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クリスマスシナリオ~アルダワぬいぐるみパニック~

#アルダワ魔法学園 #お祭り2021 #クリスマス

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●グリモアベース
「メリークリスマース!早速だけど皆に手伝ってほしい事があるの!」
 このグリモアベースに今集まっているあなた達は、氷色のサンタの恰好をしたポーラリア・ベル(冬告精・f06947)や、青いサンタ衣装に身を纏ったサンタフェアリー達に呼ばれた事だろう。
「良い子の皆にあげる為のプレゼントのぬいぐるみを作ってる工場がね、働き過ぎで機械が止まっちゃったの!何とか手伝ってほしいの!」

 場所はアルダワ。蒸気と魔法の世界である。
 その一角、様々なぬいぐるみを作っている工場が今回の現場。
 蒸気機械で次々と作られる様々なぬいぐるみが、コンベアに溢れかえっていた。

「皆には、機械さんを修理してもらったり、ぬいぐるみを作ってもらったり、できればー、アルダワ学園の皆に配送するための箱詰めもして欲しいの。配達は任せて!ポーラの知ってるフェアリーに沢山声掛けするから!工場の人間さん達、兎に角人手が足りないっててんやわんやしててー」
 あわやわと身振り手振りで頑張って伝える妖精。
「みんながサンタさんになったり、サンタさんのプレゼントを作るチャンスだよ!お手伝いのお題で、好きなぬいぐるみを幾つか持って帰ってもいいし!」

 さてこの聖夜に、ロマンな休日夜を過ごす猟兵達の中で、働いてくれる人が現れるのだろうか?
 でも、きっとそれは素敵な経験になるかもしれない。可愛らしいサンタやトナカイ、動物のぬいぐるみともこもこもふもふしながらサンタさんのお手伝いができるのだから。

「それじゃあ転送するよ!素敵な一夜の働き者さん、頑張ってー!」
 ポーラリアはいそいそと転送の光を猟兵達に放ったのだった。


古塔
 世間ではもう良い子の皆にプレゼントが届いた所かな?
 まだまだ足りないと思った猟兵さんは古塔マスターのシナリオを手伝って!

●概要
 世界はアルダワ。時期はクリスマスの夜。
 サンタな恰好をした人間さんとサンタなフェアリーさんが、ぬいぐるみ工場でせっせとプレゼントを作っては箱詰めしています。
 ぬいぐるみを作っている機械と、それを流すコンベアが止まっています。
 何とかして修理すると、すごい勢いでぬいぐるみが作られて運ばれます。
 津波の様に押し寄せるぬいぐるみを箱詰めするのを手伝って下さいませ。

 配送はサンタフェアリーが頑張ります。主な宛先はアルダワ魔法学園。

 実際に配送されるのでなくフレーバーとなりますが、お礼として好きなぬいぐるみをひとつふたつていど勝手に持って行って構わないそうです。
 ぬいぐるみはめっちゃもふもふしています。クリスマスなので、サンタ系が多いです。

●他
 フラグメントに関する機械修理をしなくても、力技でぬいぐるみを運んだり、裁縫して作ったりしても構いません。
 兎に角サンタさんのプレゼント箱にいっぱいのぬいぐるみをお願いします。
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第1章 日常 『蒸気機械の修理を手伝おう。』

POW   :    大きな部品をどかしたり運んだりする力仕事。

SPD   :    へこんだ所を平らにしたり、歪んだ所を整えたりする細かい作業。

WIZ   :    必要な部品の正確な形を図に起こしたり、魔法で手伝う補助作業。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ピリスカ・ニスク
※WIZに挑戦します。

「まぁ大変!早く修理して、子ども達にぬいぐるみを届けないとね。」
 この言葉に嘘はないけれど、可愛いぬいぐるみを見てウキウキです。できればトナカイのぬいぐるみが欲しいとも思っています。

「エレクトロレギオンを使って画像を集めましょう。現状と必要な部品を3Dデータにして共有すれば、きっと作業もはかどるわ。」
 電脳ゴーグルと機械竜を活用します。うまくいけば、細かい作業も手伝うつもりです。



●アルダワ 魔法の蒸気ぬいぐるみ工場
「まぁ大変!早く修理して、子ども達にぬいぐるみを届けないとね。」
 白い乳白色の短髪をしたミレナリィドールのピリスカ・ニスク(ミレナリィドールの電脳魔術士・f27382)がやってきた。
 しかし言葉とは裏腹に、その目はどこかきらきらと輝いていた。
 可愛いぬいぐるみがコンベアやプレゼント箱の上にぎっしりと詰まっている姿は、まるで夢を見ているかの様。
 ぬいぐるみだらけの不思議なアリスラビリンスの世界があれば、この様な所もあるだろうか。
「と、見とれてるばかりではいけませんね。まずは故障個所を。」
 クリスマス独特の空気が漂う中、ピリスカはコンベアやぬいぐるみ生成機械を調べていく。
「ああ、この部品が焼けていますね。交換するのが早いでしょうか。『来て、エレクトロレギオン。』」
 ピリスカが手を掲げて呼ぶと、小型の機械竜がどこからかぞろぞろと現れた。
「画像を集めましょう。現状と必要な部品を3Dデータにして共有すれば、きっと作業もはかどるわ。」

 サンタ妖精やアルダワの作業員が、作業の最中についつい彼女の仕事を覗き見てしまう。
 欠損した部品を取り外し、クリーナーセットで綺麗にすると、機械竜に部品のデータや予測される適合部品を入力。
「ちょうどいいわ。この部品の余りは無いかしら」
 覗いていたサンタ妖精に部品のリストを渡すと、サンタ妖精はぱあっと笑顔になって、いそいそと取りに行く。
「必要な故障個所はあらかた洗い出したので、メインの制御装置はありますでしょうか。」
 制御装置には正しく動ける様なプログラムを、機械竜に接続して流し込み。
 そうでない手動の場合は、設計図や部品のメモを作業員達に回していく。
「時間が余りましたね。わたしの方からも何か。」
 材料用の金属をエレクトロレギオンに頼んで取り寄せると、電脳ゴーグルを頭にかけ、機械竜から放たれるレーザーで金属を削り出し、3Dプリンターの様に部品を形成していく。
 あとは、部品をはめて、オイルを塗り、稼働のテストを開始すると。

