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もふもふと梅の馨

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●鳥さんこちら
 ある午後の陽光暖かな昼下がり。
 そこには一面の白い羽毛の群れがいた。ふわふわなその群れは、山の麓の梅林を占拠して、暖かな日差しにまどろんでいた。

「いい加減、出て行ってくれないかね…」
「しっ、聞かれたらどうなるか、わかっているのかい」
 声の主は梅林にほど近い場所で茶屋を営む夫婦である。白い鳥の群れに声を聞かれると、三日以内に親分格の鳥に頭から食われてしまうのだともっぱらの噂であった。暫くすると二人は茶屋のある方へと引き返して行った。
『ピィ、チィチィ』
 可愛らしさ溢れる小鳥の声だけが辺りを包んでいた。

●グリモアベースにて
「よう!親愛なる猟兵の諸君。依頼だぜ」
 軽快に声を掛けたのは劉・碧(夜来香・f11172)だ。手には資料用の紙を数枚、ひらひらと揺らしている。
「今回の場所はエンパイアなんだが、いやァ、…なんだか梅園に強敵が現れたんだ」
 話すところによれば、真っ白いもふもふな鳥さんたちが、今まさに咲き始めた梅園をここぞとばかり占拠して、花見と居眠りを楽しんでいるらしい。
「…って言ってもなァ、相手はオブリビオンなんだぜ。オブリビオンと言えば、猟兵たちが狩らなきゃいけない相手だろ?」
 確かに、オブリビオンではあるが実質無害なのでは…?と、猟兵たちが身を乗り出せば、目の前で紙を振って否定の意を示す。
「いやァ、そのもふもふときたら、膨らんで体当たりしてくるわ、集団で家一軒埋め尽くすわでなァ…故に、強敵に違いないのさ。あァ、それと俺の見た感じだと、親分格の…なんていうかなァ、黒くてでかいもっさりした鳥がいてな。そいつが食うのは人じゃなくて茶屋にある食料なんかだが…どうも食い荒らしちまうようなのさ。それこそ人間をまるっと食っちまったみたいな荒らしようでなァ。いやァ…噂ってのは尾鰭が付くもんだね?」
 物の怪の類なのだとすれば、そういうこともあるのだろう。真相を村人たちが知り得ていないことは、事件自体は少ないということなのかもしれなかった。
「まァ、今から行ったらふわふわな鳥たちを存分にもふれるだろうし、親分格の鳥も寝ているはずだ。充分もふって…いや、倒してきてほしい。そうすりゃあ、早咲きの梅の花見が出来るだろうさ」
 討伐を頼まれた鳥さんたちの戦闘力はすこぶる低く、寝ている鳥さんが多いため、ゆっくりその羽毛を堪能することが出来るだろう。また、黒い鳥さんも昼寝ということだが、起きて腹が空けば人家を襲う危険性もあるという。
「放っといたら、腹を満たすまで暴れる危険性だって後々考えられるんだ、今のうちの討伐をオススメするなァ」
 碧は猟兵たちを見渡すと、ニィっと笑って続ける。
「オブリビオンの持ち帰りは出来ないが、鳥を模した和菓子を茶屋が提供してくれると思うぜ。まァ、それにアンタたちなら任せて大丈夫そうだ。どうか引き受けちゃくれないかね?」
 そう言うと、人好きのする笑みを浮かべながら、場所の地図を配り始めるのであった。


雪芳
 こんにちは、雪芳と申します。
 数あるシナリオの中から当シナリオをご覧くださり、誠に有難うございます。

 第一章は「まっしろピヨすけ」たちをもふもふするパートです。討伐もして頂くのですが、戦闘力はとても低い為、基本的にもふもふと戯れて行くことになるかと思います。
 第二章は「まっくろピヨたろう」を寝ている隙にもふるパートです。こちらも討伐して頂くのですが、同じく戦闘力はとても低いですので、大きな毛玉を存分に堪能できることと思われます。
 第三章は少し早い梅のお花見を楽しむパートとなります。この章ではお花見は勿論、茶屋から提供される和菓子を頂くことも出来ます。

 なお、アイテム発行はありません。

●NPCについて
 お誘いプレイングがあった場合のみ、劉・碧(夜来香・f11172)が第三章の日常シーンのみ登場します。

 どの章からでも構いません、皆さんのご参加を心よりお待ち申し上げております。
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第1章 集団戦 『まっしろピヨすけ』

POW   :    超もふもふもーど
全身を【膨らませてめちゃくちゃモフモフな状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    もふもふあたっく
【もふもふ体当たり】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    もふもふソルジャーズ
レベル×1体の、【額】に1と刻印された戦闘用【ミニまっしろピヨすけ】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

藤宮・奈々乃
悪いことはダメ、なの。
ななのがちゃんとお仕置きしないと。

【WIZ】

ピヨすけちゃん達をかたっぱしからもふもふしてやるの。
暴れてもはなしてあげないんだからね。(ぎゅーっと抱きしめる)
でも、この感触はクセになっちゃいそうで危ないかもなの…。
体当たりしてきたら、そのまま抱っこしてあげるの。
「こら、いたずらはだめでしょ」

