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殲神封神大戦②〜筍、樊城に燃ゆ

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦② #司馬炎

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 樊城の地を二つの炎が席巻する。一つは皇帝司馬炎の巻き起こす消えざる『シバの炎』。それは晋、そして中華に仇なすものだけを焼き尽くす。だが、もう一つの炎に巻かれるのは皇軍。そしてその噴出元は樊城に向け攻めかかる大勢の女たち。
「はっははは! ざまあないね! 皇帝司馬炎の軍とやらもこの程度かい!」
 そう笑う女の一人が槍に穿たれ倒れる。
「俺を抜かぬ限り樊城への道は無いと知れ!」
 槍を構えた一人の男。10代半ばほどの若者だがその動きはまさに達人のそれ。
「へえ、あんたは結構強いじゃん。その強さでさ……あたしたち全員を満足させられるかな!?」
 女の後ろには、同じように炎を上げる女たちがまだ数え切れぬほどに迫ってきていた。


「明けましておめでとう。早速だけど、今年最初の依頼をするわ」
 子豚・オーロラ(豚房流剣士・f02440)は正月の挨拶もそこそこに話を始めた。
「世界は封神武侠界。場所は樊城。あの関羽が討ち取られた場所として有名ね。今はオブリビオンと晋軍の大乱戦の場所になっているわ」
 新年早々始まった殲神封神大戦、その戦場の一つに赴いて欲しいという。
「ここにいるのは『双炎の拳士』という女拳士の大集団。その名の通りに炎を操る拳法を得意とするオブリビオンよ。彼女たちは強い相手と暴れられるのを何よりの楽しみにしているわ」
 封神武侠界にはしばしばいる武に狂ったオブリビオン。
「この場所を守っているのは皇帝司馬炎の配下の中でも精鋭揃いだけど、その分数は少ない。それを司馬炎はユーベルコード『シバの炎』を戦場全体に巻くことで補っているみたいね」
 広大な戦場全てに影響を与え続けるユーベルコード。フォーミュラやその幹部がこちらへの妨害として用いることはしばしばあったが、あるいは司馬炎の実力はそれに匹敵するとでもいうのか。
「今ここで主力となっているのは最近司馬炎旗下に入った宿星武侠よ。一対一なら集団型にはまず負けないほどの実力者で、それをシバの炎で補いながら戦ってるわ。彼と共にシバの炎を利用しながら、この地を守り切ってちょうだい」
 皇帝司馬炎が自ら封神武侠界全土を守り集めた英傑、その実力はまさに折り紙付きだ。
「ここを抜かれれば洛陽に万を越えるオブリビオンが押し寄せることになるわ。そうなればいかに皇帝司馬炎とはいえ命も危ない。どうか皆、この戦場を制してきてちょうだい」
 そう言ってオーロラはグリモアを起動し、再び戦乱の地となった中華へ猟兵を送り出すのであった。


鳴声海矢
 明けましておめでとうございます。鳴声海矢です。殲神封神大戦の始まりです!
 今回のプレイングボーナスはこちら。

『プレイングボーナス……戦場を包む「消えざるシバの炎」を利用して立ち回る』

 現地では皇帝司馬炎のユーベルコード「シバの炎」が常に燃え盛っています。敵味方を識別できるこれをうまく活用し敵に立ち向かってください。

 敵は『双炎の拳士』の集団。強い相手と大暴れすることだけが目的の戦闘狂です。相手も炎属性の使い手ですが、炎無効というわけではありませんし燃やす以外にも炎の使い方はあるはずです。色々考えてみてください。

 現地では司馬炎配下の宿星武侠がシバの炎と共に戦っています。炎共々使えそうなら利用してください(無理に共闘はしなくても可)。
 以下詳細。

 笋弟(スンテイ) 人間の宿星武侠×ヴィジランテ(16歳)
 緑の短く立てた髪に180cmを超す長身。槍術や棍術を得意とし、細身だがしなやかな肉体を持ち鍛錬の果てに神仙すら超える力を得ることを目標としている。一対一の真っ向勝負ならかなり強い。とある一件(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=38402 読む必要はなし)にて司馬炎旗下となる。真面目すぎて搦手に弱い節があるが、己もそれを自覚し新たな道を模索中。

 それでは、燃えるプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『双炎の拳士』

POW   :    双炎拳
【炎を纏った拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    脱力返し
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【手のひら】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    炎拳乱撃
【炎を纏った拳の連打】から、戦場全体に「敵味方を識別する【炎の流星群】」を放ち、ダメージと【消えない炎】の状態異常を与える。

イラスト:お餅。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夜刀神・鏡介
此処に来るオブリビオンも既に何度か撃退したが、それでもまだ来る、か
まあ、それならそれで何度でも倒してやるだけだ