 コンベアが、ごうんごうんと動き出す。
「ひとまず成功でしょうか。」
 急いだ処置であったが、コンベアは動き出した。
 在庫のぬいぐるみが溢れんばかりにプレゼント箱へと流れていき、それをサンタ妖精がせっせと詰め込んで運んでいく。

「わぁ、こんなにたくさんのぬいぐるみが。」
 流れるぬいぐるみの洪水はまるで可愛らしいもふもふの川の様。
『ごめんなさい、こっちも手伝ってくれるかしら!』
 アルダワの職員に促され、ピリスカはもふもふのぬいぐるみの詰め込みも開始する。
 流れ出るぬいぐるみを掴んでは箱に、入れるだけ頑張って。
 機械竜たちにも手伝って、潰れない様に詰め込んでいく。

「あっ」
 するとトナカイのぬいぐるみが流れて来た。
 抱きかかえられるサイズで、丁度いいもふもふ感のあるそのトナカイに、ピリスカは目を奪われ。
『良かったら持っていく?』
「いいんですか?」
『いいよいいよ!動かしてくれたお礼だよ!』
「ありがとうございます!」
 ぎゅっとトナカイのぬいぐるみに抱き着いたあと、それを自分用のプレゼント箱に詰め込んで、1体の機械竜に持ってもらい。
 うきうきした心持で、ピリスカは終わりまでぬいぐるみ工場のお手伝いをしていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

城野・いばら
まぁ!それはお困りでしょう
好きなお裁縫で力になれるなら喜んで

カチカチ(機械)さんの事はわからないから
ご機嫌を直してくださるまでは手縫いでお手伝いを
ぬいぐるみさんの図案を見せて頂いて
裁縫の技術を活かしてテキパキと
けれど、想いを籠めて丁寧に
出来るだけ沢山のコに命を吹き込めるよう頑張るの

【お友達】もお手伝いお願いね
蜂さん達は情報収集・失せ物探しで
頑張る皆の情報共有の助けになってあげて
お洒落番蝶さんは
お出かけ前の身嗜みチェックをお願い
リボンは曲がってない?
帽子を忘れたあわてんぼうさんはいないかしら?
カチカチさんが動き出したら
いばらもラッピングのお手伝い

さぁ小さなサンタさん達
夢を届けに、いってらっしゃい



●アルダワ 魔法の蒸気ぬいぐるみ工場
「まぁ!それはお困りでしょう。好きなお裁縫で力になれるなら喜んで」

 緑の衣服に身を包んだ少女、城野・いばら(白夜の揺籃・f20406)は人の姿となった白薔薇である。
 
「カチカチさんの事はわからないから、ご機嫌を直してくださるまでは手縫いでお手伝いを」
 いばらが頼んだのは、この日の為に作られたと聞く各種ぬいぐるみのサンプル図案。
 先にアルダワ職員達が頑張ってぬいぐるみを作っている作業場に、いばらも入って裁縫を開始する。
 蒸気魔法によるぬいぐるみの生成装置は故障したままであるが、ミシンや自前の魔法、サンタ妖精達も手伝って慌ただしい。
「綿を詰めて、ぬいぬいと。お洒落の飾りも勿論頑張るわ。」
 ある意味では愉快な仲間達をその場で作り出していくかの様に。
 いばらは裁縫の技術を生かし、テキパキと縫い作っていく。
「想いを籠めて丁寧に、出来るだけ沢山のコに命を吹き込めるように」
 そうして作られた、クリスマスを彷彿とさせたり、花飾りが可愛らしいぬいぐるみ達を次々と提出していく。

 一通り作り終えた中で、ふわりと、いばらの身体から白薔薇の茨が湧き出ると、そこから蝶々や蜂の群れが現れた。
「お友達もお手伝いお願いね」
 それはユーベルコードによる招集。
 いばらは白薔薇となっている時の、愉快なお友達の虫さんたちである。
 彼らは統率の取れた動きをして、いばらの指示を待っている。
「蜂さん達は頑張る皆の情報共有の助けになってあげて」
 小さくてどこか愛くるしい蜂の群れは、蜜蜂のように飛んでいく。
 アルダワ職員がぬいぐるみの裁縫針を落とすと、それを拾って手元に置いていく。
 リボンが切れたと慌てるサンタ妖精に、蜂達が追加のリボンを運んでいった。
 情報の共有というよりは、ささやかな妖精の如く、小さきお手伝いを、工場内でせわしなく飛び回っていった。

「お出かけ前には身嗜みもチェックしないとね。お洒落番蝶さんお願い」
 蝶ネクタイをした、お洒落な羽ばたく蝶々の群れがわっと湧いてくると、運び出される箱詰め前のぬいぐるみ達に近づいて。
「リボンは曲がってない?靴紐は宜しくて?帽子を忘れたあわてんぼうさんはいないかしら?」
 目を閉じて微笑む薔薇の魔女は、その様子を暖かく感じ取る。
 蝶々は作った、作られたぬいぐるみ達の、ズレた帽子を掴んで直したり、よれたリボンを複数の蝶がしゃんと結びなおしたり、脱げているサンタぬいぐるみの靴下を蜂さんを呼んでもらって持ってきてもらい、履き尚させたりしていた。
 勿論、うっかり失っていた分はいばらがちくちくと裁縫して作ったりして。

「さぁ小さなサンタさん達。夢を届けに、いってらっしゃい」
 いよいよいばらの作った人形達が、聖夜のアルダワに出かけていく。
 箱に詰められたかわいらしいぬいぐるみ達が、フェアリーに抱きかかえられて、あるいは空飛ぶ魔法のそりに乗せられて、飛んでいく。
 この聖夜に、あのコ達と巡り合った子供達に、幸あれと。
 どうかあのコ達大切に、幸せにしてあげてねと想いながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

酔芙蓉・咲夜
雨宮・いつきさん(f04568)と一緒に

本当にすごいぬいぐるみの数…埃が立っていないのが不思議なくらいです
ええ、ええ。手分けして、焦らず手早く箱詰めを済ませてしまいましょう

ふかふかのぬいぐるみに囲まれる、女の子の夢のようなシチュエーション
今すぐこのもふもふの海に埋もれてしまいたい衝動に抗いながら、彼と背中合わせで箱詰め
…雨宮さん、おねむかしら? ふふ、寝顔が見られないのが残念
ええ、私は大丈夫です。この子達になら、私の力が及んでしまう心配もありませんからね。

あら、お礼を頂けるんですか?なら私は、この黒い子にしますね
ええ、鴉です。これだけ黒ければ、雪の中でもすぐに見つかりそうですもの、ね?


