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焼肉!が!食べたーい!

#UDCアース

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#UDCアース


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●儀式準備……?
 肉の焼ける音、香りに満足げに女は笑む。
 ……嗚呼、この時をどれ程、待っていた事だろうか。
 周囲の男性達は皆、うずうずとしている。早く、早くと気持ちだけではなく、身体まで前のめりになっていた。まあ、無理もないと女は笑みを益々深くして。
 ふと、視線を右から左へ……不意にガタッ!と音が聞こえる。並んでいる男の一人が右手に何かを持ち、突き刺すような勢いで其処に振り下ろした。しかし……。
「待ちな!」
 即座に一喝。反応して、ピタリと止まる身体。
 やはり、この方には逆らえないと本能が訴えるのだ。
「まだ生焼けじゃないの!あと少しも待てないのかい、堪え性の無い男だね!そんなんでアタシの部下が務まると思うんじゃないよ!」
 この方……己の上司にして、焼肉奉行の前では……!
 廃墟の裏庭でじゅー、じゅーと良い音がする。現在、悪の組織内部でバーベキューが開催されていた。理由は単純、空腹には耐えられないよね……!

●シリアス?さくっとブッ飛ばして、肉食べようぜ!
「神様は素敵だけれど、悪い神様はこう……ドーンッ!ってしちゃいましょう!」
 いきなり物理的手段に訴える方向性で来たよ、この聖女。
 一部の猟兵を驚かせながら、アメトリンの様に輝く髪の持ち主――ミラ・パーチェ(夢追い人・f09057)は告げる。渾身のガッツポーズ込みで。
「あ、説明が足りなくてごめんなさい!えっとね……なんと!邪神教団の拠点を発見したの!」
 何故か、場所はUDCアースの某所、街から然程離れていない場所となる。
 一般人が寄り付く事は滅多にない廃墟の館。其処で邪神復活の儀式を行う為、準備をしているらしい。
「此処を統括しているオブリビオン……女王様みたいな人なのだけれど。皆が行く頃には何人かの歩兵達と裏庭でバーベキュー真っ最中らしいわ。その隙を奇襲しましょう!」
 猟兵達は耳を疑った、或いは一部が真顔になった事だろう。
 なんだよ、バーベキューって。それでいいのか、邪神教団。
 ……そんな猟兵達の心情はスルーして、続けて作戦の詳細を説明しようと。
「まずは拠点防衛に残っている歩兵達を全員、倒してほしいの。出来るだけ、裏庭に向かわせないのが望ましいわ。奇襲を知らされたら困るしね。その後は裏庭に向かって、女幹部をボッコボコにして。もう、ボッコボコに」
 ミラの表情は真剣だった。説明をしていたら空腹になってきたのか、若干バーベキューを満喫している敵への八つ当たりが混ざっている様な気がしないでもない。
「敵を倒したら、帰りに焼肉食べるのも良いと思うの。運動したらお腹が空くしね!」
 何処から取り出したのか、一枚のチラシを手にしながらミラは微笑む。
 UDCアースで有名な焼肉チェーン店らしく、リーズナブルな価格で焼肉食べ放題!
 ソフトドリンクも飲み放題。未成年は厳禁だが、追加料金でお酒も飲み放題になるそうだ。勿論、ファミリー層向けにプチスイーツ、ソフトクリームも食べ放題。
「……準備はいいかしら?それじゃあ、皆で焼肉へしゅっぱーつ!」
 だから、悪の組織を倒してからじゃないのか!?帰りの焼肉メインじゃないよね!?
 そんな風に内心、ツッコミを入れた猟兵もいたりいなかったり。


ろここ。
●御挨拶
 皆様、お世話になっております。
 もしくは初めまして、新人マスターの『ろここ。』です。
 タン塩美味しいですよね、個人的には大好きだったり。

 三本目のシナリオは前作に引き続き、戦闘シナリオとなります。
 悪の組織を壊滅させたら、帰りに焼肉食べ放題なんて如何でしょうか。
 OPにも記載しておりますが未成年の飲酒はダメ、絶対。

 尚、第三章(日常パート)のみ、お呼びがあればミラ・パーチェも同行が可能です。
 同行を希望する際はお手数をお掛けしますが、プレイングの先頭に【同行希望】と記載をお願い出来ればと思います。
 また、グループでの参加の際はグループ名を、お相手がいる際にはお名前とIDを先頭に記載をお願い致します。

 それでは、皆様の素敵なプレイングをミラと共にお待ちしております。
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第1章 集団戦 『歩兵』

POW   :    武器使用
【装備している武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    制圧射撃
【合図をして】から【機関銃による連続射撃】を放ち、【弾幕】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    援軍要請
自身が戦闘で瀕死になると【追加の兵士】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

十六夜・月
肉だ、圧倒的な肉不足だ。私に悪魔的焼き肉を食べさせるのだ!そこをどけぇ!
初撃は[早業]で[範囲攻撃]で数を減らすのが最重要だ気づくまえにできれば[先制攻撃]も可能だろう。

相手は基本射撃などがメインなはずだ。当たれば結構なダメージになるはず、[第六感][見切り][野生の勘]を駆使しできる限り回避、[武器受け]での防御を徹底することもちゃんと考えなければならない。
その際、隙を見せたのなら[カウンター]で反撃も狙えるだろう

肉を食べるためだ・・・私は修羅にもなろう(


フィーア・ストリッツ
フィーアです
仕留めた敵で焼き肉パーティーをする猟奇的な催しがあると聞いて興味本位で参上しました
――違う?それではカニバ祭りで食われる哀れな敵は居ないのですね?
今週一番のグッドニュースです

「それはそれとして邪神教団は撃滅します。はじめまして。ではさようならです」
【クイックドロウ】で敵兵を出会う端から撃ち抜いていきます
武装は凍結光線銃ですね
地味ですが今回は奇襲作戦なので、速度と静音性を考えるとこれしか無いでしょう
「敵と遭遇してから悠長に合図ですか。遅いです」
敵が連携するなら速度に任せた強襲でかき乱しましょう

【アドリブ絡み歓迎】


グレース・マクローリン
邪神を信奉している以上にアタシにとって許せないのは、自らの規範(やきかげん)を周囲へと課す悪辣で残虐な独裁者の如き所業に手を染めたこと。
焼肉奉行の女とそれに追従する独裁者の尖兵共はいずれはこのまま放っておけばますますその権勢を増すに違いない。

焼肉は好きなタイミングでタイミングで食べたい。仮にアタシと信条を同じくする兵隊がいたとしても、焼肉奉行(どくさいしゃ)を首領として推戴する以上、アタシは絶対に討たなきゃいけない。 好きなタイミングで焼肉を食べるために。

…ってことでアタシは【残像】で小銃の射線や兵士の注意を逸らして攪乱しつつ、隙を見て容赦なく【属性攻撃】を叩き込むよ!



