殲神封神大戦②〜幻惑の花
●グリモアベース
「皆様、明けましておめでとうございます。去年は沢山の依頼を引き受けていただき、ありがとうございました。今年もよろしくお願い致します」
ナノ・ナノン(ケットシーの聖者・f18907)は、グリモアベースを訪れた猟兵たちへと深々お辞儀する。
「新年早々ではありますが、今年初の戦争です。場所は封神武侠界。人界と仙界の交流がある世界だそうですね」
ナノンにとっては初めて訪れる世界。自然、気合いが入る。
「それでは、概要を説明しますね」
この世界で生じたオブリビオンは全て、仙界の至宝『封神台』に自動的に封印される仕組みだった。だが何者かに破壊されてしまい、今は亡き武将や太古の妖獣達が溢れ出している。
今回、戦を仕掛けてきたのは封神台を破壊した張本人である大賢良師『張角』だ。
オブリビオン・フォーミュラとして蘇った張角は、恐るべきユーベルコード『異門同胞』を携え、現在晋の皇帝『司馬炎』が率いる軍と交戦中だ。
ここまで説明を聞けば、この後の話の流れは予測がつくというもの。
ナノンはグリモアを宿した杖を取り出し、樊城(はんじょう)への転送準備を始めた。
「これから皆様を転送する戦場は、妖術によって作り出された人を惑わす『桃源郷』です」
妖の花の香りにより現在、前線で戦っていた兵士達の大半が戦えない状態に陥っている。
「指揮系統は乱れ、軍全体の士気が低下しています。敵は恐らく、無防備となった部隊から順に攻め、司馬炎殿のいる本陣へと攻め入るつもりなのでしょう」
やがて転送用の魔法陣が戦場へと繋がる。
「まずは敵を叩き、前線を維持してください。厄介な敵ですが、今までいくつもの困難を乗り越えてきた皆様なら問題ないでしょう。それではお気をつけて」
猟兵たちはナノンに見送られ、次々と魔法陣へと飛び込んだ。
柚子胡椒
明けましておめでとうございます。柚子胡椒です。今年もよろしくお願いします。
今年初のシナリオにして、今年最初の戦争ですね。
以下補足です。
戦場は桃の木が茂る、一見美しい光景が広がっています。
兵士達の大半が桃の香りにより戦意を失ったり、深い眠りにおちていたり。あるいは、記憶を失い途方に暮れていたりと、とても戦える状況にありません。
まずは、無事な兵士達に協力を仰ぎ、オブリビオンを討伐してください。
討伐後、桃の木は消失し兵士達も正気に戻ります。
プレイングボーナス……司馬炎の兵士達と協力し、なるべく長時間敵と戦う。
なお、協力の方針としましては以下の通りです。
①兵士達の介抱にあたらせる。
②一時撤退させる。
③桃の木の伐採を依頼する。
①②は自身のユーベルコードの威力上昇、③は敵のユーベルコードの威力を大幅に低下させるものとします。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。よろしくお願い致します。
第1章 集団戦
『面影鬼』
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POW : ここは桃源郷
【己が何者であったかを忘れさせる桃の香】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
SPD : もはや帰れぬ桃源郷
戦場全体に、【強い眠気と記憶障害を誘発する桃の木】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ : 失われた桃源郷
【強い風とともに、闘争心を失わせる桃の花、】【困難に立ち向かう克己心を失わせる桃の実、】【生への執着心を失わせる桃の木の枝】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
イラスト:high松
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●妖の桃源郷戦
猟兵たちが魔法陣を抜けると、目の前に美しい景色が広がっていた。
桃の花が咲き乱れ、フワフワと花びらが風に舞い、甘い桃の香りが鼻腔を蕩かす。
その光景を見た猟兵たちは、新年の宴を開くのにうってつけだっただろうにと、少しだけ残念に思う。
木の下に視線を向けると、そこには気持ちよさそうに眠る兵士や、ぼんやりと花を眺める兵士の姿があった。
一見すると宴の席で酔い潰れたか、ほろ酔い気分で花を眺めているかのようだ。
しかし、ここは人々を惑わす妖の園ーー。
猟兵たちは気を引き締め、「桃源郷」へと足を踏み入れたのだった。
備傘・剱
桃の香りは死の匂いってか?
