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仏に逢うては

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●地獄に仏を
「救済とは何ぞや」
 埃の臭いの充満した洞穴のような部屋に、蝋燭の薄明かり。壇上の者が平坦に問いかける。しばらく待つも答えはない。
「即ち、死である。あらゆる懊悩、辛苦より釈かれ、全き平静を得られる、死」
 無反応に憤慨するでもなく、それは言葉を続ける。
「げに、現世は苦に満ち満ちている。これこそが無間地獄でなくて何と言うのか。真の救世とは安寧なる死によってのみ得られる。さあ我が前に救済を求むる者を引き立てよ。獄卒どもの目を盗み慎重に事を為すがいい。露見すれば救世の道は鎖される、努々見つかることのなきように」
 その顔に微かな愉悦を浮かべた自称救済者は、眼前の座に腰掛ける信徒に向けてつらつらと言葉を並べ立てた。終始うなだれたままのその人の魂は、救いを得たのか、それとも真に地獄へ向かったのかは、窺い知ることはできない。

●ホトケを地獄に
「あー、サムライエンパイアで、キナ臭いッつーか、胡散臭いッつーか…」
 我妻・惇(紅穿獣・f04976)は集まってくれた猟兵に向け、軽く手を挙げて謝意を示すと説明を始めた。なんでも、僻地の村で良からぬ信仰が急速に蔓延しだした、ということである。
「死が救済だとか何とか、言ってたか。アホくせェ、死ンで花実が咲くものかッてなァ? …ッと、このヘンの考えは人それぞれだよな、悪ィ」
 猟兵にも色々な来歴の者があり、もしかしたら、という思いから頬を掻きながら誰にともなく詫びる。
「まァそれはともかく、本当にそういうヤツなら一遍ヤッてみたいとは思うんだがなァ。まァ紛いモンの仏サン、ただのオブリビオンだわなァ」
 物騒なことをさらっと言いながら、続く説明を語り出すグリモア猟兵。
 そのオブリビオンは祀られた堂内から出ることはなく、生贄…この教義においては救いを得られるありがたいものであるらしいが、それをある程度の期間を置きながら信徒に求める。そうしてその場で、他の信徒の手によって殺害させる。
 生贄の選定基準は、前回の儀式においてより功徳を積んだ者、即ち、より積極的で、より残虐であった者である。
「ンで、良いモンだと思ってるし、秘密であることも教えにあるしで…まァ、まず見つけるのも骨だろうなァ。ッと、骨と言えば、なンだがな」
 これまた苦々しい顔で、言葉を選ぶ惇。
「生贄は間違いなく殺されてンだが、骨も残らねェ。どうも敵の子分連中に残さず食われてるみたいでなァ…あンまり胸糞の良い話じゃねェよなァ」
 そちらとの戦闘も覚悟してほしい旨を伝え、渋い顔で続ける。
「俺は行けねェンだよなァ…いやまァ調査も考えりゃ警戒させるし適任じゃねェとも思うしな。アンタらだけこんな薄気味悪ィモンと戦わせるのも忍びねェが…」
 後ろめたさからか照れ臭さからか、それなりの時間を逡巡してから、頭を下げる。
「すまん、よろしく頼むわ」


相良飛蔓
 お世話になります、相良飛蔓です。
 ご覧いただきありがとうございます。

 5本目の今回、またサムライエンパイアとなっております。
 村のどこかに設えられた拝殿を探して乗り込みオブリビオンを倒してやろう、とそういう感じです。
 小さな村ですし探す候補自体も多くはありません。「いかに穏便に目的を果たすか」が一章のポイントとなります。

 なお、依頼の成否には関わりませんが、洗脳下において、村民たちは一様に教義を守っています。どう接するかはそれぞれかとは思いますが、あんまり気持ちの良い決着ではないかもしれません。ご了承ください。

 それでは、ご検討の程よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『支配された村』

POW   :    村を探索して手がかりを探す

SPD   :    尾行して様子を見る

WIZ   :    村人から話を聞く

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鶴来・桐葉
【心情】…胸糞わりぃなオイ。人に人を殺させるだぁ?なんつーもんが流行ってんだよ…はやく止めねぇとまずいな。
【POW】村を散策だ。周辺を隈無く探し、怪しいもんがあったら突撃だ。もし、なにもめぼしいもんが見つからなかったら村人に話聞くか。「すまねぇな。ちょっと聞きたいんだがよ。ここで何かがはやってると聞いたんだが…」


火守・かこ
他所の教義にケチつけるつもりはねぇが、偽仏ってかオブリビオンが関わってるってなら話は別だな。
ちゃっちゃと見つけてぶっ飛ばしちまおうぜ、信じちまってる村人どもには悪いけどさ。

◆WIZ行動

とりあえず此処に住んでいる村人から何か情報を聞き出せないか試してみるかな。
まずは「死で人を救う教えとやらの噂を聞いて、この村に流れ着いた入信希望者」って体で村人に話しかける!
そんで「入信したいから、この村のことや教義のことを詳しく教えてほしい」って感じで問いかけるぜ!