●諸君、我らは肉に飢えている
「はじめまして、ではさようならです」
 正門から侵入、廃墟の入口から直ぐの大広間に居た歩兵達の内の一人を凍結光線銃で即座に撃ち抜く。
 情け容赦無いクイックドロウの一撃は、フィーア・ストリッツ(サキエルの眼差し・f05578)のものだった。正確な一撃は標的の胸部に命中、凍らせて戦闘不能にする。
「仕留めた敵で焼肉パーティーをする猟奇的な催しがあると聞いて興味本位で参上しましたが……冷凍保存すれば鮮度は問題ないでしょう」
「いやいや、違うからね!そんなカニバなお祭りはしないよ!?」
「違う?それではカニバ祭りで食われる哀れな敵は居ないのですね?」
 今週一番のグッドニュースだと告げながら、フィーアは次の標的を撃ち抜いていく。
 何がどうしてそうなったんだろう、とグレース・マクローリン(現代湖賊・f12443)は疑問に思いつつ……フィーアとは違う敵に対して、海賊の容姿に合わせた武器による水属性の攻撃を叩き込んでいく。
 ……尚、正門にも何名かの歩兵が配置されていたのだが。
「肉だ、圧倒的な肉不足だ!そこをどけェェェ!」
 黒髪ロングな眼鏡美女の見た目とは裏腹に、肉への渇望を叫ぶ十六夜・月(自由気ままなダンピール・f12574)によって、あっさり一掃された模様。肉を食べる為ならば修羅にもなる覚悟を決めている。恐るべし、肉の魅力。
「さあ、次は誰だ!私に悪魔的焼き肉を食べさせろ、早く!」
「十六夜様、念の為に声量を抑えて頂けないでしょうか」
「肉を食べさせるのだァ!焼肉……!」
「うーん。まあ、裏庭に行かせなければ大丈夫だよ!多分!」
 射撃による攻撃を狙っていたのか、物陰に潜んでライフルを構えていた歩兵を……その隠れていた物ごと、Ver.hea【651M/MHRB-RR17】で十六夜は吹き飛ばす。壁に衝突し、そのまま崩れる様に標的は気を失う。凄まじい気迫、攻撃。その姿は正に修羅と呼ぶに相応しいだろう。
 奇襲作戦を踏まえ、速度と静音性を重視した方がいいのでは……と考えるフィーアだったが。確かにあの勢いを止めるよりも、先に敵を始末する事を優先するべきだろう。己の中の戦闘方針を切り替え、十六夜の攻撃から逃れた敵を仕留める事にした。
「十六夜ちゃんの気持ちもわかるし、何より……」
 それでもこっそりと、裏庭に向かおうとする歩兵を見つけてグレースは背後から頭に小銃の銃口を突きつける。ヒッ、と息を飲む声を無視して彼女は続けた。
「仮にお前がアタシと信条を同じくする兵士だとしても、焼肉奉行を首領として推戴する以上、アタシは絶対に討たなきゃいけない」
 焼肉奉行と書いて、どくさいしゃと読む。
 目の前の敵を含め、邪神を信奉している以上に許せないのは自らの規範を周囲へと課す悪辣で残虐な独裁者の如き所業に手を染めた事実。尚、規範と書いてやきかげんと読む。言葉の意味は深いのだ。
「アタシは、好きなタイミングで焼肉を食べたいんだよね」
 焼肉奉行の女と追従する独裁者の尖兵共、放っておけば益々その権勢を増すに違いない。だからこそ、絶対に此処で討たなければならないのだ。己のタイミングで、好きなだけ焼肉を食べる為にも。現代湖賊らしい笑みを浮かべて、グレースは容赦なく其の頭を撃ち抜いた。
「敵と遭遇してから悠長に合図ですか……遅いです」
「どうした、来ないならば私から行くぞ!早く肉が食べたいんだ!」
 二人の様子はどうだろうか、とグレースが振り返るが……成程、大分数を減らしたらしい。
 敵も現存する戦力で連携、対抗しようと動くが、あまりにも遅過ぎた。いや、猟兵達の怒涛の攻撃がそうさせたのか。十六夜が複数の敵を己が得物で纏めて蹴散らし、フィーアが難を逃れた敵を即座に撃ち抜く。女幹部や他の歩兵への伝達を行う間も与えず、気付けば大広間に居た歩兵達は全滅していた。
 周囲に隠れた敵が居ないかどうか、戦闘後に三人で確認するが……どうやら此処に居た歩兵達は全員無事に仕留めたらしい。
 ふう、と一息吐くグレースと十六夜だったが、フィーアはまだ警戒を怠らない様子だ。
「……他の場所にも潜んでいる可能性がある、とフィーアは判断します。皆様はどう思いますか」
「かもしれないよねー。他の猟兵くん達が行ってるかもだけど、探してみる?」
「まだ敵がいるなら倒すぞ、肉の為に」
 十六夜の一言に、残る二人は頷いて返す。
 戦闘が落ち着いた頃合いで裏庭に向かう者の存在を踏まえ、三人は廃墟の中の探索に向かい歩き始めた。全ては、美味しい焼肉の為に!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シエン・イロハ
シノ(f04537)と参加

あん?当たり前だろ、肉はついでだついで

【SPD】選択
騒がれても面倒だしな、とっとと片付けるか

一旦戦場はシノや他の奴に任せつつ、裏庭への通路は『罠使い』でウイーティス使い封鎖を
へーへー、多少は片付けるから心配要らねぇよ
ま、勝手に引っかかって進めないかもしれねぇがな

煩いのは勘弁しろよ、最期の晩餐楽しんでる奴らに悪いだろ?
『先制攻撃』『範囲攻撃』『2回攻撃』『投擲』『武器落とし』『気絶攻撃』『マヒ攻撃』併用で【シーブズ・ギャンビット】使用
騒音発しそうな武器持った手や声帯潰しに喉等を狙う

どうした、邪神とやらに縋って助けてもらわなくていいのかよ?
ま、その前に終わるけどな


シノ・グラジオラス
POW選択

大事の前の肉で英気を養うって言うの、すげー分かるわ
バーベキュー提案したヤツとは、その点だけは気が合うな
シエンは酒飲み放題がメインだろ、この酒信者め

『忍び足』で歩兵の後ろを取って、拠点側も奇襲を狙う
※その後も音を立てないように留意して『忍び足』使用

シエンがワイヤー張り終るまで『気絶攻撃』『吹き飛ばし』の『援護射撃』で敵を遠ざけつつ、
逃走しようとするのを優先的に狙う
もし抜けられたら「シエンすまん、そっち行った」と軽く警告

