聖夜の踊る大宴会!
●グリモアベースにて
アリス・トゥジュルクラルテ(白鳥兎の博愛者・f27150)は猟兵たちを満点の笑顔で迎えた。
「皆さん、メリー、クリスマス、です! 今日は、お仕事、では、なく、パーティーの、お誘い、ですよ! パーティー、という、しても、形式、ばった、もの、では、なく、にぎやかな、宴会、という、感じ、です、けどね」
彼女が案内するのはアックス&ウィザーズの冒険者の酒場で行われる大宴会だ。これは冒険者ではなくても誰でも参加できるが一つだけ条件がある。
「料理、でも、飲み物、でも、食材、でも、何でも、いい、ので、飲食物を、一品、持って、行く、です。実は、会場の、ある、村は、昔、戦争の、時に、毒で、汚染、されて、最近、ようやく、人が、住める、環境に、浄化、された、ですよ。でも、不吉な、場所、だと、怖がる、されて、まだ、あまり、人が、住む、ない、です。なので、飲食物が、あまり、ない、みたい、です」
ちなみに会場も冒険者の酒場として使っているが元は教会だった建物だ。
教会で宴会なんて罰が当たらないかと猟兵が問えばアリスは笑って首を横に振った。
「そこで、祭る、された、神様は、愛と、生命の、神様で、人が、大好き、なので、にぎやかな、方が、きっと、嬉しい、ですよ。会場、では、明るい、楽しい、曲が、演奏、されて、ダンスも、できる、です! 村の、人たちや、神様の、ため、にも、楽しく、踊る、して、盛り上げる、して、ほしい、ですよ!」
もちろん皆で持ち寄った飲食物を味わうだけでも十分に楽しめることだろう。
「皆さんの、ご参加、お待ち、してる、ですね!」
そうと決まれば何か一品用意しなければならない。猟兵たちはそれぞれに準備をしてから現地へと向かった。
●冒険者の酒場にて
そこは確かに教会だった。綺麗なステンドグラスのはめられた窓。石の祭壇も備え付けられている。長椅子やじゅうたんは取り除かれたようだ。代わりにテーブルがいくつか置かれその上に料理が並べられていた。
祭壇付近では楽器が演奏されその前では音楽に合わせてにぎやかにダンスが行われている。二人ペアで踊る者もいれば酒瓶片手に一人で騒ぎながら踊る者もいた。
人が集まってはいるが確かに宴会というには人数が少ない。料理の数もあまりないようだ。
「やあ、外から来てくれた人だね!」
冒険者らしき陽気な男性に声をかけられた。
「ようこそ、冒険者の酒場へ! 君は何を持ってきてくれたんだ?」
彼にお土産を渡せばこのパーティーに参加できるようだ。
彌厘
今年もやります、クリスマス・ダンスパーティー!
今回はアックス&ウィザーズでお土産を披露した後にダンスをしたり、食事を楽しんだりしましょう。ほのぼのも心情もにぎやかも、何でもありです。が、公序良俗に反する行いには罰が当たるので採用できません。
ちなみに今回の会場となる冒険者の酒場のある村は以前執筆した『穢れなき邪神は孤独を歌う』(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=36208)で触れた滅んだ国のごく一部だったりします。神様の住んでいた神殿とは別の教会です。直接的なつながりはないのでシナリオ未読でも問題ありません。
グリモア猟兵もお誘いいただければ登場しますが、ペアでの異性とのダンスはそれなりに親しい方としかできません。お話は誰でも大丈夫なので、話し相手が欲しいときにどうぞ。
プレイングはオープニング公開直後からの受け付けとなります。締め切りはプレイングの集まりを見て、タグとマスターページでお知らせしますのでご確認をお願いします。
それでは、素敵なプレイングをお待ちしております!