上手く拝殿の情報を引き出せれば良し!
ダメだったときは、そうだな、他の猟兵たちが上手く見つけてくれることを信じて待つさ。

※アドリブ絡み歓迎です



●不如五道
「はやく止めねぇとまずいな」
 怒りと胸の悪さに露骨に顔を顰めながら、鶴来・桐葉(サイキック剣豪・f02011)は吐き捨てた。日頃は笑顔を絶やさない彼の顔に、それは微塵も感じられない。
「だな。ちゃっちゃと見つけてぶっ飛ばしちまおうぜ、信じちまってる村人どもには悪いけどさ」
 応じて、火守・かこ(火を以て万人を守護す・f15141)。かつて戦場に生きた彼女は、死に救いがないことを、というよりは、安易な救いがないことを知っている。苦しみから解放される者もいないことはないが、彼女にとってはやはり生きて戦う方が楽しく、そういう意味では今回の教義は相容れないものだ。それが洗脳に支えられた信仰であればなおさらであるし、偽仏のオブリビオンとなれば是非を論じるまでもない。

 速やかに解決せねばと思うも、現時点での情報はない。調べ物のスタートという物はたいていそうだが、さしあたり、まずもっての足がかりが必要となる。連れだって村を散策し、辺りを探して回る桐葉とかこの姿に、懐疑の念を持つ村民は、当然ながら少数派ではない。
「あんたら何やってんだ。この村には珍しいものなんてねぇよ」
 背後から掛けられた言葉に、二人の猟兵は振り返る。警戒心は強いと見えて、小さな村にしては多くの若い衆が呼び出されていた。彼らなりに荒事を覚悟してのことだろう。めいめいが手に持つ日常に根差した武器からは、より強い感情も見て取れた。その先頭で彼らを率いる、一回り年老いて見える男が、鋭い目で見つめていた。
 敵愾心を煽らぬよう、腰のものに手をやらぬよう、そして抑止力としてそれがよく見えるよう、二人はゆっくりと振り返る。
「すまねぇな。ちょっと聞きたいんだがよ」
「なんだ」
「ここで何かがはやってると聞いたんだが…」
「こんな村で流行るものなんてなぁ病くらいのもんだ」
 対応するリーダー格の男の返事はそっけなく、取り付く島もない。元来素朴な村であるここの若い衆は隠し事が苦手と見え、表情はそれぞれに変じているが、やはり口を開くことはない。かこが前に出る。
「死で人を救う教えとやらの噂を聞いた。俺たちも入信したいから、詳しく教えてくれないか」
 教義の内容を鑑みて、努めて厳かな調子で彼女は問いかける。あまりに威勢が良くては、死を望む言葉はあまりに似つかわしくなさすぎる。
しかしそれでも、さっと男の血の気が引く。若者たちもざわつき出し、武器を掲げる者も出始めた。
「な、なんの話だ!?この村にはそんなものはねぇ、なんもねぇ!ほらさっさと出てけ!」
 弁明する間もなく、猛烈な剣幕で声を荒げ始めた男と、感化されるように武器を構え距離を詰め始めた男たち。交渉は決裂、ここから先はどう考えても無用な争いにしか発展しないだろう。歯痒い思いを押し殺しながら、二人は他の猟兵に託すこととして、その場を後にした。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

宮落・ライア
んー。色々言いたいことはあるけれどまぁそれは直に言えばいっか。
墓守の家系的には全部ぺけなのだよ。

とりあえず村全体を見渡せる木かなんかに登って暫く見渡してよっかな。
それで怪しげな少し規模の大きい建物か、建物の規模と人の出入りに違和感のある家を探そうかな。
(前者は別段拝殿が隠されていない場合
 後者は地下などに隠されていた場合の為)

最終的には野生の感頼みだよね。


エスタシュ・ロックドア
獄卒系羅刹、呼ばれた気がしたぜ
まだ楽しみも残されてる人間道を無間地獄たぁ笑わせる
いや、こいつが地獄にしてる張本人か
お望みなら俺が六道最下、地獄道まで引き摺ってやらぁ
とは言え、探すのが先か
……胡散臭ぇにも程があるこいつを受け入れるたぁな
ここの村民、どんな業苦を味わったんだ?

俺ぁ村の外の森かなんかに潜みつつ『大鴉一唱』
子分の烏どもに普通のカラスを装わせつつ村を探らせるぜ
できるだけバラけて目ぼしい村人一人につき一羽見張らせる感じでな
村民同士の会話も聞いておきてぇ
家の床下にこっそり潜り込ませて盗み聞きさせっか

戻って来た烏どもの報告は褒美の唐揚げやりながら【動物と話す】で聴く
一羽ずつな、一羽ずつ


フォルター・ユングフラウ
【WIZ】

救済は即ち死、か
なるほどな…その道理に照らせば、我はまことの救済者という訳か
ははっ、それは良い
ならば、件の救済者すら我の手で救済してやろうではないか

だが、その前に情報収集といくか
狭い村だ、騒ぎを起こせば一気に広まろう
まずは旅人を騙り、道を教えて欲しいと言って男に接触を図る
その際、我の美貌と誘惑、言いくるめを駆使し、穏便に…甘く、深い罠に堕としてやる
上手く堕ちれば、UC:ヴィーゲンリードにて傀儡として扱ってやるか
知り得る情報を全て吐かせ、仕えそうな物品があれば持って来させよう
用が済めば、適当に縛って物陰にでも転がしておく
それを繰り返し、地道だが着実に情報を集めるとしよう

