グルメスからの挑戦!:ドラゴン鍋
●アックス&ウィザーズ
「お前達は鍋が好きかッ! 俺は三度のメシより、鍋が好きだッ! だからこそ、次の食材は、鍋ッ! しかも、タダの鍋じゃない! ドラゴン鍋だッ! お前達の中には、こう思う者もいるだろう……。『あれ? 鍋にするのは、時期的にアレじゃね?』と……。だが、好きに季節は関係ない! 熱い時に、おでんが食べたいように……。寒い時にアイスが食べたいように……。好きに季節は関係ない! 例え、あったとしても、ドラゴンの鍋など滅多に食えるモノではない! だからこそ、今ッ! 今しかないんだッ!」
自称・グルメキングであるグルメスが、冒険者達を前にして叫ぶ。
自らの想いを……!
季節外れの鍋愛を……!
だが、冒険者達にとっては、些細な問題。
……そんな事より、ドラゴンが狩れるッ!
そもそも、ドラゴン自体、そんなに沢山いる訳ではない。
見つけるだけでも一苦労なのだから、彼らにとっては有り難い依頼。
グルメス、マジ感謝な依頼であった。
「まずは仔竜達が棲む森に行ってもらう。ここには鍋の愚材として必要な野菜やキノコや、それ以外のモノがあるッ! 何なら仔竜達を狩ってもいいが、奴らはピンチになると仲間を呼ぶ。最悪の場合、森一面が焼け野原になるから、程々に狩ってくれ」
そう言ってグルメスが、森の地図を配っていく。
そこには自生した野菜やキノコの場所が記されており、仔竜達の出没ポイントもシッカリとマークされていた。
また近くに村があるため、森の中で取れたウサギやらリスやらを、村の食材と交換してもいいようである。
「そして、メイン! 霧深き渓谷に棲むドラゴンその名も……霧中の暴君『グラドラゴ』! コイツは毒を持っているが、既に毒抜きの方法は調査済みだ! まあ、多少毒が残っていた方がピリッとした美味いようだが……。とにかく、お前達は狩る事だけを考えておけばイイ! 命懸けでドラゴンを狩り……一緒に鍋を喰らおうじゃないかッ!」
そう言ってグルメスが全身の筋肉を隆起させ、ケモノのような叫び声を響かせた。
●ガジルからの依頼
「ドラゴンを倒すのが男のロマンなら、鍋を食べるのが女のロマン? なんだか、よく分からないんだよ?」
ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)は頭の上にハテナマークを浮かべながら、猟兵達に対して今回の依頼を説明した。
自称・グルメキングことグルメスが、冒険者達を集めて、ドラゴン退治を計画しているようである。
だが、冒険者と言っても、所詮は一般人。
そんな連中が束になって、ドラゴンと戦ったとしても、勝てる訳がない。
最悪、ドラゴンの炎で丸焼きにされ、美味しく戴かれてしまうのがオチである。
そういった意味でも、彼らに危険が及ぶ前に、ドラゴンを退治してほしいと言う事だった。
ゆうきつかさ
この依頼はネタ依頼です。
そのため、どんな行動をしても、不思議な力によって、大成功になります。
基本的に第一章は、食材ゲット。
第二章はドラゴンを倒せば問題ありません。
して、第三章は鍋を食べる事がメインです。
可能な限り、格好良く書きたいので、プレイングは『俺、強ぇ!』くらいのノリで構いません。
第1章 集団戦
『戯れる仔竜』
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POW : じゃれつく
【爪 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 未熟なブレス
自身に【環境に適応した「属性」 】をまとい、高速移動と【その属性を纏わせた速いブレス】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 可能性の竜
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
最上・空
レア食材を狙いに美幼女が参上です!
空は思いました! 地図に従って食材を集めても普通の食材しか採れない事を! なので、空はあえて地図は見ないで、美幼女的な勘に従い森の中でレアで美味な食材を見付けますよ!
ちなみに仔竜達の出没ポイントだけは参考にして、無駄な戦いは全力回避します! 無益な殺生を心優しい美幼女は望みませんので!
探索時は【井上さん召喚】で井上さんを呼び出し騎乗、森を縦横無尽に駆け抜けますよ! 敵に発見されたら、「属性攻撃12」&「衝撃波16」で背後に風を起こし、勢いで井上さんの脚を少しでも加速させて逃亡を優先です!……最悪、乗り捨てて囮にするのもありかもですね!
※アドリブ&まとめご自由に
宮落・ライア
とりあえずな? とりあえず言いたいことはな?
毒抜きの方法が確立される程度に挑戦し続けた人が居るのだな…。
昔々に河豚を食べようとした人と話が合いそうな人達だなー。
最後の人以外毒で死ぬけど。
ま、それは置いといて。
ドラゴン鍋…興味がないわけがない!
面白そう!
さて、狩るなら傷は少ない方が良いし
血抜きもすぐした方がいいよね。
【ダッシュ】で奇襲掛けて【剣刃一閃】で首を落とそうか。
首を狙えないならスルー。
にしても採るのはほどほどって言ってたけど他の猟兵さんはどれぐらい取るのかね。
まいっか。
リカルド・マスケラス
「ドラゴンを調理する機会なんてそうないっすからね。参加させてもらうっす」
そんな感じで空飛ぶお面が参加っす。
とりあえずは【世界知識】を活用しつつ、食べられる食材を集めるっすよ
「珍しい食材が見つかるといいっすね」
採取した食材は宇宙バイクで運んでく。バイクに張り付く仮面
まー、魔法のアイテムと言い張れば、気にしないっすよね
仔竜はブレスを吐かれないよう、鎖分銅を念動力で動かし首を締めて落とす。もしくは、動きを封じたところを鎖鎌で仕留める。
「できるだけ味を落とさないように仕留めたいっすねー」
アドリブ等々歓迎っす。
ラッセル・ベイ
彼等は集団自殺でもしたいのだろうか?
私も同じ冒険者……大量に死なれるのも寝覚めが悪い
軽くドラゴン退治と洒落込もうか
●戦闘(POW)
また君達か、これで相手をするのは三度目だぞ
……今日はポイゼに戦って貰おうかな
君はまだ実戦経験が浅い、偶には一人で戦ってみると良い
ヤバくなったら助けるから安心して戦うのだ
しかしドラゴンの肉か
私としては鱗や角などの素材の方が気になるな
うむ、倒し終えたら剥いでしまうか
私が倒してしまえば文句を言う者などおらぬだろうし
と言うか、雑食のドラゴンの肉は喰えるのだろうか?
まあ、毒抜きの方法とかを知っているならば、多分大丈夫か
……あっ、ポイゼを忘れてた。結構ヤバいな、早く助けないと
四王天・焔
SPD判定の行動を行う。
■心情
ドラゴン鍋、美味しそうだな。
どんな味がするのか、楽しみだよ。
その為にも頑張らないとね。
■行動
白狐召還符を使って戦うね。
戯れる仔竜たちと戦うよー。
焔からの攻撃は、フェイントを織り交ぜて確実に攻撃を当てる様にし
マヒ攻撃、2回攻撃で、一気に倒す様に心がけるね。
敵が縦に並んでいたら、串刺しで複数同時攻撃。
敵が横に並んでいたら、なぎ払いで纏めて攻撃するよ。
未熟なブレスに対しては、第六感や見切りで回避する様に努めるね。
また、戦場の周囲にはよく注意を払っておき
敵に囲まれない様に気を付けるね。
他の猟兵とも、協力して戦い
互いに声掛けをして、互いの死角をカバーし合いながら戦うよ。
アンネリーゼ・ディンドルフ
旅団「オブリビオン料理研究所」の団長アンネリーゼは、今日も美味しいオブリビオンを求めて依頼に参加する。
「ドラゴン鍋ですか。これはとても期待できますね。」
ドラゴン鍋にわくわくしながらアンネリーゼは食材を集める。
……ぐーぐー。
アンネリーゼのお腹が鳴っている。
【WIZ】
仔竜が襲ってきたらUCを発動。とりあえず仔竜のUCを無効化しましょう。
アポロダスト・ディラマティウス
【アドリブ歓迎】
「好きに季節は関係ない」いい言葉デース!
