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ょぅι゛ょぺろぺろ

#UDCアース

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#UDCアース


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●本人たちは大真面目
 ここは某県のとある複合型リゾート施設。
 宿泊施設の他に屋内複合プールや温泉なども完備されたこのリゾートは、季節を問わず多くの観光客で賑わっていた。

 そんなある日の深夜。本来ならば21時以降は立ち入り禁止となるはずの屋内プールに、謎の集団が蠢いていた。
 彼らはリゾート最大の面積を誇る波の出るプールの岸辺に円を描き、円の中央に供えられた謎の魔法陣に向けて一心不乱に何事かを囁いている。
 ある者は清らかさすら感じる高音(テノール)で。ある者は澄み渡るような中低音(バリトン)で。またある者は深く響く低音(バス)で、。
 涜的な男声三重奏が光刺さぬ波間に響き渡る。

「ょぅι゛ょぺろぺろ」
「ょぅι゛ょぺろぺろ」
「ょぅι゛ょぺろぺろ」

 あ、変態だ。

●こっちも大真面目
「事態の深刻さ、分かってもらえたか?」
 会議机に肘をつき、指を絡み合わせながら、グリモア猟兵―枯井戸・マックス(強欲な喫茶店主・f03382)は額から流れ落ちる冷や汗を拭う事すら忘れ、重々しい声で現状説明を終えた。
 トレードマークの丸サングラスは今日も黒々と軽薄な輝きを放っているが、その口ぶりや態度からは普段の気怠さや飄々とした雰囲気は鳴りを潜めている。
 彼を知る者であれば、その余裕の無さからこの事件がいかに切迫した事案なのかを感じ取ることが出来るだろう。

「ああ、分かってる。皆まで言うな。諸君が混乱するのも分かる」
 真面目な顔で何をとんちきな事を言い出すのかと騒めいた猟兵達を手で制すと、彼は姿勢を崩し、椅子の背もたれにどさりとその身を投げ出した。
 この悪ふざけのような事件に何を真剣な態度で臨んでいるのかと不審がっていた猟兵達も、なんだあの真剣な態度は冗談だったのかと胸を撫で下ろそうとしたのだが……。
「長くUDCとやりあってきた俺だが、こんな冒涜的な呪詛を聞くのは初めてだぜ。
 『ょぅι゛ょぺろぺろ』……くっ、口に出すだけで何ておぞましさだ!下手をすれば世界の危機に繋がりかねんぞ!」

 大真面目だったぁ!
 ざわめきが一段と大きくなるが、マックスは意に介さず説明を続ける。
「この言葉がどんな意味を持つのか。奴らがなんのためにこのリゾートで儀式を行っているのか、それは何も判明していない。
 だが、悠長に調査を進める暇もない事は分かってもらえたと思う。猟兵諸君は直ちに現場に急行し、この儀式を力づくで阻止してくれ!」
 いうやいなや転送準備にとりかかるマックス。
 曰く、転送するのは不審者達が謎の儀式を進めている真っただ中だという。
 乗り込み次第プールサイドにて戦闘が始まるが、深夜の為一般人はおらず、リゾート関係者もUDCスタッフが足止めをしてくれるらしい。
「諸君らは謎の集団との戦闘に集中してくれ。戦場は十分な広さを持った屋内プールだから皆存分に実力を発揮できるとは思うが、如何せん敵の思惑も実力も一切不明だ。
 もしかしたら、これが最後の出陣になるかもしれない。出発前に心残りのないよう家族に手紙でもしたためておくといい」

 大真面目な顔で便箋を取り出すマックスであったが、作戦ブリーフィングを終えるや否やその表情がコロっと変わる。
「あ、そうそう、儀式破壊に成功した後はそのままリゾートでバカンスを堪能してくれて構わないぞ。
 プールで遊ぶも良し!温泉を楽しむもよし!ホテルの豪華な料理に舌鼓を打つも良し!……ちなみに俺も一仕事終えた後は温泉に行くつもりだ。
 なんてったって、このホテルの温泉は混浴だからな!
 まあ残念なことに水着の着用は必要だが、なにか用があったら俺は温泉にいるって覚えておいてくれよな!じゃ、あとよろしく!」

 今日一番のいい笑顔でサムズアップ。
 この男、まさかそれが狙いで……っ!?
 猟兵達の追及の声は召喚開始の光に阻まれ、ついぞ届くことはなかった。


Naranji
 変態だーーー!WowWowWoWoW♪
 ロリコンだー!WowWowWoWoW♪

 ……はい。
 初めましての方は初めまして。新人MSのNaranji(ナランジ)と申します。
 二度目の方はありがとうございます!
 前回との温度差に体調など崩さないよう注意してくださいね。インフルとか怖いからね。

 という事で、今回は初のネタシナリオとなります。
 センスあるネタと小気味いい戦闘にできるよう頑張りますので、皆様の素敵なプレイングに期待しております。

 また今回の流れは集団戦→ボス戦→複合型リゾートでのバカンスとなります。
 第三章ではお呼びいただければマックスが登場しますが、それ以外の時は混浴温泉でニヤニヤしていると思います。
 それでは、よろしくお願いしまーっす!
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第1章 集団戦 『エージェント・アマガエル』

POW   :    はねかえる
【強靭な肉体 】による素早い一撃を放つ。また、【あらかじめ跳ね回る】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD   :    いろいろつかえる
いま戦っている対象に有効な【エージェントひみつ道具 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    死亡フロッグ
自身の【死亡フラグをつい立ててしまう言動 】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

石動・彼方
久しぶりにUDCの任務だと思ったら…変な呪文を唱える連中?
嫌だわ、ハルくんに悪い影響があったらどうするのよ…!

「邪魔しないでクソ蛙、ハルくんに悪影響なモノは許せないの」
腕をクロスして身を守りながら一気に接近して【絶天頂】を決める。
「気持ちいい?分かった、じゃあこのまま締め殺すね…」
股が汚れるのも構わず首を折り、頭をぐしゃぐしゃにして蛙を丹念に一匹ずつ殺していくわ。
小癪に素早い個体がいたらボディを決めて、踵落としで脳天を割り、怯んだら絶天頂で容赦無く締める。
(使用技能・グラップル・二回攻撃)

※アドリブ大歓迎
※拳や蹴りで戦うUDC戦闘員
※オフショルダーの白セーターミニワンピ着用
※病んでます


ウィルマ・シャーオゥ
変態だネ。

たまには吾輩も猟兵のお仕事しよっかナーって思ったら変態集団がいたね。ちっちゃい女の子を代表して滅ぼさなきゃという謎の使命感にかられるウィルマちゃんなのでした、まる。

『おびき寄せ』が有効なタイミングがあれば、吾輩囮になってもいいよー。近付いてきたら『錬成カミヤドリ』で思いっきり殴るネ。本体器物の複製だから本の角だよ。結構痛いと思うよー。
これはちっちゃい女の子に罵られたり踏まれたりすると悦ぶタイプの変態さんかナー?
そういう手合いだったらちょっとだけサービスしてあげるのもやぶさかではないネ。そうやって悦ばせてあげることで、【エージェントひみつ道具】の使い方を考える邪魔とかできないかなー。


最上・空
混沌とした現場に美幼女が参上です!

……あの、帰って良いですか? いえ、リゾートでバカンスの為に儀式の阻止に来ましたが、予想よりアレな事になってて、空的に色々と身の危険を感じるのですが!?

美幼女的に接近されるのは避けたいので、【ウィザード・ミサイル】を「高速詠唱5」して、とにかく連打連射で撃ちまくり、手数で圧倒して、接近を許さず退治したい所ですね!

止むを得ず接近を許したら、「属性攻撃5」&「衝撃波7」で氷の衝撃波を浴びせ動きを封じてから、UCで爆散して貰います!

他に参加者が居る場合、誤射に用心し撃つ時は声を掛けて注意を促します。

「美幼女へのお触りは厳禁ですよ!」

※アドリブ&まとめご自由に



 幼女。
 ああ、それは新雪を思わせる純真さの表れ。
 ああ、それは一点の汚れなき無垢の象徴。
 ああ、それは永遠の豊穣を思わせる芽吹きの具現。
 ああ、それはショートケーキのような甘美な響き。
 未来への無限の可能性を秘めたその未成熟さは、それゆえに至高にして究極。
 さあ、共に歌おう。唄おう。
 我らの理想とする至高と究極の更にその上をゆく存在を求めて。

「ょぅι゛ょぺろぺろ~♪」
「ょぅι゛ょぺろぺろ~♪」
「ょぅι゛ょぺろぺろ~♪」
 
 巨大な屋内プールの岸辺にて、蛙の頭部を持つ男たちは円陣を組み、各々が歌声に酔いしれるように同じフレーズをリフレインする。
 波の音のみを伴奏に、清雅にして品性下劣な男声合唱が響き渡るその様は、幻想的かつ悪夢的。
 

「……あの、帰って良いですか? 」 
 だめです。
 リゾートを満喫する為に、と意気込んで戦場に赴いた最上・空(美幼女・f11851)(10歳)であったが、その空間の予想以上なアレさ具合に空は早くも涙目になっていた。可愛い。
「空的に色々と身の危険を感じるのですが!?」
 だめったらだめです。

「わーお、変態だネ」
 プールから少し離れたところに降り立ったウィルマ・シャーオゥ(古書のヤドリガミ・f00154)(7歳)は涙目の空を横目に、絶えず合唱を続けるカエル男達への率直な感想を述べる。
 さすがは知識と冒涜的事象を追い求める古書の化身とでもいうべきか、その審美眼は実に冷静で的確だ。

「たまには吾輩も猟兵のお仕事しよっかナーって思ったら変態集団がいたね。ちっちゃい女の子を代表して滅ぼさなきゃという謎の使命感にかられるウィルマちゃんなのでした、まる」
 頑張れウィルマちゃん。そのままの君でいて。

「嫌だわ、ハルくんに悪い影響があったらどうするのよ…!」
 一方、嫌悪を隠そうともしないのは石動・彼方(狂愛・f13764)(19歳)。
 あっはい、とっても美人さんです。オフショルダーの白セーターワンピから覗く肩がとっても色っぽいだと思います。
 
 この世で最も愛する弟ハルのためだけに生きる彼女にとって、弟の目と耳を汚すような輩は例え何処にいようと生かしておけない。
 彼女が戦う理由はそれだけで十分なのだ。シンプルであるがゆえに洗練された行動原理。それはあの蛙男たちと通じるところがあるかもしれない。
「私を、あんな下賤なクソ蛙と、一緒にするの?」
 失礼いたしました!お詫びの上訂正させていただきます!
 彼方は自分とは微塵も共通点がなく決して交わることのない邪悪の根源たる集団を敵と認めるや否や一切の容赦のない突貫を開始するのであった!

 円陣を組んで朗々と歌いあげることに没頭していた蛙男たちも、異様な殺気に気づき、一斉に彼方の方へと振り返る。
 しかし、時すでに遅し。彼方が最も近くにいた蛙男へ向けて跳躍すると、その白く滑らかな両脚で蛙の頭部を挟み込む。

「ゲ、ゲコォ!?ぐるじぃ!なんなの!目の前に広がるこの光景はなんなの!」
「気持ちいい?分かった、じゃあこのまま締め殺すね…」
「え、女子!これってもじかじて!!やめrrrrrrrrrrrr」
 両の太腿に挟み込んだ頭部を万力の如く締め上げ、そのまま押し潰す。
 その名も怪技『絶天頂』!
 纏った白いセーターワンピが鮮血に濡れる事さえ厭わず、彼方は容赦なく歌声の出所の一つを完膚なきまでに破壊する。
 そのまま勢いよく上半身を捻って体幹の力のみで残った胴体をプールへ投げ飛ばすと、彼方自身はその場にストンと着地。

「ハルくんに悪影響なモノは許せないの。邪魔しないで」
 そして、凄惨な狩りが始まった。
 
「うわぁ、容赦ないね。これには吾輩もちょっと引いちゃうよ」
 言葉とは裏腹に眉一つ動かさず遅れて戦線に合流したウィルマ。
 仲間の残酷な最期を見せつけられ怯み切っていた蛙男たちであったが、ウィルマの登場によって彼らの焦点の合わない黒目に光が宿る。

「「「よ、幼女だあああああ!!!」」」
 言うや否や、蛙たちは一斉に長く粘着性のあるベロをウィルマへと伸ばす。
「囮役になろうかと思って出てきたけど、効果あり過ぎだね。この数は対処しきれないよ。頼めるかな?」
 攻勢を瞬時に諦めると、軽やかにバックステップ。
 無防備に近づいてくる輩がいれば錬成した分厚い本の角で殴りつけてやろうと思っていたウィルマであったが、まさか幼女信者全員が自分に向かってくるとは思いもよらなかったようだ。

