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寒いので、あっついフロアを攻略してみた

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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 アルダワ魔法学園に幾つも存在する学園迷宮――その迷宮のエリアの1つに潜む、オブリビオンが感知された。
「元々は……熱い蒸気が、大量に漏れ出しとる通路が発見されてな。最初は、蒸気機械の老朽化が原因と考えられとったんやけど」
 プリズムボールのようなグリモアを眺めていた各務・瞳子(トンボ眼鏡のグリモア猟兵・f02599)は、猟兵達に向き直ると困ったような表情を浮かべる。
「どうも、その通路のエリアにおる、オブリビオンの仕業やったみたいや」
 オブリビオンの名は『スチーム・エレメンタル』。炎と水と風の精霊をベースに生み出された、合成精霊という。ちなみに、製作者は不明との事。
「乱暴で意地悪な性格でな。普段はケットシーくらいの大きさやけど、怒るとでっかくなって暴れるんやて……ほんま、迷惑な精霊や」
 アルダワ魔法学園では、オブリビオンは「災魔」と呼ばれているが、スチーム・エレメンタルはまさしく災いを撒き散らしている。
「探索中の生徒も何度か襲われとるし、猟兵の皆に討伐して欲しいんや」
 とは言え、常のスチーム・エレメンタルはエリアの奥にいる。次にいつ襲撃が起こるか判らないし、これ以上の被害は避けたい所だ。
「そやさかい、こっちから乗り込むんが早いと思う。まず蒸気の通路を修理して、通れるようにしたってな」
 原因は、その通路にある蒸気機械に空いた穴だ。そこから、熱い蒸気が大量に漏れ出している。穴の箇所を見付け出し、補修すればよい。サウナ並みの温度なので、我慢出来ない事はないだろうが、無理は禁物。
 通路の奥には、スチーム・エレメンタルが更なるトラップを仕掛けているだろうが、それを乗り越えれば対決出来る筈。
「真冬の時分に、あっついエリアの攻略をお願いする事になったけど……皆やったら、大丈夫て信じとるで。火傷せんようにだけ、気を付けてな!」


柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 今回はアルダワ魔法学園の地下迷宮が舞台です。とあるエリアに潜む災魔、つまりオブリビオンを討伐して下さい。

 まず第1章でスチームロードを補修して通れるようにし、第2章で更にトラップを乗り越え、第3章でスチーム・エレメンタルと対決します。
 タイトル通り、「寒いので、あっついフロアを攻略してみた」という感じで、ホットに踏破して頂ければ。
 それでは、皆さんの熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『スチームロード』

POW   :    材料を運搬したり、大雑把に補修する

SPD   :    細かな箇所などを補修する

WIZ   :    知識を活用して補修する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ビードット・ワイワイ
まさかダンジョン探索において補修工事を担うことになるとは。我も思いしことあらず。されど頼まれしことならば完璧に仕上げよう。

自身の体躯を活かし大量の資材を【怪力】にて持とう。ガジェットショータイムにて運搬車を作成。それにも資材を積み込み大量の資材運搬を担おう。



 現場に近付くにつれ、じわじわと気温が上昇しているのが判る。
「……まさかダンジョン探索において、補修工事を担うことになるとは。我も思いしことあらず」
 ガジェット運搬車を操作しながら、独り言ちているのは2mを優に超えるウォーマシン。その呼称は、ビードット・ワイワイ(根源的破滅招来者・f02622)。
 滅びた都市から発掘されて三十余年。博物館にて再起動して、確認した命令は唯1つ――世界を破滅させよ。
 だが、今はガジェット運搬車に大量の資材を積み込み、運搬中だ。学園迷宮で発見された蒸気噴き出す道を補修する為に。
「頼まれしことならば完璧に仕上げよう」
 破滅の前に幸福あり。破滅の為のハッピーエンドを実現させるべく。
 元より、ウォーマシンは人間より大きな体格。力が強い個体もあるだろう。実際、ビードットは怪力を駆使している。
「……む、この辺りか」
 果たして、蒸気満ちる前方を確認し、ビードットは運搬車から資材を降ろして整理する。
 これだけあれば、補修の材料に困る事は無いだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルル・デュホォン
んー、取り敢えず細かいところ補修しとくか。

SPDで補修するよ。出来れば少しでも綻びのある所も補修したいかな。

取り敢えず丁寧に、かつ迅速にロードを補修完了したいね。


セルヴィ・アウレアム
補修…って言えばこれやね。なんたって、スペースシップの修理にも使われている一級品やからな!