※アドリブ歓迎



●血死三様
「ここの村民、どんな業苦を味わったんだ?」
 村近くの森、倒木に腰掛けながら、エスタシュ・ロックドア(ブレイジングオービット・f01818)はぼやくように疑問を口にする。彼の知る思想の中に、『六道』はある。生前に負うた業によって、転生する境涯を6つの段階の中から定められるというものだ。人間道はそのうちでは比較的上等であり、最下に地獄道が据えられる。この羅刹にとっては、まだ楽しみを求められる現世を無間地獄と称することは、噴飯物である。地獄の極卒に連なる彼なればこそ、思うところもあるかもしれない。
「救済は即ち死、か。なるほどな…」
 応じるように、推量を試みるように言いながら視線を遠くにやるフォルター・ユングフラウ(嗜虐の女帝・f07891)は、実のところあまりその疑問には興味がない。教義にも、思想にも、そして彼らの命にも。
「その道理に照らせば、我はまことの救済者という訳か。ははっ、それは良い」
 無邪気に破顔し、自らの正当性を結論付ける。それにすらも、興味はない。その在り方に欲求に、理由はいらない。
「ならば、件の救済者すら我の手で救済してやろうではないか」
 声に愉悦を交えながら村の方へと進むフォルターの背を、エスタシュはやや渋い顔で見送る。
「お望みなら、俺が地獄道まで引き摺ってやらぁ」
 オブリビオンの見通しの甘さを正してやろうと、鼻を鳴らした。

 そのやり取りを横目に、普段は賑やかなキマイラの少女、宮落・ライア(英雄こそが守り手!(志望)・f05053)は樹上に黙す。墓守の家系に連なる彼女には、そして多くの命を礎として在る彼女には、この冒涜に対し言いたいことは、許容できない思いは当然あった。しかし、それは今ここで言うべきことではない。今ではない。ヒーローの口上は、敵を眼前にビシッと言わねば。
 彼女は手早く器用に登った木の、視界が開けた場所から村を見渡している。建物の規模や人の出入りなど、怪しいところがないかを見極める。人口そのものが多くはない村だが、やはり集中的に人が出入りする建物はあった。それはそう大きくもない、農具の保管庫のような簡単な造りの小屋。しかしそれにしては、入ってくるときも出てくるときも、手に収まるほど小さな荷物しか持たぬ者が多かった。確定ではないにしろ、確認する必要はありそうだ。
「あの家の裏の小さい建物、怪しいよ」
 木から降りたライアは、エスタシュとの情報共有を図る。頷いて顔を上げた彼の、視線の先の空には、ちょうど帰ってきた使者の姿があった。怪しまれぬよう疎らにタイミングをずらしながらも、一点を目指して飛び来る三十七羽の烏たち。彼のユーベルコード、大鴉一唱によるものである。彼らはエスタシュの指示によって広範に散らばり、村人たちを監視していた。先の騒動で、手駒とされた若い衆からは多くの情報は得られぬだろうし、それを率いたやや老いた男には追うべき何かがあるかもしれない。そして村内の随所に潜むには絶好のタイミングが作られたとも言えた。
 カラスなどはありふれた動物で、よほど変わった動きをしなければ特別な警戒心を抱かせることもない。そしてこの生き物たちは、賢明に普通を装い、その任務を全うして帰ってきたのだった。
「よーしご苦労さん、どうだった。っと、一羽ずつな、一羽ずつ」
 我先に報告せんとぎゃあぎゃあと叫び出す子分たちに向け、親分羅刹が手を振って制して見せると、騒然としていた烏たちはすっと静かになり、一拍置いてからそのうちの一羽が鳴き――話し始めた。

 報告の中にはあまり意味のない情報や要領を得ない物もありはしたが、根気よく話を聞き集約すると、整合性のある有用な情報は充分に得られた。その中で最も慌てていた烏の報告にあったのが
「村人が、黒い人と一緒にこっちへ来る?」
 というものだ。ご褒美の唐揚げを与えながら、烏の言葉を翻訳するようにエスタシュが口に出す。監視対象に発見されそうになっている危機を伝えようと慌てていたようだ。
「あぁ、それなら大丈夫だろ」
 安心させるように言ってのんきに村の方へ視線をやると、程なく黒い人・フォルターが村の男に引き連れられて帰ってきた。夢見心地の上気した表情と覚束ない足取りは、色香に中てられたわけではない。否、中てられたことだけが理由ではない。彼女の美貌を武器とした誘惑と巧みな交渉術によって、そのユーベルコードを発動させる条件を満たし、傀儡と化したのがこの村人であり、彼は更なる尋問のためにここへと連れて来られたのである。不敵に笑い不遜に質す不埒な傀儡の担い手に、傀儡は従順に
 そうして――詳細は筆舌に尽くしがたいため割愛するが――得られた情報は、楽しみにしていた唐揚げを食べて満足そうに躍る烏たちの情報とも齟齬はなく、村人の知識から引き出される情報ということもあり確度は高まった。曰く、「儀式」の日取りは直前まで知らされることはなく、それは今夜ではないこと。村民が皆、日中に一度は供物を捧げに拝殿へ向かうこと。そして
「ライアの言う通り、拝殿はあの裏にあるみたいだな」
「乗り込むなら、今夜だね」
 声を低くし発した言葉に、あるいは笑いながら、あるいは村人を縛りながら、森の猟兵たちは確認するように頷いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
※アドリブ・協力等は歓迎

そもそもオブリビオンなんて大概が死者なんだから、結局現世に舞い戻ってる奴が何言ってもねえ。
まあ、救済どうこうなんて門外漢だし、オブリビオンを探す事だけに集中しますか。

【透視能力】を使って、壁を透明にして建物の中を覗いてみようかな。
透明になるのはあたしの見てる映像内だけだから、他の人には壁をぼんやり眺めてるだけにしか見えないし、ちょっと怪しい程度で済むはず。

生贄の儀式をやるんだったら御堂もそれなりの広さが必要だろうし、大きい建物から順に当たっていけばいいかな?

