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花は月を望み、やがて……

#ダークセイヴァー #【Q】 #月光城 #月の眼の紋章

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「あの、皆さん……空で光ってるあの、月ってありますよね?
 あれって、なんなんでしょうね?」
 グリモアベースに集まった猟兵たちへと、招集をかけた影山から投げかけられた疑問。
 ……いきなり、なんなんだ? という視線に気がつき、影山は慌てて手を振りながら言葉を続けていた。
「あ、いえ、違うんです……これからする話と関係ない事はないんですけど……。
 すみません、いきなりでしたね。
 でも……私が猟兵になって、色んな世界に行って見た月と、私の故郷のダークセイヴァーの月って、何だか違う気がしたんです。
 UDCアースとかで見る月は確か、空に浮かんだ大っきな岩みたいなもので、太陽の光で照らされてるから空で輝いて見えるんでしたよね?
 でも、ダークセイヴァーの月は何に照らされてるんでしょうか……太陽なんて、私は生まれてから、見たこともないんです。」
 そう話す影山の肌は、一度も日に当たったことが無いかのように白かった。
 吸血鬼の血が入っているとはいえ、病的なまでに。
「そんな事を考えていたら、ダークセイヴァーの地下世界に奇妙な城があるって話を聞いたんです。
 どうやら、月の満ち欠けに応じて、輝きを変えるらしいんですよね……地下にあるのに、です。
 その1つが、私の予知に引っかかりました。」
 そう言って手にしたグリモアを輝かせると、ゲートの先には影に覆われた、輝く城塞の姿。
 よく見れば、それはイバラに覆われているようで……。
「あれが、月光城と呼ばれてるうちの1つ、です。
 で、皆さんには月光城の主を倒してもらいたいんです。
 でも、主はとんでもなく強いから……まずは、中に囚われてる人たちを開放して欲しいんです。
 あの城の中は、外で絡んでる以上にイバラの蔦に覆われてるんです。
 そんな中で、囚われた人たちはトゲだらけの蔦に絡まれて、血を吸われて、動けずにいます。
 その人たちは、あの城の主の力の源になってるんです……だから、開放さえできれば、皆さんでも倒せるはずです。
 あの城に入ると、最初は配下の兵士が襲ってくると思います……彼らを倒してから、探索をお願いします。
 よろしく、お願いします。」


ヨグ
 ヨグです、月光城の物語をお届けします。
 月に照らされた花ってキレイですよね。

 ※残念ながら、12/31〜1/3の間は執筆が難しいと思われます。
 その期間に送られたプレイングについては、1/4から順次書き進めていきますので、お手数ですがプレイングの再送をよろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『リコリスの女騎士』

POW   :    神々に捧げる花
自身の【使えなくなった肉体部位】を捨て【呪いの種子】を撒き散らし、【呪怨爆植形態】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
SPD   :    神々に捧げる花
命中した【体】の【一部から対象へと寄生した植物の種子】が【肉体から養分を吸い上げながら真っ赤な花】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
WIZ   :    神々に捧げる花
【異端の神々が告げる祝福の言葉】によって【周囲一帯にあらゆる生物に寄生する赤い花】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヒース・アーベル
私もダクセ出身。月に関して不思議に思っていましたが、まさかこんな城があるとは…
城のことも気になりますが、囚われた人も心配です。
早く救助に向かいましょう。

城内も蔦だらけならば、動きやすいようにUCで鳥に変身します。小回りが利くので、攻撃を避け易くもなりますしね。
この状態でも魔術ならば使えますから、敵がいる場所の蔦は炎で焼き払いましょう。
そうした方が、他の方も動き易くなるでしょうし。勿論必要であれば、消火も致します。
敵に攻撃の隙を与えないために雷の魔術を高速詠唱して、マヒ攻撃をして動きを止めます。
あとは魔術の範囲攻撃で、まとめて処理しましょう。
「さあ、“掃除”を始めましょうか」



「確かに、私も月に関しては不思議に思っていましたが、まさかこんな城があるとは……。」
 月とは何か……ここへのゲートをつなげたグリモア猟兵と同じく、ダークセイヴァー出身のヒース・アーベル(胡散臭い掃除屋・f35538)も、同じ事を考えていたようだ。
 そんなヒースの目の前にそびえる城塞は、朧げに光を放っている……まるで、空に輝く月のように。
「城のことも気になりますが、囚われた人も心配です。早く救助に向かいましょう。」
 城門は開け放たれているが、内から伸びたイバラが壁を覆い、廊下も蔦が複雑に絡み合っている。
 であれば……とヒースは自身の姿を銀色の鳥へと変え、するりと蔦のあいだへと飛び入っていった。

