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焼き荒らされる花畑

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●とある花屋の老夫婦
 その日は特に何もない、いつも通りの一日だったと思う。
 少なくともこの老人二人にとってはそうだった。
 いつも通りに二人は村の中でも一番ともてはやされるほどの自慢の花畑に肥料を撒き、水をやり、雑草をむしり、その恵みに感謝しながらいくらかの花を摘み、妻は夫にパンと果物と水を持たせた後は、花畑の手入れと家事、炊事、洗濯を。夫は摘んだ花を籠いっぱいにいれて街に売りに行く。
 そして花が売り切れたらその日に稼いだ幾ばくかの銀貨や銅貨で食料品や日用品を買い、家に帰って今日はこんなことがあったよと妻に語りながら共に暖かいスープをすすり、パンを齧る。そして妻はそんな話を聞き、共に笑いあう。
 毎日がそれの繰り返しであった。
 そして今日もいつも通り夜、花畑に向かって就寝前に『花の神よ、恵みを感謝します」と祈りをささげる日課を果たそうとした。
 異変に老夫婦が気付いたのはその時であった。
「ピエール、ピエール、大変よ、大変よ」
「落ち着くんじゃマリー、急いで水をバケツいっぱいに汲んでくるんじゃ!」
 自分たちの花畑が、燃えている。
 自慢の花畑が。
 我が子が。
 今まで我が子のように育てていた花畑が。
「ああ、神よ、どうしてこんなことに」
「今はわからん、火を消し止めるのが先じゃ」
 二人は老体に鞭をうち、両手にバケツを抱えながら火に向かって水をかける。
 だが、火は消える事は無い。
「お願い、お願いよ、消えてちょうだい」
 マリーは必死に井戸と花畑を往復する。
 するといつの間にかピエールの姿がないことに気付いた。
「ピエール、ピエール! 何処へ行ってしまったの!」
 まさかあの火に巻き込まれてしまったのだろうか。
 そう思うといてもたってもいられず、マリーは花畑に向かって走る。
 すると倒れているピエールの姿が目に飛び込んできた。
 だが、その姿は不自然であった。火からは遠く、火が放つ光が見せた姿は血を流して倒れる姿だ。そしてその周りには桜の花びらが落ちているのみ。
「ピエール、何があったというの」
「だ、駄目じゃ……」
 近づいてはいかん、というピエールの言葉は届かなかった。
 桜の花びらがマリーの身体を切り刻み、その身体は血に染まる。
「ああ、何故、こんなことに……」
 そう呟くピエールの目の前に花の香りをまとった色香に溢れた女性が現れる。
 明らかにこの場には場違いな姿だ。
 まさか、この女性が花畑に火を放ち、自分とマリーを傷つけたのか……。
 それが真かどうかを確かめる前にピエールは意識を失った。
「花の神様なんかに感謝するのが悪いのよ」
 その言葉を最期に聞きながら。

●花が無くては花屋は出来ぬ
 ココ・ベレスマインズ(強欲な悪徳商人・f05396)はパンパンと手を鳴らし猟兵たちを集める。
「ほら、お前ら事件だぞ! 今回は時間がないから手短に済ますぞ。事件が起こるのはアックス&ウィザーズの世界。場所は綺麗な花畑が特徴の街はずれの村だ」
 ココはこっからが重要な話だと声を荒げる。
「いいか、今から転送する先は夜の花畑だ。そこに自称だか他称だか知らないが春の魔女とかいうのが炎の精霊を呼び出しやがって、村の花畑を片っ端から焼き尽くす!」
 理由なんざ知らないが、いけ好かない野郎だとココは吐き捨てる。
「ここの花は見てくれも香りも凄く良くてな、花を買うのは花が欲しいだけの街の奴らだけじゃねえ。わざわざ遠くから買い付けにくる花屋がいるまでの出来の良さだ。そしてそんな花が一面に広がってる花畑を焼かれたらたまったもんじゃねえ。ここの花をあてにして生きている小さな花屋だっていっぱいあるんだ」
 この村だけの問題じゃねえ、とココは再び声を荒げる。
「今からさっさとこの春の魔女サマをぶちのめしに行くぞ、準備はいいか!」
 そういうと、ココはグリモアを出現させた。


沙田
 お世話になっております、マスターをやらせていただいております沙田と申します。
 最初の炎の精霊戦では光源を相手に戦うようなものなのでそこまで気にしなくても大丈夫ですが、その次の魔女戦では夜闇の中戦わなくてはならないので何らかの対策を講じた方が良いかもしれません。勿論、対策なんて必要ねえ! という方も大丈夫です。熱意があれば多分何らかの形で攻撃が当たる『かも』しれません。
 また、花畑に対する損害は最後に修復しますのであまり考えなくても良いですが、あまりにも一度の損害が大きすぎると相手を喜ばすだけの結果に終わるかもしれませんので、お気を付けください。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『炎の精霊』

POW   :    炎の身体
【燃え盛る身体】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に炎の傷跡が刻まれ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    空駆け
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    火喰い
予め【炎や高熱を吸収する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

霧ヶ谷・紫音
…物の好き嫌いは個人の勝手だけどよ。
嫌いな物に手ぇ出していい理由には、ならねぇよな?
ましてや…こんな事やっちゃいけねぇなんてのは子供でも分かるぜ!ぜってぇ許さねぇ!

「おっと、テメーに燃やされちゃ面倒だからな。出ていけよ、この炎野郎!」
そう言いながら【シロの援護】で呼んだ白狼と一緒に連携しつつ、炎を精霊を花畑の外に追い立てながら戦うぜ!
【黒鉄】のリーチを活かして、花に当てねぇように横振りで【なぎ払い】ながら、隙があれば此方から踏み込んで決定打を狙いつつ、シロにも飛び掛かってもらって追い出しつつ倒していこうと思う。

相手も強えだろうけど、真正面きっての【怪力】勝負なら十八番だ!正々堂々やってやるぜ!