最後は心を鬼にして、ちゃんと倒さないといけないの。
でも少しかわいそうなので、杖でぽこぽこと叩くの。
「かわいくて、少し倒しづらいの…」

オブリビオンじゃなかったら、お持ち帰りしたかったの。
少し残念、なの。



『ピィ、チチ…』
梅林に広がる白いもふもふは、猟兵たちを恐れることなく陽溜まりで微睡んでいる。そんな白ぴよたちの前に現れたのは青髪のウェーブヘアを揺らした藤宮・奈々乃(妖狐の精霊術士・f13620)だ。片っ端からもふってやるとばかりに手を差し伸べて、その手触りを楽しむように撫で続ける。
「悪いことはダメ、なの…ななのがちゃんとお仕置きしないと」
もふもふ、ふわふわ…と暫くもふっていると、もふりすぎたのか、ぱたぱたと抗議の羽音が聞こえたが、多少暴れても離さないとばかりに両手いっぱい抱きしめる。もふもふの白い羽毛が指先に絡んで、鼻先を掠めればくすぐったさが撫でるよう。
「この感触はクセになっちゃいそうで危ないかもなの…」
『ピィピィ』
『チィ、ピチィ』
もふられる側の鳥さんたちも、奈々乃の指先や暖かな腕に答えるように柔らかくうとうとと囀っているが、最後は心を鬼にして。ぽこぽこ杖で叩けばふわりと羽毛を舞い上げる。
「かわいくて、少し倒しづらいの…」
ふわふわなピヨすけたちはオブリビオンでなければ持ち帰りたいほどに、魅力的に見えたが、一羽、また一羽とその数を減らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レディ・パーティ
「もっふもふ」
口に出すと楽しげなもっふもふ
いい香りをする梅園にまっしろピヨすけたち
「持ち帰りたい…持ち帰って延々もふもふしたいの!」
でもやっつけなきゃいけないの…!
やだー!もっともふるー!
だからちょいちょい攻撃して、なんかやられたなーってなったら自分のこと回復して、またもふもふしてーちょっとだけ攻撃してー
「動けなくなるのもかわいいー!」
「ぶつけられてももふもふかわいいー!」
なんかごはん食べられちゃうのいやだけど、ここもふもふ天国では?
上にはすてきな梅たち。
下にはもふもふぴよたち!
でも、倒さなきゃいけないなんて…っ!
「……いたいいたいの人いたら癒すよー」
みんなもっともふもふ!
もふもふしよ!



「もっふもふ」
白い綿毛で彩られたもふもふのオブリビオンたちを前に、思わず口に出してしまったのは桃色の瞳と同じ髪の色をしたレディ・パーティ(Party! Party! Party!・f14335)だ。口に出してみたそれは、どこか楽しげなもっふもふ。ふんわりとかおる梅の馨と、もふもふなまっしろピヨすけはレディの心を揺するよう。
「持ち帰りたい…持ち帰って延々もふもふしたいの!」
その言葉とは裏腹に、倒さなければいけない相手だと知り、もだもだと心のうちで葛藤する。本音で言えば、このもふもふを、もっともっと楽しみたい。少しずつ、と手加減した攻撃も、まともに当たれば断末魔さえ漏らさずにしゅわっと消失していく。すぐに数羽が木の上から雪のように降りてきて、ふんわりと地面に降り立てば、レディの周りを囲んでいく。ふわふわの頭をこつんとレディの足下にぶつければよちよちと歩き、上目遣いに見上げている。
『チィチィ、ピィ』
『ピピィ、ピィ』
「ぶつけられてももふもふかわいいー!」
思わず叫んでしまう。上にはすてきな梅たちが良い香りをさせながら咲いており、下にはもふもふぴよたち!
「(ここもふもふ天国では…?)」
と、胸の内がその思いで満たされていくようだ。もっともっとこのもふもふに囚われていたいとばかりに手のひらを差し出せば、二羽、三羽が押し合いへし合い乗っかった。レディが優しく指先で撫でてやると、気持ちよさそうに目を瞑りもふもふの感触を手に残していくようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

檀・景路
ももさん(f13477)、リウさん(f13559)と一緒に、お散歩です。
二人が危なくないように、守ります、ね。
このとりさんたちが敵…?もふもふ。かわいいですね。
…少しだけならもふもふしても……怒られないでしょうか……

■WIZ
もふもふソルジャーズ、が現れたら、氷の炎で分断します、ね。それから、ソルジャーズのおひとりを抱っこして、合体されないように…します。
これは、その、合体されないようになので…けして、もふもふしたいからでは…ないので…!一緒に、ライブを見ましょう。
あ、嫌がるようなら、お離ししますね…でも、ライブの邪魔は、ダメですよ。


お花見用にお弁当も用意しないとですね。

アドリブ、絡みOKです。


リウ・ノコ
もふもふ♪おさんぽ♪

リウは上機嫌で鼻歌交じりになつめ(f13477)と景路(f13444)の後ろを泳ぐように浮かびながらついて行く。


なつめ たのしいね♪
みち もふもふ かわいい♪
たのしいな ピィ、チィチィ♪

『ピィ、チィチィ』

ふふ、かわいいのね♪ピィ、チチチ♪

手の先に小鳥たちを乗せ、なつめの演奏に合わせてリウはピィピィと歌いだす。
時折、なつめの横を泳ぎ、景路がもふもふになっているのを微笑ましく眺めて彼は歌う。

くろい ぱっくんも きっといいこさん♪
みんな いっしょ おはな たのしみね♪

※アドリブ・絡みOK


桃乃・なつめ
リウくん・f13559と、みちくん・f13444と一緒にもふもふしにきたの
おしごとも ちゃんと、やるの
だいじょうぶよ
もふもふ……あわ…おまんじゅうみたいなのね


リウくんお歌うたうのね!
わたし、ホログラムのピアノを弾いて いっしょにライブするの
ふふ とっても楽しいわっ
歌って 踊って もふもふなのよ
16体のお友だちは 踊りながら
もふもふのピヨすけちゃんたちを
ころころっと一箇所にまとめちゃいましょ
ぴよぴよ お山に おかえりね