ワイヤー張りが終ったら『2回攻撃』で1体ずつ確実に仕留める方法に切り替える

武器の多さならこちらも負けてないぞ?
【紅喰い】は後出しなら同じもの、先出しなら命中率重視で



●静寂を裂く蝙蝠と狼
 ……先の猟兵達の読みは的中していた。
 戦闘に乗じて伝達に向かおうとする者もいれば、落ち着いた頃合いで裏庭に向かおうとする者も確かに存在した。少なくとも食堂を警護していた者達は、そうしようとして……今すぐにでも行動に移そうとしていた筈だった。
「あー。あのー、シエンさーん?」
「あ?」
「いい加減、俺の方にも加勢してくれませんかねー!?」
 半分冗談、半分本音と言った様子で燎牙を振るう。峰打ちを狙っていたのか、壁に吹き飛ばされた歩兵は気絶しただけの様だった。
 煙草を銜えながら、その男は――シノ・グラジオラス(火燼・f04537)は燎牙を構え直す。言葉では加勢を願うものの、まだ余裕にも見える様子にハッとシエン・イロハ(迅疾の魔公子・f04536)は笑う。
「お前だけでも何とかなるだろ、頑張れよ」
「応援に心が篭ってない気がするんだけど、俺の気のせい?つか、もう終わってるだろ……って、おわっ!?」
 裏道へ続く出入口はシエンの武器、ウイーティスで既に塞がっていた。
 もう仕事はしたと言いたげな呟きに、思わずシノがツッコミを入れて……その隙を逃さないと歩兵達は連携して彼を集中攻撃し始める。流石に手数が多く、銃弾が頬や腕を掠めるが動揺には至らない。
 塞がっているのを理解していても、歩兵達は裏庭の女幹部への伝達を諦める事は無く。連携攻撃の目的はシノの攻撃の手を僅かでも止める事。前衛にいた歩兵が彼を横切り、出口へと駆け抜けるが……。
「シエンすまん、そっち行った」
 応えは無い、無くても理解している。それだけの信頼が彼らには在る。
 ぐぇ、と悲鳴が零れる。シエンが持ち前の俊敏さを活かし、出口とは別の方向に置かれた棚に歩兵を叩きつけたのだ。その手は敵の首に、浮かべるは悪辣な笑み。悪魔だ、と歩兵の視線が訴えるがシエンにとってはどうでもいい。
「どうした、邪神とやらに縋って助けてもらわなくていいのかよ?」
 そうだ、祈れば助かるかもしれない。どうか、どうか邪神さ――。
「ま、その前に終わるけどな」
 歪んだ祈りは届かない、シエンの言葉通りに彼の命は終わるのだから。
 シュッ、と空を切る音が聞こえたと同時に無謀な歩兵は事切れた……シーブズ・ギャンビットによる一閃が奪い取ったのだ。
「しょうがねぇ、この後の為だしな」
「シエンは酒飲み放題がメインだろ、この酒信者め」
「あん?当たり前だろ、肉はついでだついで」
 開き直った様にも見える様子が彼らしくて、シノは笑う。
 大事の前の肉で英気を養う、その点だけは此処のボスと気が合うとは思うが……邪神を復活させる訳にもいかない。強い邪神と戦うのも彼にとっては少々魅力的に思わなくもないだろうが。
「それじゃあ、行くぜ……!」
 相手の手数が多いなら、此方もやり返してくれよう。
 人だった筈の身体が変化する、柔らかな瞳が鋭さを増していく。歩兵が本能的に感じるのは恐怖。目を逸らしたくても、逸らせない。逸らせば殺される。
 シノ……否、スコルの鋭利な爪が前衛にいる兵士を引き裂き、傷が浅ければもう一度爪を振るう。恐怖心を抱きながらも、前衛を援護しようとする敵にはシエンがダガーで武器を落とさせて。
「煩いのは勘弁しろよ」
 ――最期の晩餐を楽しんでいる奴らに悪いだろ?
 悲鳴を上げる間も無く、後衛の敵は俊足の蝙蝠によってその場に崩れ落ちた。ダガーからはぽたり、と赤い一滴。……此処には良い酒は無さそうだ。焼肉奉行の幹部のせいだろうか、そんな思考を過ぎらせながら周囲を見渡せば既に人の姿に戻ったシノの姿。
「全員倒し終わった、みたいだな」
「此処はな。……他の場所はどうだか知らねぇが」
 可能性は捨て切れない、それでも彼らの戦いにより内部の戦力は更に削れたのは事実だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

新納・景久
肉じゃ……。
肉ん匂いじゃ。歩く野菜じゃ。
肉、肉……。
ウォォォッ! それ肉だろ、肉置いてけ!

大量に複製した火縄銃を周囲に漂わせ、歩兵の群へ単身突撃
発砲に次ぐ発砲
己が撃たれることなど構いもせず、とにかく弾丸を吐き散らしてゆく
そして歩兵の一人をとっ掴まえて、
「答えんが! こいんあるんは肉だけが? 芋は、芋はなかがね!」
(訳:お芋は用意していませんか)
あってもなくても火縄で眉間を撃つけれど

「肉は兵子ん力ん源! 芋は薩摩ん魂の食事! 肉も芋も俺んモンじゃッ! チェストォッ!!」
食欲に駆られた薩人マシーンは火縄銃を手に暴れ回る
飯じゃ飯じゃァァッ!!



●薩人マシーンのお通りじゃァ!
 三人の歩兵が談笑しつつ、狭い廊下を歩いている。
 先程まで裏庭に居た者達だが、警護の交代に向かう様だ。焼肉奉行の上司から難を逃れる事が出来た、幸運な者達とも言える。本人の前では口が裂けても言えない上、そんな素振りは見せられないが。
 だが……中途半端に焼ける肉の匂いを付けて来てしまった、不運な者とも言えるだろう。
 真正面に堂々と仁王立ちする女性は、ぽつりと何かを呟く。
「肉じゃ……」
 炭火でこんがりと焼けた、極上の香り。紛う事無き肉の匂い。
「肉、肉……ウォォォッ!それ肉だろ、肉置いてけェ!」
 あまりにも突拍子もない言動に歩兵達が目を丸くした直後、新納・景久(未来の親指武蔵・f02698)の周囲に現れるは二十を超える火縄銃。釣り野伏による、瞬発式火縄銃の複製。それらは彼女の咆哮に呼応して、銃弾の雨霰を標的に向けて放つ。
 その勢いは荒れ狂う仁王の如く……歩兵達も慌てて迎撃するが止まらない。確かに銃弾は肩に、それに腹にも当たっている筈なのに!
 歩兵の一人が仰向けに倒れた事も気にせず、別の敵の胸倉を乱暴に掴んでは告げる。
「答えんが!こいんあるんは肉だけが?芋はなかがね!?」
 訛りの強い口調に呆然とするしかない、といった様子で歩兵は震えていた。
 残る一人の歩兵も新納に銃を突き付けているが、引鉄を引けない。その十倍の銃口が己に向いているのだから。それでも難を逃れる事は不可能だった。此処には、そして彼らからは彼女が望む芋の匂いがしない。
「肉は兵子ん力ん源!芋は薩摩ん魂の食事……!」
 力説されても解りません、ごめんなさい。歩兵達の魂の叫び、そして最期の言葉。
「肉も芋も俺んモンじゃッ!だいにも渡さん!」
 殺人マシーンならぬ、薩人マシーンは吼える。廊下全体に無差別に発砲する。
 胸倉を掴んでいた歩兵を突き飛ばす様にして離した直後、自身もオリジナルの火縄銃を手に即座に眉間を撃ち抜く。残る一人も無差別発砲に巻き込まれて、既に戦闘不能。
「飯じゃ飯じゃァッ!」
 それでも新納は止まらない。全ては肉、そして芋を求めて進むのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