リリサレナ・ハイヴァーン
【SPD】
シルフィンジャンプで空の奴を仕留めるわよ

炎の精霊だし今回は水属性で行くわ
槍に水を纏い、夜空で炎と演舞よ!!
【ジャンプ、属性攻撃、串刺し、なぎ払い、早業、炎耐性、見切り、空中戦、暗視】

「花を燃やす炎は許さない。花と炎、どちらが蹂躙者なのか思い知らせてやるわ!!」

「いや、炎だろ」ってツッコミは受け付けないから。



 炎の精霊たちは歩く。
 歩く。
 足元の土を焦がしながら。
 さあ目的地の花畑はすぐそこだ、燃やしてしまえ、花畑……。
「なあ、お前らよぉ……花を踏んじゃいけませんとか、子供の頃に習わなかったか?」
 足元に生きていた名も無い、ぽつんと咲いていた花を踏みつけ、身にまとう炎で焦がす炎の精霊に向かって霧ヶ谷・紫音(一直線サバイバルガール・f02519)は問いかける。
「ま、人間の常識が精霊に通じるかは知らねえが、気に食わねえな。」
「全く同感よ。理由はどうあれ、特に花畑を燃やし尽くす命令を遂行するような精霊はね」
 紫音の横にいるリリサレナ・ハイヴァーン(黒百合魔槍リリサレナ・f04590)は頷く。
 炎の精霊は二人を本能で敵と認識したのか獣の咆哮のような声をあげ、更に仲間を呼び集める。瞬く間に花畑の前は炎の精霊たちで埋め尽くされていく。
「じゃあリリサレナ、空から来る奴らは頼む」
「真っ直ぐ突っ込んでくる奴らはどうするのよ」
 問いかけるリリサレナの言葉に答える代わりに、背中から鉄塊……いや、黒鉄と呼ばれる剣を取り出し、不敵な笑みを見せる。
『来い、シロッ!』
 そして紫音はユーベルコード『シロの援護』を発動させる。
 炎の精霊達は目的を遂行すべく、数で押し切ろうと数匹で紫音に飛びかかる、が。
 そのまま紫音は花畑の花を切らないよう黒鉄を横に振り回し、薙ぎ払う。
「真正面からかかってくるとは良い度胸してるじゃねえか。ほんの少しだけテメエらのこと見直したぜ。だけどよ……俺とシロに真っ向勝負で勝てると思うなよッ!」
 召喚された白狼も紫音に負けじと花畑に侵入しようとする炎の精霊に飛びかかり、そのまま自慢の鋭い牙と爪で数匹の炎の精霊達と格闘をし始める。
 隙をつき空を駆け、上から花畑を急襲しようとする精霊たちもいた。
 しかし、彼らの炎が花畑を焼き尽くすことは無い。
『風よ集まり地を作れってね!』
 ユーベルコード『シルフィンジャンプ』で同じように空を駆けあがっていたリリサレナが空には居たからだ。
「花を燃やす炎を許せる程……私は優しくないわ」
 さあ、夜空で炎と演武よと微笑み、ユーベルコードを発動させる。
『高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に。つまり突っ込んでから考える!!』
ユーベルコード『戦術槍(ヴァリアブル・ランス)』を発動し、槍に水の魔力を纏わせて炎の精霊を次々と貫いてく。
「蹂躙するはずの立場だったのに、いつの間にか逆に蹂躙される気分はどうかしら、炎の精霊さん?」
 二人は最良の選択をした。だが、炎の精霊から飛び散る火の粉がぽつりぽつりと花畑に落ち始める。そして火の粉は花畑を焼き尽くすとは言わないまでもじわりじわりと花畑を燃やし始める。
 相手の数がわからないならば、炎の精霊との長期戦は不利。
 だが、長期戦にはならないだろうと二人は薄々感じていた。
 理由は三つ。一つは段々炎の精霊達の攻撃の頻度が減ってきている事。
 そして二つ目は、花の神に感謝する程度の事で花畑を燃やすような短気な女が、持久戦を仕掛けてくることはないだろうということ。
 そして、三つ目は。
「テメー自身に燃やされちゃ色々と面倒だからなぁ……」
 出てけよ、炎野郎。と不意をついて侵入を試みた炎の精霊を薙ぎ払う紫音。
 白狼と共に地上で戦うこの猟兵と。
「どちらが『蹂躙者』なのか、そろそろ思い知り始めたかしら?」
 空で的確に炎の精霊を的確に槍で突き刺し、地上に叩き落す猟兵。
 三つ目は『猟兵の前に敵は無し』ということだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エルファス・アグリア
▼動機
ふむ、魔女か。
美しいのなら我が愛妾の1人に加えてやってもよいかも知れん…興味が出てきたな。
「民の平和を脅かすとは許せんな…私がお仕置きしてやらねば」

▼使用UC【王子の威光】
転送前と、転送後も他の猟兵が戦っている間に物陰でエリナを抱いていた、着衣のままでな。
「ふぅ、やはりミニスカートにして正解だったな」
『殿下…私はまだ戦えませんよぅ』

▼王子、参戦
「私はアグリア神聖王国第2王子エルファスである、控えよ魔物共!」
エリナを突撃させ、私は【早業】で目にも留まらぬ速さで神剣を振るい聖なる【衝撃波】を飛ばして攻撃する。
『また殿下は楽してるぅ……!』

▼補足
アドリブ大歓迎
エリナの使用武器は剣



 猟兵の前に敵は無し。だが猟兵の中に『悪』は無しとは言えない。
 今、この物陰で護衛の聖騎士、エリナと熱い接吻を交わし、そのスカートの中に手を入れて抱きしめているこの男……エルファス・アグリア(邪なる聖騎士・f14482)も一般的にいえば『悪』としか言いようがない男だ。
「スカートは短めにしておいて正解だったな、なあエリナ?」
「もう、殿下ったら。まだ他の皆さんが戦ってる最中ですよ……」
 エリナの言葉に言葉ではなく、邪悪な笑みで返すエルファス。
『ふぅ、暫くは戦いに集中出来そうだな』
 エルファスはユーベルコード『王子の威光』を発動させ、炎の精霊たちが襲っている花畑へ急ぐことも無くエリナと共にゆっくりと歩いて近づいていく。
「殿下、私はまだ戦えないんですからね」
「美しい女性と共にいるだけで、私は強くなれるのさ」
「もう、またそんな冗談を言って」
 冗談じゃないさ、とエルファスは呟き、花畑の前にいる炎の精霊たちに向かって大声で呼びかける。
「私はアグリア神聖王国第2王子エルファスである。控えよ、精霊共よ!」
 精霊たちは邪魔が入ったと言わんばかりに唸り声を上げ、エルファス達に突っ込んで来る。
 精霊たちに向かって威嚇だけでもしておこうと剣を構えるエリナ。
 そして精霊たちに向かってエルファスは……エリナを突き飛ばした。
「え、え、ちょ、ちょっと殿下っ!」
 エリナは精霊たちの前の地面に転倒し、持っていた剣も落としてしまう。
 勿論、先に間合いに入ったエリナに精霊たちは襲い掛かる。
 そしてこの転んでいる哀れな聖騎士は攻撃を受ける事を覚悟して目をつぶった。
 が、攻撃は来ない。
 エルファスが転んだエリナの後ろから目にもとまらぬ早業で神剣アグリアスから聖なる衝撃波を放ち、襲い掛かった精霊たちをその衝撃波で消滅させたのだ。
「囮役ご苦労だったぞ、エリナ」
「殿下、また私にばっかり苦労させてる……」
「はは、まあそういうな。怪我はしないよう軽い力でやったはずだぞ」
 悪びれもせず、ケラケラと笑うエルファス。
 そしてエルファスは花畑を燃やそうとしている黒幕、グリモア猟兵が予知していた元凶、『春の魔女』のことをふいに思い出す。
「なあ、エリナ」
「はい?」
「民の平和を脅かすような存在は許すことは出来んだろう……私が『お仕置き』してやるべきだと思わないかね?」
 エルファスの言わんとしていることを理解したエリナは呆れ顔でため息をつく。
 そんなエリナとは対照的に、エルファスは笑顔で再び集まってきた精霊たちに向かって衝撃波を放つ。
 花畑の為でなく、さぞ美しいであろう『春の魔女』と出会う為に。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜神・静流
「悪しき魔女を討つ前に……まずは、この炎から滅さねばいけませんか」
精霊と言えど、悪しき魔の者に与するならば邪霊・悪霊の類と変わりません。速やかに殲滅いたしましょう。

