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■■駅って、知ってる?

#UDCアース

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#UDCアース


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●噂
 曰く、その列車は、終電がとっくに過ぎた深夜のとある路線に現れるらしい。
 曰く、その列車は、異世界へと繋がる扉であるらしい。
 曰く、その列車に乗ると、異世界の終着駅まで真っ直ぐに向かうらしい。
 曰く、終着駅で降りてしまうと、二度と元の世界に戻れないらしい。

「――ええ、らしいわよ。アナタ、気にならない?」

●都市伝説を解明せよ!
「Hello、ハロー!ガラテアでございます!」
 元気な声で迎えるのは、あなた達猟兵を呼び集めたガラテア・オートマトン(アスタリスク・f12062)である。
「今回の冒険はUDCアース。皆さんにはそこで起こっています怪奇現象について解明して貰いたいと思います」
 そう言うと、ガラテアはホログラムディスプレイを空中に投影する。

「場所はとある地方の路線の駅、その周辺である噂が流れております。何でも、終電が過ぎたにも関わらず、深夜のある時間になると列車がやって来て終着駅まで向かうのだと。これだけだと変な列車ってだけで終わる話なのですが、その終着駅で降りてしまうと行方不明となってしまうのです。そして実際にその噂周辺の地域では、行方不明者が出てしまっているのです」
 空中に別のディスプレイが表示される。そこにはUDC組織より提供された、行方不明者のリストが映し出されていた。学生、サラリーマン、年齢職種様々な人々…ザッと流し見ても数十人はいる。
「行方不明者の共通点として、夜遅く深夜帯まで出掛けていた事。ある学生集団においては、『噂を確かめる』と周囲に話していた証言もあります」

 これだけの被害を出しておいては、最早噂とは言えない。これは明確なUDC、オブリビオン案件だと、ガラテアは語る。
「皆さんにはこの異変に付いての調査を行いまして、行方不明者の救出、及び潜んでいるであろうオブリビオンを討伐して貰いたいと思っております」
 周辺に流れている噂を調査、或いは事件現場となっている駅そのものを調査することで何らかの情報を得ることは出来るだろう。まずはそこから始めるべきだ。

「説明は以上となります。事件については正体不明で現在出ている情報も少ないですが、だからといって放置して良い事でもありません。無事に解決出来ますよう、どうか頑張って下さい」


赤黒い
 赤黒いです。今回は行方不明者が出ている都市伝説の実態を暴くシナリオとなっております。

 第一章では事件現場で何が起こっているのか解明して頂いて、第二章よりオブリビオンとの戦闘となります。
 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『駅の怪』

POW   :    実際にその駅に行き調査する

SPD   :    噂を知って居そうな人達に声をかけて調査する

WIZ   :    ネット情報など駆使して調査する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴェル・ラルフ
異世界の終着駅、か…なんか怪談じみた話だね。

SPD
だいぶ噂も広まってるみたいだし、まずは身辺調査といこうかな。
現場の駅を利用している学生とかなら、噂も知っていそう。中高校生はSNS、ってのがあるんだよね?
お年寄りや奥様方も、噂話は好きそうだよね。
駅や周辺で聞き耳たててぶらぶらしてみようかな。

それらしき噂をしてる人がいて、話しかけやすそうだったら、[コミュ力][言いくるめ][誘惑]あたりで話を聞き出せないか挑戦。

教えてくれた人にはきちんと感謝を伝えないとね。礼儀は大事。
聞かせてくれてありがとう(にこ)


一一・一一
都市伝説ときいてテンションがあがっている一一です

【SPD】
とりあえずコミュ力を使って聞き込みをしてみましょうかね
理由を聞かれたら都市伝説大好きなので調べると答えます。
聞き込みしてる最中になにやら知ってて隠してそうな人がいたら【隙間より覗き込む女】で隙間女を喚んで追跡してなにか漏らさないか確認してもらいます。

しかし駅っすかぁ…有名なのはキサラギ駅っすね。




 とある地方の駅周辺。学生達や社会人、様々な人々が列車を利用する為に駅の出入りを繰り返している。
「異世界の終着駅?」
「そう。その噂について調査してるんだ」
 その内のある下校中と思わしき学生集団に話しかけているのは赤毛の好青年、ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)と、
「僕達、都市伝説について調べて回ってるっす。そう言った話が大好きなんすよ」
 黒髪の女性に見える、一一・一一(いかず・いいち)(都市伝説と歩む者・f12570)だ。
「今、君達がその話をしていたから、気になってね」
 彼ら二人は、それらしき噂を話している人物に絞り、周辺で聞き込みを行っていた。

 学生達の話しによれば、噂話が広まったのはつい最近であるという。
 ただ、どこから広まったかと言われれば分からないとも証言する。友達の友達から聞いた話が伝わって、いつの間にか学校内では誰もが知る噂になっていた。
 そして、行方不明者についても同時に学校内では話題になっていた。
 最初に行方不明になった人物が、彼ら学生達と同じ学校の生徒で、塾帰りで別れたのを最後に見かけなくなってしまった。未だ家に帰ってもいない。
 それを聞いた学校でも素行の良くなかった集団も、噂の検証と言って肝試しに行ったっきり、戻っていない。
 以来、学校では夜遅くまで出歩かない、深夜での列車の利用は控える様にと連絡が出たらしい。

「…聞かせてくれてありがとう。それじゃあ」
 人の良い笑顔を向けて、学生集団と別れるヴェルと一一。
「友達の友達の話。出所の分からない噂。まさしく都市伝説っぽいっすね!」
 興奮気味に話す一一。オカルト好きな彼はこの手の話に興味津々であった。
「異世界の終着駅、か…なんか怪談じみた話だね」
「おや、知らないっすか?実際に異世界の駅についての話は存在しているっすよ」
 そう言うと一一は自身の携帯電話の画面を見せる。そこには「きさらぎ駅」という文字が。
「有名な話っすが…今回の事件と無関係には思えないっすねぇ…」
「兎も角、聞き込みを続けよう。他に噂をしている人もいるだろうし」
 そう言って二人の猟兵はその場から去って行った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジード・フラミア
ジード「実際に乗り込む前に先に調べて起きたいかな……」
メリア『ナラ、聴き込みシマスカ?協力シマスヨ。』
ジード「……一応人形の身体何だから気をつけてよ。」
メリア『( ´∀`)ハハハ マスクとかしてバレないようにシマスヨ。』

オルタナティブ・ダブルを使って2人で聞き込みします。

ターゲットは塾で遅くなったり、度胸試しをしてそうってことで、中学生・高校生を中心にします。


在連寺・十未
……ふむ。

良くある話だ、非常によくある話だ、奴等の気配がする。なんとなくだけれどね

できれば手遅れにならなければ良いが。さて……

【SPD】『情報収集』で行方不明者の近しい人物を割り出して話を聞いてみよう。いつ居なくなったか、とか。何処の駅なのか、とか。何か怪しい人物は居なかったか、とか。恨み辛みを買っていたりしないか、とか。色々、当たり障り無いように、かつ必要そうなものを聞こう

