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面倒なやツナら叩きのめすのみ

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●怪人ツーナーと、しんらツナ安西九郎・来伝・ペディア
 その日、キマイラフューチャーの世界……少なくともこの暴走するマグロ怪人ツーナーの群れと安西九郎・来伝・ペディア達のいる一角には『不自然な空気』が漂っていた。
「マグロ怪人ツーナーよ、襲え、襲うのよ! 平和ボケしてるキマイラどもの脳みそに『武術』の素晴らしさを叩きこんでやるのよ!」
「ヒイイイィッ! ツ、ツーナーだ、マグロ怪人ツーナーだ! コイツら何匹いるんだよ、何回も、何回も、そして今回もまた現れやがった! 猟兵さんたちがこのあいだ倒してくれたばっかりなのに!」
 マグロ怪人、ツーナー。
 キマイラフューチャー世界に突如現れ、平穏を奪っていくその様はキマイラ達にとっての恐怖の象徴としか言いようがない。
 だが、今回『も』ツーナー達の目的は安西九郎・来伝・ペディアが言っているような『武術』の素晴らしさを教えるとかそういった大層なことではない。
 その目的とは、ペディアと共にツーナー達を追いかけてくる猫から逃れる事である。
「ひいいいぃぃぃ~~許してくれよぉぉッ俺らはただ猫に食べられたくねェだけなんだよぉぉおぉ~~ッ!」
 しかし、その言動に反してツーナー達は泣き叫びながら進行方向にいるキマイラ達を次々となぎ倒していく。
「助けて下さいよォ、ペディアの姉貴ィッ! このままじゃ俺達全員猫に食われちまうよオオォッ!」
「猫がお魚を食べたくなるのは自然の摂理でしょ、仕方ないじゃない。」
 草は土から栄養を吸い取り、その草を草食獣が食べ、その草食獣を肉食獣が食べる、それは自然の摂理としか言いようのないものだ。
 それはこの怪人ツーナー達も同じ。食べないでくれ、殺さないでくれと嘆願し逃げ回った小魚達を何も考えず、それが当然と食べていたのである。
「ああ、ごめん、ごめんよおオォォッ今まで俺が食べていたお魚さんッ! ペ、ペディアの姉貴ィッ! お願いだ、助けてくれよおッ、もう二度と魚は口にしねェ、プランクトンも口にしねェ、だから助けてくれ! お願いだ、この猫たちから助けてくれエェッ~~!」
 だが、安西九郎・来伝・ペディアの口から紡がれたのは残酷な一言だった。
「駄目よ」
「そ、そんなァアァ~~ッ」
「さっきからうるさいのよ! 食べられたくなかったらどこまでも走り続けることね!」
「い、嫌だアアァ! 誰か、誰か助けてくれえッ!」
 それを言いたいのはツーナーになぎ倒されるキマイラ達の方である。

●怪人ツーナーの運命はせツナい
「お前さんら、また『例の奴』が出やがった」
 ココ・ベレスマインズ(強欲な悪徳商人・f05396)は猟兵たちを呼び集める。
「また現れやがったんだよなー、『マグロ怪人ツーナー』が」
 猟兵達はまたか、とお互いに顔を見合わす。
 キマイラフューチャーの世界で、ツーナーの姿を見ない日は殆どない。挙句の果てにはキマイラフューチャーの文化の何もかもがマグロまみれになっていく。
 何故こんなにもツーナーとマグロ文化が事件になるのかはわかない。
 だが事実として再びツーナーは現れた。
「ツーナー共は人の多い繁華街の方向へ向かって爆走しやがってる。もしこいつらを止められなかったら繁華街は大惨事になっちまうからまあ、さっさとやっちゃってくれ」
 そう言うとココは何故か憐れみをもった目で猟兵達を見つめ、グリモアを発生させる。
「まあ、その、なんだ……頑張りな」
 猟兵達は何か『不自然な空気』を感じながらもテレポートに身をゆだねた。
 猟兵たちはキマイラフューチャーへとテレポートする。
 何か、面倒くさそうな奴らから繁華街を守るために。


沙田
 沙田です。『不自然な空気』とはギャグの香りかもしれない。
 読めばわかりますがギャグシナリオに挑戦させていただきました。
 タイトルが寒いのは気にしないでください。趣味です。

 皆様、もとい怖いもの知らずな方のプレイング、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『マグロ怪人ツーナー』

POW   :    止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ   :    水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ベルベナ・ラウンドディー
…こいつら骸の海に還すんじゃなくこの世界で封印できねえのか?…出来ませんか?
投獄とか、延々とコンベア式発電機を走らせるとか色々あるでしょう。
やった傍から涌いていて、これじゃマグロじゃなくてモグラたたきです
疲れました、精神的に…はぁ。


…まず哨戒活動
【情報収集・聴覚】で繁華街の全体図を掴みつつ騒ぎを耳で拾い、接触を期待
【罠使い・時間稼ぎ】…持参の金平糖撒いておきましょう
【空中戦・念動力】…発見次第念動力による空中浮遊で移動し【実体のない刃】で処理します
延々とモグラたたきですね、つまり。


いっそ猫の大量繁殖キャンペーンとか広めてみようかなぁ…
そしたらコイツラのために呼び出される心配とか無いかもなぁ…



「またツーナーか……こいつらにもいい加減飽き飽きしてきたぜ」
 そう言いながらも何だかんだで討伐にやってきたベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)。
 怪人ツーナーがいるであろう場所はすぐにわかった。
 何故なら聞き込みとかそんなことしなくても『助けてえエエェェッ!』という恐らくツーナーであろう絶叫が聞こえ続ける方角があるからだ。
 ベルベナはため息をつきながらもとりあえず耳を研ぎ澄まし、向かっているであろう繁華街と、今ツーナー達がいると思われる間に位置している大きな通りや、万が一のことも考えて細い道や通れそうな路地裏にも金平糖を撒き始める。
「猟兵さん、何してるのー?」
「危ないから少しここから離れてなさいね」
「はーい!」
 金平糖を撒くベルベナの姿を不思議に思ったキマイラ達の子供を追い払うと、ツーナー達の声が近づいてくるのを待つ。
 声が近づくたびに大きくなっていく自らの憂鬱な気持ちと、帰りたい気持ちを抑えながらとりあえず戦闘の準備を始める。
「あー、もうそろそろですかね……」
 ツーナー達の第一陣を確認したベルベナはとりあえず念動力で自分の身体を浮かして金平糖が撒かれている道の上に陣取る。
「助けてくれェ、死にたくねえよオオォォッ! そこをどいてくれエエェッ!」
 ベルベナはその言葉を聞かなかったことにしてユーベルコード『実体の刃』を発動させようとする。その時だった。
「痛ェッ、痛ェよォジョンソン2号の兄貴ィッ!」
 勝手に裸足で金平糖を踏んで派手に転び、もだえ苦しむツーナー。
「我慢だジョンソン1号ッ! どんなに痛くても猫に食われるよりはマシだと……」
 その言葉が発された時、既にジョンソン1号は猫に食われていた。
「ジョンソン1号オオォォーーーッ!」
 2号と呼ばれたツーナーは絶叫すると、目の前の光景に呆れかえっている猟兵、もといベルベナを視認する。
「貴様か、貴様だなッ! このいびツナ形をした踏むと痛い罠をしかけていたのはッ! ひれツナ、なんてひれツナ奴なんだッ!」
「いや、知らないですし。というか金平糖知らないんですか」
「黙れ、悪党ッ! このジョンソン2号が成敗してくれるッ!」
 許さんッと叫び、襲い掛かってきた2号。
 だが次の瞬間にはマグロの刺身と化していた。
「『見えませんか?』……まあ、もう聞こえてないでしょうが」
「1号ッ! 2号ッ!」
 するとまた声が近づいてくる。今度は路地裏からだ。
「こ、このジョンソン3号がついていながらも……許してくれッ弟たちよォーッ! お前たちの命のバトンはこの俺がツナぐからなアァーッ!」
 恐らく3号という名前であろうツーナーはおんおんと泣き始める。
そしてその場で勝手に泣き崩れ、勝手に後ろから追いかけてきていた猫に食われて撃退された。
 というかこいつら2号とか3号とかの名前の方が兄だったのか? 普通数字の若い方が兄ではないのか? それとも一緒に生まれたのか?
 そんなモヤモヤした気持ちを抱えながらもベルベナは怪人ツーナーの第一陣を撃破したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロ・ネコノ
本当に良くみるよねマグロ怪人…、まあ被害が増える前に片付けてしまおうか。

【演算射ち】[地形の利用][スナイパー][2回攻撃][時間稼ぎ]
怪人が繁華街に向かうまでの道の中で長い直線的な道を選んで待機。
姿が見えたら【演算射ち】で射続けよう。
とりあえず時間を稼ぐだけで猫がなんとかしてくれるんじゃないかな。
…いつも思うんだけど、あれ頭以外ただの筋肉だよね?