「我が剣は陰――汝らに命ず、花を燃やすな!六ノ太刀・縛!」
残像・早業・先制攻撃・属性攻撃・範囲攻撃の技能を使用し、六ノ太刀・縛を使って攻撃します。
宣告するルールは【花を燃やさない】。追い詰められて最後に花畑を道連れに、などされてはたまりませんから。
ルールを守ってこちらに向かってくるならば斬り捨て、破るならばそれによってダメージを受けた所にとどめを刺します。
また、命中したら2回攻撃技能を使い、即座に追撃を仕掛ける構えを。



「悪しき魔女を討つ前に、まずは……この『炎』から滅さねばいけませんね」
 自らが踏みしめる地面と同じように、花畑を焦がそうと近づいてくる炎の精霊たちに向かって夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)は呟く。
 そして腰に差した『十六夜』という名の太刀を掴み、精霊たちを睨み付ける。
「例え自然界に存在する精霊であろうと、オブリビオンに与するならば悪霊と同じ。『我が剣は陰。六ノ太刀・縛!』汝らに命ず、花を燃やす事を禁ずる!」
 太刀が引き抜かれ、ユーベルコード『六ノ太刀・縛』によって発生した影の刃が精霊たちの身体に命中する。
 だが、精霊たちの身体には切り傷どころか命中した痕すらない。
 気にせず再び花畑に迫る精霊たちだが、突如として一体の精霊の足が爆発するかのように吹き飛び、消滅した。
 吹き飛んだ足の下には焼け焦げた花がある。
 『ルール』を理解し、花畑を焼けなくなった腹いせか、はたまた術者を倒せばこの『ルール』は解除されると踏んだのか、精霊たちは足元にぽつりぽつりと咲いている花を避けながら静流に走り寄ってくる。
 静流は刀を構えると、近寄ってきた一体の精霊の身体を斬り裂き、返しの刃で首を斬り落とす。
 そして『ルール』を理解していないのか、あるいは理解していての決死の行動かはわからないが、その身を花畑にぶつける精霊もいた。
 が、花畑が焼けるほどの被害は出せない。
 花に身体を接触させた端から身体が吹き飛び、消滅していく。
 静流は自身に向かってくる精霊を片っ端から刀で切り刻み撃退しつつ、『鉄礫』と呼ばれる小さな鉄球を胸元から取り出す。
 そしてそれを身体が吹き飛び身動きの取れなくなった精霊に向かって投げ、とどめをさす。
 周辺の炎が段々と減り、暗闇が増してきた。
 炎の精霊たちの数は着実に減っている。
「花を燃やす事を禁ずる、と言ったはず。この結末は己自身が招いたものと思え!」
 静流はそう言うと、自身の周りにいた精霊たちの最後の一体を斬り捨てた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リンクス・タイプオーナイン
【WIZ判定】
えっと…花に嫉妬した魔女さんが近くの花を焼いてるねぇ…(人のよさそうなにこにことした笑みを浮かべながら内心【あほらしい】と思い)
行動が短絡的過ぎるし、そんな頭で魔女になれるんだったら僕も是非なりたいね…ああ、馬鹿にしかなれない魔女ならごめんこうむるけれど(変わらない笑みのまま鼻で笑い)というわけでだ炎の精霊さん、だったかな。是非実験相手になってくれよ、生きてたら解剖してやるさ。

・戦闘行動
クランケヴァッフェを巨大な怪物の手に変化させて攻撃を開始。薙ぎ払いながら近づいてくる敵にはサイキックブラストを発動。少し離れた敵にはサイコキャノンによる当たった敵が内部から始める念動力砲を発射



 リンクス・タイプオーナイン(兵器開発部門のマスコットキャラクター兼主任。・f14397)は炎の精霊たちを目の前にしながらも考えていた。
 行動があまりにも思慮に欠け、短絡的すぎると。
 おとぎ話や神話に出てくる『魔女』というものはその性格や使える魔法はどうであれ、その物語の中で行う行動は善行、悪行に関わらず大半は理由が存在する。
 その中で『花の女神に祈った連中に腹を立て、その連中が作り上げた花畑を燃やす』というのはあまりにも横暴かつ、自分勝手極まりない理由だった。
「魔女というのはそんな奴でもなれるものなら、僕もなれるのだろうか」
 そんなリンクスに向かって襲い掛かる炎の精霊たち。
「ああ、少しじっとしておいてもらえないかな。動き回る対象を『解剖』するのは結構面倒なんだ」
 リンクスは両掌から高圧電流を放ち、精霊たちの動きを一時的に止める。
 そして精霊たちに改めて向き直ると、腕にサイコキャノンを構え、もう片方の腕は巨大な怪物のような腕に変化させる。
「さて、解剖のお時間だ」
 そのまま怪物の腕で自身の周りにいる感電して動けなくなった相手を薙ぎ払う。
 そして近づいてくる新たな精霊たちも同じように薙ぎ払い、射程範囲外にいた精霊たちに向かってはサイコキャノンによる念動力砲を放つ。
 命中した精霊たちは数秒間はその形を維持していたが、その数秒間の後は内部から炸裂した念動力砲のエネルギーによってその場ではじけ飛んだ。
「戦力もこの程度か、すぐに骸の海に還るから解剖も出来ない個体のようだ」
 これが最後の精霊だろう、と真っ暗闇になった花畑を見て思ったリンクスだが、花畑の一角から再び精霊が現れた瞬間を見る。
 リンクスはある推測を思いつき、その精霊が現れた一角に向かって声を上げる。
「魔女っていうのは馬鹿『でも』なれるのかなあ、春の魔女さん! それとも花の神様に祈りを捧げるだけで花畑を燃やすくらい怒り狂う、そんな単純な頭をした馬鹿に『しか』なれないのかなあ!」
 リンクスの声が辺り一面、恐らく炎の精霊が出現した場所にも響く。
 すると炎の精霊は消え、静まり返った花畑から声が聞こえる。
 お前、いやお前たちも私をコケにするのね、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『春の魔女プリムローズ』