そうデス!ワタシの大好きなダンスも季節は関係ありまセーン!
いつでもどこでもレッツダンス!ダンス!ダンス!
さて、食材集めというわけデスガ…
普通に集めても面白みはないデース…。
そういう時にも「ダンス」をしマース!
自由に体を動かしながら野菜やキノコを集めマース!
ついでに『ゴッド・クリエイション』で[スター][クレセント][フルムーン]も働かせマース!
それじゃあちゃっちゃと集めちゃいまショー!
フロース・ウェスペルティリオ
ほうほう。ドラゴン鍋とはまた豪気だねぇ。
うん、お鍋は野菜もお肉も沢山食べられるし、〆でスープ一滴残さず平らげられる素敵料理だのもねぇ。
五月病予防も兼ねられて、良いんじゃないかなぁ。
ん、ウチは村で葉物野菜と交換したいから、森では動物を狩る事にするねぇ。調味料とかも、要るのかな?
なるべく静かに森を探索して兎等の草食系小動物を狩りつつ、鹿等の大物は、偶然遭遇して狙い易い位置に居たらチャレンジ、って所かなぁ。
頭を狙った方が、お肉がストレスで固まり辛いから美味しいかな?
あ、仔竜はスルー予定だけど、他のお人が苦戦してそうだったら援護射撃はしたいと思います。
さすがに、焼け野原にはなって欲しくないからねぇ。
秋山・軍犬
具材も集めるが鍋において
忘れてはいけないもの…それは締め!
そんな訳で…A&Wの食材でラーメンの麺を作ります
ジョン&ナンシー「「雑炊は!?うどんは!?」」
↑UC【深夜の夫婦漫才】
軍犬「メインがドラゴン故に今回はラーメン!!」
そしてグルメスの鍋への情熱と挑戦状に
総A&W食材製のラーメンという一撃を返すのだーー!
Q:小麦とかはともかく、かん水どうすん?
A:ここはファンタジー世界A&W、常識はポイして…
①水の精霊さんとかが、かん水くれるかも…
②斧とか投げたら出てくる湖の女神とか…
③ラーメンの麺的な生物(なまもの)や植物が居たりね
④普通にある
…可能性の翼を広げ常識という限界を超えればきっとラーメンがね
●グルメ色々
「ほうほう。ドラゴン鍋とは、また豪気だねぇ。まあ、お鍋は野菜もお肉も沢山食べられるし、〆でスープ一滴残さず平らげられる素敵料理だものねぇ。五月病予防も兼ねられて、良いんじゃないかなぁ」
フロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)は、仲間達と森の中で食材を集めていた。
まわりには沢山の冒険者がいるものの、半ばピクニック気分でキノコ狩りをしており、『これ、美味しそう♪』と言ったノリで、キノコを籠の中に放り込んでいるため、いくつも死亡フラグが立っているような感じであった。
もちろん、彼らも死ぬ気はない。
死ぬ気はないが、卒塔婆の如く死亡フラグが立っているような状況で、回避するのは困難だろう。
「空は思いました! 地図に従って食材を集めても普通の食材しか採れない事を!」
そんな中、最上・空(美幼女・f11851)がキリリとした表情を浮かべ、あえて地図を破り捨てた。
確かに、地図を見れば、簡単に食材をゲットする事が出来る。
だが、それは何処にでもある在り来たりなモノ。
逆に言えば、初心者でも簡単にゲットする事が出来るマイナー食材のみである。
そんなモノに価値があるのは思えない。
つまり、これはグルメスからの挑戦ッ!
故に、空の瞳に迷いはないッ!
「その通りデース。普通に集めても面白くありまセーン。ワタシは好きなダンスを踊って、食材を集める事にシマース。いつでも、どこでもレッツダンス! ダンス! ダンスデース!」
スグサマ、アポロダスト・ディラマティウス(踊り踊らば踊りまSHOW!・f17392)が、楽しそうにダンスを踊る。
それに気づいた冒険者達も、何となくダンス。
いつの間にか、冒険者達が楽器を掻き鳴らし、その場がライブ会場の如く盛り上がっていた。
その曲に誘われて集まってきたのは、森に棲む動物達。
「せっかくだから、動物を狩っておこうかぁ。調味料とかもいるだろうしね」
それに気づいたフロースがロングボウを構え、近くにいた鹿の頭を射抜く。
その途端、鹿がグラリと身体を揺らし、膝をつくようにして崩れ落ちた。
「キノコも沢山ゲットデェース♪」
アポロダストも自由に身体を動かしながら、オドリタケを手に入れた。
このキノコは『踊り出す程、美味しいキノコ』のようだが、副作用として踊らずにはいられなくなってしまうようである。
それでも、癖になるほど美味しいため、地元では『通が好む食材』のようだ。
「出番ですよ! 井上さん!」
その間に、空が自身の2倍ほどあるオウサマペンギンの井上さんを召喚して飛び乗り、美幼女的な勘に従って森の中でレアで美味な食材を探し始めた。
「もっとテンション、アップで行きマショーウ!」
アポロダストも【ゴッド・クリエイション】を使い、スター(アクセサリー)、クレセント(イヤリング)、フルムーン(腕輪)に生命を与え、バックダンサーズとして一緒に踊る。
この時点でアポロダストと冒険者達の息は、ピッタリ!
みんなイイ表情を浮かべており、飛び散る汗が宝石の如くキラキラと輝いていた。
「どうやら、この辺りは仔竜達の出没ポイントのようですね。ここは避けて通りましょう。無益な殺生を心優しい美幼女は望みませんので!」
そんな中、空が美少女センサーを働かせ、この辺りが危険ポイントである事を察知ッ!
最悪の場合、井上さんを乗り捨て、脱兎の如く逃げ出す気満々で、ふわりと身体を浮かせた。
「……(くわっ!)」
その途端、井上さんの危機センサーがMAXで反応ッ!
(「コイツ、俺を見捨てる気だああああああああああ!」)
実際にそう思ったのかは別として、何やら不穏な空気が漂っている事に気づき、危険センサーがビンビンになっていた。
即座に心の鶏冠を突き立て、通常の3倍のスピードで超速脱兎!
「確かに、仔竜はスルーしておこうかぁ。さすがに、焼け野原にはなって欲しくないからねぇ」
そう言ってフロースが狩ったばかりのウサギを籠の中に入れ、空の後を追うのであった。
●粋な麺職人
「鍋において、忘れてはいけないもの……それは締め! そんな訳で……A&Wの食材でラーメンの麺を作ります」
そんな中、秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)は、ドラゴンが棲む森の中でラーメンを作っていた。
それは命を懸けた危険な麺づくり。
いついかなる状況で、ドラゴンが襲い掛かってくるのか分からない。
それでも、軍犬が麺づくりの場所として、ここを選んだのは、何となくッ!