出来れば、戦場じゃなく、宴会で見たいもんだ、花ってのはよ
しかし、それにとらわれてるってのも、解らないでもない
って事で、司馬炎の兵士達には、無気力になってる奴らの介抱を、そして、俺は、デビルダイスロール発動!
さぁ、一足りない達、桃の木を徹底的に伐採しとけ!
俺は、その元凶の面影鬼をどうにかしておこう
誘導弾、呪殺弾、斬撃波、衝撃波、ブレス攻撃をばら撒きつつ、神罰を付与したフォトンガントレットでぶん殴ってやる
出来れば、桃の実があったら、食べたかった所だが…
化け物が作った桃にそこまで、期待しちゃ、ダメだな
あっても、こいつらの口にねじ込んでやるが
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
●
「桃の香りは死の匂いってか?」
備傘・剱(絶路・f01759)は右眼を通る傷に軽く触れながら、面影鬼が作り出した美しい景色を眺める。
正直な気持ち、できればこれが宴の席であって欲しかった。
備傘は、ムニャムニャと口を動かし地面に寝転がる兵士を見た。
このまま寝かせておいてあげたいところだが、ここは戦地で戦の最中。そういうわけにもいかない。
「って事で、悪いが司馬炎の兵士達、無気力になってる奴らの介抱を頼むぜ」
「はっ!」
背後で様子を伺っていた兵士達は備傘に拱手した後、眠っている兵士達を優先に安全な場所まで引き摺っていく。
その様子を横目で見ながら備傘は、【デビルダイスロール】を発動した。
『出でよ、ダイスの妖怪よ! 我が声に従い、総員出撃!』
続いて、デビルダイスロールによって呼び出した「妖怪一足りない」にこう命じる。
「さぁ、一足りない達、桃の木を徹底的に伐採しとけ!」
妖怪一足りない達はノコギリや斧を掲げ、「わぁーー」と歓声をあげながら桃の木に群がった。すると、それまでなりを潜めていた面影鬼が姿を現す。
『ここは桃源郷。我らの桃源郷、2度と失うものか……』
強い口調の面影鬼は、全てを忘れる芳醇な桃の香りで妖怪一足りない達を惑わそうとした。ところが、一向に香りが漂って来ない。
周囲を見渡した面影鬼は、伐採された桃の木の無惨な姿を見つめ固まる。
備傘は「フッ」と薄く笑うと、放心している面影鬼の隙を突き、ありとあらゆる攻撃を仕掛けた。
遺跡探索用にカスタムしたフォトンガントレットから放たれるのは、誘導弾、呪殺弾、斬撃波、衝撃波、ブレス攻撃……。最後に、神罰を付与したフォトンガントレットで思い切り殴る。
殴られた面影鬼は後方に勢いよく飛ばされ、転がり、泡が弾けるように消滅した。
「ふぅーー。桃の実でもあったら食べたかった所だが……。化け物が作った桃にそこまで期待しちゃ、ダメだな」
備傘は面影鬼を殴った手を軽く振りながら「まぁ、あってもこいつらの口にねじ込んでやるが」と言い放つ。それを聞いた面影鬼達は「ヒィ〜〜」と小さい悲鳴をあげ、一目散に逃げていく。しかし、これで戦いが終わったわけではない。
備傘は兵士達を呼び戻すと、再び前線の立て直しと維持に尽力した。
(後日、備傘宛に匿名の人物から戦での功績を讃える「仙桃」が届いたという。)
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
一見すると戦場には見えない状態だが、これはオブリビオンの術によるものか
これが拡大すると大変な事になる、早く片付けていくとしよう
神刀の能力を解放。浄化と破魔の神気によって、敵の力による状態異常を防いでおこう
まずは無事な兵士に声をかけて、連の型【絆魂】を発動
手放しに安心しろとは言えない状況だが、協力すればこの状況も乗り越えられる
一先ず俺が敵を抑えつつ、余力があれば斬撃波も用いて桃の木を伐採していく
その間に無事な兵士に他の兵士を介抱してもらう
彼らには互いに声を掛け合うなどして己を保ちつつ、余力が出来たなら少しずつ桃の木の伐採を頼もう
兵士が復帰して余裕が出てきたなら攻勢に、一体でも多く敵を倒しに行こう