お花見とっても楽しみね
ふたりとゆっくりのんびりお歌をうたって
お弁当 食べたいのよ


アドリブ・絡み可



はらはらと梅の馨こぼれる梅林に白いもっふものふわふわ侵略者が埋め尽くす。そんな一見すると風情のありそうな場所に現れたのは爽やかなアッシュグリーンの前髪が印象的な檀・景路(翼など似合わない・f13444)だ。隣を歩くのはお人形のように桃色の瞳が愛らしい桃乃・なつめ(MOMO・f13477)と、ちょっぴり争いが苦手な優しい心の持ち主、リウ・ノコ(生まれたばかりのバーチャルキャラクター・f13559)だった。リウは、上機嫌で鼻歌交じりに二人の後ろを泳ぐように浮かびながらついて行く。今日は三人でこの場所に退治を兼ねてお散歩に来たのだった。
『ピィピィ、チィチィ』
二人が危なくないように守ろうと身構えた景路だが、木の上からふんわり降ってきたもふもふを手のひらで受け止めると目を丸くしてしまう。
「このとりさんたちが敵…?もふもふ。かわいいですね」
少しだけならもふもふしても怒られないでしょうか……、と、さっそくその手触りを堪能し始めた。その横でもっふもふをもっと近くで見ようと腰を落として、恐る恐る撫で始めたのはなつめだ。
「もふもふ……あわ…おまんじゅうみたいなのね」
「なつめ たのしいね♪」
なつめの後方からにゅっと顔を出したリウも楽しそうに笑っている。好奇心は強いが、まだたどたどしいリウの言葉は、まるで歌を聴いているように優しく響く。
「もふもふ かわいい♪ たのしいな ピィ、チィチィ♪」
『ピィ、チィチィ』
呼応するように、ピヨすけたちも囀りを聞かせる。景路もなつめも、それを微笑ましく見守った。
「リウくんお歌うたうのね!わたし、いっしょにライブしたいな」
言うが早く、ホログラムのピアノを展開させて曲を編み出していく。その音に合わせるように息を吸って、手の先に小鳥たちを乗せながら、リウも柔らかく歌い出した。
「くろい ぱっくんも きっといいこさん♪ みんな いっしょ おはな たのしみね♪」
「16体のお友だちは踊りながら、もふもふのピヨすけちゃんたちをころころっと一箇所にまとめちゃいましょ♪ぴよぴよ お山に おかえりね♪」
ころころと一箇所に集まったピヨすけたちは演奏に合わせて、ピィピィ、チィチィ、忙しそうに体を揺らしている。
「お花見とっても楽しみね♪ふたりとゆっくりのんびりお歌をうたって♪お弁当食べたいのよ♪」
ホログラムのピアノを弾いて歌って、踊ってとなつめも楽しげにライブを盛り上げる。集まっていた真っ白ピヨすけたちもいつの間にか数が増えているようで、それを見破った景路が得物を使い、分断している最中だった。
『ピィー、チィチィ』
『ピィピィ』
『チィチィ、ピィ』
すると、たくさんのピヨすけたちが景路にもっふりアタックしてきた。合体されないようにともふもふソルジャーズの一羽を抱っこするが、指先に触れるもふもふの感触には抗えない。羽毛の下に埋れた指先で、つい撫でてしまう。
「(けして、もふもふしたいからでは…ないので…!)」
心のうちで叫びつつも、ピヨすけには届かず。一緒に、ライブを見ましょうと呟けば、
『ピィ、チィチィ』
と返事をしたのであろうピヨすけを、優しく抱っこしてライブを見守るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベイメリア・ミハイロフ
あらあらまあまあ、なんておかわいらしい…
でも、お倒し申し上げなくては
困ることになってしまうのですね
おかわいそうですけれど、他の皆さまと共に
お退治申し上げようと思います

お相手が超もふもふもーどの時には
そっと、そーっとお撫でして
その防御力を堪能…いえ、確かめたく思います
ああっ、こ、これは…!

もふもふあたっくはお受けしたい気持ちではございますが
体力が減るようではたまったものではございません
なるべく動きをよく拝見して、避けられるよう頑張ってみようと思います

もふもふソルジャーズを使われましたら
これ以上増えてしまわれては、大変なことになってしまいます、様々な意味で
ユーベルコードを使用して攻撃申し上げます



 白いもふもふの群れが梅の枝や地面に溢れるようにもっふりと集まっている景色は、さながら雪のよう。
「あらあらまあまあ、なんておかわいらしい…」
 思わず呟いてしまうのは、そんな魅惑の梅林に訪れた一人、ベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)である。彼女の周りにもまた、ふっわふわのもこもこなピヨすけたちが、わらわらと集まってはこてんと倒れ、ピィピィと鳴きながら足元をよじ登っているのであった。暫しその光景を見守っていたベイメリアはふぅ、と息を吐く。
「でも、お倒し申し上げなくては困ることになってしまうのですね…おかわいそうですけれど」
 と優しく敬虔なシスター然としてベイメリアは言葉を紡ぐ。そんなベイメリアの意思を受け取ったのか、ぴょいんぴょいんと跳ね転がっては、
『ピィピィ、チィ』
 と可愛らしく囀っていた白もふピヨすけたちが、ふっくらと体を膨らして超もふもふもーどになった。先ほどより三割増しくらいのもふもふ加減に、ベイメリアは意を決して、そっと、そーっと撫でてみる。これは威嚇なのだろうか…それとも防御のつもりなのだろうか。その防御力を堪能…いや、確かめるためにベイメリアはあえて掴み取る。もふっ…もふ、もふ…。
「ああっ、こ、これは…!」
 指先が吸い込まれるように羽毛の下を撫でては、羽毛を慈しむように感触を味わう。その時だった。
『ピィー、ピィピィ』
『チィチィ、ピヨー』
 突如として順繰りに、もふもふピヨすけたちから、もふもふあたっくが見舞われる。ぴよーっと繰り出されたアタックは、しかしベイメリアが見切る方が早く、躱されてしまった。更にもふもふピヨすけたちは数を増やそうと数字を額に書いたソルジャーズを召喚したが、ベイメリアの果敢なる攻撃によってその数は減っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ザッフィーロ・アドラツィオーネ
ピヨ助…度々この一族とは邂逅して居るがなぜこんなに愛らしいのか…
だが…家を埋め尽くす程ならば糞害もあるだろう
梅の花ももし食べるならば花見もできなくなるやもしれん
触りに触って…そして残念だが出来る限り討伐せねばならんな…
…、…別に触りたいわけではないぞ?

