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クローバー畑で捕まえて

#アリスラビリンス #戦後

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#アリスラビリンス
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#戦後


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 深い深い地の底一面にクローバーが生い茂っていた。そのクローバー畑で逃げ惑う青年が一人。
「はぁ……はぁ……っ!」
「あらあら、どこに行っても同じよー?」
「貴方はここから出られないのよー?」
「うるせー!」
 そう言いながらも、オウガから逃げるのは、不幸にもアリスラビリンスに迷い込んだアリスだ。彼女たちを撒き、隠れ、しばらくすると見つかりまた逃げる。それを延々と繰り返している。流石に、体力の限界が近い。
「くそっ……死ぬしかないのか……?」
 アリスはぽつりと呟くと、狭くなった天を見上げた。


 猟兵がグリモアベースに到着すると、グリモア猟兵であるヒース・アーベル(胡散臭い掃除屋・f35538)が真剣な表情で何か悩んでいた。一体何を悩んでいるのだろうか。猟兵が疑問に思っていると、ようやく猟兵たちに気づいたのか、ヒースは顔を上げた。
「ああ、皆さん。お集まり頂きありがとうございます。少し……いえ、だいぶ悩ましい点がありますが、とりあえず私の予知を聞いて頂けますか?」
 勿論だ。猟兵たちは、ヒースの言葉に頷く。
「ありがとうございます。では、早速……アリスラビリンスのとある国、というか、場所ですかね。そこにアリスが迷い込み、オウガに追われています。皆さんにはアリスの救助と、オウガの討伐をお願いします」
 予知の内容としては良くある内容だ。早く助けに行こう、と猟兵はヒースに転送を頼むが、そこで渋い顔をされる。
「早る気持ちは分かりますが、最後まで聞いてくださいね。
 まず、救出すべきアリスは二十代前半の青年です。彼もユーベルコードを使用できますが……正直、あまり期待はしない方が良いでしょう。彼はオウガに追い回され、体力がだいぶ削られています。
 オウガは、魔力の矢やクローバーを使った攻撃をしてくるのですが……彼らのいる場所はクローバー畑ですので、地の利はあちらにあると思って良いでしょう。
 そして、ここからが懸念事項なのですが……」
 先程から、ヒースが悩んでいることか。猟兵たちは彼の話を聞き漏らさないように耳を傾けた。
「あの、ですね。私も一度偵察しに現場へ向かったんですよ。すぐに帰ってきましたが。……何回試しても、大穴の中にいるんです。どうも、アリスたちは、その大穴の底にいるようで。ですから、私が皆さんを転送すると、貴方がたは即宙に放り出され、落下し始めます。底に辿り着くまで結構時間がかかりますので、そこそこの深さはあるでしょう。普通に着地はできないと思いますので、なんらかの対策をしてください。先に言っておきますが、壁を伝うことはできません。穴のど真ん中からのスタートですので、覚悟してください」
 そこまで言い終えると、ヒースはグリモアを召喚して猟兵たちに問いかける。
「……準備はよろしいでしょうか?」
 猟兵たちは、各々宙に投げ出されたときのシミュレーションをすると、こくんと頷いた。
「それでは、どうぞよろしくお願いします。……気をつけて」
 ヒースがパチンッと指を鳴らすと、アリスラビリンスへと転送される。それと同時に、猟兵たちの身体は地の底へと落ちて行った。


萩野 千鳥
 はじめまして、こんにちは、こんばんは。萩野千鳥です。
 早速ですが簡単に説明致します。

『アリス』
 二十代前半の男性です。第二章から登場します。自分を助けてくれると理解すれば、猟兵たちの指示に素直に従うでしょう。
 彼は逃げ続けているせいで、体力を削られています。一応、以下のユーベルコードを使用できます。(以下引用)
「ガラスのラビリンス」
 戦場全体に、【透明なガラス】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。