●
夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)が前線に赴くと、幻想的な風景が広がっていた。
美しい花を咲かせた桃の木が戦場全体を侵食し、その中を兵士達が右往左往している。
「オブリビオンの術によるものか。これが拡大すると大変な事になる。早く片付けていくとしよう」
夜刀神は神刀「無仭」を垂直に構えると、無仭に宿る力が周囲に解き放つ。解き放たれた浄化と破魔の神気は爽やかな風となって、邪な力を一時的に祓い退けた。
「おい、大丈夫か!」
「あ、あぁ……」
神気により正気を取り戻した兵士達がひとり、またひとりと夜刀神の元に集まってくる。
「なら、手を貸してくれ。手放しに安心しろとは言えない状況だが、協力すればこの状況も乗り越えられるはずだ」
夜刀神は兵士達に声をかけ、続いて【連の型【絆魂】(レンノカタ・ハンコン)】を発動する。
「一先ず俺が敵を抑えつつ、隙を見て桃の木を伐採していく。その間に他の兵士達を介抱してくれ」
「はっ!」
兵士達は一糸乱れぬ動きで夜刀神に拱手した後、夜刀神の指示通り惑わされた兵士達を介抱していく。
やがて夜刀神と兵士達の間に連帯感が生まれると、夜刀神が発動した【連の型【絆魂】】の効果が発現する。
それは、自身と困難を乗り越える為、共に協力する仲間の能力が強化されるというもの。さらに、意思を統一するほど強化されるその力は、現時点でピークに達していた。
人手と精神に余裕が出てくると、夜刀神は元凶の面影鬼の討伐に本格的に乗り出した。
木々の間から新たに姿を現した面影鬼は、無惨な姿で横たわる桃の木に触れるや否やユーベルコードを発動した。
『許せぬっ! ここは桃源郷、我らの桃源郷。2度と失うものか……』
面影鬼は全てを忘れられる魔香を放ち、夜刀神と兵士達を惑わそうとした。ところが、桃の花の香りが漂って来ない。
それもそのはず。香りを放つ桃の木は、夜刀神と兵士達によって全て伐採されていた。
「な、なんと……」
今度は面影鬼が右往左往しはじめる。
夜刀神は無仭を真横に構えると大きく振り切り、巨大な衝撃波を放った。衝撃波は、面影鬼たちを散り散りに吹き飛ばすと、残っていた桃の木を薙ぎ倒す。
「この調子なら、前線の立て直しと維持は大丈夫そうだな」
そう言って夜刀神は大きく頷くと兵士達を連れて更に奥へと進み、桃の木の伐採を継続した。
(後日、夜刀神宛に匿名の人物から戦での功績を讃える「仙桃」が届いたという。)
大成功
🔵🔵🔵
真秀・八尋
わー、すっげぇー桃の匂いするー!
これ帰ったら全身から桃臭すごそうじゃね?
とりあえず、まだ元気ある人ーはーい!!
無事そうな人いるか呼びかけて、返事あるか確認すんね
確認できたら作戦共有
俺があやかしメダル投げるんで、兵士さんたちには敵の動きが止まってる間に桃の木を伐ってもらおっかな!
桃の匂いキツすぎて頭クラクラしちゃうっぽいし
こんだけ沢山あるのもジャマだもんね、バッサリいっちゃおう!
周りで他にも戦ってるひといるならサポートも
あやかしメダルで一瞬でも動きが止められればオッケー
攻撃でも回避でも、俺が時間を作るね!
地籠・凌牙
【アドリブ連携歓迎】
うっわ甘ったるッ!!(匂いが)
ここまでくると最早毒だろ!【毒耐性】で耐えれる間に素早く対処しねえと。
まずは戦えねえ奴らを安全なとこに運んでやりたい。
【指定UC】で竜に変身して戦えなくなってる人らを運搬するぜ、その間に無事な人たちには桃の木を何とかしといてもらおう。
こんな状況じゃ戦う以前だしな。
避難させた兵士たちから『穢れを喰らう黒き竜性』で身体を蝕む桃の匂いを穢れとして取り込んでおけば症状もすぐに治ると思いたいなあ。
で、一通り避難が終わった頃にゃ桃の木の伐採も終わってるだろ。
その上でまた生えやがらねえよう炎のブレスで【範囲攻撃】!オブリビオンごと根っこを焼き尽くしてやる!