響・夜姫
「ひゃっはー、肉だー」
「あとは焼肉っしょー」
(無表情、棒読みっぽく。実際にはかなりワクワクしている)

CQBならぬBBQ。
戦闘(ルビ;サバゲー)の後は焼肉。
聖書にもそう書いてある。きっと。たぶん。めいびー。

【誘惑】【クイックドロウ】【誘導弾】【2回攻撃】
【零距離射撃】【地形の利用】【援護射撃】
の技能でこう、スニーキングミッションみたいな立ち回り。
気分は暗殺者。
……今回はサバーニャを盾専門、メインは光翅弓かな。
銃撃は音が危ない気がする。まぁ、密着して撃つなら大丈夫ぽい?

精神的にかなりマイペース。
「ところで。焼肉のお金は経費で落ちるのか。謎かも」
もし自腹なら。食べる量はセーブしとこう。



●幼き花乙女
「ひゃっはー、肉だー」
 ……交代する筈の歩兵が来ない。
 楽しみに水を差されたと知ったら、焼肉奉行が荒れ狂う上に自分達にも八つ当たりするのは目に見えている。それは困る、大いに困るという事で……追加で二名が裏庭から来たのだが。遠くから聞こえてきた、棒読みな少女の声に警戒する。
「ぱぱっと倒して、あとは焼肉っしょー」
 ――その声は遠くから聞こえた、筈だったのに。
 銃を構えた体勢のまま、隣に居る仲間が倒れ伏す。視線を向けると、背後から射抜かれた様に光矢が突き刺さって……静かに其れは消えていく。反射的に銃口を後ろに向けると、其処には花飾りを着けた少女――響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)の姿。
「ところで。焼肉のお金は経費で落ちるのか。謎かも」
 抑揚が無く、只管に棒読みを続ける響に対して恐怖心が募るばかり。実際はかなり楽しみにしているのだが、其れを歩兵が知る由も無く。
 戦闘と書いて、サバゲーと読む。その後は焼肉。聖書にもきっと書いてある、多分。運動した後の焼肉は美味しい、きっと美味しい。聖書にそう書かれているかは定かではないが見ないふり。
 通路の角を利用して、響は再び歩兵の前から姿を消す。気分は潜入任務に挑む暗殺者。
 敵は倒さなければ。内部戦力の壊滅を知らない歩兵には応援を呼ぶ選択肢もあっただろう。だが、恐怖心に駆られた状態では視野も狭くなる。即座に少女を追い掛けて、角を曲がり、後は照準を合わせて引鉄を……!
「派手にいこー」
 棒読みで告げるのは死刑宣告。
 防御をするまでも無いと光翅弓を構え、背には鮮やかな両翼が広がる。翼は機動浮遊砲盾【サバーニャ】、盾としての役割のみに非ず……分離、空中を浮遊。三対六門の十字架砲も併せた一斉発射を歩兵に浴びせる。周囲の壁も、床も、巻き込んだ攻撃を避ける事は叶わず。フルバースト・マキシマムにより、歩兵は全身に銃弾と矢を受けて倒された。
「……自腹なら」
 食べる量はセーブしないと。戦闘前から変わらず、響はマイペースだった。
 この後、自腹だが食べ放題である事を彼女が思い出すのはまた別の話。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『悪の女幹部』

POW   :    今週の巨大化獣
【今週の巨大化獣 】の霊を召喚する。これは【パンチ】や【キック】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    戦闘員召喚
レベル×5体の、小型の戦闘用【悪の組織員 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    悪の女幹部のおしおき
【剣 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蓮賀・蓮也です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●焼肉奉行の怒り
「ったく、遅いねぇ……何をしてんだい、どいつもこいつも」
 じゅー、じゅー。いつまで経っても戻って来ない歩兵達を待ちながら、次の肉を焼き始める。特に自分の取り皿に肉を置きっ放しにした奴は、このバーベキューが終わったら徹底的にシメねばならない。焼き立てが美味しいと言うのに!
 おお、いい焼き加減……と思った矢先に裏庭の出入口が荒々しく開かれる。
「遅いんだよ、アンタ達……って、猟兵!?」
 女幹部が目にしたのは内部戦力、そして裏庭から来た歩兵達も含めて全て倒した猟兵達の姿だった。警護の歩兵達が誰一人、応答しない。
 その事実に女幹部は怒り……バーベキュー用のコンロの火を消す。それだけではない、一度焼いていた肉を替えの大皿に退避させる。攻撃しても良いか、と一部の猟兵が声を上げたが、別の猟兵が止める。
 戦隊物の変身シーン中は攻撃しないのがお約束、今のこの状況もまた然り。
「猟兵達……アタシの楽しみを邪魔した罪、アンタ達の命で贖ってもらおうか!」
新納・景久
「おはんが大将首が! なあばこん刃、交えっ前に言うこっがある!」
指をビシリと突きつけ、まずは一言、問いかける
「そげんカッコしちょぉで、脂ば跳ねっなあば火傷すっど!!」

冗談はほどほどに
功名心>食欲 なので、肉は後回し
「ふんっ、火傷で済まさねど。かかってくんか!」
鬼吼丸を蜻蛉の構えに、対峙
そして召喚された今週の化獣を見ると
「ほう、ほう。そいがおはんの懐刀がね? 良か、相手しちゃる!」
じりじりと距離を図り、相手の間合いに入ると先手を取らせる
来るのを待っていた
跳躍、降りかかる敵の身体の一部を踏み台に、さらに高く
敵頭上から、一気に【蜻蛉一之太刀】を見舞う
「こいを待っちょった! チェストォッ!!」


響・夜姫
「はっ。焼肉は自腹で食べ放題、そんな予感がしてきた」
焼肉やきに……。
……あれが、幹部。でかい。説明不要。……そっかー。
「きょにゅーしすべし。慈悲は無い」(ハイライトの消えた目)

・POW
二丁拳銃とサバーニャを使った中距離射撃戦闘。
攻撃時【一斉発射】【クイックドロウ】【誘導弾】【2回攻撃】を使用
特に巨大化獣にはそれら全部乗せしてフルバーストマキシマム。
防御は【オーラ防御】でオーラを纏わせたサバーニャで【武器受け】。

