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殲神封神大戦⑨〜水上の露払い

作者：夢幻

●赤壁水上戦
「戦争アタックで新しい戦場へ攻め込めるようになったよ！　『哪吒討伐大水軍』の露払いに、『赤壁水上要塞』の攻略だ！」
　グリモア猟兵のスピカ・ネビュラスター（銀河の魔女・f31393）によると、戦争アタックの進行に伴い新たなる戦場が開放されたとのことだ。今回はその内の一つ、かの有名な『赤壁の戦い』が行われた場所での任務となる。
「『哪吒討伐大水軍』って言うのは、文字通りオブリビオンマシンの『哪吒』を討伐するために晋の皇帝司馬炎が派遣した軍勢だね」
　5万もの兵を軍船に満載したこの大水軍は、哪吒を目指して長江を進んでいるとのことだ。
「でもね。ここ赤壁には、オブリビオンが造った要塞が、ダムみたいに川を塞いでいるんだよね」
　それが赤壁水上要塞である。つまり、このままでは哪吒討伐大水軍が標的に到達する前に、この水上要塞で疲弊してしまうことは避けられない。
「というわけで、水軍の到達前に、猟兵達で赤壁水上要塞を攻略しちゃおうって訳だね」
　そうすれば、哪吒討伐大水軍は損耗せずに目的地まで辿り着けるというものだ。

「戦いは水上戦になるよ。軍船に乗り込んだ『明道参式』の大軍が水上要塞から押し寄せてくるから、それを撃退するんだよ！」
　小舟や軍船は、晋の水軍から幾らでも貸して貰えるとのことだ。赤壁にちなんで鎖なんかも用意されているらしい。勿論自前で乗り物を用意してもいいし、空を飛んだり、水の上を走っても自由だ。
「上手く戦場の状況を利用すれば、有利に戦えるはずだよ」
　敵が船に乗っていることや、多量の水が存在することなど、いろいろと利用出来る要素は多い。それらを活用すれば、より効率よく敵を倒すことが出来るだろう。

「説明はこんな所かな。それじゃあ、頑張ってねー」
　説明を終えたスピカは、猟兵達を赤壁へと送り出すのであった。

第1章 集団戦 『明道参式』

POW   :    明道は滅びません、命令を完遂するまで現れます 他者からの命令を承諾すると【「出現する敵の数×1体」の明道参式の増援】が出現し、命令の完遂か24時間後まで全技能が「100レベル」になる。 SPD   :    明道は進みますどこまでも、命令を遂行するまでは 非戦闘行為に没頭している間、自身の【主人の命令を遂行するために必要な行動】が【成功するまで専念し続け】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。 WIZ   :    明道は道具を選びません、万全に準備しています 自身の【主人の命令を完遂するために、用意した道具】を【命令を果たすために必要な機能を持つ宝貝】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。 イラスト：Daifuku 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　赤壁水上要塞より、オブリビオンを乗せた軍船が迫り来る。その様子を、箒に乗った二人の猟兵が空中から眺めていた。

「それでは囮役を兼ねて空から攻撃をしましょうか」
「ああ。水上戦となれば、空から仕掛けるのがいいだろうな」

　『魔法の箒』で空を飛ぶのは、ウィザードの火土金水・明（夜闇のウィザード・f01561）だ。そして『ウィザードブルーム』に乗るのは、レトロウィザードのグローリアス・アリスタルコス（眠れる大図書館・f35990）であった。二人はタイミングを合わせて、空から軍船へとユーベルコードによる攻撃を仕掛けた。

「戦場が戦場ですから、こちらは東南の方向から攻撃を仕掛けましょう。ユーベルコードだと風は必要ありませんけどね」

　かの赤壁の戦いでの東南の風になぞらえて、明はその方角より敵を攻撃することにしたようだ。それで特別有利になるような事は無いが、験担ぎとしては悪くない。

「荒ぶる炎の嵐に全てを焼き尽くされよ……『炎の嵐』」

　明の発動したユーベルコードによって生み出された炎の嵐が、敵の軍船へと降り注ぐ。それによって炎上している軍船もあるものの、その進行は止まらない。どうやら操舵を担当している明道参式は、ユーベルコードで攻撃を無効化しているようだ。それ以外の明道参式には有効打になっている様子だが、その代わりに敵の攻撃は明へと集中する。

「空中戦ならお手の物です」

　高い技能を生かして、明は敵がユーベルコードで作り出した弓矢の宝貝による攻撃を回避する。そうして敵の目を明が引きつけているところで、別方向よりグローリアスが攻撃を仕掛けた。

「仲間が遠距離攻撃を引きつけてくれるのは助かるな。それでは、私もやるとしよう」

　明へ感謝の言葉を言いながら、グローリアスもユーベルコードを発動した。

「『裁断執行』！　力技ではあるが、船を両断してしまえば流石に沈没するだろう？」

　彼女が指を鳴らすと、敵船団を上空に展開されていた魔導書より、様々な文字で構成された巨大なギロチンの刃が出現する。そして、ギロチンの刃は真下へと落下し、オブリビオンの軍船を真っ二つに断ち切っていく。こうなれば最早軍船は航行不可能だ。操舵する明道参式もユーベルコードを解除し、長江へと飛び込んでいく。