●
「わーー、すっげぇーー桃の匂いするーー! これ帰ったら全身から桃臭すごそうじゃね?」
魔法陣から飛び出した真秀・八尋(Empty Shell・f18930)は、桃の濃厚な香りに驚いた。
「うっわ、甘ったるッ! ここまでくると最早毒だろ!!」
地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)も喉が焼けそうな濃い香りに、思わず鼻と口を手で覆う。
「で、どうするーー?」
真秀の問いに、地籠はどうしたものかと思案する。
戦場には、昏々と眠る兵士や記憶を失った兵士、戦意を失い武器を捨てる兵士が混在していた。自我を保っていた兵士達ですら仲間の様子に動揺し、前線の維持が困難になっていた。
「まずは、戦えねえ奴らを安全なとこに運んでやらないと……」
試しに地籠は足元に寝転がる兵士をゆすってみる。しかし、起きる気配はない。
「あぁ、起きそうにねぇかぁ。かといって、周囲の兵士達に運んでもらうにしても人数が多過ぎるし」
「確かにーー!」
「仕方ねぇ、竜に変身して戦えなくなってる人らを運搬するか。その間に無事な人たちには桃の木を何とかしといてもらおう」
そこで真秀は片手を高々と挙げ、横にぶんぶんと振りながら通る声で兵士達に呼びかける。
「まだ元気ある人ーー。はーーい!!」
その声に、桃の花の香りに呑まれかけていた兵士達がビクリと体を震わせる。
「どうしたの? 元気な人はいないのかなーー」
「は、はい! 居ます!!」
やがて真秀と地籠の元に兵士達が集合し、綺麗に整列する。
地龍は最前列の兵士達を指名すると、こう告げた。
「悪いんだけど、俺が戦えない兵士達を安全なところまで運んでいる間、なるべく多くの木を伐採しておいてくれないか?」
「はっ! 分かりました!!」
兵士達は地籠に拱手した後、地面に置かれた武器を再び手に取ると桃の木の伐採に取り掛かる。
「こんな状況じゃ、戦う以前だしな」
地籠は【飛翔せし煉獄の黒竜(フェーゲフォイエ・リンドブルム)】を発動し、黒竜に姿を変えると20人程掴み上げ飛翔した。
「それじゃあ、俺が敵にあやかしメダル投げて動き止めるんで、その間に桃の木を伐ってもらおっかな! 桃の匂いキツすぎて頭クラクラしちゃうっぽいし」
「はっ!」
残りの兵士達が真秀に拱手すると、手にしていた剣で桃の木に切れ込みを入れ、手際良く倒していく。
「そうそう、その調子。こんだけ沢山あるのもジャマだもんね、バッサリいっちゃおう!」
すると、異変に気が付いた新たな面影鬼が木々の間から姿を現す。
『なんと罰当たりな。貴様には桃源郷の素晴らしさを教えてやろう。それ、もはや帰れぬ桃源郷』
人の姿を模した面影鬼は戦場に再び桃の木を生やすと、迷路を作り出した。中は、強い眠気と記憶障害をもたらす香りが満ち満ちている。
真秀は咄嗟に息を止めると、【あやかしメダル「居眠りオバリヨン」(キミノセナカデネムレヤネムレ)】を発動した。
『お、や、す、みっ!』
「ピンッ!」と親指で妖怪【居眠りオバリヨン】の描かれたメダルを次々と弾き飛ばし、面影鬼の背中に貼り付ける。すると面影鬼もまた、意識を保つのが困難な程の眠気に襲われ、その場で眠り始める。
面影鬼が欠伸をし、スヤスヤと眠る姿を見ていた真秀は、つられて大きな欠伸をひとつすると桃の木の根本に座り込んだ。
さて、この桃源郷の迷路からどうやって脱出しようかーー。
「うーーん、ちょっと眠いから寝てから考えるか……」
外では兵士達が桃の木の伐採を続けている。であれば、この迷路を構成しいる桃の木もやがて伐採され、消滅する可能性が高い。
「それまで、ほんの少しだけ、おやすみ……」
真秀は長期戦であることを考慮し、暫し休息をとることにした。
一方、兵士達を運搬中の地籠は「穢れを喰らう黒き竜性(ファウルネシヴォア・ネグロドラゴン)」の力で、兵士達を蝕む桃の匂いを取り込めないか試みていた。
「これで症状もすぐに治ると思いたいなあ……」