雨宮・いつき
酔芙蓉さん(f27560)と

うわぁ…機械は直ったみたいですけど、詰まってたぬいぐるみがすごい勢いで出て来てますね
これは一苦労しそうです…手分けして箱詰めしていきましょうか、酔芙蓉さん

もっふもふのぬいぐるみ達に囲まれながら、せっせと箱詰めのお手伝い
もふもふふかふかで暖かくて、眠くなってきますね…
…はっ、いけないいけない。うとうとしてました
そちらの調子はどうですか、酔芙蓉さん?

なんとか箱詰めを終えて、お礼という事でぬいぐるみを頂けることになって
そうですね、では僕はこの白くて丸くて大きくてふわふわの子にしましょうか
…シマエナガ、っていうんですね
ふふ。抱きしめると暖かで、よく眠れそうです



●アルダワ 魔法の蒸気ぬいぐるみ工場(修理後)
 妖狐の男女が手伝いにやってきた。
「うわぁ…機械は直ったみたいですけど、詰まってたぬいぐるみがすごい勢いで出て来てますね」
 洪水の様に溢れ流れるぬいぐるみの川、それを拾い集めてプレゼント箱にせっせと入れる妖精達。
 その光景に一言申したのは、茶寄りの黒短髪な妖狐の、雨宮・いつき(憶の守り人・f04568)。
「本当にすごいぬいぐるみの数…埃が立っていないのが不思議なくらいです」
 隣に立つのは漆黒の長髪を蓄える白き肌の妖狐の、酔芙蓉・咲夜(ドレインガール・f27560)。
「これは一苦労しそうです…手分けして箱詰めしていきましょうか、酔芙蓉さん」
「ええ、ええ。手分けして、焦らず手早く箱詰めを済ませてしまいましょう」

 二人は早速作業場に入り、コンベアの流れる先に背中合わせで佇む。
『お手伝い、ありがとー!早速だけどこれに積んでってお願い!』
 フェアリー達が山積みに整列した空のプレゼント箱を二人に渡す。
 それと同時に凄まじい勢いで、大量の様々なぬいぐるみが襲い掛かる様に流れて来た。
 もふり、ぼふり。
 ぎゅうぎゅうに押し付けられていくぬいぐるみを、頑張って抱えては綺麗にプレゼント箱の中に入れていき、さっとリボンで包装して、サンタ妖精達に渡していく。
 詰め込み流れ作業である。

 二人の作業場はあっという間にコンベアから流れたぬいぐるみの山の中になってしまう。
 猟兵パワーで常人よりも素早く梱包していくが、もう周りは、背中に居る相方を覗いた全方位がぬいぐるみに囲まれていた。
 もっふもふでやわらかな感触が常に二人を包みながら、もふもふによる癒しと眠気でダウンしそうな意識を頑張って持たせて作業が続く。
 ふかふかのぬいぐるみに囲まれる、女の子の夢のようなシチュエーション
(今すぐこのもふもふの海に埋もれてしまいたい…)
 酔芙蓉はついそんな事を考えながら、サンタ衣装のトナカイぬいぐるみを箱に詰め込んでいく。
「もふもふふかふかで暖かくて、眠くなってきますね…」
 コンベアから勢いよく、抱きかかえられるサイズの犬のぬいぐるみがぼふっと雨宮にもたれかかる。
 そのもふもふに意識を持っていかれそうになるが。 
「…雨宮さん、おねむかしら?」
 後ろから酔芙蓉の声がした。
「…はっ、いけないいけない。うとうとしてました」
 雨宮は頑張って踏みとどまり、ぎゅっとプレゼント箱の中にぬいぐるみを詰め込んだ。
「ふふ、寝顔が見られないのが残念」
 そう言った酔芙蓉もまた少し緩んだ表情を、誰にも見せない様に零しながら作業を続行する。

「そちらの調子はどうですか、酔芙蓉さん?」
 少し気になった雨宮が酔芙蓉に問う。
「ええ、私は大丈夫です。この子達になら、私の力が及んでしまう心配もありませんからね。」
 酔芙蓉は少々特別な妖狐で、触れた者の精気を吸い取る力を持っていた。
 だがこの無機質なぬいぐるみに、「奪い」の力が及ぶことは無い。
 雪崩の様に崩れ寄せて来るぬいぐるみを、ぎゅっと掴み、抱え。
 可愛いぬいぐるみは弱る事も無くただただにっこりした顔をして、二人の狐の手によって、誰かの幸せの為に運ばれるのを待っていた。

 一通り仕事を終えて、プレゼントを抱えてサンタ妖精達が飛び去っていく。
『ありがとう!お礼に余ったぬいぐるみで、好きなの持って行ってよ!』
 アルダワの職員が二人に声をかける。配達人数よりも沢山作ってしまったぬいぐるみのおすそ分けに。
「あら、お礼を頂けるんですか?なら私は、この黒い子にしますね」
 酔芙蓉が山の様なぬいぐるみの中から取ったのは、デフォルメされた黒い鳥のぬいぐるみ。
『それは確か……』
「ええ、鴉です。これだけ黒ければ、雪の中でもすぐに見つかりそうですもの、ね?」
 雄々しくも可愛らしいデザインな黒い鳥の、くりんとした目が酔芙蓉の目と合う。
 この子なら、きっと冬の中、迷子になったとしても見つけられるだろうと。

「そうですね、では僕はこの白くて丸くて大きくてふわふわの子にしましょうか。」
 雨宮はぬいぐるみの中から、愛くるしい白い鳥のぬいぐるみを手に取った。
「小鳥でしょうか。」
『それはシマエナガだったかな。最近人気の雪球みたいな鳥なんだ』
「…シマエナガ、っていうんですね。」
 雨宮はぎゅっと、そのぬいぐるみを抱きしめて。
「ふふ。抱きしめると暖かで、よく眠れそうです」
 その心地よさに仕事の疲れも吹き飛びそうな気分になりながら。

 二人は各々で得たぬいぐるみを手に、クリスマスの夜を過ごしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

山吹・慧
【文月探偵倶楽部】
なんと、異世界にもクリスマスというイベントがあるとは
驚きですね。(シルバーレイン出身)
困った状況ならば、ひとつお手伝いしましょうか。

では箱詰めを手伝いましょう。
なるほど、こうして見ると色々ありますね。
サンタ姿のケットシーに、おや、モーラットまでありますね。
裁縫の類は苦手なので手伝ってもらいながら
【集中力】でなんとかがんばりましょう。
統哉部長は裁縫まで出来るとは、流石は着ぐるみ探偵
といったところでしょうか。

終わったら、ある人へのプレゼントとして一つ
頂いていきましょうか。
もふもふ系のかわいらしいやつにしましょう。

アドリブ歓迎です。


蓮池・大輝
☆改変・アドリブ歓迎!
【文月探偵倶楽部】で参加。

「子どもたちとサンタさんの為に!お仕事頑張りましょう!」

僕は主にぬいぐるみの【運搬】を担当します。相棒の羊さんにも手伝ってもらいながら、どんどん箱の中をもふもふさせていきましょう!