取り敢えずカバーとしては探偵辺りが良いかな、探偵として振る舞おう。インタビューの際には『コミュ力』を使用。

※アドリブや連携など大歓迎です、ご自由にお願いします




「……ふむ」
 情報をくれた女性に礼を言い、その助成の住宅から出てきた後、在連寺・十未(アパレシオン・f01512)は思案する。
 行方不明となる異世界の終着駅。
 良くある話だ、非常によくある話だ。都市伝説としては。
 だが、奴等の気配がする。漠然とした勘ではあるが、在連寺は感じ取っていた。
 そう考えている彼女へ、声が掛けられる。

「どうでしょうか。何か聞き出す事は出来ましたか?」
 一人は銀の髪をした中性的な少年。ジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)
『コチラも学生を中心ニ、話を聞けマシタヨ』
 もう一人はマスクで口元を隠す、金の髪をした少女人形。ジードの別人格であるメアリだ。
『マァ、同じような話シカ聞けマセンデシタケド」
 どの学生も、噂以上の話は知らない。というのがジード達が得た駅の情報であった。
「ですが、本命は在連寺さん。お話は聞けましたか?」
「ああ、一応は」
 ジードが学生達から得た情報は駅についてだけでは無かった。その駅へ向かって行方不明となった人物の身元についての情報も聞いていた。
 そしてその情報を在連寺へと送り、在連寺は行方不明者の近親者へと話を聞きに向っていたのだ。
「だが、期待はしないでくれ」

 複数の行方不明者の親に話を聞いては見たが、居なくなった時間帯も、動機もバラバラであった。誰かから恨みを買われていた人物もいれば、特にそういった話のない人物もいた。何処の駅をよく利用するかもバラバラ。
「それでも共通点を上げるなら、行方不明者の利用する駅は全部同じ路線だった。それくらいだね」
「そう…ですか」
『碌な情報、得られマセンデシタネ』
「いや、そうでもない。動機も身分も境遇もバラバラ。であれば、相手は誰でもいいんだ。敵は駅の利用者を無差別に襲っている」
「…!それって、つまり」
『カナリやばくナイデスカ?』
「深夜に現れるのも人目があまりつかない、とかの理由かもしれない…」
 出来れば手遅れにならなけらば良いが。
 三人の猟兵は、不安にかられながらも調査を続ける。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

グレース・マクローリン
【SPD】
深夜の駅で…?アタシそういう類の都市伝説みたいなハナシ大好きだね!

…とアタシの好みの話はともかく。行方不明になる前に周囲に言いふらしてたって事は噂自体は割と有名なものらしいし、【コミュ力】さえあれば昼間の内にその駅の駅員の人や駅の利用者の人達から色々と噂やら話を訊いてまわるんじゃないかな?
特に駅員の人なら何か知ってそうだしね!
【連携・アドリブ大歓迎です】


四季乃・瑠璃
【ダブル】で常に分身。本体:瑠璃、分身:緋瑪

瑠璃がスマホ、タブレットから掲示板やSNSで「終着駅」の具体的な噂や実際に噂を確かめると言ってた人達の話を中心に情報収集。
緋瑪がその間、同じくらいの学生や駅員中心に噂全般について聞き込みを実施(男性で情報を渋る相手には【誘惑】も使用)
瑠璃もネットでの収集を終えたら緋瑪と合流し、二人掛かりで情報を収集。
得た情報を精査して、条件通りに深夜に駅に忍び込んで件の電車に乗り、終着駅に向かうよ

「こういう噂って、やっぱり学生か実際の駅員さんが詳しそうだよね、瑠璃」
「地元特有の噂かな…?こういう怪談話って多いけど…」

※アドリブ等歓迎




 とある駅構内。そこでは二人の猟兵が駅員相手に質問を行っていた。
 グレース・マクローリン(現代湖賊・f12443)と、緋瑪――オルタナティブ・ダブルにより別れた四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)の別人格である。
「異世界の終着駅…ですか」
「そう。終電が過ぎた後に現れる列車に乗ると行けるっていう噂。ここ周辺で流れてるんでしょ?」
「地元の駅員さんなら詳しいかな、と思って♪教えてくれないかな?」
 緋瑪が男性駅員へ屈託のない笑顔を向けて、詰め寄る。
 男性駅員もそんな彼女達のしつこさに音を上げたのか、遂に話し始めた。

 終電後に駅に現れるという列車は、駅員達には目撃されたことは無いが、列車が深夜に動いていたという証拠は確認されているらしい。
 始発前に列車の点検、燃料の補給など行われるのだが、明らかに燃料が昨日の終電時点より少なくなっていたり、停車されている場所が少し変わっていたり、そう言った事が噂が流れ始めた頃から起こっていたらしい。
 だが何処の誰が行っているのかは分からない。動く列車も毎回毎回違う物が、はては別の路線の物まで使われているので夜通し見張っていても犯人は見つからなかったようだ。

「別の路線も列車まで使われるなんて…そんなの、ユーベルコードでも使わないと無理だよね?」
 駅員と別れたグレース達は、駅の外へと出ていた。
「うーん…益々怪談話じみてきたね…っと、来た来た」
 緋瑪が自分達の元へやってくる人影に気がつく。二人とは別行動を取っていた瑠璃だ。
 瑠璃は掲示板やSNS、ネットから情報を得る為に調べていた。
「お待たせ。面白いものが見つかったよ」

 瑠璃の持ってきた情報は、二つ。
 一つ目の情報は噂の出処。SNSにより拡散された情報を辿っていくと、あるオカルト掲示板へとたどり着いた。
 そこには件の噂についての書き込みがされていた。調べた中で、最も古い、始まりの噂だろう。だがそれ以上のことは瑠璃には調べる事が出来なかった。
 二つ目の情報は、終着駅について。
 その路線の終着駅周辺には、既に廃線となっている別の路線が存在しているらしい。
 元々は繋がっていたが、過疎化により駅の利用者が居なくなってしまった為、現在の終着駅を最後に、その先の路線は断たれ、取り壊されたようだ。

「私が見つけた情報はコレくらい。終着駅の先に、もう一つの駅があったみたいだね」
「その廃線の駅…怪しいな」
 三人は情報を他の猟兵達にも共有して、再び調査の続きへと戻っていく。

 いよいよ、調査の終わりが近い。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

月山・カムイ
人が行方不明になる列車とは、これはまた奇怪な……
百聞は一見にしかず、とも言いますのでまずはその駅の調査、ですね

【POW】
まずはその駅へ行ってみて現地調査
他の猟兵とも情報交換しつつ動けるなら、手分けして効率よく行えるでしょう

駅の時刻表にて終電の時間を確認
噂話にて言われている時間帯には電車が無い事
その路線の終着駅について上りも下りも確認
昼の内にそちらも確認しておきましょう
駅員から話を聞くのも大事でしょうね

本格的な調査としては、実際にその列車に乗り込んでみる
これが確実でしょうね
電車になにかあるのか、電車から降りた時になにかあるのか
どちらに転んでも良いように動きましょう


タールダール・ダルタン
「たるっ、たーるっ、たるっ!」
(くらいとこ、たーる、すき!)