・行動【細かな箇所などを補修する】
リュックから取り出したダクトテープを利用して、小さい穴はそのまま塞ぎ、大きい穴は周辺に散らばっているであろう破損した鉄板などをべた張りして補修を行います。

アドリブ・共闘歓迎



「……」
 蒸気漏れ出す通路と補修資材を交互に眺め、シャルル・デュホォン(トゥイードールは語る・f02552)は思案顔。
「んー、取り敢えず細かいところ補修しとくか」
 大きな穴はもっと奥のようだが……順番に直していけば、あっつい思いをしないで辿り着けそうだ。
(「出来れば、少しでも綻びのある所も補修したいかな」)
 補修は丁寧かつ迅速に、が理想だけれど……現場に到着してから、小首を傾げたまま立ち尽くしているシャルル。
(「……どうしよう?」)
 熱気に晒されながら隙の無いすまし顔でいるけれど、補修資材は見た事ない物ばかり。ちょっと途方に暮れていた。
「あやや? 先客おるやん」
 その時、耳に飛び込んできたのは快活な声音。振り返れば、赤茶のショートカットが活発そうな少女がいた。八重歯を覗かせた企み顔が何だか胡散臭いが、恐らくシャルルと同じミレナリィドール。
「アンタも、スチームロードの補修に来たん?」
 馴れ馴れしい口調に眉根を寄せながらも、無言で頷くシャルル。
「そかそか。1人より2人、力合わせて頑張ろな!」
 セルヴィ・アウレアム(『迷宮喰らい』セルヴィ・f14344)と名乗った少女は、背伸びして蒸気の路を窺う。
「……よっしゃ、片っ端から穴塞いでいくで!」
 セルヴィがリュックから取り出したるは、銀色のテープ――その名も、ダクトテープ!
「補修って言えばこれやね。なんたって、スペースシップの修理にも使われてる一級品やからな!」
 怪訝そうなシャルルにニパッと笑い、最寄りの補修箇所に近寄るセルヴィ。いっそ無造作にテープでぐるぐる巻きにする。
「ほい、終わり」
「もう……?」
 あんまりに簡単。シャルルも思わず補修箇所を調べたが、確かに蒸気はもう漏れていない。
「ただのテープちゃうで! 知る人ぞ知る『万能のテープ』なんや!」
 ダクトテープの粘着力は強力で、防水効果も抜群。この程度の蒸気、ビクともしない。おまけに、横でも縦でも手で簡単に切れるお手軽感だ。
「蒸気はあちこちから出とるみたいやな。手分けして片っ端から塞いでいくで」
「わかった」
 セルヴィからダクトテープを一巻き受け取り、シャルルも見様見真似で穴を塞ぎ始める。すぐ慣れて、作業も手際良く。
 細かい亀裂は多そうだが、順番に塞いでいけば大丈夫。大きな穴は……取り敢えず補修資材の鉄板をダクトテープでべた貼りして、後で溶接して貰おう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と

……寒いから暖まろう、って温度じゃなくなぁい?
噴き出す蒸気にうんざりした声で

取り敢えずアタシらに本格的な修理は難しいケド
通るのに困んない程度にまでは持ってきましょ
大量のボロ布持ち込んで
板材なんかで塞ぎきれない隙間から蒸気が出てこないよう詰めるヨ
上記の勢いが強ければ
その上から更に鉄板被せとこうか

あ、狐火で溶接とかあったまいーい
真似して【月焔】呼び出し接いでみる

足元や顔に当たりそうなトコとか
特に危険な部分は念入りに塞いでおくわね

あらアタシ達、修理工も意外といけるンじゃない?

(アドリブ歓迎)


火狸・さつま
コノf03130と

ぬくぬく………いや、あつい。
まずは脱ぎ着出来るようにと
沢山重ね着してきた上着を脱ぎ脱ぎ
リュックに詰め詰め

………………あつい。
それはもうもこもこ冬毛が一気に夏毛へ生え変わりそうな……などと思いながら
しっぽをぶぶんっ!と振り
作業に移る

応急処置、分かった
と頷き、手の届く範囲の高い場所を重点的に

燐火にて仔狐火を呼び
鉄板の淵をなぞらせ、溶接を試みる
溶加材で隙間も塞いでおく
適当な大きさにカットするのも狐火で溶かし
もくもくと穴を塞いでいく
切る、より。角が無い分安全。