「空は絶対ぜーったい近づきませんからね!美幼女へのお触りは厳禁です!」
 次いで、おっかなびっくりな様子で後方に控えていた空が、仲間のピンチにすかさず詠唱を開始した。
 素早く紡がれた魔力の束は優に100を超える炎の矢へと変換される。
 そしてウィルマに舌先が触れる寸での所で紡ぎあげると、灼熱を一斉に解放する。

「げこぉおおおお!!」
「ベロがあちゅいいいいい!!」
「幼女の魔法おいしいいいい!!」
「ここは俺が食い止める!俺に任せて先に行けぇ!」
 降り注ぐ炎の雨は舌先の粘液を蒸発させ、肉を焦がす。
 しかし中にはそれすらも喜び、仲間を庇うように自主的に炎の矢に打たれる者が複数いたのは予想外。
 彼らが如何に筋金入りなアレなのかをありありと見せつけられてしまった空は、より一層涙目になって炎の矢を連射するのだった。

「ふむん。これはちっちゃい女の子に罵られたり踏まれたりすると悦ぶタイプの変態さんかナー?それならちょっとだけサービスしてあげるのもやぶさかではないネ」
 蛙男たちの反応になにか思うところがあったのか。ウィルマは、てててっと駆けだすと、炎を掻い潜って逃げ延びていた一人の蛙男の足元へと接近した。

「ねえねえお兄ちゃん?お兄ちゃんの事、ウィルマちゃんもーっと知りたいな?秘密の儀式をしてたんだよね?」
 そのまま男の脚にしがみつくと、上目遣い&コテンと小首傾げ。
「ゲコキュン!」
 これに落ちない男はいない。誰だってそうする。俺だってそうする。

「ぼぼ、僕たちはね。ふひ、皆で歌って魔力を捧げて、り、理想の幼女様をしょしょ召喚しようとしてたんだ。で、でもそれって君のことだったんだねコポォ」
 口の端から粘液を泡立てながら、縋り付いてくれる幼女へと親切に自分達の思惑を語る蛙男。

『ドグャッ!』
 そんな彼の視界が鈍い破裂音と共にぐるりと反転する。
 それは、彼が意識から外してしまっていた石動・彼方による痛烈な踵落としによるものであったのだが……終ぞそれに気づくことはなく、哀れ蛙男はどうっと人工砂浜に倒れ込むのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

天杜・理生
モニカ(乃恵美・f05894)と同行。

今更この世界の信仰や儀式にどうとも思わないが
呆れたやつらもいるものだ。

ふっ。ははっ。しかし、ケロリコンとは言い得て妙だな。
……とりあえず、僕の妹から離れてくれないか。

おいで、モニカ。あんなのに近づいちゃいけない。(縋る妹を庇うように抱き寄せ)

ロープワークで相手を翻弄しつつ挑発の言葉で気を引き
ブラッド・ガイストで自分の血を与えた遠呂智での攻撃。
モニカがプログラムド・ジェノサイド発動中なら彼女の攻撃が当たるところに誘導することも心掛けようか。

とはいえ、モニカに手出ししようとするなら容赦はしない。
捨て身の攻撃ででもこちらから仕掛けよう。


天杜・乃恵美
兄くん(理生・f05895)と一緒だよ

これまた面妖な…
カエルの幼女性愛者、さしずめケロリコンかな?

こんな時にノエミを守るのがアタシの役割だが…
って、こっちにまで発情しないでくれるかな!?

アタシ達には大事な兄くんがいるんだしね
ふふ、兄くんありがとっ♪(ぎゅっと縋る)

●戦闘
「うん、早めに倒そうかな。コード・武御雷!」
レイピア型に変えた『ヒイロカネ』を構えて
多数制圧用の《プログラムド・ジェノサイド》を起動
刀身から出る光波で『なぎ払い』つつ高速刺突
迎撃は『オーラ防御』で凌ぐ

●多重人格
科学者の別人格【モニカ】が主導
精神年齢&知性高めの銀髪ゴスロリ幼女
主人格の戦巫女【ノエミ】は
ガチ幼女なので安全の為に待機



 突然の襲撃者の登場により、阿鼻叫喚の地獄絵図となったプールサイド。
「ゲ、ゲコ!お前ら、まさか猟兵か!」
 混乱の最中に一人の蛙男がそう叫ぶと、他の蛙たちもようやく事態を把握したようだ。
「なぜ我々の邪魔をするゲコ!」
「俺たちはただ幼女を崇め、賛美していただけゲコ!」
 懐から警棒やナイフといった武器を取り出しつつ口々に喚く蛙男たち。
 さながら真夏の水田のような騒々しさへと変貌したプールに、また新たな戦士が召喚される。

「これまた面妖な……ノエミを連れてこなくて良かったよ」
 美しい銀髪をキラリと靡かせながら、天杜・乃恵美(天杜・桃仁香と共にありて・f05894)(7歳)が、その幼い容姿にそぐわぬ冷ややかな眼を集団に向ける。
 しかしこの怜悧な性格は乃恵美の一側面にすぎない。乃恵美の中には主人格であり年相応の純真さを湛える幼女・乃恵美(ノエミ)と、冷静沈着な科学者・桃仁香(モニカ)の二つの人格が同居しているのだ。
 そう、一粒で二度おいしいとは正にこの事!
 ちなみに今戦場に赴いている人格はモニカのものである。

「カエルの幼女性愛者、さしずめケロリコンかな?」
「ふっ。ははっ。ケロリコンとは言い得て妙だな」
 穏やかに笑いながら隻眼の男が銀髪ゴスロリ少女の隣に並ぶ。
 彼の名は天杜・理生(ダンピールのグールドライバー・f05895)(22歳)。
 ノエミとモニカの従者にして、彼女たちの実の兄……である。
「今更この世界の信仰や儀式にどうとも思わないが、呆れたやつらもいるものだ」
理生は妹へと向ける笑みとは真逆の呆れ果てた表情で蛙男たちを一瞥する。
 そしてそんな二人を目ざとく見つけ、食って掛かる蛙男が数人。

「ゲロロォ……ケロリコンとは聞き捨てなりませんなぁ?我らはロリコンではございませぬ!」
「言うなれば幼女様の敬虔なる信徒!崇め奉るべき清らかな存在に情欲を燃やしたりはしないのだ!」
「でもたま~にペロペロしたくなるのは敬愛の表れ!一心同体になりたいが為の生理現象!」
「故に幼女様とそんなに密着している貴様は生かして帰さぬ!ゴートゥーヘール!」
 彼らにとって、自分達を差し置いて幼女に触れる事が出来る存在などは許しておけないのだった。

「ケロリコンだな」
「ケロリコンだね……って、こっちにまで発情しないでくれるかな!?」
 この兄妹、即答である。そして行動も速い。
 妹へと向けられる熱っぽい視線を感じた理生は素早く手に持った乗馬鞭―『遠呂智』を振るい、一人の蛙男に絡みつかせる。
 更に遠呂智を素早く手繰り寄せると、理生は一気に駆け寄り体制を崩した蛙の顎に向けて肘を叩き込んだ!

「大事な妹にまで発情されてはたまらないな。君たちの相手は僕だけで充分さ!モニカはそこで見ていてね?」
「ええ、兄くん。格好いいわ♪」
 モニカに密かに目配せしつつ、あえて挑発気味に宣言する理生。
 案の定、怒り心頭となった蛙たちは彼にむけて一斉に飛び掛かると、取り囲むようにビョンコビョンコと跳ね回り始めた。

「我らを二度も侮辱するとは!その愚行、後悔させてやるゲコ!」
 そして発達した蛙足に力が溜まった瞬間、4人の蛙男は目にも止まらぬ速さで跳躍攻撃を繰り出す。
 四方から次々と繰り出されるナイフ、警棒、拳打の連撃。
 その全てを捌き切ることはさしもの理生も不可能であったのか、遂に心臓を狙った掌底が理生の胸へと突き刺さった。
 瞬間、蛙男が感じたのは……強い違和感。
 その正体は胸に押し当てた掌に感じる弾力。

「お、お前……まさかおんnゲブフォ!!」
 女性への免疫など当然のごとく皆無な蛙男は激しく狼狽。
 その隙をついて理生は痛烈なカウンターをその湿った顔面に叩き込む。

「きゃーえっち……とでも言えば満足かな?もしモニカを同じ目に遭わせたら挽肉にするところだけど、今日はこの位で勘弁してあげるよ」
 彼――否、彼女の握る乗馬鞭が、主人の傷口から流れ出た血液を吸い込み、意思を持つ蛇のように蠢く。これぞ男装の従者・理生が奥義『殺戮捕食態・遠呂智』!
「太陽に代わってお仕置きしてあげるよ!しゃあっ!」
 鋭い叫びと共に紅い残滓が闇を切り裂き、仰け反った蛙の体を吹き飛ばす。
 さらに周囲を取り囲んでいた暴漢達を追いやるように振るわれる鞭、鞭、鞭!

「さあ、あとは頼んだよモニカ?」
「うん、早めに倒そうかな。コード・武御雷!」
 勾玉『ヒイロカネ』をレイピアへと変じさせ控えていたモニカがすかさず駆け寄る。
「全て……振り切るっ!たあああああっ!」
 勢いのままに繰り出される超高速の刺突の嵐。
 光波を纏った切っ先は凄まじい衝撃波を帯び蛙男たちの反撃の一切を許さず、その身を蜂の巣へと変えていく。
 一度発動させてしまえば自分の意思では止めることの出来ない暴走攻撃ではあるが、負傷し一か所に集まった敵を殲滅するにはこの攻撃は最適解であった。
 最後に全身で大きく振り抜くようにヒイロカネを一薙ぎし、蛙男たちを纏めて薙ぎ払ったところでモニカの体ようやくその動きを止める。

「きゃっ!」
 技の反動によって僅かに足がもつれたのか、不意にモニカの体がふらりと傾く。
 だが、理生がすかさずモニカの細く白い手首を掴み、その小さな体を支えていた。
 そしてそのままモニカを引き寄せ、強く抱きしめる。
「おいで、モニカ。大丈夫かい?あんなのに近づいて……」
「ふふ、兄くんありがとっ♪でも大丈夫だよ。アタシ達には大事な兄くんがいるんだしね」

 今も向こうでは猟兵と信者の戦いは続いている。
 しかし、今だけは大好きな『兄』に縋り一息ついても良いだろう。
 そんな事を考えながら、年相応な笑みを浮かべるモニカなのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

水瀬・和奏
…こんな儀式でいったい何をしようとしているんですか…!?
と、意味不明な儀式に頭を痛くしつつもヤバイのは間違いないので儀式の阻止に向かいます

儀式場が暗ければ【暗視】で視界を確保
【目立たない】ようにユーベルコードが使える距離まで接近

最初はマークスマンライフルを準備
【視力】【スナイパー】を併用した第六感で一人ずつ狙撃
基本的に自分に気付いていない敵を最優先で攻撃するが、攻撃されている味方がいた場合はユーベルコードにて【援護射撃】する
万が一敵に近付かれた場合はライフルは一旦捨てて、【クイックドロウ】で左腕の武装かアサルトライフルにて【零距離射撃】

アドリブ・アレンジ・絡み歓迎です


ルナ・ステラ
ょぅι゛ょぺろぺろって何なのでしょうか?
「ょぅι゛ょ」というもの?を舐めることなのでしょうか?
よく分かりませんが、嫌な予感がします...

プールにいるのは、スーツを着たカエルさん?
基本的には、距離をとって魔法で戦おうと思います。

わわっ!「ょぅι゛ょぺろぺろ」と言いながらこっちに向かってきました!?
それに、謎の形をした道具を出してきました!
(嫌な予感があたらないといいな...<フラグ?>)

もし、ピンチになれば星霊を召喚します!
(力をかしてください!)
召喚されるのは、カエルの天敵である鳥や蛇に関する星霊でしょうか?

※アドリブ・絡み等歓迎です


蛇塚・レモン
カオス歓迎

また性欲をこじらせた輩が悲劇を起こすんだね……
全ては股間にぶら下がってる2つのクルミが悪いんだよっ!
クルミ割って煩悩から解放してあげよう!(大真面目)

チャイコフスキー魂を胸に秘め、くるみ割り人形第2曲『行進曲』を口ずさみながら終始オーラ防御展開して戦闘する
(恐怖を与える+オーラ防御)
蛇神様を呼び出して、睨み付けたカエルたちを金縛りにしちゃうよっ!
(範囲攻撃+呪詛+念動力+マヒ攻撃)
あたいは動けないカエルの股間のクルミをオーラガンの霊弾で次々とカチ割るよ!
(クイックドロウ+スナイパー+誘導弾+2回攻撃+衝撃波+鎧無視攻撃)

あ、蛇神様!
あいつら全員……

食 べ て い い よ ♥
(大食い)


ミア・ウィスタリア
(ユノ・ウィステリアは双子の姉)
まぁ、ロリコンですってよお姉様こわーい。
こぉーんなに美少女でむっちむちの(背後からユノの胸を鷲掴みにする)!
し・か・も6歳児が二人もいるなんて!
きっとあっという間に誘拐されてあーんな事やこーんな事されちゃうんだわーきゃーこわーい。

ねぇねぇ、カエルのおじさん達はそんな事しないよね?
まじめぇーにお仕事する人達だもんね?
と、そんな風に自分の身体を強調(誘惑)しながらユーベルコード発動。

効かない?そん時は実力行使よ。まぁ、お姉ちゃんがね?