路傍の樽となって道行く人を観察します。
たるです。たるはいます。
行方不明者の話をしている人が居たら聞き耳を立てます。
よろしくおねがいします。

話をしている人が離れていくなら、こっそり影に紛れて後を追います。たるはいます。
液状化したり影に溶け込んだりして、なるべく気づかれないように気をつけます。たるです。
気づかれそうになったら樽に逃げ込んでやり過ごします。たるはいます。

一通り聞き耳したら、後は夜まで駅で待ちます。たるです。
夜になるとワクワクです。たるはいます。
でも、どうやって終電後の駅に入り込めたのでしょう?
夜がとても楽しみです。たるです。


ブライトネス・フライハイト
ここは虎穴に入らずんばにゃんとやら、だにゃ。
深夜の電車を乗りまわって件の駅とにゃらに行ってみるのにゃぁ。

我輩の【料理】スキルで眠気覚ましのお茶と、夜食がてらお弁当を用意していくのにゃ。
(もし複数人と行動するなら人数分用意するにゃ)

さてさて、駅に着いたのにゃら周囲を確認してから降りるのにゃ。
周囲の様子や駅の様子、駅名を確認した後は改札や駅構内の探索に入るのにゃ。
我輩の【情報収集】でとりあえず駅の中をじっくりと探索にゃ。
未知の場所ゆえ、時々休憩しにゃがら体力温存にゃ。

駅内部の探索が終わったにゃら、駅の外を調べるのにゃぁ。




 とある路線の終着駅。噂の舞台となっている最後の場所。
 そこは人の出入りが少ない、無人駅であった。
 列車から一歩降りれば、眼の前に広がるのは立派な田園風景。冬場なので稲は無く、殺風景であるが。
 まばらに民家が建っているのも見えるが、やはり殺風景である。吹き抜ける風が余計に肌寒く感じる。
「百聞は一見にしかず、とも言いますが…これはまた寂しい所ですね」
 現地調査にやって来た猟兵は三名、その内の一人、月山・カムイ(絶影・f01363)がふと言葉を漏らす。
「とは言え、虎穴に入らずんばにゃんとやら、だにゃ。注意して調査するにゃ」
 もう一人の猟兵、ケットシーであるブライトネス・フライハイト(ケットシーのフードファイター・f04096)が月山を見上げながら戒める。
 ここは未知の場所。気の緩みが危険に繋がるかもしれない。
「ええ、分かっています。十分に気をつけましょう」
 ブライトネスの言葉に頷き、気概を見せる月山。

「たる…(さむい…)」
 そうした彼らの後ろから樽が転がってくる。タールダール・ダルタン(樽詰めタルタルソースタール風味・f13756)である。寒さで樽に籠もっているのだ。何故樽なのかは本人しか知らない。
「…彼女は私が運びましょう」
「うむ、頼む。我輩では重くて持ち運べにゃいだろうし…」
「たる?」
「…意思疎通は出来るみたいですが…彼女、喋れないのですかね」
 月山が転がってきたタールダールが詰まった樽を抱えて、猟兵達は周辺の調査へといよいよ向かっていた。

 月山が数少ない利用者から話を聞き出す。
 話しによれば、この辺りにまで終電を使って列車を利用する人物はいないらしい。この終着駅周辺自体には被害が殆ど無いらしい。更に言えば、一部の人は噂が流れていること自体知らない人もいた。
 ブライトネスも、駅そのものを調べてみる。
 人数名が座れる屋根付きのベンチが一つ。当然改札と言った物もない。
 念のために調べても見るが、特別何か特殊な仕掛けがある訳でも無かった。
 たるはたるでした。

 気づけば日が傾き始めた。人からも、駅そのものからも、特別コレといった何かは見つからなかった。
 ブライトネスが持ち込んできた温かいお茶で少し休息を取りながら、月山とブライトネスが相談する。
「となれば、後は廃線…ですかね」
「他の猟兵からの情報だったかにゃ?この駅の先に使われなくなった路線があるとか」
「調べるとなると残っているのは其処だけだと…おや?」
「どうかしたかにゃ?」
「いえ、タールダールさんの姿が見えなくて。ここには樽しか残っていませんから」
 その時、駅真下の草むらからガサガサと音がする。
 とっさに武器を構える二人。だが現れたのは
「…たるっ!」
 液状化したタールダールであった。その手…手?には何かが握られていた。
「それは一体?」
 ブライトネスが手に取り、灯りの元で確認する。
 それは学生が使用する、一般的なローファーの一足であった。
「…!何処でコレを見つけましたか。案内して下さい!」
 月山の問に答え、タールダールが二人を導いていく。
 鬱蒼とした草むらの下には、廃線の名残であろう線路が見える。
 草むらを向けた、線路の先にはトンネルらしきものが見える。
 しかしトンネルは土砂で詰まっており、先に向かうことが出来ない。液状の身体を持つタールダールであっても、通り抜けられるような隙間も見当たらない。
 タールダールは、このトンネルの前に靴が落ちていたのだと二人に伝える。
「…このトンネルは、かなり怪しいですね」
「しかし塞がっている以上、先を調べる事は出来そうににゃい。それに、穴を掘るにも時間も足りにゃいにゃ」
 ここは一旦駅に戻って、他の猟兵が来るのを待つべきだ。そう判断する三人の猟兵。

 件の列車が現れる、その時間が近づいていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『六零六『デビルズナンバーへいし』』

POW   :    悪魔の長剣(デビルロングソード)
【ロングソードによる攻撃】が命中した対象を切断する。
SPD   :    悪魔の連携(デビルコンビネーション)
【一体目の「へいし」の攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【二体目の「へいし」の攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    悪魔の武器(デビルウェポン)
自身の装備武器に【悪魔の力】を搭載し、破壊力を増加する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●深夜
 調査をしていた猟兵達も終着駅へと集まり、駅周辺に身を隠す。
 全員が、終電後に現れるという列車がやって来るのを待っていた。