しかし。食材を無駄に、無下にしないところは。褒めてもいい。
BBQセットには当てない様に気を付けよう。
だいじょうぶ。私は冷静。冷静に駄肉を撃ち抜くよ。ふふふ。



●いざ、巨乳の大将首を討ち取らん
「おはんが大将首が!なあばこん刃、交えっ前に言うこっがある!」
「……はぁ?何よ、言ってみな!」
 変わらず訛りの強い薩摩弁で女幹部を指差し、はっきりと言い放つのは新納・景久(未来の親指武蔵・f02698)だ。彼女の言葉全てを理解出来た訳では無いだろうが、何か言いたい事があるのだろうとは様子から察したらしい。
 真正面から聞いてやろうじゃないか、女幹部が発言を促し……新納は問い掛ける。
「そげんカッコしちょぉで、脂ば跳ねっなあば火傷すっど!」
「カッコ……アンタ、アタシの服の趣味にケチつけようってのかい?」
 ――いや、恐らく彼女は火傷の心配をしているのだろう。恐らく。
 確かに焼肉するには少々危険な服装だが……言葉の意図を上手く汲み取れなかったのか、女幹部は益々お怒りだ。楽しみを妨害された挙句、趣味に文句を言われた(と勝手に判断した)のだから仕方がないが。
 そんな二人のやり取りを眺めながら、そういえば焼肉は自腹で食べ放題だった気がしてきた……と、響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)はのんびり思い出しつつ。彼女の視線の先には女幹部、正確には女幹部の胸だった。
「……でかい」
 焼肉を食べたい、焼肉に行きたい。それよりも優先すべき事項が響に出来た。
 でかい。説明など、不要。左右色違いの瞳が段々、陰りを見せる。気付けば既に機動浮遊砲盾【サバーニャ】を分離、空中への展開を開始。
「きょにゅーしすべし。慈悲は無い」
 感情の見えない、棒読みの筈なのに何かへの敵意や殺意を感じられた。
 女幹部が、新納が響へと視線を移した瞬間――両手に二丁拳銃を手にした少女人形が静かに荒ぶる。拳銃で、合計六門の十字架砲で撃つ、撃つ、兎に角撃ち抜く。
「ちょっ、あ、アンタ!アタシの焼肉台無しにしたら、容赦しないよ!」
「だいじょうぶ。私は冷静。BBQセットに罪はない」
 言葉の通り、響は闇雲に撃っているのではなく、同じ猟兵である新納とBBQセットは避けた上で乱射している。そう、彼女の今の目的はただ一つ。女幹部の駄肉を撃ち抜きたい。きょにゅー死すべし、慈悲などない。大事な事だからもう一度。
「ははっ!よかぞ、よかぞ!これこそ戦ァ!」
 盛り上がってきたじゃないか、と戦闘への高揚を隠さない新納は既に己の得物を構えている。刃渡り三尺、大太刀の銘は鬼吼丸、蜻蛉の構えにて女幹部と相対する。
 手早く片付けたいと舌打ち一つ、女幹部が熊を模した二足歩行の巨大な獣を指笛で呼び出した。
「ほう、ほう。そいがおはんの懐刀がね?良か、相手しちゃる!」
 己の身の丈を超える獣、だからこそ斬り甲斐があると言うもの。銃弾、砲撃の嵐の中……互いに仕掛けるタイミングを見計らう。片や武士の経験で、片や野生の勘で。
 先に仕掛けたのは巨大な熊だった。意外にも速く地を駆け、新納に爪を振り下ろそうとする。ニィ、と彼女が笑った。
「こいを待っちょった!」
 逸る功名心を抑え、機を待っていたのだ。
 熊に向かい跳躍、そして……熊の頭を踏み台にして更に上へ。頭を踏まれ、怒りを露わにした獣は慌てて追いかける様に跳ぼうとしたが。
「きょにゅー、まもるなら。敵」
 嵐の様な無差別発砲を一時中断、標的を巨大化獣へ。
 銃口を、砲口を集中させて放つフルバースト・マキシマムは熊に容赦なくダメージを与えていて。無論、其れだけでは終わらない。そうら、二之太刀不要の一撃が来るぞ。
「チェストォォォッ!」
 一撃必殺の蜻蛉一之太刀。
 上空から気合いと共に振り下ろされた見事な剛の一撃は、熊を両断する。あまりにもあっさりと巨大化獣を倒されたからか、女幹部も呆然としていて。
「隙あり」
 其れを見逃す訳も無く、二撃目のフルバーストマキシマムが女幹部を只管に撃ち抜く。敵を倒すまでには至らなかったが……それでも彼女達は充分な戦果を挙げた事は確かだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィーア・ストリッツ
左様ですか
フィーアは享楽の容疑で貴女の罪を問いたいです
もう少し分かりやすく言い換えましょうか?
『邪神教団の分際でいい肉を食べてるとか……フィーアが許しても、このハルバードが許すかな?』です

【スピンスラッシュストーム】でハルバードを振り回して敵に突っ込みます
絶え間ない連続攻撃で、敵の手を此方の攻撃への対処に割かせればそれで勝ちです
追加の戦闘員ですか?纏めてスライスして差し上げます
一撃でダウンする程度の脆弱さでは、この刃の速度すら落とせませんよ
「フィーア、悪の組織の美学とかよくわかりませんので。パワーで殲滅致します」

【アドリブ絡み歓迎】



●お約束って一度破ってみたいよね
「猟兵……アタシの庭で好き勝手やって」
「余裕ですね」
 一斉射撃をまともに受けた女幹部が立ち上がり、怒りを露わにしようとして……明確な殺気に反射的に跳び退く。地面へスライディングする様な形になってしまったが、目の前の刃が己の服を掠めていたと知ると同時に冷や汗が流れる。
「なんだい、アンタ!人の言葉くらい、最後まで聞くのがお約束じゃ」
「フィーア、悪の組織の美学とかお約束はよくわかりませんので」
 ……残念ながら、また遮られた。
 苦虫を噛み潰した様な表情も何のその、フィーア・ストリッツ(サキエルの眼差し・f05578)は黒色の槍斧――"ジレーザ" エクスキューションハルバードを構え直して、淡々と告げる。
「そんな些事よりも、フィーアは享楽の容疑で貴女の罪を問いたいです」
 享楽?この女は何を言っているんだ?
 再び意図が理解出来ない女幹部が訝しげな視線を向けると、フィーアは得物を握る手に力を込める。
「邪神教団の分際でいい肉を食べてるとか……フィーアが許してもこのハルバードが許すかな、です」
 噛み砕いた上での内容があまりにも酷い気がしないでもないが、今回は邪神教団が相手なので問題はないだろう。
 フィーアが手にしているハルバードを振り回し始める。ゆっくりと、だが徐々に回転速度を増していく。加速し続けた状態を維持しながら、敵へと向かうのは相応の技術が必要と思われるが……彼女は難なく其れを実行していた。
「では、お覚悟を」
 ――ポールウェポンの真髄を御覧あれ。
 女幹部の方も黙ってはいない、小型ではあるが戦闘用の悪の組織員を大量に呼び出しては叫ぶ。あの猟兵を止めろ、殺せ、と。命令に従い組織員達はフィーアの両脚から狙おうとするものの……止まらない。止める事が出来ない。
 当然だ。近付こうとしても、その前に回転するハルバードの刃が薙ぎ払ってしまうのだから。
「殲滅致します」
 気付けば組織員が全て消えてしまった、だが猟兵は止まらない。
 為す術が無いと気付いて逃げようとするが、遅い。フィーアの間合いから離れる前に、その背を抉る様に斜めに斬り裂かれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエン・イロハ
シノ(f04537)と参加

お約束だか何だか知らんがサッサと…はいはい、分かった分かった

【SPD】選択
ハッ、粋がるんならちったぁ楽しませてくれよ?

