に、彼は真の姿を開放した。

 ミーナは少女の姿からは想像も出来ない怪力を有していたが、それはリーシャ・ヴァーミリオンも同じであった。
 力が同じであるならば、より戦闘経験、技術を持つ者が優位に立つ。
 鈍重で大きく隙を晒すミーナの鉄塊剣と、素早い連撃に適したリーシャの鮮血槍。
 最初こそ鉄塊剣が防ぐ槍を力任せに押し込んでいたが、大振りな攻撃は次第にリーシャに見切られ、攻守が逆転する。
 槍の細かな連撃がミーナへと襲いかかる。
 第六感の危険察知にも頼り、ミーナは巨大な鉄塊剣を盾に数々の攻撃を防いでいくが、戦闘経験の乏しい彼女に、リーシャの攻撃を受け続けるのは限界があった。
 次第に攻撃が掠りだすミーナ。手や腕に切り傷が出来、血が流れ出す。小さな被弾だが、ミーナの思考をわずかにかき乱す。そして、
 ガァン!と今までで一番大きな音と衝撃。地形を破壊するほどの単純で重い鮮血槍の一撃が、ミーナの鉄塊剣を大きく弾き飛ばす。
 鉄塊剣は握った手から離れてはいない。しかし大きく体勢を崩されたのは間違いにない。
「あはっ、ようやく一人目…!」
 口角を吊り上げ、恍惚の笑みを浮かべるリーシャ。
 ヴァンパイアとしての高い身体能力。相手を徹底して痛めつける事への天性の戦闘技術。完璧なオブリビオンと言えるリーシャ・ヴァーミリオンだが、
 一度戦闘が始まれば、嗜虐の為に戦いにのめり込み過ぎて視野が極端に狭まるのが、彼女の欠点であった。

 腹部への鋭い痛み、それも複数。リーシャは、この痛みに覚えがあった。
「学習しないな、オブリビオンの性か」
 魔弾を撃ったフォルクが【リザレクト・オブリビオン】を完成させ、再び前線へと戻ってくる。
 呼び出された死霊騎士も、死霊蛇竜も、フォルク自身も、煙の様に立ち昇る紅のオーラを纏っている。
「お前…!お前、おまえ!おまえぇ!!」
「こっちも…まだ」
 ミーナの声に気づいた瞬間には、リーシャの視界は紅蓮の炎に包まれていた。
 【ブレイズフレイム】によるカウンター。腕の傷口から血と共に吹き出す炎がリーシャを燃やす。
「…自分の手を切る手間が省けた…ありがと…」
 血を流しながらも無表情に淡々と話すミーナ。
 その言葉を、リーシャは既に聞いてはいない。
 ソレは唐突に、鉄塊剣を持つミーナの体を片腕の振り払いで弾き飛ばした。

 二度の不意打ち、二度の邪魔。リーシャを完全に怒らせるには、完璧な煽り。
 火傷を負った全身に、体中の傷から流す血を、忌まわしきヴァンパイアの血を纏わせるリーシャ。今この瞬間に、彼女の中から『遊び』の言葉は失くなった。
 死霊騎士が躍り出る。その背後より死霊蛇竜とフォルクの魔弾が放たれる。
 だが魔弾は全身に纏う忌まわしき血により弾かれてしまい、先程のようにダメージを与えられない。
 死霊騎士が抑え込もうとするが、高速移動によりリーシャを捉えきる事が出来ない。
 怒りのままに、突き出された鮮血槍が死霊騎士を貫き、死霊邪竜へと投げ返される。
 ぶつかりあった二体の死霊に、追撃とばかりに血の刃を飛ばし、止めを指すリーシャ。
 赫焉とした瞳が、猟兵達を睨みつけていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。お前の遊びに付き合う気はない。
私は今までお前が為した非道の報いを与えに来ただけ…。
…吸血鬼狩りの業を知るがいい。

【限定解放・血の教義】を二重発動(2回攻撃)
吸血鬼化した自身の生命力を吸収して魔力を溜め、
“闇”属性の“過去を世界の外に排出する力”を大鎌に纏わせ、
巨大な“闇の結晶”鎌を形成し武器化する

