ここ、サムライエンパイアにおいてもクリスマスという祭りが伝わったのは、世界を渡り歩く天下の三代将軍・家光が文化を持ち込んだと言われている。
「くりすますって美味いご馳走をみんなで囲む祭りらしい」
「三太って言う仙人が子どもの所にやってきて玩具を下さるんだと」
「スギの木を目一杯飾り付けすると、くりすますの神様が喜ぶんだとよ」
微妙に違う様な合っている様な伝わり方をするのはご愛敬。何せ通信環境が無い世界は噂も流行も口コミで広まっていくのだ。
そして、正月とは別のご馳走。それも大勢で囲むとなれば――。
「お鍋ですにゃ」
ミカン箱の上に乗ったケットシー、ロータス・プンダリーカ(猫の銃形使い・f10883)はふさふさの尻尾を嬉しそうにぶんぶん振りながら告げた。
「今年のエンパイアの東北から蝦夷地にかけて、鮭が豊漁らしくてにゃ」
荒巻鮭も勿論だが、法力文化のあるエンパイアは冷凍保存して江戸まで運んでくる事が可能らしい。
「他の世界だとクリスマスはターキーとかチキンとかの鳥料理がメインにゃんだけど、エンパイアは肉より魚料理のが馴染みがありますからにゃ」
クリスマスオードブルにもスモークサーモンは定番だし、と既にヨダレが止まらないネコは告げた。
そんな訳で、鮭。江戸にある大衆店でエンパイア式クリスマスパーティ開始である。
メイン料理は鮭鍋。今んとこ、鮭と根菜と豆腐くらいしか入れる予定が無いが、猟兵達のアイデアや持ち込みでアレンジして構わない。
ローストチキンの代わりにロースト……つまり炙り焼きした鮭だとか、燻製にした鮭だとか。鮭を使った海鮮丼だとかも良いだろう。
他にもこんな鮭の美味しい食べ方があると教えてあげれば、新しいものが大好きな粋な江戸っ子板前さんが工夫して和風にアレンジしてくれるだろう。
無論、振る舞われるお酒もワインじゃなくて日本酒。熱燗でキュッ。未成年には日本茶が振る舞われる。
「そんな訳で、鮭食うにゃよ!!」
鮭大好きなロータスはそう言って皆をお誘いするのであった。
天宮朱那
天宮です。
地元のニュースでクリスマスに向けてスモークサーモンの工場が大忙し、みたいのがあったもので、鮭好きにゃんこがアップを始めました。
鮭鍋メインの鮭三昧。基本は和風料理ですが、江戸の粋な板前さんの手にかかれば西洋料理も和風にアレンジされて出来上がるかも。魔改造は日本人の得意技。
日本酒などもありますので呑みたい方もおいでませ。未成年はお茶をどうぞ。
お声がけ頂ければロータスやうちのグリモア猟兵がお顔だしします。お一人参加の際の話し相手が必要ならどうぞ。
複数合わせは迷子防止に相手の名前(ID)かグループ名記載を。失効日がずれるので送信日もなるべく合わせて頂けると有り難く。団体様は多くて3~4人くらいが掛け合いも書きやすいかと。
公開と同時にプレイングは受付開始。
マスターページやタグ、Twitter(@Amamiya_syuna)などでも随時告知をしますので確認頂けますと幸い。
適度に人数集まったら〆切目安の告知予定。
第1章 日常
『今日は祭り日和』
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POW : 何事もノリと気合いで体験だ、と祭りに参加する
SPD : 見て、聞いて、味わって。見物客として見て回る
WIZ : 祭りの起源や歴史を紐解きながらじっくり祭りの風情を楽しむ
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
久留米・圓太郎
■SPD
クリスマスにシャケ、だと!?
(三毛猫由来のネコミミぴくぴく、尻尾ふりふり)
ならばちゃんちゃん焼きを持ち込むぞ
シャケと味噌と根菜は現地調達できるとして、バターだけは持ち込むか
さてやってみるか!