村の外の洞窟とかの可能性もあるから、村の建物が空振りだったら、外へ行く村人の後を隠れながら追いかけてみようか。


桜井・夕月
死が救済、それも一つの答えなのだろうと思うけれど。
現世は無間地獄なのかもしれないけれど。
でも、詭弁と生きる事を諦めた言い訳にしか聞こえないや。

○POW
村を見て回って、拝殿の場所を探す。
自分だったらどこに隠すかな、って視点で観察するかな。
まー、目立たない様にはしてるよねぇ。

村人に会った怪しまれない様、礼儀正しく挨拶しておこう。
近くに用事があったからついでに村に寄って観光しています、何か面白いものはありますか?等、当たり障りのない理由を述べて置く。
【世界知識】【地形の利用】【物を隠す】【目立たない】【情報収集】【礼儀作法】【コミュ力】

行き詰ったら【第六感】で探す

アドリブ・他の猟兵さんとの協力歓迎


エレクメトール・ナザーリフ
死が救済、ですか
戦場に居た私からすれば救われた人はいなさそうですが
生きている限り銃は撃てるし甘いものも食べられる訳ですから

【SPD】
まず、村ではなるべく【目立たない】方針でいきます
村民に質問しても口を割らないでしょうし交渉事は苦手ですしね

《幻影舞踏》でもう一人の自分を想像し手数を増やし
二手に別れて高台の様ななるべく村全体を見渡せる場所に移動
後は村民に動きがないか【聞き耳】を立てつつ見張ります

狙い目は夜ですね
さすがに昼間から堂々と拝殿に行く事はないでしょう
例えば家からこっそり抜け出す人を【暗視】で見付け
【迷彩】【忍び足】で【追跡】します

もし扉に鍵が掛かっている場合は
【早業】【鍵開け】で解錠します



●再解脱行
 先行した猟兵たちの調査の成果を受け、いよいよ本命の小屋へと乗り込む段となり、向かう道すがら「死による救済」についてそれぞれに巡らす思いがあった。
(たしかに現世は無間地獄なのかもしれないけれど)
 桜井・夕月(もふもふ信者の暴走黒獣・f00358)は思想の多様性に対する一定の理解を示しているようだが、それは肯定ではなく。
(でも、詭弁と生きる事を諦めた言い訳にしか聞こえないや)
 そういう思いを抱く人もいる。受け入れてしまう人もいる。しかしそれは望ましいことではない。洗脳によるものであるならば、それが解かれたときには果たして。
 そして、エレクメトール・ナザーリフ(エクストリガー・f04247)は、経験から否定の立場を採る。戦場に立つ自身の側には、すくなくともそんな救済を求めた者も、客観的に見てそれを得られた者も、見受けられることはなかった。それに
(生きている限り銃は撃てるし、甘いものも食べられる訳ですから)
 今も棒付きキャンディーをくわえ、ありがたいご本尊様に弾丸を奉納することを考える彼女に、そのような救いは無縁で無用であるらしい。
「そもそもさあ」
 各々の思索を遮るように、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(蛮族キマイラ・f07620)が口を開いた。
「オブリビオンなんて大概が死者なんだから、結局現世に舞い戻ってる奴が何言ってもねえ」
 皮肉っぽく投げられる言葉に、それの存在自体がその教義を否定する、まさしくその皮肉に、二人は苦笑を浮かべる。とにもかくにも、倒してしまうが良いのだろう。

「こんにちは」
 村に着くと、夕月は遭遇した村人に、にこやかに挨拶をする。遭わなければもちろん最善だったのだが、探索の都合上そうもいかない。そのために対策が用意してあったのだ。秘密を暴かれぬために警戒を顕わにした男たちの裏を返せば、秘密を暴かんとする者でなければ強く出る危険は冒さず、彼らは当たり障りのない態度を示す。そしてそれは付け入る隙となる。
「あ、あぁ、こんにちは」
「近くに用事があったからついでに見て回ってるんですけど、何か面白いものはありますか?」
 フレンドリーな余所者に動揺しつつも辛うじて受け答えをする村人に、猟兵はさらに問いかける。
「い、いや、何にもない村だから…」
 曖昧に笑いながら、目を泳がせる村人に、なおもにこやかに話しかけ続ける。その内容は核心へと至るものではなく、こちらもあくまで当たり障りのない内容である。今年の作付や天気がどうとか、あとは村人個人の好きなものなどなど。彼女の目的は情報収集ではなく、邪魔者を釘付けにすることに意味があった。