 そしてその時が来る。暗闇にライトが見えた。件の列車が終着駅へと向かってくる。だが様子がおかしい。
 駅にもうすぐ着こうとしているのに、スピードが落ちる様子が一向に見えない。
 そして列車は終着駅で止まる事無く、その先へと走り抜けていく。
 猟兵達も急いで列車を追いかける。あの先のトンネルは土砂で道が塞がれていた筈だ。

 だがトンネルまでたどり着いた猟兵達は、奇妙な物事を目にすることになる。

 トンネルを塞いでいた筈の土砂が見当たらない。掘り起こされた様子はない。完全に消え去っている。
 そのトンネルの先から、何かが走ってくる。
 人だ。服装からして学生だろうか。必死の形相でトンネルから抜け出そうとしている。
 その時、更に飛んできた何かが、その学生の頭部に取り付いた!
 頭部だけでない。胴に、腕に、足に。焦げ茶色の鎧が取り付けられ、最終的に完全に鎧に身を包んだ、兵士の姿に変化する。
 そしてトンネルの先から、同じような姿をした兵士が列をなして現れる。

 間違いなく、あの兵士はオブリビオンだ。つい先程まで逃げようとしていた学生の兵士も、今はあなた達猟兵に襲いかかろうとしている。

 戦闘だ!
月山・カムイ
あの土砂が完全に消えた……何か仕掛けでもあるんでしょうかね?
っと、それよりもあの鎧
アレが行方不明者を操っているという状況ですか?
そして、あの数字は……まさかとは思いますが

以前に遭遇したデビルズナンバーという敵を思い出す
鎧型のUDCなのか、それとも……

どちらにしても操られているのなら、助けたいところですね
絶影に込められた破魔の力で解呪を行い、鎧だけを断ち切る事が出来るならあるいは?
それでは、私が前衛を努めましょう
連携攻撃が怖いところですが……なに、当たらなければ良い

鎧だけを断ち切り、操られている人々を救う
その後はその元凶を倒す、話がシンプルになってきましてね
では、参る!


一一・一一
噂の都市伝説は違ったけど、これは許されないっすねぇ
とりあえずできる限り気絶させときたいっすね

軍用シャベルを構えて『戦闘知識』をもって『二回攻撃』で迎撃します
集団に囲まれたらなぎ払いで対応
またUC『噂話から産まれし物語』で都市伝説『赤いちゃんちゃんこ』を作り出し相手の顔面になげつけて視界を塞ぎます




 猟兵達の前へ、行く手を阻むように立ち塞がる鎧のへいし達。
 猟兵達もそれぞれを武器を手にして、戦闘態勢へ。
「あの鎧…アレが行方不明者を操っているという状況ですか?」
 月山・カムイは先の調査まで塞がっていた土砂が完全に消え去っている事に疑問を持ちつつも、今は目の前の敵と考えを切り替える。
 へいしの鎧に刻まれた、606の文字。
 何時か戦ったUDCと同型の敵か。一般人に取り付いたという事は、あの鎧が本体だろうか。
「噂の都市伝説は違ったけど、これは許されないっすねぇ。とりあえずは出来る限り気絶を狙いたいっすけど」
 一一・一一(いかず・いいち)も折り畳んでいた軍用シャベルを組み立てて、へいしへとシャベルの切っ先を突きつける。
「…同感ですね。では、参る!」
 月山も小太刀『絶影』を手にして、二人はへいしの集団へと立ち向かう。

 まるで生気を感じさせない動きで、へいしのロングソードが振り下ろされる。
 月山はその単調な動きを即座に見切り、身を躱して『絶影』の一太刀をへいしの鎧へと刻みつける。
 一一は軍用シャベルでロングソードを受け止める。重い一撃、だがどうという事はない。ロングソードを跳ね除けて、見えた土手っ腹目掛けてシャベルの腹を叩きつけて、へいしを吹き飛ばす。
 破魔の属性を乗せた『絶影』は斬り付けた鎧から力を奪う。結果、へいしの鎧はボロボロと崩れ落ちて元となった一般人を解放する。
 シャベルの一撃も、地面へ叩きつけられる衝撃でへいしの鎧をバラバラに散らばらせる。
「ヨシ、十分通用するっすね!」
 そんな一一へと、再びへいしの攻撃が迫る。
「通すか…っ!」
 そこへ月山が割り込み、へいしの攻撃を受け止める。そこへ好機と言わんばかりに、二体目のへいしが剣を振り上げ、飛びかかる。
「おっと、させないっすよ!」
 【噂話から産まれし物語(フレンド・オブ・ア・フレンド)】。一一のユーベルコードにより複製された『赤いちゃんちゃんこ』が、飛びかかるへいしの顔へ投げつけられる。
 視界を塞がれた二体目のへいしは、体勢を崩されそのまま地面へと激突する。
「感謝――ではそのまま動かないで」
 月山が受け止めていた一体目のへいしの剣を弾いた、その瞬間。
 【無響剣舞・絶影(アウトレイジ・ソードダンス)】。秒間数千万にも及ぶ斬撃が、月山周辺のへいし達へと襲いかかる。
 一一へと攻撃が及ばないよう器用に振るわれた斬撃は、帯びていた破魔の力も相まって周辺のへいしを無力化に追い遣る。
「おおう…お見事っす」
「ええ、この調子で助け出していきますよ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

四季乃・瑠璃
緋瑪「最初の様子からすると鎧が本体?素体は助けられるかな…?」
瑠璃「まぁ、多少の手加減はしてあげるけど、わたし達に当ったのが運が悪かったってコトで♪」

【ダブル】で分身継続

手始めに、近くの一体に【範囲攻撃、鎧砕き、鎧無視、二回攻撃、早業】で接触式ジェノサイドボム(以下ボム)を中身が死なない程度に火力調整して爆破。鎧砕きで助けられそうか確認。助けられるならそのまま火力を抑えて敵集団を爆破しつつ、麻痺毒ナイフで中身の動きを止める等した後に鎧を破壊して救助。
助けられないなら遠慮なく中身ごと火力全開で爆破殲滅する。

緋瑪「わたし達は二人で一人の殺人姫♪」
瑠璃「遠慮も容赦もしないよ」

アドリブ等歓迎


ヴェル・ラルフ
行方不明者は兵士にされていたわけか。
下手に傷つけないようにしなきゃね。まずはナイフじゃなくて、如意棒兼トンファーでいこうかな。

SPD
[早業]をいかして[ダッシュ][残像]
まずは如意棒で足元を[なぎ払い]
そのあとは[フェイント][だまし討ち][2回攻撃][気絶攻撃]で首か頭を狙おうかな。