いや、フィーリング的に、何かあったのかも知れないが、こうしている間も、ドラゴンっぽい咆哮が辺りに響き渡っていた。
だが、それに匹敵するほど、【深夜の夫婦漫才(グッドナイト・コメディーカップル)】で召喚された好青年のジョン&美少女のナンシーはハイテンション!
それこそ、『危険、何それ、美味しい?』的なノリで、その場を盛り上げまくっていた。
「「雑炊は!? うどんは!?」」
ジョン&ナンシーが、期待の眼差しを軍犬に送る。
「メインがドラゴン故に、今回はラーメン!!」
しかし、軍犬の意思は……不動ッ!
「今回はグルメスの鍋に対する情熱という名の挑戦状に、総A&W食材製のラーメンという一撃を返す事に意味があるッ! 故に、雑炊も、うどんも不要ッ! 必要なのはラーメン……ただ、それだけだ!」
軍犬が真剣な表情を浮かべ、小麦粉っぽいモノをこねる。
しかし、ラーメンを作る事は困難だった。
そもそも、材料が足らない。
環境的にも最悪。
ドラゴン、マジ怖い!
それでも、軍犬は頑張った。
ジョン&ナンシーの愚痴にもめげず、必死になって頑張った。
そして、ラーメンっぽい触手やら、植物やらを使い、なんとかラーメンを完成させるのであった。
●仔竜達もハラペコ
「……ドラゴン鍋ですか。これはとても期待できますね」
旅団『オブリビオン料理研究所』の団長アンネリーゼ・ディンドルフ(エルフの歌うグールドライバー・f15093)はワクワクしながら、ドラゴン鍋の材料を集めていた。
ドラゴン鍋の材料は、参加者次第。
それによって美味くもなれば、不味くもなる。
ありとあらゆる可能性を秘めた鍋ッ!
故に、グーグー。
アンネリーゼの腹も、早速グーグーと鳴っていた。
「……とは言え、冒険者の数が多いな」
ラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)が、警戒した様子で辺りを見回した。
冒険者達は自分自身の力を過信しており、仔竜であればズンバラリンと軽く三枚おろしに出来ると思い込んでいるようだ。
そのため、まったく警戒しておらず、まるでピクニック感覚であった。
しかし、その考え自体が、自殺行為。
みんなで集団自殺に行くようなモノである。
そのせいか、同じ冒険者であるラッセルは、複雑な気分。
大量に死なれても目覚めが悪いため、冒険者達がドラゴンと戦う前に、決着をつける必要があった。
「まあ、自分達で倒してしまえば問題ないっす。ドラゴンを調理する機会なんてそうないっすからね」
リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)が世界知識を活用しつつ、食べられる食材を集め、宇宙バイクに積んでいく。
その大半はキノコであったが、みんな活き活きとしており、今にも歌い出しそうな雰囲気である。
それでも、普通に食べる事が出来るらしく、毒は……ない。
「確かに……ドラゴン鍋、美味しそうだな。どんな味がするのか、楽しみだよ。その為にも頑張らないとね」
四王天・焔(妖の薔薇・f04438)も、自分自身に気合を入れる。
ドラゴンの居場所は事前に配られた地図に記されているものの、その場所は霧が深いため、何か対策を練っておかないと、見つけ出す事は難しそうだ。
「とりあえずな? とりあえず、言いたいことはな? 毒抜きの方法が確立される程度に挑戦し続けた人が居るのだな……。昔々に河豚を食べようとした人と話が合いそうな人達だなー。最後の人以外毒で死ぬけど……」
そんな中、宮落・ライア(ノゾム者・f05053)が、何処か遠くを見つめる。
それに関する事が記された書物を手に入れる事が出来たのだが、その内容は壮絶なモノだった。
最初は動物で、次に人間で、少しずつ試しながら、何処の部位が安全で、何処の部位が危険なのか調べていたようだが、大抵はポックリ。
最悪の場合は、臭いを嗅いだだけでも、ポックリだった。
そこから毒を抜くため、お湯に付けたり、焼いてみたり、土の中に埋めたり、試行錯誤しながら、パクッと一口。
そして、ポックリ。
壮絶なまでにポックリ。
そんなポックリを山ほど繰り返し、辿り着いた方法が、グルメス流毒抜き術であった。
何やら色々と内容を盛っているような印象を受けたものの、沢山の挑戦者が命を落とした事は間違いないのだろう。
「この辺りの食材で、珍しいモノばかりっすね。これなんて、ずっと何か囁いているっすよ」
一方、リカルドがササヤキダケを手に取り、何を喋っているのか聞き取ろうとしていた。
だが、ずっとボソボソと囁いているため、何を言っているのか意味不明。
これを沢山集めると、何を言っているのか分かるようになるのだが、知ったところでブルーになるような内容のようである。
その間も、アンネリーゼの腹が……いや、腹の虫達が叫ぶ。
とにかく、何か食べさせろ!
腹が減って、力が出来ない、と……。
だが、アンネリーゼは心の声で答えを返す。
『……まだ、その時ではありません。もっと、お腹を空かせた方が、鍋も美味しくなりますよ』と……。
それは腹の虫との超絶バトル。
ここで屈するような事があれば、それでお終い。腹グーグー。
志半ばで、そこら辺の草でも食べてしまいそうな程、危険な状態に陥ってしまう事だろう。
「ピギャア!!」
そんな中、猟兵達に現れたのは、仔竜達であった。
仔竜達は腹を空かせて、猟兵達を食べる気満々。
みんな涎を垂らして、今にも飛び掛かってきそうな勢いだった。
「また君達か、これで相手をするのは三度目だぞ。……今日はポイゼに戦って貰おうかな」
それに気づいたラッセルが、毒精霊『ポイゼ』に期待の眼差しを送る。
「……?」
しかし、ポイゼは『いま、なんと……?』と言わんばかりに、片手を耳に当ててポージング。
「君はまだ実戦経験が浅い、偶には一人で戦ってみると良い。ヤバくなったら助けるから安心して戦うのだ」
それでも、ラッセルの気持ちは変わらない。
まるで我が子を千尋の谷に突き落とす勢いで、ポイゼを仔竜達の前にドン!
躊躇う事なく、ドンである!
「……!?」
これには、ポイゼも焦ったが、この時点で逃げ道は……ない!