要はバターしいて焼き目を付けたら蒸し焼きにすれば良いんだから、それほど面倒じゃない、はず
板前さんならもっと上手くやるところだろうけど
さて出来上がったところで、この話を持ち込んだロータスさんを呼んで……オレは年齢からして酒がダメだから、ここは師匠を呼ぶか!
(UC発動)
「師匠、今年1年ありがとうございました!」
師匠は実際の飲み食いは出来ないにしても雰囲気だけでも
※アドリブ・連携共歓迎
「クリスマスにシャケ、だと!?」
久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)が今回の話を聞いた瞬間、その猫耳が鋭くぴくりと動いたのは気のせいでは無かった。
何せ彼は三毛猫要素を持つキマイラ。ネコが魚に目がないと言うのは案内したケットシーの尻尾の動きが示していた通り。そう、圓太郎の尻尾もふりふりが止まらない。
果たしてお江戸の大衆酒場に設けられた「くりすます宴会場」にやってきた少年は、コンロの代わりに設置された七輪のある机の元に。
「おう坊主、何か作ろうってのかい」
「ああ、ちゃんちゃん焼きを作ろうかと」
その聞き慣れない料理の名前に江戸っ子の酔客達が覗き込む。
「さて……やってみるか!」
鮭と味噌と根菜は鍋の材料にあるので、それを丁寧に下処理。鉄板の代わりに鉄鍋を用い、持参したバターで油を引く。鮭の切り身にほんのり香ばしい焼き色が付いた所で、調味した味噌と根菜達を入れ、アルミホイルで包む代わりに落とし蓋をして蒸し焼きすることしばし。
「イイ匂いだな、おい」
「それほど面倒じゃないし、板前さんならもう少し上手くやる所だとは思うけど」
厨房から出て来た板前さんがその作り方の手順を凝視しているのも見えた。きっと上手い事まねてアレンジしたレシピを編み出すに違いない。
「すっごく良い匂いがしますにゃ……」
ふらふらとそこにやってきたのは案内をしたネコことロータス。その尻尾も大きくぱたぱた揺れ、既にヨダレが止まらない。
「ロータスさんもどうぞ」
「いいのですかにゃ!?」
「この話持ってきてくれたお礼だぜ」
振る舞われたちゃんちゃん焼きは、味噌の味付けも抜群でバターの香りとの調和と鮭の旨味がたまらない。酒飲み達も良いアテが出来たと喜んで箸でつつく。
「オレはまだ酒がダメだから……」
まだ14歳の自分はお茶で我慢。でも折角の大人の雰囲気。ここは――
「師匠を呼ぶか!!」
召喚された幻影は、圓太郎の後ろにある宴会の様子に目を丸くしていれば。
「師匠、今年1年ありがとうございました!」
ぺこり、と一礼。その感謝の気持ちが嬉しかったのか、圓太郎の師匠はにっこり笑みを見せると彼の頭を軽く撫で、静かに告げたのは礼だろうか。
「めりーくりすます!!!」
どこかで聞いたらしい、クリスマスの挨拶を高らかに叫んだ酔客達。
家族や友人と仲良く過ごすこの聖夜。この雰囲気と美味しい旬の鮭とを味わい噛み締めながら、圓太郎は師匠との時間を穏やかに過ごすのであった。
大成功
🔵🔵🔵
鈴丸・ちょこ
【黒】
活きの良い魚に小粋な宴とは、この上ねぇな
(忙しなく鼻をくんくん働かせ)
更に酒まで揃ってるとくりゃ、今宵は鱈腹楽しみ尽くすしかあるめぇよ
――で、何だ?てめぇはまたそれか
まぁ自棄酒でも自棄食いでも特別に付き合ってやるから涙拭けよ
湿気たツラしてねぇで、とっとと盃を持て――鮭の瞳に乾杯と洒落込もうじゃねぇか(丸焼きをわいるどにはむり)
どうだ、鍋も良い具合になってきたか?