裁縫はうまくできるか分かりませんが、運ぶ合間に折角なので羊のぬいぐるみ作りにもチャレンジ。春に毛刈りしたもふもふウールを使って、文月探偵倶楽部の皆さんと自分用に小さめの子を作ります。

お仕事が終わったら皆さんに手渡します!
「ささやかながらクリスマスプレゼントをどうぞ!」


文月・統哉
【文月探偵倶楽部】
※アドリブ歓迎

ぬいぐるみもこれだけ並ぶと壮観だね
赤い帽子と上着でサンタ仕様な黒猫着ぐるみ姿で並んでみたり♪

蒸気機械の修理ならガジェッティアの腕の見せ所だぜ!
故障個所を【見切り】
【メカニック】技術フル活用の【早業】で修理
何なら着ぐるみも作れる追加機能も…あれ?要らない?

着ぐるみ作りで培った技術で手縫いの方も手伝いを
慧は苦手?でも上達めちゃ速そう
このわんこ祭莉に似てるかも!
大輝の羊さん、もふもふ具合がいい感じ♪
貰っていいの?ありがとう!
お礼に何か…そうだ!

羊さんぬいぐるみに着せ替え出来る
黒猫や向日葵や亀や熊や羊な着ぐるみをUCで召喚!
にゃふふ、今後とも宜しくだよ
メリークリスマス!


木元・祭莉
【文月探偵倶楽部】だよー。

ぬいぐるみがいっぱい!
へえ、いろんなのがあるんだね。
おいら、縫い物できるから、お手伝いするよー♪(挙手)

ぬいぐるみって、お鼻とおめめの位置で顔変わるよねー?
ちょっと低めにして、キュートなお顔にしてみたりー。
高めにつけて、オトナっぽいイケメン顔もイイ!(ちくちく)

あっ、着ぐるみ着たぬいぐるみもあるんだ!
この着ぐるみ、耳とか角とかで種類変えられそうー!
ここのお手伝いしてもいいー? いいー??

みんなはどんなの作ったの?
もふもふだったり、ふあふあだったり♪
わあ、リボン、カワイイ!

わぁい、ありがとー♪
ぎゅってするとココロもあったかくなるよね♪
受け取る人にも、届くといいね!


藤崎・美雪
【文月探偵倶楽部】
アドリブ大歓迎
不採用でも問題なし

なんとか都合がついたので私もお邪魔する
サンタ帽被った着ぐるみベアー(アイコン参照)姿で登場するぞ

私は機械修理はできぬので
主に箱詰めとぬいぐるみ作りをば
(着ぐるみ作り追加機能を組み込もうとしている統哉さんを見て)
…どこから突っ込もう?

運搬は大輝さんに任せて
私は団員が作ったぬいぐるみを丁寧に箱詰めしていこう
ふむ、これは子供も大人も喜びそうだな
手触りよくもふもふしているからこそ
潰れぬよう丁寧に、慎重に詰めるぞ

箱詰め終わればぬいぐるみ作りのお手伝い
指定UCを口ずさみながら
裁縫が苦手そうな方の手伝いを
苦手でも真心籠めて作れば
きっと子供達にも伝わるさ


パティ・チャン
【文月探偵倶楽部】
ふむ~(腕組みながら)
まずは機械の修理でしょうか。

幸い人手なら問題はありませんし、まずは!(UC発動。【玻璃の森の枝葉】を工具代用にしながら)
「蒸気が噴き出したり、急に機械が動き出したりするかもしれませんので、用心して修理を進めてくださいねー(実体はないにしても)。」
(学習力、世界知識、情報収集)駆使&コミュ力も使って連携して修理します

(無事修繕後)
「今度は箱詰めされたぬいぐるみの発送のお手伝いですよ!」
と、箱の中をのぞき込み……発送される縫いぐるみに「瞳きらーん!」

う~、こ、これでは手が止まってしまいます……(なんとか自制心に頑張ってもらいながら)

※連携・アドリブ共歓迎



●アルダワ 魔法の蒸気ぬいぐるみ工場
『うわっ、故障か!?』
 再びコンベアが止まり、慌てたムードになっていく工場。
『さっきの部品の替えを頼む!くっ急がないと。』
 ぬいぐるみの山の賑わいが暫し静かになった時、事態を解決せんとして、団体の猟兵達が転送された。
『おお、助かる!』
 彼らは【文月探偵倶楽部】。
 アルダワ世界のの森の何処かに居るという……着ぐるみ団体だ!
「おっと、情報は正確に頼む。アルダワ魔法学園は一角、『着ぐるみの森』の探偵倶楽部。それが俺達――」
 何処かから声が聞こえてきた。しかし姿は見当たらない。