 この世界でツーナーが走らない日がそもそもあるのだろうか。
 そう思わされるくらいの頻度で出現するツーナーに少し呆れを感じながらもクロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)はキマイラたちの世界に降り立った。
「さてさて、何か道がわかるものはないかなー?」
 クロは辺りを見回すと、丁度いいところに『ぼくらのまちへようこそ!』という大きな文字と共に周辺一帯の大まかな地図が貼られている掲示板を見つける。
 ぼくらのまちへようこそ。
 できればこの町に来たくなかったであろう、クロの気持ちと相反する言葉である。
 とりあえずその言葉は無視して地図を見ると、親切なことに恐らくツーナーたちが向かっている先であろう繁華街らしき場所の絵が地図中心に描かれている。
 繁華街の位置を確認した丁度その時、『助けてエェッ!』という言葉がクロの猫耳に飛び込んでくる。
 聞こえてくる方角からおおよその検討をつけ、繁華街とツーナーの間に位置する場所の中ではおそらく一番直線的かつ長い道であろう、地図に描かれている道の繁華街側にクロは移動した。
「助けてくれエエェッ! まだ死にたくねェよオオォォーッ!」
 目的の位置に到着した時、丁度その叫びと同時にツーナーがその姿を現す。
 そしてその後ろから迫る猫の姿を見て、クロはロングボウを構える。
「まあ、足止めするだけでいいかな……」
そう呟くと、クロはユーベルコード『演算射ち(カルキュレーション・シュート)』を発動する。
『しっかり狙って、外さないよ!』
 そして放たれた二本の矢は先頭のツーナーの両膝を貫く。
 膝を貫かれたツーナーは地面に転がり、絶叫をあげながら猫に食べられてしまう。
「ジェイムズ4号の兄貴がやられちまったよ、3号の兄貴ッ!」
「落ち着け、2号! 4号の兄貴の犠牲を無駄にするなッ!」
 先ほどのジョンソン三兄弟と同じく数字が若い方が年下のようだ。
 相変わらず謎の命名基準である。
「3号の兄貴ッ、ここは俺に任せてくれ!」
「危険だ、1号!」
 前に出ようとする1号をジェイムズ2号が制止しようとする、が。
「あいツナら、もしかしたらこの状況をどうにかしてくれるかもしれん!」
「しかし、失敗したらそれはマァグロい事にッ」
 そんな2人の言葉を気にもせず、1号は水鉄砲を前方に発射し、その上をうつぶせの姿勢になって足で地面を蹴り、滑っていく。
「そうか、あの姿勢なら……」
「膝をやられることはないッ! 流石ツーナーきっての秀才だ!」
 だが、その秀才は脳天をクロの矢に貫かれ絶命した。
 ついでに2号と3号も水浸しの地面で滑って転び、動きを止めてしまった。
 そしてそのまま1号と2号は猫たちに頭から食べられてしまう。
「くっ、これで全滅か……さすが猟兵だ、敵ながら見事な作戦だったぞッ!」
 高笑いをあげながら1号と2号を食べ終わった猫たちにその身を食べられる3号。
 見事な作戦というか、ほとんど勝手に自滅しただけじゃないのかな?
 そもそもマグロの頭に人間の身体をしたツーナーの骨格はどうなってるんだろ?
 そんな素朴な疑問を抱えながらも、クロは第二陣を撃破したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラザロ・マリーノ
まあ、オブリビオンを撲滅できないのは解ってるんだが…なんでいつもマグロなんだよ!
サバとか!アジとか!サンマとか!もうちょっとなんかあるだろ!バリエーションが!!
と愚痴ってもしょうがねえ、手早く片付けるか。鮮度が落ちる前に。

その辺の看板やごみ箱で作った簡易なバリケードで進路をいくつか塞いでおき、俺が待機している場所に誘導する(【戦闘知識】【地形の利用】【おびき寄せ】【時間稼ぎ】)。

連中が来たら、UC「極限の領域」を攻撃力重視で発動。
ハルバードに火炎を纏わせて、まとめて片づけるぜ(【怪力】【なぎ払い】【属性攻撃】)。

おとなしく焼きマグロになりやがれ!!

※アドリブ・連携歓迎



 オブリビオンは例え撃破しても骸の海に還るだけであり、再びその姿を現す。
 わかってはいる、わかってはいるのだが。
「完全に撲滅できねえのはわかってるんだが、なあ……」
 ため息をつきながらも、小さなドラゴンと共にこの世界に現れたラザロ・マリーノ(竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)。
 転移した先はちょうど公園の近くだった。
 公園の前に設置されていた掲示板にある周辺の地図を確認していると、遠くからツーナーの悲鳴が聞こえる。
 地図に書いてある現在地と、ツーナーの声が聞こえた方角。
 そして繁華街の絵が描かれた場所。
 この地図によると、この公園周辺を通らなければツーナーたちは最短距離で繁華街に辿りつくことは出来ないようだ。
 もちろんツーナーたち自身は繁華街を目的地としているわけではないが、主犯格である安西九郎・来伝・ペディアは猫を引き連れ繁華街に追い立てている、はず。
 そう思ったラザロは公園横の大通りに誘導するため、公園周辺に存在するそれ以外の小さな道に簡易的なバリケードを作り始める。
 材料は公園の周辺や路地裏にあるゴミ箱や、打ち捨てられた看板等だ。
 バリケードを作るために公園内も往来するラザロ。
 その時ふと、ツーナーが再び現れたことを知らないであろう、公園のベンチで一人のんびりと弁当を食べているキマイラの姿を見つけた。
 美味しそうに食べているのは焼鮭。
 そんな姿を見たラザロはふと思った。
 なんでサバでも、アジでも、ましてやサンマではなくマグロばかり現れるのだろう、と。そんなことを考えているとツーナーの叫び声が近づいてくる。
 もやもやした気持ちを抱えながら公園横の大通りに陣取り、一緒にいた小型のドラゴンをハルバードに変形させ、それを構える。
 前方に現れたのは五人のツーナー……いや、よくみると後ろにもう一人ツーナーが遅れて走ってきている。
「1号、大丈夫かッ! スピードが落ちてきているぞ!」
「大丈夫だよ、ジャクソン5号の兄貴! 僕のことは気にしないでくれッ!」
 どうやらジョンソン三兄弟、ジェイムズ四兄弟に続いて今度はジャクソン五兄弟であるようだ。
「前方に猟兵を確認したぞ5号の兄貴ッ!」
「ようし、2号、3号、4号! A、B、C、のタイミングで攻撃するぞッ!」
「なんで1、2、3じゃねえんだよっ! 分かり辛くねえか!?」
 思わずツッコミを入れてしまうラザロに向かって突っ込んでくる2号から5号。
「と、とりあえず……『いくぜ!俺の全開!!』」
 ユーベルコード『極限の領域』を発動させ、自身の力を強化するラザロ。
 そしてハルバードに炎を纏わせ、正面に来た四人のツーナーを全員薙ぎ切る。
「い、一気にやられた……それも一気にフォー!」
「お前もさっさと来な。焼きマグロにしてやるぜ!」
 恐怖のあまりその場で固まってしまう1号。
「どうした? 鮮度が落ちる前にさっさとかかってきな!」
「……兄貴たちの仇めッ!」
 そして1号はラザロに向かって凄まじい勢いの水鉄砲を吹き付け、踏ん張るあまり凄まじく前のめりの姿勢になってしまう。
 だが水鉄砲は回避され、動きを止めた1号はそのまま猫に食べられてしまう。
 一瞬ではあるが戦闘の才能の片鱗を見せた1号。
 もし成長していたらキング・オブ・ツーナーとなっていたかもしれない。
「一体なんなんだ、マグロ怪人って……」
 そんなことは知らないラザロは撃退したマグロ怪人たちを見て再び考える。
 なんでマグロ以外の怪人は存在しないんだ、と。
 こうして第三陣も撃破されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃
ま た お 前 ら か
あたしの平和な休みを潰しやがって許さんぞ!