ユノ・ウィステリア
(ミア・ウィスタリアは双子の妹)
まぁ、ロリコンさんなんですか……ロリコン……あぁ、ロリータコンプレックスの事よね。
でも間違いよミアちゃん、ロリコンの対象年齢とされているのは13歳から16歳。
私達ぐらいの年齢が対象だと言うならそれはペドフィリアね。
定義的にロリコンは性的趣向で通じるらしいけどペドフィリアは病理認定
されるみたい。
………………まぁ!皆さん大変じゃないですか、早く病院に行かないと。
一先ず病院に行く理由が必要ですよね。
ユーベルコードで宇宙船を召喚。大きさをギリギリプールに収まるレベルにして押し潰しちゃいましょう。


アニカ・エドフェルト
…なんだか、よくわかりません、が…
いやな予感がする、言葉です……?
気にせずに、お仕事、しますっ

あなたたちが、何をしようとしているのか、さっぱり、ですが、恨まないで、くださいっ

いやな予感は〈勇気〉で吹き飛ばし、思いっきり近づきつつ、〈怪力〉を乗せた〈グラップル〉で、相手を掴んで投げ飛ばし、ます。
そのままプールに、落としてしまっても、いいかもしれません…?

周りで戦ってる人にも、《サウンド・オブ・パワー》で、勇気なんかを与えて、みたいです。

…ひゃ、な、なにを、してい、ます…?
ま、まさか、ぺろぺろ、って、こういう……?
(そのままふらついていって、自身がプールに落ちてしまうのもまた一興)




 猟兵達の活躍により蛙頭の幼女信者は確実にその数を減らしていた。
 最早当初の半分ほどの人数にまで減ってしまった冒涜的男声合唱団は、今や波の出るプールの波打ち際にまで追い詰められている。
 もはやこれまでと拳を握り締め悔し涙を流す男たち。
 しかし、そんな彼らの前に最後の祝福が舞い降りた。

「まぁ、ロリコンですってよ。お姉様、こわーい♪」
「まぁ、ロリコンさんなんですか……ロリコン……あぁ、ロリータコンプレックスの事よね」
「ろりーた?ょぅι゛ょぺろぺろ?
 ……なんだか、よくわかりません、が……いやな予感がする、言葉です……?」

 なんと!なんと!小さな水飛沫を立てながら波打ち際を歩み寄ってくるのは幼女ではないか!しかも3人!
 
 エントリーナンバー1!ミア・ウィスタリア(天上天下唯画独尊・f05179)(6歳)!
 6歳とは思えない豊満な胸を水着のようなデザインの極小面積ライダースーツで強調するその姿は、まさに宇宙を掛けるエロテロリスト!
 
エントリーナンバー2!ユノ・ウィステリア(怪異蒐集家・f05185)(6歳)!
 ミアの双子の姉であり、すこしおっとりとした立ち振る舞いがまた魅力的!
 それでいて妹と同様の豊満なバディを極小スーツに包んでいるのだからそのギャップの破壊力は計り知れない!
 
エントリーナンバー3!アニカ・エドフェルト(小さな小さな拳闘士見習い・f04762)(6歳)!
 その可愛らしいThe・幼女体系はもはや国宝級!光輝く体は聖者の証か?
 いや違う。この光こそが幼女の光!
 すべてのロリコンが膝を折り崇め奉る天からの福音なのだ!
 おいおい、全員6歳かよ、最高かよ……。

「うおおおおおおお!!!」
「やったあああああ!!!」
「神は拙者を見捨ててはいなかったゲコォ!!」
「よっしゃあ野郎ども!ズボンを脱ぐデーーーース!!」
「地球に生まれてよかったああああ!!!」

 歓喜の声を上げ、ビョンコビョンコと全身で喜びを表現する幼女信者達。
 中にはおもむろに黒いフォーマルスーツを脱ぎ始める者まで出てきたので、彼らの描写はここで中断させてもらう。

「ひゃあっ!な、なんなんですか!……あなたたちが、何をしようとしているのか、さっぱり、ですが、恨まないで、くださいっ」
 熱ぽい瞳で舐めるように見つめられ、あまつさえ本当に舐め回してやろうと涎を垂らす蛙頭の一団にアニカは思わず悲鳴を上げる。
 しかし、ここで退いては地下闘技場で待つ同胞達に顔向けができないと勇気を振りしぼり、震える膝を押さえつけてアニカは一団を正面から睨み返した。

「ああ、幼女が!幼女がこっち見てるよお!」
「ばっか!俺のことを見てんだよ!」
「幼女を覗き込むとき、幼女もまたこちらを覗いているのだ」

 その渾身の眼光も蛙たちをヒートアップさせることしか出来ないのだが、それは仕方ないね。
 一方、ミアはどこか楽し気に笑いながら、妹・ユノの後ろに隠れるように回り込む。

「うわー筋金いりのロリコンだねー。アタシ達やばいんじゃない?
 だってぇ、こぉーんなに美少女でむっちむちの!」
 そして唐突に妹の豊満な胸を鷲掴みにし、その柔らかな肉に指を沈み込ませ持ち上げた。 
「し・か・も6歳児が二人もいるなんて!きっとあっという間に誘拐されてあーんな事やこーんな事されちゃうんだわー!きゃーこわーい♪」
「きゃあっ!もう、こんな所でまでやめてよミアちゃん。
 それにあの人達をロリコンと呼ぶのは間違いよ。ロリコンの対象年齢とされているのは13歳から16歳。
 私達ぐらいの年齢が対象だと言うならそれはペドフィリアね。
 定義的にロリコンは性的趣向で通じるらしいけどペドフィリアは病理認定されるみたい」
 と、そこまで解説し終えたところでユノはハッと事態の深刻さに気付いた。
「………………まぁ!皆さん大変じゃないですか、早く病院に行かないと!」
 大丈夫!彼らはもう末期です!
 見かけによらず博識なユノが人差し指のみをピンと伸ばし、ロリコンの定義について説明する。
 勉強になるなぁ!ところで君の妹ちゃんは話も聞かずお胸を揉みしだき続けていますが、それはいいの?

 一方そのころ、蛙男の集団に一つの異変が起き始めていた。
 数人の蛙たちの、もとより虚ろだった黒目が激しく揺れ始めたのだ。
 焦点が合わず激しく揺れる視界。それでも目を離すことが出来ない、二人の巨乳幼女が絡み合う姿。

「あれあれ~?どうしちゃったのかな?カエルのおじさんビョーキなの?」
 体をくねらせて蠱惑的な言葉を繰り返すミア。
 この所作は、実はミアによる誘惑型ユーベルコードである。
 本来ならばロリコン化する恐怖で心を縛る精神攻撃なのだが、もとよりロリコンである蛙男たちには効果はいまひとつ、の筈だった。
 では、なぜ彼らはこんなにもダメージを被っているのか。
 その答えはシンプル。彼女のユーベルコード発動の所作にただ興奮しすぎているだけあのである。
 そしてついに……。

「うっ!!……ふぅ」
 濃ゆすぎる誘惑空間に耐えられなくなった一人の蛙男が、大量の鼻血を垂れ流しながら意識を手放した。非常にいい笑顔を浮かべていたのは言うまでもない。


「うわぁ……」
 蛙男が倒れるその瞬間を、ライフルスコープ越しに目撃してしまった者がここにもう一人。
 その名を水瀬・和奏(重装型戦闘人形・f06753)(16歳)という。
 高校指定のブレザーを纏う彼女が今まで潜んでいたのは建物の二階部分。
 複合型屋内プールの全周をぐるりと囲うように設置された流れるプールに小舟を浮かべて周回しながら、愛用のマークスマンライフルで逃げようとする蛙を一人一人狙撃していたのだ。
 しかし残りの蛙男が波打ち際まで追いつ得られていたので、自然とスコープをそちらに向け、あの口にするのも悍ましい光景を目の当たりにしてしまったという訳だ。

「……こんな儀式でいったい何をしようとしているんですか」
 正直ドン引きである。しかしスコープを覗きこんでいるので痛む頭を押さえる事も出来ない。

(来なきゃよかったなぁ)
 トラウマになりそうな惨状に激しく後悔する。
 しかし和奏は涙目になりながらも、その光景をスコープ越しに眺めている事しか出来ないのであった。


 再び場面は波打ち際。
 荒々しく息を吐きながら今にも幼女たちに襲い掛かろうと身構える蛙男たちに近づく二つの荒たな影がそこにあった。

「ょぅι゛ょぺろぺろって何なのでしょうか?『ょぅι゛ょ』というもの?を舐めることなのでしょうか?よく分かりませんが、嫌な予感がします..」
「また性欲をこじらせた輩が悲劇を起こすんだね……。あ、ルナちゃんは気にしないでいい言葉だよ。すぐさま忘れようね」

 その一人、蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)(19歳)は汚物を見るような侮蔑の眼差しを隠すこともなく蛙たちに向ける。
 そしてもう一人、魔法少女のルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)(12歳)は理解の及ばない世界に住まう者達にコテンと首を傾げるのだった。
 これは素晴らしい動きを見せましたねえ解説の蛙さん!

「ええ、幼さを残すおっとり少女の天然あざとムーブメント。
 これは魔法少女好きの者や、ストライクゾーンが高めの同士にとって垂涎物と言えるでしょう。もちろん私も大好物ですウヒョーー!!」
 新たな属性を持つ幼女の登場に再び騒然となるカエル一同。

「おう、あたいにもなんか言えよ」
え、レモンはって?えーっと…………。

「いや、拙者15歳以上はちょっと……」
「義務教育年齢を過ぎたらオバサンなんで」
「アウト・オブ・眼中デース!」
 ……だそうです。

 『ブッチィ!!』
 何か概念的なものがブチ切れる音が響き渡る。
 次の瞬間、体を覆い尽くさんばかりの勢いと光量を誇る超霊力オーラがレモンからドロリとあふれ出た。
 いつもなら猛々しく吹き上がるそのオーラも、今回は怒りのパワーでドロドロと蛇のように蠢いている。

「……別にあんたらに褒められても嬉しくはないけどさ、いい度胸してるよねぇ?
 全ては股間にぶら下がってる2つのクルミが悪いんだ!」
 口早に叫ぶと、蠢くオーラを蛙たちに向けて伸ばす。
 そのドロドロとしたオーラはいつしか質量を持ち、巨大な白い蛇――蛇神様となって蛙男たちを見下ろすように降臨した。
 瞬間、硬直する男たち。それはまさに蛇に睨まれた蛙。
 忌まわしき蛇神の眼力が蛙たちの心から喜びも生きる活力さえも奪い去っていく。
 そこにレモンは鼻歌を歌いながら近づく。口ずさむは、かの高名な音楽家が残したクルミ割るための行進曲。その軽やかなメロディは男を地獄へと誘う魔の調べ。
 そして確実に攻撃を当てられる距離まで近づいたレモンが、蛙男の一人の股間に指鉄砲を向けた。

「え……嘘……やめ……」
「い・や・だ♪」
 撃ちだされた二発の霊力弾は一切の慈悲なく正確に男の二つのクルミを弾き飛ばすのだった。

『バチュチュン!!!!!!』
「アーーーーーーーーッ!!」

 絶望が響き渡る。
 この戦場に男性の猟兵がいなかったことは幸いだっただろう。
 もしいたとしたら、この余りに残酷な光景に戦意を喪失してしまっていたに違い何。
 ズルリと蛙男が崩れ落ちる様を確認すると、レモンは無言で次の標的に指先を向け……。

「ノーーーーッ!!!」
「幼女をペロペロするまで拙者は死ねないでござるうう!」
 ……蛙男たちの最後の情欲に火をつけた。
 蛇神様の束縛を跳ね除け、各々の好みの幼女たちに向けて一斉に駆けだす蛙たち!
 それは生きる事を諦めた者のみが出せる捨て身の行動。
 彼らにもう捨てるものはない。男たちはこの世界でもっとも自由な存在となったのだ。

「うおおおお!!ょぅι゛ょぺろぺろーー!」
「わ、わたしですか!?」
 魔法少女好きを謳った蛙男が狙うはルナ。
 懐からロリコン秘密道具の一つ、リップクリームを取り出して唇をよりヌメリ光らせると、持てる力の全てでもって跳躍した。
 狙うは魔法少女の可愛らしい唇。ロリコンという名の紳士は、今や一匹の獣となり果て、お触り厳禁の女児アニメ界隈の禁忌を破らんと迫る。