『第一章:冒険』
 転送された瞬間、落ちていきます。めちゃくちゃ大きくて深い穴なので、壁や地上にはどうあがいても届きません。頑張って地の底に辿り着いてください。

『第二章:集団戦』
 四つ葉の使者との戦闘です。アリスを捕食しようと、集団で追いかけています。各個撃破しましょう。

『断章について』
 今回は、第二章の前に入れる予定です。
 その際のプレイング受付時間等は、タグ上でお知らせ致します。

『他』
 アドリブ、共闘不可の場合は、その旨をお伝えください。(例:ア×、共×、等)
 こちらのシナリオは、〆切無しのまったり進行です。ただし、OP承認後から一ヶ月後よりサポート採用をし始めます。

 どうぞ最後まで、よろしくお願い致します!
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第1章 冒険 『どこまでも落ちていく』

POW   :    気合で底を目指す

SPD   :    道具を使って底を目指す

WIZ   :    魔法等を使って底を目指す

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ベロニカ・サインボード
どこにいようとアリスは救出するわ。私の力はそのための物。アリスを絶望させないための物だから

ワーニン・フォレストの手で私に触れる事で、自分の体に複数の看板をつける。看板で円盤のような形を作れば、空気抵抗で落下速度を落ちるわ
もっとも、パラシュートのようにはいかないでしょうね。着地の直前にワーニン・フォレストで地面を殴りつけ、衝撃を受け止め相殺するわ
無傷でいくとは思ってないけど、無傷である必要はないわ
大切なのはアリスを守ることだから

アリス、無事?あんた…名前は?



(どこにいようと、アリスは救出するわ。私の力はそのための物。アリスを絶望させないための物だから)
 ベロニカ・サインボード(時計ウサギの道しるべ・f35983)は覚悟を決めると、グリモア猟兵の指を鳴らす音を聞いた。瞬間、身体が宙に浮き、落ちていく。もう考えている暇はない。事前に考えていた方法を、ぶっつけ本番でやるしかない。
「ワーニン・フォレスト!」
 ベロニカは彼女の名前を呼ぶ。狼女の姿をしたそのエネルギー体がベロニカに触れると、彼女の身体に看板が生えるようについた。その看板を円盤のような形につけていくと、空気抵抗のお陰か、徐々に落下速度が落ちる。
(流石にパラシュートのようにはいかないでしょうが、このくらいのスピードなら……!)
 アリスの救助のためならば、自らの怪我も厭わない。もうすぐ地底に到達する。地底一面にクローバーが色鮮やかに生えている。ベロニカは、ワーニン・フォレストでその地面を殴るように着地する。その衝撃は、生命体の埒外にあるものである猟兵でなければ、身体が耐えきれなかっただろう。
「――っ、なんとか大丈夫そうね」
 ダメージは受けたが、戦えない程ではない。大切なのはアリスを守ることだ。守るためにも、まずは合流しなくては……
「……!」
 よくよく耳を澄ませれば、がさり、とクローバーを踏む足音が聞こえる。ベロニカはすぐにそちらへ向かうと、隠れていたアリスを発見した。
「――アリス、無事?」
「!! だ、誰だ!」
 アリスと思われる青年は、かなり警戒している。既に走りまわったせいだろう。息はだいぶ上がっているようだ。とにかく、味方であると教えなくてはいけない。ベロニカは警戒させないよう、一歩後ろに下がると話し始めた。
「私はベロニカ・サインボード。あんたを助けにきた猟兵よ。あんた……名前は?」
「俺……俺はヴィル。本当に、助けてくれるのか……?」
 ベロニカはその言葉に頷く。その様子を見た青年は、ホッと安堵の表情を浮かべた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジード・フラミア
メリア『フーム……クッションとしてトランポリンを足元に設置シマショウカ、それともモッフモフの着ぐるみを着て衝撃を和らげマショウカ……』
ジード「いや、普通にパラシュートで降りれば、いいんじゃない?……でも、クッションは後の人のために用意した方がいいのかな?」

UC【変化する人形】を使用
メリアのボディにパラシュートと空気を入れると膨らむクッションを取り付けてジード本体と一緒に降ります。万が一失敗しそうならクッションを展開して衝撃を和らげます。