所詮烏合の衆、てめぇら如きで止められると思ってんなら呆れたもんだな
ベスティア使って周辺の組織員に対し『先制攻撃』『範囲攻撃』『衝撃波』『吹き飛ばし』で幹部へのルート確保
幹部と距離があるようなら【シーブズ・ギャンビット】、そうでなければ接近して槍で攻撃

回避に関しては『見切り』基本
近くにいる敵は肉盾扱い
自身の盾や蹴り飛ばす・突き飛ばす等でシノの盾にも使用

馬鹿言うなよ、シノ
お前が俺の酒に口出しするとか黙って許すわけねぇだろ
お前が伏せてる情報お前の妹達に売るわ


シノ・グラジオラス
シエン(f04536)と参加
アレンジや絡みはご自由に

POW選択

肉退避中は味方であろうと
変身中に攻撃しないのは様式美なんで待て。でないと肉に甚大な被害が…!
と攻撃阻止
退避完了後に、何もなかったように戦闘態勢に

『武器受け』『激痛耐性』『生命力吸収』でダメージを抑え
攻撃は『2回攻撃』で

アホか!巨大化怪獣は負けフラグって相場が決まってるだろうが!
肉の焼き加減も自由にさせねぇわ、怪獣は巨大化させるわ…出直して来いや!
【紅喰い】の牙での派手さ(攻撃力)重視攻撃

アンタの敗因は部下の好みの肉の焼き加減を無視した事だな
…シエン、んな目で見んな
お前も俺がお前の酒の飲み方に煩かったらイヤだろ?それと一緒だ



●敗因=フラグを重ね過ぎた
「巨大化怪獣は負けフラグって相場が決まってるだろうが!出直して来いや!」
「シノ、うるせぇ」
 今週の巨大化獣パート2、巨大な虎が向かってくる。
 だが、シノ・グラジオラス(火燼・f04537)慌てる事無く手にした燎牙で突進を受け止めて。弾く様にして距離を取り、すかさず横薙ぎに振るえば虎の顔面に傷が出来る。だが、浅い。いや、それよりも聞き捨てならない事がある……!
「シエンさーん!さっきから俺の扱い酷くねぇ!?」
「気のせいだろ」
「まさか、さっきお約束で止めたの根に持ってる訳じゃ……っ!?」
 言葉を止め、シノは不意に吹き飛ばされて来た何かを避ける。其れは小型の戦闘用の悪の組織員の一人だった。再度向かってきたのか、巨大な虎の牙が間に割って入った小人を喰らう。盾になる様に組織員を吹き飛ばしたのはこの男、シエン・イロハ(迅疾の魔公子・f04536)だった。
 ……余談ではあるが、シノが言っている『さっき』とは戦闘前の事。
 肉を片付けている女幹部があまりにも隙だらけだった為、先制攻撃をしようとしたシエンをシノが止めたのだ。変身中に攻撃しないのは様式美、いわゆるお約束。戦隊物あるある。何より、肉に甚大な被害が及ぶ……!と必死だったとか。
 そんな事よりもさっさと片付けて、早く酒を飲みたいシエンとしては待つ事もさぞ面倒だった事だろう。最終的には彼が折れたのだが、ウィーティスからは決して手を離さなかったとか……そして、今に至る。
「烏合の衆如きで俺を止められると思ってんのか?呆れたもんだ」
 とっとと終わらせる、とシエンはベスティアを構え直す。黒塗りの槍の先端が輝くは魔力故か、光の反射か。一薙ぎで十体以上の組織員を消滅させた後、くるりと回して地面を削る様にまた振るう。其処から生まれる刃の様な衝撃波が、後列の組織員達をまた多く倒す。範囲攻撃を有効に利用して、組織員達を迅速に減らすシエンの笑みを見て……女幹部も先の歩兵と同じ事を思う。悪魔か何かか、この男は。
「シエンばっかりに良い所を見せる訳にはいかねぇわな!」
 女幹部がハッとした様子で、巨大な虎を相手にしているシノを見る。
 意気揚々とした声の主は……今や人ではなく、狼。巨大な獲物をどう喰らってやろうかと見定める獣の姿。
 ……スコルが吼えた。遠吠えは巨大な虎を怯ませ、余波が残りの組織員達を消して行く。怯んだ隙を逃すまいと地を駆け、スコルは跳んだ。虎の背に着地した後、鋭さを増した牙を虎の首に埋め込み、食い千切る。倒れるまで、何度でも。
「そんな、アタシのペットが……二匹も……?」
 やがて地に沈み、消失していく虎を見つめては信じられないと言いたげな様子で女幹部が呟く。猟兵達の勢いは彼女の予想を遥かに上回っていた。地力の差もあっただろう、焼肉への欲求が強かったのもあるだろう。
「じゃあな」
 ――女幹部曰く、悪魔が一瞬で姿を消した。
 満身創痍の状態では満足に対応も出来ず、凄まじい速さで放たれたシーブズ・ギャンビットが彼女の命をあっさりと奪っていった。激闘は終わりを告げたのだ。
「……アンタの敗因は部下の好みの肉の焼き加減を無視した事だな」
「関係あんのかよ、それ」
「お前も俺がお前の酒の飲み方に煩かったらイヤだろ?それと一緒だ」
 互いに武器を収納している中、未だに意味が解らないと言いたげなシエンにシノが問い掛ける。其れをハッと笑い、解っているだろうにと言いたげな様子で返す。
「馬鹿言うなよ、シノ。お前が俺の酒に口出しするとか黙って許すわけねぇだろ」
 ……そして、さも当然の様に反撃を仕掛ける。
「そんな事しやがったら、お前が伏せてる情報お前の妹達に売るわ」
「えっ、何を!?何の!?シエン、其れは勘弁してくれ、この通り……!」
 本気で慌てるシノを無視して、早く酒を飲みたいと廃墟の出口へ向かうシエン。
 二人の冗談めいた会話もきっと、平和な証拠なのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『とりあえず焼き肉食べに行かない?』

POW   :    焼き肉を目一杯食べる

SPD   :    焼き肉って言ったら酒と一緒に。未成年はソフトドリンクとデザート食べ放題だ!