梅園にて眠っているピヨ助達に『忍び足』で近づき両手でそっと掴む様に触ってみよう
そう…この羽毛だ。本当に柔らかくて愛らしいな
もふもふもふ…とピヨ助を触りながらも、他の眠っているピヨ助を見ればそっと掴みある程度の数を一か所に集めてみようと思う
…本当に心苦しいが…住人達の為だ…討伐せんとな
【罪告げの黒霧】で討伐を
せめて眠っている内に安らかに逝くのだぞ…



 梅林を我がもの顔でふわふわと移動しては陽だまりの中で囀り、うとうとと微睡みを楽しむピヨすけたちを見渡したのは、銀の双眸宿す長躯の青年──ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)である。
「ピヨ助…度々この一族とは邂逅して居るがなぜこんなに愛らしいのか…」
 しかし、家を埋め尽くす程ならば糞害もあるだろう、まして梅の花ももし食べるならば花見もできなくなるやもしれん、とザッフィーロは考える。
「(…、…別に触りたいわけではないぞ?)」
 と胸中で呟きつつも、眠っているピヨ助達に忍び足で近づけば両手でそっと掴む様にもふもふを触ってみた。
「そう…この羽毛だ。本当に柔らかくて愛らしいな」
 そんなもっふもふな愛らしいピヨすけたちを堪能するように優しく優しく撫でてやると、気持ちよさそうに瞼を閉じ、もふられるままに身を任せるのだった。ザッフィーロの目の先には、これまたもふもふなピヨすけたちが陽だまり恋しとばかりに、うとうとと微睡んでいる。微睡みに浸るピヨすけを見れば零れ落ちんばかりに掴み取って、二十、三十程度を山と積んでいく。
「…本当に心苦しいが…住人達の為だ…討伐せんとな」
 心底哀れむように呟いて、【罪告げの黒霧】を放つと、眠りは深いものに変わり、やがて跡形もなく霧散していった。
「(せめて眠っている内に安らかに逝くのだぞ… )」
 と胸中で呟いた言葉は、恐らくは届いているのであろうと信じて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャン・クルウェン
これは、また見事なもふもふですね。一匹持ち帰って布団にいれて暖まりたいところですが、オブリビオンだとそうするわけにもいかないのが残念です…

これ以上見たり触っていると情がわいてきそうなので、早めに倒さないといけませんね…
ガチキマイラで右手をライオンの頭部にし、そのまま丸飲みするようにかじりつきます。
……できるだけ一撃でと思ってしまっている辺りすでに情がわいていますね…



 白きもふもふの群れも疎らになりつつあるが、それは成りを潜めてはおらず。相変わらず、
『ピピィ、チィチィ』
『ピィピィ』
 と、陽だまりを求めては、寄り添い縺れ合い、すよすよと眠っている。
「これは、また見事なもふもふですね」
 と胸中の言葉を口にしたのは、眼光鋭いジャン・クルウェン(キマイラのスクラップビルダー・f13917)だった。その顔に見合わず一匹持ち帰って布団にいれて暖まりたい…などとも思うのだが、やはりオブリビオンだとそうするわけにもいかない。それを思うと残念な気持ちが後から後から湧いてくるようだった。眠っているピヨすけたちを両手で掬って温めるようにもふもふしたり、手のひらに頭を擦り付けられたり、指先で首筋を撫でてやればうっとりとその指に酔いしれるピヨすけがまた愛らしい。これ以上見たり触っていると情がわいてきそうだと判断するもナチュラルに魅了されてしまったようにもふもふと延々と撫で続けたい衝動に駆られたが、そこは気持ちを切り替えて、早めに倒してしまうことにした。右手を【ガチキマイラ】で、ライオンの頭部にすると、そのまま丸飲みするように眠りこけているピヨすけたちに齧りつく。ふわもこピヨすけたちは断末魔さえあげないものの、口の中に入れられてしまえば跡形もなく霧散した。
「(……できるだけ一撃でと思ってしまっている辺り、すでに情がわいていますね… )」
 胸のうちで呟いた言葉は、けれど自身の口からは出ず、ジャンはぽりぽりと頭を掻いた。

 斯くして、猟兵たちの行いにより、もっふもふで、ふわっふわなピヨすけの群れは討伐されていった。が、梅林に残る黒ピヨすけはこれの比にならない大きさで、猟兵たちを寝ながらにして待ち受けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『まっくろピヨたろう』

POW   :    超もふもふひっぷあたっく
単純で重い【もふもふなお尻 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ぱくぱくもぐもぐ
戦闘中に食べた【食べ物 】の量と質に応じて【眠くなってしまうが】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    もふもふあたっくはいぱー
【もふもふ体当たり 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠御剣・誉です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジャン・クルウェン
これはまた、ひときわ大きいものが…あの白いのとは同じ種なのか…
先ほどは最初にもふもふしすぎましたからね、今度はもふもふは封印しなければ…
今回も【ガチキマイラ】で攻撃ですが、[もふもふあたっくはいぱー]には【野生の勘】も使用して警戒します。捕まったら最後、あのもふもふから逃れられる気がしないので…人をダメにするクッションと同じ魔力を感じますので…
捕まってしまったら脚に鎧のように装備しているバラックスクラップで地道に蹴って脱出をはります。速く脱け出さないと本当にこの魔力から抜け出せない…!