第1章 日常
『酒場で持ち寄りパーティ』
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POW : 肉やパンなど、ボリュームのある物を持っていく。
SPD : ジンジャークッキーやカナッペなど、つまみやすい物を持っていく。
WIZ : フルーツやケーキなど、甘いデザートを持っていく。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
蛇無・杏珠
◎アドリブ・改変歓迎です。
「こんじゃない~!パーティーあるところに蛇無ちゃんあり、蛇無ちゃんあるところに肉はあり!……という訳で移動骨付き肉焼き屋台で遊びに来たよ!」
__え?そんなデカい屋台は教会に入らない?
だいじょーぶ!外で焼いたの持ってくから!
色んな味があるよ、オーソドックスなの、辛いの、カレー味とか、あとクリスマスだからケーキの味にも挑戦してみました!
外で豪快に骨付き肉を焼いては教会の中に差し入れ、たまにテーブルに並んだ美味しそうな料理をつまみ食い。
皆の笑顔と肉が蛇無ちゃんのパワーになるのだ!
●パーティーに欠かせないもの
まず会場にやって来たのは蛇無・杏珠(暴走恐竜配信者・f35795)だ。
「こんじゃないー! パーティーあるところに蛇無ちゃんあり、蛇無ちゃんあるところに肉はあり!」
杏珠の言う『こんじゃない』とはこんばんはと彼女の名前の蛇無を合わせた挨拶だと思われる。
突然のマイペースな挨拶にも陽気な冒険者は笑って迎えてくれた。
「君、面白いねえ! それで、何を持ってきてくれたんだ?」
「わたしの本業は骨付き肉を屋台で移動販売してるんだ! だから屋台ごと遊びに来たよ!」
「えっ?」
杏珠の示した屋外を見れば教会の目の前に確かに屋台があった。
「……いや、すごいとは思うけどね。あんなデカいの、この酒場に入らないよ」
さすがに冒険者のお兄さんもちょっと引き気味である。
しかし杏珠はそんな様子も気にしない。
「だいじょーぶ! 外で焼いたの持ってくから!」
「そうか? 寒いと思うけど……」
「いつもやってて慣れてるから平気平気! それよりお兄さんもよかったら食べてよ!」
「ああ、そうだね」
乗り気な冒険者を連れて杏珠は屋台まで戻った。そして自慢の商品を紹介する。
「色んな味があるよ! オーソドックスなの、辛いの、カレー味とか! あとクリスマスだからケーキの味にも挑戦してみました!」
「ケーキ味?!」
「ケーキ味」
杏珠はにっこり笑っていわゆる漫画肉を冒険者へと差し出す。
彼は恐る恐るそれにかじりついた。
「……こ、これは! 肉の中に生クリームとスポンジが入ってて、絶妙に……まずい!」
「えー?! せっかくたくさん作ったのに!」
「口直しに普通のをくれ……!」
オーソドックスな肉を渡すと青い顔の冒険者は勢いよくかじりつく。
「……うまい! まずいものを食べた後だからか、余計にうまい!」
「よかった、喜んでもらえて!」
その後は焼いた肉を次々に酒場へと差し入れた杏珠。たまにテーブルに並んだ肉料理をもらって踊る人々を眺めながら味わった。
「うん、おいしい! 皆の笑顔と肉が蛇無ちゃんのパワーになるのだ!」
ちなみに彼女の骨付き肉はケーキ味以外は評判がよかったようだ。
成功
🔵🔵🔴
神崎・零央
「ここが剣と魔法の世界、アックス&ウィザーズかあ!」
自分の世界、シルバーレインを初めて飛び出したもので、
物珍しそうにキョロキョロ。
「ガウ」
「とと、わかってるよ、キングー」
嗜めるように唸る、獅子のような黄金のケルベロス『キング』。
相棒を軽くこづきながら両手で鍋を持ち直す。
和菓子職人の父ちゃん仕込みのお汁粉、喜んでもらえるかなあ?
(完売でした)
色々な料理に舌鼓。
物珍しさについつい食べ過ぎちゃったけど。
「ん、なんだよ、キング」
相棒はダンスをご所望の様。
「わかったわかった、今行くよー…ップ」
動いて消化と言わんばかりにクルクル回り、
合わせて相棒もピョンピョン跳ねる。
さあ、俺たちの異世界デビューだ!