POW   :    舞い踊る桜花の呪文
自身の装備武器を無数の【桜】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    伸びて絡む蔓の呪文
【魔法陣から召喚した】【何処までも伸びる】【植物の蔓】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    甘く惑わす魅了の呪文
【全身】から【魔性の色香】を放ち、【魅了する事】により対象の動きを一時的に封じる。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はリアン・ローリエです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 暗闇と花の焦げた匂いに満たされた花畑。
「お前たちのお陰で、私がせっかく召喚した大量の炎の精霊たちも無駄になったわ」
 そして花畑の方向からふわりと、花の焦げた匂いに混じって明らかにこの花畑の匂いとは違う、強烈な香水のような花の香りが漂ってくる。
「花の神様なんて存在するかどうかもわからない存在に感謝する低俗な人間どもに私の名……春の魔女プリムローズの名を知らしめる絶好の機会だったのに」
 その香水のような強烈な香りは、花の焦げた匂いをかき消すほどに段々と強くなっていく。まるで魔女の怒りが膨らんでいくのを猟兵たちに知らせているかのように。
「お前たちには先に死んでもらう事にするわ。あの気に食わない老夫婦も腹が立つけど、それ以上に、お前たちには計画を台無しにされた恨みがあるからね」
 そして香りと同様に、今度は殺気が辺り一帯を満たす。
「さあ、低俗な人間たちよ、この暗闇の中からどうやって私を倒すのかしら?」
 私、すっごく興味があるの、と魔女は言葉を続ける。
「お前たちからは見えないだろうけど、私からは良く見えているのよ」
 警戒し辺りを見回す猟兵たち。だが炎の精霊たちが消えた今、花畑には明かり一つない。猟兵の目に映るのは暗闇だけだ。
「さあ、精々あがきなさい。あがいて、もがいて、そして……」
 風が吹き、草花を揺らす音と共に、魔女は言う。
「無様に、死になさい」
 その言葉が発せられると共に、猟兵と魔女の戦いが始まった。
夜神・静流
私は夜神の剣士。闇を蠢く邪悪を討つ者。
暗闇の中で、邪なる魔の者との戦う状況こそ、その力を揮うべき時。
このような小細工が通用するとは思わない事です。

暗闇に対しては視力・暗視・聞き耳・第六感で対応。
また、月光の勾玉や聖痕が放つ光も多少は助けになるでしょうか。
魅了の呪文に対しては殺気・気合い・破魔・呪詛耐性・オーラ防御で抵抗。

攻撃は早業・カウンター・属性攻撃・範囲攻撃・破魔を使用して七ノ太刀・暁を使用します。
外れた場合は浄化結界の上に立ち、自身を強化した上で2回攻撃の技能を使って追撃。光源として使うのも有り。

「我が剣は陽。闇夜を斬り裂き、魔を討つ光!七ノ太刀・暁!」



 辺り一面を包む夜闇、何処からともなく魔女のくすくすという笑い声が聞こえる。
 闇に生き、人をたぶらかす邪悪に味方するかのように夜闇は魔女の姿を隠す。
 だが、そんな夜闇を照らす猟兵が一人。
 夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)。
 闇にうごめき、夜闇に紛れ人を襲う魔の者たちを討つ『夜神』の剣士。
 その証でもある月光の勾玉と、左手に刻まれた破邪の聖痕が雲に隠れて夜闇を照らす役目を放棄した月の代わりに、静流の周りをぼんやりと照らす。
「あら、自分から場所をわざわざ知らせてくれてるのね」
 何処からともなく聞こえる魔女の声。
 聞こえた方向はわからないが、先程聞こえた笑い声と比べればその声は明らかに静流に近づいてきている。
「あら、近づいて見てみるとなかなか綺麗な顔をしているわね。どう、私に忠誠を誓わない? もし誓うなら私直属の部下に……」
「魔の者に誓うような忠誠なぞ、生憎持ち合わせてはいない!」
 魔女が言い切る前に、その言葉を遮る静流。
「そう、残念ね」
 すると、花畑を満たしていた香水のような香りが更に強まる。
 その香りには、何らかの魔力が込められた魔性の気が混じっていた。
 だが、同時に魔性の気を打ち消すように殺気が辺りを満たし始める。
 静流の破魔の力を持った殺気が、魔性の気をかき消していく。
「厄介なことしてくれるじゃないの。折角楽に殺してあげようと思ったのに」
 先程よりも近くから、魔女の声が響く。
 その声から推測して、静流は判断した。
 この魔女は、自身のユーベルコードが届く『間合い』に入ったと。
「闇夜を斬り裂き、魔を討つ光よ、今ここに集え!」
 静流は腰に差した刀、『十六夜』を掴む。
『我が剣は陽。祓え、浄化の刃!七ノ太刀・暁!』
 そして魔女がいるであろう方向に、抜刀と同時に光の刃を放つ。
 光の刃は地面に吸収され、辺り一面をぼんやりとではあるが照らし始める。
「大はずれも良いところよ、綺麗な顔の剣士さん。どう、土下座して謝るならヒントをあげても良いのよ?」
 魔女の言葉を無視して、浄化された地面であり結界である場所に静流は移動する。
 そして静流は抜いた刀を改めて構えなおした。
「どうしたの? 大はずれって言われてヤケになっちゃった?」
 それは結界の中に入り、強化された身体能力による五感が見せた幻か、それとも一瞬だけ雲間から顔を見せた月の光によるものかはわからない。
 だが、静流には見えた。一瞬ではあるが、魔女の顔が。
「魔の者に誓う忠誠も、下げる頭も持ってはいない。だが」
 魔女の方向に向かって静流は駆ける。
 そして気配を感じた場所に向かって刀を振るう。
 手ごたえを感じた静流はそのまま返しの刃でもう一度その気配を斬る。
 その時、静流の持つ月光の勾玉が魔女の返り血を照らした。
「振るう刃は、持っている」
 傷を負った魔女はうめき声をあげ、血を垂らしながら再び夜闇に紛れていった。
 この代償は必ず払ってもらう、という言葉と共に。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルファス・アグリア
▼闇への対処
「チッ、可愛い声は聞こえるのに見えん…エリナ、照らせ」
聖騎士であるエリナに《掌から光を放ち前方を照らす聖魔法》を使わせて魔女を視認。
「おお…美しいではないか…!」