コノちゃん、器用。
結構…何でも出来る
上手く塞がれば、尻尾ふさふさ振り
やったね、と。相方に笑いかける



 重ね着で体温調節するのは冒険者の基本、なのだけど。
「ぬくぬく……いや、あつい」
 蒸気噴き出す通路は、熱気充満した高湿度。火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)は早速、沢山重ね着してきた上着を脱ぎ脱ぎ、リュックに詰め詰め。
「寒いから暖まろう、って温度じゃなくなぁい?」
 コノハ・ライゼ(空々・f03130)もうんざりした声音だ。
 それでも、通路の補修は半分完了している。銀のテープを巻き付けた応急処置にも見えるが、蒸気は漏れ出しておらず通過可能だ。
「アタシらも本格的な修理は難しいケド、通るのに困んない程度には持ってきましょ」
「応急処置、分かった」
 コノハに頷き、さつまはもふもふしっぽをぶぶんっ!
(「………………あつい。もこもこ冬毛が一気に夏毛へ生え変わりそう」)
 げんなりしながらも、上背を活かして高い場所に目を凝らす。
 大体残っているのは、大きめの穴だ。補修資材の鉄板をテープでべた貼りしている箇所もあったが、流石に長くはもつまい。
「更に鉄板を被せるのも……うーん」
 コノハは思案顔。穴を塞いだ資材の隙間にボロ布を詰め込んでいるが、蒸気の勢いが強い所では強度が足りない。
「ちょいと遊ぼうか」
 ユーベルコード「燐火」――愛らしい仔狐を象る炎を灯すさつま。青い狐火は、さつまの思うままに操れる。予め溶加材で隙間を塞ぎ、狐火で鉄板の縁をなぞり溶接を試みる。
「ちょっと時間はかかるけど」
「あ、たぬちゃんあったまいーい」
 早速、コノハも真似して月白の炎を使う。冷たく見えても炎。合体させれば火力も調節し易いか。
「切る、より。角が無い分安全」
 鉄板のカットも狐火でこなし、黙々と穴を塞いでいくさつま。コノハは、足元や顔の高さなど、蒸気が当たると危険な箇所を念入りに補修していく。
「コノちゃん、器用。結構……何でも出来る」
 それなりの時間を掛けて――振り返れば、補修された通路は、もう何処からも蒸気は漏れていない。
「あらアタシ達、修理工も意外といけるンじゃない?」
「やったね」
 嬉しそうに尻尾をふさふさ。さつまは出来映えに得意げな相方に笑い掛けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『地獄の灼熱ロード』

POW   :    気合いで熱気を吹き飛ばす! トラップなんぞ、根性で突破だ! マグマよりも熱く叫んで駆け抜けろ!

SPD   :    こういう時こそ、冷静になるべき。熱風の向きやマグマの流れから、最短経路を割り出し進め!

WIZ   :    熱さに耐えるなんて馬鹿らしい。冷却魔法や機械の力を借りて、涼しく快適に突破しよう!

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
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 スチームロードを補修した猟兵達は、更に奥のエリアを目指して進む。
 最奥に潜むスチーム・エレメンタルは炎と水と風の合成精霊だ。次の罠も蒸気絡み、かと思いきや……。
 ゴオォォオッッ!
 蒸気など生やさしい、熱風が吹き抜ける。
 壁は鉄板、床は金網、おまけに金網の下は煮えたぎる溶岩がふつふつと滾る。
 おまけに、火炎放射やら燃える巨大岩石やら、焼けた鉄板の吊り天井やら、灼熱トラップが、侵入者を焼き肉にせんと襲い掛かる!
 ……水とか風とか何処行った。
 大丈夫、猟兵ならば何でも出来る! 灼熱のエリアを乗り越え、性悪な精霊を殴りに行こう!
セルヴィ・アウレアム
「んーいかん。こらいかん。後続の足が止まってまう。」
「せめて1つ2つでも罠を無力化できりゃええんやけど…ああ、せや。ええこと思いついたわ」

・行動【こういうときこそ、冷静になるべき。最短経路を割り出し進め!】

斥候役を買って出、猟兵たちが本格的な探索に着手するまでに、【SPD】を生かして罠を避けつつ進む。
オブリビオンの気配を感じ取れたらその時点で一旦撤退。猟兵達がキャンプしているところへ戻り、それまでの同定から比較的安全な道のマッピングと、罠の種類、対策法についてを記載した地図を共有する。