WIZ   :    みんなで談笑しながら美味しい焼き肉が最高だ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●この時を待っていた!
 じゅー、じゅー。
 既に来店していた客が焼くのは肉、野菜、そして変わり種などなど。
 残されたBBQセットを放っておくのは忍びなく、一部の猟兵達が片付けてから廃墟を出た後……豊富なメニューが揃うこの焼肉店に遂に辿り着いたのだ。
 店員の元気な声が聞こえる、いらっしゃいませー!と応対する表情は笑顔が溢れている。猟兵達はこの笑顔を見事、守ったのだ。
 ――さあ、後は思う存分焼肉を堪能する時だ!
新納・景久
「肉じゃ」
ひと暴れしてお腹を空かせた景久
「肉じゃ……」
しかし、その瞳には確かな力を秘めている
「肉じゃァァァアアアアッ!!」
肉だ、肉だ、肉だ!!
全身全霊をかけて、この迸る熱いパトスで、肉という肉(※豚肉に限る)を食らいつくす!

ウォォッ!!
「このお肉、まずは塩で食べてみt――」
知らん!!
肉は、好きなように焼き、好きなように味付けし、好きなだけ食うもんだ!
「こいは俺ん肉じゃ。誰にも、誰に、も……」
もし野菜の中に芋を見つければ
肉すらも放り出して反応
「もっ! 芋っ! もももももももももっ!」(ぷるぷる)
芋を欲しがって発作を起こす
そうだ、芋だ
芋こそがパワーだ。
だってPotatoもPowerも頭文字Pだもの


フィーア・ストリッツ
くふふふふふ……
戦闘行動の後は消費したエネルギーを補給すべきですね
ええ、正当なる補給活動です
決して、先の現場で肉を焼く匂いを嗅いで空腹が刺激されたわけでありません
いいですね?

フラットな真顔のまま、ひたすら肉を焼いて食べます
一人ペースが早いと皆が肉を取れない?愚問ですね
それでも皆に行き渡るだけの量を注文すれば良いのです
あ、カルビ2人前追加願います
「お残しはマナー違反ですがフィーアは特に好き嫌いはありません。つまり、そこで半コゲになっているピーマンだろうが構わず食べ尽くすということです」
「焼き肉に合うドリンクについては諸説あると思いますが、未成年のフィーアは普通にウーロン茶です」

【アドリブ絡み可】


響・夜姫
連携・絡み歓迎
皆で食べる焼肉は、おいしい。楽しい。
BBQセットもちゃんと片づけてきたし。大丈夫。
器具とお肉に罪はない。
スタッフが美味しくいただきました。

・焼肉
WIZ
動きやすい服装になる。髪を邪魔にならないようにまとめる。
ナプキンを装備。
「かんぺき」

「焼肉は、焼く事でカロリーが無くなるので。とてもヘルシー」
「牛や豚は、飼料として草や穀物を食べているので。肉を食べると、実質、それらを摂取しているのと同じ」
「牛豚牛豚鳥馬羊、この順番でバランスよく食べる」

同行した仲間たちと焼肉パーティー。
お酒は飲めないけど。飲み物のお酌くらいはしよう。
「良い呑みっぷり。ぐっじょぶ」


「……食べ過ぎた」
ちょっと苦しい。



●三者三様の焼肉乱舞
「肉じゃ」
「肉ですね」
「お肉」
 折角、共に戦ったのだからと相席して……着席後、三人はほぼ同じタイミングで呟いた。
 館に置きっ放しのBBQセットも片付け、この街からは一時的にではあるがオブリビオンの脅威は去ったのだ。ならば、肉。焼肉である。迸る肉への情熱のままに、正当なる補給活動を開始しようではないか!
 一暴れして空腹が極まっているのか、双眸に肉への渇望を秘めるは新納・景久(未来の親指武蔵・f02698)だ。彼女は注文した肉が届くと同時にトングを片手に、豚タン塩を確保。そのまま網の上へ綺麗に乗せれば、じゅーと焼ける音が聞こえてくる。ああ、これだ。これこそが。
「肉じゃ――」
「ストップ。叫ぶ、ダメ」
 激しい高揚のあまり叫びそうになった新納の口を、的確に片手で塞いだのは隣の響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)だった。談笑はいいが、お店で叫ぶのは周りのお客さんを驚かせると思ったのだろう。……それにしても髪を纏め、動き易い服装の上で袖を捲っている。ナプキンまで装備しているではないか、完璧だ。完璧な焼肉スタイル。
「お二方、追加注文はどうしますか?」
 そんな二人のやり取りを向かいから眺めつつ、ひたすらに肉を焼いては食べて焼いては食べてを繰り返すのはフィーア・ストリッツ(サキエルの眼差し・f05578)であった。……彼女の近くに置かれていた筈の、牛タン塩一人前とライス半分程がいつの間にか消えている。とても早いペースだ。しかし、此れはあくまでも正当な補給活動。先程までの戦いで空腹が刺激された訳ではない。多分。
「鶏馬羊、ある?」
「鶏肉ならありますね。頼みますか?」
「うん」
「豚は俺ん肉じゃ……!」
「では、牛と豚のカルビ2人前とチキンチーズフォンデュを追加で」
 三者三様ではあるが……共通しているのは、それぞれが楽しそうな事だろう。
 新納は言うまでもなく。普段から無表情なフィーアも、表情に乏しい響も、焼肉を楽しんでいる雰囲気が其処にはあったのだ。焼肉は偉大である。
「牛や豚は、飼料として草や穀物を食べているので。肉を食べると、実質、それらを摂取しているのと同じ」
「成程……フィーアは特に好き嫌いはありません。つまり、そこで半コゲになっているピーマンだろうが構わず食べ尽くすということです」
「ピーマン……野菜!?芋はあっか、芋っ!」
 響がとても遠回しに野菜を食べないと言いつつ、フィーアの分も持ってドリンクバーに向かったり。つい、焼き過ぎてしまった半焦げピーマンをフィーアが真顔のまま食べたり。野菜盛りの中にあるじゃがいも、サツマイモに対して、発作と言う名の過剰反応を新納が示したり。とても賑やかなテーブルだ。
「もももももももももっ!」
 芋こそがパワーと豪語する新納を見て、フィーアは芋を追加注文する。
 ……短期間で彼女は理解したのだ、豚肉と芋を確保しておけば恐らく大丈夫でしょう、と。そんな中、響がドリンクバーから戻ってきた。
「はい。ウーロン茶、おっけー?」
「合っています、未成年のフィーアは普通にウーロン茶です」
 コップを受け取ったフィーアは、ぐいっと半分くらいを呑み干して。再び、焼いては食べるのループに戻る。焼き上がった牛カルビをタレに付けて、ほかほかの御飯の上へ。タレがほんのり染み込んだ御飯ごと、口の中へ運ぶ。時には半分焦げた芋以外の野菜も混ざっていた。……フィーアの胃袋、恐るべし。
「良い飲みっぷり。ぐっじょぶ」
 サムズアップを一つ。響も二人が焼いておいてくれた鶏肉を取り、同じく熱していたチーズフォンデュソースをたっぷりとつけて。ふーふー、と。食べ易い様に冷まして、ぱくっと一口。熱い、熱いけれど美味しい。ほんの僅かに笑みが零れた気がした。
「俺ん肉!俺ん芋!」
 新納もフィーアに負けず劣らずの食べっぷりだ。但し、豚肉と芋に限るが。
 良い感じに焦げ目のついた豚カルビ、ほくほくのじゃがいも。ほんのり焼き目がついたさつまいもは甘く、さながら少し早めのデザートか。
 肉肉肉、そして芋ばかりの焼肉となったが……彼女達は胃袋を満たし、心も癒された事だろう。きちんと残さず食べ切り、皆で両手を合わせて。御馳走様でした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シエン・イロハ
シノ(f04537)と参加
ミラの【同行希望】
いい店見つけてきたからな、報告だけで食えないのもなんだろ