 淡雪の如き脅威も、猟兵たちの心を鬼にした奮闘により、梅林は再びの平穏を取り戻したかのようだった。気持ちよく眠っている大型の黒もふぴよたろうを除いては。

『ピィ…ツィツィ…』

 まだ残ってる…しかもなんだかでっかい毛玉の塊…のようなピヨたろうが。ひときわ大きいピヨたろうを前にして、
「(あの白いのとは同じ種なのか…)」
 と考えるジャンだったが、倒すべき相手であることは明白だ。先程はもふもふしすぎてしまったので、今度はもふもふを封印しなければと思いつつ、ガチキマイラで右手をライオンの頭部に変形させれば、その勢いのままピヨたろうを一齧り。
『ピピピィ、ピー!』
 痛みに目が覚めたのか、ピヨたろうは慌てて起き上がるとジャンを見つめている。もふもふあたっくはいぱーが来る!と、咄嗟に勘が働き、脇に飛び避けると、さっきまで居た場所にピヨたろうが飛び込んできた。獲物が脇にいると知ると、ごろんごろんと転がって、ジャンをふっかふかの羽毛で抱擁する。ふわふわ、ふかふか、もっふもふ。
「(人をダメにするクッションと同じ魔力を感じます…)」
 ジャンはその天然羽毛クッションから抜け出すべく、バラックスクラップで地道に蹴っ飛ばした。
「(速く脱け出さないと本当にこの魔力から抜け出せない…! )」
 と危惧しつつ蹴り続けると、やがてジャンを解放して陽だまりの当たる場所ですやすやと居眠りを始めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベイメリア・ミハイロフ
ああっ…なんということなのでしょう!
お小さい子たちだけでもおかわいらしかったといいますのに
大きくてもふもふしていらっしゃるなんて…いらっしゃるなんて!

まずはお休みの所を失礼して一撫で
…ああ~、なんという…
天にも召される心持ちです

お目覚めになってしまわれました際には、攻撃をなされる前にふと
…何を召し上がるのでしょうか
林檎を差し上げてみましょうか
手製のアップルポテトパイなども召し上がられるのでしょうか
それでまたお休みになられた場合は
もう、もうしばらくだけ
ふわふわさせていただきたく

お休みの所心苦しいのですが…
本当に天に召される訳には参りませんので
お尻と体当たりに気をつけつつ
攻撃申し上げようと思います



「ああっ…なんということなのでしょう!」
 小さな真っ白ピヨすけたちだけでも、とても可愛らしかったのに…と、頰に手を当てるのはベイメリアだった。
「大きくてもふもふしていらっしゃるなんて…いらっしゃるなんて!」
 大きな真っ黒ピヨたろうはベイメリアの心をきゅんきゅんと揺さぶって離さない。出来ることならばもう一回、もうひと撫で…とばかりにうとうとしているピヨたろうに手を伸ばして、もふもふと撫でてみた。

「お休みの所を失礼します…ああ~、なんという…天にも召される心持ちです…」
 思わず目を瞑って、うっとりとした声が漏れてしまう。それほどまでにピヨたろうのもふもふな手触りは心地よかった。ふわふわ、ふかふか、もっふもふ。
 思う存分撫でていると、お腹が空いたのか、ぐぅー…と腹の音がピヨたろうから聞こえてくる。
『ピィ、チィチィ…チィ』
 空腹で目覚めてしまったのであろう、ピヨたろうを見て、ベイメリアは
「…何を召し上がるのでしょうか」
 と、はたと考えた。そして林檎を差し出すと、ピヨたろうは最初こそ小首を傾げたり突いたりしていたが、あっという間に林檎を種ごと咀嚼してしまった。そして催促とばかりにベイメリアを見つめては、
『チィチィ』
 と鳴くピヨたろうに、今度は手製のアップルポテトパイを差し出せば、今度は躊躇うことなくガツガツと突きながら食べ終えてしまった。要は食べれるならなんでも良いらしかった。食べ終わってしばらくすると、眠たくなってしまったようで、羽毛の中に顔をしまってすやすやと眠りにつけば、ベイメリアは
「(もう、もうしばらくだけ、ふわふわさせていただきたく)」
 と思いながら、ふわふわとその羽毛を楽しむのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

藤宮・奈々乃
今度は黒いもふもふなの…悪い子の気配がする。
ななのがお仕置きしてあげないとなの。

今度はおっきい子なので、腕を広げて抱きつき攻撃するの。
「えいっ、体当たりなの」
ふかふかの感触がとても心地よいの…。顔もうずめちゃうの。
いっぱい抱き付いても、おきないのかな?お尻の方にもまわりこんでもふっちゃうの。

でもやっぱりこの黒い子も倒さないとなの…。
悪い子じゃなかったら、ななのがおうちで飼ってあげたかったの…。
最後は【フォックスファイア】で攻撃してもふもふタイムをおしまいにするの…。(とても残念そうな表情



 真っ白ふわもこピヨすけたちの次に待ち受けたのは、真っ黒もふもふピヨたろう。今度は黒いもふもふだから、悪い子の気がする、と顔を上げた奈々乃はピヨたろうの近くまで用心深く近づいた。
「ななのがお仕置きしてあげないとなの」
 きっと唇を結んだ奈々乃はおっきなピヨたろうを前に、腕を広げて抱きつき攻撃をすると、ぽっふりと腕が羽毛に沈んでいく。
「えいっ、体当たりなの」
 ふわふわ、ふかふか、もっふもふの感触が手に腕に伝わってきて、なんだかとっても心地よい…。顔もうずめちゃおうと、頰を寄せて埋めると、お布団のように…いや、お布団よりも心地よい。ぎゅうぎゅうと、体当たりならぬ抱きつき攻撃を繰り出す奈々乃だが、肝心のピヨたろうは起きる気配もなくすやすやと眠っている。奈々乃はお尻の方にも回り込んで、ふわふわなひっぷをもふもふと撫でた。ひとしきり黒いもふもふを楽しむように攻撃したあと、
「でもやっぱりこの黒い子も倒さないとなの…」
 と、思い悩む。
「悪い子じゃなかったら、ななのがおうちで飼ってあげたかったの…」
 と、奈々乃はとても残念そうに呟き、もふもふタイムを終了するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ザッフィーロ・アドラツィオーネ
白い鳥の次は黒、か
白い鳥も黒の鳥もセットで連れ帰りたいものだ…が。残念ながらオブリビオン故…モフらせてもらった後、退治せんと、な