なんてゆーかもー困ったね?
とりあえず声が向かってくる方向で待ち構えますか
【第六感】【見切り】で次の行動を予測
動線を遮るように【スライディング】滑り込み
からのUC発動

『猫から逃げるな』

これだけの簡単なお仕事です
え?まだ逃げる?
鎖の捕縛でも試みましょうかね
攻撃してくるなら【武器受け】からの【カウンター】しますよ
一応常時【オーラ防御】しておこうか

オブリビオンって猫のご飯になるのかなあ……
ていうか美味しいの?
美味しそうには見えないんだけどなあ……



「また、お前たちをどうにかしなくちゃいけないんだな……」
 道の向こう側から悲鳴をあげながら走ってくるツーナーたちを見て、鈴木・志乃(ブラック・f12101)はため息をつく。
 無理もない。本来、今日は休日であったはずなのに、突如として出現したツーナーたちに潰されてしまったのだから。
「折角の貴重な休みの時間を。貴重な、休みを! 潰しやがって!」
 怒りに燃える志乃はツーナーの集団に向かって走り出す。
 そんな志乃を無視して突っ込んでくるツーナーたち。
「そこをどけエェッ! さっきそこの肉屋にあったトンカツナらやるからよォッ!」
 その言葉を無視し、ツーナーの動きを見切って間をすり抜けるように滑り込み、ユーベルコードを発動させる。
「いらんわ、そんなもん! とにかく『猫から逃げるな』! 『これ以上の狼藉は許されません』からな!」
 ユーベルコード『女神の法律』。
 宣告された命令は『猫から逃げるな』。
 要するにツーナーたちにとっては『その場で立ち止まって猫に食われろ』と言われたようなものだ。
「ギャアアアッ! 足が、足がつった!」
 ユーベルコードによって発せられた聖者のオーラが命中し、足を痙攣させるツーナーたち。だが丁度、他のツーナーが盾になった形で運よくオーラが命中しなかった個体のツーナーたちもいた。
「ハァ、ハァ、おお、ジョナサン1号じゃねえか。無事だったのか!」
「ジョセフのところの2号か! このまま一緒に逃げよう!」
 後ろで足を痙攣させながら猫に食べられるツーナーたちをあきらめ、そのまま走り続けようとする二人。
 だがそんな二人の首に急に長い鎖が巻き付く。
 何とか脱出しようと鎖を掴んでもがく二人だが、聖者の光を吸い込んだ鎖は外れる気配がない。
「まさかこんなのに光の鎖を使う時が来るなんてな……生臭くならないといいけど」
 ゆっくりと近づいてくる志乃を見て恐怖する二人。
 だが、黙ってやられるツーナーではなかった。
「ま、待ってくれ、ジョナサン1号と一緒に大人しく食べられるッ! だから……」
 2号は1号に目配せすると、反転して攻撃をしかける。
「今は、1号との攻撃でしばらくノビててもらうぜッ!」
「2号、一緒に刻むぞ! 鮮度のビートッ!」
 ユーベルコード『止められない止まれない』を発動し、殴りかかる。
 だが、あっさりと片足で受け止められた。
「くツナんてもので俺らの攻撃を受け止めるなんてッ!」
「クッ、今の僕らでは力不足のようだ、2号!」
 一応、オーラをまとった上に色々と魔法のかかってる靴なのだが。
 どうやら、勝手に普通の靴で攻撃を受け止められたと勘違いしたようだ。
「手間かけさせやがって……ほれ、ご飯の時間だぞ」
 後ろにいたツーナーを食べ終わった猫たちが二人の元に迫る。
 首に巻き付いた鎖によって逃げる事も出来ず、二人は悲鳴をあげながら猫に食べられていく。
 そんな光景を見ながら志乃は思った。
 猫が食べると言うことは、ツーナーは人間の身体のように見える部分も普通のマグロの赤身のようになっていて食べられるのだろうか、と。
 一瞬、試しに一口食べてみようかと思ったが、汗臭そうな身体と生臭そうな頭を見て志乃はその考えを振り払う。
 そんな味に関する謎を残しつつも、志乃は第四陣を撃破したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最上・空
マグロ退治に美幼女が参上です!

不自然な空気ですか……閃きました!

空はバナナを大量に持ち込み、先回りして繁華街の近くに陣取り、周囲のキマイラさん達に猟兵である事を明かし、バナナを食べるのを手伝って貰い、皮を怪人さん達の進行ルートに設置しますよ!

この空気なら、きっと全力でバナナの皮で滑って転んでくれそうですし、転んだ後は猫さん達にお任せですね! ちなみに、撃ち漏らしが居るようなら、【ウィザード・ミサイル】を「高速詠唱5」で連射してサクっと退治ですよ。

「マグロ怪人はバナナの皮で滅びましたよ!」
「さぁ! 皆さん! 今なら美幼女の勝利シーンが撮影し放題ですよ♪」

※アドリブ&まとめご自由に



 場所は繁華街の目の前。
 そこにバナナがいっぱいに入ったカゴを抱える美少女、もとい美幼女こと最上・空(美幼女・f11851)はいた。
 別に好物だからというわけではない。彼女には妙案があったからだ。
 通常であれば失敗するかもしれないが、この『不自然な空気』の中だったらおそらく成功するであろう作戦。それは。
「みなさーん! バナナはいりませんかー、猟兵がくばる美味しいバナナはいりませんかー!」
 猟兵、その名はキマイラたちのヒーローの証。
 またたく間に空の周りにはキマイラたちが殺到し、バナナを次々と持っていく。
 バナナをとれそうにない、と判断し、スマートフォンを掲げ遠巻きに空を撮影するキマイラもいる。
 まさに有名人といった感じの反応に少しにやける空。
「食べたあとのバナナの皮はこちらのバケツにお願いしまーす!」
「美味しかったー、ありがとう猟兵さん!」
「食べ終わって残った皮まで回収してくれるなんて、なんて律儀なんだ!」
「ウホッ、美味しかったウホ」
「皮はここにいれればいいのね? わざわざありがとう、猟兵さん!」
 それぞれお礼の言葉と共にバナナの皮をバケツに入れていくキマイラたち。
「みなさん、ご協力ありがとうございましたっ!」
 そして空はバナナの皮を入れたバケツを持ち。
「えいっ!」
 そのまま道にバナナの皮をバラまいた。
 どうしたの、猟兵さん。そんな言葉をキマイラたちが発する前にツーナー達が道の向こう側から現れる。
 ツーナーの姿を見て物陰に隠れたり、逃げたり、その場に呆然と立ち尽くしたりするキマイラたち。
 迫りくるツーナー。少し下がり、立ち塞がる空。
 そして空の作戦通り殆どのツーナーがバナナの皮で滑ってその場で転び、そのまま猫に食われていく。
 だが、運よくバナナの皮を踏まずに済んだツーナーたちがまだ残っていた。
「こんなきばツナ作戦に我らがやられるとは……こんな、こんな」
「あきらめるな、ジャック7号! 我々にはまだ希望がある!」
「ま、まさか!」
 その言葉と共に、バナナの皮を一回転しながら飛び越え、空の前に現れた一人の黒っぽいツーナーが現れる。
「そうか、しゅばるつ! しゅばるツナら……!」
「しゅばるツナらきっと勝つ! いや、猟兵に勝ツナらあいつしかいない!」
 明らかに今食べられているツーナーたちとは雰囲気も色も違うツーナー。
 名前はどうやら『しゅばるつ』というようだ。
「面白いですね。この空にふさわしい相手なのか試させてもらいますよっ!」
 美幼女ロッドを取り出し、ユーベルコード『ウィザード・ミサイル』により炎の矢を放つ空。
 だが、放たれた炎の矢を的確に水鉄砲で狙いうち、消火してしまう『しゅばるつ』。
「見たか、猟兵。お前の命の蝋燭の火も今の炎と同じように……」
 だが、『しゅばるつ』が目を向けた先には既に空の姿は無かった。
「隙あり、ですよっ!」
 美幼女力を消費し、空中に浮かぶ美幼女ブル-ムという名のほうきに乗って空に浮かんでいる空を『しゅばるつ』が見上げた時、既に炎の矢は『しゅばるつ』に放たれていた。
 間に合わない。
 そう判断した『しゅばるつ』は防御の姿勢をとることもなく、その炎の矢に身を焼かれていく。
「ふふ、なんだ……強い敵に負けるというのも、案外、おツナものだな……」
 こうして焼きマグロと化した『しゅばるつ』は少し冷めた後、その身を猫たちに食べられた。
「そ、そんな……『しゅばるつ』がやられるなんて」
「これがげんじツナんて、信じられない……」
 バナナで転ばず、物陰に隠れて『しゅばるつ』と空の戦いを見ていたツーナーたちは絶望した。
「あきらめよう、ジェイク8号。『しゅばるつ』が負けるやツナんかに勝てるわけがない」
「ああ、そうだな。ジャック7号。俺たちにあんな、げきれツナ戦いはできない」
 観念し、その身を猫に差し出す二人。
 そしてこの二人を最後に、ツーナーたちの大集団は全滅した。
「さあ、皆さん、マグロ怪人は皆さんの食べたバナナの皮で滅びました! この勝利は皆さんのおかげでもあるんですよっ!」
 そして、と言うと空は決めポーズをとる。
「皆さん! 今なら美幼女の勝利シーンが撮影し放題、ご希望の方には握手のサービスもしちゃいますっ!」
 歓声をあげ、再び空の周りに人だかりができた。
 そしてキマイラたちはマナーを守り、しっかり通常のアングルでスマートフォンを構え、撮影をし始める。
 握手を求めるキマイラにも笑顔で握手する空。
 マグロ怪人ツーナーとの戦いは、いつの間にか美幼女撮影会兼握手会に変わっていた。
 だが、まだ戦いは終わっていない。
 今回の事件の黒幕である安西九郎・来伝・ペディアがすぐそこまで迫っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『安西九郎・来伝・ペディア』