また、無いとは思いますが、この後、他の猟兵が降下に失敗しそうなら着地予想地に向かってクッションを展開します。



 空中に投げ出されたジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)と彼の持つ人形であり別人格の器でもあるメリア。ジードは落ちていく最中にメリアと離れないように、彼女を横抱きにしながら落ちていく。
「フーム……クッションとしてトランポリンを足元に設置シマショウカ、それともモッフモフの着ぐるみを着て衝撃を和らげマショウカ……」
「いや、普通にパラシュートで降りれば、いいんじゃない? ……でも、クッションは後の人のために用意した方がいいのかな?」
「それは後で考えマショウ!」
「そうだね」
 かなり深い穴ではあるようだが、あまり長く考えている暇はない。それに、他の猟兵たちだって、それぞれ何かしらの策はあるはず。まずは自分たちが無事にアリスと合流できなくては、ここに来た意味がない。
「メリア! これを使って!」
「オーケー! イキマスヨ!」
 ジードがメリア用のパラシュートと空気を入れるタイプのクッションを【変化する人形】で召喚し、パラシュートをメリアに取り付ける。地底が見えてきた辺りでパラシュートをブワッと広げ、急降下していた身体は速度を落とす。とはいえ、急拵えのものだ。このままでは、上手く着地はできないかもしれない。あらかじめ用意していたクッションに空気入れて展開し、着地の衝撃を和らげた。
「っ! と、……着地成功?」
「クッションもありマシタシ、ジードもワタシも無事デス」
 メアリのパラシュートを外しながら、互いに怪我がないか確認し合う。ジードもメアリも目立った傷はなく、痛めたところもなかった。
「そういえば、他の猟兵さんたちはもう到着してるのかな」
「到着してる人もいれバ、まだ落ちてる人もいるようデスヨ」
 ジードがクローバーで敷き詰められた大地に立ち上を見上げると、ぽつぽつと何かがあるのだけは分かった。多分、猟兵たちだろう。
「……さっきも言ったけど、一応クッション用意した方が良いかな?」
「そうデスネ……無いよりはあった方が良いかもしれマセン」
「それじゃあ、設置しに行こうか」
 ジードはクッションを回収すると、メアリを連れて他の猟兵たちが着地するのを助けにまわった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カグラ・ルーラー
「飛翔系のユーベルコードでチンタラやってられねェって話か」
この事件に対してこう感じ、猟兵として参加だ。

「気合で底を目指す(POW)」に挑戦だ。
ユーベルコード「ノラネコーション」。
全身を猫に変えて空気抵抗を減らし加速した上で、猫の身体能力で着地してやるさ。

着地に成功すりゃ猫変異は解除。
アリスと合流出来りゃいいがな。

「俺? 見ての通り『アリス』さ。ただしあんたを助けに来た方のな」



「飛翔系のユーベルコードでチンタラやってられねェって話か」
 グリモアベースで話を聞いていたカグラ・ルーラー(バーバリス・f21754)はそう考えた結果、猫になると決めた。そう、想像するのは、猫のあの軽やかな着地だ。自分の身長の何倍もの高さから落ちても、華麗にビシッと決める、そんな着地。本物の猫ならば大体二・五メートル程の高さが限度らしいが……それはそれ、これはこれ。カグラは猟兵、生命体の埒外にあるものだ。その辺りは気合いでどうにかなる。多分、きっと、おそらく。
 覚悟を決めて、案内をしたグリモア猟兵が指を鳴らす音を聞く。瞬間、カグラは宙に投げ出された。
「猫を恐れ敬え……!」
 そう言うと、カグラは猫の姿に変身する。人の姿よりも空気抵抗が少なくなり、落下速度は速くなっている気がする。あとは、きっちり着地すれば良いだけだ。
(風の圧が凄いな! だが、俺はやるぞ!)
 地底が見えてきたところで、くるり身体を捻り着地の体勢に入る。よくよく見れば、誰かが用意してくれたのか、クッションが置かれている。足場は不安定になるが……だが、衝撃は幾分か和らぐだろう。カグラはそのクッションを使わせてもらい、見事に着地を成功させた。クッションから降りると、カグラはすぐに人の姿に戻り周りを見回す。
「うわ、マジでクローバーだらけだな」
 地面には、クローバーが敷き詰められるように生えている。歩くたびにクローバーを踏みつけて潰してしまうが、しばらくすると踏みつけられたクローバーは元通り元気な姿を見せる。普通ではない。とりあえず、今回巻き込まれたアリスを探そうとする。すると、すぐに物陰から声がかかる。
「……あんた、は」
 既に他の猟兵と合流していたのか、事前に聞いていた情報と一致するアリス。彼は警戒しながらも、カグラをじっと見つめる。そんな彼に向かって、カグラは明るく返した。
「俺? 見ての通り『アリス』さ。ただし、あんたを助けに来た方のな」
「俺を、助けに……?」
「ああ、そうだ」
 カグラはそう言うと、ニッと青年に向かって笑顔を見せた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『四つ葉の使者』