鎧から解放されるのかは分からないけど、体の方は、ちょっと倒れてて。

重そうだし、剥がせるものなら剥がしておこうかな。

もし鎧のみで動いて攻撃してくるようなら、迷わずナイフを使って【シーブズ・ギャンビット】

ふふ、鎧って重そうだね。遅いんだもの。

他の猟兵との連携歓迎




「行方不明者は兵士にされていた訳か。下手に傷つけないようにしなきゃね」
 そう言うとヴェル・ラルフは如意棒『残紅』を折りたたみ、その形状をトンファーへと変える。
 本来であればナイフで…そう考えていたが、相手は操られているだけの一般人。出来るだけ安全にと、ヴェルは考える。
「最初の様子からすると鎧が本体?素体は助けられるかな…?」
「まぁ、多少の手加減はしてあげるけど、わたし達に当ったのが運が悪かったってコトで♪」
 そんなヴェルの考えには関係なしと、【オルタナティブ・ダブル】により二人組となった四季乃・瑠璃と緋瑪が遠慮も容赦もなく言い放つ。

 手始めにと言わんばかりに、瑠璃が一体のへいしへと何かを手早く投げつける。
 ソレがへいしへと接触した瞬間、爆発が起こる。彼女手製のジェノサイドボムである。
 火薬の量を抑えた、様子見用の一発であったが、それでもへいしの鎧を砕いて無力化させるには十分な威力を持っていた。爆炎が晴れたその場には、ほぼ無傷の一般人が倒れていた。
「なんだ、コレで大丈夫なんだ…それはそれで物足りないけど」
 今度はへいしの集団へと、同じジェノサイドボムが投げ入れられる。へいし達も脅威から遠ざかるようにその場から散らばるが、
「あれ?わたしの事忘れてない♪」
 緋瑪の別方向より投げられる爆弾により爆発が起こる。更に誘爆という形で瑠璃の爆弾も炸裂する。
 先程の物よりも強烈な爆風が、へいし達を逃さず巻き込んで、その鎧を吹き飛ばす。

「…随分楽でいいね、彼女達」
 そんな二人を眺めているヴェルへと、へいしの剣が迫る。
 へいしのロングソードはヴェルを切り裂いた…と思いきや、そこには誰も居ない。へいしはヴェルの残像を誤って捉えていたのだ。
 瞬間、へいしの天地が引っくり返る。
 残像を残す程、素早く動いていたヴェルが如意棒によりへいしの足元をなぎ払っていた。
 鎧の自重もあり、いとも簡単に倒れるへいし。
 追撃の如意棒がへいしの兜を叩き割ると、身に纏う鎧も同じ様に砕け、霧散していった。
「ふふ、鎧って重そうだね。遅いんだもの」
 微笑みながら、次のへいしへと狙いを付けて、ヴェルは戦場を駆け抜けていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

タールダール・ダルタン
「たーるっ、たるっ」
(よろいは、へいし)
「たるるっ、たるっ」
(がくせいさんも、へいし)

「たるっ」
(たべちゃおうね)

たるです。
樽は闇を見つめます。たるです。
ただ、そこにたるはいます。
よろしくおねがいします。

樽は大きな樽を呼びます。たるです。
樽は大きな樽に入ります。たるはいます。
大樽は蜘蛛の巣を飛ばします。たーるです。
蜘蛛の巣は絡みつきます。たるです。
蜘蛛の巣は樽に引きずり込みます。
つ か ま え た 。

樽は咀嚼します。ばり。ぼり。
ヒトは救出対象らしいです。ばり。ぼり。ぺっ。

よろいはおいしくありませんでした。たるです。
そこにたるはいますか?
たるです。よろしくおねがいします。

つぎはだれかなぁ?




 樽詰めのタールダール・ダルタンが、じっとへいしを見つめている。
 闇の様に真っ黒な液体の中に、真っ赤な二つの点が爛々とへいしを見つめている。

「たーるっ、たるっ」(よろいは、へいし)
「たるるっ、たるっ」(がくせいさんも、へいし)
 誰にも理解されない言葉、彼女にしか理解できない意思。
 人は、未知であるが故にソレに恐怖の感情を抱く。

「たるっ」(たべちゃおうね)
 きっと、それは、へいしも変わりなく。
 現れ出る異様な巨大樽がその証明。タールダールが巨大樽の中へと入り込む。
 大樽よりドス黒い蜘蛛の巣が放たれる。
 蜘蛛の巣はへいしを絡め取り、逃さない。
 もがけばもがく程、粘着性のある蜘蛛の巣はへいしの動きを奪っていく。
 完全に動けなくなった。
 ドス黒い糸はへいしを捉えたまま、大樽の中へと戻っていく。

 鉄の砕ける音がする。金属同士が擦れ、削れる、心を掻き毟る不快な音が響いてくる。

 ペッと、大樽から人が飛び出してくる。へいしの中に捕らわれていた一般人だろう。
 操られている最中、意識を奪われていたのは幸運だったであろう。

 音が止み、大樽からタールダールが顔を覗かせる。
 味があまりよろしく無かったか。心做しそう見える。

 次の獲物を探して、ギョロリと赤い瞳が闇の中で動いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

六六六・たかし
【アドリブ歓迎】

俺がいつからいたかなど問題ではない。
今、問題なのはあいつらデビルズナンバーだ。
あいつらを倒す。そのために俺は存在している。
変…身…!!

【POW】
デビルズナンバーへいしか…寄生型のデビルズナンバー厄介な相手だが…。
所詮は量産型、俺の相手ではない。
だが、中身は人間だ。殺さず気絶させなくてはな。
『デビルチェンジ』で変身し「たかしブレード」で応戦しながら
隙を見て、相手の首元狙って峰打ちを仕掛ける。
少し痛いだろうが…まぁ、死ぬよりはマシだろう。