本当に丸く愛らしいな…やはりこの個体も奥まで羽毛なのだろうか
…試さんといかんな…と、定石通りに大きく手を広げ中に埋もれてみようと思う
やはりもふりとした奥まで柔らかな羽毛なのだな…。…このまま昼寝等したら気持ちが良さそうだが…
…、……!意識がいつの間になくなって居るとは…本当に恐ろしい

もふもふと羽毛を堪能し午睡を貪った後は、距離をとり【ジャッジメント・クルセイド】にて攻撃を
…本当にこの時が一番つらいが…せめて痛みが長引かぬ様なるべく素早く仕留めたいものだ、な



 淡やかな雪のように集った真っ白ピヨすけの次に現れたのは、ふわふわな羽毛をたっぷり纏ったもふもふな真っ黒ピヨたろうだった。
「白い鳥の次は黒、か」
 真っ白ピヨすけはまぁるこくて小さくて触るとふわふわとした手触りが心地よかったが、この黒いピヨたろうだって負けてはいない。そのふわふわの羽毛をもふれば手首をすっぽり覆ってしまうほどの存在感。
「本当に丸く愛らしいな…やはりこの個体も奥まで羽毛なのだろうか」
 これは試さんといかんな…と、もふもふのオブリビオン相手にいつも通りとる行動…大きく手を広げ中に埋もれてみることにした。迷うことなどどこにあろうか。さぁ、いざや行かんと抱きつけば羽毛に埋もれゆく腕。
「(やはりもふりとした奥まで柔らかな羽毛なのだな…)」
 …このまま昼寝等したら気持ちが良さそうだと思いながら頰を寄せれば、羽毛の下からは薄けれど優しく甘やかな、ミルクのような匂いが鼻先を掠める。もっふりふわふわな感触を楽しめば脳裏を過るのは、白い鳥も黒の鳥もセットで連れ帰れたらという淡い願望だった。この暖かな日差しの中、白いもふピヨすけと、ふわふわもっふり黒いピヨたろうを抱き寄せれば、お日様の温もりと匂い…溢れる慈愛に包まれるに違いない。
『ピィ、チィチィ…チチ…』
不意にピヨたろうが身動ぎをしてクァ、と欠伸をする。そこでザッフィーロの意識は現実に引き戻された。
「…、……!」
 意識がいつの間になくなって居るとは…本当に恐ろしい。いかんな、と頭に手を当てると、起こさないようにそろそろと距離を取る。思わずとろりとした微睡みに溺れ、あまつさえお持ち帰りしたいと願ったものだが、残念ながら相手はオブリビオン、存分にもふもふを楽しんだ後は心を鬼にして滅ぼさなければならない存在なのであった。ザッフィーロはそんなピヨたろうに向けて指先を向ける。
「…本当にこの時が一番つらいが…」
 せめて痛みが長引かぬ様なるべく素早く仕留めたいものだと、心のうちで呟いて、ザッフィーロは天からの光を呼び寄せる。せめて安らかであれと聖者が見送る中、もっふりもふもふなピヨたろうはその清らかな光に包まれ、姿を消失させたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『花宴の喧騒はすぐそこに』

POW   :    花見よりご飯食べたい!

SPD   :    宴には余興がつきもの。面白い芸を見せてやろう

WIZ   :    花を眺めながら、のんびりと休憩したい

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジャン・クルウェン
【WIZ】
花を観察しながらのんびりします。
これが梅の花ですか。ふむ、小降りな可愛らしい花ですね。
白色や薄い桃色の花が主ですね…
実を漬けて酸味を増したものを食べたりや、木の皮につく苔で布を染めたりする文化もあるとか……なかなか興味深いですね…

(他の人との絡み歓迎です)



 ふわふわピヨすけたちと、もふもふピヨたろうを倒し終えると、猟兵たちはある者は長いため息を、ある者は近辺の住民を気にかけ、またある者たちは次の戦場へ赴かんと歩んでいった。後に残されたのは和やかな春の到来をいち早く告げる白や桃色の艶やかな梅の花たちと、暖かく穏やかな陽だまりだった。そこかしこを梅の馨が仄淡く漂えば、蜜を吸いに訪れたメジロがチィチィと囀った。梅の花を身動ぎもせず、のんびりと観察していたのはジャンだ。暖かな陽だまりの下、立ったままその形をしげしげと見つめると、
「これが梅の花ですか。ふむ、小降りな可愛らしい花ですね」
 と、ぽつりと漏らした。形状や色を見つめる瞳は常の優しさに一振りの好奇心を混ぜたよう。ジャンの知識としては実を漬けて酸味を増したものを食べたりや、木の皮につく苔で布を染めたりする文化もあるということだったが、実際に見たり味わったりしたことはない。いつかはそんな文化に触れてみたいと思いながら、今この時は小春日和に咲く梅を楽しむことにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

星蝕・焉夜
【WIZ】同行者:白雪・小夜(f14079)
関係:好印象

「ふむ、梅の花か……
桜とはまた違う趣が楽しめそうだな……
今日は誘ってくれて感謝するぞ小夜……」

隣を歩きつつ梅の花を見ながら寝不足気味な瞳を擦り

「ああ、すまんな……
あまり眠れなくてな……」

不眠症気味で疲れた体をベンチで小夜と一緒に休みながら

「ん、借りれるなら膝枕してもらってもいいか?」

慌てる様子を眺めつつも疲れ切った体にはその申し出は有難くて

「無理はしなくていいぞ?
足が疲れたら遠慮なく起こしてくれ……」

膝に頭を乗せながら小夜の顔を眺めつつ

「ああ、また機会があれば花見をしようか……
今度は酒でも用意するか?」

少しだけ微笑みながら小夜を見る


白雪・小夜
【WIZ】同行者:星蝕・焉夜(f00030)
関係:ほのかな恋心

梅の花みもいいわね。
あ、今日は花見についてきてくれてありがと、焉夜さん…。
私…一緒に行けそうな人あんまり居ないから、来てくれて嬉しいわ。

あら…お疲れ様?それとものんびりし過ぎて退屈?
…寝不足なの?…なら少しばかり寝てもいいわよ?あそこのベンチで休憩しましょ。
生憎今は私の膝しか枕はないのだけれど、これで勘弁願えるかしら?…なんてね。
えっ…ほ、ほんとにするの?…そ、そう…い、いえ大丈夫よ!ええ、ええ!
(意地を張って本当にするなんて…私も馬鹿…
…でも彼を…癒せるなら…)