POW   :    ぐちゃぐちゃにすれば食べやすいものね?
【クローバーの魔法陣から放つ魔力の矢】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?
対象への質問と共に、【クローバーの魔法陣】から【白詰草で出来た犬型の怪物】を召喚する。満足な答えを得るまで、白詰草で出来た犬型の怪物は対象を【牙による噛み付きや体当たり】で攻撃する。
WIZ   :    綺麗でしょ、あなたもこの一部になるのよ!
自身からレベルm半径内の無機物を【四つ葉のクローバーと白詰草の嵐】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「どこにいるのかしらー?」
「逃げても無駄よー?」
 四つ葉の使者たちは、クローバー畑を楽しげに駆ける。アリスを捕食すれば、ここにあるクローバーをもっと育てられる……そう考えているようだ。彼女たちから隠れながら、アリス――ヴィルは猟兵たちにそう教えてくれた。
「あいつら、どんなに逃げても追いかけてくるし、息切れもしねぇ。このクローバーを使って魔法? みたいなこともやるから燃やそうとも思ったが、そんなことしたら俺の逃げ場も無くなるし……もう詰んだと思ってたんだ」
 ヴィルは、はぁ、と息を吐く。そして、合流した猟兵たちに縋るような目をして必死に訴えた。
「なぁ、頼む。あの化け物から助けてくれ!」
ベロニカ・サインボード
クローバーに火をつけ掃討する事はできる…しかしこれ以上ヴィルが傷ついたなら、それは私達の敗北
この先、彼が『希望の芽』を捨てないように…この世界にあるのは『敵』や『絶望』だけじゃないと証明する必要があるわ

私が守り助ける者だと示すために、1人で敵のド真ん中に飛び込む!
「行くぞッ!オブリビオン!」
そして自ら怪物の口に飛び込み飲み込まれるわ

怪物と言えど草花で作られているのなら、内側から破壊するのはわけ無いわ
ワーニン・フォレストが殴り、怪物の体内に看板をつける!体内を裂くと同時に私も伸びる看板に捕まり脱出よ
その勢いでオブリビオンに肉薄し、ワーニン・フォレストの拳で殴り飛ばすわ
あと何体いようと…全員倒すわ