まだなら俺は海鮮丼で箸休め(??)しとくぜ
(可愛くお座りしつつも、何でもぺろりと平らげる底無し腹ペコ獣)
よし、んじゃアレンジは任せた
ふふん、猫舌火傷が怖くて冬の醍醐味を味わえるか――熱燗も鍋もどんとこいだ
くぅ、堪らねぇ美味さだな!
呉羽・伊織
【黒】
ウン、鮭に酒とは贅沢極まりないネ
――嗚呼、でもオレはオッサンの晩酌相手じゃなくて美女にお相手頂きたいだけのクリスマスだった~!(突っ伏し)
くっ、ヤケにゃ走らないもん…クリスマスは予定が合わなかっただけでまだ忘年会があるもん…泣いてない…!
(何とか起き上がり盃持ち)
ハイカンパーイ!ってそんな瞳ヤダわオレが死んだ魚の目になるわ~!
ったく…鍋はもーちょいかな
オレはちょこニャンの猫鍋もホシイんだケド~って聞いてないな!(食気に夢中の猫サマつつき)
そーいや鮭なら酒粕も美味しかったっけな
後で入れる?
(頃合いの鍋をよそいつつ)
あ、猫舌にゃ気を付けるんだぞ!
猫が頬張ってると一層美味しそうに見えるな~!
その宴会場となっている居酒屋に足を踏み入れれば、江戸っ子達が「くりすます」と言う舶来の祭りに盛り上がっている。
机の上には七輪。その上には鍋が乗り、ぐつぐつと煮立つ音が喧噪の中でも聞こえてくる様だ。
「活きの良い魚に小粋な宴とは、この上ねぇな」
くんかくんか。鈴丸・ちょこ(不惑・f24585)はその小さく濡れた鼻を働かせれば、大好きな魚の香りが鍋や厨房その他から漂っているのをしかと感じ取る。
「更に酒まで揃ってるとくりゃ、今宵は鱈腹楽しみ尽くすしかあるめぇよ」
「ウン、鮭に酒とは贅沢極まりないネ」
見れば江戸っ子達は大体すっかり出来上がっている。賑やかな雰囲気にちょこは顔を真横に向ければ、彼を肩に乗せていた呉羽・伊織(翳・f03578)もこくりと同意の頷きを示すも――何処となく覇気が足りない。
「――嗚呼、でもオレはオッサンの晩酌相手じゃなくて」
「ん? 何だ?」
ちょこ(42歳)がひらりと机に飛び移ったのを見やりながら、伊織はゆらりと椅子を引き、どかんと座り込めばそのまま顔を机上に突っ伏した。
「美女にお相手頂きたいだけのクリスマスだった~!」
「てめぇはまたそれか」
顔を上げろと伊織の頭部をてしてし肉球でつつくちょこ。
「まぁ、ほら。自棄酒でも自棄食いでも、特別に付き合ってやるから」
「くっ、ヤケにゃ走らないもん……クリスマスは予定が合わなかっただけでまだ忘年会があるもん……」
「……とりあえず涙拭けよ」
「泣いてない……!」
渋い呆れ声で慰めるちょこの言葉に、顔上げて目元を拭う伊織。気が付けば漆塗りの盃が既に目の前に置かれ、ちょこが器用に酒を注いでいる姿が見えた。
「湿気たツラしてねぇで、とっとと盃を持て」
ごとりと燗を置き、代わりに鮭の丸焼きを手に持って掲げるちょこ。それに合わせる様に伊織も渋々と盃を手に取ったのを見て、さて――と黒猫は告げる。
「――鮭の瞳に乾杯と洒落込もうじゃねぇか」
「ハイカンパーイ!って、そんな瞳ヤダわ! オレが死んだ魚の目になるわ~ッ!」