まずは敵と距離を取った状態で、神刀の封印を解除。蒼色の神気を纏わせて漆の秘剣【蒼鷹閃】を発動
初撃の斬撃波で消えない炎を飛ばして拳士達を牽制しつつ目眩まし
その隙に一気に接近、敵の拳の間合いより刀の間合いの方が僅かに長い。射程差を活かして一歩手前で刀を叩き込んで止め
距離を詰めた後は囲まれないよう注意しながら、斬撃や、斬撃波によって間合いを管理
踏み込まれないよう気を付けながら一体ずつ確実に倒していこう

笋弟氏の事は気にせずとも問題なさそうだが、厳しそうなら救援に入るくらいの心持ちで



 殲神封神大戦開始直後より、樊城の地はオブリビオンの集団との激戦区となっていた。そこに攻めかかる敵はまさに無尽蔵であり、何度倒そうとも次々途切れることなく新手が現れ続けていた。
「此処に来るオブリビオンも既に何度か撃退したが、それでもまだ来る、か」
 夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)はこの樊城に幾度となく赴き、そして迫りくるオブリビオンを撃退してきた。その戦果は目覚ましいものであったが、それでもこの地を平定するには至らない。
「まあ、それならそれで何度でも倒してやるだけだ」
 ならばそうなるまで戦い続けるのみと、鏡介は既に勝手知ったる地となった樊城へ足を踏み入れた。
「はっ、随分気のない感じで来てくれるじゃないか。そんなんであたしらを楽しませてくれるのかい!」
 此度の敵となる『双炎の拳士』は自らの強さに自信を持ち、強い相手との戦いを求めている。故に、鏡介の慣れ切った姿勢を甘く見られたと取ったのだろう。
 だが、拳士たちが相手を値踏みする間に、鏡介は既に行動を始めていた。
「神刀解放。刃は流れるが如く――漆の秘剣【蒼鷹閃】」
 封印を解除された神刀に蒼い気が纏われる。そして即座に間合いの外よりそれを一閃、放たれる斬撃波が戦場に満ちる消えざる『シバの炎』を巻き上げ、拳士たちを取り巻いた。
「ちっ、挨拶もなしにいきなりかい!」
 その先制を、炎纏う拳で防ぐ拳士たち。だがその防御がなった時、その後ろにはすでに鏡介の姿があった。
 神速の踏み込みより繰り出される淀みなき斬撃が拳士を捕らえる。とっさに燃える拳を叩きつけ迎撃しようとするが、素手と刀では射程が違う。その差はそのまま勝敗の差となり、拳届かぬまま拳士の体は両断された。
「なんだよ、強いじゃないか!」
 仲間がやられたことよりも相手が強敵であることの方に喜びながら、他の拳士たちは鏡介を囲みにかかる。だが鏡介とて敵が数の利を生かして来るであろうことは予想していた。一方に斬撃波を放って接近を遅らせ、近づいてきた方の敵は一人目と同じように自ら近づき、拳の範囲に入る前になで斬りとする。
 常に敵との間合いを管理し、自らに有意な距離を全ての敵に対して取り続ける鏡介。シバの炎も利用し、決して包囲殲滅の形をとらせることはない。万一刀をくぐられ拳の距離まで踏み込まれてしまえば、たちどころに相手の燃える拳が襲い来ることは分かっているのだ。その一打を防ぐため、敵、そして戦場の全ての距離をその身で把握して戦うことこそが肝要であった。
 この地での有効な戦い方は繰り返された実戦で身についている。敵は最初に自身を気のない風と侮ったが、決してそんなことはない。ただ幾度となく繰り返された戦いを今一度行うのみ。無意味に気を吐いている時間があったら、一体でも多く、一秒でも早く敵を滅するべきなのだ。鏡介が戦うのは双炎の拳士のみにあらず。樊城に攻めかかるオブリビオン、その全てとの大局的決着こそが彼の見据える真の勝利なのだ。
 目の前の相手で楽しむことのみを考える拳士たちを切り、戦場の様子を把握する鏡介。
「厳しそうなら救援に入るくらいの心持ちでいたが……気にせずとも問題なさそうだ」
 炎の向こう、槍を振るう若き武侠の姿が垣間見える。彼もまた一廉の武人であり、司馬炎よりこの地を任されるに値する者。鏡介の戦いぶりにより彼に拳士がより多く殺到したことで、彼の方には捌き能う程度の数しか行っていないようだ。
 なれば無用の心配はしない。ただ先の勝利のため、鏡介は拳士の群れを切り裂いていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第四『不動なる者』まとめ&盾役武士
一人称:わし 質実剛健古風
武器:黒曜山(刀形態)