やがて味方の陣営の上空に到着すると、旋回しながらゆっくり降下していく。兵士達を救護班に託すと、地龍はすぐに飛び立った。そうして何度も桃源郷と陣営を往復し、ようやく兵士達の避難が完了する。
「そろそろ桃の木の伐採も終わってるだろ」
あとは、再び生えて来ないよう面影鬼ごと一帯を焼き払うだけだ。
地龍が前線に舞い戻ると、伐採を終えた兵士達が面影鬼と対峙していた。
『おぉ、おぉ……、なんてことだ。ここは桃源郷。我らの桃源郷……。破壊するなら今一度咲かせるまでだ』
面影鬼は袖を振り桃の木を呼び出すと、地龍を桃の優しい香りで包み込んだ。
「させねぇよ」
地龍は炎のブレスを勢い良く吐いた。炎は瞬く間に広がり、桃の木を焼き尽くしていく。
「な、なんと……」
面影鬼は名残惜しむように桃の木にしがみ付くと、木と共に燃え尽きたのだった。
(後日、地龍と真秀宛に匿名の人物から戦での功績を讃える「仙桃」が届いたという。)
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
ここまで戦力を骨抜きにされるとは…
しかし、この状況でよくぞ意識を保って戦線を支えてくださいました
申し訳ございませんが、もうひと働き願えますか
私達が来た以上、騎士として皆様に勝利をお約束しましょう
介抱役の兵士達を引き連れ戦場へ
機械妖精のナノマシン鱗粉による治療をきつけ代わりに、兵の戦線復帰と治療を行います
同時に機械妖精で己の武装を改造
頭部、肩部の格納銃器…通常は実弾の物を大出力ビームキャノンへと変更
ビームの乱れ撃ちで戦場を●蹂躙
桃の花や実、枝など戦意を喪失させる物を木々ごと焼き払っていきます
さあ、我々を惑わす物は最早ありません
総員、突撃!
先頭にて怪力で振るう剣と盾で面影鬼を当たるを幸い薙ぎ倒し
ヘルガ・リープフラウ
美しい花と芳しい香に満ちた桃園
でもその実態は、人の記憶と生きる意志を奪うまやかし
こんな悍ましいものを楽園などとは呼ばせない
思い出して
貴方が戦う意味を、願いを、生きる意志を
祈り込め歌うは【英雄騎士団の凱歌】
無事な兵士の皆さんに犠牲者の救助をお願いし
共に戦う猟兵を鼓舞
あれなるは人の心に付け込む悪しき魍魎
迂闊に触れれば心を囚われてしまいます
ここはわたくしたち猟兵に任せ、皆様はお仲間の安全を
歌声と共に浄化の全力魔法を巡らせ
緩慢な滅びへと誘う堕落への誘惑を打ち払う
わたくしはもう守られるだけの籠の鳥ではない
たとえ道は険しくとも
未来を掴むため戦う覚悟は、いつもこの胸に
●
「司馬炎殿が率いる兵力がここまで骨抜きにされるとは……」
「いかが致しましょう?」
前線の危機的状況を聞き付け、姿を現したのはトリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)とヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)だった。
2人は目の前に広がる幻想的な光景に一瞬目を奪われるが、すぐにそれがまやかしであることを見抜く。
「そうですね。現状、桃源郷を包囲するのが精一杯な状態です。となれば、桃の木をなるべく排除し、兵士達の治療を急ぐ必要があります」
その為には兵士達の戦意を取り戻させる必要がある。
トリテレイアは兵士達の方へ敢えてゆっくり振り向くと、兵士達にこう告げる。
「この状況でよくぞ意識を保って戦線を支えてくださいました。申し訳ございませんが、もうひと働き願えますか。私達が来た以上、騎士として皆様に勝利をお約束しましょう」
トリテレイアの力強い言葉を聞いた兵士達は、一斉に拱手する。
「私はこれから最前線に向かい剣を振います。安全が確保でき次第、敵に総攻撃を仕掛けましょう。ヘルガ殿には後方支援をお願いします」
「分かりました」
「それでは!」
トリテレイアは介抱役の兵士を引き連れ侵攻を開始し、ヘルガも残りの兵士を連れ桃源郷の中へと入っていった。
桃源郷の中からの眺めは美景だった。