悲しげな声で精一杯ツッコむ伊織。そんな彼を、はむりっとちょこに囓られた鮭の目が憐れみを以て見つめていた――気がした。
ぐつぐつ。
そんな紆余曲折(?)を経た一人と一匹の前には鮭鍋。新鮮な具材が煮込まれて良い匂いが辺りに漂う中、ちょこは尻尾をぱたりぱたりと揺らしながら鍋の世話をする伊織に尋ねてみる。
「どうだ、鍋も良い具合になってきたか?」
「ったく……オレに調理押しつけやがって」
「何か言ったか」
「……鍋はもーちょいかな」
ぼやきを誤魔化しながら、伊織は菜箸で根菜の煮え加減を見る。もう少し煮込んだ方が味も染みて良さそうだった。
「まだなら俺は海鮮丼で箸休めしとくぜ」
ちょこはチョコンとお座りしたまま、鮭以外の旬の魚を盛り付けた海鮮丼をもりもり食らっていた。箸使ってないけど箸休め。そもそもボリュームおかしい。
可愛い顔をしているが、実に何でもぺろりと平らげる底無しの胃を持つ腹ペコの獣。それがこのちょこと言うネコである。
「オレはちょこニャンの猫鍋もホシイんだケド~」
「(はぐはぐもしゃもしゃ)」
「って聞いてないな!」
「うぐ」
食気に夢中のネコのオデコをつん、とつつく伊織。全く我が儘極まりない相手だが、何故か逆らえない。だって相手がおネコ様だから。
ぐつぐつぐつぐつ。
「――あ」
頃合いになった所で伊織は鍋の具材を器によそいながら、ふと思いついて声を出す。
「どうしたんだ」
「そーいや鮭なら酒粕も美味しかったっけなって。後で入れる?」
「よし、んじゃアレンジは任せた」
良きに計らえとふんぞり返りながらちょこは告げる。味変も悪くは無いだろう。
湯気がたっぷりの鮭と根菜たちの入った器を前に、ちょこは我慢出来ぬとばかりに顔を近づけ、食べ始める。
「あ、猫舌にゃ気を付けるんだぞ!」
「ふふん、猫舌火傷が怖くて冬の醍醐味を味わえるか――熱燗も鍋もどんとこいだ」
もっもっと無我夢中になって頬張るちょこ。ネコがご飯を頬張っている姿は一際美味しそうに思えるのは何故だろうと幸せな気分になりながら、伊織もまた鮭鍋を口にする。
「うん、美味しいな!」
「くぅ、堪らねぇ美味さだな……! 鮭、サイコー!!」
ヤドリガミとネコの心底美味しそうな様子と仲睦まじさに、周りに居た江戸っ子達も、くりすますの幸せを存分に感じていたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
終夜・嵐吾
【雅嵐】
美味しい日本酒と!鮭!良きクリスマスじゃな!
せーちゃん、ほれほれあいとるよ、ついであげよ
鮭鍋であつあつほくほくじゃね
わし、鍋の具はつみれがすきなんじゃ
シンプルな鍋もよい…しめは雑炊かの?
鍋奉行はせーちゃんに任せてしまお
わしは、のむ!(ぐびっ)ふふ、潰れたら任せる
おいしいもんはわしにしあわせをはこんでくれるんじゃ~
せーちゃん、鮭たべたい
つみれも~、野菜もよいかんじで
豆腐もわすれずに!
あつあつのはふはふじゃね
そしてきゅっと……すぐ飲みきってしまうの
熱燗も良いが、冷酒もあるかの?