 飛び込んだ先、入口のホールと思しき場所には、リコリスの花を身体のどこかに咲かせた女性と思しき騎士たちが蔦に身を預け、静かに佇んでいた。
 しかし、それもつかの間……ヒースの羽ばたく少しの風を頼りに、その身を起こして駆け出してきた。
「早速ですか……しかし、寄ってくるなら好都合。」
 鳥の姿となっても、得意の魔術を唱えるのに不自由は無い。
 高速で唱えられた雷の魔術が、掴みかかろうとする騎士たちへと襲いかかり、宙を飛ぶヒースの下に痺れた身体を横たえていった。
「動きは単調ですね。彼女らの意思は残っていないと見るべきですか。……む?」
 真っ直ぐに向かってくる騎士たちを2人、3人と倒した時……突如、ホールに人の物とは思えぬ、異質な声が響く。
 言語としては聞き取れないが、意味は頭に浮かんできた。
「“目覚めよ”、と。」
 途端に、周囲の蔦や騎士の体から赤い花が咲き乱れ、騎士たちはその身を起こしていった。
 そして……鳥と化したヒースの翼にも、何かが根付いていく違和感。
「騎士たちは囮、こちらが本命と言うところでしょうが、」
 翼を広げ、高らかに唱えた言葉は炎の嵐と化し、周囲を呑み込んでいく。
「さあ、“掃除”を始めましょうか。」
 自身の翼から燃えて塵となって舞う赤い花を視界に収めつつ、壁へと絡む蔦ごと騎士たちを焼き払っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力を高め
『海神の戯れ』で直径118mの渦潮を起こすわ。
リコリス(彼岸花)は海水に強い植物だったと思うけど
私の狙いは彼女達の金属装備を錆びさせて
【怪力・早業】を乗せた【功夫】で兜や鎧を砕く事

生きた人間には憎悪しか湧かないのに……
物言わぬ人形となった貴女達の事は愛おしく思えてしまう……
最も醜い『心』が無いから……?

彼女達の冷たい体を抱きしめ【捕縛】
光を失った瞳を見つめながら
濃厚なキスと共に胸を擦り合わせ
お尻、太もも、花弁を愛撫していく

種子を植え付けられても
種子・本体ともに【生命力吸収】で逆に養分にするわ。
一人一人、花を手折るように【慰め・大食い】よ



 ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は、一人で城の中を歩いていた。
 イバラの蔦が絡み合う廊下を進んでいくと、周囲の蔦の影からリコリスの花を咲かせた女騎士たちが起き上がってくる。
「……貴女たちには恨みは無いけれど、」
 ゆっくりとドゥルールが手を上げると、手の上に水の球が浮かび上がる。
 潮の香りのする海水の球は徐々に大きくなり、一気に決壊するように大波となり渦潮となって、周囲を呑み込んでいった。
「私はまだ、殺される気は無いの。」
 剣を振り上げていた女騎士たちの付けている金属製の鎧や剣が、渦潮に呑まれた途端に錆びて動きが鈍っていく。
 そのうちの一人へとドゥルールが踏み込み、その胸へと掌底を叩き込む……イバラの蔦の壁へと勢いよく吹き飛ばされ、叩きつけられた女騎士の錆びて脆くなった鎧が弾け飛んでいった。
 鎧の下から現れた青白い肢体に、真っ赤なリコリスが生き生きと咲く様に、ドゥルールの口元に嗜虐的な笑みが浮かぶ。
「それにしても……生きた人間には憎悪しか湧かないのに、物言わぬ人形となった貴女たちの事は愛おしく思えてしまう……。」
 ゆっくりと近づき、その肢体へと手を伸ばし……残った服を引き裂きながら抱え上げる。
 見つめるドゥルールを見返すのは、もう動かない女騎士の光を失った瞳だった。
「最も醜い『心』が無いから……?」
 そのまま抱きしめて口を付け、潮に濡れた身体へと手を這い進めた時……ドゥルールは手に違和感を覚えた。
「ふふ……これが、貴女たちを動かしていたのね。」
 寄生した生き物のエネルギーを吸い取り、真っ赤な花を咲かせる種子が、ドゥルールの手の中で芽吹いている。
 しかし、その目から伸びた蕾が開くことはなく、そのまま萎れて枯れていき……同時に、抱えていた女騎士の体も土塊のように変わり、崩れていった。
「エナジーを吸い取るのは私の十八番よ、貴女たちでは勝てないわ。さぁ……まだいるでしょう?」
 ドゥルールは物言わぬ騎士たちを一人一人丁寧に抱え上げ、その身を味わうように撫で上げて、全てを吸い尽くしていく。
 その様はまるで、丁寧に育てられた花を一本一本手折るかのように……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紬雁・紅葉(サポート)
『業邪…御鎮めします』
基本戦闘場面に参加