しかも、仔竜達が新しい玩具を見つけた子供のように、瞳をキラキラと輝かせた。
故に、ポイゼも理解した。
これはマズイ。
間違いなく、フライドポイゼになると……。
「符よ妖の郷への扉を開け。おいでませ白の御狐様」
すぐさま、焔が【白狐召還符(サモン・フォックス)】を使い、蒼い狐火を吐く白狐を召喚し、勢いをつけて飛び乗った。
「ピギャアアアアアアア!」
だが、仔竜達は怯まない。
猟兵達の肉を裂き、骨を砕く勢いで、爪による超高速かつ大威力の一撃を放ってきた。
(「しかし、ドラゴンの肉か。私としては鱗や角などの素材の方が気になるな。……うむ、倒し終えたら剥いでしまうか。私が倒してしまえば文句を言う者などおらぬだろうし……」)
その間も、ラッセルは物思いに更けていた。
「……!」
その途端、ポイゼが仔竜に齧られ、悲鳴を上げた。
「……あっ、ポイゼを忘れてた。結構ヤバいな、早く助けないと……」
そこでようやくラッセルがハッとした表情を浮かべ、慌てた様子でポイゼを助けに向かう。
「ピギャアアアアアアアアアア!」
しかし、仔竜達は完全威嚇モード。
せっかくの御馳走が横取りされると思ったのか、未熟なブレスを吐いて猟兵達を攻撃した。
「……仕方がありませんね」
それを迎え撃つようにして、アンネリーゼが【アンチフェーズ】を仕掛け、未熟なブレスを相殺した。
続いて、焔が仔竜達を薙ぎ払い、反撃する機会を奪い取った。
「できるだけ味を落とさないように仕留めるっすよー」
その隙をつくようにして、リカルドが鎖分銅を念動力で動かし、仔竜の首を絞め落とした。
「確かに、狩るなら傷は少ない方が良いし、血抜きもすぐした方がいいよね」
それに合わせて、ライアもダッシュで一気に間合いを詰め、【剣刃一閃】で仔竜の首を斬り落とした。
そのおかげで、ポイゼも、間一髪で……助かった。
こうして、猟兵達は仔竜の肉をゲットし、その足で霧中の暴君『グラドラゴ』が棲む渓谷に向かうのであった。
大成功
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第2章 ボス戦
『霧中の暴君『グラドラゴ』』
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POW : 死の竜霧
自身に【触れるだけで出血毒と麻痺毒に犯される霧】をまとい、高速移動と【毒霧と身体が裂けるような咆哮】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : ミストリフレクト
【相手の姿をしている霧製】の霊を召喚する。これは【霧の中で強化され、真似た相手の武器】や【同じユーベルコード】で攻撃する能力を持つ。
WIZ : 霧中に潜むもの
戦闘用の、自身と同じ強さの【霧で作られた自身と同じ姿の無数の竜】と【霧に隠れた本体を守る巨竜】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ナイツ・ディン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●霧深き渓谷
その名の通り、霧深き渓谷は霧に覆われており、一歩先は何も見えない程だった。
それでも分かる、本能的に……。
この先に霧中の暴君『グラドラゴ』がいる事を……。
だが、何の策もなしに霧の中を進む事は自殺行為ッ!
しかも、グラドラゴがいるのは、最も霧が深い場所。
霧さえ払う手段が分かれば楽勝ではあるものの、まったくノープランであっても、何とかなりそうな雰囲気が漂っていた。
秋山・軍犬
さて,殺意高いUCのグラドラゴさん
危険ゆえ戦闘力の無いジョン&ナンシーの代わりに
奇跡の再会『美食姫』で召喚したグルメ姫さん
2章の手伝い、お願いね♪
「よろしくでケキ~…って、待つでケキ!」
UCの説明よく読めでケキ!
私も戦闘力のないような気がしない事も無い
普通の少女でケキ!3章で呼べでケキ!
でも貴方、猟兵に数回ボコられても
割と両の足で立ってそうな感じっすよね?
戦闘力のない(笑)
などとやってる内に装備が強化ぁ!
後はワイバーンテールスープを飲んで
鍋と拉麺への期待感で頑張って限界を超えて
音速で圧力拳を叩き込む作戦で!
濃霧? 毒?…それメイン食材を前にした
フードファイターの野生の勘と毒耐性に通用するやつ?
ラッセル・ベイ
あれがグラドラゴか
竜としては小型だが、毒を纏っているのか……
●戦闘(POW)
毒には毒を、ここはポイゼに任せるの一択だろう
別に私が行っても良いんだが、そこはほら君の経験の為という事で
……また食べられそうだから嫌だって?
まぁまぁ、いいからいいから
快く最前線での戦闘を引き受けてくれたな
私は「ミスティック・ルーン」で魔力を自動回復しながら、全力で魔法攻撃をするとしよう
ポイゼ自身が猛毒の為、毒攻撃はまず効かん
「装嵐リンドヴルム」を装備しているので攻撃力も十分
念の為、補助魔法でも掛けて置けば完璧だろう
……という訳だ。私の素材の為に頑張ってくれ
勿論、援護はする
極大爆炎魔法の一撃……受けてみるが良い
アポロダスト・ディラマティウス
【アドリブ歓迎】
オー…これはこれはとってもビッグなドラゴンさんの気配がしますネー。
ユーに恨みはありませんが、人間たちが生きるため狩らせて貰いマース!
【SPD】
とは言ったもののこの霧をどうにかしないと先に進むことが出来まセーン。
ぶっちゃけ神であるワタシなら何とかなる気もしますケド、無理は禁物デース。
霧の弱点は風…。
というわけで「ダンス」デース!
どんな状況においてもダンスは全てを解決しマース!
UC『スカイステッパー』を使って立体的に高速でダンスしマース!!
ワタシの鍛え抜かれたこのダンスならハリケーンだって起こせマース!!
リカルド・マスケラス
アドリブ歓迎
おもしろ食材も見つかったっすし、あとはメインディッシュっすね
「勝利の鍵はグルメスにあると思うっすよ!」
毒抜きの方法とかを研究していたなら、ドラゴン毒の解毒方法も知ってるんじゃないっすかねー?知識が不完全でも、自分も【世界知識】で様々な異世界の料理の解毒術から、薬草類や現地の食材を【料理】して耐毒性のある料理を作ってみるっす!
その際、【戦場の料理人】を使用して料理を作り、仲間の戦闘力(毒耐性含む)を向上させ、竜を狩るサポートっすよ
「『仔竜肉のハーブサンド』っす!喉に詰まらせないようによく噛んで食べるっすよ!」
あとはグルメスの体を乗っ取って、足を引っ張らないようにして戦闘に参加っすかね
白波・柾
なんとも強大な敵だな
だが、俺たちのやることは変わらない
この強大な敵すらも、乗り越えて見せよう……!
基本的にはヒットアンドアウェイで戦うことができれば
長く近接距離にいるのは相手からして分が悪い
【鎧砕き】【ダッシュ】【なぎ払い】を使用して体力を減らしていこう
危険な窮地は【咄嗟の一撃】【傷口をえぐる】で敵のけん制を行いたい
ここぞというときは『正剣一閃』で仕合うとしよう
フロース・ウェスペルティリオ
【料理研究所】で2名参加。アドリブ歓迎。
おお、見事に霧が深い……こう見晴らしが悪いと中々難儀だねぇ。
霧のドラゴンだと、結構淡泊な味だったりするのかなぁ?