POW   :    これぞ明代の武将、天仁須(てにす)の爆炎投法よ!
【テニスラケット】から【球状の爆弾】を放ち、【着弾時の爆発】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    これぞ宋の侠客、春空琉(はる・くうる)の斬撃走法
自身に【謎の魔力】をまとい、高速移動と【移動の際の衝撃派】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    あれは○○闘法!知っている(つもりな)のか来伝!
対象のユーベルコードを防御すると、それを【亜行参紗行伍のページに写し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠水貝・雁之助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「せっかく『武術』の素晴らしさを伝えようと思ったのに……!」
 ぷくっと頬を膨らませ、怒りの声をあげる安西九郎・来伝・ペディア。
「あなたたちが思っているよりも、案外苦労したのよ、私。ツーナーたちを一か所に集めるのだって時間がかかったし、追い立てる猫たちだってノラ猫を一匹ずつ虫網で捕獲して集めたんだから!」
 どうやら変なところで労力を使っていたようだ。
 ペディアは猟兵たちを睨み付ける。
「私の努力を踏みにじったこと、絶対、ぜえーったいに許さないからねッ!」
 猟兵たちにとっては八つ当たりもいいところだ。
 ペディアは言いたいことを言い切って落ち着いたのか、コホンと咳ばらいをする。
 そして『武術』の構えをとり、猟兵たちに向かって話を続ける。
「まあ良いわ。丁度ここにはキマイラたちも大勢いるみたいだし、『武術』の素晴らしさを、キマイラたちに……あなたたち猟兵を倒して証明するわ!」
 こうして微妙な空気の中、安西九郎・来伝・ペディアとの戦いは幕を開けた。
鈴木・志乃
(ぷちん)

【目立たない】場所でUC発動
ドローンのステルス機能オン
タグは猟兵、ヒーロー、歌ってみた、怪人討伐動画あたりかな

【礼儀作法】【コミュ力】を尽くして詠唱文句を画面の前の貴方へ
オラトリオの羽を展開して、敵の前に現れますか【パフォ】

【歌唱】の【衝撃波】でガンガン敵を攻撃
歌うのはこの世界でバズッてる男性ボーカルの曲と
神曲と言われるバトル系アニメのOP【コミュ力】
転調なしで、声量をフルに活用して歌い上げるよ
これで敵も視聴者の意識も【誘惑】してやる

攻撃は鎖で【武器受け】し【カウンター】を狙う
【見切り】【第六感】【スライディング】で格好良く回避ムーヴ【パフォ】
常時【オーラ防御】発動



「さあ、猟兵よ、ちゃっちゃとかかってきなさい! それとも私の『武術』が恐ろしくて、ビビって逃げちゃったのかしら?」
 勝手なことを言ってニヤつきながら、ふふんと鼻をならすペディア。
 だが、ペディアが気付いていないだけで既に近くの物陰にはキマイラに紛れてある一人の猟兵、鈴木・志乃(ブラック・f12101)がいた。
 そして志乃は鬼の形相でペディアを睨みつけている。
「あいつか、あたしの貴重な休日を潰した元凶は……」
 志乃はステルス機能付き動画撮影ドローンを召喚する。
「よーし、生放送で……タグは猟兵、ヒーロー、歌ってみた、怪人討伐動画あたりでもつけてロックしておけば、あとは見てくれた人たちが何かいいタグつけてくれるだろ、よし」
 そして深呼吸をし、自分を落ち着けさせると、生放送を開始する。
 さっきまで鬼の形相であったが、そこはプロの動画配信者『ブラック』である。
 そこには、いつも通りの顔の配信者ブラックがいた。
「『猟兵配信者のブラックです。今から怪人を倒しに行きます。皆の力をかして!』」
 ユーベルコード『CHIMERA FUTURE(キセキヲヨブキマイラタチ)』を配信を見始めた人たちへの挨拶もかねて発動させる志乃。
「はーっはっはっは! 頼みの綱の猟兵は一人もいないみたいね。さあ、キマイラたち。猟兵の代わりに今からお前たちの身に直接、『武術』の素晴らしさを叩き込んであげるわ!」
「お待ちなさい」
 どんどん調子にのっていくペディアの前に、天使の翼をはためかせながら舞い降りる一人の猟兵、志乃が空から現れた。
「えー、では。猟兵、ブラック。歌います」
「なに、あなた猟兵なの! 丁度いいわ、『武術』の素晴らしさを……」
 ペディアの言葉を無視して、歌い始める志乃。
 歌うのは今この世界で流行っている、少し昔を思わせるような古臭さを感じさせつつも、そのノリの良さと、何回か聞くとずっと聞いていたくなる中毒性がキマイラたちのハートを鷲掴みにした名曲だ。
 男性ボーカルではあるが、転調なしで見事に歌い上げていく志乃。
 オレンジ色のヘッドセットマイク……ではなく夜明けの歌という名の蒸気機関式拡声器こと、シンフォニックデバイスがその声を更に大きくし、辺り一帯に響かせる。
 デバイスで強化された歌声はそのまま衝撃波となり、ペディアに飛んでいく。
「カモン、ベイビー! 猟兵の姿真似し……あっ」
 つい戦闘中である事を忘れ、ノリノリでキマイラたちと一緒に踊り狂っていたところに衝撃波は直撃し、そのままペディアを吹き飛ばし、地面に転がす。
 怪人を吹き飛ばした上に、素晴らしい生歌まで聞かせてくれた志乃に対し、キマイラたちから歓声があがる。
「おのれー、こざかしい真似を! とりあえず曲が終わった今がチャンス!」
 吹き飛ばされたペディアはすぐに立ち上がり、テニスラケットを持ち、ユーベルコードを発動させる。
「『これぞ明代の武将、天仁須(てにす)の爆炎投法よ!』」
 ラケットから球状の爆弾を放つペディア。
「街を守るその姿、怪人を屠る猟兵(イェーガー)!」
 だが、第二曲に突入し、再び大歓声があがる。
 またも男性ボーカルだが、転調なしで歌い上げるその声域と、本家よりも凄まじいのではないかと思わされるその声量は驚異的といわざるを得ない。
 そして志乃は歌いながらも聖者の光を吸い込んだ長い鎖、光の鎖をそのまま前方に振るい、爆弾に命中させる。
 衝撃を感知した爆弾は誰も傷つけることなく、空中で爆発した。
「なっ、天仁須を防ぐとは……まさか、伝説の配信者ホワイトね?」
 ブラックだ阿呆。
 内心そんなことを思いながらも爆発の下をスライディングでくぐり、再びペディアの前に躍り出る志乃。
 そして思い切り息を吸い、曲のサビを思い切り歌う。
「街の中で怪人を貫く、緋色の弓矢!」
 再び衝撃波が発せられ、今度はビルの壁に叩きつけられるペディア。
 倒せてはいないようだが、うめき声をあげて呆然とした顔をしている。
 怪人を一時的にではあるが無力化し、素晴らしい歌まで聞かせてくれた志乃こと、配信者ブラックに沸き立つキマイラたち。
「さて、放送の方はどうだったかな」
 ドローンを呼び戻し、生放送の記録を確認する志乃。
 生放送の方も来場者数は当然のようにミリオン達成、ダブルミリオン達成まではいかなかったが、それでも驚異的な人数だ。
 そしてブラックの生放送には、タグが付け足されていた。
 『歌ってみた伝説入り』『多声類』『性別が迷子』そして。
 『キマイラフューチャーの英雄』。
 そんなタグたちを見て、休みを潰してでも戦った甲斐が少しはあったなあ、と微笑む志乃であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロ・ネコノ
今回の元凶かな、変なもの広められると困るから、キマイラ達が興味を持たないようにしっかり対処して見せようか。
まずは一定の距離を保ちながら矢で攻撃していこう。
相手が爆弾を飛ばしてくるなら矢で射落とす、近接攻撃なら【ゴム体質】で体を曲げたり縮めたりで回避かな。
あとは相手に隙が出来たタイミングに【ゴム梱包】で相手に巻きつく事で動きを封じて、
伸ばした体が元に戻る伸縮性を利用してコマのように回転させながら投げ飛ばそう。