ああ、笋弟殿ではないか。久しゅう。…ふふ、わしは『最後の一人』よ。

さて、強制的に一対一にしてしまおう。
炎のない場所にくるであろうから、笋弟殿のそば一人を除いて【四天境地・山】によって斬ってしまうとしよう。
何せ…これは未来視による斬撃…『置き斬撃』というやつでな。離れていても有効であるから、攻撃を気にせずできる。
うむ、実は前回、少しだけ嘘ついた。わしは近接だけではないのよ。間合い誤認にはよいのだが。

今の笋弟殿ならばいらぬであろうが、万一に備えて四天霊障による守りは施してあるよ。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
笋弟さん、お久しぶりですぅ。

『FAS』を使用し飛行、『FMS』のバリアで守りを固めますねぇ。
そして【酷郭】を発動、『裁域』を形成しましょう。
『双炎拳』は射程が短いですから、『飛行』で射程から離脱、跳躍等を『FGS』による重力波や『裁域』の『爆破』で[カウンター]すれば、攻め手は封じられますぅ。
後は「【炎】を隠れ蓑に『FBS』で斬撃」、『裁域』の操作で『【シバの炎】を動かす」「大地を隆起or爆破」等の形で笋弟さんが囲まれない様援護、拳士さん達を追詰めましょう。
更に『FRS』『FSS』による[砲撃]と『FDS』による[爆撃]、『裁域』の『爆破』を併せて仕留めて参りますねぇ。



 シバの炎燃える樊城の地。ここを守るのは司馬炎配下でも精鋭と呼べる者であった。
 だが強いが故にその数は少ない。数の不利を補うためにシバの炎が全域にまかれ踏み込んだ敵を焼き尽くしているが、当然それを踏み越える敵も出ては来る。
「次はどいつだ!」
 そう言った敵を倒すことこそが己に課された役目と、宿星武侠笋弟は槍を振るい迫りくる拳士たちを相手取っていた。
 相手も楽しむために少数ずつかかってきていたことで何とかここまで戦い抜くことは出来たが、それでも疲労は隠せない。
 どこまで抗いきれるかを試すかのように、かかる人数は少しずつ増えてくる。それを凌ぎきってくれようと槍を握る笋弟を、重く、優しい声が支えた。
「ああ、笋弟殿ではないか。久しゅう」
 知った声に笋弟がそちらを向くと、そこにはどっしりと構える男の姿があった・
「貴殿は……! 久しく、まさかこのような場所で会えるとは……!」
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)。彼に幾度か助けられ、そして薫陶を受けた笋弟は彼の登場に拱手を作り歓迎と感謝の意を表す。
「未だ貴殿の武威には及ばず恥じ入るばかりで……いや、何か違う。もしや……」
「……ふふ、わしは『最後の一人』よ」
 馬県・義透は四人の悪霊が一つとなった姿。そのうち三人は既に笋弟の前に現れたことがある。そして今顕現しているのは唯一彼が知らぬ存在。第四の席につき四人のまとめ役であり盾役でもある、『不動なる者』であった。
「笋弟さん、お久しぶりですぅ」
 そしてもう一人、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)もまた笋弟の知る猟兵であった。戦い方、武というものへの意識という点に置いては笋弟とはある種真逆を行く彼女だが、もう一人の英傑との仲を取り持つ、情報戦などの番外の戦いを教えるなど彼に与えた影響は決して少なくなかった。
「ああ、そちらも……なるほど、陛下が天下の一大事と言ったのは大袈裟ではないようだ」
 猟兵の登場に、この戦いが文字通りの天下国家の一大事と改めて認識する笋弟。そしてその大事の原因の一つが、今まさに彼の目の前に迫っていた。
「なるほど、思っていた以上に楽しめそうだね……じゃあ、もう少し頑張っておくれよ!」