破魔、属性攻撃、衝撃波、薙ぎ払い等とUCを適宜組み合わせて攻撃

見切り、残像、オーラ防御、武器受け等とUCで防御や回避

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃

範囲攻撃と2回攻撃での雑魚払いが得意だが
ボスとの戦闘も遜色なく行えるし行う


羅刹紋を顕わに戦笑み
傷負っても笑みを崩さず
何処までも羅刹の血と"剣神"の導きに従い
災魔業邪を打ち倒す

敵の最期に
去り罷りませい!
の言葉を

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「ここは、月の瞬きとともに輝きを放つ城と。」
 廊下を進む紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)の前に立ち塞がるのは、リコリスの花を咲かせた女騎士たち。
 光の宿らぬその瞳を見つめつつ、腰の刀を一振り抜き放てば、それは黒曜石のような古風な拵えのもの。
「しかしここは、業邪に包まれし城と……なればこそ、」
 言葉とともに戦笑み、露わになった肩に羅刹紋が浮かび上がり……雷の瞬きを残して女騎士たちへと駆け、
「我が刀にて御鎮めします。」
 立ち塞がる女騎士たちを纏めて斬り捨てた。
 一言も声を発すること無く胴を薙がれた女騎士たちだったが、その切断面からは胞子がまき散らされている。
「……この程度ではあるまい?」
 その様を見下ろす紬雁が気配に跳び退ると、女騎士の下半身が途端に弾け飛び、内から伸び出す蔦の群れが周囲を薙ぎ払う。
 荒れ狂う蔦の群れを前に一つ微笑み、
「それが本質か。人の様はあくまで擬態と。」
 心を乱されること無くゆるりと近づく紬雁へと、蔦を振り下ろそうと動いた時……紬雁は一気に駆け寄った。
「去り罷りませい!」
 気合い一閃。
 霜を残しつつ振り抜かれた刃に切断され、その蔦が凍りついて砕けていく。
「ひとまずは……これで。」
 見渡せば、周囲に動くモノはない。
 しかし、暗く蔦に囲まれた廊下はまだ先へと続いている。
「……まだ先は長いのね。」

成功 🔵​🔵​🔴​

御園・桜花(サポート)
不得手なものはたくさんあります
直接的な攻撃も
火も
言葉と想いを交わせぬことも

そこに在る以上
望みを持つのはそこに在るものの権利で義務
それが互いに反する願いであるならば
戦って互いの妥協点を見い出すのもまた当然

同じく界を渡る者と言うのなら
私達とオブリビオンに何の違いがありましょう
私達の違いは
骸の海の意思に沿うか
今在る世界の意思に沿うか
それだけだと思うのです

滅びをそのまま受け入れられる者は多くなく
転生が叶う世界も限られる
それなのに貴方の転生を願いそれを囁く私は卑怯者なのでしょう

それでもいつか貴方の望みと私達の望みが寄り添えるよう
貴方の転生を望みます
そのために
誠心誠意今の私の全力を尽くさせていただきます



「静かなところですね。」
 歩みを進める御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)の足音だけが、暗い廊下に響き渡る。
 蔦に覆われた壁以外、あるのはその壁にもたれる女性と見られる鎧の騎士たちだけ……御園の足音に呼応するように、鎧の内から伸びたリコリスの蕾が開き、鎧は身を起こした。
「あなた方は、ここを守ろうとしているのでしょうか?」
 問いに対して言葉はなく、その拳を握って御園へと向き直る女騎士たち。
「死体となってでも……それとも、」
 女騎士たちが駆け出すより早く、御園の横に現われた精霊が不可視の風の刃を周囲に解き放つ。
 ゴトリ……あっさりと切り離された頭が床に転がった。
「ここに、囚われているのですか?」
 相変わらず、答えはないが……死骸からはさらに蔦が生え、伸び、絡み、その身を増やしていく。
 女騎士の肉体はただの養分だ、とでも言いたげに。
「……あなた方と言葉を交わせればいいのですけどね。」
 見る間にリコリスの花が咲き乱れ、その実が種子をまき散らすのを視界に収めて、御園は精霊に微笑みかける。
「森の妖精、風の精霊であるシルフィードよ、私の願いを叶えておくれ。代わりに1つ、お前の気ままに付き合おう。」
 精霊の同意は不可視の風の刃となり、周囲に吹き荒れる。
 御園へと襲い来る種子を吹き飛ばし、蔦は切り刻まれていき……やがて、その身はただの塵となって崩れていった。
「死ぬことを許されず、転生も出来ずに囚われ続ける姿は、とても悲しいものです。」
 風に飛ばされ、足元でもう動かないリコリスの花を拾い上げ、
「いつか、貴方の転生が叶いますように。」
 崩れた塵に供え、御園は静かになった廊下を歩んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