…逃しはしない。お前はここで骸の海に還れ…。

事前に防具を改造して第六感を強化する呪詛を付与しておき、
攻撃の気配や存在感を見切り【吸血鬼狩りの業】を駆使し回避
巨大化した大鎌を怪力任せになぎ払い、結晶の闇を開放
過去の存在を傷口を抉るように消滅させる

…もう無聊を慰める必要は無い。消えなさい、永遠に…。




 鮮血纏うリーシャは、考えを改める。
 もう遊びでは済まされない。遊びでは勝てない。この怒りは、最早慰め程度では収まらない。
「皆殺しよ!皆殺しにしてあげる!」
 纏う血が感情に呼応する様に、ボコボコと沸き立つ。猟兵も、家畜共も、皆殺さなければ気が済まない!
「…ん、どうでもいいわ」
 燃え立つ殺戮宣言に、冷えた言葉が返ってくる。
 リーヴァルディ・カーライルは、手に持つ大鎌の刃をツイと指でなぞり、リーシャへと歩いていく。
「私は今までお前が為した非道の報いを与えに来ただけ…」
 刃に指でなぞった後から、影のように黒い結晶が生えてくる。
「…吸血鬼狩りの業を知るがいい」
 ただ己の使命の為。猟兵ではなく、吸血鬼狩りとして、最初から彼女の存在はリーヴァルディにとって、赦せるものでは無かった。
 黒き結晶を纏う大鎌を構え、リーヴァルディが待ち構える。

「口を閉じなさい、半端者!」
 翼を広げ、高速で飛翔するリーシャ。常人であれば見切るのも困難な速度。
 だがリーヴァルディには全てが予測できていた。
 【吸血鬼狩りの業(カーライル)】。吸血鬼であれば問答無用でその動きを予測し、回避する彼女のユーベルコード。
 血の刃も、鮮血槍による音速をも超える連撃も、リーヴァルディには一つ残らず見えていた。
 そして槍の連撃は、いかなる場合でも途中で止める事が出来ない。
 回避したリーヴァルディにとって、これ以上無い大きな隙。
 黒結晶の大鎌が、力任せに振るわれる。
 大鎌の刃が、弾け飛ぶ闇の結晶が、リーシャの全身にある血を流す傷口を抉っていく。
 鮮血が弾け飛ぶ。それは決して攻撃の動作ではなく、全身に纏っていた忌々しい血が剥がれた事によるものであった。
「…もう無聊を慰める必要は無い。消えなさい、永遠に…」

 息も絶え絶えなリーシャ。それでも、鮮血槍を払いながらリーヴァルディより離れる様子から、まだ戦う意思は存在している。
 決着の時は近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セシリア・サヴェージ
【WIZ】
【キア・レイスさんと行動】

キアさんの様子がおかしい…ですがその理由も推知することができます。
「ここはお任せください。私はキアさんを信じています…どうかキアさんも私を信じてください」
――そう、私は信じている。キアさんなら必ずや因縁を断ち切り、前へ進めると――

UC【死翔の黒剣】を発動。暗黒剣と召喚した黒剣との【2回攻撃】で同時に攻めたて、敵の注意をキアさんから逸らし私に集中させます。
敵からの攻撃は無理に回避しようとせず【武器受け】を駆使した防御に徹しやがて来る好機を待ちます。
その時機が来たらキアさんと息を合わせ、同時攻撃を繰り出します。

「待っていましたよキア!これが私の…私たちの力だ!」


キア・レイス
セシリア・サヴェージと行動。

接近して来ていた敵と「遊ぶ」という言葉に不覚にも動揺してしまう、昔のようではっきり覚えている過去の一端が吸血鬼に被って見え動きが止まってしまう…

いや、奴は私を人形たらしめた吸血鬼ではない、セシリアの言葉で自らを奮起する。

【スカウトドローン】を展開し銃撃で撹乱と援護、一旦彼女に敵を任せ、私は下がる。
少し冷静になれたがまだ高鳴る胸の鼓動を静め、目立たぬように気配を消しセシリアが作ってくれる好機を待つ。