SPD選択
肉より酒メイン
甘いのは除外しとりあえず一通り試しとくか

別にいいだろ、飲み放題なんだからよ
またお前は…(山盛りされた肉に溜息吐きつつも多少は摘まみ
ミラ、食えるなら遠慮要らねぇからどんどん食え
その方が俺に回される分が減る(ぼそり

(一通りの酒を試し、気に入ったのを見付ければそればかりを頼み
あん?さぁて、どれがいいかねぇ
呆れられるのと説教喰らうの、どっちがいいよ?
(ニヤニヤ笑って眺め

(実際売ったら俺も文句言われそうだから売らねぇけどな、とは口には出さず
あぁ、手始めに野菜食ってねぇ事バラしとくか


シノ・グラジオラス
シエン(f04536)と参加
ミラの【同行希望】
POW選択

よっしゃ、この為の前座運動(戦闘)したくらいだからな!肉食うぞ肉!
酒も頼む…って聞くまでもないか。俺もビール貰おうかね
野菜?普段は食べるが、今日は無礼講なんで知りませんが?

酒ばっか飲むなよ、焼肉なんですけど!(シエンの皿に肉を山盛る)
何だよ、人狼舐めんな肉くらい山ほど食えるわ
ミラも食え食え(皿に肉を適度に盛りつつ)
そう言えば、ミラって普段どれくらい食うんだ?

シエンが酒がある程度入って上機嫌になった頃を見計らって、
できるだけ自然と、さり気なく伺っておこう
ところでさっき言ってた、俺が伏せてる情報ってどれ…いや、何の事デスカネー?



●本テーブルでは野菜の出番はありません
 テーブルに運ばれた数々の肉、そして大きなジョッキに入ったビールが二杯。
 さあ、宴会の始まりだ!杯を交わし、早速お酒を飲み始めたのはシエン・イロハ(迅疾の魔公子・f04536)だった。戦闘後だからか、普段よりも身に沁みる気がした。
「やっと酒にありつけたか……此処、地酒とかあんのか?」
「酒ばっか飲むなよ、焼肉なんですけどー!?」
「別にいいだろ、飲み放題なんだからよ」
 良い訳あるか!と肉を焼きつつも食べる、という中々に器用な事をしながらシノ・グラジオラス(火燼・f04537)はジト目でシエンを見る。
 しかし彼はそんな視線を流しつつ、次は何を頼むかとお酒のメニューを確認していた。折角の飲み放題、食べない訳ではないが焼肉はつまみ程度で問題ない様だ。そう、問題ないのだが、シノにとっては問題大有りらしい。シエンの皿に肉をこれでもかと盛り続けている。
「またお前は……つか、盛り過ぎんじゃねぇよ」
「えー、人狼基準じゃ普通デスー」
「俺は人狼じゃねぇ。……ミラ、静かだな」
 人狼基準が解らない、と若干面倒臭そうに隣を見ると……其処にはハムスター化した聖女が居た。二人から誘いを受けた、ミラ・パーチェ(夢追い人・f09057)だ。女の子という事で適度な量を盛ってもらったが、既に皿から肉が消えていた。早い、早過ぎる。
「……そう言えば、ミラって普段どれくらい食うんだ?」
「うーん……結構食べる方、かも?」
「ミラ、食えるなら遠慮要らねぇからどんどん食え」
 助け舟、此処に来たりとシエンが自分の皿をミラ寄りに差し出して勧める。余程、焼肉が食べたかったのか、彼女は嬉しそうにもぐもぐと食べ進める。予想以上の食べっぷりに驚くが、シノも幸せそうな笑顔を見て先程より少し多めに盛り始める。何だかんだ、彼らは面倒見が良い大人なのだ。
 ……自分に回される分が減ると安堵したのは、シエンのみが知る話である。
 それから、ミラが自分の分のドリンクを取りに再度ドリンクバーへ向かう頃にはシエンも好みの地酒を見つけて、繰り返し注文。シノは腹八分目といった所らしく、焼けたばかりのハラミを口に運び、飲み込む。そして、ライスを食べる。
 彼女が離れた今が頃合いだろう、シノは待ってましたと口を開く。
「なあ、シエン。ところでさっき言ってた、俺が伏せてる情報ってどれ……いや、何の事デスカネー?」
 タイミングは自然だったかもしれないが、悲しいかな最後の部分がさり気なさと無縁となってしまった。其れを見逃さないシエンではなく、ニヤニヤと笑っている。
 あ、コレはバレた気がするわーとシノは内心、悟った。
「あん?さぁて、どれがいいかねぇ……呆れられるのと説教喰らうの、どっちがいいよ?」
「どっちも勘弁だっつーの!……じゃなくて、勘弁シテクダサイ」
 自分にまで文句を言われるのは面倒なので、実際に売る気は無い。
 だが、反応を面白がろうとするシエンの言葉に明らかにシノは動揺を見せていた。わざわざ丁寧な言い方に直しているのが、益々面白いと地酒をグイッと呷る。冗談、と言い掛けて……向こう側からミラが戻って来るのを確認して、ニヤリと悪い笑みを一つ。
「あぁ、手始めに野菜食ってねぇ事バラしとくか」
「二人共、ただいま!……シノさん、もしかして野菜が嫌いなの?」
「シエン、お前な……!って、ちょっと待て!ミラも誤解だからな、な!?」
 お腹を満たして、お酒も思う存分堪能したが……この後、誤解は解けるかどうか。
 帰り道もまた、賑やかになりそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月17日


挿絵イラスト