「蝙蝠猫の尻尾」で自身を強化しつつ、アンネリーゼさんの護衛役を務めるよ。
霧の動きやちょっとした物音に気をつけつつ、アンネリーゼさん(とエアコン)を守るねぇ。
前後左右だけどなく、蝙蝠猫さんの翼もフル活用して、上下への機動力も上げて、向けられる攻撃をダガーで対処していこうかなぁ。
ふふ、霧が晴れれば晴れる程、相手(霧製)の動きが分かり易くなって良いねぇ。
というか、ウチは家電にそう詳しくはないのだけど、エアコンって小型でも凄く便利なんだねぇ。
アンネリーゼ・ディンドルフ
【料理研究所】で2名参加。【アドリブ歓迎】【SPD】
「霧が深いですね。この状況はとても不利です」
この霧の中でグラドラゴと戦うのはあまりにも分が悪い。
「でも!こんなこともあろうかと、私には用意があります!」
そう言うと徐に【ハンディエアコン】を8本取り出し両手にバル○グ持ちで構える。
「この程度の霧ならば【3分】程で晴らせます」
※【3分】はマスタリングでご自由に調整してください。
「フロースさん、護衛お願いします」
そう言うとハンディエアコンを除湿モードで作動させUCを発動。
超加速モードになりグラドラゴの攻撃を【見切り】で回避しつつ正面からハンディエアコンを向ける。
「あなたの霧はこれで晴らしちゃいます」
四王天・焔
SPD判定の行動を取る
■心情
わぁ、霧が深い場所だねー
しかもドラゴンが潜んでいるなんて、油断できないね。
■行動
視界は遮られているから
第六感、野生の勘で敵の気配を察知するようにし、
聞き耳で音を頼りに敵の場所を把握するよ。
白狐召還符で白狐を召喚して、一緒に戦うね。
攻撃は、フェイントを織り交ぜて確実に当てる様にし、
2回攻撃やマヒ攻撃を使用していくね。
ミストリフレクトを使用されたら
その霧製の霊を優先して倒す様にするね。
「わっ、焔の姿をした霧……?偽物には負けないよ!」
他の猟兵とも協力して
互いに掛け声を使って、仲間の位置などを把握するようにするね。
●頼れるナカーマ
「さすがに殺意高めのグラドラゴの相手を、ジョン&ナンシーに任せる訳にはいかないっす。……と言う訳でグルメ姫さん、お手伝いお願いっすね」
秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)が、【奇跡の再会『美食姫』(ハーデンベルギア・グルメプリンセス)】を使い、グルメ姫を召喚した。
「よろしくでケキ~……って、待つでケキ! 私も戦闘力はないでケキ!」
その途端、グルメ姫が軍犬にナイフの如く鋭いツッコミを入れた。
「いやいやいや、貴方、猟兵に数回ボコられても、割と両の足で立ってそうな感じっすよね?」
軍犬が『……何をおっしゃる』と言わんばかりのノリで、グルメ姫にツッコミ返し。
「……と言うか、私は普通の少女でケキ! どうせなら、料理の時に呼べでケキ!」
それでも、グルメ姫が負ける事無く、ツッコミを入れた。
このまま否定しなければ、待っているのは、グラドラゴとの超絶バトル!
つまり消し炭、真っ黒こげ。
そんな展開、誰も望んでいない。
少なくとも、グルメ姫は望んでいない、間違いなく!
「とりあえず、ワイバーンテールスープでも飲んで落ち着くっす。ここで気合を入れておかないと、この後の戦いがキツくなるっすよ?」
軍犬がグルメ姫をなだめながら、ワイバーンテールスープを振舞った。
「まあ、そこまで言うのなら……って、なんで私まで戦う事になっているケキか!? あっ、何かがブレスを吐いてきたでケキ!」
そして、グルメ姫はその場の流れで、軍犬と一緒に霧中の暴君『グラドラゴ』と戦う事になった。
●料理研究所の面々
「おお、見事に霧が深い……こう見晴らしが悪いと中々難儀だねぇ。霧のドラゴンという事は、結構淡泊な味だったりするのかなぁ?」
フロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)は霧深い渓谷に足を踏み入れ、霧中の暴君『グラドラゴ』の味を想像した。
グルメスから、どんな味なのか何も説明されていなかったため、想像する事しか出来ないのだが、かなり淡泊な味がするようなイメージである。
もちろん、味付けをする事によって、そういった印象が一変する可能性もあるのだが、それを確かめるためにもグラドラゴを倒す必要があった。
一応、辺りには冒険者達の姿もあったが、あまりにも霧が深いため、誰も前に進もうとしなかった。
そのため、彼らが邪魔をしてくる心配はないものの、打ち上げには参加する気満々のようである。
「確かに……霧が深いですね。この霧の中でグラドラゴと戦うのはあまりにも分が悪い。最悪の場合、料理されるのは、私達かも知れませんよ?」
アンネリーゼ・ディンドルフ(エルフの歌うグールドライバー・f15093)が、軽く冗談を言った。
さすがに、そこまで苦戦を強いられる事はないと思いたいところだが、絶対にないと言えないところが怖いところであった。
それが容易に想像できてしまうほど霧が深く、今にも自分達の身体が呑み込まれそうな勢いで、辺りが白一色になっていた。
「とりあえず、警戒しておいた方が良さそうだねぇ」
すぐさま、フロースが【蝙蝠猫の尻尾(コウモリネコノシッポ)】で自らを強化すると、ちょっとした物音や、霧の動きを警戒した。
そのおかげで、霧の動きが波のように流れている事に気づき、それを辿るようにしてゆっくりと歩き始めた。
霧の中はどれも同じような景色に見えたものの、足元は常に変化しており、油断すると崖の傍を歩いている事もあった。
「やはり、霧が邪魔ですね。でも、こんなこともあろうかと、私には用意があります!」
アンネリーゼがハンディエアコンを8本取り出し、指の間にシャキィーンと挟む。
それはまるでバタフライ。
今にも飛び立ちそうな勢いで、華麗に……舞う!
そのため、何か危険なフラグが勢いよく立ちそうな雰囲気があるものの、アンネリーゼはまったく気にしていなかった。
「……何かいるようだねぇ」
その途端、フロースが警戒した様子で、ダガーを構えた。
物音からして、小動物。
ウサギか、リスか、それ以外……。
だが、それを狙う何かが迫っている事は、間違いなかった。
「……大丈夫! この程度の霧ならば、3分程で晴らせます」
アンネリーゼがキリリとした表情を浮かべ、器用にスイッチを入れ、ハンディエアコンの除湿モードを作動させた。
それと同時に、まわりの霧が吸い込まれ、ほんの少しだけ……霧が晴れた。
そして、グラドラゴがふたりの前に、堂々と姿を現した。
「グオオオオオオオオオオオオン!」
グラドラゴはアンネリーゼ達を威嚇するようにして咆哮を響かせた。
「これは何というか……当たりだねぇ」
フロースがグラドラゴと目を合わせ、複雑な気持ちになった。
果たして、これが求めていたシチュエーションなのか、フロースにはよく分からない。
ある意味、正解ではあるものの、コレジャナイ感が満載だった。
「フロースさん、護衛お願いします。その間に、この霧を出来るだけ晴らしてしまうので……」
その間に、アンネリーゼが【Over Drive(オーバードライブ)】を使い、グーグーと腹を鳴らしながら、超加速モードを起動させ、何となくまわりの霧を晴らしていくのであった。
●霧の中の戦い
「わぁ、霧が深い場所だねー」
四王天・焔(妖の薔薇・f04438)は霧を掻き分けるようにして、霧中の暴君『グラドラゴ』が棲む渓谷の中を進んでいた。
渓谷の中は深い霧に覆われており、それこそ一歩先は全く見えないような状況であった。
「だからと言って、ここで逃げる訳にはいかないっす。せっかく面白い食材も見つかった事っすし、後はメインディッシュが必要っすから……」
リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)も足元を警戒しつつ、ゆっくりと前に進んでいった。
グラドラゴが何処に潜んでいるのか分からないが、この渓谷の何処かにいる事は確実。
噂では霧が薄くなる時間帯もあるようだが、いま注意しなければならないのは、霧の中に潜んでいるグラドラゴが奇襲を仕掛けてくる事であった。
「でも、ドラゴンが潜んでいる以上、油断は出来ないね」
焔が第六感と野生の勘を駆使して、辺りの気配を探っていく。
辺りは霧に覆われているものの、まったく生物が存在していないと言う訳ではなく、いくつか気配があった。
そのうちのいくつかは猟兵……残りは小動物と言った感じであった。
「オー……確かに、とってもビッグなドラゴンさんの気配がしますネー」
そんな中、アポロダスト・ディラマティウス(踊り踊らば踊りまSHOW!・f17392)が、グラドラゴと思しき気配に気づく。
その気配は、まだ遠くの方に感じられているものの、何かあれば一飛びで自分達の傍まで飛んできそうな勢いだった。
「勝利の鍵はグルメスにあると思うっすよ! 毒抜きの方法とかを研究していたなら、ドラゴン毒の解毒方法も知ってると思うっす。だって、ほら……グルメスから貰った地図にも、解毒効果のあるキノコが生えている場所が記されているっすから……」
リカルドが森の中で何となく採集していたキノコと薬草を使い、世界知識と【戦場の料理人(キツネノコックサン)】を駆使して耐毒性のある料理を作った。
実際に効果があるかどうかは、試してみないと分からないが、それでも何もしないよりはマシ。
運が良ければ、グラドラゴの毒を無効化する事が出来るはずである。
「……とは言ったものの、この霧をどうにかしないと先に進むことが出来まセーン。ぶっちゃけ神であるワタシなら何とかなる気もしますケド、無理は禁物デース。霧の弱点は風……というわけで『ダンス』デース! どんな状況においてもダンスは全てを解決しマース!」
アポロダストが【スカイステッパー】を使い、立体的に高速でダンス!