「わぁ、ぬいぐるみがいっぱい!いっぱい!」
 ぬいぐるみで溢れかえるファンシーな蒸気工場に、いの一番に飛び込んだのは、ヒマワリの着ぐるみを着た、茶髪で人狼な男の子、木元・祭莉(マイペースぶらざー・f16554)。
「なんと、異世界にもクリスマスというイベントがあるとは驚きですね。」
 ついでゆったりと歩いてきたのは黒髪の少年、角の丸い亀の着ぐるみを着て尻尾をぴこぴこさせている、山吹・慧(人間の宿星武侠・f35371)。
 彼は異世界、シルバーレインの出身であり、蒸気と魔法のこの世界にもクリスマスがある事に関心を得た。
「そうなんですよ。むしろ僕の方からも、他の世界にもクリスマスがあったなんてと言いますか。」
 慧の隣に現れたのは、水の様な青髪を首元まで下げた、多重人格のビーストマスター、蓮池・大輝(のんびり屋の羊飼い(?)・f35542)。
 もこもこな可愛らしい羊の着ぐるみを着ている。
「例えば雪だるま。丸め転がし積み重ね、人の頭や体に似せる雪遊び。UDCアースでは国ごとにも文化が大きく違うのに、調べてみるとあらゆる国や世界で自発的に雪だるま文化が築き上げられているとか。……西洋と東洋で3段と2段で違いはあるみたいですけども……それと同じ程度に、世界には共通しているものが数多くあるのかもしれませんね。」
「へぇぇ、いろんなのがあるんだね。もしかして部長ちゃんのもあるー?」
 そうして祭莉はきょろきょろと、無数のぬいぐるみの中をかき分けて、【文月探偵倶楽部】が部長、統哉のくろにゃんこなぬいぐるみを探し始める。

「にゃっふっふ♪よく気がついたね祭莉。木を隠すのが森の中であれば、着ぐるみを隠すも着ぐるみの中。」
 その時、コンベアの上で行儀よく座り並んでいる等身大サンタぬいぐるみの1体がうごめいて。
「俺は……ここだ!」
 赤い帽子と上着でサンタ仕様なくろにゃんこのぬいぐるみからにゅっと人間の顔が現れて、コンベアから降りて立ち上がる。
 青がかった漆黒の髪に紅い瞳を携えた、サンタクロネコ着ぐるみの男。
 そして【文月探偵倶楽部】の部長である文月・統哉(着ぐるみ探偵・f08510)が現れたのだった。

「おお!慧と大輝も着ぐるみで来てくれたんだね!」
 統哉は普段の探偵倶楽部では未だ着ぐるみが準備中な二人が、特別着ぐるみを着ての参戦に頬を緩ませた。
「狼、亀……できれば玄武的なのが良かったのですが、兎に角合わせるのが大事かと思いまして。」
「はい。折角着ぐるみの皆さんでお仕事されるので、思い切って羊毛で間に合わせて頂きました。°'∞'°メェェェ」
「おいらひまわり!冬でも夜でも、さんさんするんだー!」
 ふりふりと手を振り上げてアピールする祭莉。
 まるでもこもこぬいぐるみの愉快な仲間達がぬいぐるみ工場のお手伝いに来たかのよう。

「さてと、後二人来る予定だけど、そこまで長話している状況じゃないみたいだ。今いる4人で、とりあえず仕事を始めよう。」
 大慌てで、時間に押し迫るアルダワ職員が探偵倶楽部達に『早く来てくれ!』と促した。
「困った状況ならば、ひとつお手伝いしましょうか。」
「そうですね。子どもたちとサンタさんの為に!お仕事頑張りましょう@ 'ェ' @!」
「おーっ!おいらは、縫い物できるから、ぬいぐるみ作りでお手伝いするよー♪」
「よし、じゃあ俺は機械修理だ!ガジェッティアの腕の見せ所だぜ!」
 文月探偵倶楽部の着ぐるみ達は、各々の仕事に飛び込んでいった。


●文月探偵倶楽部 蒸気機械修理に挑戦
「ぬいぐるみもこれだけ並ぶと壮観だね」
 出荷されるのを今か今かと待ちながら置き並べられている、様々なクリスマスぬいぐるみ達。
 あちこちのぬいぐるみに、赤いサンタの衣装が飾られたり、リースをマフラーの様に首にかけられたりしていた。
「さてと、これが止まったって言う機械だね?3秒で直してみせよう」
 統哉のサンタクロネコ着ぐるみの目がきらりと光ったと思うと、何処かから様々な機械工具を取り出し、ネコの着ぐるみを着ているとは思えない器用さを発揮して凄い勢いで機械の回路を弄り倒していく。
「うにゃにゃにゃにゃー!」
 コンベアの破損パーツはとりはずされ、たちまち新しい部品となり、回路もあっという間に直され。
「にゃにゃにゃにゃにゃ……」
 直され……。
「あれー?どこか間違えた?」
 どうもうまくいかなかったようだ。
「う~ん、異常無い所はこことここで……こう動かしたらこうなるから、どこだ……?」
 素早い頭の回転と早業で構築していくも、何処かがズレていたらしい。
 一度ズレた問題は該当箇所が見つからないと二転三転と遠回りしてしまう。統哉はうっかりその穴にはまってしまったらしい。
「分からんにゃぁ……」
 首を傾げる統哉。どうすれば機械が直るだろう。

「ふむ~ふむふむ」
 すると後ろから、ふわふわと宙に浮かぶパンダのぬいぐるみが腕組してそんな統哉の様子を見ていた。
「おっと!来てくれたんだ!ありがとう!」
 そのパンダのぬいぐるみがキュッと顔を上げると、青い髪の凛とした顔つきをした、パンダの着ぐるみを着たフェアリーだった事が分かる。
「はい!お手伝いにあがりました、パティ・チャン(月下の妖精騎士・f12424)と、もう一人。」
「わーい!その後ろにいるのは!」
「うむ、私だ。なんとか都合がついたので私達もお邪魔するぞ」
 サンタ帽子をかぶったベアーな熊の着ぐるみを着た、藤崎・美雪(癒しの歌を奏でる歌姫・f06504)もやってきた。
「よし、着ぐるみ仲間がいるなら百着ぐるみ力。早速だけど一緒に協力して直して欲しい!」
 統哉がぺちぺちと機械を叩き促すと、パティが空間に鑑賞して森の様な幻を作り出す。
「任されました!1人で駄目なら2人、2人で駄目なら……幸い人手なら問題はありませんので!『出でよ!灰色ガラスの森から!』」
 パティはどこからともなく現れた森の様な幻から、玻璃の枝を手に持った妖精達を召喚していった。
 どこで息を合わせてきたのか、今回はパンダ着ぐるみの特別仕様であり、その玻璃枝葉もどこか竹っぽい。
「蒸気が噴き出したり、急に機械が動き出したりするかもしれませんので、用心して修理を進めてくださいねー。」
 わーっと、パンダ着ぐるみ妖精達があっちこっちの機械を見直していく。
 どうやら基盤の問題でなく、各種につながる蒸気パイプに不調が見られていたようだ。
「なるほど、この基幹がズレているみたいだね。…どうやらここのはぬいぐるみ自動制作機?と直接つながっていて……よし、やれそうな気がしてきた!」
 妖精は統哉に次々と故障個所を教えていき、都度早業で直していく。