「伝説の星霊さん!力をかしてください!」
 しかし、そう易々とその身を許さないのが少女の流儀。
 ルナは素早く軽やかにステップを踏んで人工砂浜に魔法陣を描くと、星座の力を宿す星獣を召喚した。
 選択したのは蛇座『サーペンス』の大蛇。
 蛙の天敵として確かな威力を持つと先の攻防で確信したルナの読みは的中し、宙に身を躍らせた蛙男はその体制を大きく崩してしまう。

「ゲエエッ!また蛇いいい!!」
「ごめんなさい。もう遅い、です。蛇神さん、協力してください!」
 サーペンスを繰り、その長い尾による一撃で標的を更に高く打ち上げる。
 落ちる先は二匹の大蛇が待ち受けるその中心。
 哀れな贄となり果てた一匹の蛙は、毒牙の並ぶ二つの顎と接吻しその命を散らすのであった。


 一方ミア、ユノ、アニカの3人の幼女たちにも魔の手が伸びつつあった。足並みをそろえて迫る蛙男たち。その数、残り4人。
 僅かに数で劣る幼女たちは誰を最初に相手取るべきか逡巡し、わずかに硬直してしまう。
 戦闘において命取りになる刹那の隙を生んでしまったのだ。

『ガウンッ!』

 しかしその刹那よりも更に速い、須臾を切り裂く銃弾が一匹の蛙の頭蓋にめり込み、緑色の頭部を赤い水風船に変える。

「イエスロリコン、ノータッチ……です」
 空薬莢が小さな水音を立てて流れるプールに落ちるのを聞きながら、和奏は誰に言うでもなく静かに呟く。
 そして気を抜くことなく次弾が自動装填されたマークスマンライフルを次なるターゲットに向ける。
 彼女はスナイパー。誰よりも安全な場所で戦うが故に失敗は許されない。
 静かな己との闘いが始まった。

「ゲロォ!?狙撃兵までいたのか!だが、我らに恐れるものは無い!」
「むしろ恍惚!すべての痛み!」
「我らが幼女の為ならば!」
「「「この身を進んで捧げよう!!!」」」
 口々に叫び、最後は見事な和音を奏でる三人の蛙男。
 彼らは幼女を湛える聖歌を歌い上げながら、器用にその長い舌を伸ばす。
 
「ょぅι゛ょぺろぺろ~♪」
「ょぅι゛ょぺろぺろ~♪」
「ょぅι゛ょぺろぺろ~♪」
 その最初の標的となったのはアニカだ。

「…ひゃ、な、なにを、してい、ます…?ま、まさか、ぺろぺろ、って、こういう……?」
 迫りくる三本の舌に気圧されながらも、しかし、アニカの心は折れなかった。
 むしろその小さな体の秘められた驚異の怪力で、体にまとわりついた三本の舌を鷲掴みにし、纏めて捻りあげる。
 そのまま握った舌の束を勢いよく引き寄せると、力任せに振り回し始めた。

「歌、には、みんなを勇気づけて、元気にする力が、あるんですっ。わたしが、聞かせてあげます。本、当の、歌を!」
 アニカは三人の蛙男を鉄球の如く振り回しながらも、澄み渡る声で歌い始める。
 それは勇気の歌。暗く閉ざされた世界に光をもたらす希望の歌。
 幼い胸を必死に振るわせ高らかに響かせた歌声は、屋内プールに一時の聖域をもたらした。

「綺麗な歌声……。なんだか元気が出てきちゃった。ねえミアちゃん、協力してくれる?」
「オッケーお姉ちゃん!アレだね!」
 アニカの歌声にその豊満な胸を弾ませ、双子の幼女が息をそろえて飛び上がる。

「system code:Transport mother unit!」

 着地する先はユノが召喚した直径約14mの未確認飛行物体。
 宇宙船のヤドリガミである彼女の本体、その名も深度外宇宙生命体探索船IKAROS-β!
 滑らかな金属製の甲板の上に降り立った双子は、ありったけの幼女力を宇宙船に注ぎ込む。
 そして幼女信者に振り降ろすは、幼女の、幼女による、幼女の為の鉄槌!

「……今っ!」
 そこを、宇宙船のエネルギーが最も高まるタイミングを静かに図っていた計っていた和奏が狙撃する。狙いはアニカによって振り回される舌の束。
 撃ちだされた弾丸は高速で振り回される舌を正確に打ち抜くと、暴力的な威力でもって引きちぎった。
 当然、その先にいた蛙男たちは遠心力によって盛大に放り飛ばされる。
 向かう先はIKAROS-βの直進方向。

「さよなら異常性愛者さん。そろそろ緊急搬送のお時間です!」
 ユノは力の高まりを一気に解放!宇宙船を急発進させ、蛙たちを巻き込みながら屋内プール中を縦横無尽に飛び回らせる。
 そして最後はその機体を直径20m誇る波の出るプールに向けて突撃させ、蛙たちを水底に叩きつけ粉砕するのだった。


これにて蛙頭の幼女信者たちは全滅し、長く続いた騒乱は幕を閉じる……筈だったのだが。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『都市伝説』隙間少女』

POW   :    領域
【蜘蛛の巣の様に空間の裂け目】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    恐怖
【周囲に作り出した多数の空間の裂け目】から【今まで異空間に捕われていた一般人】を放ち、【その感情を操り、猟兵達に抱き着かせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    移動
小さな【空間の裂け目を作り、その裂け目】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【異空間で、別の場所に裂け目を作る事】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●幼女?出ねえよそんなもん!

「ゲ……ゲコォ……もはやこれまで。しかし、我らが悲願を達成せねば死んでも死にきれない、ゲコ……」
 巨大な水飛沫が上がる屋内プール。
 雨の如く降り注ぐプールの水に打たれながら、一人の蛙男が満身創痍の体を引きずっていた。
 必死の形相で向かう先は、彼らが取り囲んでいた魔法陣。

「ゲ、ゲコォ……死した我が同胞の血肉を贄に今こそ願う!降臨したまえ!至高の幼女様!」
 血反吐を吐きながら絶叫する蛙男は最期の力を振り絞り、あの一節を歌い上げる。

「ょぅι゛ょぺろぺろ~♪」

 瞬間、魔法陣が光り輝く。
 捧げられた蛙男たちの魂が、異界の門を開いたのだ。
 そして現れる一人の幼……女……?

「え~~?なに急に呼び出してくれてんの?まじヤバ谷園なんですけど?」
 魔法陣があった場所に立っていたのは、血のように紅いセーラー服に身を包んだ女子高生風の少女。

 ……君たちにはがっっっっかりだよ!!!!

「そ、そんな!な、なぜだ!?我らが幼女様への祈りを捧げ、血肉を捧げてまで召喚した存在がこんなババアだなんて!!!」
「あんたらみたいな薄汚れた奴らの血と肉が混ざった時点で、そんなの召喚できるわけないじゃん。ってか、失礼なんですけど!まじ卍!!」
「……ああ」

 納得すんなやカエル……。厳しい……。むり……。
 でも、描写は続けないといけない……つらたん。

「っていうか誰がババアよ!マジキモイんですけど!……でも、まだまだ力は足りてないし、こんなやつでも腹の足しにしないと、か」
 言うや否や、紅い女子高生――隙間少女は蛙男の足元に指を向ける。
 その瞬間、その地面が切り裂かれるようにぽっかりと口を開け、蛙男の体を飲み込んだ。

「い、嫌だ!こんな幼女でもない奴の一部になるなんて!嫌だあああああ!!!」
 敗れ去って言った者達の誰よりも大きな絶叫を上げながら、最後の幼女信者は夜の闇より更に暗い闇の中へと落ちていく。

「はぁ~っていうか、こんな戦場のど真ん中に召喚してくれちゃって……こいつらをぶちのめさないと還るに変えれないじゃん。マジしんどいんですけど……」
 消化と吸収を促すようにお腹をさすりながら、隙間少女は面倒くさそうに辺りを一瞥する。
 彼女を取り囲むように集まる猟兵達を眺め、再び深いため息。

「まあいっか。こいつらも全員食べちゃえば、一気に完全復活できるっしょ」


※幼女大好き蛙男くんにまた会いたい人はSPD攻撃を使ってね!
 隙間の中から蛙男くんが元気に飛び出して引きずり込もうとしてくるゾ!
石動・彼方
コイツ…なによ!女じゃない!
あのクソ蛙!こんな制服姿の遊んでそうな女なんて呼び出して…ハルくんが惑わされたらどうするのよ!
殺さなきゃ…ハルくんが穢される前にあの女殺さなきゃ!

「そんな制服なんて、制服なんて!ハルくんはお姉ちゃんの白セーターの方が好きなんだから!」
なるべく攻撃を躱しながら、当たっても痛みに耐えながら接近。
「脚なんか出して!スカートも短くて!」
ストレート、回し蹴り、肉弾戦のコンビネーションで牽制して隙を見つけたら【絶天頂】を決める。
「その顔、見られないくらいぐしゃぐしゃにするから」
太ももで絞め殺し、拳を浴びせて殺す。
(使用技能・グラップル・激痛耐性・二回攻撃)

※アドリブ大歓迎



 一つの騒乱が幕を下ろし、再び静寂が戻った巨大な複合型屋内プール。
 しかし、猟兵達の戦いは終わらない。
 紅いセーラー服の女―『都市伝説』隙間少女は、先の幼女信者達とは比べものにならない程に禍々しい威圧感を纏いながその場に立っていた。

「コイツ…なによ!女じゃない!」
 隙間少女の登場に真っ先に反応したのは、葡萄酒を頭から被ったような赤い服を纏う石動・彼方。
 彼女の服装は膝上丈のミニセーターワンピ。図らずも隙間少女と同じような出で立ちだ。
 違う部分を挙げるなら、その赤い染料が蛙男たちの返り血であることくらいか。

「そんな制服なんて、制服なんて!ハルくんはお姉ちゃんの白セーターの方が好きなんだから!」
 血で濡れそぼった爪を噛みながら、光のない目で隙間少女を睨みつける彼方。
 いや、見た目だけだと貴女の方がよほど赤尽くめですけど?
 それこそ、どちらがオブリビオンは見る人によっちゃあ迷うほどに。

「あのクソ蛙!こんな制服姿の遊んでそうな女なんて呼び出して……ハルくんが惑わされたらどうするのよ!」
 終いには自らの腕を抱え込むように抱きしめ、わなわなと震え始める彼方。
 それによりセーターワンピに染み込んだ血液が絞り出され、彼女の指を伝って足元に赤い水溜まりを作っていく。

「はぁ、なに?その年でヒステリー?
誰よハルくんって意味わかんない!ガチで言ってる?」
 残念ながらガチである。
 負けじと睨み返す隙間少女であったが、その視線は彼方には届かない。
 何故なら彼方の意識はここにあって、ここにはないのだから。
 最愛の弟ハルへの狂愛は、遂に彼方を最終手段へと突き動かした。

「殺さなきゃ…ハルくんが穢される前にあの女殺さなきゃ!」
 ちなみに最終手段と書いて『いつもの』と読む。
 さしものハル君も、姉が自分の為に数多の血が流しているとは思いもよらないだろう。彼には強く生きてほしい。
 
「脚なんか出して!スカートも短くて!」
 一方の彼方は隙間少女に向けて、風紀指導の先生のような事を言いながら唐突な猛ダッシュ。
「なによ急に!マジ意味わかんない!あんたにそんな事関係ないでしょ!」
 あまりに唐突な戦闘開始に少し驚いた隙間少女であったが、彼女の行動もまた迅速であった。
 目の前に手をかざし、広範囲の空間にガラスのひび割れのような亀裂を生じさせたのだ。
 その空間の亀裂に巻き込まれた蛙男の残骸が瞬時に切り刻まれ、崩壊していく。
「近寄らないでよヒステリー女!」
「……その顔も口も、見られないくらいぐしゃぐしゃにするから」
 そこから先は一瞬だった。
 なんと彼方は亀裂に恐れることなく飛び込んだのだ。
 掠った脚や脇腹に切創が刻まれるが、それでも彼方は止まらない。
 体制が崩れたらダッシュを側転やバック転に切り替えて亀裂を避け、驚異的な執念で前へ前へと突き進む。
 そして、バック転の勢いのまま、隙間少女の整った鼻筋にその膝を叩き込んだ。
「ぎゃっ!なにす」
「もう喋るな(ピー)女……」
 逆立ちの体勢から、その滑らかな太股で隙間少女の顔を万力の如く締め上げ、続けざまに体の捻りでもって投げ飛ばす。
 そして落下する少女の顔面を狙っての無慈悲な右ストレート!
 夜の波間に真っ赤な花が咲いた。

「……あぁっ!」
 しかし、静かに上がる叫びは彼方のもの。
「なにすんのっていってるのよ!マジサゲなんですけど」
 隙間少女は咄嗟に顔の前に空間の亀裂を生み出し盾としたのだ。
 
「なんてこと……。
 これじゃハル君に明日のお弁当作ってあげられないじゃない!」
 彼方は血が滴り落ちる右拳を庇いながら飛び退き、一旦距離をあける。
 一方の隙間少女もダメージは大きいようで、ふらりとよろめきながら、ペッと人工砂浜に血と白い物が混じった唾を飛ばした。
 女と女の戦いは、さも恐ろしいものなのか。
 もし蛙男の一団が残っていれば肩を寄せ合って震えていたことだろう。
 
 戦いはまだ始まったばかりである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルナ・ステラ
さっきの危なさそうな蛙さんたちは何だったんでしょうか?
新しく出てきた人は違う意味で危なさそうですね...
遠くから魔法で戦いましょうか。

あれ?さっき聞いたような「ょぅι゛ょぺろぺろ」という声が...?
ひゃあ!!何か抱きついてきました!?
(まさか...さっきの蛙さんたち!?)