通常であれば、その程度で霧は晴れない。
しかし、アポロダストの鍛えぬかれた肉体と、ハンディエアコンを両手に持ったアンネリーゼによる奇跡のコラボによってハリケーンが発生し……何となく霧が晴れた。
それは、あくまで何となく……。
目を細めれば、薄っすらと何かが見えるレベルであった。
だが、それで十分!
霧にボンヤリと浮かんだグラドラゴが、こちらに迫っている姿が見えた……!
「……来るよ!」
その途端、聞き耳を立てていた焔がビクッと身体を震わせ、仲間達に対して警告をした後、【白狐召還符(サモン・フォックス)】で蒼い狐火を吐く白狐を召喚して飛び乗った。
「グオオオオオオオオオオオオオオオン!」
それと同時にグラドラゴが姿を現し、猟兵達を威嚇するようにして、ケモノのような唸り声を響かせた。
「あれがグラドラゴか。竜としては小型だが、毒を纏っているのか……」
それを目の当たりにしたラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)が、『毒には毒を』の精神で毒精霊『ポイゼ』に視線を送る。
「……」
しかし、ポイゼは決して目を……合わせない。
それこそ、鉄の精神で、頑なに目を合わせようとしなかった。
「まあ、別に私が行ってもいいんだが、そこはほら……君の経験という事で。大丈夫、食べられたりしないから……」
ラッセルがイイ笑顔を浮かべ、ポイゼをグラドラゴのところに送り出した。
その途端、グラドラゴが口をアングリ。
「み、見ました、今の……!」
ポイゼがラッセルを二度見。
だが、今度はラッセルが目を合わさない。
それどころか、『つまらないモノですが、どうぞお納めください』と言わんばかりにポイゼをグイグイ!
これにはポイゼも、涙目。
しかし、それでも……やるしかない!
ラッセルの目がマジである以上、予定変更などないのだから!
「もうヤケですわ……!」
ポイゼが半ばヤケになりながら、捨て身の特攻!
ラッセルもミスティック・ルーンで魔力を自動回復しながら、何となくポイゼを援護!
「なんとも強大な敵だな。だが、俺たちのやることは変わらない。この強大な敵すらも、乗り越えて見せよう……!」
白波・柾(スターブレイカー・f05809)も警戒した様子で、攻撃を仕掛けるタイミングを窺った。
だからと言って、迂闊に近づけば、グラドラゴが毒の息を吐いて来るかも知れない。
それが分かっているせいか、何の考えもなしに突っ込んでいくのは、ある意味で自殺行為。
「『仔竜肉のハーブサンド』っす! 喉に詰まらせないようによく噛んで食べるっすよ!」
そんな空気を察したリカルドが仔竜肉のハーブサンドを、仲間達に配っていく。
効果があるかは、運次第。
だが、グルメスがまったく意味のない場所に、目印をつけている事などあり得ない。
そういった意味でも、グラドラゴの毒を無効化する事が出来るはずである。
「さすがにハーブサンドを食べながら、戦う事は出来ないが……。文句を言っている場合でもないか」
柾がグラドラゴを牽制しつつ、ハーブサンドをパクついた。
こんな状況でなければ、ハーブサンドの味を絶賛しているところではあるものの、さすがにそんな状況ではない。
それでも、これに毒を無効化する効果があるのであれば、いま食べなければ意味がない。
「グルルルルルル!」
それでも、グラドラゴは怯む事なく【ミストリフレクト】を使い、傍にいた焔の姿を霧で再現すると、本物の焔を攻撃させた。
「わっ、焔の姿をした霧……? 偽物には負けないよ!」
それを迎え撃つようにして、焔が互いに声を掛け合いながら、霧で出来た偽物の焔に攻撃を仕掛けていった。
「ユーに恨みはありませんが、人間たちが生きるため狩らせて貰いマース!」
続いて、アポロダストが距離を縮め、【流星群舞踊(メテオダンス)】で流星群を降らせ、グラドラゴに大ダメージを与えた。
「グルルルルル!」
これにはグラドラゴが身の危険を感じ、触れるだけで出血毒と麻痺毒に侵される霧を発生させた。
「効きませんわよ、そんなモノ」
ポイゼが涙目になりつつ、グラドラゴを執拗に攻撃!
ポイゼ自身が猛毒のため、グラドラゴの毒攻撃がまったく効かない。
だが、それ以外の攻撃がモロに効いているため、半ばヤケになりつつ、駄々っ子パンチ状態で攻撃を繰り出していた。
猟兵達もリカルドが作ったハーブサンドのおかげか、誰ひとりとして怯んでいない。
「毒が効かないのであれば、恐れる程の相手ではないな」
すぐさま、柾が間合いを詰めていき、【正剣一閃(セイケンイッセン)】でグラドラゴの固い皮膚を斬り裂いた。
「……という訳で、私の素材になってもらおうか。安心しろ、すぐ……終わる!」
次の瞬間、ラッセルが【フラムブラスト】を仕掛け、火炎属性の炎剣フラムによる剣撃で、グラドラゴを炎に包んだ。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
その一撃を喰らったグラドラゴが断末魔を響かせ、ぶすぶすと煙を上げて息絶えた。
そして、猟兵達はこんがり焼けたグラドラゴの死体を持って、グルメスのところに向かうのであった。
大成功
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第3章 日常
『お鍋の美味しい季節ですね』
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POW : 肉や魚を調達。新鮮なお肉やお魚、狩ったるどー!
SPD : 野菜やキノコ等を調達。森や洞窟から、手早く収穫してきます。
WIZ : 調味料や加工品を調達。村で家人や商人に交渉し、入手します。
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●グルメスの屋敷
「よくぞ戻ってきた選ばれし者達よ! さあ、お前達の手で、最高の鍋に仕上げてくれ!」
グルメスが屋敷に集まった猟兵達を前にして、上機嫌な様子で叫び声を響かせた。
テーブルの上には沢山の食材が並んでおり、それを使って美味い鍋を作ってくれと言う強い気持ちがヒシヒシと伝わってきた。
リカルド・マスケラス
「さて、素材も手に入ったことっすし、頑張るっすかねー」
ということで、料理開始するっすよー。
まあ、料理人は何人もいるっすし、自分が主にやるのは肉の下処理と、鍋に合わせるタレや薬味の用意っすかねー
「ダークセイヴァー料理で慣らしたんで、料理の毒抜きや下処理は得意っすよー」
一応、グルメスのリクエストに答えてピリリと毒を多少残した肉も用意しておくっすよー。一応、解毒作用のある薬草で薬味とか作って食中毒を起こさないように気を配るっすけど
「美味しい料理は人を笑顔にするっすからねー」
あとは鍋を美味しく食べてるみんなの姿を満足気に眺めてます
自分の食べたほうがいいなら真の姿(仮面をかぶった青年)になるっすけど
秋山・軍犬
ジョン&ナンシーとグルメ姫も
呼んで鍋祭り…まず鍋作れ?