「うう、不覚をとったわ……まさか、あんなに私の心を魅了する程の歌声を持つものがいるとは思わなかったわ」
 よろめきながらも改めて『武術』の構えをとるペディア。
 そんなペディアに向かって突如として矢が飛んでくる。
「やだ、危ない!」
 何とか矢を掴み、すんでのところで攻撃を防ぐ。
「やっぱり何だかんだ言ってもオブリビオンだねー、常人なら矢を掴むなんて芸当できないもん」
 矢の放たれた方向を見ると、そこにはロングボウを構えたクロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)がいた。
「そ、そう? やっぱ私ってすごいの?」
「いや、別にあなた個人がすごいわけじゃないと思う」
「なんですって……私、すごくないの……」
 勝手に調子にのって、勝手にがっかりするペディア。
「はっ、これは精神攻撃……つまりユーベルコード、あなた猟兵ね! いきなりユーベルコード使うなんてズルイ!」
「いや、今のは別にユーベルコードでもなくてただの感想なんだけどね……」
「問答無用!『これぞ明代の武将、天仁須(てにす)の爆炎投法よ!』」
 その上今度は勝手に勘違いして逆ギレし、テニスラケットを取り出してそのまま球状の爆弾をクロに向かって放つ。
 が、あっさりと爆弾はクロの放つ矢に射ぬかれ、爆弾は空中でそのまま爆発した。
「遠距離からの攻撃は駄目……ならば、『これぞ宋の侠客、春空琉(はる・くうる)の斬撃走法』! 近接戦闘の『武術』なら結構自信があるのよ!」
 ペディアは謎の魔力をその身にまとい、衝撃波を放ちながら一気にクロに近づいてくる。衝撃波は周囲のキマイラたちを吹き飛ばしていく。
「はーはっはっは! あなたも吹き飛ばされちゃいなさい!」
 そして至近距離まで接近されたクロは、というかクロの身体は。
 衝撃波を受けてうにょーんと伸び、薄い布のようになっていた。
 ユーベルコード『ゴム体質(エラスティックボディ)』によるものである。
「『面白い体質だろう?』そして!」
 そのままゴムのように身体は縮み、衝撃波の放たれた方向であるペディアの方に身体が伸びる。
「『これなら動けないだろう?』」
 ユーベルコード『ゴム梱包(ゴムパッキング)』によって、ゴムのように伸び縮みする身体がくるくるとペディアに巻き付いていく。
「ま、巻き付かれたくらいで何だっていうのよ!」
「まあまあ、そんなこと言わずに。ところで……遊園地のコーヒーカップって遊具を知ってるかな?」
「知ってるわよ。私、ジェットコースターよりああいうのが好きね」
「そう、それならよかった」
 クロは足を軸に、伸縮する身体をその場でペディアごとコマのように回転させ始める。
「ま、待って、これは」
「待たないよ」
 そのまま振り回されたペディアは遠心力によって吹き飛ばされていく。
「回転ブランコとかそういう奴じゃないのよおぉっ!」
 そのまま空中を舞うペディア。
「おお、結構な飛距離じゃない?」
 星になったとまでは言わないまでも、かなりの距離を飛んでいくペディア。
 着地した先はゴミ捨て場。
 そこにあったゴミ箱に頭から突っ込んだ。
「あらら、御愁傷さまだね……」
 燃えるゴミは月・水・金。
 燃えたり燃えなかったりするオブリビオンは、猟兵さんに頼んで骸の海に捨ててもらいましょう。
 キマイラフューチャー廃棄物処理協会より。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最上・空
撮影会兼握手会を終え美幼女が帰還しましたよ!

怪人さんの武術に関する蘊蓄とか聞いたり、どんな流派? 戦う前に軽く演舞でも見せて!っと相手をおだてて、その隙に周辺の地面に「属性攻撃6」&「衝撃波8」で氷を発生させツルツルにしておきます!

大丈夫です! 依然として不自然な空気は漂っているので、きっと気が付かないでしょうし、盛大に氷で転倒してくれる筈です!

その後は、定期的に氷を発生させツルツル状態を維持しながら、適当に煽ったりして精神攻撃を行い、後は【ウィザード・ミサイル】を「高速詠唱5」で連射して手数で圧倒しますよ!

防御態勢を取ったら、UCは止めて相手の転倒待ちですね!