 壁を見つめるペトニアロトゥシカは、傍目に見れば怪しかった。警戒を強くした村人たちから見れば、それは排除すべき対象となったであろう。しかもそれが、拝殿の隠された、秘匿すべき施設であればなおさらである。躍起になって追い出そうとすることは火を見るより明らかである。そのために、夕月による足止めはなされた。
 このキマイラは、確かに彼らにとっては除くべき、除かなくてはならない異物である。今彼女が為していることは、ユーベルコードの行使。その効果によって建物の壁を透視し、内部の構造と人間の有無を探る。そこには、地下へ続く急造のいびつな階段があった。藁で覆っただけの単純な偽装は、壁越しであっても容易に看破することができる。そして、その周囲に見張りの類はいない。今までに必要性がなく、その方法も教えられてはいないようで、秘匿する技術自体は粗末なものであるようだ。
 金の瞳を目蓋に一度納めて能力を解いた彼女は、エレクメトールの方へ一度頷いて見せる。「アタリ」の合図にこちらも頷き、周囲を警戒しながら目立たぬように扉へと回り込む。そこに錠はなく、警戒し、秘匿されている施設とは思えない程に侵入は容易いものであった。偽装を外せば地下への入り口があり、暗がりが口を開けている。聖域の入り口というよりも、それこそが地獄への道行きかのような、暗がりであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『餓鬼』

POW   :    共喰い
戦闘中に食べた【弱った仲間の身体の一部】の量と質に応じて【自身の傷が癒え】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    飢餓の極地
【究極の飢餓状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    満たされぬ満腹感
予め【腹を空かせておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●施餓鬼
 侵入路が確保されると、探索していた猟兵たちがそこに呼び出された。
 油断なく先へと進み行く猟兵たちの前に、やや開けたエリア、小さな人型の影が無数に現れ行く先を阻んだ。
「食ベ物、持ッテ、来タ?」
「オナカ、スイタ、早ク、チョウダイ」
 日頃から食事を提供されることに慣れた飼い犬のように、猟兵たちの姿を見るなり駆け寄ってきて、食物を催促しはじめた。しかし望むものを得られないことに気付くと、その声音は顕著に敵意を帯びた。
「オマエラ、村ノヤツラジャナイナ」
「シンニュウシャダナ!」

「ジャア、オマエラガ食ベ物ダナ」
 声に喜悦を帯びさせながらさらに多くの仲間を呼び、餓鬼たちが猟兵たちを食い遂せんとして立ちはだかった。
宮落・ライア
犬であれば、まぁ犬であっても人の死体を食ってた奴らは可愛くないか。
せいぜい餓えてろ食屍鬼。

開幕で周囲の猟兵に少し下がって耳を塞いでてと注意し、間髪要れずにグラウンドクラッシャー【怪力・衝撃波・鎧砕き】を叩き込む。
地下と言うそれほど広くもない閉鎖空間での飛礫、そしてなにより衝撃波と轟音。
まともにそれに当てられれば暫くまともに動けないでしょ。


エスタシュ・ロックドア
おーおー、喚きよる喚きよる
なるほどここは地獄の手前、餓鬼道か?
はっ、てめぇらにやる食いモンなんざ欠片もねぇよ
そこに直れ、まとめてぶっ飛ばす

『ブレイズフレイム』発動
全身に業火を纏いつつ【怪力】【なぎ払い】【吹き飛ばし】
過熱した鉄塊剣フリントをぶん回して餓鬼をガンガン叩っ斬るぜ
業火は敵だけを焼く様に調整しとくわ

攻撃を喰らったら【カウンター】
受けた傷から至近距離で業火を浴びせてやらぁ
なーに旨いモン食ってやがんだてめぇら
餓鬼なら炎を呑んで悶えてろ

味方がヤバけりゃ【かばう】
だから絡みアドリブ歓迎な


桜井・夕月
哀れだなぁ。
ごめんね、私じゃ君らを救えない

○WIZ
月牙で攻撃
魔法の属性は、光かなぁ、これが効くと確実にわかればそちらを使用
数を減らすことを優先に攻撃対象を選択
味方の援護は余裕があれば
【スナイパー】【衝撃波】【2回攻撃】【クイックドロウ】【援護射撃】【地形の利用】【メカニック】【戦闘知識】【なぎ払い】【フェイント】
【属性攻撃】【範囲攻撃】【高速詠唱】

敵の位置と味方の位置を把握するようにして、攻撃は出来る限り回避
近接攻撃中心みたいだし、月牙による遠距離からの射撃と【目立たない】様にしていれば、大丈夫かなと思うけれど。
【第六感】頼りで、もし喰らっても【激痛耐性】からの【カウンター】