▼使用UC【王子の威光】
エリナに魔女を照らして貰いながら、背後から可愛がってやろう。
「魔女を見ながらもなかなか燃えるな…」
『殿下…最低過ぎです…!』

▼王子、参戦
「魔女よ、私の愛人にならんか?
さすれば金も名誉も思いのままだぞ!」
まぁ断るだろうがな。
エリナに魔女を照らして貰いながら、私は目にも留まらぬ【早業】で神剣を振るい聖なる【衝撃波】を飛ばして攻撃。
斬り刻んで無力化したら、組み敷いて暗闇の中お愉しみだ。

▼補足
アドリブ大歓迎



「この暗闇では何も見えんな……エリナ、照らせ」
 エルファス・アグリア(邪なる聖騎士・f14482)が命じると、護衛の聖騎士エリナは掌から光を放つ、が。
「もっと広範囲に照らせないのか? これではかなり近くでなければ魔女を見つけることはできんぞ」
「無茶言わないでくださいよ殿下。私は猟兵じゃないし、それに『ユーベルコード』みたいなそんな強力な魔法はまだ使えないんですってば」
 この肝心な時に使えん奴め、とエルファスが言いかけたその時、そのぼんやりとした光に近づいてくる足音が聞こえた。
「あら、中々いい男じゃないの」
 魔女だ。魔女が自分から近くに寄ってきたのだ。
「お手柄だぞエリナ、これは褒美だ」
「あっ、殿下」
 エルファスは背後からエリナの鎧に手をいれ、胸を揉みながら熱い接吻を交わす。
「魔女を見ながら、というのも中々燃えるだろう?」
「その発言は最低ですよ、殿下」
「……お楽しみのところ悪いけど、私はいつまで放っておかれるのかしら?」
「ああ、待たせてしまって申し訳ない。『ふぅ、暫くは戦いに集中出来そうだな』」
 ユーベルコード『王子の威光』を発動させるエルファス。
 呆れたようにため息をつく魔女に目を向けると、エリナとの接吻を終え、魔女に近づいていく。
「ほほう、なかなかどうして。魔女の名に劣らぬ美しさではないか……!」
「あら、光栄ね。『殿下』に褒めていただけるなんてね」
「どうだ、私の愛人にならんかね。金も名誉も思いのままであるぞ!」
 そのまま照らしていろ、と少し頬を膨らませているエリナに言うエルファス。
 品定めするように魔女の姿を見ていると、血の流れる傷跡を見つける。
「おや、怪我をしているじゃないか」
「そうなのよ、さっきヘマをしちゃってね……」
 魔女はそう言うと指をさし、傷跡の場所を強調する。
「どれ、私が手当てをしてやろう」
 近づいてくるエルファスに対して誘うように地面に横たわる魔女。
「お願いするわ、『殿下』」
 そんな魔女にひざまずき、傷跡に舌を這わせるエルファス。
「なかなか情熱的な治し方ね、それで、どのくらいで治るのかしら?」
「もっとよく見せてもらわないとわからないな。そして……」
 エルファスは突如、神剣アグリアスを掴み、魔女に向かって聖なる衝撃波を放つ。
「こんなものは無粋だと思わんかね?」
 桜の花びらになりかけていた杖を吹き飛ばすエルファス。
 魔女はユーベルコード『舞い踊る桜花の呪文』によって自身の杖を桜の花びらに変え、エルファスを切り刻もうとしていたのだ。
「馬鹿な男だと思ってたけど、そこまで馬鹿ではなかったみたいね」
 逃げようと立ち上がる魔女。だが。
「よく言われる」
 エルファスは再び聖なる衝撃波を、今度は魔女に向けて放つ。
 衝撃波を受けた魔女はそのまま再び暗闇の中に消えていった。
「魔女よ、さあ、改めて愛し合おうではないか!」
 どこだ、確かこの辺に吹き飛ぶはずだ、と暗闇に駆けだすエルファス。
 そんなエルファスにエリナは待ってください、と声をあげながらついていく。
 その際、掌から放たれていた光が維持できず、消えてしまう。
 本当の暗闇の中、魔女を探すエルファス。
 すると足に何かがぶつかり、うめき声をあげる。
 エルファスはそれを魔女だと確信し、組み敷こうとする。
「探し回ったぞ、魔女よ! さあ続きを……」
「私ですよ、殿下」
 声の主は掌から光を放ち、その顔を照らす。
 それは魔女ではなくエリナだった。
 暗闇の中、足元が見えず段差で転んでいたのだ。
「エリナか……魔女はどこにいった?」
「知りませんよ! こっちは殿下を探すのに必死だったんですからねっ」
 仕方ない、とエルファスは呟くとエリナの口を再び塞ぎ、熱い接吻を交わす。
 その時、何処からともなく魔女の呆れたような笑い声が聞こえる。
 ここまで女癖の悪い『殿下』もいるのね、という言葉と共に。

成功 🔵​🔵​🔴​

霧ヶ谷・紫音
言いてぇ事は色々あるが、とりあえず…
確実に存在するものしか認めねぇなんて
随分と器のちいせぇ神サマもいたもんだぜ。
低俗な人間の底力って奴を見せてやらぁ!

【SPD】
確かに人間の肉眼じゃ見つけらんねーだろうが…
オオカミの目ならどうだろうな!
っつーことで、引き続きシロにその目を活かして飛び掛かってもらうぜ!
戦いながら吠えたりしてもらってある程度の位置は
把握できるように、とかな!
当時に俺は【特殊暗視ゴーグル】と【PGM HDB-Ⅲ】を装備して、
元々の【視力】の良さに加えて【暗視】にも対応するぜ!
自然の【地形の利用】は得意だから、上手く紛れながら
隙を見せたらすぐにライフルで狙撃(【スナイパー】)してやる!