…苦労して見つけた
グラドラゴの毒抜き法を教えてくれるん?
むむ…なら自分も中華麺?のレシピという
感謝の一撃をお返しっす!
…で、冒頭でおでんとか聞こえたし
醤油っぽい調味料とかあるんすよね?
では干し茸や調味料で具材の味を
殺さない濃さのスープを
グラドラゴの肉は臭みをとり
解毒できる薬味も練り込んだ、つみれに
野菜や茸…鍋に合う解毒効果のある具材も入れて…
毒抜き以外に毒対策【医術】してたら薬膳みたいに…
グラドラゴの薬膳鍋の〆は拉麺?
…味見して調整【料理】したから味は保証するっす
…折角だからコッソリと仔竜の竜骨スープと
ドラゴンチャーシューの拉麺も試作しとこ
フロース・ウェスペルティリオ
ふふ、ウチは普通にのんびりとお鍋を楽しむ事にするよ
んー、結局、仔竜も狩られてたみたいだし、グラドラゴ&仔竜のお肉の親子鍋なんて面白そうかなぁ。実際の親子かは分かんないけど
とりあえず、適当に野菜とキノコを沢山入れて、お出汁にしよう
アンネリーゼさんオススメの「ぽん酢」で頂いても良いねぇ
うん、ドラゴンは初めて食べるけど、結構美味しいねぇ
お野菜もホクホクだったり、特有の甘さがあって、お肉とも相性良い感じかなぁ
ぽん酢もあっさりしてて食べやすいし、柑橘類で酸味を足してみても爽やかで良いかも?
なお、多少ドラゴン肉に毒が残ってても、毒耐性で緩和されてちょっと刺激的(スパイシー)だなぁ、くらいな感想
アドリブ歓迎
アンネリーゼ・ディンドルフ
【アドリブ大歓迎】
「この本を参考に、皆さんでおいしくお鍋を突きたいです」
アンネリーゼはサムライエンパイア製のお鍋教本を取り出す。
「食材の投入には順番があるようですね」
「ああ、その食材より先にこちらを……」
すると、猟兵達から不満の声が上がる。
猟兵A「順番はいいから好きに食わせろ」
猟兵B「ドラゴン肉のしゃぶしゃぶが食べたいよ」
その言葉でアンネリーゼは鍋の本質を知る。
「そうですね、お鍋を美味しくいただくコツは手順ではなくて“みんなで楽しくいただく”ということですね。お鍋の文化は奥が深いです」
アンネリーゼは、ひとつ賢くなった。
「私もドラゴン肉のしゃぶしゃぶをいただきたいです」
お腹がぐーぐー鳴っている。
ラッセル・ベイ
ははは!これだけの素材を手に入れた上、食事ができるとは!……グルメス君が作るのではないのか?
料理まで猟兵任せとは、他力本願が過ぎるのでは?
これにはポイゼもご立腹
彼女は怒ると怖いぞ……それはもう、ドラゴンなど比べ物にならん
何かご機嫌を取るべきだと思うが……なぁ、グルメス君?
という訳で、私が肉を除いた全素材を譲り受けると言う案で許した
いやぁ、良かった良かった……どうした、ポイゼよ
私をダシに使ったって?ははは、そんな事は決して
わ、分かった分かった。新たな装備を作れば良いんだろう?
だから必殺猛毒を収めてくれ、それは私でも死ぬから
まぁ、色々と素材も増えてきたから丁度いい機会か
アポロダスト・ディラマティウス
【アドリブ歓迎】
(アポロに料理のことはわからなかった、ただ熱意だけはあった)
ダンスも料理も似たようなものデース!!
ダンスしておけばなんとかなりマース!!
音に合わせて体を自由に動かし、自由な食材を自由に切って
鍋にぶち込めばきっと美味しくなるはずデース!!!
そして一番重要な調味料…それは空腹デース!!
完成までダンスしてお腹をペコペコにするのデース!!!
そーれ!ダンスダンス!
●突然の鍋
「……ん? 鍋を作れ? だったら、苦労して見つけたグラドラゴの毒抜き法を教えてくれるん?」
秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)は、グルメスの言葉に一抹の不安を覚えた。
だが、グラドラゴの毒抜き法は、門外不出!
既に毒抜きが終わったグラドラゴの肉が、テーブルの上に置かれていた。
一体、どのタイミングで毒抜きをしたのか分からないが、グラドラゴの肉はピンクで綺麗。
見るからに美味しそうな雰囲気が漂っているものの、何やら最初と話が違う気がするのは……気のせいではない。
おそらく、『この流れだったら、料理も作ってくれるんじゃね?』とグルメスが判断し、ドサクサに紛れて鍋作りを丸投げしたのだろう。
グルメス自身も『ヤバイ、気づかれた!?』と言わんばかりに、決して目を合わせようとしなかった。
「……ん? 料理はグルメス君が作るのではないのか? 料理まで猟兵任せとは、他力本願が過ぎるのでは?」
ラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)もグルメスの言葉に違和感を覚え、生暖かい視線を送る。
これには毒精霊『ポイゼ』も、御立腹!
『許しませんわよ、絶対に……!』と言わんばかりに、殺気立っているようだった。
しかし、グルメスはスルー。華麗にスルー。
あえて気づかないフリをして、完全にスルーであった。
「彼女は怒ると怖いぞ……それはもう、ドラゴンなど比べ物にならん。何かご機嫌を取るべきだと思うが……なぁ、グルメス君?」
そう言ってラッセルがグルメスを睨もうとしたが、既にドロン!
自分にとって都合の悪い状況に陥る事を先読みしたのか、脱兎の如く逃げ出した。
その姿は完全に逃亡者ッ!
そのまま高笑いを響かせながら、飛行船なモノに乗って、逃亡しそうな勢いだった。
「まあ、そういう態度を取るのであれば、私が肉を除いた全素材を譲り受けると言う事で手を打とう」
ラッセルが何やら察した様子で、素材になりそうなモノを、荷車に積んでいく。
その大半が食材には向かないモノなので、グルメスが文句を言ってくる気配もない。
「……と言うか、それで本当にいいんですの?」
だが、ポイゼは何やら不満げ。
苦労をした割に、見返りがゼロであるが故に、プンプンである。
「分かった、分かった。新たな装備を作れば良いんだろう? だから必殺猛毒を収めてくれ、それは私でも死ぬから……」
ラッセルが死亡フラグをへし折りつつ、ポイゼの機嫌取りに全力を注ぐ。
その甲斐あってポイゼも機嫌を直したが、新たな装備が完成するまでは気が抜けない。
「腹減ったぁ~」
それとは対照的に、ジョン&ナンシー+グルメ姫は椅子に座って、テーブルをドンドンと叩いていた。
グルメスも、ドサクサに紛れて、ドンドンドン!