 増援に対しさらに数を増やすことで対抗する双炎の拳士たち。その数はいかに笋弟が優れた武人であっても捌き切れるものではないだろう。
「さて、強制的に一対一にしてしまおう」
 ではどうするか。不動なる者はその答えを既に持っていた。まず、敵自身も炎使いとはいえ、シバの炎はそれさえ焼く。当然、敵もシバの炎は避けてくる。その炎の切れ目を、義透は漆黒の剣を持ち悠々と周った。
「父の技を、ここに再現せん」
 そしてそこに太刀筋を残していく。やがて敵がその位置に差し掛かると、まるでそこに何かがあるかの如く拳士たちは吹き飛び、また両断されていった。
「なんと……!?」
「何せ……これは未来視による斬撃……『置き斬撃』というやつでな。離れていても有効であるから、攻撃を気にせずできる」
 【四天境地・山】。未来を見ることでそこに斬撃を置いておくその技は未来予知の片鱗を掴んだ彼なればこそのもの。
「うむ、実は前回、少しだけ嘘ついた。わしは近接だけではないのよ。間合い誤認にはよいのだが」
 槍持つ第三席は不動なる者を「間合いは似ている」と笋弟に説明し、笋弟も彼を近接特化であるかと思っていた。確かに本領たる不動の堅守に置いては間合いは至近ともなるが、決してそれ以外ができぬわけではない。そしてあくまで剣の斬撃を『置いている』だけなのだから、全くの嘘というわけでもない。そして味方にも全ての手の内を明かさぬが肝要ということは、奇しくもこの場にいるもう一人の猟兵に教えられているのだ。
「先に切るを置けば、動くことすら不用と……!」
 四人目もまた越え難き山なると、笋弟は改めて義透の武に感服していた。
「おいおい、人を修行のダシに使ってんじゃないよ!」
 だが炎の切れ目が殺し間なれば、多少の火傷を覚悟で炎を突っ切ればいい。拳士たちはシバの炎を踏み越え、猟兵に攻めかからんとする。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その刑場の理をここに」
 その拳士たちの群れから飛行して離れつつ、【豊乳女神の加護・酷郭】を発動した。
「つまんないね、逃げるなんて根性なしが!」
 その態度に苛立つように言いながら、拳士たちが跳躍をかける。自身のリーチが短いことは承知している彼女たちは、敵が離れた時の詰め寄り方も心得ていた。
 だが、そうする敵がいるのもるこるは知っている。前面に重力波を放って跳躍を阻害し、さらに敵の攻撃に合わせ爆破をかけることで攻めの出鼻をくじく。
「ち……裏に回るよ!」
 炎の中をかけ、位置を変えようとする拳士たち。だがその炎の中に紛れ、無数の戦輪が飛来し拳士たちを切り刻んでそれさえもを阻んだ。
 るこるは武人ではない。戦いを楽しむ気もないし、相手を尊重する意思もない。ただ障害として排除する。それは『戦争』であるこの殲神封神大戦において、正に本来あるべき戦いの姿であった。
 さらに戦場の支配は続く。シバの炎やそれが覆う大地をも爆破し形を変え、敵の進む道さえ奪い去る。無論多少変えたところで敵はそれを強引に突破する力はあろう。なれど、地形以上の力がその先に在れば。
「では若者よ、一対一なら負けぬのであろう?」
 変わった地形の先に待つのは、この地を皇帝より任された若き英傑。
「無論!」
 拳が届くはるか先より、鋭い突きが拳士を穿ちぬいた。その姿にやはり不用であったかと、義透は念のため施して置いた四天霊障の守りを下げる。
 彼の英傑は守護すべき対象ではなく使うべき力。勝利の為にそれを使うことに何の衒いがあろうか。るこるは上空より彼の得意を整えながら、敵を攻めつつそこに誘い込んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