天を仰ぐと青空に生える桃の花が天蓋を作り、地に目を向ければ舞い散る花びらが桃色の絨毯を作りだしていた。
「美しい花と芳しい香に満ちた桃園。でもその実態は、人の記憶と生きる意志を奪うまやかし。
こんな悍ましいものを楽園などとは呼ばせません」
ヘルガは胸の前で手を組むと澄んだ声を響かせた。
「思い出して……、貴方が戦う意味を、願いを、生きる意志を……」
ヘルガの心地よい言葉と優しい声音は、ある者には正気を、ある者には目覚めを、またある者には勇気を与えた。
再び生気を取り戻した兵士達が部隊に合流し、ヘルガに向けて一斉に拱手する。
「無事な兵士の皆さんには、他の犠牲者の救助をお願いします」
「分かりました」
ヘルガはその場を彼らに任せ、最前線で戦っているトリテレイアの元へと急いだ。
一方、先に進んでいたトリテレイアと兵士達は言葉を失っていた。
地面に寝転び昏々と眠る者、右往左往する者、武器を捨て逃亡をはかる者……。これら全て面影鬼の桃の花によってもたらされたものだった。これでは部隊の立て直しは困難だ。
「まずは彼らを救わねばなりませんね」
トリテレイアは兵士達の前に立ち、剣を掲げた。続いて【電脳禁忌剣・通常駆動機構:支援兵装『勇気の妖精』(サポートユニット・スティールフェアリーズ)】を発動する。
『この兵装の使用条件は覚悟と責任……騎士として望む所です』
機械妖精のナノマシン鱗粉による治療を開始した。続いて、トリテレイアは機械妖精で己の武装を改造させると、大出力ビームキャノンで桃の木の破壊を開始する。
兵士達の戦意を喪失させた物は尽く破壊し、焼き払い、面影鬼を誘き出す。
異変に気が付いた面影鬼達はトリテレイアを見るなり、袖で口元を隠しながら嘲笑った。
『無駄なこと、無駄なこと……。桃源郷は何度でも蘇る。出よ、失われた桃源郷。今一度彼らから戦う意志を奪い取れ』
面影鬼達は手にした朱色の傘をクルクル回し、強風を吹かせた。
強風は闘争心を失わせる桃の花、困難に立ち向かう克己心を失わせる桃の実、そして生への執着心を失わせる桃の木の枝を乗せ、トリテレイアと兵士達を襲う。
トリテレイアが盾で兵士達を庇いながらそれらを灰に変えていると、ヘルガの声が聞こえてくる。
「あれなるは人の心に付け込む悪しき魍魎。迂闊に触れれば心を囚われてしまいます。ここはわたくしたち猟兵に任せ、皆様はお仲間の安全を確保してください」
続いてヘルガは、【英雄騎士団の凱歌(トライアンフ・オブ・ブレイブナイツ)】を祈り込めて歌い始める。
『いざゆけ、志し高き勇士達よ。我等は希望の光なり。魍魎悪鬼も恐るるに足らず。無辜の願いと明日のために、共に手をとり立ち向かえ!』
ヘルガは戦場に立つ勇士達を奮い立たせると同時に、浄化の力を戦場に巡らせた。
兵士達を惑わし狂わせる物を打ち払うと、2人は反撃に出た。
「わたくしはもう守られるだけの籠の鳥ではない。たとえ道は険しくとも、未来を掴むため戦う覚悟はいつもこの胸に……」
「さあ、我々を惑わす物は最早ありません。総員、突撃!」
トリテレイアが前方に向けて剣を振り下ろすと、兵士達が雄叫びをあげて突撃する。
勢いを取り戻した兵士達は面影鬼達を押し返すと、トリテレイアとヘルガは引き続き部隊の立て直しと維持に尽力した。
(後日、トリテレイアとヘルガ宛に匿名を名乗る人物から戦での功績を讃える「仙桃」が届いたという)
大成功
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荒珠・檬果
樊城で負けるわけにはいかない。
(魏で個人推しが于禁)
なるほど、望まれぬ桃源郷ですねこれは。
無事な兵士の皆さんには、介抱にあたらせましょう。
さて、長く戦えと言うと…こうなります!【合肥戦神、来々】!場所違えど、力は本物ですし。
歩兵800ですからね、木があっても普通に動けるのです。
で、この場合。敵の治癒を受けるわけにはいかないのが、私(in張遼)と呼び出した李典殿…うん、結界張っておきますね!