ジード・フラミア
ジード「あのオブリビオン全部に人が閉じ込められているのかな……?殺したくないよ……」

メリア『ナラ、閉じ込めまショウカ。元凶のオブリビオンを、倒せば元に戻るかもしれマセンシ、戻らなくても後に対処しやすいデショウ。』

ジード「そう…だね… 中の人にはできるだけ衝撃が行かないように気をつけよう。 メリア、穴を掘って。」



変化する人形を使用

メリアに掘削機を付けて、線路から少し離れたところに落とし穴を開けます。
その後、穴にへいし達を誘き寄せ、落ちたところをスクラップで蓋をして閉じ込めます。




「あのオブリビオン全部に人が閉じ込められているのかな…?殺したくないよ…」
 幾らオブリビオンであろうとも、一般人が人質にされている。万が一の事を考えると…。
 ジード・フラミアは戦いに乗り気になれなかった。
『ナラ、閉じ込めまショウカ。元凶のオブリビオンを、倒せば元に戻るかもしれマセンシ、戻らなくても後に対処しやすいデショウ。』
 多重人格者である彼のもう一つの人格、メアリがからくり人形の身体を通してジードに語りかける。
 確かに、無傷で封じ込める事が出来れば、後々に一般人を安全に救出出来るかもしれない。
「いや、そう悠長には出来ない。もし逃げ出されてしまえば、後で挟み撃ちになる可能性もある…ここで倒すしか無い」
 二人の会話に、たかしが割って入る。
「デビルズナンバーへいしは寄生型の厄介な相手。だが所詮は量産型…俺達の敵ではない」
「そう…ですか……え、誰、でしょうか?」
 ごく自然に会話に入ってきた六六六・たかし(悪魔の数字・f04492)にジードは驚くが、たかしは気にする様子もなくジード達の前へ出る。
「俺の事などどうでもいい。今問題なのはあいつらデビルズナンバーだ…俺が時間を稼ぐ。お前達は、お前達のやるべき事をしろ」
 そう言うと、たかしはへいし達の集団へと向かっていった。
『…ドウヤラ、此方の意図は組んでいる様子デスネ。デハ、やっちゃいマショウカ』
「う…うん…そう、だね。メアリ、穴を掘って」
 【変化する人形(メリア・アタッチメント)】により、メアリの腕にスクラップから作られた掘削機が取り付けられる。

 へいし達の前に、たかしが躍り出る。
「お前らを倒す。そのために、俺は存在している」
 たかしの腰に付けられたドライバーのスロットが回り出し、ドラムロールが鳴り始める…。
 当然、へいし達の注目はたかしに集まるだろう。
「変…身…!!」
 掛け声と共に、たかしが光に包まれる。
 【悪魔の変身(デビルチェンジ)】。光が収まり現れるのは、青い鎧武者となったたかしの姿。
「俺の名はたかし…デビルズナンバー、たかしだ!」
 まるで日曜朝の特撮の様に名乗り上げ、たかしは『たかしブレード』を手に、へいし達へ肉薄する。
 へいしのロングソードを、たかしブレードで弾き、いなし、攻撃を捌いていくたかし。複数人による連携も、強化状態である今のたかしには相手にならない。
 守り続けては、隙を見てはへいしの首元を狙い峰打ちを仕掛けるたかし。
 数体は無力化されては行くが、それでもへいし達の数はまだ多い。

「たかしさん!」
 そこへ掛かるジードの声。待っていたと、たかしはへいしとの攻防を切り上げ、ジードの元まで跳び下がる。
 へいし達も、逃げるたかしを追い掛けて走り出すが、
 突如として陥没する地面。
 メアリの作った落とし穴であった。たかしが戦っている間に、あちこちに作り上げていた。
 穴に嵌ったへいし達は、直ぐ様出ようともがくが、
「逃がすか…!」
『コチラもドウゾ!』
 たかしブレード・ガンモードによる射撃に、不要となったメアリのスクラップが、身動きの取れないへいし達へ襲いかかる。
 スクラップがへいしにぶち当たり、たかしの射撃がスクラップへと当たり、追撃とばかりに爆発する!

 彼らのへいしが、最後の集団であった。これにより全てのへいしが倒された。
 スクラップによる爆煙が晴れた後には…何も残ってはいなかった。
「何…!?」
「嘘…どうして…」
 鎧の残骸も残っていない。それはいい。しかし一般人が何処にもいない。かと言って肉片や血の跡など、最悪の被害が起こった様子もない。
 他の猟兵達も戦いが終わり気づくだろう。確かに存在していた筈の、一般人の姿が見えない。救出し、安全な場所に避難させていた人も居なくなっている。

 その時、猟兵達全員が同じ声を聞く。
「コッチよ、猟兵さん」
 その声は、トンネルの奥から聞こえてきた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『『都市伝説』隙間少女』

POW   :    領域
【蜘蛛の巣の様に空間の裂け目】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    恐怖
【周囲に作り出した多数の空間の裂け目】から【今まで異空間に捕われていた一般人】を放ち、【その感情を操り、猟兵達に抱き着かせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    移動
小さな【空間の裂け目を作り、その裂け目】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【異空間で、別の場所に裂け目を作る事】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達が声のしたトンネルの先へと向かうと、そこには先程通り過ぎ去っていった列車と、だいぶ古びた廃駅が存在していた。
 そこに、一人の少女の姿が見える。
 赤い学生服の少女。しかし猟兵のあなた達は、彼女のただならぬ気配を感じ取るだろう。

「もう少しで新しい都市伝説が出来そうだったのに、本当に残念…面白いおもちゃだったのに」
 廃駅から路線へと、フワリと降りてくる少女。

「逃げる事も出来そうも無いし、仕方がないから直接殺してあげる。猟兵さん」
 そうやら彼女が今回の事件の黒幕であるらしい。

 明確な殺意を見せている『隙間少女』が、あなた達に襲いかかる!
一一・一一
隙間女ならぬ隙間少女っすか
都市伝説は噂の数だけ派生があるっすねぇ

それはさておきお仕事っすね
上手くいくがどうかはわからないっすけど「噂話から産まれし物語」で携帯電話を作るっす
携帯電話の音量スピーカーにして「投擲」して携帯からの声を隙間少女にきかせてUCの発動条件を満たすっす
投げたあとは「逃げ足」でUC範囲外に逃げたあとにスナイパーライフルで狙撃するっすよ


ジード・フラミア
メリア『ソウデスネ……タマには、ベーシックに剣と盾で戦いマスカネ。ジード!武器ヲ作ってクダサイ!』

ジード「わかった!連れ去られた人達は任せて!」


メリア・アタッチメントを使用

剣と盾をメリアに取り付けます。相手のユーベルコード『●恐怖』で出てくる一般人はメリアが盾で守り、ジードがメリアから引き剥がし少し離れた場所まで連れて行き保護します。


月山・カムイ
や、いりませんからそういうの
都市伝説はただの都市伝説として、本当に危険があるようなものである必要はないんですよ
だから……貴女もここで滅んでいただきます

決然とそう言い放って、戦いを挑む
やるべき事は彼女の領域によい放たれる裂け目の攻撃をすべて迎撃すること
無差別の攻撃とはいうが、意識を持つものが放つ攻撃なら法則性はある
ならばその全てを見切って見せよう、その全ての攻撃にカウンターで相殺してみせよう