東天・三千六(サポート)
僕は瑞獣×悪霊×寵姫の男子です
いつも笑顔で人懐っこく友好的です
他者を呪いたいって衝動が抑えきれません
祝いが呪いに変わるかもしれないので「おめでとう」等祝う言葉は言いません
とはいえ他の猟兵の迷惑になるのは嫌です
多少の怪我は厭わず行動して事態の解決に尽力しますね
容姿や立ち位置を生かしての弱者演技や泣き真似など躊躇しませんよ

UCは状況に適した物をどれでも使用します
武器は霊剣と縄
呪いの縄で縛る、誘惑で怯ませるなど
敵にデバフ与えるのだーいすきなので積極的に行動の邪魔しにいきます
電撃や呪殺での遠距離攻撃を好んでいます

公序良俗に反する行動はしませんっ
連携歓迎です
よろしくお願いします



「この扉の先が、僕らの目指す所ですかね?」
 蔦に覆われた廊下を進み、現われた大きな扉を見上げて呟く、東天・三千六(霹靂霊・f33681)。
 蔦の内から穏やかに輝く様は、まるで雲間から差す月明かりのようで。
「月の秘密が分かるとか……でもその前に、」
 その光に呼応するかのように、扉の前に転がっていた女騎士たちの骸が起き上がる。
 ゆらりと立つ鎧の隙間からリコリスの花が咲くのを見つつ、東天は楽しげに笑みを浮かべていた。
「門番を倒さないとね、御主人様。」
 途端に東天が輝く雲に包まれ……その内から飛び出すのは、龍に騎乗した屈強な武人の霊。
 龍となった東天の口から吐き出される雷撃に貫かれ、痺れたその体は武人の持つ青龍偃月刀に叩き切られていった。
「あはは。思ったより大したことなかったね、御主じ」
 手応えのなさに武人の霊へと笑いかけた時、その手綱を引かれて東天は一気に距離を取る。
 途端に響いたのは、人間のものとは思えぬ声で……呼応するように、女騎士たちの身体に赤い花が咲き乱れる。
「……なるほどね。この門番たちはもう、呪いを受けてるんだ。でも、」
 一気に駆け出してくる女騎士たちへとその口を開き、雷撃を解き放つ。
 異端の神々の祝福を受けた女騎士たちだが、その身を貫く雷撃に足が縺れて転がっていた。
「僕と御主人様には敵わないよ。」
 楽しげな声とともに、東天は女騎士たちの間を駆け抜ける。
 同時に振るわれた青龍偃月刀に、女騎士たちはあっさりとその身を断たれ、その身は塵となって消えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『その花を手折るもの』

POW   :    地を掘り返し、埋まった何かを探し出す

SPD   :    あたりに散らばった足跡や血痕を辿る

WIZ   :    誰かが遺した痕跡を読み解く

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちがその大きな扉を開くと、そこは城の中庭だった。
 地面は見えない程に広がるイバラの蔦を、城壁の柔らかな光が照らし出していた。
「……ぅ、あ……。」
 微かに聞こえた呻き声に目を向けると、イバラの間に人影が見える。
 よく見れば、そこかしこにイバラの蔦に絡まれた人々の姿があった。
「うぅ……。」
 その身に絡まる蔦がより強く締め付け、イバラの棘が肉に食い込み……滲み出る血が滴り落ちる。
 その血がイバラを濡らすと、歓喜に震えるように蠢いていた。
 この城の主は、この人々の血によって力を得ているという。
 今は囚われの人々以外に動くものは見当たらない……人々をイバラから解放するチャンスだ。
子犬丸・陽菜(サポート)
 ダンピールの咎人殺し×聖者、15歳の女です。
「いっしょに苦しんであげるよ」
「臓物がはみ出したくらいで動けなくなると思った?」
「はらわたを搔き回される苦しみはどう?」

 宝珠による臓物を掻き回しを多用し、知られざる枷を使います。怪我は厭わず積極的に行動、臓器の負傷でユーベルコードの威力が上がるので負傷は状況によりわざと受けたりもします。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
 潜在的なマゾヒストなのでユーベルコードの苦痛になにか感じる場面もあるかも?
 負傷重症描写歓迎むしろ希望、内臓が出るくらいやっていただいて全く構いません!
よろしくおねがいします!