 ヴィルの話を聞いたベロニカは、どうしようかと思考を巡らせた。一面に広がるクローバー畑に火をつければ、あっという間に掃討はできるだろう。だが、ヴィルの言う通り、彼の逃げ場がなくなってしまう。これ以上彼を傷つければ、敗北も同然である。
(この世界にあるのは敵や絶望だけじゃない。それを証明する必要があるわ。この先、彼が希望の芽を捨てないように……)
 ならば、単純な話。
「みーつけた!」
 四つ葉の使者たちがにっこりと笑いながら、ヴィルたちの前に現れる。散々追いかけ回されたからだろうか。ヴィルの身体が強張る。ベロニカは彼を他の猟兵たちに預け、庇うように四葉の使者の前に立つ。
「行くぞッ! オブリビオン!」
「あらあら、邪魔するのー?」
「あなたも、素敵な四つ葉になりたいでしょー?」
「お断りだ!」
「あらー、残念」
 四つ葉の使者たちがそう言うと、クローバーの魔法陣を展開する。そして、その魔法陣から白詰草でできた巨大な犬型の怪物が召喚された。犬型の怪物はグワッと大きな口を開き、ベロニカに噛みつこうとする。ベロニカはそんな怪物の口の中にあえて飛び込んだ。
「おい! 何やってるんだ――!!」
 ヴィルの声が、怪物に喰われたベロニカにも届く。心配しているのだろう。だが、問題ない。怪物と言えど、所詮草花でできている。その想定も正しかったようだ。ワーニン・フォレストが、怪物に拳をお見舞いする。
「グゥ……!」
 怪物が苦しむ声が体内にも響く。ベロニカは、ワーニン・フォレストにもっと拳を叩きつけろと命じると、彼女は体内に看板を取り付けた。
「伸びろ看板!」
 その声に反応して、看板は恐ろしく速いスピードで伸びる。ベロニカはその看板に掴まると、看板が怪物の身体を引き裂き脱出に成功した。
「そんな方法で脱出するなんてー……」
「でも、私たちは止められないわよー?」
 四つ葉の使者が腕を上に向けて伸ばす。何やら魔法を使うようだ。
「そうはさせない!」
 ベロニカは伸び続ける看板に掴まったまま、四つ葉の使者に近づく。その勢いを殺さずに、ワーニン・フォレストの拳で殴り飛ばした。
「きゃあああー!!」
「っ! これでもくらいなさーい!」
 クローバーの魔法陣から風が巻き起こり、ベロニカの視界を悪くする。だが、彼女にはそんな小細工は通用しない。ワーニン・フォレストが、もう一体の四つ葉の使者を殴り飛ばす。
 周りに四つ葉の使者たちがいないのを確認したのか、ヴィルがベロニカに駆け寄る。
「おい、大丈夫か!?」
「問題ないわ。それより……」
 近くに四つ葉の使者たちはいないが、気配はまだある。まだ彼女たちは、こちらを狙っている。
「……まだ、安心はできないわ。だから、私たちから離れないように、ね?」
「あ、ああ!」
  ベロニカのその言葉に、ヴィルは頷いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

島津・有紗(サポート)
絡み・アドリブ歓迎

戦闘前にイグニッションカードから装備を展開して装着します。
味方と連携しつつ索敵しながら行動し、相手との距離に合わせてなぎなた、強弓、ガンナイフを使い分けて戦います。
UCは状況に合わせた物を選択して使用します。


ジード・フラミア
メリア『穴カラノ着地が決まレバ、地の利こそあちらにアレド、単純勝負デスネ!』
ジード「でも、地の利も馬鹿には出来ないし……局所的でいいから、クローバーの魔法陣をかき乱そうか。」

UC【スクラップのなだれ】を使用


四つ葉の使者達に直接当たらなくていいので、バラックスクラップを投げ放ちます。地面でも敵でも、バラックスクラップが当たった地点を中心にクローバーの魔法陣をかき乱すようにスクラップを放ちます。