「実在するものしか認めねえ、なんて器の小せえ魔女サマだぜ。なあ、お前も、そう思わないか……」
 『来い、シロッ!』と叫び、霧ヶ谷・紫音(一直線サバイバルガール・f02519)は相棒である巨大な白狼、シロをユーベルコード『シロの援護』で呼び出す。
「ようし、シロ。魔女サマを見つけて追い立ててくれ。いつも通り野山で狩りをするのと同じ要領でな」
 シロはその言葉に答えるようにワン、と吠えると、暗闇の中に駆けだす。
「頼んだぜ、シロ」
 そう言うと紫音は特殊暗視ゴーグルをつけ、愛銃であるPGM HDB-Ⅲを構える。
 そして周囲を見渡し、隠れやすそうな背の高い草が生えているところを見つけ、そこに伏せながら待つ。
 シロの合図を。
 しばらく待っていると、遠くから狼の唸り声と吠える声が響く。
 紫音にはわかった。シロの声であると。
「でかしたぜ、シロ。そのまま追い立てな!」
 すかさずシロの吠え声が聞こえる方向を暗視ゴーグルで見ると、そこにはシロに追いかけられる魔女の姿があった。
 銃口を魔女に向け、照準を合わせようとする紫音であったが、突如シロが転び、苦しそうな鳴き声をあげる。
 魔女に照準を合わせるのを一旦やめ、シロを注視する紫音。
 すると、シロにまとわりつく植物のツタが見えた。ツタが急に成長して、急にまとわりつくなど普通ではありえない。魔女のユーベルコード『伸びて絡む蔓の呪文』によるものだろう。
「面倒なことしやがって。待ってろ、シロ」
 紫音はシロの方に向けて照準を合わせると、ツタを狙撃し、銃弾で引きちぎっていく。
「シロ、走れ! そのツタは俺が何とかする!」
 紫音の声を聞いたシロはツタを振り払うと再び駆け出し、吠え声をあげる。
 途中シロにまとわりつこうとするツタが見えたが、紫音はツタがまとわりつく前に的確に狙撃し、銃弾を命中させていく。
 そして再び魔女の姿が暗視ゴーグルに映る。
 シロは魔女に追いつくと飛びかかり、その足に喰らいつく。
 足に喰らいつかれ、そのまま転ぶ魔女。
 シロを引きはがそうと再び呪文を唱える魔女だが、呪文が唱えられることはない。
 呪文の代わりに、魔女の口から出たのは悲鳴であった。
 魔女の身体を二発の銃弾が貫通したからだ。
「どうだい、魔女サマ! 『低俗な人間』の力ってのはよ!」
 紫音の声がした方向を見る魔女だが、草木に紛れた紫音の姿を見つけられなかったのか、悪態をつくだけだ。
「この程度、なんてことないわよ! たかだか、この程度の傷!」
 魔女は傷を押さえながら立ち上がると、紫音の間合いから逃げるよう逆方向に走り出す。そんな魔女を再び追いかけようとするシロを紫音は制止する。
「待て、シロ! 射程外だ、戻ってこい!」
 シロはその声を聞くと、大人しく紫音の元に戻ってくる。
「よし、いい子だ。お手柄だったぞ、シロ」
 くしゃくしゃと頭をなでると、シロは嬉しそうな鳴き声をあげる。
 その鳴き声を聞き、紫音は今回の『狩り』の成功を改めて実感したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルファス・アグリア
▼仕切り直し
ゴホン…いや済まない、少々遊びが過ぎたようだ。
そろそろ見せてやるとしよう、私の本気を。

▼使用UC【王子の本気】
重視する能力は攻撃力。
本気を出した私に暗闇など何の障害にもならない…視えているのだよ。

▼王子、参戦
「魔女よ、アグリア神聖王国第2王子エルファスの名において貴様を処断する!」
宣言し、目にも留まらぬ【早業】で神剣を振るい、聖なる【衝撃波】を飛ばす【クイックドロウ】を次々と放ち追い詰めて。
「悲しい事だ…それだけの美貌と力を持ちながら人を害する事しか出来ぬとは…
何か言い残す事は?」
瀕死となったら一応は聞いて、苦しまぬ様『早業』で斬首とする。