「この地図…ほんまやったら銀貨1枚くらいで売りたいところなんやけどな。今回は出血大サービスや!」



「んーいかん。こらいかん」
 本気でグリルする気満々の光景に、セルヴィ・アウレアムは顔を顰める。
 灼熱を目の当たりにして肌を焙られれば、誰しも二の足を踏む。このままでは、後続の足が止まってまう……。
「せめて1つでも2つでも罠を無力化できりゃええんやけど……ああ、せや。ええこと思いついたわ」
 一転、不敵に笑み、斥候役を買って出るセルヴィ。少しでも進み易いルートを探るべく。
 下手に吸い込めば気道や肺までも火傷しそうな熱い空気。灼熱の鉄壁に肌が触れぬよう、高熱の金網の床で靴裏が焼け融けぬよう、身軽にすり抜けるように先を往く。
 罠は機械的に発動するようで、タイミングさえ計れば、通り抜けられそうだ。
(「おっと!?」)
 セルヴィのポケットから零れた鉱石の欠片が、金網の目をすり抜け落下。溶岩の川に火花を散らす。
(「くわばらくわばら……」)
 鉱石も熔かす高温だ。生身なら一たまりもないだろう。繊維や木の類の道具も、長くはもつまい。
 エリアを踏破するのが理想であったが、行きも怖いが帰りも怖い。ギリギリを見計らい、引き返すセルヴィ。
「この地図……ほんまやったら銀貨1枚くらいで売りたいところなんやけどな。今回は出血大サービスや!」
 猟兵の中継拠点に戻り、地図を認めた。比較的安全なルート、罠の種類とその対策――大凡エリアの3分の2は明らかに出来ただろか。
 尤も、猟兵の種族も数多ならば、得手不得手も十人十色。比較的小柄なシーフであるセルヴィには簡単な動作でも、猟兵によっては難しい場合もあるだろう。
 故に、灼熱のエリアを踏破する工夫は各自必要となろうが。彼女の地図はきっと役に立つ筈だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と

え、ヤダ。アタシ焼肉になりたくないンだけど

一瞬Uターンしかけたケド
先に突入した仲間の頑張りを無碍にはできないじゃナイ
道先の情報はありがたいコト
それを元に条件の厳しい所へ重点的に【彩雨】を
『2回攻撃』で集中的に降らし熱を遮るヨ

長くは持たないだろうから
先々へ『高速詠唱』でどんどん道を作ってさっさと走るからネ
って、何やってんのたぬ……背中で楽してないで働く!
障害物はたぬちゃんに任せ
熱は一時的に周囲へ氷の壁を張り防いでくネ

帰り道?知らないわよ
無理矢理でも突破して奥の倒せば万事解決、デショ


火狸・さつま
コノf03130と

見た瞬間、固まる
良策思い浮かばず
これどないしよ?という気持ちで隣見れば
飄々と氷を…ああ、そういやコノちゃん、氷使えたっけ…
ならば、と
狸っぽい色合いの狐姿に変化
コノの背にビタッと張り付く
人語会話出来ぬが大丈夫、きっと相方は分かってくれる
連れてってくれ。背中の守りは任せろ。
そんな眼差し…は、見えないか
まぁ良いや。楽々。


…と、思ってたものの
なンか炎以外も来るし
ゆっくりしてられない
『!』
手出しさせぬと跳躍回転
【しっぽあたっく】にて障害物粉砕しつつ足場にし跳び回り【範囲攻撃】
粉砕出来ぬモノからコノを【かばう】
コノは氷出し続けてて