スクラップがアリスのお兄さんの方には、落ちないように注意しながら投げます。



 ジードはアリスの方をチラリと見る。彼は今、他の猟兵の元にいる。ならば、アリスは彼女に任せておけば良い。ジードとメリアは、四つ葉の使者たちの気配を追う。
「地の利こそあちらにアレド、単純勝負デスネ!」
「でも、地の利も馬鹿には出来ないし……局所的でいいから、クローバーの魔法陣をかき乱そうか」
 行動方針を決めたところで、二人は丁度四つ葉の使者たちに遭遇する。その場には猟兵の島津・有紗(人間のシャーマン・f04210)も、既になぎなたを構えて対峙していた。
「あらー? お仲間かしらー?」
「人が増えたところで一緒よー!」
 四つ葉使者たちが、クローバーの魔法陣を展開する。このままでは、有紗に攻撃が当たってしまう。
「逃がさない……!」
 ジードが四つ葉の使者たちに向けて、バラックスクラップを投げる。奇怪な形をしたその武器は、四つ葉の使者の内一人に当たる。
「な、なぁに? これ……」
「それを気にするヨリ、別のことを気にした方が良いデスヨ!」
「えっ?」
 メリアがそう言うと、先程のバラックスクラップが当たった地点を中心に、ジードは沢山のスクラップが放たれる。四つ葉の使者たちはそれを避けるのに必死になっていたのか、魔法陣のことはすっかり忘れていた。ジードは魔法陣をかき乱すように、スクラップを投げ続ける。
「ジード君、ありがとうございます」
 有紗がすれ違いざまにそう言うと、万が一の攻撃に備えて神霊体へと変身する。変身後すぐに四つ葉の使者たちに近づくと、持っていたなぎなたで彼女たちを薙ぎ払うように斬る。
「きゃー!!」
「こうなったら……あなたもこの一部になるのよー!」
 一人はその場に倒れたが、残る一人が両腕を上げ何か唱える。すると、スクラップが四つ葉のクローバーや白詰草となり、嵐のように皆に襲いかかった。
「っ!」
「有紗さん!」
 咄嗟に、ジードはスクラップで防壁を作り出す。だが、このままではこれも嵐の一部になってしまうだろう。だが、多少の時間稼ぎはできる。流石に嵐にはなぎなたでは対応できないと判断した有紗は、すぐにガンナイフへと持ち替える。
「これでもくらえ……!」
 スクラップの壁から少し顔を出した有紗は、嵐を呼んだ四つ葉の使者に向けてガンナイフを放った。油断していたのか、四つ葉のクローバーや白詰草で視界不良だったのか、四つ葉の使者はその攻撃をもろに受けた。
「あ、ああ……!」
 そう言ったかと思うと、四つ葉の使者はその場に倒れ、四つ葉のクローバーや白詰草は元のスクラップに戻った。
「この辺りニハ、もういないようデス」
「うん。メリアの言う通り、気配はないね」
 周りを見回した二人は、有紗にそう報告する。有紗はほっと息を吐く。
「先程も言いましたが、ありがとうございました。一人だったら、対処できなかったでしょう」
「こちらこそ、手助けできて良かったです」
 ジードはメリアと共に頭を下げた。
 もうこの辺りにはいないとはいえ、まだ完全に排除できているわけではない。皆、それは分かっているのだろう。三人は改めて、別の場所にいるであろう四つ葉の使者たちの元へと向かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カグラ・ルーラー
「簡単だ。奴等をクローバー畑から摘んじまえばいい」
この事件に対してこう感じ、猟兵として参加だ。

四つ葉の使者の「ぐちゃぐちゃにすれば食べやすいものね?(POW)」に対し、ユーベルコード「トリーズナーズ・スーパー・ジャスティス」。

奴等の懐に飛び込んで、アイスバーで真上に殴り飛ばす。
俺らが落ちてきた穴がどれだけ上に延びてるか知らねェが、
クローバー畑から摘み取れば何も出来ねェだろ。
素敵なクローバー畑に墜落してぐちゃぐちゃに飛び散って肥やしになっても本望だろうしな。

最大の目的は、いち早い敵の群れの殲滅だ。
ただしヴィルは俺自身を盾にしても守り抜く。その為なら、ある程度のダメージは上等さ。



 踏みつけたクローバーは、足を離してしばらく待てば元通りの姿を見せる。カグラは他の猟兵の戦いを観察して、あることに気付く。四つ葉の使者たちも、この地面に生えているクローバーのような存在だと。
「アリスも良いけど、あなたも肥料に丁度良さそうねー?」
「はっ! お断りだ!」
 カグラはそう言うと、巨大なアイスバー『ゴリゴリ君』を構える。ヴィルと名乗ったアリスは、カグラの背後で他の猟兵にも守られながら、じっとしている。
(どんなに潰しても、しばらくすれば元通りになる。それなら――)
「簡単だ。奴等をクローバー畑から摘んじまえばいい」
「えっ……?」
「まぁ、見てな」
 カグラはヴィルに向かってニッと笑う。
「俺に憑いた以上てめェは俺の力だ! その力寄越せコラァ!」
 叫ぶように言うと、カグラの身体を覆うように黄金のオーラを放った。そして、カグラはすぐに一番近くにいた四つ葉の使者の懐に飛び込む。彼女は咄嗟のことでカグラをとらえきれていない。四つ葉の使者がクローバーの魔法陣を展開する前に、カグラは彼女をゴリゴリ君で真上に投げ飛ばす。
「――っ!」
 かなりの高さまで殴り飛ばしたが、穴の外には届かなかったようだ。四つ葉の使者は、かなりの高さから落下する。当然、何の対策もなしにそのまま落ちて無事ではいられない。彼女は地面に叩きつけられ、見るも無惨な姿へと変貌する。
「っ、あなた酷いことするのねー?」
「良かったじゃねェか。このクローバー畑の肥やしになれて」
「肥やしになるのはあなたよー! あなたもぐちゃぐちゃになりなさーい!」
 別の四つ葉の使者が、クローバーの魔法陣を展開する。そして、その魔法陣から魔力の矢が放たれる。ターゲットは勿論カグラだ。それらの矢をひらりと躱しながら距離を詰め、再び四つ葉の使者を真上へ投げ飛ばす。
「いやぁああああ!!」
 悲鳴をあげる四つ葉の使者。だが、カグラの攻撃の手は止まらない。
「よし、このまま殲滅するか」
 まずは、このどさくさに紛れてヴィルを攻撃しようとしていた四つ葉の使者だ。カグラはゴリゴリ君を片手に、ヴィルへの攻撃を庇いながら彼女の懐に潜り込み、再び摘み取っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミルディア・ディスティン(サポート)
「サポート?請われれば頑張るのにゃ!」
 UDCでメカニックして生計を立ててるのにゃ。
 『俺が傭兵で出撃して少し足しにしてるがな?』
 ※自己催眠でお人好しで好戦的な男性人格に切り替わりますがデータは変わりません。