ぺろぺろしちゃ、いやだよぅ...
あぅ...抱き着かれてて攻撃がうまくできません...

ー狼さんたち助けて!!
「誇り高き銀色の狼さん、美しき月白の狼さん、わたしに協力してください!」

うぅ...酷い目にあいました...許しませんよ!
狼さんたちやっちゃいましょう!
(そういえば、狼さんたち蛙食べたりするのかな?)



 息もつかせぬ攻防の一瞬後、早くも動き出す者が1人。
「す、すごい戦い。巻き込まれたら大変です。わたしはわたしにできる戦いを……」
 星座の魔法使い、ルナ・ステラはダメージが癒えきらぬ隙間少女に追撃を仕掛けようと天空の魔力をその身に集める。
 そして魔力を流星へと変え放とうとした所で、一つの異変に気が付いた。

「…ょ…ぅ…ょ……ぺろ……♪」
「あれ?この歌声、まさか……」
 虚空から再び響く冒涜的な歌声。
 しかし、それを口ずさむ男たちは皆打ち倒され、最後の一人も赤きUDCにより喰われたはず。
 それならば、この声はどこから?
 ルナが注意を逸らしてしまったその時!

「ょぅι゛ょぺろぺろ~!!ロリコンよ!私は帰ってきたー!」
 知らぬ間に足元へと迫っていた空間の亀裂が内側から弾け飛ぶ。
 そしてなんとその中から蛙男が這い出してきたではないか。
 これにはルナも仰天し、思わず集めた魔力を霧散させてしまう。
「うひょうぉうぉうぉ~!
 ローアングル美幼女~!地獄から舞い戻った甲斐があったぜ~!」
 地面にぽっかりと開いた闇から這い出た体勢のまま、ルナの白いブーツへとその長く粘つく舌を伸ばし、巻き付ける。

「ひゃあ!!や、やめて!見ないでください!き、気持ち悪いです!」
 必死にスカートを押さえて体をよじるルナ。
 そのスカートがあと10cm短かったら危なかっただろう……ちっ惜しい!
「なんの舌打ちですか!?
 でも召喚術まで使うなんて、このまま攻撃されでもしたらっ」
 足元を束縛された今、ルナが最も恐れるのは隙間少女からの追撃だ。
 なんとか上半身だけで攻撃に身構える。
 しかし、一方の隙間少女といえば、
「は?なんで私の隙間空間を勝手に突き破って出てくんの?
 ロリコンの執念キモッ!キモキモのキモなんですけど!」
 まさかのドン引きであった。
 UDCに取り込まれた筈の者が見せた埒外の行動。
 これを奇跡と呼ばずして何と呼ぶのか!

「そう、まさに奇跡!正に奇跡の申し子たる俺は、同胞達が為しえなかった悲願だってやり遂げられる!メイクミラクルいざぁ!!」
 叫びを上げながら、ルナのくるぶしに巻き付けた舌を更に伸ばしていく蛙男。
 舌は瞬く間にずるずると服の上を滑っていき、その細い体を締め上げる。
 
「ぃひ、いひひひっひっひっひ!つつ遂に幼女を、幼女をぺロペロ~ぅ!!」
 そして、遂にその舌先はルナの魔法少女服の襟元にまで達する。
 蛙男は恍惚の笑みを浮かべ、舌先を敗残兵に止めを刺す槍のように尖らせ、無慈悲に付き下ろそうと、

「やめてーっ!ぺろぺろしちゃ、いやだよぅ……助けて!! 狼さんたち!!」
 涙ながらに叫ぶルナ。
 その瞬間、少女の祈りが夜空に届いた。
 何処からともなく現れた銀と白の光が駆け抜け、ルナを縛る舌を切り裂く!
「ぎょええええ!!おでのじだがあああ!!」
 切り裂かれた舌はガラスのように粉々に砕け散り、蛙男は口元を押さえて転げまわる。

「き、来てくれたんだね。ふぇぇ……怖かったよう」
 ルナを守るように並び立つ二頭の伝説の獣。
 その名も誇り高き銀色・狼王、美しき月白・女王狼。
 二頭の狼は友をR指定的に窮地に追いやった下郎を睨みつけ、低く唸りを上げた。

「うぅ、酷い目にあいました。
 ……許しませんよ!狼さんたちやっちゃいましょう!」
 『びしぃっ!』と蛙男に指を指を向けるルナ。
 それを合図に狼たちは再び二色の閃光となって、闇を切り裂くように駆け抜ける。

「ゲ、ゲゲゲゲ!!お助け~~っ!」
「絶対ぜっ~たい許しません!もう、来ないでくださーーい!!」
 暴漢に襲われ涙を流す少女はもうどこにもいない。
 勇気を振り絞ったルナは、高名な魔法使いが用いた魔法の箒に全力の魔力を込め、薙ぎ払うように振るう。
 凄まじい突風に煽られ見事に吹き飛ばされた蛙男は、自身に首元へと迫る二つの牙を見るのだった。

「お、俺が最後だと思うなよ!
 いずれ第二第三のロリコンが蘇り再び幼女を……ゲッゲコォ~ッ!!」
 捨て台詞を最後まで言い切ることなく二頭の狼に喉を食い破られる蛙男。
 瞬く間に全身にヒビが走り、蛙男はガラスが砕けるような音と共に粉々に消滅するのだった。

「ありがとう狼さん達。うん、もう大丈夫。
 だって、わたしにはこんなにも強くて優しいお友達がいるんですもの
 また、ろりこんさん?に出会ったって、もう絶対泣いたりしないわ!」
 友の身を案じ悲し気な声で鳴く二頭の狼を抱きしめるルナ。
 彼女はこの戦いでまた一つ、大きく成長した、のかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​

天杜・理生
モニカ(乃恵美・f05894)と同行。

……アイツらが召喚したにしては随分とかわいい子じゃないか。
なぁ、モニカ?
うん?いや、キミはそのままで十分かわいいよ。

まぁ、なんだ。キミも災難だったな。
早いところ還してやるよ。
……食べられるのは僕じゃなくキミの方だがね?

うん、サポート感謝するよモニカ。
アイツらのことは忘れていい。
ブラッド・ガイストで血を含ませた遠呂智を隙間少女へ振るう。
極力モニカへ攻撃が向かないよう挑発して気を引きながら
傷口を抉り、遠呂智に吸血させながらダメージを蓄積させよう。
コレも僕も、流される血が多ければ多いほど戦いやすくなるものでね。

●補足
完全に男として振る舞う
嗜虐的な性質
尊大な態度


天杜・乃恵美
兄くん(理生・f05895)と一緒さ

幼女を崇めた結果がJKか
ある意味では魔神の悪意かな?

でも中々カッコいい「お姉さん」だね
アタシもアレ位の女になって兄くんを喜ばせたいな♪
でもそれはそれ、あるべき座にお還りいただき…

ひぇ、ケロリコン!
何故キミらが出てくるのさ!?
とにかく、兄くんは彼女をっ

●SPD重視戦闘
《夜刀の標にて奉る》で「呪いの樹で彫られた棍棒」召喚
用法は「嫌悪と共に振り抜くとホームラン」
このバットで蛙男を次々『なぎ払い』迎撃
理生の攻撃に繋げる

●ヤバみ
外的処置で認知が歪み
理生を本気で『兄』(男性)と認識
科学者なので処置は承知しており
病み気味の愛故に自己暗示さえ駆使
Sッ気全開の兄を頼もしく思う




 プールの波打ち際から少し離れた場所で、華麗なコンビネーションでもって残党を殲滅していた天杜・理生と天杜・乃恵美の兄妹。
 二人は新たな邪悪の気配を察知し、次なる戦場へと駆けつけた。
 波打ち際に佇む、見慣れぬ紅いセーラー服の少女がそれであることはすぐに分かった。
 先ほどの蛙男たちが可愛く見えるほどの、瘴気とも呼べる負のオーラを纏っているのだから、見間違えるはずがない。

「アイツらが召喚したにしては随分とかわいい子じゃないか。なぁ、モニカ?」
「うん、中々カッコいいお姉さんだね。アタシもアレ位の女になって兄くんを喜ばせたいな♪」
 それでも軽口を叩けるのは、隣に愛する兄妹がいるから。
 ふんす!と胸を張るモニカの柔らかな金髪を撫で、理生は優しげな身を浮かべる。
「いや、キミはそのままで十分かわいいよモニカ」

「いやなんなの!?急に走ってきたかと思ったら、目の前で私をダシにイチャつくとか!
 そんな小っちゃい子を相手にリアピ(※1)?まじ激おこぷんぷん丸(※2)!」
 (※1=リア充アピール ※2=非常に怒っている状態。ちょっと死語)

「げき……?すまないが古き神々の言葉には詳しくないんだ」
「違うし!まだそんな古くないし!
 まじ激おこスティックファイナリアリティ・ぷんぷんドリーム(※3)!」
(※3=とてつもなく怒っている状態。必殺技ゲージを三本消費する)

「まぁ、なんだ。キミも災難だったな。早いところ還してやるよ。
 必要以上に手荒になるのは、勘弁してくれたまえ」
 聞きなれない言葉の理解を諦め、乗馬鞭・遠呂智を両手で引き絞る理生。
 鞣した皮がギチギチと音を立ててしなる程に、理生の瞳が凶暴な光を灯す。
 そして、血に飢えた鞭と自身の嗜虐心を鮮血で潤すために、若きダンピールは走り出した。

「ああ、あるべき座にお還りいただこう。サポートするよ、兄くん」
 そんな兄を頼もしく思いながら、モニカが彼の後ろに続き駆けだした。
 しかし、わずかな異変に気付き、彼女は即座に飛び退る。
 次の瞬間、先ほどまで彼女が立っていた地面が突如として膨れ上がり、爆発した!
 中から飛び出してくるのは当然……。

「どうも第二第三のロリコンです!ロリコンは滅びぬ!何度でも蘇るさ!」
「ひぇ、ケロリコン!何故キミが出てくるのさ!?」
 再び空間の裂け目から勢いよく飛び出した蛙男。
 もしもモニカが地面に走る亀裂に気が付いていなければ、先ほどのルナと同様に足を取られ、抱き着かれていたことだろう。

「モニカ!くっ……」
「おっと、あんたは私の相手をしてくれるんでしょ?イケメン君!」
 急ぎモニカの元へ戻ろうとする理生だが、それを隙間少女が放った空間の亀裂が阻む。
 牽制として放たれた衝撃波であったが、掠っただけで理生の病的な白い肌に紅い筋が走る。
「邪魔を……するな!」
「兄君!アタシは大丈夫だからとにかく、兄くんは彼女をっ!」
 アタシに気を取られていては、兄君は力を発揮できない。
 そう判断したモニカは更に大きく飛び退き、蛙男と正面から対峙する。
 今度は自分一人の力で、このロリコンを撃退するのだ。


「君たちが幼女を崇めた結果が、あのJKか。
 ふふ、ある意味では魔神の悪意かな?きっと今頃お腹抱えて笑ってるよ?」
「むぐぐぐ……たしかに一生の不覚ゲコォ。
 しかし、こうして幼女様が近くにいれば昂ぶりのままに隙間をこじ開けて出てくることが出来るゲコ!もう二回目だから完全にコツも掴んだゲコよぉ。
 しかも俺の本体はあのババア、じゃなくて隙間少女様だから、何度やられようと即復活してまた幼女ペロペロしに行けるゲコ!これぞ半永久的ロリコンエンジン!」
 興奮気味に早口でまくし立てる復活蛙男。
 言いながらもジワジワとモニカとの距離を詰めるそいつは、最早不審者の域を超えた邪悪の化身と成り果てていた。
 ヌメヌメと輝いた瞳で幼女の魅力を語ってくれたあの彼は、もういないのだ……。

「堕ちるところまで堕ちたみたいだね。嫌いじゃないよ?そういう振り切り方。
 でもアタシもノエミも、兄君のものなの。ケロリコン君に挙げられるものといったら……ノエミ、準備はいい?」
 頭上に手をかざし、自身の主人格へと呼びかけるモニカ。
 返答は鈴を転がすような声色と共に、脳内に響き渡る。
『鳥石楠さま、おねがいします…モニカちゃん、いいよっ』
「了解さ!『天鳥船』封縛宮、次元隔壁開放。指定貨物を一時転送っ!」
 手をかざした先の空間がグニャリと歪み、その先に待ち受けるのは夜空に浮かぶ石造りの遺跡船『天鳥船・玄舞紗』。
 そして玄舞紗から棒状の物が回転しながら飛来し、モニカの手の中にするりと納まった。