【見切り・オーラ防御】で防ぎ
【火炎耐性・激痛耐性】にて凌ぐ



「…………」
 火狸・さつまは固まっていた。確かにこんな地獄の灼熱ロード、一歩足を踏み出すのにも勇気が要る。
「え、ヤダ。アタシ焼肉になりたくないンだけど」
 コノハ・ライゼも思わずUターン仕掛けたが……握っていた地図が目に入って、何とか踏み止まった。
(「先に突入した仲間の頑張り、無碍にはできないじゃナイ」)
 それに、エリアの情報だってありがたい。いざとなれば。
「煌めくアメを、ご堪能あれ、ネ」
 コノハが放った100を越える水晶の針が、次々と金網の床を覆うや凍結する。
「ちょっと頼りないワネ。2回やればいけるカモ?」
(「ああ、そういやコノちゃん、氷使えたっけ……」)
 さつまの途方に暮れた表情に、希望の光が射す。
(「よし、だったら」)
「……何やってんの、たぬ」
 狸、もとい狸色の狐に変化して、悪友の背中にビタッと貼り付いてます。
『連れてってくれ。背中の守りは任せろ』
「楽してないで働く!」
 タヌキツネの眼差しで察した訳でもなかろうが、ビシッと言い放ち、思い切りよく飛び出すコノハ。
「長くはもたないだろうから、どんどん道作ってさっさと走るからネ」
 さつまを背負ったまま、高速詠唱で引っ切り無しに水晶針を放ち、氷の路を作っては襲い来る灼熱を防いでいく。
 溶けた氷はすぐ蒸発し、結果後方に熱気が立ち込めるが……兎に角、今は前へ前へ。
(「楽々♪」)
 のほほんとしていたさつまだが、前方から迫り来る灼熱岩石に、躊躇いなく跳躍回転!
 ドゴォッ!!
 さつまのもっふもふ尻尾が、見事に大岩を粉砕する。何か焦げたようなにおいが鼻を突いたが、今はそれどころじゃない。自らオーラを発しながら、大きめの礫よりコノハを庇った。
 コノハがルートを凍結させながら防熱して走り、さつまが「しっぽあたっく」で障害物を粉砕する――その連携が効を奏し、未知の3分の1のエリアも突っ切った2人は、漸く口を開けた洞に飛び込む。
 熱気を吸わずに済む幸いに、2人は揃って深呼吸。
「……なぁ。帰り、どうしよ?」
「帰り道? 知らないわよ」
 ――無理矢理でも突破して奥のを倒せば万事解決、デショ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー
「うっ...あついです...」
悶えながらも塗った物を無害化するUC【安心塗装】で罠を突発していきます
「あの、これ、ど、どうぞ...(怯えて震えながら)」
必要なら暑さ軽減のため氷を描いた絵(ルクの能力で実際に冷たい)などを他の猟兵に配ります



「うっ……あついです……」
 吹き込む熱風に、思わず首を竦めるルク・フッシー(普通の仔竜(じゃない)・f14346)。
 その手に在るのは、氷を描いた絵。ルクはゴーストペインターだ。愛用の絵筆で描けば現実に反映され、触れればヒンヤリ心地よい。
 だが、氷絵で涼んでいても、先に進めない。思い切って足を踏み出す……その前に。
「こうして、こうして……」
 抱き枕サイズの特大絵筆を、ブンッと振るう。
「あ……」
 金網の床の為、大半が網目から落ちてしまったが、幾許か残った塗料が床を白く塗り替えた。おずおずとその上に足を乗せれば……熱くない。
「良かった……」
 流石は安心塗装。この上を歩けば、足が火傷する事はなさそうだ。
 だが、空気や風までは塗り潰せない。高温の空気を吸えば、内から焙られるよう。熱風に顔を叩かれ、滲んだ涙もすぐ乾いていく。
(「もう少し、もう少し……))
 それでも、ルクは猟兵だから。怖いと思う気持ちに立ち向かい、根気よく一筆一筆、進んでいく。
「……あ、やっと」
 漸くゴールの洞が見えてきた。汗で滑る絵筆を握り直し、もうひと踏ん張り。
「……到着、です……」
 まだ季節は冬なのに、全身汗だく。肩で息しながら、よろよろと洞の壁に手を突くルク。
 ――カチリ。
「え……?」
 びくびくしながら手をどければ、そこには小さな赤いボタンが。
「え、え……!?」
 まさかこれで、溶岩の川が氾濫するとか!? 慌てて、灼熱エリアの方を振り返ったドラゴニアンの少年が見たものは。
「……溶岩の川が、引いていく」
 流れが変わったのか、忽ち溶岩の流れが眼下から消えていく。そして、熱源が失せれば、金網の床も鉄板の壁も、後は冷めるのを待つばかり。ついでに、他の罠も動きを止めた模様。
 思い掛けない幸運と言えようか――これで、後続の者は灼熱に苛まれず、最奥のエリアに辿り着けるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『スチーム・エレメンタル』

POW   :    スチーム・ジャイアント
【体内の水を気化、膨張させることで巨人 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    アンステーブル・エンハンス
【炎の魔力 】【水の魔力】【風の魔力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    スチーム・ブラスト
【大きく振りかぶって 】から【強烈な平手打ち】を放ち、【巻き起こる熱風】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフォー・トランです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 斯くて、地獄の灼熱ロードをも制した猟兵達は、いよいよエリア最奥に辿り着く。
 ゴォォォッ!
 広々とした部屋の壁全体に張り巡らされたダクトから噴き出すスチームを浴び、心地よさそうにくつろいでいるのは――ケットシーくらいの大きさの精霊。
「……む? 何だ! お前ら!」
 大きく伸びをしていた精霊はクルリとこちらを見るや、赤と青のオッドアイを険しく眇める。
「さては、オレをイジメに来たんだな!」
 誰かが返答する前に決めつけ、赤い袖を翻してファイティングポーズ!
「ジッケンもケンショウもやらせるもんか! みんなみんな、ダイッキライだぁっ!」
セルヴィ・アウレアム
「…あー。うん、実験かぁ。」
無責任な研究の被害者であると知り、自分と重ねてしまう。
「それとはまた別やな、別。ウチらはアンタをイジメに来たんやない。」
「おいたをするアンタを、懲らしめにきたんや。」