 ユーベルコードはシナリオで必要としたものをどれでも使用します。
 痛いことに対する忌避感はかなり低く、また痛みに性的興奮を覚えるタイプなので、命に関わらなければ積極的に行動します。
 公序良俗は理解しており、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。むしろ積極的に助ける方です。
 記載の無い箇所はお任せします。よろしくおねがいします。


グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)



「あなたもぐちゃぐちゃになりなさーい!」
「はっ、それは遠慮させてもらうよ!」
 グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)は四つ葉の使者の魔法の矢を避けながら、ブラスターを構えた。四つ葉の使者は攻撃を受けないように防御をとる。だが、グレナディンは四つ葉の使者ではなく、クローバーの魔法陣をかき消すように撃った。
「!」
「こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ」
 グレナディンはニィッと笑うと、四つ葉の使者に銃口を向ける。一時的でも攻撃手段を失った四つ葉の使者は、一歩後ろへと下がるが、グレナディンが銃を撃つ方が早かった。
「……っ!」
「オマケにもう一つ、にゃ!」
 ミルディア・ディスティン(UDCの不可思議メカニック・f04581)がクランケヴァッフェをハンマーのような形に変形させて、四つ葉の使者を殴る。四つ葉の使者は殴られた反動でその場に倒れ伏す。
「これで終わりかにゃ?」
「――まだだ!」
 後ろの方で猟兵たちを見守っていたアリスが、二人に向かって叫ぶ。その声を聞いた二人は、咄嗟に防御体勢を取る。それから少し遅れた頃に、魔法の矢が雨のように降り注ぐ。
「くっ……こうなったら、ちょっと本気を出すかねぇ」
 グレナディンは【フルバースト・マキシマム】を発動する。彼女の持つ全武装から、魔法の矢に対抗するように一斉掃射が行われた。その弾丸は魔法の矢を相殺するように撃ち抜いていく。
「ミルディア!」
「了解にゃ!」
 魔法の矢と弾丸が飛び交う中、ミルディアがその隙間を掻い潜り攻撃してきた四つ葉の使者と距離を詰める。先程ハンマーだったクランケヴァッフェは、剣のような形に姿を変えた。
「とりゃあ!!」
「い、いやぁああああ!!」
 ミルディアの剣は、四つ葉の使者を斬る。斬られた四つ葉の使者は、悲鳴を上げながらクローバー畑に身体を沈める。
「それで最後みたいだよ」
 ぐるりと周りを見回したグレナディンは、ミルディアにそう告げる。ミルディアは、とどめを刺した四つ葉の使者の方を見ると、彼女は地面へとゆっくり溶けるように消えていった。他の猟兵たちが倒した四つ葉の使者たちも、同じように消えていく。
「助かった……のか?」
「ああ、これで本当に終わりだ」
「うんうん、助かって良かったにゃ」
「そうか。……そうか」
 二人はアリスに向かって笑った。アリスが呆然とクローバー畑を見つめ、その場に座り込んだ。これでようやくオウガから脅威から逃れられた。
「ありがとう、な」
 アリスはふらふら立ち上がると、猟兵たちにそう礼を言った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年02月19日


挿絵イラスト