問題は恐怖の効果により囚われていた人を斬ってしまわぬよう注意しなければいけないこと
蹴り倒す位はしてもいいが、やはり気持ちのいい状態ではありませんね、コレは




 猟兵相手だろうと、不敵に笑う隙間少女。
「や、いりませんからそういうの」
 最初に動いたのは月山・カムイだ。彼女の言葉に、明確な不快感を示す。
「都市伝説はただの都市伝説として、本当に危険があるようなものである必要はないんですよ」
「あら?危険、脅威は手っ取り早い恐怖への近道よ。赤マント、口裂け女、メリーさん…まぁ、今回は見つかってしまったけれども」
「だから、どうでもいいと言っている」
 決然とそう言い放ち、月山は隙間少女へと肉薄する。
 小太刀『絶影』を手に、斬りかかろうとするが、
「まぁ怖い」
 隙間少女の周囲の空間がひび割れ、何かが溢れ出す様に飛び出してくる。
 それは人だった。単なる一般人であった。
 記憶の良いものならば、そこに行方不明者となった人物が居るのに気づくだろうし、先の集団戦でへいしとなっていた人物も混じっている事に気づくだろう。
 彼らは皆一様に、恐怖の形相をして猟兵達へと掴み抑えかかろうとしてくる。
 オブリビオンの隙間にて何を見せられたのであろうか。どうあれ、皆正気でなかった。植え付けられた恐怖により、隙間少女の手駒となっていた。
「全く面倒な…!」
 近寄ってくる一般人を避け、それでも張り付いてこようとする相手を蹴り飛ばす月山。幾ら邪魔をしてくる相手だとは言え、一般人に危害を加えるのは流石に気分が良くない。月山の心に苛立たせ、苛立ちは隙を作る。
 隙間少女はニタリと笑い、一般人が張り付く月山へ掌を向けて――

「そこっす!」
 隙間少女が攻撃しようとした瞬間、取り巻く一般人の一瞬を突いて、一一・一一(いかず・いいち)が少女目掛けて今どきにしては古臭いガラケーを投げつける。
 中断目的での行動は解る。だが一一の意図不明な投擲物に、文字通り首を傾げて避ける隙間少女。
 その声は、一瞬。されど確かに少女へと届いた。

 『もしもし?私、メリーさん』
 ――今あなたの後ろに居るの。
 突如として大きく仰け反る隙間少女。その背にはいつの間にかナイフが突き立てられている。
 【背後に立つ少女人形(メリーサン)】が発動した証明であった。

『ハイハイ、邪魔な人達は回収しマショウネ!』
「連れ去られた人達は任せて下さい!」
 ジード・フラミアとメアリが、月山と一般人との間へと割り入ってくる。
 ジードの【変化する人形(メリア・アタッチメント)】により、剣と盾を装備したメアリが一般人達を受け止め、気絶させていく。
 そうして無力化され動けなくなった人達を、ジードが救出していく。
 結果的に言えば、月山と隙間少女を隔てる障害は無くなった。

「非道いじゃない…同じ都市伝説仲間だと言うのに…」
 隙間少女が今度こそ掌を月山へと向ける。
 バキリ、と目の前の空間が蜘蛛の巣のようにひび割れると、バキバキと音を立てて、空間のひびが広がっていく。
 ユーベルコード、【領域】。空間断絶による無差別範囲攻撃。
 しかし月山は落ち着いて、ひび割れていく様を見ていた。
 彼らには感謝を。お陰で冷静になる時間が作れた。
 小太刀『絶影』を一度鞘に収め、一呼吸。
 蜘蛛の巣の様に広がっていく敵の攻撃。見切るのに、そう複雑な思考は必要なかった。
 【無響剣舞・絶影(アウトレイジ・ソードダンス)】。視認困難な無数の斬撃が、蜘蛛の巣状の空間の裂け目に対抗するように放たれ、ソレだけでなく斬撃は裂け目の元となった隙間少女にまで届いた。
 大半は彼女の【領域】に阻まれてしまったが、月山の放った斬撃は確かに少女の身体を切り裂いた。

「ふ…ふふ…非道い、非道いわ…」
 それでも不敵な笑みを絶やさない隙間少女。その姿は非常に不気味で、まだ余力を残している様に見えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

在連寺・十未
【すでに敵ユーベルコード・恐怖が使われている場合】
猟兵に眼と耳を塞げ、と注意した後ユーベルコード起動、一般人を無力化する

【敵ユーベルコード・恐怖が使われていない場合】

何より先にまず首を狙って鋼線を飛ばす。避けられるのは承知の上での不意打ちを試みる。その後も執拗に追撃を加え【恐怖】を使わざるを得ない状況まで追い詰める。敵が【恐怖】を使用したならば猟兵に注意後ユーベルコード起動、一般人を無力化する

なんとかして一般人は解放させる。何があろうと。

……やはり糸を引いてるのが居たか。少し遅くなってしまったな、『隙間少女』。お前は違いなく殺すがその前にとったものを返してもらう。

※アドリブや連携など大歓迎です


六六六・たかし
【アドリブ歓迎】

D№へいしが単独でいるはずがないとは思っていたが…
まさかD№ではないやつがD№のボスとして君臨してたとはな…
お前にさほど興味はないが…D№を利用されても困るんでな、ここで倒させてもらう。


【SPD】
(引き続きモードざしきわらしでお送りします)

ちっ…消えた一般人はどこに行ったと思ったらお前が隠し持っていたわけか…
『悪魔の分身(デビルアバター)』を使って「四六七・かかし」を分裂させる。
そして一般人からのしがみつきはかかしにかばってもらうことにしよう(技能:かばう)

攻撃をかばわせている間に一気に間合いを詰めて俺の「たかしブレード」で斬る!

デビル!たかし!!スラッシュ!!!!




「ちっ…消えた一般人はどこに行ったと思ったらお前が隠し持っていたわけか…」
 六六六・たかしが先程の戦闘で変身した、青い鎧武者姿のままで戦闘に参加する。
 一般人を傷つける訳にはいかない。その為にたかしは、【悪魔の分身(デビルアバター)】を発動させる。
 呼び出されるは屈強な肉体を持つ木製のからくり人形。合計21体の『四六七・かかし』が、恐怖に支配された一般人をたかしまで到達させない為にかかしは庇い、抑え付ける。
 その間にたかしが『たかしブレード』を手に、隙間少女へと一気に間合いを詰める。
 隙間少女も、その掌に空間のひび割れを作り出し『たかしブレード』の斬撃を受け止める。
「デビルズナンバーが単独でいるはずが無いとは思っていたが…デビルズナンバーとは関係のない、お前がボスだったとはな」
 ギャリギャリと音を立てて、ひび割れと『たかしブレード』が互い譲らずに拮抗する。
「うふふ…面白いおもちゃって事で、最近話題よ。お手軽に人間を拘束出来るの」
 たかしの手に、より力が籠もる。
「お前にさほど興味はないが…デビルズナンバーを利用されても困るんでな、ここで倒させてもらう!」
 『たかしブレード』に全体重を乗せて、押し切ろうとするたかし。
 隙間少女のひび割れを文字通り断ち割り、勢いままに斬りつけようとするが、
 空振り。ひび割れに気を取られている間に、少女は少しだけ後ろへ下がり、『たかしブレード』の間合いから外れていた。
 ならば返す刃で。そう考えていたたかしの行動も、隙間少女は読んでいた。
 既に少女は隙間の中に。空間の裂け目を閉じて、完全にその場から消え去ってしまう。
 少女を見失い、辺りを見渡すたかし。
 その背後から、空間は静かに割れ、隙間少女がゆっくりと腕を伸ばし、