アドリブ大歓迎
エリナの使用武器はメイス



「少々、遊びが過ぎたようだな……」
「どうしたんです、殿下?」
 先程までとはまるで別人のような雰囲気を放つエルファス・アグリア(邪なる聖騎士・f14482)に、聖騎士エリナは少し怯えの表情を見せる。
 火だ。
 エルファスの目には、自身がエリナと接吻を交わしている間に、再び火をつけようと出現し始めた火の精霊が映っていた。
 そしてエリナも、エルファスの目線の先を追い、それに気づく。
「エリナ、メイスは持ってるか?」
「武器ならしっかり持ってます!」
「ならば、ついてくるが良い」
 その言葉に、エリナは疑問の声をあげる。
「でも、この暗闇の中じゃあ……」
 その言葉に、微笑で返すエルファス。
「エリナよ、そして聞け、魔女よ!『私の本気を見せてやろう、光栄に思うがいい!』」
 ユーベルコード『王子の本気』がエルファスの肉体を強化する。
 そして、あらゆる射撃、魔法、呪いの類を防ぐ守護と、暗闇でも相手を知覚できる結界と、あらゆる場所まで視認できる千里眼、そして身体能力強化の術式をその身にまとう。
 術式をまとったエルファスの顔は、先程までの女たらしの優男ではない。
 まさに、『聖騎士』の名にふさわしい凛々しい顔つきであった。
「さあエリナ、私についてこい。見失なわぬよう、マントを掴んでてもいいぞ」
 そういうとエルファスは自身の白銀の鎧と白いサーコートの上を覆う紅のマントをエリナに向ける。
「し、失礼します!」
「そこまで堅くなるな。ただの布きれを掴んでいると思えばよい」
 そしてエリナがしっかりとマントを掴んだことを確認すると、火の精霊とは真逆の方向に歩き始める。
「殿下、火の精霊が発生しているのはあちらです。こっちの方向ではないのでは?」
「エリナ」
「はい?」
「もし、相手が、あの魔女が。相当な自信家であるのならば、エリナの考えが正しいと思うが……」
 エルファスは辺りを見回す。
「暗闇の中、襲い掛かってくるような奴が、そんな自信家だとは思えん」
「つ、つまり、どういうことでしょう……?」
 エルファスは鼻を鳴らし、神剣アグリアスの持ち手を掴む。
「私には見えるのだよ。あの美しき、臆病者の魔女の姿が」
 そして神剣を目にもとまらぬ早業で抜き放ち、聖なる衝撃波を放つ。
 衝撃波は花畑周辺に生えていた、背の高い草を吹き飛ばす。
 そこには、傷を押さえながら火の精霊の召喚陣を発動させている魔女がいた。
「魔女よ、アグリア神聖王国第2王子エルファスの名において……」
 エルファスの顔を視認したのか、それとも見えはしなかったが、吹き飛んだ草を見て周辺に敵がいる、という認識を与えたのか、その場から立ち去ろうとする魔女。
「貴様に、処断を下す」
 だが、逃げる手負いの魔女を見逃すほど甘くもなければ。
 魔女を逃がす理由も、エルファスには存在しない。
 聖なる衝撃波を次々とクイックドロウで放つ。
 最初の内は魔女も避けていたが、手負いの魔女と本気の聖騎士では、長期戦の結果は明らかだった。
 次第に避けられず衝撃波を浴び始め、魔女はその身体に傷を増やしていく。
「どうした、魔女よ。手負いであればその程度のものか?」
「黙りなさい。あと十秒もすればお前のその顔も火傷で醜くなるんだから」
 召喚陣のほうをちらりと見る魔女。
 だが、既に陣はエリナがメイスで叩き続けており、壊れる寸前だった。
「殿下、こちらの方はお任せを!」
 その光景を見て、魔女は焦りを覚えた。
 焦りは精神だけでなく肉体にも表れ、最初の内は華麗に踊るように避けていた魔女も、段々と、ただただ右へ、左へと飛ぶだけになっていた。
「まだ何か、見せてくれるものはないのかね?」
「そうね……最後に、面白いものを見せてあげるわ」
 魔女は杖を桜の花びらに変え、召喚陣を壊そうとしているエリナに向けて放つ。
「貴方の付き人の、切り刻まれた姿をね」
 エリナはひっ、と声をあげながらも、召喚陣にメイスを振り下ろす。
 召喚陣は耐えきれなくなったのか、ぱりん、と。ガラスの割れるような音をたてて消えた。
 そして桜の花びらは。
「そのような見世物を、私が許可するとでも思っているのかね?」
 エルファスの神剣から放たれる衝撃波により、桜の花びらは全て吹き飛ばされる。
 魔女の切り札は、無くなった。
 召喚陣も、再び桜の花びらを放つための杖も、もう無い。
 聖なる衝撃波が魔女の身体に向けて飛び、衝撃と共に聖なる気を叩き込む。
「悲しいものだな……」
 神剣を持ち、魔女に近づくエルファス。
「それだけの美貌と、力を持ちながらも、人を害する事しか出来ぬとは、な」
 どこか哀れみを持った声が、魔女の神経を逆なでする。
「何か、言い残す事はないかね?」
「ありもしない、花の女神なんかに感謝して。存在する、私には感謝どころか何の感情も持たない。こんな世界も、こんな世界に住む低俗な人間どもも、クズ同然よ」
「そうか、クズ同然かね」
「ええ、そうよ」
 エルファスは神剣を構える。
 そして、一瞬のうちに魔女の首を斬る。
 魔女にとっては一瞬だが、エルファスとエリナにはその一瞬が数秒にも思えた。
 ずるりと魔女の首と胴体がずれ、地に落ちる。
 そしてその肉体は、ただの土と化していく。
「ありもしないものには神様だ、何だとすがり、実在するものには神秘性を感じないと我儘を言って、ぞんざいに扱うかもしれん。だが私は……」
 神剣を鞘に納め、魔女だった土を見るエルファス。
「そんな人間だからこそ、面白いと思っているのだよ」
 なあ、エリナ。と声をかけられたエリナは、はい、と上ずった声で返事をする。
「わ、私もそう思います、殿下!」
「そうかね」
 ならば、あとでご褒美だ、とエリナに囁くエルファス。
 こうして魔女は、猟兵たちによってその肉体は土と化し、骸の海へ還っていった。
 最後まで自分を認識どころか、敬いすらしない人間への怨嗟を叫び続けた魔女。
 もしかしたら、彼女は本当は魔女ではなかったのかもしれない。
 ただの、一人ぼっちの、孤独にその心を蝕まれた一人の女だったのではないかと。
 満たされた気持ちのエリナは、ふと、そんなことを思うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『お花畑をもう一度』

POW   :    種と肥料と土と水!ごめんお花は来年まで待って!

SPD   :    苗や株を丁寧に植え付けます。知識と注意が必要です。

WIZ   :    不思議な力で促成栽培。インスタントに春爛漫。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「いやあ、本当に助かったよ。一時はどうなることやらと思ったのう」
「まだ心臓がドキドキしてるよ、随分長い間生きたけど、こんな事は初めてだったもの」
 深々と猟兵たちに向けて頭を下げる老夫婦。
「まあ、花畑は少し焼けちゃいましたけどねえ。このくらいなら私たち二人で何とか元の花畑の姿に戻してみせますよ。何十年も手掛けてきたんですもの」
 ねえ、ピエール。と声をかけるマリー。
「そうじゃな。時間はどのくらいかかるかわからんが、きっと、元の花畑の姿に戻してあげようと思っとる。ワシら夫婦には子供はおらんが、この花畑が子供のようなもんじゃからの」
 そう言うとピエールは、恐らく倉庫として使っているであろう小さな小屋から、花の種や肥料、土などを持ち出してくる。
「皆さんはマリーのハーブティーでも飲んでいてくだされ。我が家のハーブティーは絶品だ、と近所の人も言ってくださるでのう」
 そして小屋と外を土や肥料を持って行き来していたピエールだが、次第に息が切れ、うめき声をあげ、最後には腰を押さえて倒れてしまう。
「ピエール、大丈夫かい? 腰が悪いんだから無茶しちゃいけないよ」
「大丈夫じゃ、マリー。花畑のことを考えればこれしきのこと……」
 駆け寄るマリーに対し、苦痛に歪んだ顔で立ち上がろうとするピエール。
 猟兵たちはこの老夫婦を無視して立ち去っても良いし、手伝っても良い。
 オブリビオンを撃退した今、この老夫婦に関わっても何も変わることは無い。
 だが、もし手伝うと一声かけたならば、きっとこの老夫婦は喜ぶことだろう。
エルファス・アグリア
▼心情
クズ同然か…彼女は人に期待し過ぎたのかも知れぬな。
私を始め人間にクズなど沢山いる…それが我らの愛しきこの世界、人であると言うのに。
嗚呼、悲しい事だ。

▼王子の施し
エリナに老夫婦を神聖魔法で治癒してやるように命じ、私は祖国に通信魔法で連絡してこの地に花畑を修繕する為の遠征団を派遣するように要請。
「ここがアグリア領かは知らんが、何にせよ慈善活動はやればやるだけ国家の評判を上げる事に繋がるからな」
私は森の中に魔女の小さな墓を作り黙祷を捧げておく。
「魔女よ、お前を敬う者、知る者はこの世界にいないが…私だけはお前の艶やかな肢体と舌に残る淫らな味を時折思い出そう」
口づけた花を墓標に飾り、立ち去る。


夜神・静流
祈り・破魔技能を使用。
月光の癒しを使用し、ピエール様の腰を癒せればと思います。また、手伝いが必要な事があればお手伝いします。
後はお祓い道具を使用して、土地の穢れを祓い、今後の花畑の無事と豊穣を祈願したいですね。