「アタシが君にあげられるのは、侮蔑とトドメだけさ。覚悟はいいかい?」
 その手に握るのは一見すると木製バットにも見える棍棒型の武器
 しかして、その正体は呪いの大樹から削りだされた、武装型UDCである。

「幼女様からのお仕置きバット!?そんなのただのご褒美じゃないかー!」
 一方の蛙男は不死身の体を手に入れた万進からか、モニカに向けて正面から突撃する。
「本当に度し難いな。さあ、巫女さんがその罪を祓い清めてあげちゃうんだ。
 神社に赴いたときの作法くらいは知っているだろ?」
 モニカは棍棒を両手で握り、八相の構えをとる。
 そして6歳の幼女が繰り出すは、ヘッドスピードを目で追うことすらできない程の、渾身のフルスイング。

「二礼!二拍手!一礼!そして……一撃!!!」
「ありがとうございまああああああああす!!」
 棍棒の一撃を無防備な土手っ腹にもらった蛙男は、歓喜の声ともに吹き飛び、空中で再び粉々に砕け散った。

「これが本当のサヨナラホームランさ」
『え?モニカちゃん、今何か言った?』
「……何でもないよ」


 一方、対峙する隙間少女と理生。
 理生は遠呂智をしならせ、空間を駆け巡る斬撃属性の亀裂を次々と払いのける。
 亀裂に触れる度にその先端が弾かれるような衝撃に見舞われるが、素早くスナップを返し、すかさず二撃三撃と遠呂智を唸らせる。
 隙間少女も負けじと腕を振るうが、蛇のような猛撃に次第に押され始めていた。
「はあっ!」
 そしてついに隙間の防壁を掻い潜り、少女の肩口に皮の蛇が噛みついた。
 その一撃に肌が裂け、血しぶきが霧のように立ち上る。

「ふふ、美味しいかい遠呂智?さあ、もっと血を分けてくれたまえ。
 コレも僕も、流される血が多ければ多いほど戦いやすくなるものでね」
 嗜虐的な笑みを浮かべながら、理生は更に、容赦なく鞭を振るう。
 傷口を広げるように、執拗に肩口を狙って叩きつけるたび、遠呂智は立ち上る血煙を吸い上げてその身を蠢動させた。

「ちっ!アンタ達なんてただの餌なのに!
 こんな所で私がやられるなんて、無しよりの無しなんだから!」
「はは、今度は何を言っているか分かったよ。
 ……でも、残念ながら、食べられるのは僕じゃなくキミの方さ!」
 悔し気に呻く隙間少女の腹部へと、血の色に染まった遠呂智が滑るように迫り、巻き付いた。
 そのまま力強く鞭を振り抜けば、華奢な体は軽々と宙を舞い、地面に叩きつけられるのだった。

「ああ、ああ、地面に這いつくばっちゃって。蛙なんか食べるからだよお嬢ちゃん? さあ、もう少し僕と踊ろうじゃないか!」
 恍惚の笑みを浮かべ、繰り返される嗜虐の舞。
 そしてそんな兄の舞をうっとりと見つめる妹。
 奇妙なる今宵の戦場は、より一層に異様な雰囲気に包まれつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アニカ・エドフェルト
アドリブ絡み歓迎

突然、こんな人たちに、こんなところに、呼び出される、なんて…。
あなたには、同情、します。
ですが、あなたには、ここで消えて、もらいますっ

1フレーズだけ、歌った後、思いっきり近づいて、翼の力で飛び上がって、相手の頭に向かって、キックを叩きこみ、ますっ
(その他投げ極め絞め辺り。パンチは使わない)
(〈グラップル〉〈怪力〉等を使う。被撃時は〈苦痛耐性〉〈オーラ防御〉)

…あ、折角ですし、あなたの名前、聞いておきたい、です。
ほら、ここに来てから、あっという間に消えゆく運命、ですし、
名前くらいは、聞いておいて、あげませんとっ
…たぶん、すぐに忘れちゃいそう、ですけど。


水瀬・和奏
幼女を呼び出すのに失敗して女子高生っぽいのが出てくるってなんだか失礼じゃないですかね…
あとババアって言った奴は…あ、もう死んでましたね

装備を火力支援ユニットに換装して、威力重視のガンラック・ガール
引き続き流れるプールに陣取って高所から攻撃続行
初撃までは【目立たない】よう姿を隠して不意打ち
その後も移動しながら攻撃を繰り返し、こちらに意識を向けさせ隙を作ったり味方への攻撃を妨害するなど【援護射撃】します
命中率と手数は【誘導弾】や主砲の【二回攻撃】、全火器の【一斉発射】でカバー

気付かれて攻撃された場合は【見切り】【地形の利用】で回避
濡れるのはもう仕方ありません

アドリブ・絡み歓迎です


蛇塚・レモン
<WIZ>
なんだろう……?
これは邪神相手だけど同情案件では?
あたいは訝しんだ

まずコミュ力と優しさで戦闘前に邪神の彼女を慰めるよ
わかるわ~、変態に呼び出された挙句にババア呼ばわりはないよねぇ~?
あたいもさっきババア扱いされたんだよね
分かりみが深いわ~!
あと制服可愛いっ!

会話をしつつ時間稼ぎ
こっそり自分の掌に蛇神様召喚の魔法陣を描くよ
そして裂け目を第六感と野生の勘で察知したらすかさず抵抗
呼び出した蛇神様を掌から出現させるよっ
そのまま邪神に絡み付かせて締め上げてもらっちゃうよっ!
(だまし討ち+怪力+マヒ攻撃+呪詛)
ごめんね
本当は友達になりたかったけど……
(オーラガンの零距離射撃で邪神の頭を撃ち抜く)



鞭を振りほどき体制を立て直した隙間少女。
そんな彼女の足元に突如ひび割れが生じ、中から聞き覚えのある声が聞こえてくる。

「おいボロボロじゃないかゲコ!お前がやられちゃったら俺まで消えちゃうんだゲコよ!まだ幼女をペロペロ出来てないのに死ぬなんて嫌だゲコ!」
「うるさい!勝手に出てくるな!」
「JKに踏まれても嬉しくない!」
 憤りのままに足元の亀裂を踏み抜いて、その奥にいる蛙男を蹴り落とす。
 そんな彼女に、いつの間にか複数の哀れみの眼差しが向けられていた。

「突然、あんな人たちに、こんなところに、呼び出される、なんて……」
「なんだろう……?これは邪神相手だけど同情案件では?」
 アニカ・エドフェルトと蛇塚・レモンは肩を寄せ合い、哀れなUDCの行く末を案じる。
「わかるわ~、変態に呼び出された挙句にババア呼ばわりはないよねぇ~?
 あたいもさっきババア扱いされたんだよね。分かりみが深いわ~!」
 レモンはそのまま隙間少女に近づき、肩に手を添えた。

「ってかインスタやってる?」
「いや馴れ馴れしすぎるわ!あんた猟兵でしょ!?」
 思わず傷の痛みも忘れツッコミを入れてしまう隙間少女。
 ちなみにやってる。

 一方、ところ変わって二階の流れるプール。
 通信無線で二人の会話を聞いていた水瀬・和奏は無言で深く頷いていた。
(幼女を呼び出すのに失敗して女子高生っぽいのが出てくるってなんだか失礼じゃないですか。
 あとババアって言った奴は、次出てきたらその眉間を撃ち抜いてやります)
 現役の女子高生である和奏は静かに怒髪天。
 三脚に取り付けたライフルのスコープを油断なく覗き込みながら、手元では胴体装着型の大砲とミサイルポッドを備えた火力支援ユニットの準備を進める。
 いや、眉間どころじゃなく消し炭も残さないつもりですねお嬢さん。

「あなたには、同情、します。ですが、あなたには、ここで消えて、もらいますっ。
 でも、その前に……」
 隙間少女に歩み寄ったアニカが、短く勇気の歌の一節を口ずさむ。
 すると足を引きずるように立っていた隙間少女に、僅かに活力が戻った。
「マ?敵に情けを掛けるなんてどうかしてるんじゃない?」
「かも、しれません。でも、ほら、ここに来てから、あっという間に消えゆく運命、ですし、死に花を、咲か、せるなら、最後は正々堂々と、です」
 幼い瞳に非情さと強い意志を宿し、アニカが身構える。
 その構えは故郷の闘技場で育んだ友情のグラップルスタイル。

「本当は友達になりたかったけど……オブリビオンは世界を喰らう邪悪。
 ごめんけど、生かして帰さないよ!」
 隙間少女から飛び退ったレモンも、アニカと並び立ち深く腰を下ろす。

「あ、名前くらいは、聞いておいて、あげませんとっ。
 ……たぶん、すぐに忘れちゃいそう、ですけど」
 小さな天使の羽をはばたかせながら、アニカが最後に問いかける。
「……アカネだよっ!!」
 叫びと共に、隙間少女――アカネが掌から空間の亀裂を伸ばし、広範囲に破壊を振りまく。
 対する二人の少女は、それぞれ全身を覆うオーラを纏って、迫りくる亀裂を阻む。
 
「悪いけどもうあたいの準備は整ってるんだよね。お願い、蛇神様!」
 レモンは握りしめていた拳を開いて前に押し出すように突き出す。
 その掌に煌めくのは光の魔法陣。
 アカネと言葉を交わしながらも、密かに掌の中で魔力を編み込んでいたのだ。
 魔法陣を突き破るように再び召喚された巨大な白蛇――蛇神様はその身をくねらせながらアカネに迫る。

「なにその蛇!かーわいーい!超映える……じゃなくて!」
 一瞬だけ年相応に表情を輝かせた後、はっと我に返ったアカネは、急いでその身を隙間の中に滑り込ませ蛇神様の突進を避ける。
 しかし、蛇神様は舌を素早く出し入れして鼻腔を何度か鳴らしたかと思うと、再び大きく飛び上がった。
 その先は、吹き抜けになったプールの二階部分。

「え?え?こっちですか!?」
 伸びあがり二階の流れるプール目掛けて突進する蛇神様に、その直進先にいた和奏が目を白黒させる。
 瞬間感じた殺気。
 和奏が足場にしていた小舟から大きく飛び上がると、1秒と経たずに小舟にひび割れが走り、粉々に砕け散っていた。

「私が狙撃手の視線に気づかないとでも思っ……ええっ!?」
 隙間から飛び出し奇襲を仕掛けたアカネの目前に迫るのは大蛇の牙。
 奇襲に奇襲を返されたアカネは成すすべもなくその巨大な顎に噛みつかれ、一階へと叩き落とされた。

「準備は済ませたっていったでしょ?
 さっき君の肩に毒液の臭いでマーキングさせてもらったよ。
 これでどこに逃げようと隠れようと、蛇神様は絶対に見つけ出せる」
「もう、にがし、ません!」
 翼を羽ばたかせ飛び上がるアニカ。
 一方のアカネは蛇の毒牙により体がマヒし、思うように体が動かせない。
 もはやここまでか。
 目を閉じるアカネの横を、見慣れてしまった黒と緑の影が通り過ぎた。

「ゲロロロ~~ッ!ょぅι゛ょぺろぺろ~♪」
 そう、三度蘇った蛙男である。
 彼は自身の本体である少女を守るためにその身を投げうった……のではなく、単に欲望のままに飛び出しただけ。
 しかし、アニカの飛び蹴りの軌道上に現れたのは、図らずも彼最大のファインプレーであった。

「もう、邪魔、しないでください!」
 蛙男を巻き込んだ飛び蹴りがアカネに突き刺さる。
 しかし蛙男が緩衝材となって、隙間少女に威力を伝えきれない。
 そう判断したアニカはやむを得ず、飛び蹴りを中断し、再び中空に身を翻した。
 一方の蛙男はひび割れた体を再生すると、再びアニカを求めて跳ね上がる。

「ま、待つゲロ~。そんなにクルクル飛び回ったら見えちゃうゲコよ~♪
 可愛い可愛いおパンべふぉっ!!」
 しかし、またもや最後まで台詞を言わせてもらえず、地面に叩きつけられる。
 彼を襲ったのは和奏のリボルバーから放たれたマグナム弾であった。
 先ほどの二階での攻防で隠密はもう意味をなさないと判断した和奏は、そのまま一階の波の出るプールへと飛び込み、今まさに陸地へと辿り着いていたのだ。
 しかし、巨大なアームドフォートを装備したままプールを泳ぎきるのだから、この女子高生サイボーグの膂力には目を見張るものが有る。

「ふう、制服の中に水着を着ていてよかったです」
 いや、そういう問題ではない。
 熊殺しの異名を持つ大口径リボルバーをしまいつつ、アームドフォートの砲身を蛙男に向ける。