 人を絡め取るイバラの蔦には、鋭い棘が生えている。
「つっ……んぅ。」
 しかしそれを全く気にせず、子犬丸・陽菜(倒錯の聖女・f24580)は蔦を素手のまま掴み、その絡まれている人から取り外していく。
 引っ張るごとに蔦から血が流れ、足元の蔦へと伝い……血を吸う蔦がわさわさと蠢いていた。
「お、おい、嬢ちゃん……。」
 イバラの蔦に囚われていた男も、陽菜の痛ましい姿に思わず声を掛けていた。
「もう少し、だから。気に、しないで……う、んぅ!」
「あ、あぁ……。」
 明らかに痛みを感じ、息が荒くなっている陽菜の様子は、到底大丈夫とは思えない。
 しかし、囚われた男にはその手を止めさせる事は出来なかった。
「後は、これで……!」
 蔦の根元をかき分け、男を絡め取る蔦の中心を引きずり出す。
 それを陽菜が斬りつけると、途端に男を絡める蔦が萎み、拘束を解いていった。
「大丈夫?」
「あぁ、すま……ひっ!?」
 陽菜が手にした黒い刀身を目にした途端、男が息を呑む。
 あまりにも禍々しい、漆黒の刃……陽菜の痛みや苦しみを刃とする、歪んだ拷問剣。
「すまねぇ……そんなモノまで、使わせて。」
「気にしないで。あたしは、これくらい平気、だから。」
 男に背を向け、次の人影へと向かう陽菜の口元が歪む。
 しかしそれは苦痛によるものではなく……痛みを喜ぶ、歓喜の歪みだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロビン・バイゼ
「大…丈夫…?」
捕らわれた人々にすかさず駆け寄って
「今…助ける、から」
ためらわず、茨の中に飛び込んでペインティングナイフで茨を【切断】して助ける
ペインティングナイフで切れないなら素手でちぎる
(僕、も…ヴァンパイアに、ずっと…閉じ込められてた……から……)
過去と重ねて胸が痛むし、絶対に…助けたいんだ。
助けられたら、癒しの羽根で怪我…治す、よ。自分の怪我は、後回し。

…本当に、捕らわれた人以外はここにいない、の、かな。
もしかしたら、見張り…とか、いるかもしれないし…一応、消える塗料で【迷彩】施して、【目立たない】ようにして救出にあたるよ

※連携、アドリブ可
※無表情属性。基本何があっても表情変わりません


ヒース・アーベル
血の匂いが…それに、随分と趣味の悪い展示ですね。
全て燃やしてしまいたいところですが、人命救助が先ですね。

パッと見て、血痕が多いところから先に解放しましょう。
発見次第、捕われた人の回復を兼ねてUCを展開します。いつ敵が来るか分かりませんし。
あとは地道にダガーで切っていきましょう。怪我を負うでしょうが、UCで治りますから問題ありません。
私個人に襲い掛かるのであれば、捕らえられている人達を巻き込まないように魔術で凍らせます。
凍らせるのは動きを止めるのが目的ですから、捕らえられた人達を助けた後で燃やして灰にしてしまいましょう。



「血の匂いが……それに、随分と趣味の悪い展示ですね。」
「……う、ん。」
 瑞々しい植物特有の芳香に混ざる血臭を感じ取り、眉を顰めて呟くヒース。
 その横で頷いたロビン・バイゼ(芸術と鮮血・f35123)はそのまま、人々を絡めるイバラへと分け入っていた。
「大……丈夫……?」
「おっと、あまりのんびりとはしていられませんか。」
 躊躇なく棘だらけの蔦を掴み、表情も変えずに取り出したペインティングナイフで切りつけるロビン。
 その手から血が滲むのを見たヒースが指を鳴らすと、2人とその周囲が霧に包まれ……ロビンの指から流れる血が止まり、痛みが消えていった。
「ん……あり、がと。」
「どういたしまして。さて、いつ敵が来るか分かりません、手早く済ませましょうか。」
「うん……。」
 霧の持つ癒やし後からに人々の苦鳴も静かになる中、ヒースもダガーを片手にイバラの蔦を切り払っていった。