「…うむ、そうだな、私は機械修理はできぬので、先にあちらを手伝わせて頂こう。」
 ちょっとその辺りの専門的な事はわからないので、美雪は別の所に行くことにした。
「よし、これとこれを繋げば出来るぞ!自動着ぐるみ作成機の修理が!」
「待て」
 即座に踵を返して止めにかかる美雪。
「いやいや大事な事だよこれも」
「ぬいぐるみ工場だからな?我々は今回着ぐるみで来ているからと言ってやって良い事の区別はつけんとだな。」
「大丈夫大丈夫。本来のぬいぐるみ作成機能と両立してちょっと子供から大人までぴったりフィットする夢のような着ぐるみ機能を付けるだけだから。ぬいぐるみはちゃんと製造されるけど、うっかりボタンを押し間違えたら着ぐるみもささやかなオプションセットとして流れて来るだけだから。」
「…どこから突っ込もう?」
 少し呆れるような顔をしてしまった美雪だが。

<「あっ、着ぐるみ着たぬいぐるみもあるんだー!」

 少し離れた裁縫場では着ぐるみがどうとかいう声が聞こえた。
「おお!これはつまり着ぐるみも大丈夫と言う事ではないかな!?」
 うきうきする統哉。
「大丈夫ですよ。着ぐるみもまた子供たちの夢。もふもふでふかふかに包まれれば幸せな夜を過ごせます。……そしてもうそろそろ修理が終わりそうです。」
 パンダなパティが横から、玻璃製の笹竹で何をどうしてか工具の様にとんてんかんとしていた。
「んん…そうか。仕方ない。ツッコミだけで仕事をしないというのも何だ。私も行ってくる。」

 そうして美雪はコンベア場を後にする。
 後ろでごうんと、試験動作の蒸気音がするのを聞きながら。


●文月探偵倶楽部 運搬業
 動き始めて、綿がかき混ぜられ、次々と出来上がったぬいぐるみがコンベアで運搬されていく。

「僕も箱詰めを手伝いましょう。」
 慧は集中して、流れて来るぬいぐるみの山を箱に詰めていった。
「なるほど、こうして見ると色々ありますね。」
 コンベアから溢れんばかりのぬいぐるみに、思わず目が行ってしまう。
 サンタ姿のケットシーに、まる~くボール状になったドラゴニアン。
「おや、モーラットまでありますね。」
 どうやら異世界のぬいぐるみまであるようで、シャーマンズゴーストのサンタ姿や、クラッカー(綿が詰まってる)を持ったモーラットのぬいぐるみまで。

「うむ、どうやらトレンドも抑えているようだな。」
 隣では美雪が丁寧にぬいぐるみを手に取り、箱に詰めている。
「ふむ、これは子供も大人も喜びそうだな」
 手触りよくもふもふしている、大事な大事なプレゼントのぬいぐるみ。
「潰れぬよう丁寧に、慎重に詰めるぞ」
 まるで我が子を送り出すかのように、ぬいぐるみのサイズにピッタリの箱を選んではそっと詰めていく。
 途中で着ぐるみも流れ込んでいくと。
「う、うむ。まあ着ぐるみを貰って喜ばない子供もいないだろう」
 美雪は、ああ、本当にやったのだなと部長に思いを馳せながら、丁寧に畳み、頭のフードを目立つようにてっぺんにしつつ、箱の中へと入れていった。

「おっとと、よとと、さあ今度は箱詰めされたぬいぐるみの発送のお手伝いですよ!」
 パティもプレゼント箱を抱えて飛び、サンタ妖精へと箱を運んでいく。
「うわっ!?」
 しかし途中、アルダワ職員とぶつかってよろけてしまい、箱の中に頭を突っ込んでしまう。
「あ……」
 箱の中にぎゅうぎゅう詰め込まれている、可愛らしいぬいぐるみ達。
 その光景に瞳がきらーんと光り、きゅーんと心が締まっていく。
「!」
 それを見た幻の森の妖精が、パティを引き上げて、大丈夫?といわんやに見つめると、ハッとなってパティは気を引き締めなおした。
「こ、これでは手が止まってしまいます……でも仕方ありませんね。頑張りましょう!」
 気合を入れなおして、パンダの妖精達がプレゼントをバケツリレーの様に運んでいった。

「相棒の羊さん、一緒にお願いしますね」
 大輝は大きめの、のんびりとした羊と共に行動を開始した。
 羊は二足歩行をして、大輝と共に、コンベアからこぼれたぬいぐるみをそのもふっとした羊毛で受け止めたり、あらかじめ沢山詰まったぬいぐるみの箱をサンタ妖精に届けていく。
 空っぽの箱の中に、羊の毛が詰め込まれたのか、どこかもっふもふのぬいぐるみ詰め合わせセットとなって。
「はい。どうか上手く届けてくださいね」
 ひつじさんと一緒にタワーの様に積んだプレゼント箱を一つずつサンタ妖精達に送り届けていく。
 渡されたサンタ妖精の顔がどこかふわっとした笑顔になる。もう箱を触っただけでも伝わるもふもふ具合の様だ。


●文月探偵倶楽部 裁縫へ
「ぬいぐるみって、お鼻とおめめの位置で顔変わるよねー?」
 様々な出荷待ちのぬいぐるみに囲まれて、裁縫班は沢山のぬいぐるみ製作の手伝いをしていた。
 祭莉が率先としてちくちくとぬいぐるみを作っている。
「ちょっと低めにして、キュートなお顔にしてみたりー。」
 寄せた顔の可愛いトナカイのぬいぐるみが出来上がり。
「高めにつけて、オトナっぽいイケメン顔もイイ!」
 いい感じにきりっとしたキリンさんぬいぐるみにぎゅっぎゅと綿が形成されていき。。

「あっ、着ぐるみ着たぬいぐるみもあるんだ!」
 ふとした拍子に、牛さんの着ぐるみを着た鶏のぬいぐるみを見つける。
 この着ぐるみ、耳とか角とかで種類変えられそうー!
 いそいそと早速に試作のぬいぐるみを作る祭莉。
 それはサンタさんにトナカイの着ぐるみを着せた、豪華なクリスマスぬいぐるみ。
 その出来栄えに、アルダワ職員達も息を呑んで、プレゼントに採用していった。
「ここのお手伝いしてもいいー? いいー??」
 それはもう、快く受け入れられたという。