「目標を確認、安全装置解除。
 ……いい加減に消えてください!女の敵め!」
『ズガアアァァン!!』
 轟音と共にミサイル弾が発射され、凄まじい反動に体がわずかに後退する。
 そして撃ちだされた砲弾は見事に直撃し、黒いスーツを爆炎が包み込んだ。

「ゲロゲロゲロ~!!無駄無駄ぁ!
 俺は不死身だと言っただろぅ……なにっ!?」
 粉々に砕け散った破片が集まり、蛙男の体が幾度目かの再構成を開始する。
 しかし、その時異変が起こった。
 その指先がガラスの破片よりも細かい粒子となって自己崩壊を始めたのだ。
 崩壊は指先から掌、肘へと加速度的に広がっていく。

「……な、なんだ、これは!?
 あのババアが生きている限り俺は死なない筈なのにいっ!」
「知らなかったの?どんなに強くたって、不死身の能力を持ってたって、短時間に何回も撃破されたらもう復活できなくなるんだよ。
 あんた、さっきから調子に乗って死に過ぎだ」
 崩壊を続ける蛙男に向けて、その様子を見ていたレモンが冷ややかな眼差しと指鉄砲を向ける。

「あたい達をババアって言った報い、受けてもらうよ!和奏ちゃん!」
「ええ、レモンさん……射撃始めます!」
 レモンの超霊力オーラガンが、和奏のミサイル弾が、蛙男を挟み込むように直撃し、
「ゲ……ゲコォ~~~~っ!!!」
 ついに、その身に正真正銘の滅びをもたらすのだった。

「こっちも、そろそろ、とどめです!」
 光の帯を纏いながら空を駆けるアニカ。
 勇気と希望の力をその小さな体に満たし、隙間少女に向けて急降下!
「来いよ!猟兵!」
 それに対し、すでに隙間に逃げ込む余力も尽きていたアカネは全身全霊の拳で立ち向かう。
 そして交錯する、二つの影。

「は~~っ。こんな所で消えるなんて、マジサゲさんですけど」
 しかして、膝をついたのはアカネであった。
 彼女の体から光の粒子が立ち上り、少しずつ大気へと溶けて消えていく。
 だが、その顔はどこか晴れやかだ。

「最初から最後まで散々だったけど、最後はちょっとだけ沸いた……よ……」
 そして最後に「あざまる水産」と言い残し、隙間少女アカネは消滅するのであった。

「……それ、どういう、意味?
 えっと、どう、いたしまして、でいいのかな?」
その問いに答える者はもういない。
こうして、長い長い戦いの夜は幕を閉じたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『混浴温泉リゾートでのひとときを』

POW   :    水着を着てプールのように楽しめる温泉レジャー!スライダーとかありますよ!

SPD   :    水着なんて邪道!普通にのんびり露天の温泉でゆっくりしよう!混浴もあるよ!

WIZ   :    リゾートは温泉だけじゃない!海の幸に山の幸、美味しい料理も待っているぞ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●新しい朝が来た

 翌日。
 巨大屋内プールでつい数時間前まで壮絶な死闘が死闘が繰り広げられていたとは知る由もなく、複合型リゾートホテルは今日も多くの観光客で賑わっていた。
 あれほどの戦闘が繰り広げられたというのに、なぜプールが通常通りに営業できているのか。
 それは、UDCスタッフが徹夜でなんやかんやして頑張ったからである。
 ありがとうUDCスタッフ。
 また頼むぜUDCスタッフ。

 戦闘の後、リゾートに無料で一泊していた猟兵達も今日は休日。
 それぞれの目的の元、大いに羽を伸ばすのであった。


※お詫びと訂正
 OP文におきまして、混浴温泉は水着着用と記載しておりましたが、フラグメントの誤読でございました。失礼いたしました。
 温泉に入られる場合は水着着用不可の純温泉になります。
 男湯・女湯・混浴と三種類を用意しておりますので、温泉を楽しみたい場合はプレイングにてお知らせください。
 また、混浴温泉希望の方は、過度にR指定に引っかかるような物や他のプレイヤー様のご迷惑になるようなプレイングが見られる場合は、マスタリングの対象になる場合がございますのでご注意ください。
 簡単に言うとトラブるのは黄色信号で、ダークネスになると赤信号です。

 それでは引き続きシナリオ『ょぅι゛ょぺろぺろ』をお楽しみください。
 
ウィルマ・シャーオゥ
いやぁ、邪神は強敵だったネ!
え、戦ってないって? いやいやまさかそんなことはまさかーあっはっはっは。たぶんその辺で応援とかしてたよー諸君が気づいてないだけだよーたぶん。(戦ってません)

温泉とかプールも楽しそうだけど、吾輩お腹すいちゃったしご飯がいいなー。なんかビュッフェとかそういうやつなのかな。お肉食べたいナー。
そういえばカエルの肉って、お店次第では普通に扱ってたりするんだってネ。淡白な味わいで、鶏肉っぽいって聞いたことがあるけど……吾輩、お肉は牛豚馬鶏でいいかな!
あ、馬って言ったら馬刺しとか食べたくなったかも。置いてるかなー?
デザートはお腹の余裕次第で。おすすめを聞いてみたい気もするかなー。


天杜・理生
乃恵美(f05894)と【料理】
アドリブ歓迎

妹達に浴衣を着せて髪を結ってやったら
僕も浴衣に着替えて
ホテルの料理を楽しみに行こうか

僕は遠くから見ていただけだが2人とも楽しかったようで何よりだ。
落ち着けよふたりとも。さすがに同時には食べられない。

まずはノエミから
次にモニカから
うん、どちらも美味しいな。

ほら、ノエミ、僕にばかり差し出すのもいいが、ノエミもちゃんと食べなさい。
ノエミの好きそうな和菓子を口元に差し出してやり

なんだ、モニカ。物欲しそうな顔をして。
ふふ、モニカも食べさせてほしいのか。
なら口開けろよ。
モニカにはスイーツを。

●補足
ノエミにはべた甘
モニカにはちょっと意地悪
同じくらいかわいがっている


天杜・乃恵美
理生(f05895)と【料理】へ
※アドリブ歓迎

「プールたのしかったね、モニカちゃん」
『…お湯かけ過ぎだよ、ノエミ』

「わ、この白玉おいしいよおにいちゃんっ」
『やー、このザッハトルテもなかなか』
「むー…!」『むむっ…』

「あーんっ…はむっ、あまぁい♪」(にへー)
『…兄くん。アタシにも、その。うん…あーんっ』(かぁっ)

「おにいちゃん、あとで3人で足湯にいこうよっ」
『ああ、いいね。3人で楽しめるし』

●経緯
ユーベルコードで2人に分離
理生に髪を結われ左右に侍り
プール→料理→足湯と順次満喫

●ノエミ
「おつかれさまっ♪」
無垢な金髪ガチ幼女
浴衣は桜柄

●モニカ
『兄くん、お疲れ様だよ』
大人びた銀髪科学者幼女
浴衣は菖蒲柄



「プールたのしかったね、モニカちゃん」
「…お湯かけ過ぎだよ、ノエミ」
 ふたりの浴衣姿の少女がホテルのロビーを楽し気に歩く。
ユーベルコードにより一時的に二人に分離した天杜・乃恵美(ノエミ)と桃仁香(モニカ)である。
 金髪をふわふわと揺らし跳ねるノエミは桜の模様の、ノエミに手を引かれて歩くモニカは菖蒲模様の浴衣をそれぞれ纏っている。
 二人は先ほどまでプールで遊び、これからリゾートのビュッフェで早めの昼食に向かうところなのだ。
 そのわずかに後ろを歩くのは、二人の兄である天杜・理生。
 プールで遊び終えた妹達に浴衣の気付けをするのも面倒見のいい兄であり、従者でもある理生の役目であった。

「ノエミ、そんなにはしゃいで転んでしまっては大変だよ?」
「大丈夫だよ、おにいちゃん。あ、着いた!あたしが一番っ♪」
 ビュッフェにたどり着き足早にテーブル席へと駆け足で向かうノエミ。
「ねえねえ、おにいちゃん、モニカ!こっちの席!ここで食べよう!」
 そしてチョコンとテーブル席に腰を下ろすと大きく手を振るのだった。

「やれやれ、ノエミったら随分はしゃいでるね」
「仕方ないさ。昨日はずっとモニカが頑張ってくれたけど、その分ノエミはお留守番だったからね。きっと、三人で遊べて嬉しいんだよ」
 今は束の間の平和を楽しもう、と理生はモニカの手を引いて、ノエミが待つテーブルに向かった。
 一方、そのテーブル席の向かい側のカウンター席にはもう一人の猟兵の姿があった。

「いやあ、天社のご兄妹。今日も仲良しで吾輩は羨ましいよ。それにしても昨晩の邪神は強敵だったネ。うん、吾輩一時はどうなるかと思ったヨ」
「あ、えっと、あなたは確か……」
「吾輩はウィルマ。以後、お見知りおきを」
 カウンター席に一人腰かけていた少女はウィルマ・シャーオゥ。
彼女は既にあらかたの料理を食べ終えてしまっているらしく、目の前には空になった皿が積まれていた。

「ん?キミは確か最初こそいたものの途中から姿が見えなかったと思ったんだが、僕の思い違いかい?」
「な、なにを言ってるのかな?吾輩はずっと君達を応援したり支援をしていたさ。諸君が気づいてないだけだよーたぶん。いやあ、吾輩がいなかったらどうなっていたことか。はっはっは!」
 理生の問いにウィルマがカラカラと笑う。
 ついでに彼女は蛙たちの猛攻が激しくなる前に早々に帰っていた。
 幼女、嘘、いくない。

「ねえおにいちゃん。早く食べようよ。
あたし、プールでたっくさん遊んだからお腹すいちゃった」
「ビュッフェスタイルだからね。兄くんの分もアタシがとってあげるよ」
 気付けばノエミとモニカはプレートをもって色とりどりの料理が乗った大皿の前に向かっている。

「失礼、妹達が呼んでいるみたいだ」
「ああ、いってくるといいヨ。そうそう、ここのお肉はどれも絶品さ。
ところで知っているかな?カエルの肉って、お店次第では普通に扱ってたりするんだってネ。淡白な味わいで、鶏肉っぽいって聞いたことがあるけど……吾輩、お肉は牛豚馬鶏でいいかな!」
「……蛙はもう昨日でお腹いっぱいだよ」
 悪戯っぽい笑みを浮かべて最後の楽しみにとっておいた馬刺しをつまむウィルマ。
 そんな彼女を残し、理生は急かす妹達の元へ向かうのだった。


「わ、この白玉おいしいよおにいちゃんっ」
「やー、このザッハトルテもなかなか」
 楽しい昼食も酣。それぞれ取ってきたデザートを食べ始める頃合い。
 しかし、ノエミとモニカがそれぞれ選んだデザートを理生に食べてもらおうと同時にスプーンを差し出してしまったのだから大変だ。
 二人の少女の目元に火花が走る。

「おにいちゃんはノエミの選んだお菓子を食べるよね?」
「落ち着けよふたりとも。さすがに同時には食べられない。」
 じゃあ、まずはノエミの選んでくれた白玉から。と理生は微笑み、ノエミが差し出すスプーンをパクリと口に含む。そして次はモニカの分も。

「うん、どちらも美味しいな。ほら、ノエミ、僕にばかり差し出すのもいいが、ノエミもちゃんと食べなさい」
 そう言って、理生は選んでいたわらび餅を一匙すくい、ノエミの口元に差し出した。
「あーんっ…はむっ、あまぁい♪」(にへー)
「……兄くん。アタシにも、その」
「なんだ、モニカ。物欲しそうな顔をして。ふふ、モニカも食べさせてほしいのか。
なら口開けろよ。」
 理生の少し意地悪な物言いにうっとりと赤面するモニカ。
 そんな妹のちいさな口元にはチーズケーキを。
「うん……あーんっ。うん、うん、美味しい」

「ねえねえ!おにいちゃん、あとで3人で足湯にいこうよっ」
 いつの間にかデザートを食べ終えてしまったノエミが、パンフレットを手にテーブルに乗り出す。
 どうやら、このリゾートホテルには無料で開放された足湯もあるようだ。

「いいね。三人で一緒に行こう。まだまだ時間はあるんだし、折角の機会だからね。
 一緒に楽しい思い出を作ろう、ノエミ、モニカ」
「「うん!」」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ルナ・ステラ
昨日は酷い目にあいました...
もう蛙男は出てこないですよね...?

プール、温泉、豪華料理...どれも良さそうですね!
(ニヤニヤしながら混浴温泉に向かっていった人がいますが、気のせいでしょうか?)

豪華料理に狼さんたちを連れて行っても大丈夫なのでしょうか?
昨日のお礼をしたいのですが...
できるなら、豪華料理に行って一緒に食事を楽しみたいですね!