「さあ、後は一体ずつ仕留めていくだけだな」
「少しでも多く倒して、次の方へと繋ぎます」

　船がなくなれば､後はこっちのものだ。泳ぎながらでは明道参式もまともに反撃などできはしない。二人は空中から魔法を放ち、明道参式の集団を撃破していったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「要塞はでっかいし、敵はうじゃうじゃ。だからって水辺の戦いで尾鰭を巻いて逃げ出しちゃ、漁師の名が廃るってもんだぜ！」

　『夜白丸』を操船するアリアケ・ヴィオレータ（夜明けの漁り人・f26240）はオブリビオンの乗る軍船へと接舷すると、『鉤付きロープ』を引っかけて敵船へと乗り込んでいった。

「船上戦なら負けねえぜ！　奥義、『狂風拳』！」

　敵船に突入したアリアケは、素早く闘気を練り上げるとその全身に覇気を纏い、集まってきた『明道参式』 相手に大立ち回りを演じる。揺れる船の上もなんのその、積み上げてきた功夫の技で、敵集団を片っ端から吹き飛ばしていった。


「はっはっは、やっておるのう！　妾も張り切るとするか！」

　奮戦するアリアケの姿を見て、御形・菘（邪神様のお通りだ・f12350）も気合いを入れて戦闘に臨む。

「全く、長江というのはメチャクチャ川幅が広いのう！　然らば、此度はクレバーに知略で攻めるとしよう！」

　『水圏進攻』を使用した菘は、蛇身をくねらせ水中を進む。水中戦モードならば、地上を這って進むよりも泳ぐ方が移動速度は速いのだ。そして、その手にはたくさんの鎖が握られていた。彼女はこっそりと敵船の下を潜りつつ、それを用いた策の準備を進めて行く。

「このくらいで十分であるか？　それでは……盛大に行くとしよう！」

　菘は大きめな船に目を付けると、その船底をブン殴って大穴を開けた。当然その船は沈んでいくのだが、その際に結びつけられた鎖によって隣接する船を引っ張っていく。そう、菘の策とは、敵船同士を鎖で繋ぐことであったのだ。

「はーっはっはっは！　こんなことは想定などしておるまい！」

　高笑いを上げながら、菘は次々と敵船を沈めていく。船を沈められたことでその存在に気づいた明道参式も迎撃に出てくるのだが、水中戦となると彼女のスピードに全く付いてこれていない。

「水中すらも妾の統べる領域なり！　これも必然の帰結よ！」


　そしてこの戦況の変化を利用して、アリアケもまた次なる行動に移る。

「なるほどな。じゃあ、オレもこいつを利用させて貰うぜ！」

　アリアケは狂風拳を足下に打ち込んで船に穴を開けると、船を繋ぐ鎖を渡って隣の船に移った。鎖は敵の移動を封じるだけではなく、移動用の足場にもなるのだ。

　船が鎖で繋がれていては、逃げることも出来はしない。明道参式は増援の数も生かせずに、アリアケと菘に殲滅されていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「明道参式の防衛する水上要塞攻略、本来ならば難攻不落と評価するべきでしょう。そんな彼女らが迎撃のために出て来てくれるなら殲滅の好機、逃すわけにはいきません」

　籠城戦では難攻不落であろうとも、水上で決戦となれば敵群を削るまたとない機会である。ノア・クレムリィ（海駆ける鋼鉄の竜騎兵・f30572）は『海龍軍団』を率いて出陣する。

「対水上戦闘用意！　出撃します！」

　彼女がユーベルコードで呼び出したのは、何隻もの高速魚雷艇である。そして、それを操縦するのはかつての部下である海賊兵士だ。多少荒くれではあるが、水の上とならば彼らの技量が頼りになる。本来は海を主戦場とする彼らだが、河川だからといってそれは変わらない。

「ここが好機だ、一隻も逃すなよ野郎共！　怯むな、包囲しろ、連中を藻屑にしてやれ！」

　ノアの指揮する海龍軍団は、適確な動きで敵船団を包囲し、重機関銃やロケット砲の弾幕をお見舞いする。明道参式も迎撃のために遠距離攻撃タイプの宝貝を作りだして反撃してくるのだが、海龍軍団は多少の被弾などもろともせずに攻めまくる。

「そうだ！　逃げようとする敵は魚雷で沈めろ！」

　その苛烈な攻撃の前に敵船は撤退しようとするも、高速機動で回り込んだ高速魚雷艇の一隻が魚雷を放って轟沈させた。最早敵船は逃げることすら許されず、包囲殲滅されていったのである。

　猟兵達の活躍によって、数多くの敵船と共に無数のオブリビオンが討たれた。赤壁水上要塞の戦力は徐々に低下している。この調子でいけば、哪吒討伐大水軍の到来前にこの地を制圧出来そうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2022年01月08日