ふふ、うむ
のむのむ
こうして酌をしてもらうんもええの
わしもついで…うむ
こぼしそうじゃから、ついでもらお
乾杯じゃ~
筧・清史郎
【雅嵐】
ああ、有難う、らんらん
では俺も(お酌
鍋奉行は任された(お玉しゃきん
蝦夷地の鮭か、味噌で石狩鍋風だろうか
ならば締めは麺でも良いな(雅やかにしゅっとあく取りつつ
ふふ、好きなだけ呑んでいいぞ
奉行の合間に友に笑顔で次々酒を勧めよう
いつもの様にすぐ潰れても俺がいるからな
蝦夷地でもクマさんが鮭を咥えて介抱するのが常の様だしな(何か勘違い
この鮭やつみれはそろそろ食べ頃か
あらも使った旨味がたっぷりだな
要望通りいい感じに友へ具材よそいつつ
存分に酒も楽しみながら
炙焼きも燻製も海鮮丼も、勿論全て頂こうか(雅な酒豪健啖家
ほら、この酒も美味そうだぞ(再び注ぎ
俺の事は気にするな(微笑み
改めて、美味な聖夜に乾杯だな
お江戸の城下町はいつだって賑やかだが、今日は特段と活気に満ち溢れているのは年の瀬と言うだけでは無いのは明らかで。
切り出した杉の木には七福神やら日の丸扇やら繭玉やらがオーナメントに飾り付けられ、見事に正月と混ざっているが。時期近いし一緒に祝ってしまえ、と言うのは江戸っ子流の『くりすます』。
そうなれば、歳神様をお迎えするのと同じ感覚で宴会が始まるのも致し方ないのかも知れず。喧噪の中で既に和服の見目良き男二人は鍋を前にすっかり出来上がりつつあった。
「美味しい日本酒と! 鮭! 良きクリスマスじゃな!!」
熱い酒をグイッと飲み干しながら、終夜・嵐吾(灰青・f05366)は実に楽しそうに笑みを零していた。
「せーちゃん、ほれほれあいとるよ。ついであげよ」
「ああ、有難う、らんらん」
上機嫌な嵐吾がずずいと徳利を差し出し傾ければ、筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)も、おっと――などと言いながらお猪口で受ける。
「では俺も」
「おお、ありがとうの」
お返しに、と清史郎もまた徳利を傾けて嵐吾の杯へと。深く薫る酒の芳香が喉を焼きながら流れ落ちるのを感じ、身も熱くなる。
さて、二人の目の前には七輪の上に鎮座した土鍋。ぐつぐつと既に煮立っており、湯気と共に食欲そそる香りが溢れている。今宵の鍋奉行は清史郎。おたまで大根や人参の火の通りを確認。もう少し煮込んだ方が良さそうだ。
「鮭鍋であつあつほくほくじゃねぇ――わし、鍋の具はつみれがすきなんじゃ」
覗きこんで箸でつつけば、鮭の他にもつみれがコロコロ出汁の中を泳いでいるのが見える。現代世界の具だくさんの鍋も良いが、鮭につみれに根菜のみのシンプルな鍋もまた、食材をしかと味わえそう。実に楽しみで仕方が無い。
「蝦夷地の鮭か――味噌で石狩鍋風も良いだろうか」
「……しめは雑炊かの?」
「締めは麺でも良いな」
お味噌を華麗に投入し、雅やかに灰汁を取るその清史郎の様子に、酒場の女中達が格子戸の向こうからうっとり見つめているのを彼は知らない。
「じゃあ鍋は任せた! わしは呑む!」
「ふふ、好きなだけ呑んでいいぞ」
ぐびぐびと呑む事に集中し出した嵐吾に対し、清史郎は文句を言う所か楽しそうに次々と酒を勧めて呑ませる。いつもの様に酔い潰れても、任せ任せられる信頼あってこそ。
「蝦夷地でもクマさんが鮭を咥えて介抱するのが常の様だしな」
「いや……その鮭食われてませんかにゃ」
何か勘違いした清史郎の言葉に、通りすがりのネコがツッコミ一つ。
「おいしいもんはわしにしあわせをはこんでくれるんじゃ~」
男前台無しレベルの酔っ払い妖狐と言い、ツッコミが圧倒的に足りて無い。
「この鮭やつみれはそろそろ食べ頃か……」
「せーちゃん、鮭たべたい。つみれも~、野菜もよいかんじで……あ、豆腐もわすれずに!」