※アドリブ&まとめご自由に



「美幼女、帰還しました!」
 撮影会兼握手会を終えた最上・空(美幼女・f11851)。
 だが、そこにペディアの姿は無い。
「あれ、オブリビオンさんがいませんね……」
 キョロキョロと辺りを見回す空に、キマイラたちがあれです、あれ、と指さす。
 そこには足の生えたゴミ箱、ではなくゴミ箱に頭から突っ込んだペディアがゴミ箱から脱出しようともがいてゴロゴロ転がっていた。
「もう、仕方ないですね。敵とはいえ、このまま戦っては美幼女の名折れ。この空が助けてあげましょう!」
 そういうと空は足でゴミ箱を踏み、固定する。
 固定されたことでパニックが収まったのか、それとも引っかかってたところが丁度外れたのか、ふんっという言葉と共にペディアの身体がゴミ箱からすぽん、と出てきた。
 ちなみにペディアの頭にはバナナの皮が帽子のように乗っている。
「だ、誰かはわからないけど助けてくれてありがとう……窒息死するかと思ったわ」
「いえいえ、私はただの通りすがりの美幼女ですよ」
 疑いの眼差しを向けるペディアだったが、ある言葉によってあっさりと警戒を解いてしまう。
「私、『武術』っていうのにすっごく興味があるんです! 少し教えてもらえないかなあ、と思ってまして!」
 『武術』を教えて。
 その言葉を噛みしめ、感動の涙を流すペディア。
「いいわ、2から6まで教えてあげる!」
「1から10までじゃないんですね」
 空の言葉を無視して話を続ける。
「そもそも『武術』の成り立ちというものは……」
「ほうほう」
 ペディアの話を聞きながら美幼女ロッドでこっそりと床に音をたてないよう小さく衝撃波を放ち、地面を氷で覆っていく。
「『武術』というのは勘違いされがちだけど決して悪いものではなくて……」
「そうなんですねー」
「ダサいと言われがちだけど実際にはそうではなくて」
「言ってしまえばダサかっこ悪いみたいなものですか?」
「そう、それなのよ!」
 ダサかっこ悪い、と言うのはただの悪口だと思うのだが。
 興奮したペディアはそのことに気づかず言葉を続ける。
「あなた、なかなか話がわかるわね! キマイラの世界にもあなたのような『武術』を理解する素晴らしい人がいるとは思わなかったわ!」
「じゃあ是非とも、実際の『武術』を見てみたいのですが、お願いできますか?」
「わかったわ! じゃあまず一番わかりやすい『殺過亜(さっかあ)』から……」
 無防備に歩き出し、その場でつるんと見事に滑って転び、尻もちをつきながら滑っていくペディアは、そのままビルの壁に激突してしまう。
 そんな姿を見て高笑いをあげる空。
「見事なまでに引っかかりましたね! この美幼女猟兵の作戦に!」
「え、美幼女ショウヘイ?」
「誰ですかショウヘイって! りょ・う・へ・い! 美幼女猟兵! あと私の名前は空です!」
 猟兵。
 その言葉を聞いたとたんにペディアは戦闘態勢をとる。
「おのれ、こんな作戦をとるとは思ってもみなかったわ……猟兵なら容赦はしないわ! 『これぞ明代の武将、天仁須(てにす)の爆炎投法よ!』」
 そのままテニスラケットを持ち、球状の爆弾を放つペディア。
 だがツルツルの足元で思い切りラケットを振って放とうとしたため、その場で転んでしまい、爆弾も放たれることは無くその場に落ちる。
「あ、しまっ」
 そして爆弾の爆発をもろに喰らい、そのまま再度ビルの壁に叩きつけられる。
「あれれ、『武術』ってそんなものなんですか?」
「ち、違うわよ。こんなものじゃないわよ『武術』は! 今日はたまたまコンディションが悪いだけよ!」
「コンディションを整えておけないんですかー?」
「体調はどうにかなっても、天候とかその場の状況とかはどうにも……」
「あらゆる状況に対応できないんですか?」
 空の煽り混じりの質問責めに困惑し、混乱し、わけがわからなくなって泣きそうになるペディア。
 そして完全に戦闘態勢を解いてしまったペディアに向かって、空はユーベルコード『ウィザード・ミサイル』による炎の矢を放つ。
 ひい、っと声をあげ、避けようと走り出すペディア。
 炎の矢は全て外れたが、そのままツルツルの地面で慌てていたために受け身も取れず、顔から転んでしまう。
 動かなくなったが、まだ生きてはいるのかピクピクと痙攣している。
 流石に同情したのか、ゆっくりと警戒しつつも近づいていく空。
「あ、あのー、大丈夫ですか?」
「……よ」
「えっ?」
「一時撤退よ!」
 そういうとペディアはツルツルの地面を逆に利用し、地面を蹴ってうつ伏せのまま滑りながらその場を去る。
 今日はツーナーといい、ペディアといい、相手を滑らせて倒してばかりだな、と思った空はふと思う。
 今日、自分もどこか別の意味で滑っていたのかもしれないんじゃないかと。
 まるでペンギンのように滑ってその場を去っていくペディアを見て、そんな不安を抱える空であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラザロ・マリーノ
武術の素晴らしさを伝えたいってのは解ったが、その流れにマグロ関係ないんじゃねえの…?

まあ殴り合いは嫌いじゃねえ、付き合ってやるか。
ハルバードを手放して、格闘用ガントレットとグリーヴで戦うぜ。

三角飛びや飛び蹴り等の派手な技を中心にした打撃戦に加えて(【怪力】【ジャンプ】)、
椅子で殴る!高所から落ちる!屋台を壊す!などあらゆるものを利用して戦う(【地形の利用】【ダッシュ】【スライディング】【フェイント】)。

カンフー映画なみのアクションを見せてやるぜ!


ベルベナ・ラウンドディー
…武術の素晴らしさ?そういう目的なら早く言ってください(←伝統芸能が好き
私は戦う気ありません。むしろ味方しましょう
マグロは兎も角その奇麗ナカオチょく刀で串刺しにするのは忍びありませんしね
…なんか伝染った…?





【気合い・恫喝・挑発・殺気・恐怖を与える】
なので外野からペディアを応援…
…しますが私の応援は凶悪フーリガンの野次と罵声とよく言われます!
デカい声出したり
身の振り1つ1つにケチをつけ
お前は武術ナメとんのかと煽り
驚いたりイラついたりでペディアのミスの原因になろうがひたすら応援します!




お前が戦え?おお解ったこうやんだよ!(ユーベルコード)
教えたからな!見えたかわからねえけどちゃんと使いこなせよ! 