 少女の腕に鋼糸が絡みつく。複雑に絡んだ鋼糸が腕に鋭く食い込み、血が滲む。
 激痛に顔を歪める隙間少女。視線を鋼糸の先へと反射的に向ける。
 黒の衣服に身を包んだ白髪の女が、自分に向けて発砲している姿が目に入る。
 在連寺・十未が自身の拳銃『Weckmann2000』で、間髪入れずに追撃を入れる。
 肩に、脇腹に、在連寺の銃弾が少女の肌を突き破り、血を流す。更なる痛みに隙間少女も声を上げる。
 あの女から逃れなければ。そう考えた隙間少女は、周囲の一般人の思考を操り、更に空間の裂け目から全ての一般人を開放し、一斉に在連寺へと向かわせる。
 自分に向けて一般人を襲わせる。その瞬間を在連寺は待っていた。
「目と耳を塞げ」
 周囲に居る味方への、最低限の配慮。
 次の瞬間には、轟音と閃光が在連寺がいる戦場を包み込んだ。
 ユーベルコード、【stun bomb(スタンボム)】。在連寺の言葉に気づいた猟兵と隙間少女には効果は薄かったが、まともに受けた一般人は皆纏めて意識を奪われてしまう。
 なんとかして一般人は解放させる。何があろうと。
 純然たる覚悟を以て、隙間少女を睨みつける。
「お前は違いなく殺すが、その前にとったものを返して貰う」
「…っ…あなた…!」
「おい、俺を忘れるなよ」
 在連寺の行動に意識を奪われていたが故に、たかしの急接近に気づけなかった隙間少女。
「デビル!たかし!!スラッシュ!!!!」
 たかしの【デビルたかしスラッシュ】が、無防備を晒していた隙間少女に完璧に入る。

「ふ…ふふ…うふふ…!」
 致命傷を受けた筈なのに、それでも彼女は笑い始める。自暴自棄になったのか、何か更に隠し手があるのか、分かりはしないが。
 追い詰めているのは間違いはない。猟兵達は、戦いの終わりが近いのを予感していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴェル・ラルフ
【他の猟兵と協力歓迎】
新たな都市伝説ね。怖い話とか大好きだけど…
オブリビオンが原因でした、なんて陳腐な結末は好きじゃないな。つまらなくない?

なんて、[挑発]して[騙し討ち]してみよう。

[ダッシュ]で距離を積めて[フェイント]で近接SPD攻撃と見せかけて、[早業]ですり抜けて敵の後方に。
WIZ【残光一閃】で動きを封じよう
その隙を他の猟兵さんに頼むよ。

一般人が巻き込まれるのも厄介だから、状況によっては一般の人たちの動きを封じ込めようかな。

都市伝説は謎のままが面白いものだからね。正体見破ったり、なんてされたら、さよなら、だよ。


タールダール・ダルタン
(たるです)
(よろしくおねがいします)
(たるはいます)

(たるはみつめます)(たるです)
(たるはただそこにいます)(たるはいます)
(たるはどこにでもいます)(たるです)
(たるはあなたのうしろにいます)(たるはいます)
(たるはあなたのめのまえにいます)(きいてますか?)

(たるはたるでたるがたるだからたるであなたはたるでわたしもたるでたるはたるでたるもまたたるでありたるですたるだからたるはいますたるのはなしはきこえますかたるですたるですたるですたるですたるたるたるたるたるたるたる)

(あなたはおもいました)

(なぜたるがあるのだろう)

(それはまちがいです)

(たるは

いつでも

あなたのとなりに

たるはいます)




「ふふ…ふふふ…!」
 狂ったように、薄ら寒い笑顔で笑い続ける隙間少女。
「新たな都市伝説ね。怖い話とか大好きだけど…」
 そんな様子に興味なさげに、ヴェル・ラルフは淡々と言葉を放つ。
「オブリビオンが原因でした、なんて陳腐な結末は好きじゃないな。つまらなくない?」
 『隙間少女』というオブリビオンを否定する批判。お前は恐怖では無いと、ヴェルは彼女を挑発する。
「うふふふふ!」
 隙間少女が、一直線へヴェルへと向かう。最早言葉を失った少女に、正常な戦闘判断は下せない。
 己を否定された事に、怒りの感情のままに襲いかかる少女。
 ヴェルもまた、迫ってくる少女へと向かって走り出していた。
 挑発は成功した。後は簡単だ。
 ヴェルは両の手に黒白の短剣を持ち、隙間少女は掌にひび割れを作り出し、互いに距離を詰めて行き、
 攻撃が届く、交差する瞬間。ヴェルの姿だけが隙間少女の前から消え去る。
 近接攻撃はフェイント。既にヴェルは、隙間少女の後ろを取っていた。
「――尾を引く茜、影落とせ」
 小さな詠唱と共に、ヴェルの闘気が鎖となり少女へと放たれる。
 【残光一閃(ザンコウイッセン)】。ヴェルの鎖で縛られ、自由を奪われる隙間少女。ユーベルコードの効果により、文字通りの意味で【移動】も出来ない。
「ふ…ふ…!」
 それでも尚、笑いを絶やさない隙間少女。
 せめてもの抵抗だろうか。誰か一人にでも恐怖を植え付ければ、「怪異」として恐れさせる事が出来れば。
 少女は己の存在の為に、不敵に無意味に笑い続ける。


 たるです


 少女はソレを認識してしまった。無差別に恐怖を振りまこうとした故に、見つけてしまった。

 たるはいます

 何でも無い樽。あまりにも不自然な樽。

 よろしくおねがいします

 暗闇の中の暗闇で、燃える瞳が見つめているのを少女は理解した。

 泥のようなぬめりが足元から昇ってくる。燃える。凍える。痛み。無痛。複雑な感触で満たされていきます。

 心臓が塗り潰されます。息が出来ません。声が出てきません。汚臭が意識を支配します。

 金の瞳は暗闇を見つめていました。赤い瞳は暗闇でした。

 真っ暗です。


 結果的に言えば、隙間少女は倒された。一般人は開放され、UDC組織が派遣した部隊が彼らを救助し、保護するだろう。
 だが何があったかを聞かれたのならば、あなた達は皆揃えて口を噤むだろう。
「たるっ♪」
 ただ一人、タールダール・ダルタンだけが、最後の最後まで上機嫌であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月24日


挿絵イラスト