●POW/【UC:マギア・ガトリング】による攻撃
まずは『内蔵レッグ・スラスター』による『空中戦1』で距離を一気に詰め、接射距離から【マギア・ガトリング】をぶちこむ。
エレメンタルがスチーム・ジャイアントかスチーム・ブラストを使おうとしたら、即離脱。距離を取って味方猟兵の行動を『援護射撃3』でサポートしながら撃ち続ける。



 確かグリモア猟兵は、精霊の事をこう言っていた――「乱暴で意地悪な性格」だと。
「……あー。うん、実験かぁ」
 そうなってしまった理由を察し、セルヴィ・アウレアムは眉根を寄せた。無責任な研究の被害者と知れば、ついつい自分と重ねてしまう。
「あんな」
 だが、それとこれとはまた別の話だ。少なくとも、スチーム・エレメンタルは何の落度もない学園の生徒達を襲っているのだ。
「ウチらはアンタをイジメに来たんやない」
 脚部に内蔵したレッグ・スラスターを起動。一足飛びに間合いを詰めるセルヴィ。
「おいたをするアンタを、懲らしめにきたんや」
 ――――!!
 腕部内蔵のガトリングガンの銃口も触れんばかりの至近距離から、魔力弾を叩き込む!
「下手な鉄砲もなんとやら……舐めとーと後悔するでぇ!」
「っ!」
 吹き飛ばされた小柄が、ダンッ! と壁を蹴って反転する。
 パアァァンッ!
 大きく振りかぶったスチーム・エレメントの平手打ちが空を叩くや、巻き起こる熱風――今度は辛うじて、セルヴィが身を翻して離脱する。
(「あんまり、近付かん方がええかもな」)
 今や険悪な表情で、猟兵達を睨み付けるスチーム・エレメント。その周囲を、炎と水と風の魔力が、轟々と唸りを上げて渦巻いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

火狸・さつま
コノf03130と連携

あつ、あつかった……しっぽ、焦げた…!
待ち構えるボスは、どんなヤツかと思えば…
ちいさい……おさな、い…?そんな印象
倒す気満々で来たけれども、イジメ…に、なる、のか?
じっけん…けんしょー……そんなので、沈んでしまった子、なんだろうか
けれど
被害も、出ている
コノちゃんの言い草に
思わずふふっと笑って
「そだね……おいたが過ぎた。」
オブリビオンである以上、どんな過去を持つ者であれ還さねば


見切りで攻撃避けつつ
オーラ防御・火炎耐性・激痛耐性で凌ぐ

雷火の範囲攻撃で動きを制限させ
コノの攻撃の手助けになるように
当てる攻撃には【安息を】
痛く無くとも…確実に蝕む
油断して受け続けとると…ほら
おやすみ


コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と

うわ、やっぱあっつ
なぁにがイジメよ、虐げられてんのはコッチだっつうの
ジッケン?ケンショウ?知らねぇネ
コッチにゃアンタのした事が全てなワケ

たぬちゃんの困惑よそにしれっと吐き捨てて
熱気を『オーラ防御』で凌ぎ一気に距離詰める
「氷泪」を喰らい付かせながら
『高速詠唱』による『2回攻撃』で【彩雨】を拳に纏い、氷の拳でぶん殴るヨ

振りかぶる動き読んで平手打ちを躱したら
熱風は彩雨で氷の壁作り防ごうか

もう一度氷の拳で殴る……と見せかけ『だまし討ち』のように「氷泪」放ち
『傷口をえぐる』よう喰らい付いて『生命力吸収』すんね

八つ当たりも大概にしなさいな

(アドリブ歓迎)