●異世界デビュー
(「ここが剣と魔法の世界、アックス&ウィザーズかあ!」)
神崎・零央(百獣王・f35441)はシルバーレイン出身で他の世界へ来たのはこれが初めてだ。それ故に何でも物珍しく見えて瞳を輝かせて周囲を見回していた。
「ガウ」
そんな零央を見かねて獅子のような黄金の獣の幼体『キング』が声を上げた。
そのたしなめるような唸り声に我に返る。そして目の前に冒険者がいたことを思い出した。
「とと、悪い悪い。持ってきたのはこれだ」
キングに視線だけで礼をしつつ両手で持った大きな鍋を冒険者へと差し出す。
ふたを開けた冒険者は不思議そうな顔になる。
「これは……?」
「豆を甘く煮詰めた汁に餅を入れたお汁粉って料理だよ。和菓子職人の父ちゃんが仕込んだものだからうまいと思うよ」
「へえ、初めて聞く料理だ。どれどれ……」
冒険者が一口味見する。
「……うん、うまい! あったかくて冬にぴったりな料理だな!」
楽しんでと見送られて零央とキングはパーティー会場に足を踏み入れた。
まずは腹ごしらえだ。やたら肉が多い料理の数々を片っ端から食べていく。ケーキ味の骨付き肉も食べようとしたがキングに全力で止められてやめた。
そうして零央のお腹が満たされたころだ。キングが楽器の演奏に合わせて彼の周りをクルクルと回り始めた。
「ん、なんだよキング。踊りたいのか? ……わかったわかった、今行くよー……ップ」
零央もキングと共に踊る人々の輪の中へと入る。
「さあ、俺たちの異世界デビューだ!」
とは言えダンスが特別に得意という訳ではない。とりあえず曲に合わせてクルクル回って見せた。
キングもそれに合わせて零央の周りをピョンピョン飛び跳ねる。
幸い形式ばった場ではないためダンスと呼べるか微妙なそれを誰も気にしなかった。それどころか楽しそうな一人と一匹を見て大いに盛り上がったのだった。
なお食べてすぐに動いたせいで横っ腹が少しだけ痛くなったのは秘密である。
成功
🔵🔵🔴
絢潟・瑶暖
■方針
・アド/絡◎
■行動
この様な世界も有るんですの?
色々と楽しそうですの。
お料理、ということで先輩に相談したところ、学校給食で使うような大鍋一杯の『豚汁』を作って下さいましたの。
【豊饒憑霊】で[怪力]を強化すれば持ち運べますので、そのままお持ちしましたの。
会場で温め直して、お配りしますの。
折角ですし、迷惑にならない範囲で色々と頂いてみたいですの。
元々量は食べる方ですし、【豊饒憑霊】で[大食い]も強化されておりますの。
お肉類が多いみたいですが、故郷(=カクリヨ)では手に入らない種類のお肉も色々と有りそうですし、楽しみですの。
間違って寝てしまうと大変なことになりますから、そこだけは要注意、ですの。
●怪力と大食い
絢潟・瑶暖(豊饒の使徒・瑶・f36018)もアックス&ウィザーズに初めてやって来ていた。
(「この様な世界も有るんですのね? 色々と楽しそうですの」)
教会内の様子を興味津々で眺めつつ目の前の冒険者へと大鍋を差し出す。
「私はお料理の得意な先輩に豚汁を作っていただきましたの」
「どれどれ……って重っ!」
鍋を受け取った冒険者は予想外の重さに危うくそれを落としそうになった。しかしそこは腕に覚えのある冒険者。何とか踏ん張り体勢を立て直してテーブルの上へと置いた。
「君、意外と力持ちだね……!」
「ふふふ。ええ、まあ」
実は瑶暖はユーベルコード『豊乳女神の神告・豊饒憑霊』の力で怪力になっていたのだ。
冒険者が豚汁を一口飲む。
「……あー、うまい! 初めて飲んだけど、なんか懐かしい味だな!」
そんなわけで無事瑶暖もパーティーへの参加権を得た。
(「せっかくですし、迷惑にならない範囲で色々といただいてみたいですの」)
何しろ彼女は豊饒憑霊の影響で大食いにもなっていた。おかげでお腹が減って仕方がないのだ。