「……それにしても、」
 蔦を掴み、ダガーの刃を突き立てて切り払うまでの間、蠢いている蔦の動きがヒースの手に伝わってくる。
 しかしそれも、切り離してしまえばその動きを止めていた。
「私たちにも絡み付いてくるかと思いましたが、それはないようですね。」
「……そう、だね。」
 ロビンもブチブチと蔓を引き千切り、囚われていた男を抱えて引きずり出す。
「すまない……助かった。」
「待って、て……。」
 力なく地面に横たわった男の上に純白の羽根が1枚舞い落ちる。
 途端に流れていた血が止まり、刺傷が塞がっていった。
「これで、どう?」
「……あぁ、だいぶ楽になった。ありがとう。」
「うん……。」
 そのまま表情も変えず、ロビンは次の囚われている人へと歩いて行く。
 しかし、その足は少しふらついていた。
「あの治療は、少し負担が大きそうですね。」
「大……丈夫……。」
 その様子が気になったヒースの視線も気にせず、蔦を掴み上げてペイントナイフで切りつけていた。
 それでも表情は変わらないが、ロビンの口からぽつりと言葉が漏れてくる。
「僕、も……ヴァンパイアに、ずっと……閉じ込められてた……から……。」
「……そうですか。」
 それ以上は何も言わず、ヒースは改めて周囲の癒やしの霧の濃度を上げていく。
 小さな体の負担を、少しでも軽くするために。

 視界を覆う霧のおかげか救出を邪魔する者もなく、作業は順調に進んでいた。
 そうしている内にも、中庭にある蔦に絡まれた人影も最後の1人……だが、
「……この方は手遅れ、ですね。」
「う、ん……。」
 その身体は既に朽ち果て、骨となった胸には大ぶりのナイフが突き刺さっていた。
 よく見れば骨にも蔦が絡み付いた、誰の目にも明らかな屍……しかし、その屍を覆う蔦は瑞々しく蠢めいている。
 明らかに異質なそれへと改めて視線を向けた、その時……項垂れていた頭が突然上がり、猟兵たちを見渡していた。
 瞳のあるべき場所にある、『月の眼の紋章』で。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『共棲者』

POW   :    Embraced by wild roses
【勢い良く生え茂る茨】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    One is nine
自身の【左胸の短剣】が輝く間、【茨】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    Would you like to
【絡繰る踊り】を披露した指定の全対象に【共に踊りたいと思わせる】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はメルヒェン・クンストです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 城に張り巡らされたイバラの蔦は人々を捕らえ、事切れた屍で新たな犠牲者を捕らえていた。
 中庭で伸びるイバラの蔦は血を求め、まだ生きている囚われた人々の血を吸い上げていた。

 そのイバラの蔦は、ただ一つの屍から伸びていた。
 月の明かりと同様に輝く城壁に包まれ、柔らかな光の中にその身を晒して。
 ……その時は続くと思っていた。
 猟兵たちが来るまでは。

 囚われていた人々が解放された今、屍に宿る『月の眼の紋章』は力の大半を失っている。
 しかし、自身から伸びるイバラの蔦を引き千切り、身を起こした屍は……その目のあるべき場所に輝く『月の眼の紋章』から伸ばしたイバラの蔦を、鞭のように打ち鳴らしながら猟兵たちを見渡していた。
火土金水・明
「他の猟兵の方に負けないように、私も頑張りましょう。」「残念ですが戦闘中に踊る気は一切ありません。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【ホーリーランス】で、『共棲者』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避できたら)残念、それは残像です。」「私の役目は少しでもダメージを与えて次の方に繋げる事です。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


ロビン・バイゼ
「あれ……ヴァンパイアじゃ、ない……?」
屍、なら…アイアン・メイデンは使わない(絵筆握りしめ

勢い良く生え茂る茨や、月の眼の紋章から伸びるイバラの蔦は巨大絵筆で【なぎ払い】、【武器受け】や【オーラ防御】で防御しつつ、他の人への攻撃は【かばう】
可能ならペインティングナイフで【切断】も
【瞬間思考力】で隙を見て近づいてUC
地形ごと破壊して足場を崩し、さらに巨大絵筆で【足払い】
うまく体勢を崩せたら…月の眼の紋章をペインティングナイフで【串刺し】、【部位破壊】を狙って、みようかな
無理そう、なら…無理にはやらないでおく、けど。