「なあベルベナ」
「なんです、ラザロくん」
 ラザロ・マリーノ(竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)とベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)は禁断の言葉を言う。
「『武術』とマグロって何の関係があるんだ?」
「いや、私にはわかりませんね」
 そう。
 『武術』とマグロには一切何のかかわりも無いのである。
「い、いや関係あるでしょ! 何かこう、そう、ツーナーたちは筋肉ムキムキの肉体を持っているわ! 武術を扱ううえで最低限の筋肉は必要でしょ?」
 二人の前に現れたペディアは必死の弁解を始める。
「そりゃ私も途中からちょっと違うかなー、とか思ったけど。でもこう、何か、ムキムキな肉体で爆走する姿は武術に通ずる何かがあるでしょ、ねえ!」
「無いと思うが」
 ばっさりとラザロに否定されるペディア。
「まあまあ、そう気を落とさずに。誰でも間違いはあります」
 フォローをしてくれたベルベナの言葉に、ペディアはぱあっと顔を明るくする。
「そう、間違えちゃったのよ! 誰でもミスはするわ、猿の川流れとかいうでしょ」
 猿は木から落ちるものであって、川に流されていくのは河童ではないのだろうか。
 そんな言葉をぐっと飲み込み、ベルベナはすっとペディアの後ろにまわる。
「え、あれ? ベルベナ、どうしたんだよ」
「いや、実は私……伝統芸能とかそういうのに目が無くて」
 目をそらしながらラザロの言葉に答えるベルベナ。
「それに何か2対1とか卑怯な気がしますし。ペディアさんの綺麗ナカオ、チょくとうで斬るのも何か、可哀想な感じがするんで」
「いや、一体どうしたんだよベルベナ。なんかおかしいぞ」
「今回、私はペディアさんの応援に専念します。もうペディアさんボロボロですし、ラザロくん一人でも大丈夫かなって」
「えぇ……」
 絶句するラザロを尻目に、改めて戦闘態勢をとるペディア。
 味方を得たためか、その顔はどことなく嬉しそうだ。
「そういうことよ、えーっと、ラザロとか言ったわね。1対1で勝負よ!」
「はあ、仕方ねえ……まあいいか。ただお互いに武器は無しな」
 ラザロはハルバードをドラゴンに戻し、この場から少し離れさせる。
「殴り合いは嫌いじゃねえんだ」
 ラザロは格闘用のガントレットとグリーヴをそれぞれ手と足に装備する。
「奇遇ね、私も拳を使った『武術』は好きよ」
 お互いに準備を終えると、二人の戦いは始まった。
 だが、ラザロも忘れていたがペディアの『武術』の知識は間違ったものだ。
 ラザロが小手調べに腹に向かってストレートを打つと、ガードも何もせずただ悲鳴をあげて縮こまっただけだった。
 勿論、まともにガードもしていない所にストレートを喰らったのだ。
 腹を押さえ、その場でうずくまるペディア。
「オラ、何やってんだよペディアさんよオ! 『武術』に自信があるんじゃねえのかよ、オォン?」
 そんなペディアに追い打ちをするかのように罵声を浴びせるベルベナ。
「ね、ねえベルベナ。あなた私の味方じゃ……」
「うるせえんだよ! とっととマトモな戦い見せろバカ野郎!」
 先ほどまでの丁寧な物腰と言葉遣いとはまるで別人なベルベナに恐怖を覚え、震え始めるペディア。
「よそ見してる暇はねえぜ!」
 ラザロはビルに向かって飛び、ビルの壁を蹴ってベルベナの方を向いて固まっているペディアに高所から蹴りを喰らわす。
 蹴りをもろに喰らい、肩を押さえるペディア。
「オラ、何やってんだよ! お前も似たような技使って戦えよ!」
 再び罵声を浴びせるベルベナ。
「え、あ、あの……こう?」
 ペディアはビルに向かって跳ねると、足でビルを蹴ってそのまま元の位置に戻る。
「元の位置に戻ってんじゃねえか! 『武術』ナメてんのかお前!」
「え、えっと……だってやり方わからなくって……」
「お取込み中のところ悪いが、『最速で行かせてもらうぜ!』」
 ユーベルコード『風の理(カゼノコトワリ)』を発動したラザロは、ベルベナの方を向いて隙だらけだったペディアを掴み、空中を蹴って高所へ移動する。そしてそのままペディアを下に向けて、たまたまそこにあった屋台に向けて落ちる。
 屋台は全壊、ペディアも屋台がクッションになったお陰で致命傷は免れたが、その姿はまさに満身創痍といったところだ。
「休む暇なんて与えねえよ!」
 そしてラザロはその屋台のものであろう椅子を掴み、ペディアを殴りつける。
「痛い、ちょっ、痛い!」
「お前も同じように椅子かなんか持って戦うんだよ、ペディアさんよォ!」
 涙目になりながら同じく屋台のものであろう椅子を掴むペディア。
 だがペディアが殴りかかる前にラザロが自慢の怪力をいかし、素早く何度も何度もペディアに向けて椅子で殴りつける攻撃を続ける。
「あ、ラザロさん。ちょっといいですか」
「なんだよ、ベルベナ」
 ベルベナはラザロに攻撃を止めるよう言うと、ペディアの襟首をつかみラザロから少し離れた位置に無理やり移動させる。
「まったく、ここまで戦えねえやつだとは思ってもいなかったぜ」
「ご、ごめんなさい。ね、ねえ、ベルベナ……お願いだから、代わりに戦ってもらえないかしら。あなたなら多分、い、いえ多分じゃなくて絶対勝てるわ!」
 チ、と舌打ちをするベルベナに怯えの表情を見せるペディア。
 だが、ベルベナはそんなペディアに更なる追い打ちをかけていく。
「今からお前に俺のユーベルコード教えるから。それ使って戦えよ」
「え?」
「聞こえなかったか? 俺のユーベルコード教えるからそれ使えって言ってんの」
 そういうとベルベナはユーベルコード『実体のない刃』をペディアの横に発動させる。
「『見えませんか?』見えたよなあ、きちんとよ」
「ごめんなさい、見えなか……」
「ああ?」
「わ、わかりました! やってみます!」
 凄むベルベナに殺気を感じ、思わず敬語になってしまい、震えあがるペディア。
「よし、ラザロ。待たせましたね」
「インターバルは終わりか? 待ちくたびれたぜ」
 ポキポキと拳を鳴らすラザロ。
 ポロポロと涙を流すペディア。
「え、えいっ!」
 ベルベナのユーベルコードを放とうとするペディアだが、当然発動しない。
「何やってんだ、さっき教えたろ!」
「え、えっと、あの、何かコツとか……」
「コツナんてねえよ! なんかこうバーッてやってガーッとやれ!」
 ペディアに少し哀れみを感じつつも、ガントレットとグリーヴによる殴打や蹴りによる攻撃を開始するラザロ。
「痛い、痛いって、ねえ、もうやめてってば、ねえ!」
 そんな言葉を無視し、ペディアを蹴り飛ばす。
「何やってんだ、ユーベルコードもまともに使えねえのかよお前!」
 ペディアはこの時、ようやく気づいた。
 最初から1対1なんかじゃなかったと。
 肉体をラザロが追い込み、精神をベルベナが追い込んでいたことに気づいた。
「もう、もうやだよぉ、おうち帰りたいよう!」
 ペディアは子供のように泣きだし、その場にへたり込む。
 すると地面がぱかりと開き、そのままペディアは地面に開いた穴に落ちていく。
 オブリビオン、安西九郎・来伝・ペディアはこうして骸の海に還ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『その名はSヨン』

POW   :    直線スピードこそパワー

SPD   :    コーナーこそ魅せ場

WIZ   :    何か走ってたら色が変わったり

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「いやー、猟兵さんたち、本当にありがとう! お陰でこの町に平和が戻ったよ」
「本当にありがとう! とってもかっこよかった!」
「猟兵さんたちは本当に頼りになるわねえ。ほんと、ありがとうね」
 それぞれ、猟兵たちに感謝の言葉を述べるキマイラたち。
「なあ、猟兵さん。今、この繁華街ではSヨン大会が開かれているんだ」
 Sヨンとは何か、と猟兵たちが聞くと、説明しよう!という言葉と共に暑苦しい雰囲気をしたキマイラが現れる。
「SヨンとはSサイズの四輪駆動車玩具だ! だが、たかが玩具とあなどるなかれ、これが中々奥が深くてな!」
 ヒートアップしていく暑苦しいキマイラ。
 だが、きょとんとした顔をしている猟兵たちの顔を見て申し訳ない、と謝罪する。
「すまない。私はSヨン専門店をやっているソウ・サイバというものだ」
「そして俺がバク・サイバだ! Sヨン大会の主催をやらせてもらってる」
 突如として横から現れたバクというキマイラ。
「猟兵さんら、良かったらSヨン大会に参加してみないか? シャーシやローラー、モーターなんかはソウの店の中から適当に選んでもらって構わない!」
「ちょっと、バク兄さん」
「なあに、気にするな。金なら俺が全て出す! だから自由に選んでくれ!」
 このバクというキマイラもソウに負けず劣らず暑苦しいようだ。
「まあ、そういうことで。猟兵さんたち、もしよかったらSヨン大会に参加してくれないか? 猟兵さんたちが参加してくれれば他のキマイラたちも喜ぶと思うんだ」
 そういうとソウは自分たちの店の方へ猟兵たちを案内する。
 店の中には新品から中古品、果ては壊れたジャンクパーツなんかも並んでいた。
「カスタムや塗装も出来るから、本当に自由度は高いんだ」
 そういうと後ろから遅れてバクもやってくる。
「Sヨン大会は一回だけじゃねえ、一日に何回も何十回も行われる! 少なくとも暗くなるまではやってるから、じっくり、ゆっくりと、自分だけのオリジナルマシンを作り上げてくれ!」
 そう言うとバクはじゃあまたな、と店を後にした。
「すまないね、バク兄さんはああいう人なんだ。それで……」
 ソウは猟兵たちを見つめる。
「どんなマシンにする? どんな無茶なマシンでも、猟兵さんのためなら私がどうにかして組み上げてみせよう! どんなカスタムでも塗装でも構わない!」
 こうして、Sヨン大会に参加することになってしまった猟兵たち。
 果たしてどんなマシンで猟兵たちは他の参加者とレースを行うのか。
 それはSヨン大会が始まってからのお楽しみである。
ベルベナ・ラウンドディー
レースとかwww
こんなん私が優勝して当然ジャン
マシンの上に乗っかってゴッドスピードライドかませば優勝一直線っすよwww
あ、ちょっとテストランしますねー

(弱点:コーナリングで本人が吹き飛ばされる




あ…ありのまま…今私に起こったことを話すぜ
繁華街を守るため武術の流布を目的とした筋肉マグロのマラソンを制し
小綺麗なオブリビオンの娘を応援し
気が付いたらSヨンレース会場の屋根を頭突きで貫いて
地面がなぜか凍り付いた公園のゴミ箱に頭から突っ込んでいた!

な…なにを言ってるのかわからねーと思うが…
…だいたい予知出来てても説明に困りますよね、こんな流れ。
いい加減なココさんの説明の真の理由はこれだったのかも知れません…


ラザロ・マリーノ
【POW】
んん?UDCアースでも似たようなの見たことあるな。確かミニ…まあいいか!!

とりあえず、一番早いモーターと一番早いギアをくれ!
それと、コースアウトしないように何か棒とか立てるんだよな確か。
後は…ウィングってのも付けるんだっけか?
翼なんて付けたら飛んでっちまう気がするが…テレビでやってた奴も飛んだり回ったりしてたからいいのか。
よし、まあこんなもんだろ!