(「……しっぽ、焦げた……!」)
 狸色より更に色濃くなった狐尻尾を、ブンブンと振る火狸・さつま。
(「さっきのトラップゾーンもあつかった、けど……」)
 最奥にいたエリアボスは、小さい……寧ろ幼い……? そんな印象。
(「倒す気満々で来たけれども、イジメ……に、なる、のか?」)
 盾のように炎と水と風の魔力を巡らせるスチーム・エレメントは、何処か虚勢を張っているようにも見えて。
「じっけん、けんしょー……そんなので、沈んでしまった子、なんだろうか」
「なぁにがイジメよ、虐げられてんのはコッチだっつうの」
 さつまの呟きをバッサリ切り捨て、コノハ・ライゼは額に滲む汗を拭う。
「ジッケン? ケンショウ? 知らねぇネ。コッチにゃアンタのした事が全てなワケ」
 あんまりにしれっと言い切っていて、さつまは思わずふふっと笑ってしまった。
「そだね……おいたが過ぎた」
 どんな過去があったとしても、オブリビオンである以上、還さねば。
「うるさいうるさいうるさいっ!!」
 精霊が怒鳴り返すや、三属性の魔力が一気に収束。ブワァッと小柄から蒸気が噴き出す。
「……っ」
 その高熱は精霊にとっても毒か。唇を噛んで耐えながら、スチーム・エレメントは蒸気魔力を猟兵に叩き付けんと。
「うわ、やっぱあっつ」
 高熱をオーラ防御で凌ぎ、一気に接近するコノハ。その右目に刻まれた刻印を雷纏う氷牙に換え、一閃!
「コノちゃん!」
 怯む精霊の背後に、黒雷が爆ぜる。文様が尻尾全体に浮くや、雷波を縦横無尽に奔らせるさつま。チラと感謝の視線を投げ、コノハは凍れる水晶針を握り込む。躊躇なく、氷の拳でぶん殴った。
「が……」
「おやすみ」
 次いで精霊を包むのは、さつまが操る浄化の炎。熱くも痛くも無い炎が、確実に蝕んでいく。
 ブンッ!
「おっと」
 振りかぶる動きを読んで平手打ちを躱し、巻き起こる熱風は氷の壁を作って防ぐ。
「八つ当たりも大概にしなさいな」
 今度は精霊の魔力を啜らんとコノハの氷牙が煌めくも、寸での所で引き離された。
「……ハァ、ハァ」
 コノハとさつまの連携攻撃を前に、スチーム・エレメントは相当に消耗した様子。全身から蒸気の魔力が渦を巻き、青白かった面も高熱で赤らむ。
「もう仕舞いカ?」
「く、くそぉ……っ!!」
 ギッと睨み返すスチーム・エレメント。一転、蒸気の魔力を力一杯吸い込むにつれ、その身体がどんどん膨張していく。忽ち、頭は天井に付かんばかり。
 ――オレハモウ、ダレニモマケナインダァァァッ!
 絶叫を最後に、巨大化したスチーム・エレメントの面から理性が失せる。
 そこに在るのは――全身を蒸気で充たし、暴れ続ける蒸気の巨人。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ビードット・ワイワイ
見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり
汝の境遇我知らず。されど望まぬものではあったであろう
汝の思いは永遠に救われぬ。助けし者は誰もおらず
故に汝を終わらせよう。安心して逝くがよい
悪夢はここにて終わる。汝の破滅はここにあり

【世界知識】にて過去の破滅を参照
我がUCにて敵がこうなる原因となった過去の研究者を放出
これにて敵を引き付けよう。誰にとっての破滅かな
我が知らぬ破滅の記録。少しばかりの鬱憤晴らせ
我のUCは破滅した者、させた者、どちらの破滅も放出せり
見よ、汝の敵はそこにおり