※連携、アドリブ可
※無表情属性。基本何があっても表情変わりません



「あれ……ヴァンパイアじゃ、ない……?」
「そのようです。姿からして、屍……と言ったところですか。」
 相変わらず表情を変えないロビンの呟きに、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は見た通りに答えていた。
 その目のあるべき場所に浮かぶ、満月を眼球のように模した『月の眼の紋章』を見遣り、
「ですが、第五の貴族と同様に紋章を持つ者のようです。油断は出来ませんね。」
「そう、だね……。」
 そんな2人の会話に目を向けたと思えば、屍は優雅に一礼していた。
 淀みなく、なめらかに……まるで踊りの相手を見つけたかのように手を伸ばす。
 イバラに操られた屍とは思えないほど生き生きと。
「残念ですが、戦闘中に踊る気は一切ありません。」
 身構え、魔力で生み出した聖なる槍を周囲に浮かべた明の声に、屍は残念そうに一歩引いていく。
 そのまま踊るようにくるりと回れば、その身に宿したイバラが周囲に伸び出してきた。
「屍、なら……。」
 屍を追いかけるように駆け出したロビンへとイバラが襲い来るが、懐から取り出した巨大な絵筆で薙ぎ払い、その下を駆け抜ける。
 一気に近づいてきたロビンへと、屍はその手を取るかのように手を伸ばすが、
「……アイアン・メイデンは、使わない。」
 マイペースに呟きながら、ロビンは巨大な絵筆でその手を振り払う。
 なおも表情を変えずに絵筆を振り上げたロビンへと、屍の胴からイバラが吹き出るように伸び出した。
「やらせませんよ、」
 明の指の動きに合わせて複雑に飛び回る複数の聖なる槍が、ロビンへと襲いかかるイバラを切り払う。
 それと同時に、後ろに下がろうとする屍の足を槍が貫いていた。
「そのやり方は先ほども見ましたから。」
「せー、の……!」
 全力で振り下ろされたロビンの絵筆に、為す術なく叩き潰される屍。
 床にひびが入り、さらに破片となって崩れていく……そんな中、屍は自身の胴から伸ばしたイバラで身を起こそうとするが、
「逃がさない、よ。」
 そのイバラを絵筆で薙ぎ払い、瓦礫の上に屍が転がっていく。
 さらに追いかけ、馬乗りになったロビンの手に握られているのはペインティングナイフ。
「……芸術は……剣より……強い。」
 息も上がらず、表情も変えずに振り下ろされたナイフが、『月の眼の紋章』へと突き立った。
 ピシリと紋章にひびが入った瞬間、屍から叫びのような地鳴りが響き……その体から全方位へと鋭いイバラが伸び出し、ロビンの身体を貫き、呑み込まれ、
「……残念、それは残像です。」
 いつの間にか近づいていた明に抱えられ、離れた場所に降り立つロビン。
「あり、がとう……。」
「どういたしまして。」
 相手を貫いていないと理解したか、伸び出したイバラがすぐに萎れ……その内から屍がふらりと起き上がる。
 柔らかな月の明かりに照らされる中、最初と変わらぬ足取りで歩み出すが……瞳のような『月の眼の紋章』に走るひびからは、血のような液体が流れ落ちていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御形・菘
はっはっは、なかなかにエモいビジュアルではないか
とはいえ草花を武器とするセンスは素敵だが、妾的にはもう少し捻りが欲しいのう?

ダンスのお誘いには、もちろん乗るのが妾の信条よ
そして妾からも花の返礼をするとしようか!

右手を上げ、指を鳴らし、さあ降り注げ花々よ!
はーっはっはっは! 嗚呼なんとエモいことか!
月の光が照らす中、仲良く踊り倒そうではないか!

さてお主は美しく踊りながらもバトることはできるかのう? 妾は問題なくイケるぞ?
リズムに乗せた動きの、妾の攻撃ラッシュにブッ飛ばされるもよし、花に埋もれ果てるもよし、
お主に敬意を払って選ばせてやろう!