※アドリブ・連携歓迎



「さあ、始まったぜSヨン大会、ドラゴンカップ! 実況と解説は主催者であるこの俺、バクと」
「Sヨン専門店を営んでおります、私ことソウがお送りいたします」
 マグロ怪人と変な武術娘を撃退し、ついに始まったSヨン大会。
 今回の参加者は五人、うち二人は猟兵だ。
「さあ参加者の紹介だ! まずは一番目、デイジー・ダット。マシンは既製品では最速ともいわれているGT-S!」
 まさにスーパーカーといった造形のSヨンを抱えた、きりっとした目つきをしている女性のキマイラが現れる。
「二番目、ザンゲツ・マツサキ。マシンはコーナリング重視のシノビR7!」
 次は和風な造形のSヨンを抱えた、和服と落ち着いた雰囲気を身にまとう、還暦の男性のキマイラだ。
「三番目! 飛び入り参加の猟兵さん、ラザロ・マリーノ(竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)! マシンは最速のモーターとギヤを積み、大きなウイングをつけた姿が特徴的な直線番長、WMS!」
「ちなみにWMSはウイングド・モア・スピードの略称です」
 WMSを自慢げに抱え、歓声に迎えられるラザロ。
 この町を救った英雄の一人ともあって、その歓声は凄まじい。
「次は四番目、ジロー・モトダ! マシンは優勝常連! バランスのよさと高い加速性能を併せ持つガッチガチにカスタムされたマシン、タイプV!
 ラザロの次ともあってか、少し気まずそうにしつつも、マシンを大事に抱えた作業着と眼鏡を着用したキマイラが現れる。
「そして五番目は再び猟兵さん! ベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)だ! マシンは……おおっと?」
 そこには他の参加者のようにマシンを持たず、まるでスケートボードのように乗って現れるベルベナにどよめきの声があがる。
「なあソウ、あれってなんてマシン……というかSヨンなのか、アレ」
「人が乗っても、というか乗ることを想定して作ったイナバ・ストレイジだよ」
「大体どのくらいの体重の人なら乗れるんだ?」
「耐荷重は100kgまでなら何ら問題はないように設計しているよ」
 事実、ベルベナを乗せて走っているイナバ・ストレイジ。
 きしむ音もさせず、すいすいとその場を動き回っている。
「な、なあベルベナ。そのマシンじゃマトモに走れねえってか勝負にならねえんじゃねえのか?」
「心配いりませんよ、ラザロくん。私のユーベルコード『ゴッドスピードライド』を使えば優勝間違いなし。モーターだけで走るSヨンマシンと、ユーベルコードで加速したSヨンマシンなら、きっと後者の方が早いはずです!」
 それ、ルールとしてはありなのだろうか。という言葉を声に出さず、実況席にいるバクとソウにラザロは目配せをするが、二人とも右手の親指を立て『オッケー』のサインを出す。
「Sヨンのルールに『マシンに乗ってはいけない』なんてものはねえ!」
 乗ったとしても勝てないというか、想定外だから記載されてないだけではないんだろうか。他の参加者と観客はそう思ったが、自信に満ちた表情をした主催者であるバク・サイバが言っているのだ。文句を言えるキマイラはいない。
「さて、面白くなってきたぜドラゴンカップ! コースは名前の通り、身体をくねらせた龍をモチーフとしたS字のコースだ!」
「あ、テストラン良いですか?」
「申し訳ありません、ベルベナさん。テストランはルールで禁止されているんです」
「事前にコースを決めておくとそれに特化したマシンばっかになっちまうからな。コースは本当に直前に発表されて、ぶっつけ本番で開始されるんだ。テストランなんかも時間の関係で出来るやつと出来ない奴が出てきて不公平だって声が出て禁止になっちまった」
 猟兵さんには悪いが、ルールはルールなんだとベルベナに頭を下げるバク。
「まあ良いでしょう、優勝するのは間違いなくこの私ですから」
 自信に満ち溢れるベルベナを心配そうな目で見るラザロと他の参加者たち。
「お待たせしました! それではエスヨン……レッツ、アンド、ゴー!」
 こうして、Sヨン大会は幕を開けた。
 最初に先頭に躍り出たのはユーベルコード『ゴッドスピードライド』で超加速したベルベナのイナバ・ストレイジだ。
 イナバ・ストレイジはそのまま真っ直ぐ勢いよく突っ込み、コーナリングに差し掛かったところで曲がり切れず、壁にぶつかる。
「あっ」
 凄まじい勢いで壁にぶつかったイナバ・ストレイジの車体は大きくひしゃげ、ベルベナの身体を宙に浮かせる。
 勢いに乗っていたベルベナの身体はそのまま吹っ飛び、会場の天井を突き破って何処かに飛んで行った。
「イナバ・ストレイジがクラッシュ! レース続行不能と判断し、脱落とするぜ!」
 ああ、やっぱり。とラザロが呟いている間にもレースは続く。
「最初のコーナーではシノビR7、タイプV、WMS、GT-Sと並んだぞ!」
「シノビR7は車体が軽いこともあって加速が良いですからね、最初の内は当然の結果と言えるでしょう」
 だが、シノビR7は次のコーナリングまでの直線でタイプVに抜かれる。
 そして後ろから来たWMSとGT-Sにも抜かれてしまう。
「シノビR7が一気に最下位になったぞ!」
「コーナーばかりのコースでは強いですが、長い直線には非常に向かないマシンですからね。次の、最後のコーナーで大きく差を縮められるかが肝ですね。
 そして最後のコーナーに差し掛かるマシンたち。
 コーナーを曲がり切れないのか、大きくスピードを落とすGT-S。
 多少自身があるのか、GT-Sよりはスピードを落とさないタイプV。
 そしてフルパワーを出し、モーターを唸らせるシノビR7とWMS。
「シノビR7はともかく、WMSはこのスピードじゃコースアウトするぞ!」
「いくらなんでも無茶です!」
 そしてコーナリングにマシンたちは突入する。
 GT-Sは車体を外側の壁に擦らせながらも無理やり突破、タイプVは車体を滑らせ、大きく弧を描くも突破。シノビR7はコーナーの内側ギリギリで見事なコーナリングを見せる。
 そしてラザロのWMSはというと、コーナーに突入しなかった。
「よし、ここだっ!」
 コーナー前の内側の壁に進路を変え、最高速度で壁にぶつかったのである。
「な、なんだ猟兵さん! 一体何を考えてあんな進路に……」
「に、兄さん、あれは!」
 宙を舞い、その特徴である大きなウイングを揺らすラザロのWMS。そのまま空中で数回転し、コーナーの後の直線のコースに着地する。
 丁度、着地した位置は他のマシンたちよりもかなりゴールに近い位置だった。
「信じられないよバク兄さん! あんな方法でコーナーを突破するなんて!」
「モーターの回転マックスで最後の直線、これはもう決まったも同然だな!」
 先頭に立ったWMSに追いつこうと再加速をするGT-SとタイプV、そしてシノビR7。
 三機とも喰らいつくが、追いつく前にラザロのWMSがゴールラインに到達した。
「最終結果はWMS、タイプV、シノビR7、GT-Sです。みなさんお疲れさまでした!」
「ドラゴンカップ優勝は、ラザロ・マリーノのWMSだぜ! 皆、大きな拍手を!」
 バクの言葉の後に、わあっと観客から大きな歓声と拍手があがった。
 歓声を浴びるラザロは、こういうのも案外悪くねえじゃねえか、とぼそりと呟き、微笑みをこぼした。
 一方、レースの最初の方で吹き飛んでいったベルベナは。
 冬でもないのに地面が氷に覆われた公園の中の、何故かバナナの皮がいっぱいのゴミ箱に頭から突っ込んでいた。
「速度を出しまくっていれば、そりゃコーナーでああなりますよね」
 失念していました、と言いながらゴミ箱から脱出しようとするベルベナ。
 ゴミ箱を持ち上げ、バナナの皮を浴びながらも脱出に成功する。
 脱出し、バナナの皮まみれになったベルベナは今日自分に起こった事を思い出す。
 まず、道に金平糖をバラまいたら殆ど勝手にマグロ怪人が自滅した。
 次に、オブリビオンの娘を応援していたら何故か骸の海に還った。
 最後に、レースをしていたと思ったら公園のゴミ箱に頭を突っ込んでいた。
 そりゃ、グリモア猟兵もこんな一日は予知しても伝えようがないな、と。
 ベルベナはそんなことを考え、乾いた笑いをあげるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月27日


挿絵イラスト