…あ、貴方との花見…また行っても…良いかもね?
ふふ、楽しみにしてるわ。



 辺りを見回すと、どこまでも香り立つような白梅と紅梅が咲いている。そんな梅の里で逢瀬を楽しむのは星蝕・焉夜(終焉よりランタンを燃やす者・f00030)と、羅刹の娘である白雪・小夜(雪は狂い斬る・f14079)だった。
「ふむ、梅の花か……桜とはまた違う趣が楽しめそうだな……」
 焉夜が見上げた先には、風に揺れる紅の梅の花が咲いていた。それは春を呼ぶようで、暖かい日差しを受けて美しく花弁を揺らす。
「今日は誘ってくれて感謝するぞ小夜……」
「花見についてきてくれてありがと、焉夜さん…。私…一緒に行けそうな人あんまり居ないから、来てくれて嬉しいわ」
 焉夜の言葉に小夜は遠慮がちに答える。心の奥底に仕舞い込んだ笑顔は、使い慣れてない分、すぐには出てこない。だが、そんな小夜を気にするでもなく、焉夜は隣を歩いてくれた。梅の花を見ながら、ふとその手が寝不足気味な目を擦る。
「あら…お疲れ様?それとものんびりし過ぎて退屈?」
「ああ、すまんな……あまり眠れなくてな……」
 小夜が聞くと、焉夜は申し訳なさそうに答える。寝不足ならば少しベンチで休みましょうと提案すると、二人で近場に設置されたベンチに座り込み、焉夜は不眠症気味で疲れた体を落ち着かせる。すると、小夜が冗談めかして尋ねた。
「生憎今は私の膝しか枕はないのだけれど、これで勘弁願えるかしら?…なんてね」
「ん、借りれるなら膝枕してもらってもいいか?」
 瞬間、えっ…と息を飲む。
「ほ、ほんとにするの?…そ、そう…い、いえ大丈夫よ!ええ、ええ!」
 あまりにあっけなく膝枕を貸すことになり、全身の血が凄い勢いでぐるぐる回っているような錯覚を起こす。慌てふためく小夜を面白そうに眺めつつ、焉夜は有難い申し出を断ることなく受け入れた。
「無理はしなくていいぞ?足が疲れたら遠慮なく起こしてくれ……」
 そう言うと、小夜の膝に横たわりながら緩く瞼を伏せる。そんな焉夜を見ながら、小夜は身動ぎ一つ出来ない。
「(意地を張って本当にするなんて…私も馬鹿……でも彼を…癒せるなら…)」
 胸に込み上げるのは、ただ焉夜を癒してあげたいという純粋な思いだった。しかし甘く胸を擦るのは、きっとそれ以上の思いも、確かに含まれているように感じられて、ほんのり朱の色がさした。
「…あ、貴方との花見…また行っても…良いかもね?」
「ああ、また機会があれば花見をしようか……今度は酒でも用意するか?」
 焉夜が目を開いた先に、小夜の微笑んだような薄ら赤らんだ顔が見える。その先には清楚なまでの白梅が嫋やかに咲いていて。その姿はまるで、小夜に似ていると焉夜は思いながら、微笑みを小夜に向けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベイメリア・ミハイロフ
【WIZ】
もふもふさん方もおかわいらしかったですけれど
小さな梅のお花もおかわいらしいですね

お花が房をなしていますお姿に、白いもふもふさん達が
大勢で寄り添っていらしたお姿を重ねて
少し、少しだけ胸が痛くなります
オブリビオンでなければ、お花ももふもふさんも
両方楽しめましたのにね

それでも
こちらに住まう方々の心の安寧が取り戻せた事は良かった事と
心から思います

白に薄づきのピンクのお花に顔を近づけて
香りも楽しみたいと思います

できる事なら、鳥さんのお菓子というものも頂いてみたいですね
でも、一目拝見して、固まってしまいそうです
こちらは…どこからいただけば良いのでしょうか
頭?尾の方??
ああっ、困ってしまいます…!



 白梅と紅梅、薄紅梅が織りなす中、ベイメリアはお散歩していた。時折見えるメジロの声も、ぽかぽか陽気を喜んでいるようだ。
「もふもふさん方もおかわいらしかったですけれど、小さな梅のお花もおかわいらしいですね」
 白い梅は清楚で可憐、紅梅は艶麗で優美、薄紅梅はその両方を合わせたように美しく可愛らしい。ベイメリアは梅の花が房をなしている姿に、ついさっきまでもふっていた…否、奮闘していた白いもふもふ達が大勢で寄り添っていた姿を重ねて、少しだけ、きゅっと胸が痛くなった。オブリビオンでさえなければ、彼らと一緒にこの梅と暖かい陽だまりを、楽しめたのにと思うと残念でならない。それでも、この近辺に住まう人々の心の安寧が取り戻せた事は良かった事と心から思った。オブリビオンは放置しておけばいずれ害毒になってしまう、そうなる前に芽を摘めたことは良かったのだと自分に言い聞かせた。お散歩がてら、白に薄づきのピンクのお花に顔を近づけてみると、淡いながらも優しげな香りが鼻をくすぐった。すぅっとそれを吸い込むと、胸の奥にまで梅のその良い香りが広がっていくようだった。