アドリブ・共闘歓迎



●焦熱地獄
 「おーおー、喚きよる喚きよる。なるほどここは地獄の手前、餓鬼道か?」
 鬼、エスタシュ・ロックドアはその巨大な剣を肩に担ぎ、鼻息荒い敵の群れを見渡す。それぞれが戦えるだけの間隙は辛うじてあるようだが、それでも掻き分け乗り越え進むようなことは到底できそうにもない密度。飢えと渇きを抱えた多くのそれらは、彼の言う通り、餓鬼道の境涯そのものを移し取ってきたようでもある。さすれば、この奥底にあるも、また。
 鼻で笑うとエスタシュは、剣を持つ手に力をこめる。侮るような視線は、餓鬼たちに怒りよりも警戒心を惹起させた。この鬼は、それに足る、と。
「てめぇらにやる食いモンなんざ欠片もねぇよ。そこに直れ、まとめてぶっ飛ばす」
 振り上げ、薙ぎ払わんとする羅刹だったが、それを制し進み出る少女の姿。
「みんなごめん、少し下がって、耳塞いでて」
「お?おお」
 やや鼻白んだように、エスタシュは言われた通り退る。頭一つ程度には小さく見える少女、宮落・ライアの姿に、今度は餓鬼たちに軽侮の色が浮かぶ。そして視線の先の彼女はというと。
「せいぜい餓えてろ食屍鬼」
 自らが向けられたような冷めたものではない、高圧の熱量を持った感情。濃縮され噴き出さんばかりのそれは、射抜くように視線で敵を貫き、なおも涌き出し続けている。
 気付けぬ餓鬼は与しやすしと跳び掛かる。怒りは限界まで圧縮され、巨獣の頤のようなその大剣へと込められ。敵の躯を諸共に、地面へと叩きつけられた。もたらされるは、震動、轟音、衝撃、そして飛礫。「つぶて」と呼ぶには強烈すぎるそれは、逃げ場の少ない閉鎖空間において望外の効力を持った。最前で対峙する餓鬼たちはまともに受け、軽くはない傷を負う。伴った衝撃波も被害を甚大なものとし、直接の影響を与えないはずの揺れや音ですらもここに至っては怯懦を煽る。牽制としては覿面、望むべくもない大成功と言えよう。

 待ち侘び、今進み出る獄卒に道は開かれ、そのまま敵の真ん中へ。改めて、とばかりに息を吸って吐く。俄かにその身から、紅蓮の炎が噴き出した。
「今度こそ行くぜ」
 横薙ぎに放たれた剛剣は、首を飛ばし胴を断ち、多くの餓鬼を斬り飛ばした。ライアの豪快な初撃に浮足立ち、それでなくとも連携などに縁遠い邪鬼たちは、我先にと距離を取り、不運な者は同族により盾とされ、続く剣戟の嵐へと飲み込まれていく。
 炎熱は喚起せしむ。其に懐古を。此に悔悟を。しかして炎熱は焼失せしむ。其の姿を。其の渇きを。果たして、死は救いならざるや。
 振われる剣は疾く重く、等しく烈しく敵を薙ぐ。思索に依らぬその剣は、無心に勤む羅漢の如く。

●赤き、徒花
 その炎には指向性が与えられている。即ち、味方である猟兵には延焼しない。とはいえ、その鉄塊剣・フリントの斬撃自体はその限りではない。もしかしたら当たらないかもしれないが、試すには些か分の悪い賭けであろう。そういった意味で、桜井・夕月の採った作戦は正しい。
 スナイパーライフル型のガジェット・月牙より放たれるは、エンジンの回転音と蒸気を吐き出す甲高い音、そして魔力で形成された弾丸。初弾こそ光の魔力が放たれたが、目の前で荒れ狂う炎に対して強い警戒を示す餓鬼たちを見て、それに倣うこととした。彼らの口に運ぶものは、全て火と化し責め苛むとされる。慣れはすれども、忌避感は否めないものであろう。眼前の鬼の動きの隙間を縫うよう、目にも留まらぬ程の速度で放たれ間断なく襲い来る火の弾は、彼らを怯えさせるに足るものであった。
 しかし同時に生まれた注意は、彼女の排除に対する優先順位を引き上げた。上る蒸気は狼煙のように、餓鬼に狙うべき標的を指し示す。群れの中から、叫喚が響いた。

 叫んだ者は、後ろから噛みかかられた餓鬼の一体。傷を負い、さらなる被害を躊躇い、仲間に背を預け退ろうとしていた者。連鎖するように、幾匹もがその身を同族によって苛まれ行く。オブリビオンの餓鬼は伝承とは違い、摂食することができるらしい。
「ガァッ…ヤメ、食ワナイ、デ…」
 無数の同族に抑え込まれ、恐怖と苦痛の声を反響させながら齧られ、見る間にそれらは餓鬼の腹に収まって行った。凄惨な光景はいかな猟兵といえども、一瞬たりとも注意を向けぬというわけにはいかなかった。そうして腹を満たし、力を蓄えた敵が、意識の隙を突く機を与えてしまった。

「次ハ、オマエダァァッ!」
 それは夕月の視界の外から彼女を襲った。対応が遅れ、その噛み付きによる攻撃を許す。仲間の血肉に続き、生者のそれを食べられることに歓喜する餓鬼に向けられた猟兵の表情はしかし
「ごめんね、私じゃ君らを救えない」
 憐憫であった。猟兵がオブリビオンにもたらすことができるのは、骸の海への回帰。その存在自体は、忘却された何かの残滓として在り、決して救いではない。今一時その飢餓が解消されても、きっとそれだけ。きっと永劫に。
 であれば、無用な感傷か。その身を噛み千切らんとする顎の力は、彼女に痛みを伝えない。感情も共に押し殺され、平静の顔で銃口を捕食者の額に付きつけ、引き金を引いた。

●救済とは何ぞや
 駆けて来たのは一体ではない。夕月の元に、迎撃すれども間に合わぬ数の餓鬼が襲う。痛みは殺せても傷そのものはそうもいかない。その歯はぞぶりと、猟兵の体に食い込んだ。
 無論、苦痛の叫びは帰らない。想定内の反応と、想定外の感触。硬さが、狙った女のそれではない。そしてもう一つの想定外。頭上から聞こえる、男の、声。
「なーに旨いモン食ってやがんだ、てめぇら」
 あわやの所に割り入ったのは、羅刹の偉丈夫。一瞬怯むも思い直す餓鬼たち、その口中の血肉を毟るように噛み切ると、そこからは当然ながら血が噴き出す。
「餓鬼なら炎を呑んで悶えてろ」
 鼻を鳴らしつ睥睨し、エスタシュは言い放った。瞬間その血は業火と化し、伝うようにして敵の口内へと奔り込む。こちらは伝承に違わず彼らの食餌を炎へと変じ、激しい責め苦を与えた。一点違うのは、それが長くは続かず、着火した個体をすべて焼き遂せると、そのまま骸と消えてしまったことであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルター・ユングフラウ
【WIZ】