故郷のカクリヨファンタズムでは食べられない物を積極的に食べていった。
「あら、お汁粉。和食もあるんですのね」
洋食の中にある和食が物珍しくて思わずそちらにも手を伸ばす。
「……ああ、おいしくてホッとしますわ」
締めのデザートにバラの花の形のアップルパイをいただいて腹八分目となった。
「はあ、珍しいお肉もたくさん食べられて満足ですわ! ……ふぁあ。満足したせいで眠気が……」
瑶暖は様々な妖怪の血を引く東方妖怪だ。その中でも寝肥りの血を色濃く受け継いでいる。つまり今寝てしまえば肥え太ってしまうのである。乙女としてそれはどうにか避けなければならない。
彼女は睡魔と戦いながら皆のダンスを見守ったのだった。
成功
🔵🔵🔴
栗花落・澪
教会、か…
なら僕なりに、神聖さも生かして楽しもうか
着て来たのは純白のワンピースドレス
自分の性別と矛盾してるけど
男性衣装はあんまり似合わないのは自覚してるので
あ、移動中は流石に寒いので上にコートは着用してます
持参したのは薔薇のアップルパイ
僕の得意分野なんです
見た目でも味でも楽しんでいただければ幸い
入らせてもらったらステンドグラスを背にするように隅の方に
上着を脱いで、流れる音楽に合わせて明るく楽しく
それでいて優雅な【ダンス】と【歌唱】を
決して雰囲気を壊さないよう
神へと想いを捧げるように
クライマックスには一時的に足場に魔力の★花園を出して
背の翼と合わせた演出を
少しでもお楽しみいただけたなら幸いです
●想いを捧げる
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が最後に冒険者の酒場を訪れた猟兵だった。
(「教会、か……。なら僕なりに、神聖さも生かして楽しもうか」)
そう考えながら澪は持参した箱を冒険者へと手渡した。
「これは……おお、すごい!」
箱に入っていたのはバラの花の形のアップルパイだった。
「料理は僕の得意分野なんです。見た目でも味でも楽しんでいただければ幸いです」
澪が胸を張って言うと冒険者はアップルパイを一切れ口に放り込んだ。
「……うん、うまい! シナモンが効いてて店で食べる味だ!」
アップルパイに夢中になっている冒険者を置いて澪は教会内へと足を踏み入れた。隅の方で来ていたコートを脱ぐと純白のワンピースドレスが露わとなる。
(「自分の性別と矛盾してるけど、男性衣装はあんまり似合わないのは自覚してるからね」)
可憐なその衣装はとてもよく似合っていたが彼はれっきとした男性だ。可愛らしい容姿のせいで女性に間違われることもよくある。ちょっと複雑な気持ちになりつつもステンドグラスを背に立つ。
会場内で演奏されているのは明るいクリスマスソングだ。
澪はそれに合わせて楽しく歌いながら優雅に踊り始めた。
その歌声は明るく楽しくそれでいて優しい。空になった皿を高々と積み上げていた少女が心地よさそうにうとうとしてしまう程である。
そしてそのダンスは優雅すぎないように場の雰囲気を壊さないように配慮されていた。形式にとらわれずあえて崩したり遊びを入れたりして見る者を笑顔にした。
曲の終わりに澪が左腕をかざすとその足元に色とりどりの花が咲き乱れる。それに合わせて背中の白いオラトリオの翼を広げた。辺りに花びらと羽毛が舞う様は神秘的で美しい。
ギャラリーから一斉に拍手と歓声が上がった。
(「これで神様にも楽しんでもらえていたらいいな」)
澪はギャラリーと神様に対して一礼すると微笑んだのだった。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。クリスマスパーティーは大成功で幕を下ろした。この地にもいつか神の加護が戻り生命と愛で満たされる素晴らしい村になるだろう。そう感じさせるパーティーとなった。
大成功
🔵🔵🔵