 お嬢さん、と呼び止められて振り返れば村人たちが鳥の形を模した和菓子を配っていた。できる事なら頂いてみたいと思っていたベイメリアは有難くその申し出を受け、鳥の形の和菓子を手に取るが、一目見てその手の動きが止まってしまった。
「こちらは…どこからいただけば良いのでしょうか」
 頭からがぶりなのか、尾の方からがぶりといくのか悩んでしまう。
「ああっ、困ってしまいます…!」
 ぶんぶんと首を振るベイメリアを、梅の花たちだけが優しく見守っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ザッフィーロ・アドラツィオーネ
劉は転送と案内お疲れ様だ
折角だ。良かったら花見をしつつ和菓子でも食わんか?と劉を誘ってみよう
常の感謝もあるからな。…奢る位の金子はあるゆえ、遠慮はせんでくれ

俺は茶屋の外にあるベンチで和菓子を食べつつ花見をしよう
鳥達も愛らしかったが…もしこの梅が被害にあっていたら薄桃の素晴らしい景色が見られなくなる所だったからな
…べ、別にあの鳥に似た和菓子を見て感傷的に等なっておらんぞ?

甘い鳥の形の和菓子を食べ終わったらのんびりと梅の花を眺めつつ景色を楽しもう
梅が終れば次は桜か…
肉を得てこうやって四季を花の香と共に識る事が出来る今に感謝をしつつ、ゆっくりとした時間を楽しもうと思う



 白梅の咲く中、村人たちはお茶や茶菓子を振る舞うのに忙しくしていた。転送に案内、村人たちの手伝いもしていた劉・碧(夜来香・f11172)に、お疲れ様だと声を掛けたのはザッフィーロだ。
「良かったら花見をしつつ和菓子でも食わんか?」
 と碧を誘うと、あぁと返事が返ってくる。悪いが少し外すよと村人たちに声を掛けると、碧は待たせたな、と言いながら戻ってきた。
「…奢る位の金子はあるゆえ、遠慮はせんでくれ」
 と日頃の感謝を込めて碧の分の支払いを申し出ると、厚意には素直に頷いたが、討伐してくれた分の労いなのだと説明した。茶屋の外に出れば設えられたベンチに二人で座り、店から提供された愛らしい鳥の形の和菓子を見る。
「鳥達も愛らしかったが…もしこの梅が被害にあっていたら薄桃の素晴らしい景色が見られなくなる所だったからな…」
「そっかァ、それで菓子が食べづらいのかい?」
 と碧が手元を覗けば、
「べ、別にあの鳥に似た和菓子を見て感傷的に等なっておらんぞ?」
 と、楊枝で和菓子を刺した。なんとなくそれは勿体無いことをしたような罪悪感めいた感傷が過ったが、一口食せばふんわりと甘い味わいが口の中に広がった。
「なんだァ、食べちゃったのか…はは」
 と、笑う碧を横目で見つつ、のんびりと梅の花を眺める。店先には白梅があったが、よく見ると薄紅色や花弁の周辺が紅く縁取られたもの、紅白両方が一つの枝に咲くものなども見られる。
「梅が終れば次は桜か…」
 ザッフィーロにとって、器物である自身が肉を得てこうやって四季を花の香と共に識る事が出来る今は、苦しい時もあるが嬉しいことであり、感謝せずにはいられないことであった。そんな気持ちを隣にいる知人に漏らすことはないが、想いを抱えたまま、ゆっくりとした時間を楽しむ。不意にメジロがピィ、チュィと囀れば、春の訪れが感じられるようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

藤宮・奈々乃
ぴよちゃんたち、みんないなくなった?
お花見、できるかな?

【WIZ】

お茶をいただきながら、ゆっくりとお花見するの。
お菓子も、もらえるの?
お花見といったら、やっぱり思い浮かぶけど梅のお花もきれいなの。
あ、木のところにピヨすけじゃない本物の鳥さんがいるの。
こっちにきてくれないかな。

梅のお花が咲き始めると、春が近くなってきてる感じがするの。
…なんてことを考えながら、のんびりとお花見を楽しむの。

【アドリブ歓迎】



 ふわふわピヨすけたちと、もっふりピヨたろうを退治した後に梅林をお散歩していたのは奈々乃だった。
「ぴよちゃんたち、みんないなくなったかな?」
 あっちをのぞいたりこっちを見たりとしてるうちに、近辺にあると言われていた茶屋の方へと出た。ぴよぴよたちがいないことを確認すると、茶屋で配られていた和菓子を奈々乃も貰い、お花見を始めた。
「お菓子も貰えるの?」
 と、茶屋の主人に聞けば、鳥たちを倒してくれたお礼ですよと返ってきた。茶屋の近くでは白梅を中心に、赤い縁取りのあるものや、紅白が一つの枝に咲くもの、遠くには薄紅梅や紅梅が見て取れた。
「お花見といったら、やっぱり思い浮かぶけど梅のお花もきれいなの」
 桜も壮観だが、今咲いている梅も花見には相応しい。花たちを見ていると、暖かな日差しの下、瑞々しく嫋やかに咲いている様子が目に映る。不意に、チュィチュィ、ピィと鳴き声がした方を見ると、ピヨすけではない本物の鳥──メジロが花蜜を吸っているのが見て取れた。
「(こっちに来てくれないかな)」
 と思いながら恨めしく見ていると、人の目をさして怖がらないのか、足元から1メートル先ほどのところへ降り立ってきた。暫くこちらの様子を伺うと、またすぐに梅の花の元へ飛び立って行く。また再び梅の花に目をやると、奈々乃は思う。
「(梅のお花が咲き始めると、春が近くなってきてる感じがするの)」
 暖かな陽気の中、清楚に可憐に咲き誇る花と、メジロ…そして暖かいお茶の温もりが、春の到来が間近だと知らせているように感じる。ふわりとそよぐ風が頰をくすぐれば、淡やかな梅の馨が鼻を掠めていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月20日


挿絵イラスト