チャンスが来たら飛んでいる魔法剣を借り奴の背後へダッシュで駆けつける。
「セシリア1本借りる、一緒に決めるぞ!」
この一撃が村を救うと共に、私の因縁の一抹を斬り絶つと信じて。




 敵は既に満身創痍。
 それでも再度全身に血を纏い、鮮血槍を手放さないのは、最早なけなしではあるがヴァンパイアとしての矜持からか。

 セシリア・サヴェージがキア・レイスの異変に気づいたのは、リーシャ・ヴァーミリオンが戦場に現れて直ぐであった。
 酷く怯えた様子で、足を止めるキア。
 リーシャの傍若無人な振る舞いと、彼女の「遊ぶ」と言う言葉に、キアは過去のトラウマを抉られ、今の今まで動けずにいた。

 そんなキアにセシリアは静かに寄り添う。
 キアに何が起こったのかは分からない。だが、推知する事は出来る。
 これは彼女の問題。キア自身にしか解決出来ない事。
 であれば自分は信じるしか無い。騎士として、何よりも友として。
 セシリアはキアの前に出て、前方の吸血鬼を見据える。
「ここはお任せください。私はキアさんを信じています…どうかキアさんも私を信じてください」
 『暗黒剣ダークスレイヤー』を手に、セシリアは駆け出す。
 彼女なら必ずや因縁を断ち切り、前へ進めると。信じるが故に、キアを背にして戦いへと向かう。

 自分を信じて欲しいという、セシリアの言葉。
 キアには、確かに聞こえていた。
 走りゆく彼女の背を見て、キアは歯を食いしばり、己を奮い立たせる。
 過去は未だに自分を蝕む。だが少なくとも、目の前の吸血鬼は自分を人形たらしめた吸血鬼ではない!
 キアの目に迷いが無くなる。そしてしっかりと前を向き、今を見つめた。

 セシリアの剣とリーシャの槍が、音を立ててぶつかり合う。
 時には避け、時には防ぎ、互いに一歩も譲らない。二人の力量は、今この時完全に拮抗していた。
 瀕死の状態にあってまだこれだけの力を出せるリーシャに、セシリアは戦慄する。が、
 突如として割って入ってきた銃撃が、リーシャの体を撃ち抜いた。
 キアの20体を超える【スカウトドローン】が、セシリアの援護へとやって来る。
 それは同時に、キアの参戦も意味しており、その事にセシリアは安堵する。
「無様な屍を晒すがいい、吸血鬼!」
 心配の必要は無くなった。後は全力で彼女の決意に答えるのみ。セシリアは【死翔の黒剣(ダークスピラー)】を発動させ、上空に無数の剣を呼び出す。
 銃撃により怯んでいたリーシャに、闇の剣が雨のように襲いかかる。
 土煙が晴れた後には、全身を剣に貫かれ、地面に縫い付けられて身動きの取れないリーシャが、忌々しくセシリアを睨みつけていた。
「セシリア1本借りる、一緒に決めるぞ!」
 チャンスと踏んだキアが、リーシャの背後より走り、向かってくる。
「待っていましたよ、キア!」
 呼び出した魔法剣の一つを、キアへと放つセシリア。
 剣を受け取ったキアが、暗黒剣を持つセシリアが、リーシャへと迫る。
「これが私の…!」
「私達の力だ!」
 挟み撃ちの斬撃が重なり、交差し、リーシャの体を二つに別つ。
 最後まで身勝手な憤怒の表情を浮かべて、オブリビオンは過去となり、肉体は霧散して消滅していった。

 キアは魔法剣を手にしながら、最後の一撃を思い出す。
 あの一撃に込めた想いをしっかりと確認して、歩き出す。
 これにて集落を脅かす存在は討伐された。復興には長い時間は掛かるだろうが、集落の住民は自由を取り戻した。
 家畜ではなく、人として、再び歩み出すだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月27日


挿絵イラスト