【ダンス・功夫】で華麗に応戦。
【第六感・索敵・見切り】で攻撃を【受け流し】つつ
【激痛耐性・火炎耐性】でタフさも見せつける

手加減されるのは嫌いだった?
ごめんなさいね。貴女達を楽しませてあげたかったの

守護霊の【ドーピング】で戦闘力を高め
呪印の力で槍状に圧縮した【呪詛・属性攻撃】の黒炎を
雨の如く【乱れ撃ち】彼女達の影を縫い付ける【マヒ攻撃】

少し本気を出したわ。トドメ刺してアゲル♥

乳や尻を【慰め】つつ【化術】で肉棒を生やして【串刺し】
媚毒の【呪詛】体液で『ホエール・スプラッシュ』
快楽で体が強張り『脱力返し』に失敗すれば感度2倍♥
男勝りな彼女達を淫らな雌に変え【生命力吸収・大食い】よ♪



 炎をかき分け、拳士たちは迫る。彼女たちの目的は樊城を攻め落とすことそのものより、その過程で起こる戦闘を楽しむこと。それ故戦うに値する敵がいれば例え必要がなくとも足を止めそちらへ戦いを挑む。
 踊るような足さばきで目の前に躍り出てきたドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)にも、拳士たちは嬉々として挑みかかっていた。
 炎纏う拳の連撃を的確に見切っては躱し、一人を相手にする間他が横に回り込んでの奇襲も素早く察知し対応する。
 さらに強引に踏み込んで連撃をかけられても、その燃える拳を自らの手で叩き、受け流す。当然炎に触れるのでドゥルール自身の手も焼けるのだが、そのダメージもまるで意に介さないかのように攻撃をさばき続けた。
 そうして拳士たちからの攻撃を次々いなしていくドゥルール。だが、その戦いぶりに拳士たちは不満そうな顔を見せた。
「避けてばっかで、馬鹿にしてんのか?」
 確かに見事な防御だが、ドゥルールはここまで一切自ら攻撃をすることはなかった。それを舐められているとでも取ったのか、拳士はいらついたように声を出す。
「手加減されるのは嫌いだった? ごめんなさいね。貴女達を楽しませてあげたかったの」
 始めてそう答えるドゥルール。だがその答えは、さらに拳士たちを苛立たせるばかりであった。
「余計なお世話だよ。あたしたちを楽しませたいんならさ……本気で、死ぬまでかかってきな!」
 腹立ち紛れに放たれた重い蹴り。それをドゥルールは正面から受け止めると、ここまで使ってきたのとは別の力をその身に満たし始めた。
 周囲に満ちるシバの炎とは違う黒い炎が巻き起こり、ドゥルールの腕に巻き付く。
「は、あたしたちの真似事かい?」
 自らの燃える手でその腕を極めようとするが、それをすり抜けてドゥルールは炎を手に移す。そしてそのまま炎を槍のような形にして連続で拳士たちへと振りまくが、その狙いは体から外れておりさして動かずともその身には当たらず後方へそれていった。
「見ただけで真似しようとするからそう言う……!?」
 自分の技やシバの炎の真似をして炎を使っただけ、拳士たちはそう嘲り反撃に出ようとするが、なぜかその体は動かなかった。その前で、ドゥルールは余裕の表情で微笑む。
「少し本気を出したわ。トドメ刺してアゲル♥」
 動けない拳士たち、その陰には、長く伸ばされた炎が影を縫い付けるように刺さっていた。振りまいたのは影縫いの呪詛。霊の力を操るドゥルールにとっては呪いの力は得意分野だ。ただ炎であるというだけでそれが自分たちの真似と誤認した拳士たちは成す術なくそれに囚われ、動けないままドゥルールに体を撫でまわされる。
「は、じゃあ好きにしな……その代わり覚悟はしろよ……!」
 それに一切抵抗しない拳士たち。諦めたのか。否、この脱力体勢こそ彼女たちの扇の一つ、【脱力返し】の構えであった。
 それを知ってか知らずか、ドゥルールは服を脱ぎ化術で作った肉槍で相手を貫く。そしてそのままそこからとどめの一射を放たんとした。
「いいぜ、きな……!」
 それを脱力状態で受け入れる拳士。だが。
「これで……っ!?」
 それが放たれた瞬間、拳士の体が大きく痙攣した。そしてそれは脱力の構えを自ら解かせ、その代償として二倍のダメージをその体に齎す。
 ドゥルールが槍から放った【ホエール・スプラッシュ】には体の感度を上げる毒が乗せられていた。直接は殺傷に至る毒ではない故当然それそのものには何のダメージもない。だが、体の感度が上がるということは余計な力が入りやすくなるということ。脱力を条件とする技には致命の効果と言えた。
 結果、倍の威力で液体噴射を受けてしまったその拳士は腕の中で息絶え絶えとなる。そのまま男勝りな彼女達を淫らな雌に変えてやるとばかりに、その体を『喰らって』いくドゥルール。
 彼女は気にもかけなかったが、燃える炎の向こう、それを横目に見る若き武侠の姿が。
「ふん……相変わらずだな、化生め」
 その言葉は戦場に置いて戯れる彼女への蔑みか。だがそう見るにはその言葉は余りに軽い。むしろまるでぶれることなく道を歩いている姿に安心するようなその声音。小さく漏らしたそれを大意はないと言わんばかりに、男は目の前を見据え槍を握り直していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

刑部・理寿乃
このシバの炎、区別ができるなんてすごく便利ですね
雑草や害虫害獣だけ燃やすユーベルコード欲しいなぁ……
ともあれ、この炎は壁にできそうですね。

まず大剣にシバの炎を纏わせます
ユーベルコードで炎の衝撃波を撒き散らし、敵集団を分断。炎が壁となり合流を阻止とか行きませんか?
まあ、試してみましょう。上手くいけばスンテイ君も私も楽に戦えるでしょう。