「なるほど、この様に……上手くできるか分かりませんが。」
 ぬいぐるみ運搬の最中にやってきた大輝は綿としてあるものを取り出した。
「今年の春に毛刈りした、もふもふのウールです。」
 羊のぬいぐるみを、ちくちく、ちくちく、作っていく。
 それは祭莉よりは時間をかける者であったが、頑張って縫込み、ふわふわ感に特にこだわったひつじさんを、相棒のひつじさんと共に縫い合わせていった。
 大きなぬいぐるみの他に、一回り小さなものまで作っていく。
「(これは、自分用に…)」
 出来上がった子羊のぬいぐるみは、そっと自身の傍に置いて。

「裁縫の類は苦手なので、誰かに手伝ってもらいたいです。」
 慧もやってきて、裁縫に取り掛かる。
 しかし他の猟兵達程にうまくいくかは自信が無く。
「それでもいいんだ。苦手でも真心籠めて作れば、きっと子供達にも伝わるさ。」
 隣に美雪が座る。
「歌う様にやってごらん。私も出来る限りの助力をしよう。」
 そう言って、美雪は小さく、裁縫をしながら歌いだした。
「~♪」
 七色の暖かなオーロラが見える様な、鼻歌混じりのその歌は、慧の緊張を解していきながら、自身ものんびりと、ぬいぐるみを作り上げていく。
「よし、やってみよう……見様見真似になるかもしれませんが。」
 慧は歌を聴きながら、目の前の作業に没頭した。
 かわいらしい、やわらかでやや厚めの甲羅をした亀のぬいぐるみを、ちくちく、ちくちく、縫っていく。

「やっているようだね。俺も手伝おう」
 そこへやっとこさ機械の調整が終わった、統哉部長がやってきた。
「着ぐるみ作りで培った技術で手縫いの方も手伝いを…お?」
 ちくちくと、黙々と作業をしているみんなの様子に統哉は感心し。
「慧は苦手?でも上達めちゃ速そう」
 こくりと会釈をしながら、亀のぬいぐるみの尾に蛇を付けたそうとしている。玄武を作ろうとしているようだ。
「わーい!部長ちゃん、見てこれ見てこれ!」
 祭莉がいつの間にか召喚した鶏型ロボと共に完成したぬいぐるみを見せに来る。
「おっ、このわんこ祭莉に似てるかも!虎なのは干支にちなんだのかな?可愛いぞ♪」

「ふう、ちょっと作り過ぎてしまいました。」
「わ、大輝ちゃんどんなの作ったの?うわー!ふあふあだー♪」
 いつの間にか大作めいた、抱き枕クラスのもっふりひつじさんぬいぐるみが大輝の目の前で完成していた。
 ぽふぽふと祭莉がその羊をもふると、天然ウールの感触が伝わってくる。

「よし、こっちもできたぞ」
 美雪が慧と共に新しいぬいぐるみを完成させた。
 やや布が余るも中々の完成度をした玄武に、美雪作のサンタな帽子をかぶった熊さんぬいぐるみ。
 それぞれの頭にはお揃いの様に可愛らしいリボンを付けている。
「わあ、リボン、カワイイ!」
 その様子に祭莉がぴょんぴょんと跳ね飛んだ。

●そして聖夜へ
「みなさん!……んふー。お疲れ様です。」
 一通りの仕事を終えて、何とか配達が終了といった頃に、探偵倶楽部の面々にパティが飛び寄ってきた。
 その両手には、たっくさんのぬいぐるみを、妖精達と共に抱えて。
「パティお疲れ様!ややっそれは?」
「それがですね、仕事を手伝って頂いたお礼にと、好きなぬいぐるみを持って帰っていいとの事で」
「おおっ、貰っていいの?ありがとう!」
 沸き立つ探偵倶楽部達。
「では僕は、ある人へのプレゼントとして一つ頂いていきましょうか。もふもふ系のかわいらしいやつを」
 仕事が終わっても、工場の中には無数のぬいぐるみがこれでもかと山積みに存在した。
 慧はその中で無造作に一つ取り出した。
「……そうですね、最初見た時少し気になっていましたので、この世界でのモーラットはこんな風に……」
 そう、モーラットである。
 抱きかかえられるほどのサイズでもふもふした、毛並みの柔らかいモーラットのぬいぐるみを、慧はその腕に抱きかかえたのだった。
「僕の方はもう貰ったようなものですから…そうですね、逆におすそ分けと行きましょう。」
 いつの間にかたくさんたくさん作っていたひつじさんのぬいぐるみを、羊な大輝はアルダワ職員に、サンタ妖精達に、探偵倶楽部達に、一つずつ手渡ししていった。
「ささやかながらクリスマスプレゼントをどうぞ!きっとそれを抱いて眠れば、良い夢を見られるかと。」
 アルダワ職員が、特に妖精達が、とっても素敵な笑顔を振りまいた。
「わぁい、ありがとー♪ぎゅってするとココロもあったかくなるよね♪」
 祭莉にもぬいぐるみが手渡され、明るいひまわりの笑顔を振りまいた。
「このあったかいの、受け取る人にも、届くといいね!」
 配達に向かったサンタ妖精達が、夜空を駆ける様を、ちょっと横目で見やったりしながら。

「貰ってばかりじゃなんだから、お礼に何か…そうだ!」

「『着ぐるみで世界に誇れる制服を!』俺達の部活の手製で作った着ぐるみを、どうか受け取ってくれ!」
 それは機械で作った方ではない、ユーベルコードによる立派なオーダーメイドの着ぐるみだった。
 黒猫や向日葵、亀や熊、羊な着ぐるみとバリエーション豊か。
「ついでにリバーシブル機能も付いてるぞ!裏返すと、もふもふひつじさんぬいぐるみに早変わりだ!」
 普段着ている分にはひつじさんのウールが内側に当たるのでとっても暖かいのだ。
『わ、こんなにもらっていいのかしら!』
『ありがとうございます!』
 妖精や職員達の嬉しい声が返ってくる。

「やっぱりお返しは着ぐるみなのか…。」
 後ろから美雪の声が聞こえるが。
「己が意志を最後まで貫き通す者に。だろ?」
「…そうだな。そうとも。」
 そうでなくてはといわんやに、何か納得した笑みを美雪も見せ。