「はっはっは! 月明かりの下、蔦に覆われた城でのダンスとはなかなかにエモいビジュアルではないか!」
 ゆらりと立つ屍へと言い放つ、御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)の声が中庭へと響き渡る。
「とはいえ……草花を武器とするセンスは素敵だが、妾的にはもう少し捻りが欲しいのう?」
 言葉自体は聞こえているのか……スカートをつまんで一礼すると、屍の足元から床へとイバラが這い進み、その周囲を覆う蔦からは赤い薔薇が咲いてゆく。
 ダンスの相手を求めるかのように手を伸ばす屍に対し、御形は不敵な笑みを浮かべ、
「そのお誘いには、もちろん乗るのが妾の信条よ。そして妾からも花の返礼をするとしようか!」
 バッと右手を挙げて指を鳴らすと、夜空に眩く輝くホログラムの魔方陣が浮かび、青や黄の花が降り注ぐ。
 見上げるように顔を上げた屍の『月の眼の紋章』に一つ花が乗り、それを優雅に手に取っていた。
「はーっはっはっは! 嗚呼なんとエモいことか! 月の光が照らす中、仲良く踊り倒そうではないか!」
 高笑いと共に御形は蛇の下半身で力強く這い進み、広がるイバラを踏みつけて距離を詰める。
 棘など気にせず、間合いに入った御形の拳が屍を捉え……るかと思えば、屍は身軽なステップで拳を躱し、その骨と化した手にイバラが纏わり付いていく。
「はーっはっはっは! 良いぞ、お主もやる気だな!」
 そのイバラの拳で殴り付けてくるのに合わせ、同時に御形も渾身の拳を叩き込む。
 どちらも同じように拳は相手の頬を捉え……軽い屍の方が吹き飛んでいた。
「妾に合わせて拳を握ったのだろう? さぁ、まだまだ行くぞ!」
 言葉の間に立ちあがる屍も、舞うようなステップで距離を詰めて拳を振るう。
 対する御形の、防御を捨てて全力で殴り付ける動きを理解したか……軽い足取りで躱しながら間合いを詰め、イバラの拳を叩き込むが、
「……良いぞ、それでこそ妾の敵よ!」
 ニヤリと不敵に笑った御形の拳に吹き飛ばされる。
 ……しばらくの間、御形の高笑いとともに2人の拳の打ち合う音が、城の中庭に響き渡っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヒース・アーベル
成程、茨の大元は貴方でしたか。よく燃えそうな見た目をしていらっしゃる。
吸血衝動は仕方がないとはいえ、随分と趣味が悪い。そんな屍は、さっさと“掃除”してしまいましょう。

ここは手数で攻めましょう。特にあの茨の蔦、邪魔ですね。
炎を纏う投擲用ダガーをUCで多めに複製します。
狙うのはあの蔦です。必ずしも当たるとは限らないでしょうが、問題ありません。
命中したならばダガーごと発火するように、外したならばダガーから火の弾を放つように、ダガーに刻まれた呪文を発動させます。
茨の攻撃は手元の杖で薙ぎ払って攻撃を受け流します。
隙を突いて月の眼の紋章をダガーの投擲で狙いたいところですが…その余裕があれば試してみますか。



「成程、イバラの大元は貴方でしたか。よく燃えそうな見た目をしていらっしゃる。」
 ヒースの言葉に応えるように、挨拶するかのようにスカートをつまんで一礼する屍。
 それにはヒースも片手を胸に当てて礼を返し、
「ご丁寧にどうも。しかし……貴方の吸血衝動は仕方がないとはいえ、随分と趣味が悪い。そんな屍は、さっさと“掃除”してしまいましょう。」
 そう言い放った瞬間、屍の左胸に突き立った短剣が輝きを放つ。
 嫌な予感に跳び退ったヒースの立っていた場所を、イバラの蔦が一気に貫いていた。
「中々、容赦がありませんね。」
 跳び退りながらダガーを取り出したヒースを追いかけるように、屍を中心にイバラの蔦が伸び出してくる。
「では、ここは手数で攻めましょう。特にあのイバラの蔦、邪魔ですね。」
 手にしたダガーを手の中でトランプを広げるように増やすと、ダガーが炎を纏っていく。
 そのままヒースへと伸びてくるイバラの蔦へと投げつけ、指で印を結びながら次のダガーを手の中に生み出した。
「燃えなさい、灰燼となれ。」
 イバラや床に突き立つダガーに刻まれた呪文が光を放つ。
 灼熱化したダガー自身が燃え上がり、炎を噴き出し、周囲のイバラの蔦を焼き払っていく……そして、灰と化したイバラの中へと駆けていく。
 その先には、まるで踊りの相手を待つかのように手を伸ばす屍の姿。
「この場でなければ、その手を取るのはやぶさかではありませんが、」
 屍の袖から伸び出す蔦を手にした杖で薙ぎ払って逸らし、こちらを見つめる『月の眼の紋章』へとダガーを投げつける。
 刹那の隙に差し込まれたダガーは、紋章に走るヒビへと突き立った。
「ダンスはまた次の機会に。今日は“掃除”を終わらせなくてはなりません。」
 顔を覆うように、紋章を守るように手を当てた屍の身体が内から燃え上がる。
 その手が力なく垂れ下がり、そのまま屍は前に倒れ……すぐに燃え尽き、白い灰だけがその場に残っていた。
「これで終わりですか。……しかし、」
 炎の消えたダガーを拾い上げたヒースが周囲を見渡すと、周囲の壁の輝きは変わらず残っている。
 月のように淡い輝きが。
「この城は、何のためにあるのでしょうね。」
 ……その問いに答える者は、誰も居なかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年04月18日


挿絵イラスト