おまえらが食べ物、だと?
嗤わせる…地に這う虫以下の塵が、我を喰らうとはな
粗末な頭では言葉の意味もわからぬのであろうが、口に出した責任は取ってもらおう

幸い、場所はそう狭くはない
ならば、我の本気の片鱗─UC:ヒュドラを見せてやろう
9つの顎より繰り出される毒で、呪詛で、その身を腐らせ骨まで溶け崩れるが良い
18の蛇眼にて存分に恐怖と殺気を浴びせかけ、巨体で叩き潰すのも良いかもしれぬな
多少の傷は、攻撃に付随する吸血と生命力吸収で賄える…残念であったな、精々抵抗した後に惨めに死ね
貴様等の苦悶の叫びまでも、全て喰らってやろう
ふふっ…どちらが喰われる側かこれでわかったであろう、下郎共よ

※アドリブ歓迎


鶴来・桐葉
へへっ探索では役に立たなかったが戦闘では活躍させてもらうぜ!てめえら!俺達は食いもんじゃねえぞ!そんなに腹が空いてるなら刀でも食らってな!!
【作戦】仲間と連携。サイコソードを攻撃重視に指定。刀の刃が大きくなり攻撃力が増すぜ!これで【二回攻撃】の斬りつけを食らわしてやる!敵からの攻撃は【残像】と【盾受け】で待機だ!
【忍び足】で気づいてない敵を切るのもいいかもな!仲間が襲われてたらそれで助けるぜ!


エン・アウァールス
▼アドリブ歓迎
出遅れてしまったかな?
手数が必要なら、力添えするよ。

▼心情
…驚いた。
猟兵を見て、警戒もせず真っ先に寄ってくるなんて。儀式は本当に、村ぐるみで行われているんだね。村人が、村人を餌として持ち込んでいるんだろう。

隣人が殺人者かあ。
でも、この場所ではそれが普通なんだねえ。

一一 面白いね。ふふ。
咎人殺しの血が疼くけれど。
我慢しようか。

▼戦闘
【暗視】【敵を盾にする】【なぎ払い】を駆使して敵を減らそうか。共喰いで強化されるのは面倒だし、餓鬼の亡骸には「一滴」で猛毒を仕込んでおこう。
それほど頭が良さそうにも見えないけれど、増援や本命に伝達されないように「雪迎え」で餓鬼が現れた通路に罠を設置する。


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
※アドリブ・協力等は歓迎

空腹で強化されるなら、仲間以外の物を食べたら落ち着いて弱体化するのかな?
【混獣生成】で試してみようか。

2㎥くらい大きさの適当な獣を10体ばかり自分の体から生み出したら、適当に走り回らせて囮にするよ。
飢餓で理性を失っている相手には、丁度いい餌になるんじゃないかな。
餓鬼たちが囮の獣に食らいついている隙に、後ろから近付いて斧で頭をカチ割るとしようか。
満腹になって理性を取り戻す瞬間を狙えれば一番だけど、どれだけ食っても満腹にならない可能性もあるし、その辺は状況次第だね。

施餓鬼にはちょいとなまぐさな代物だけど、供養しに来たわけじゃないからねえ。さっさと骸の海にお帰り願おうか。


火守・かこ
拝殿の中に小鬼ねぇ。察するに偽仏の配下ってとこか?
まさか村人をコイツラに食わせてたとかじゃあねぇだろうな
……まあ考えても仕方ねぇ、とにかく今は探索で力になれなかった分もこいつらをぶっ飛ばして活躍しねぇとな!

◆WIZ行動

「戦じゃねぇが出番だぜ赤狐隊!小鬼共を片っ端から燃やし尽くしてやりなぁ!!」

餓鬼共が数頼みに来るってなら、こっちも数で勝負しようじゃねぇか
まずは【侵掠せよ赤狐隊!】で炎の狐たちを召喚して、餓鬼を相手に戦わせる!
もちろん俺自身も、金砕棒を片手に【怪力】を駆使して片っ端から餓鬼を叩き潰す!

所詮は餓鬼が相手だ、策なんざ必要ねぇ
ただ真っ向からブチ当たる、それだけだ!