 時間はわずかに進み、今の時刻は昼過ぎ。

 一人の少女がホテルの一階を、少しおどおどと歩いていた。
「昨日は酷い目にあいました……。もう蛙男は出てこないですよね...?」
 少女―ルナ・ステラにとって昨晩の事件は少し刺激が強すぎたようだ。
 いつまたあの蛙男が出てくるかビクビクと辺りを見回す。
 そんな主を心配し、付き従っていた二頭の狼は心配げにか細い鳴き声を上げた。
「うん、流石にもう出てこないみたい。心配してくれてありがとう。今日は狼さん達にお礼もしてあげないとですね」
 昨晩の戦いで、蛙男にあわやという所まで迫られたルナを救い出した二頭の狼達。
 ルナはこのリゾートでの残りの時間を彼らの為に使ってあげたいと、ペット同伴可能な施設を探していた。

「プール、温泉、豪華料理、うん、どれも良さそうですね!あとは狼さん達が入れればいいんだけど……あら?」
 ルナの視界に、額に仮面を引っ掻けた男が横切る。
 たしか彼はグリモア猟兵の……。
「なんだか、凄くニヤニヤしながら歩いていっちゃいました。声をかけるのも怖いし、挨拶はまた今度にしようかな」
 歩いて行った男から、蛙男に通ずる嫌な気配を感じ、ルナは足早にその逆方向、レストランへと向かうのだった。
 この事件がきっかけに男性恐怖症にならないことを切に願うばかりである。

「当レストラン内は、中庭のテラス席でしたらペットの同伴でもご入場いただけます。ランチタイムはビュッフェスタイルとなっておりますので、そちらのワンちゃんには外で待っていてもらうことになりますが、よろしいですか?」
「はい、大丈夫です。この子たち、とっても賢くていい子なので!」
 ホテルスタッフの言葉にほっと胸をなでおろし、ルナは中庭へと向かう。
 中庭には他にもペット同伴で来ている客も見受けられ、皆温かい陽の光の下でくつろいでいた。
「うん、いい天気でよかった。ここならゆっくりと過ごせそうですね」
 心なしか二頭の狼も居心地が良さそうだ。グイっと伸びをしたり欠伸をしたりと、昨日の勇ましさを忘れリラックスしている。
 ふと遠くの方を見やると、たくさんの犬たちが飼い主と共に楽しそうに駆け回っているのが見て取れた。
 どうやら中庭から通じるホテルの裏手にはドッグランも設けられているようだ。
「食べ終わったら向こうで一緒に遊ぶのもいいかもしれませんね。じゃあ、ちょっと待っていてね」
 各々でくつろぐ狼達の頭をふわりと撫でてから、ルナはレストランへと向かう。
 本当は人間の食べ物を一緒に食べるのは良くないけど、二頭ともユーベルコードで呼び出した伝説の星獣さんだし、少しくらいなら大丈夫ですよね?
「わあ、美味しそうなお料理がたくさん!やっぱりお肉料理がいいよね。うん、これも美味しそう!あ、この可愛いケーキはわたし用♪」
 ルナは友人たちが喜んでくれる姿を想像しながら、プレートの上に色とりどりの料理を載せていく。

 ランチが終わったら、今度はどんなことをして遊ぼうか。
 ルナの楽しい一日はまだ始まったばかりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

石動・彼方
ハルくんも連れてくれば良かったかな…あ、でも人前でさすがにアレしたらハルくん泣いちゃうかも…。

私は裸で混浴に浸かるわ、羞恥心なんて初潮が来る前に捨てさせられた私は誰が入って来ようが構わず湯船でダラっと手足を放り出して。
「ん?よく考えたらハルくんと一緒に混浴に入ったらハルくんの裸を他の雄や雌に見られちゃうじゃない…あり得なかったわ…」
ハルくんはとっても可愛くて、食べちゃいたくなるほど…たまに食べちゃうけど…可愛いから他の人には見せたくない。
「代わりに今夜は一緒にお風呂すれば良いのよね」
ハルくんまた喜んでくれるかなぁ…。
「また痛いくらい抱き締めてあげるから待っててね…ハルくん…♡」

※アドリブ歓迎


星蝕・焉夜
【SPD】同行者:白雪・小夜
関係:甘やかしたい

「小夜を連れて来たのはいいんだが、楽しんでもらえるだろうか?」

「サムライエンパイアよりも文明的かも知れんな……
機械も多いだろうし殺風景かもしれんな……」

「ああ、温泉はこちらにもあるぞ……
そうだな、2人きりで混浴に入りたいな……」

「そう思えてもらえたなら俺としても嬉しいよ……
俺も小夜とキスするのは好きだぞ?
ん……
ああ、これからいっぱい幸せになれば良いと思うぞ……」

「小夜と温泉に入れて良かったよ……
これからも迷惑をかけるかもしれんがよろしく頼むぞ……」
(言いながら手を胸に回そうと)(ぁ


白雪・小夜
【SPD】同行者:星蝕・焉夜(f00030)
関係:恋人

初めてサムライエンパイア以外の世界に来たけれど
こうも景色が違うものなのね…なんだか新鮮。

そしてこの世界にも温泉が…まさかあるなんて…
で、でも混浴で良かったのかしら?
私は…その、恥ずかしい…のだけれど…
とりあえず人目のつかないところで…入りたいわ。

焉夜さんがいた世界なら知ってみたいと思えたの…
ふふ…あんなに他の世界に行くの怖かったのに不思議。
キス…はまだ慣れていないけれど彼とするのは好きで…
んっ…ふふ、こんなに幸せでいいのかしら?
…こんなに心穏やかなの、初めてだから…少し、怖いわ

ええ、貴方となら…ってもう!それはまた今度…なんだからっ(プイッ




 所変わってリゾートホテルの目玉、大浴場……の男湯と女湯の間に設けられた混浴温泉。
 男女それぞれの脱衣所から赴くことが出来るそこは、透明度の低い白濁湯が波々と湛えられ、湯船の中を見透かすことは出来ない作りになっている。広さも十分にあるため、他の客と接近することも稀。
 混浴と謳われているものの、その実態は想い想いに静かな時を過ごす為の憩いの空間である。

● 
 ちゃぷん、と静かな水音とともに湯が跳ね上がり、その中から白濁湯に負けない程に白く滑らかな脚が姿を現した。
 ふぅ……、と石動・彼方は静かに息を吐く。
 昨晩の戦いの疲れを湯に溶かすように、つま先までピンと伸ばした脚をくねらせる姿は扇情的であると共に神々しさすらも感じさせた。

「はぁ、気持ちいい。ハルくんも連れてくれば良かったかな」
 戦いで負った傷も一晩で殆ど塞がり、温泉の効果もあり明日には完治するだろう。
 体が元気になってくると、今度は残してきてしまった弟のことが気がかりになってしまったのか。彼方の吐息が熱っぽい物に変わる。

「あ、でも人前でさすがにアレしたらハルくん泣いちゃうかも……」
 激しく首を横に振り、脳内の熱を振り払う彼方。しっとりと濡れた絹の如き黒髪を舞わせるその姿は、例えるなら泉の女神。
 彼女を見た者は、よもや昨晩の彼女が蛙男の首をへし折り、血しぶきを浴びて嗤っていた狂戦士だとは思いもよらないだろう。

「ん?でもよく考えたらハルくんと一緒に混浴に入ったら、ハルくんの裸を他の雄や雌に見られちゃうじゃない……あり得なかったわ」
 前言撤回。今も尚、彼女は十分に狂っているようだ。
 そう彼女こそ此度の戦いで最も狂気の淵を歩んでいた者。愛慕に狂う姉なる者なのである。

「あんなに可愛い、食べちゃいたくなるくらい可愛いハル君を衆目に晒すなんてダメよ。ハル君は私だけのもの、お風呂は私だけの特権なんだから。
 うん、代わりに今夜は一緒にお風呂すれば良いのよね。そうと決まったら長湯なんてしてられないわ」
 言うや否や勢いよく湯船から起き上がり、その豊満な体を隠すこともなく脱衣所へと向かう。
 彼方にとって羞恥など弟の為を思えば些細な事。そもそも、そんなものは遥か昔に涅槃の向こうに置いてきてしまった物なのだ。

「ああ……また痛いくらい抱き締めてあげるから待っててね、ハルくん……」
 火照る頬は温泉によるものか、はたまた。そのまま彼方は足早に温泉を後にするのであった。


 同時刻、混浴温泉の更に奥まった岩陰に逢瀬を交わす二つの影があった。
 その片割れたる者の名は星蝕・焉夜(終焉よりランタンを燃やす者・f00030)。
 黒髪と、僅かに幼さの残る顔立ちが優し気な雰囲気を醸し出す好青年風の男だ。
 そしてもう一人、白く長い髪と額から覗く角が特徴的な美女は、名を白雪・小夜(雪は狂い斬る・f14079)といった。

「初めてサムライエンパイア以外の世界に来たけれど、こうも景色が違うものなのね……なんだか新鮮。それに、この世界にも温泉があるなんて……」
 小夜にとって、此度が異世界に足を延ばす初めて機会である。
 リゾートホテルの前に折り立った時は、見たこともない石畳の地面や走る鉄の箱、そして巨大な建造物に思わず目を丸くしてしまった。
 これまでの生い立ちのせいで感情を表に出すことを不得手としていた彼女でも、やはり異世界、異文化との遭遇はその理知的な青い瞳を揺らすに十分だったのか。
 それとも彼女の手を引き、ここまで導いた焉夜が彼女をの心をそうまで解きほぐしたのか。
 それをこれ以上語るのは無粋だろう。
 
「小夜、楽しんでもらえているだろうか?」
「ええ、とても。で、でも混浴で良かったのかしら?私は……その、恥ずかしい……のだけれど」
 小夜が口元まで覆い隠すほどに湯船に沈む。
 雪のように白い頬が薄紅色に上気しているのは、温泉で血の巡りが良くなっているからだけではないのは誰の目にも明らかだ。

「ま、まあ、サムライエンパイアよりも文明的かも知れんな。でも、機械も多いだろうし殺風景かもしれんな……」
 恥ずかしがる小夜の姿にドクンと胸が高鳴るのを感じ、焉夜は慌てて顔を背け話題を逸らす。
 しかし、この話題では先に繋げられない。
 何を言うべきか僅かに逡巡した後、彼の口をついたのは、今思う最もシンプルな感情、

「ありがとう、勇気を出して俺に付いてきてくれて」
 心からの感謝の言葉であった。

「ううん、焉夜さんがいた世界なら知ってみたいと思えたの……。ふふ、あんなに他の世界に行くの怖かったのに、不思議」
 小夜が静かに焉夜に近づき、こてん、とその細い首を彼の肩に預ける。
 なぜそうしたかは彼女自身にも分からない。
 ただ、そうしたいと、彼をもっと傍に感じたいと思ったのだ。

「そう思えてもらえたなら俺としても嬉しいよ」
 二人の男女が静かに見つめ合い……そこから先に言葉はいらない。
 水音に紛れるように、ひと時、黒と白が交わる。

「んっ…ふふ、こんなに幸せでいいのかしら?
 ……こんなに心穏やかなの、初めてだから……少し、怖いわ」
「ああ、これからいっぱい幸せになれば良いと思うぞ……」
 俺と一緒に、と口にしないのは、互いに猟兵としての生き方しか知らない身ゆえ。
 明日、自分がどうなっているかも分からぬ世界で安易な口約束はできない。
 でも、今は無謀な約束だって可能にできる。なぜか小夜の肩を抱くと、不思議とそんな気分になれる焉夜であった。

「小夜と温泉に入れて良かったよ。これからも迷惑をかけるかもしれんがよろしく頼むぞ……」
 肩を抱く手に自然と力がこもる。
 だが、それと同時に掌から伝わる透き通った感触に心が騒めいてしまうのも自然なことであって。
「ええ、貴方となら…ってもう!」
 肩から更にその下へと向かう掌。それを小夜はピシャリと払いのけ、再び腰一つ分の距離を置いてしまう。

「それは、また今度……なんだから……っ」
 自分が口走った言葉の意味を送れて理解して頬を更に濃い紅色にそめて湯船に沈む小夜。
 そんな彼女を一際美しく感じながら、焉夜はこれから二人で巡る季節に思いをはせるのであった。
 
 季節は早春。
 約束の季節はもう間もなくだ。


 異常性愛から始まり、友愛、情愛、純愛、
 様々な愛の形が蠢きひしめきあったこのリゾートホテルに、かくして平和な時は訪れた。
 猟兵達は各々の想いを胸に次の世界へと旅立っていく。
 

 ……なんだこの綺麗な終わり方!!タイトルとのギャップがすごいぞ!!
 おい、どこかにオチは落ちてないのか!
 あっ、混浴温泉に来ていた丸サングラス男は温泉中に立ち込める咽返るような愛のオーラにのぼせて緊急搬送されました!
 ちゃんちゃん!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月27日


挿絵イラスト