子どもの様にねだる嵐吾の要望に応えて清史郎が小分けの器に具をよそって彼の前にそっと置く。あらもたっぷり使った鍋は、旨味が汁に存分に溶け出しているだろう。
「あつあつのはふはふじゃね」
食も進めば無論酒も進む。酒と鮭を交互に口に運ぶ嵐吾の前には空になった徳利が何本も並んでいた。
「冷酒もあるかの?」
「炙焼きも燻製も海鮮丼も、勿論全て頂こうか」
良く飲み良く食うこの二人。運ばれる料理も酒もあっと言う間に消えていく。
「ほら、この酒も美味そうだぞ」
「こうして酌をしてもらうんもええの。わしもついで……」
「俺の事は気にするな」
酌をしようとした嵐吾に、清史郎は微笑みを返す。友がこうして楽しそうに呑んでいる姿こそが彼にとっては美酒の様にも感じられる。
「改めて、美味な聖夜に乾杯だな」
「乾杯じゃ~」
腹も心も満たされ。掛け替え無き友と過ごす聖なる夜は更けていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
セロ・アルコイリス
リュカ(f02586)と
わー、実はおれ、サムライエンパイアって初めてなんですよ(きょろそわ)
鍋ですって、リュカ
……生魚って変です?(おいしいけどな)
いいにおい
おれ、味染みた大根とかすげー好き
食べてみてください(熱々をぐいぐい)
……ちぇ。普通に喰うなあ
あ、なんか足すもの持ってきました?
おれ餅持って来たけどこれどう喰うの
兵器? え、あれ?
ここの外で商人から買ったんですけど……毒……?(入れる)(消えた)
あれ、全然喰えねーじゃん餅、ガセ??
三太って仙人? が子供に玩具くれるんですって
リュカは子供じゃねーからおにーさんが玩具あげます(その辺で買った模造刀)
いや本物は高、あ、ありがとです
……おいしい。
リュカ・エンキアンサス
セロお兄さんf06061と
え、そうなんだ
俺もあんまりいかないけど、
エンパイアの気配って、嫌いじゃないよ
たまに変なのもあるし……生魚とか
食べないけど生魚
食べるのは鍋で
火を通したら何でも美味しい。大根ももらう
……
餅?
わかんないけど入れればいいんじゃないの。鍋に
俺は聞いたことあるよ。餅って、割と致死率が高い殺人兵器なんだって
どう死ぬのかはわからないけれども、食べてみなよ。お兄さん
ほら。大丈夫大丈夫。たぶ……あ
なんか鍋の底に引っ付いてるな…餅…
ええ。くれるものは貰うけど…
本物がいい。せっかくなら
じゃあ、俺もお返しね。お兄さん子供じゃないけど(鍋に入った大根と引っぺがした餅をお兄さんの器に投入していった
道行く人々は皆着物に身を包み、髪は結い上げ、他の世界には見られぬ文化が見られる。サムライエンパイアの政治の中心たる町――それが江戸。
「わー……」
瓦屋根に木と紙で出来た建物が軒を為すその街並みを見つめながら、セロ・アルコイリス(花盗人・f06061)は感嘆の白い息を吐き出した。
「わー、実はおれ、サムライエンパイアって初めてなんですよ」
「え、そうなんだ」
きょろきょろそわそわ落ち着かないのはそのせいか、とリュカ・エンキアンサス(蒼炎の旅人・f02586)は驚く様な納得した様な表情を浮かべた。
「リュカは来た事あるんです?」
「あ、いや……俺もあんまり来てないけど――」
投げかけられた質問に応えながら、ふとリュカは周囲を見渡す。独特の、他の世界では和風と称されるこの文明様式が自然と視界に入る。
「エンパイアの気配って、嫌いじゃないよ」
「なんかイイですよねー、この雰囲気。ところで鍋ですって、リュカ」
この世界の料理に興味津々なセロの様子に、そうだねと落ち着いた表情のまま答えるリュカ。
「たまに変なのもあるし……生魚とか」
「……生魚って変です?」