「にゃふふ、今後とも宜しくだよ。メリークリスマス!」
 文月探偵倶楽部の面々もまた、ぬいぐるみを抱えて聖なる夜にかって出た。
 空には彼らが造り、運んだ、あのぬいぐるみを、着ぐるみを抱えたサンタ妖精が飛んでるに違いない。
 みんなにもふもふの幸あらんことを――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
ぬいぐるみ作りなら任せて!
あんまり自分用に作る事はないんだけどね

箱詰めも勿論がんばります
合法的にぬいぐるみを好きなだけもふもふでき……いや、なんでもないです

作るぬいぐるみの種類に指示があるなら指示通りに
特に無いならウサギや猫等の小動物系を作る予定
手際もよく作業も丁寧

【指定UC】も発動して手伝ってもらおうか
もっと大量の分身も出せるけど
多すぎると逆に邪魔になるかもしれないから

いいじゃん、人助けだと思って
持ち帰るぬいぐるみ選んでもいいから
ほら、この子なんか上に座ったら気持ちよさそうじゃない?
…言っててフェアリーサイズが羨ましくなってきた…
僕も全身で抱き着きたいよぅ…!!
(兎さん一つお持ち帰り)



●アルダワ 魔法の蒸気ぬいぐるみ工場
「ぬいぐるみ作りなら任せて!」
 琥珀色のツインテールをしたオラトリオの少
 …………
 年、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が、最後にお手伝いに駆け付けてくれた。

「あんまり自分用に作る事はないんだけどね。箱詰めも勿論がんばります」
 そう言って澪はアルダワ職員に連れられるまま、ぬいぐるみ精製所へと連れられた。
 中には魔法や機械、手動での裁縫素材が豪華にも詰まっていて、裁縫経験があればどんな人もぬいぐるみを作れそうな環境だった。
「よーし、じゃあ早速。作るぬいぐるみの種類に指示はあるかな?」
 アルダワ職員が言うにはクリスマスっぽくなっていればどんなのを作っても良いとの事。
「なるほどー。それじゃあ予定通り兎さんや猫さんをベースにしよっか」
 ちくちくと、手際よく小動物のぬいぐるみを作っていく澪。
 かわいらしい、小さな子供が抱きしめるのにちょうどいいような兎を作ると、その頭にリースの飾りを帽子の様に付けたり。
 猫さんのぬいぐるみにはトナカイの角や、サンタ帽子にサンタ服のオプションを裁縫していく。
「同じのがいっぱいあった方が皆に均等に届くかな?」
 量産するように、しかし手心を込めて、1体1体にちょっとした特徴を付けていきながら。
 澪はサンタなクリスマスの動物ぬいぐるみをたくさん作っていった。

 夜もたけなわ、どんどんと、修理されたコンベアに運ばれてぬいぐるみがサンタ妖精の運ぶ箱に詰められていくパートに移る。
「人手が足りないからこっちに回った方がいいって?わかったよ!いよいよ箱詰めかー。」
 歩いて自身の持ち場に移動しながら、ぽやんと頭に思い浮かべる。
「(合法的に、可愛いもふもふぬいぐるみさんを、好きなだけもふもふできるなんて……ああ、しあわ)」
 ハッと我に返ると目の前には山積みの空箱とぬいぐるみ、そしてリボン。もう着いた様だ。
「う、うわっ、こうしてみると圧巻というか、一人で出来るか分からないや」
 澪は空に手を掲げ、ユーベルコードで精霊を召喚する。
「おいで、ハレン。手伝ってもらおうか」
 本当はもっと大量に出せるけど、多すぎればそれはそれで邪魔になるかもしれないから、今回は一人で。
『何よ急に』
 手から浮かぶ光から現れた金蓮花の精霊は、むすっとした顔をして澪を見下げている。
「お願い。今クリスマスなんだけど、この大量のぬいぐるみを梱包するの手伝ってほしいの。」
『ふん、ぬいぐるみで釣ろうったってそうはいかないわ。そんなの一人でやりなさいよ』
「えー。いいじゃん、人助けだと思って。持ち帰るぬいぐるみ選んでもいいからさ」
 むっとなって、精霊はぬいぐるみを見る。
 つっけんどんな対応をしながらも、やはり心の内ではぬいぐるみに興味が無いわけではなく。
「ほら、この子なんか上に座ったら気持ちよさそうじゃない?」
 正座して手に取ったサンタカピバラのぬいぐるみを膝に置き、ぽふぽふと撫でる。
『む、むぅ……』
 金蓮花の精霊は少しの間考えた後。
 もふっとカピバラぬいぐるみの上に乗って、それからぼふっと、横からカピバラを抱きしめて。
『わ、分かったわよ。今回だけよ?』
 一通りぬいぐるみの感触を味わった後、作業を開始することにしたのだった。
「(…言っててフェアリーサイズが羨ましくなってきた…僕も全身で抱き着きたいよぅ…!!)」
 
 次第に外は雪が降る。
 寒さとは無縁な暖かな、蒸気吹く工場の中、金蓮花の精霊と澪はいそいそとぬいぐるみを箱に詰めていく。
 精霊はちょくちょくとぬいぐるみカピバラの上に乗っての作業。気に入ってるのだろうか。
「あっ」
 澪がうっかり、唐突にコンベアから雪崩れて来た大量のぬいぐるみ津波に巻き込まれる。
 沢山のモフモフが、全身を包んで、行く……。
「うわわ、うっかりクリスマスをぬいぐるみの中で過ごす所だっ……いやそれも良いかもだけど……!」
 慌てて精霊と共にぎゅっぎゅとぬいぐるみを箱に入れ続けたのだった。

「お、終わったー……」
 そうして。
 全ての工程が終了して、サンタ妖精達を見送っていった澪と精霊。
『終わりましたわね……澪は何か決めたの?』
「え?」
『え?って。ぬいぐるみの持ち帰り一つ出来るって、聞いてなかったのかしら?』
「わ、そうだったそうだった!それじゃあ。」
 そう言って、お一つと。
 全身をぎゅーってする程のものではないけれど、小さくて、抱きしめるには自分でもできそうな。
 兎さんのぬいぐるみを抱きかかえて、澪はクリスマスを迎える事にしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月01日


挿絵イラスト