木霊・ウタ
心情
ここは通さない
絶対守り抜くぜ
炎の拳士相手ってなら猶更だ
燃えるぜ

笋弟
縁はなかったけど戦友だ
頼りにさせてもらうぜ

猟兵じゃないから無理は程々にしてほしいけど
言ったら武侠の誇りを傷つけちまう
言葉は飲み込む

武運を祈るぜ(ぐっ

戦闘
地表近くを高速飛行
シバの炎を突っ切り
そこにいる敵を獄炎纏う焔摩天で薙ぎ払う
止まらずシバ炎を突っ切って離脱
ってカンジで一撃離脱

炎の流星をシバ炎を盾にしたり
大剣で受けたり薙ぎ払ったりして防御
万が一のダメージも
傷口から噴き出す獄炎が消えない炎を喰らい火勢を増す

あんたらもオブリビオンとなり
歪んじまった口なんだろうな
可哀そうに
紅蓮で還してやる

事後
鎮魂曲を演奏
安らかに

お疲れさんっと>笋弟



 司馬炎のユーベルコードシバの炎は敵味方を識別し、中華に仇なすもののみを燃やす。近接で用いる時のその性質は【宝貝「雷公天絶陣」】に近いものがあるが、彼の目の直接届かぬ場所、それも樊城全土という広域に及ぶとなればもはや通常のユーベルコードの枠には収まらぬ規格外のものと言っていいだろう。
「このシバの炎、区別ができるなんてすごく便利ですね。雑草や害虫害獣だけ燃やすユーベルコード欲しいなぁ……」
 如何な手段、基準で敵味方を区別しているのか。もしそれを自分で設定し、同様に用いることができたなら。刑部・理寿乃(暴竜の血脈・f05426)はそう考えながら目の前に燃え盛るシバの炎を見た。
 とはいえそれは平時に戻ってからの話。今はこの炎を持って迫る敵を焼き尽くすべき時だ。既に炎の先には、自らも拳に炎を宿す双炎の拳士の一団が迫っているのだ。
「ここは通さない、絶対守り抜くぜ。炎の拳士相手ってなら猶更だ。燃えるぜ」
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は己も炎を使うものとして、炎の拳士たちをシバの炎燃えるこの地で迎え撃つことに意気軒昂であった。
 そしてもう一人、ここには司馬炎よりこの地を預かった若き英傑がいる。その英傑笋弟にも、ウタは声をかけた。
「縁はなかったけど戦友だ。頼りにさせてもらうぜ」
 その言葉に頷く笋弟。武人としての彼の意気はウタも重々理解していたが、それでも心はかけた言葉とは裏腹であった。
(猟兵じゃないから無理は程々にしてほしいけど、言ったら武侠の誇りを傷つけちまう)
 猟兵とそうでない者の力の差は覆しがたい。それは厳然たる事実だ。だが神域の力に抗おうと鍛錬を重ねるこの男にそれを言って下がらせるのは余りにも忍びない。
「武運を祈るぜ」
 ただ、倒れることだけはないように。その祈りをあざ笑うかのように、炎の向こうから別の炎が現れた。
「まだまだ楽しめそうなやつはいるじゃないか。お前たちはどうあたしを楽しませてくれるんだい!?」
 そう言って殴り掛かろうとする双炎の拳士たち。それに対しまず取るべき方策は。
「ともあれ、この炎は壁にできそうですね」
 理寿乃の言葉を号令にし、全員はシバの炎の中に飛び込みながら一歩下がった。身を焼かぬ炎は何もないにも等しく、一切の阻害なく体はその後ろへ突き抜ける。だが敵にとってはとても無傷で踏み越えることなどできない恐ろしい壁。その壁に阻まれたことで、接近してきた敵はすぐに猟兵たちを見失った。
「ちっ、どこいった!」
 いきなりの退避に苛立ち紛れに叫ぶ拳士。その声に、男の声が答えた。