その後ろにて【誘導弾】を【一斉発射】し一帯を【なぎ払い】

哀れなオブリビオンかな。されど過去の者よ、また少し眠るが用よい



 ――――!!
 轟く咆哮。膨張したその巨躯は、当初の稚い容貌に程遠い。
「見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり」
 振り回した太腕が、壁の上部を凹ませる。鈍く物騒な物音も構わず、ビードット・ワイワイは徐に前に出る。
「汝の境遇我知らず。されど望まぬものではあったであろう」
 骸の海より甦った過去は未来を喰らわんとするのみ。そこに残念の昇華は無い。
「汝の思いは永遠に救われぬ。助けし者は誰もおらず……故に汝を終わらせよう。安心して逝くがよい」
 バキャァッ!
 丸太の如き脚が床を踏み抜く。寸前で見切り、ビードットは粛々とスチーム・エレメンタルの過去を検索する。
(「む、これか……否」)
 スチーム・エレメンタルの作者が誰か――判然としない。アルダワ魔法学園は、蒸気と魔法が発達した世界だ。蒸気と魔法の融合を図る研究者もいただろう。
(「この年代は……む」)
 ありがちのテーマ故か、研究者の特定が難しい――降り注ぐ高圧の蒸気を、屑鉄の塊で払う。
 ――――!
 絶叫に部屋全体がビリビリと。堪え切れずダクトが崩落した。
(「……致し方あるまい、か」)
 異教徒の法衣を翻し、ダクトを受け止めたウォーマシンは淡々と判断する。これ以上、暴威を放置してはこの部屋自体が崩壊しそうだ。
 コンテナに収納していた仮想破滅招来補助具を装着――ロードルーイン。星の記録を読み解きし人の傲慢。その再来を望む。
 補助具より放射されたのは――研究者らしき影。生憎と、スチーム・エレメンタルの製作者は特定出来なかった。推定を組合わせた像は粗い。
「我が知らぬ破滅の記録。少しばかりの鬱憤晴らせ」
 見よ、汝の敵はそこにおり――果たして、敵が反応するか否か。
 イ、アァァァッ!
 巨碗が粗き影を叩き潰す。理性失せた暴走体故の幸いであった。
 敵の注意が逸れた刹那――ビードットにはそれで十分。高速機動で精霊の背後に回り込み誘導弾を一斉発射。一帯をなぎ払う。
「哀れなオブリビオンかな。されど過去の者よ、また少し眠るがよい」
 悪夢はここにて終わる。汝の破滅はここにあり――痛撃数多受けて尚。スチーム・ジャイアントと化した精霊は、身動ぎして首を巡らせる。
 驚異的な耐久力と言えようが、全身から蒸気を噴き出す姿は確かに、相当のダメージを負っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー
この子がされてきた事について、なんとも思わないわけじゃないけど…ここで…確実に、倒します!
「ぼ、ボクだって、戦います!」

既に理性を失ってて、速く動くものを追いかけるというなら、ゆっくり慌てずに距離を離しながら【連射塗装(バレット・ペイント)】を放ち、相手が自ら素早い弾丸に当たりに行くように仕向けます
使う属性は風、少しでも蒸気を散らせるといいけど…

「こ、この世界の人を、あなたにイジメさせる訳にはいかないんです…!」



 ――――!!
 雄叫び轟く度、壁に亀裂が走り、ダクトが割れる。己が傷さえも構わず、スチーム・ジャイアントは暴れ続ける。
(「こ、怖い……でも」)
 猟兵達の攻撃を浴びて吼える大音声に身を竦ませながら、それでもルク・フッシーはグッと踏ん張る。
「ぼ、ボクだって、戦います!」
 スチーム・エレメンタルがされてきただろう事について、ルクだって何とも思わない訳ではないけれど。オブリビオンはここで、確実に、倒さなければ。
 既に理性無き蒸気の巨人は、速く動く物に反応し、見境なく攻撃する。ならば。
「あ、あっち行けー!」
 次々と絵の具の弾丸を放ち、壁に爆ぜれば風を起こす。連射塗装――色に応じた属性の絵の具弾をばら撒く、ルクのユーベルコードだ。
 ――――!?
 一般的な鉛弾などは、何処かに命中すれば最後、停止する。刹那の注意は引けても、攻撃させるのは難しいだろう。だが、ルクの絵の具弾は、色彩が飛び散るや突風を巻き起こすのだ。それも同時に大量に。
 縦横無尽に吹き荒れる風は、巨人から噴き出す蒸気を散らしていく。これも、少年の狙い通り。
「こ、この世界の人を、あなたにイジメさせる訳にはいかないんです……!」
 間断なくルクが連射塗装を繰り返す度、暴風に右往左往するスチーム・エレメンタル。とうとう、最奥の壁に叩き付けられたその時。
 ゴオォォォォッ!
 その勢いは部屋全体を揺るがし――轟音立てて、部屋の奥半分が崩落する。
 ……ガ……ア、アア……。
 もうもうと立ち込める粉塵が収まった時には、崩落した天井が山を作り、スチーム・エレメンタルの姿は影も形も無くなっていた。

「さようなら……おやすみなさい」
 ――斯くて、合成精霊のオブリビオンは崩落した天井に潰され、消えた。崩落の直前、猟兵達の攻撃は確かに巨躯を穿っており、骸の海へと還っていったのだろう。
 瓦礫の山から、シューッとか細い蒸気が噴き上がる。それを最後に、部屋は静寂に包まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月07日


挿絵イラスト