みんな、駄々っ子の如く、テーブルを叩いて、ハラペコアピール。
「いや、おかしいっすよね? 特にそこっ!」
そこですかさず軍犬が、鋭いツッコミ!
しかし、グルメスはキョトン!
紛う事なきキョトン顔。
『何か問題でも……?』と言わんばかりに、ジョン達と一緒にキョトンであった。
●美味しい鍋を作ろう
「さて、素材も手に入ったことっすし、頑張るっすかねー」
リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)はグルメス付の料理人達を集め、せっせと食材を刻んでいた。
まわりにいた料理人達も、リカルドに指示に従って、テキパキと食材を刻んでいた。
「むむ……ならば自分はコレを作るっす!」
軍犬も自分の中に芽生えた不信感を拭い去り、せっせと中華麺を作り始めた。
もちろん、何の不満も、疑問もない訳ではない。
だが、そんなモヤモヤとした気持ちを振り払うためにも、料理を作る以外の選択肢は存在していなかった。
「まあ、ダンスも料理も似たようなものデース! ダンスをしておけば、何とかなりマース」
アポロダスト・ディラマティウス(踊り踊らば踊りまSHOW!・f17392)も楽しそうにダンスを踊って、クッキング!
それに合わせて、キノコやニンジン等の食材も、一緒にダンス!
どうやら、妙な食材が混ざっていたらしく、何処からともなく流れ出したバックミュージックに合わせて、楽しそうにダンスを踊っていた。
「それなら、この本を参考にして、美味しい鍋を作りましょう!」
すぐさま、アンネリーゼ・ディンドルフ(エルフの歌うグールドライバー・f15093)が、サムライエンパイア製のお鍋教本を取り出した。
それは、美味しい鍋を作るために必要な、いわば聖典ッ!
これなしでは、せっかくの鍋が闇鍋と化してしまう危険もチラついているため、猟兵達にとって必要なモノであった。
「それじゃ、ウチは普通にのんびりとお鍋を楽しむ事にするよ」
一方、フロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)は、マッタリムード。
美味しそうな料理の匂いに包まれながら、ドラゴン鍋の完成を待っていた。
「何かリクエストがあるなら、頼んでおくが……」
そんな空気を察したグルメスが、フロースに声を掛けた。
「んー……結局、仔竜も狩られてたみたいだし、グラドラゴ&仔竜のお肉の親子鍋なんて面白そうかなぁ。実際の親子かは分かんないけど……」
それに応えるようにして、フロースがグルメスにリクエスト。
「なるほど、それは面白い」
グルメスが指をパチンと鳴らし、近くにいた料理人にアイコンタクトを送る。
それだけで、すべてを理解する事が出来たのか、料理人がサムズアップで答えを返す。
「もっと、激しく! スタイリッシュに、踊るデェース」
その間も、アポロダストもバックミュージックに合わせて、自由に身体を動かし、次々と食材を切り刻んでいった。
それに応えるようにして、食材達が切り刻まれた食材を両手に持って、次々と鍋にドボン!
まるでシンクロをするかの如く勢いで、生足をチラリと見せて、鍋の底に沈んでいった。
「とりあえず、食材の投入には順番があるようですね」
アンネリーゼが、お鍋教本を眺め、猟兵達にアドバイス。
しかし、アポロダストの食材が、ガン見。
まるで恋人同士のように寄り添うキノコと、タケノコを見て、アンネリーゼも言葉に詰まる。
果たして、ふたり(?)を邪魔する事が正解なのか、不正解なのか。
それを考えている余裕すら与えぬ勢いで、食材達が……ガン見である!
「えーっと……そこは自由で……。それに、お鍋を美味しくいただくコツは手順ではなくて『みんなで楽しくいただく』ということ……。お鍋の文化は奥が深いですね」
アポロダストが何かを悟った様子で、食材達に対して答えを返す。
本当は鍋に入れる順番が決まっているものの、ここでふたり(?)の恋を引き裂く事が正解だとは思えない。
それ以前に、『この食材……食べて大丈夫なの!?』という疑問が過ったものの、それを言うのは野暮である。
「ダークセイヴァー料理で慣らしたんで、料理の毒抜きや下処理は得意っすよー」
その間も、リカルドは肉の下処理と、鍋に合わせるタレや薬味づくりに励んでいた。
もちろん、グルメスのリクエストに答え、ピリリと来るレベルの毒も用意。
例え、毒が回ったとしても、軽く痺れるだけなので、万が一食べ過ぎたとしても、食中毒になってばたんきゅーという事はないだろう。
「とりあえず、適当に野菜とキノコを沢山入れて、お出汁にしよう」
そんな中、フロース達が食材達と目を合わせた。
みんな、戦場に赴く兵士の如く、ビシィッと整列しているものの、本当に食べていいモノなのか、正直……疑問。
おそらく、アルラウネやファンガスなどの類だが、それだけで安心だとは思えない。
むしろ、不安。
圧倒的なまでに、不安な気持ちが、フロースの心を包み込んだ。
●鍋を食べよう♪
「さて……、そろそろみんな腹が減ってきた頃じゃないのか?」
グルメスが鼻をヒクヒクとさせ、猟兵達をガン見した。
既にハラペコMAX状態。
『何かを食べないと力が出ない』状態に陥っているため、目の前に出されたモノは何であっても、平らげそうな勢いだった。
「ワタシも、お腹……ペコペコデース!」
アポロダストも踊りつかれて、椅子に着席ッ!
気のせいか、難を逃れたキノコが、アポロダストの肩に乗っているような気もするが、彼女はまったく気にしていない。
「私もドラゴン肉のしゃぶしゃぶをいただきたいです」
アンネリーゼもグーグーと腹を鳴らしながら、目の前の鍋に視線を送る。
どうやら、先程のカップルは無事に添い遂げる事が出来たらしく、アンネリーゼの前でプカプカと浮かんでいた。
さすがに、それを食べる気にはならないものの、その気持ちは複雑だった。
「……味見して調整【料理】したから味は保証するっす」
軍犬も、すべてをやり終えたような表情を浮かべ、グルメス達に仔竜の竜骨スープとドラゴンチャーシューの拉麺を振舞った。
「こ、これは……!」
その途端、グルメスの中に広がったのは、広大な草原ッ!
そこで食材達が楽しそうにダンスを踊り、グルメスに『食べて、食べて』と迫っていた。
そのため、狂暴であるはずのグラドラゴも、仔竜も、みんなニッコリ。
グルメスに食べてもらうため、身を捧げる勢いで、みんなノリノリであった。
それはまでハーレム状態。
拉麺を口にしたグルメスも、感動のあまり『美味い!』と言う言葉しか浮かばなかった。
「うん、ドラゴンは初めて食べるけど、結構美味しいねぇ。アンネリーゼさん、オススメの『ぽん酢』で頂いても良いねぇ」
フロースもドラゴン鍋を食べ、幸せな気持ちになった。
野菜はホクホク、しかも活き活き。
どれも特有の甘さがあり、肉との相性も最高だった。
しかも、ポン酢にピッタリと合っており、わずかに残った毒と混ざり合い、食材の旨味をワンランクアップさせていた。
「美味しい料理は、人を笑顔にするっすからねー」
そんな中、仲間達を眺めながら、リカルドが満足げな表情を浮かべた。
みんな料理の味を満足しており、今にも今にも羽を生やして飛び立ちそうな勢いだった。
そして、グルメス達の宴は、夜通し続くのであった。
大成功
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