「嵐のお通りだ。ちょいと荒っぽいぜ?……焔摩天、転生!」
 拳士たちの横、そこに壁のように立つ炎がかき分けられ、その地表すれすれの部分から高速でウタが飛び出してきた。炎の翼にシバの炎を受けジェット機の如く高速で突進し、大剣『焔摩天』をなぎ払う。そしてそのまま別方向の炎の中へと飛び込み、彼はその姿をまた晦ませた。
「くそ、ふざけやがって!」
 炎纏う拳を振りかざしシバの炎をかき消さんとする拳士。だがそれに、消して欲しいならとばかりに炎が渦を巻いて一か所に集中した。
「これで……!」
 その集まる先は、理寿乃の持つ大剣。それを大きく一振りすると、【嵐塵滅砕斬】の嵐の如き衝撃波に炎が乗り、広範囲にいる拳士たちを焼き、なぎ払った。
「なめるんじゃないよ!」
 被害は甚大なれど、理寿乃の前から炎の壁は消えた。そこに踏み入り必殺の双炎拳を放とうとするが、続けて放たれる連続の衝撃波が拳士たちを分断、全員での連携を取らせない。さらにそれを追うように後ろの炎の壁からまたウタが飛び出して来た。
「どうせ出てくると思ったよ!」
 それに対しては、後方にいた別の拳士が背を守るように立ちはだかり炎の連撃で迎え撃った。その連撃を剣のみならず、周囲のシバの炎さえ盾にしてウタは受け止める。高速のやり取りが炎を上げて続けられるが、飛び散った炎が彗星となってウタに情報から襲い掛かった。
 その攻撃には対応しきれず、ついに一撃を貰ってしまうウタ。
「そのままくたばりな!」
 返り血を浴び、一気に仕留めようと拳士が踏み込んでいくが、ウタはそれを堂々と待ち受けた。
 飛び散った血さえ燃え上がり、一瞬で拳士を炎に包む。そしてそのまま剣を振るい、ウタは怯んだ拳士を両断した。
「あんたらもオブリビオンとなり歪んじまった口なんだろうな、可哀そうに。紅蓮で還してやる」
 武に狂う拳士にその火葬は届いただろうか。時を同じくして、理寿乃に向かった拳士も炎にまかれていた。
「ちっ……面倒な奴だ! 囲んで潰すよ!」
 一対一では分が悪い。分断された味方を再度呼び戻し全員での連携をかけようとするが、再び立ち上がったシバの炎の壁の向こうからは返事がない。
 その前で、理寿乃はただ一人の相手を見据え落ち着いて言う。
「こうして分断すれば楽に戦えるでしょう。私も」
 その時シバの炎の壁が割れ、拳士の呼び声に応えるように……否、理寿乃の声を継ぐように現れる者が。それは。
「スンテイ君も」
「俺を呼んだか? 違うなら悪かったな」
 壁の向こう、そこではこの場と同じように一対一となった笋弟が分断された拳士を仕留めていた。彼の持つ槍に貫かれた拳士が炎となって消えていく。
 一対一なら彼は集団型に後れは取らない。ましてや猟兵がそうなれば。当てにした増援がないことを悟った瞬間、その拳士を理寿乃の大剣が両断し、焼き尽くした。
 そのまま炎の壁をまたぎ、分断された拳士を次々と一人ずつ理寿乃が仕留めていく。
 やがてその場にいた拳士たちは全て仕留められ、シバの炎は何も焼かぬままに燃え猛るだけとなった。
「お疲れさんっと」
 ウタは一言笋弟を労ってから、倒れた拳士たちに鎮魂歌を歌う。
 理寿乃も剣を収め、一日も早くこの地の者が畑を耕しながら歌えればと思うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
初めまして、笋弟様
私もこの戦場に馳せ参じた猟兵の一人
騎士として加勢させて頂きます