「魔女や精霊による悪影響があってはいけませんし、念の為にお祓いをしておこうと思います」
「いつかまた、一面の花が咲く日を楽しみにしております」



 時は朝、一面に広がるは焼け野原ではないものの、所々が焼け焦げた花畑。
 いつもなら老夫婦はこの花畑の手入れをしている時間だ。
 だが、今日は違う。焼け焦げた花畑の元の姿を取り戻そうと、ピエールは老体に鞭を打ち、土や肥料を運ぼうとした。
 その結果がこれである。
「ぐぐ、歩くどころか立ち上がることも出来んとは、我ながら情けないのう……」
「ピエール様、大丈夫ですか?」
 夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)は駆け寄ると、すぐに左手の甲に刻まれた、三日月の形をした聖痕をピエールの腰に向ける。
 静流が『光あれ。この者の傷と痛みを癒し給え。』と唱えると、たちまち聖痕から青白い、まるで月明かりのような光が放たれる。
 すると、先程まで苦痛に歪んでいたピエールの顔は元に戻り、腰を押さえていた手で地面を掴み、そのまま立ち上がる。
 ユーベルコード『月光の癒し』によるものであるが、老夫婦はそのことを知る由もない。
「ほほ、まるで嘘みたいに痛みが消えよった。あなた様、もしかして治癒の魔法を使えるという事は、教会の方かい?」
「教会……ではありませんが。それに近い者ではあるかもしれませんね」
 ピエールと静流が会話をしている最中、突如として大勢の、おそらく軍隊と思わしき格好をした人間たちがやってくる。
 得体のしれない人物たちがやってきたことに、静流と老夫婦は警戒する、が。
「やあ、遠い所よくやってきてくれたな、諸君」
 白銀の鎧に紅のマントを纏った男、エルファス・アグリア(邪なる聖騎士・f14482)がやってきた人間たちに声をかける。
「なに、心配することはない。この者たちは我がアグリア王国の遠征団。通信魔法で呼んでおいたのだよ」
「遠征団?」
 警戒心を解かない静流だったが、ひょこりとエルファスの後ろから聖騎士エリナが顔を出す。
「え、えっとですね。ここがアグリア領かどうかはわからないんですが、えっと、その、ですね」
 口ごもるエリナに、エルファスがその先の言葉を続ける。
「慈善活動というものは、行えば行うだけ評判を上げるものだ。例えそれが他国の領土であったとしても、それを行った者たちがアグリア王国のものであれば……」
「アグリア王国の評判に繋がる、という事ですね」
 静流は警戒心を解き、息を吐く。
「では、何人か人をお借りしてもいいでしょうか? 例え滅したといえども、魔女と精霊が荒らした土地です。何らかの悪影響があってはなりませんからね」
「何をするつもりだね?」
「お祓いです。この地を清め、今後の花畑の無事と、豊穣を願おうと思って」
 ふむ、と少し思案するエルファスだったが、すぐに快諾する。
「問題ない、人員を貸そうではないか。そこの数人、このお方を手伝いたまえ!」
 声をかけられた数人は御意、というとすぐに静流の周りに集まる。
「では、あなたは塩をこの小皿に盛り、花畑の角に当たるところへ置いてきてください。あなたは、この聖水を……」
「残りの者は花畑の修繕を手伝いたまえ。そうそう、くれぐれも『お祓い』の邪魔をしないように行動するのだぞ」
 他の兵たちも、御意、と言うと、土や肥料を持ちあげる。
「では、ピエールとマリーよ。好きにこの者たちに命令を出してくれたまえ。彼らは一流の兵士ではあるが、一流の庭師ではないのでな」
「おお、本当に助かります。ありがとう、聖騎士様」
「じゃあ遠慮なく手伝ってもらおうかねえ。焼けて駄目になった花を摘むだけでも、私ら二人じゃ時間がかかって仕方がないもの」
 そう言うとピエールとマリーは花畑を見て、ぎこちなくはあるがアグリアの兵士たちに指示を出し始める。
 焼け焦げた花や、熱気でしなびてしまった花を摘み、焼けた土は運び出し、新しい土を入れ、乾いた土には水と肥料を撒く、等々。
「では、この地を清める儀式を始めたいと思います」
 準備が整ったため、花畑の前に立ち、清めの儀式を行い始める静流。
「じゃあ兵隊さん、あとはさっき言ったとおりに……」
「なあに、少し間違えたって良いさ。ここら辺の花は病気にも強いからねえ」
 ピエールとマリーは静流の後ろに行き、目を閉じて祈りをささげ始める。
「あの、殿下……」
「静かにしたまえ」
 清めの儀式の最中、話しかけてきたエリナを小声で戒めるエルファス。
「どんなものであれ、儀式の時は静かにするものだぞ」
「も、申し訳ありません……」
 そして落ち込むエリナの頭を撫で、その場を後にしようとする。
「殿下、どちらへ?」
「私には、少しやらねばならんことがあってな」
 エルファスは少ししたら戻る、と言ってそのまま何処かへと姿を消した。
「この地を治めし花の神よ、どうかこの地に祝福をもたらし……」
 エリナもピエールとマリーの真似をし、静流の後ろで祈りを捧げる。
「はい、お疲れさまでした。これにてこの地は清められました」
 振り返り、祈りを捧げていた三人にお辞儀をする静流。
「腰を治してもらった上に、花畑のお清めまでしてくださるとは。何とお礼を言えばいいか……」
「いえ、お気になさらないでください。いつかまた、この地に一面の花が咲く日を、楽しみにしておりますよ」
 花畑はまだ荒れたままではあるが、どこか清らかな気を放つようになっていた。
「こ、これが『お祓い』。空気まで綺麗になったような気がします!」
 その清らかな気を感じて驚くエリナに、静流はふと気になったことを問いかける。
「あの、一緒にいた騎士の格好をした方はどちらへ?」
 エルファスはその時、森の中に小さな墓を作っていた。
 それは石を積んだような簡素なものではあったが、一見して誰もが『墓』と認識できるような形のものである。
「魔女よ、お前を敬う者、知る者はこの世界にいない。だが……」
 エルファスは墓に向かい、目を閉じ、祈りを捧げる。
「私だけはお前の艶やかな肢体、そして舌に残る淫らな味を時折、思い出そう」
 そう言うとエルファスはこの場所にくる途中に見つけた一本の花を取り出し、その花に口づけをする。
 そして、その花を魔女の墓標に飾るように置いた。
 殿下、どこですか、殿下、と叫ぶエリナの声がエルファスの耳に届く。
「では、さらばだ。孤独だった魔女よ。」
 その言葉を最後に、エルファスはその場を立ち去り、向かう。
 自らの『愛人』、エリナの元へ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月05日
宿敵 『春の魔女プリムローズ』 を撃破!


挿絵イラスト