おいしいけどな、と思うセロに対し、食べたくは無いと思うリュカなのであった。
さて、宴会場に行けばとても良い香りが二人の嗅覚を刺激する。無論、食べるのは鮭鍋。机の上に七輪の乗った席に案内されれば、ぐつぐつと中身の煮えた土鍋がお出迎え。
「おれ、味染みた大根とかすげー好き」
鍋の中を箸でつつけば、煮えて半透明になった大根が顔を出し、鮭も美味しそうなサーモンピンクを見せている。
「いいにおい。ほらほらリュカ、食べてみてください」
熱々を摘まんでぐいぐいと口元に近づけて見るも、そのままあむっと頬張り、はふはふ言いながらも平然と食べるリュカ。
「……ちぇ。普通に喰うなあ」
「火を通したら何でも美味しい。大根ももらう」
狙ったリアクションが見られずに残念そうな表情をするセロに対し、大根を摘まみ上げながら黙々と食べ始めるリュカであった。
「あ、なんか足すもの持ってきました? おれ餅持って来たけど……」
そう言いながら、いそいそとお餅を取り出したセロ。そして鍋と餅を見比べながらしばし固まる。
「これどう喰うの」
「……餅?」
どれどれとその餅を見るリュカ。鍋料理用と包みに書かれたそれは、焼いて食べるものより薄くて板の様。
「わかんないけど入れればいいんじゃないの。鍋に」
と言う事でぽちゃんと投入。ぐつぐつ。
「そう言えば……俺は聞いたことあるよ。餅って、割と致死率が高い殺人兵器なんだって」
「兵器? え、あれ?」
その言葉にビビった表情したセロは落ち着き無くそわそわしだす。
「ここの外で商人から買ったんですけど……毒……?」
「どう死ぬのかはわからないけれども、食べてみなよ。お兄さん」
割とガチでビビっているその様子が面白いのか。リュカは笑いそうになるのを堪えながらも食べる様に促してみる。恐る恐ると言った形でセロは箸を鍋に突っ込み。
「本当に大丈夫なんですかね……」
「ほら。大丈夫大丈夫。たぶ……あ」
鍋に入れた筈の餅が見当たらない。というか消えた。
「あれ……? 無くなっちまったんですけど」
「あ、いや……なんか鍋の底に引っ付いてるな……餅……」
「全然喰えねーじゃん餅……ガセ??」
安心した様な残念な様な。複雑な表情を浮かべたセロであった。
結局餅は保留して。二人は美味しく煮えた鮭に舌鼓。旬のものだけに、脂がのって実に旨味があって、どんどん箸が進んで止まらない。
「――あ、そういえば。くりすますでは三太って仙人?が子供に玩具くれるんですって」
「サンタクロースの事だよね、多分……」
ヒドい伝わり方がされたものだとリュカは苦笑い。どちらにせよ、もう自分の歳になれば縁の無い話だと思った矢先。
「リュカは子供じゃねーからおにーさんが玩具あげます」
「ええ……くれるものは、貰うけど……」
差し出されたそれは刀、らしい。受け取って鞘から抜けば、一目で模造刀だと解った。どうもその辺で買ってきたものらしい。
「……エンパイアで刀の本場なんだし、本物が良い、せっかくなら」
「いや本物は高――」
「冗談だよ」
真顔で言いながら、ちゃきんと刀を鞘に納め。代わりに再び箸を手に取ったリュカは鍋の底からさっきの餅を引っぺがし、一言。。
「じゃあ、俺もお返しね。お兄さん子供じゃないけど」
ていやとセロの器にその餅と大根を放り込む。その様子に彼は目を丸くしながら、その餅をしげしげと見つめてリュカに視線を移し。
「あ、ありがとです」
口に運べば、半ば溶けたその餅と大根はすっかり味が染み込んで、一緒に食べるとまた絶妙な味わいで。
「……おいしい」
「どういたしまして」
何処となくほっこりした二人のやりとりは、〆の雑炊を一緒に頂く所まで続くのであった――とさ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