では、この世界を守るためにも…全軍突撃ですよ!
いいですか、遠慮なく敵を斬っていってくださいね!私は槍に変化させた白日珠で突いていきますから!
●
「樊城で負けるわけにはいかない」
魔法陣を抜け、前線に赴いたアーケードゲーム大好き、魏での個人推しは于禁という荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)は、面影鬼達が作り出した「桃源郷」を眺めていた。
そこには桃の花から放たれる香りに溺れ、幸せそうに眠る者や、とろんとした目で花を眺める者、武器をオモチャにして遊ぶ者などなど、惑わされた兵士達の姿があった。
「なるほど、望まれぬ桃源郷ですねこれは……」
これでは戦争どころではない。
そこで荒珠は、まず兵士達の救助を優先させる事にした。
「無事な兵士の皆さんには、彼らの介抱をお願いします」
「はっ!」
兵士達は荒珠に拱手した後、桃源郷に呑まれた仲間の元へと駆け出した。
「さて、長く戦えと言うことでしたね。となれば、こうなります!」
そう言うと、荒珠は【合肥戦神、来々(ナクコモダマル)】を発動した。
『いーやっふー!(ハイテンション)』
800もの歩兵と副賢将『李典』を呼び出し、自分には止啼将『張遼』を憑依させる。次に白日珠を槍の形態に変えると、歩兵部隊に向けてこう叫ぶ。
「場所は違えど力は本物ですし。歩兵800ですからね。木があっても問題ありません! では、この世界を守るために全軍突撃ですよ! いいですか、遠慮なく敵を斬っていってくださいね!」
歩兵は武器を持ち上げると進軍を開始する。そして、次々と面影鬼と桃の木を斬り捨て、踏み潰し、根こそぎ破壊していった。
荒珠も槍で面影鬼達を華麗に薙ぎ払っていく。
「ふーーむ、実際に戦ってみて分かりましたが、面影鬼は戦力としては圧倒的に弱いですね。このまま行けば制圧も難しくないように思えますが……」
しかし実際は、彼らの強みである桃の木が戦場の広範囲を侵食しており、少しずつだが広がっていた。となれば、このまま押し切るのは困難だろう。
「やはり、兵士達の救助を急ぎ、桃の木への対処法を考える必要がありますね」
荒珠が兵士達に救助を急ぐよう伝える。すると、それまで目立った動きを見せてこなかった面影鬼達が次々と姿を現しはじめた。
(敵が何かを仕掛けてこようとしているーー)
荒珠は敵に悟られぬよう、自分と李典に結界を張った。
『ここは桃源郷。我らの桃源郷。踏み躙ろうとする者は、その記憶ごと消してやろう』
面影鬼は荒珠達に向け扇を一斉に煽ぎ、そよ風を吹かせた。
風は桃源郷の奥から忘却の桃の香りを運び、傷ついた面影鬼や桃の木は再生させていく。その一方で、荒珠が呼び出した李典や歩兵、救助活動中の兵士達を忘却の術で酔わせようとした。
しかし、事前に結界を張っていた事が功を奏す。
荒珠は左手を前に出し、槍を後方で構え姿勢を低くすると槍で香りごと薙ぎ払った。
『ヒィッ!!』
面影鬼達は悲鳴を上げると、張遼の力を振るう荒珠に圧倒されたのか一目散に逃げていった。
その後、荒珠のもとに兵士達から部隊の再編が為され、前線の維持が可能になったと報告が入ったのだった。
(後日、荒珠宛に匿名を名乗る人物から戦での功績を讃える「仙桃」が届いたという)
大成功
🔵🔵🔵