疲労も蓄積していることでしょう
このケーブル…紐を丹田の辺りにお繋ぎください

この状態の貴方の力は猟兵並み
最早敵に遅れを取ることはありません
さあ、参りましょう!

武侠を強化し攻撃に専念させ殲滅速度を上昇
己は彼の隙をかばう護り主体の戦法で援護

ケーブル狙いの攻撃…見切るのは容易きことですよ

流星群を剣や盾での防御、格納銃器の乱れ撃ちで撃ち落とし

近づく敵の数が多いですね、分断させます

燃え盛るシバの炎ある地面に剣を突き刺し、てこの原理の如く怪力で掘り出し
そのまま燃え盛る岩塊として投げ付け
混乱する敵を武侠と共に各個撃破してゆきます



 繰り返された戦いに、無限に押し寄せると思われていた双炎の拳士たちも最後の一団となる。だが、そうなってなお敵の士気は落ちることはない。
「他の奴らも随分世話になったじゃないか。まさかあたしたちだけ楽しませてくれないなんてことはないよねぇ?」
 自分たちで最後ということに何の恐怖も抱かず、ただ戦うことだけを楽しみにする拳士たち。一方主戦力は猟兵であったとはいえ、自身も戦い続けたこの地を守る武侠笋弟の体力には限界が見え始めていた。
「初めまして、笋弟様。私もこの戦場に馳せ参じた猟兵の一人。騎士として加勢させて頂きます」
 その背を支えるが如く、勇壮なる声が響く。道を守らんとするその男の助成に現れたのは、トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)。
「……忝し」
 息も切れかけていた笋弟はそれだけ言って彼の来訪を歓迎した。いかに無頼の気があるとはいえ、役目を負った自身を助けに来たという者を邪険にするような男ではもはやない。その言葉少なな姿勢から彼の疲労を見て取ったトリテレイアは、まずはそれへの対処をとる。
「疲労も蓄積していることでしょう。このケーブル……紐を丹田の辺りにお繋ぎください」
 機械に関わることなど一切知らないだろう彼の為に言葉を選び、一本のケーブルを彼に差し出した。
「丹田……気脈使いか? まああいつの薬よりは信用できそうだ」
 そう言いながらも、笋弟は躊躇なく自身の臍の下にそのケーブルを繋ぐ。
「背に護る物ある限り、騎士とは強くなる物ですよ」
 ユーベルコードの詠唱であり、今の彼の強さを支えるであろう言葉。それと共に【電脳禁忌剣・特殊駆動機構:『騎士の誓約』】が二人を繋ぎ、力の向上と共にともに倒れぬ限り尽きぬ命を与えた。
「この状態の貴方の力は猟兵並み。最早敵に遅れを取ることはありません、さあ、参りましょう!」
 改めて共に戦うものとなった武侠にそう声をかけ、トリテレイアは拳士たちへと向かう。
「心得た!」
 笋弟もまた彼と共に拳士に向かうが、その動きはまるで疲労を忘れたかの如く軽く、そして鋭い。次々と槍を突いては拳士を突き倒すその姿は、普段の彼以上のもの。
 だがその力の源がなんであるか、それは一目見ればわかるもの。
「どうせそれだろ、焼き切るよ!」
 炎を纏った連撃をケーブルに放ち、切断しようとする拳士たち。だがそう狙ってくることなどトリテレイアは百も承知であった。笋弟の隙を失くすように大きな体を滑り込ませ、重厚なる体と装備で拳を跳ね返していく。その体は燃える拳を打ち付けられながら、決して歪むことなく白き威容を保ったままだ。
「ケーブル狙いの攻撃……見切るのは容易きことですよ」
 自分の技なのだ、弱点は自分が一番よく分かっている。そしてその弱点をも撒き餌としてこそ戦場に立つ者だ。
「ち……面倒だね、その真っ白な体、黒焦げにしてやるよ!」
 両手を勢いよく燃え上がらせ、炎撃の全てを見せてくれると言わんばかりに一斉に暴れ出す拳士たち。
 その猛威に、トリテレイアは大型盾を押しだし、炎の連撃を全てそれで防いだ。そのまま盾を押しだしてその質量で相手を押し返し強引に距離を取らせるが、敵は今度は上空に拳を突き上げ炎の彗星を振らせてくる。それに対しては耐久力に優れる儀礼用長剣を振りかざし、刺し貫くことで直撃を防いだ。そして最後に雨の如く降り注ぐ流星群、それを格納銃器を展開し、全て空中で爆発させた。
 樊城を陥落せんとする暴徒たちを堂々と防ぎきるその守り。これを騎士の誉と言わずして何と言おう。
「素晴らしき守勢……いずれ矛盾となってみたいものだ」
 その最強の盾に匹敵する無敵の矛、鍛錬でそれを得るは彼の生涯の目標の一つだろう。
「は、あんたも落ちたねぇ! 借りた力でなにイキってんのさ!」
「それで勝てるなら虎でも竜でも威を借りよう……ここはそういう場だ」
 彼の心に浮かぶのは、真の戦場を知らなかった己を打ち据え、教えた猟兵たちの姿。勝つことが第一の戦場に置いて、その教えは今確かに彼の力になっていた。
 そしてトリテレイアも、戦場における鉄則の一つにて勝利を盤石とせんとする。
「近づく敵の数が多いですね、分断させます」
 シバの炎燃える地面に剣を差し入れ、てこの原理で岩塊として抉りだしそれを飛ばす。なんてことのない環境利用だが、猟兵最高レベルの彼の力、そして付着したシバの炎が合わさればそれは必殺の兵器にすらなる。
「うおぉぉぉぉ!?」
 その勢いに破壊することもできず、方々に転がって避ける拳士。その崩れた体勢を逃さず笋弟、そしてトリテレイアが追撃をかける。
「立つまで待つと思ったか!」
「それでよいのです。それで……」
 倒れた相手への追い打ち、それは武人、そして騎士にあるまじき非道。なれどそれは平時に美辞として語られるべきもの。消えぬ炎燃え決して譲ってはならぬ道を背に負うこの地では、倒れた相手を各個撃破していく冷徹なる姿勢こそまさに誇るべき美しき姿。
 その姿の前に、戦いの楽しみなど微塵も味わうことなく拳士たちは全て討ち取られて行った。

 攻め来る拳士は消え、樊城はシバの炎のみが燃える地に戻った。
「またも助けられ、教えられた。この礼は必ず……」
「おやめください。勝利を語るには早すぎます」
 殲神封神大戦はまだ半ばにも達していない。ここを守ったとて他の地では未だ戦火は止まず、彼自身もこれからどこで何と戦うか分からないのだ。歴戦の猟兵であるトリテレイアはそれを痛いほどに知っている。
 真に勝利を祝うその時を迎えるため、騎士は次の戦場へ赴き、武侠は再び炎の中道を背負うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月09日


挿絵イラスト