※アドリブ連携歓迎



●人間道か畜生道か
 エン・アウァールス(蟷螂・f04426)は思う。猟兵の姿を見て警戒もせず真っ先に寄ってくる彼らが、村人によって馴らされていることを。そのために、ひいては儀式において求められた、饗が、贄がなんであるかを。隣人を供し自らの救済を望む、いびつな信仰の姿を。
「でも、この場所ではそれが普通なんだねえ」
 村人たちには洗脳が施されている。元々はそのような思想に傾倒していなくても、今は疑念を抱く余地もなく、敬虔なる信仰心に満たされ、侵されている。もはや思考は介在せず、与えられ、甘受される信仰。あるいは飼育。
 考え事をしながら歩み、少し奥の戦場を目指す。まるで散歩でもするかのように、のんびりとした表情で。だがそこから溢れ出る感情を、その表情は覆い切れていない。目が、光る。
「――面白いね」
 血が疼く。異端の血か、咎人殺しの血か、断罪の性か、それとも、共感、羨望。
目が、光る。

●憂き世は楽し
「戦闘では活躍させてもらうぜ!」
「おう、探索で力になれなかった分も活躍しねぇとな!」
 それぞれに得物を構えて元気に息巻く二人は、餓鬼たちの目を引いた。生命力の権化のような彼はとても生気に満ち満ちて、さぞや「ウマソウダ…」と。大きく口を開き、旺盛な食欲を誇示するように。
「てめえら!俺達は食いもんじゃねえぞ!そんなに腹が空いてるなら」
 鶴来・桐葉の言葉に耳を傾けず、食欲に支配された者たちは次々と向かってくる。火に燃えぬ獲物を、我先に口にしたいのだろう。
「刀でも食らってな!!」
 ユーベルコードの効果によって目の前で巨大化した刀身は、既に跳んだ餓鬼たちには避ける術がない。鋭さを増した刀によって一体が袈裟懸けに斬り捨てられ、返す刀でさらにもう一体が斬り飛ばされた。そのうえさらに襲う鬼の群れに、腕を噛ませる桐葉。歯はそこに沈むことなく装備された盾に受け止められ、気を取られた間にその体は失われた。
「戦じゃねぇが出番だぜ赤狐隊!小鬼共を片っ端から燃やし尽くしてやりなぁ!!」
 数は減ったと言っても未だ奥から涌き出すように現れ続ける餓鬼たちは、桐葉を僅かずつ傷つけていく。そこへ、かこのユーベルコードによって召喚された炎の狐たちが躍りかかった。またも、火。たじろぐ敵に、18の火が溶岩流か何かのように押しかかり、斬り、焼き、侵し掠める。戦闘を往くはもちろん、召喚者のかこ。隊長と言うべきか、彼女は金砕棒を掲げ、惑う敵軍を示しながら令する。
「所詮は餓鬼が相手だ、策なんざ必要ねぇ!ただ真っ向からブチ当たる、それだけだ!」
 可愛らしい喊声を上げ、狐たちの猛火の進軍は加速する。
 戦場にありて活き活きと見える、彼女の気性は生来の物か。信心だとか冒涜だとか、命のやりとり自体をどうこう言うつもりはない。が、ここにはそうではない、不純なものが多すぎる。そして少なくともそれは、楽しいものではない。だから、そこまでで充分だろう。
「考えても仕方ねぇ、とにかくぶっ飛ばぁす!」
 いやます活力は灰色の瞳を赫々と輝かせ、猛火を宿す。真紅の金砕棒を振いながら、負傷も厭わず笑い屠るその姿はそれこそ、地獄の獄卒、羅刹もかくや、というものであった。

●救済とは何ぞや
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードは考える。
「空腹で強化されるなら、仲間以外の物を食べたら落ち着いて弱体化するのかな?」
 少し考え込み、頷くと、試してみることにした。その身から四つ足の獣が転び出るように次々と現れ、その数は十ほどとなった。どれも、自然下においてはお目にかかることはないであろう、一語で言い表せない獣たち。彼女のユーベルコード、混獣生成によって生み出された合成獣たちである。
「さあ、動きだせ」
 指示に応じ、一斉に思い思いに駆け出す獣たちの姿は、どうしてこの場に現れたかなどはどうでも良いほどに、餓鬼の空腹にとっては魅力的であった。危険は薄く、腹は満たされる。となれば跳び付かない理由はない。迎撃に終始し次々と同族を殺しまくる、危ない猟兵は放っておいて、手を離せるものはすぐにその餌へと向かっていった。
あっという間に取り囲まれ、獣たちは喰らいつかれて悲鳴を上げる。次々に殺到する餓鬼たちはとにかくそれにありつきたい一心で、前を行く餓鬼を押しのけ張り倒し、肉を得ようと必死になる。そこに既に、否、もとより理性などはなく、対象の肉が何かなどはどうでもよく、混ざる悲鳴が同族の物でも構うことはなかった。それほど空腹は度し難く、それほど満足は得難い。たとえ隣の餓鬼が頭を割られても、たとえ反対隣の餓鬼が胸を貫かれても。
「オブリビオンにはちょっと贅沢なんじゃねえか」
「施餓鬼にはちょいとなまぐさな代物だけど、供養しに来たわけじゃないからねえ。さっさと骸の海にお帰り願おうか」
 満たされぬ空腹を抱えた餓鬼は、満たされる期待を抱いたままに還り行く。不用心に食事を続ける彼らは次々と倒され、あるいは仲間に身を饗し、その数をいよいよ減じていった。

●蓮華王
 女帝は嗤う。囲む悪鬼にくつくつと。
「地に這う虫以下の塵が、我を喰らうとはな」
 変化を始めたフォルター・ユングフラウの姿に、警戒を示した者もあった。彼は跳び付き、敵に噛み付く。しかしその歯は通らない。膚に布かれた黒鱗によって攻撃は阻まれた。笑みつつも、その目は冷たい。
「粗末な頭では言葉の意味もわからぬのであろうが、口に出した責任は取ってもらおう」
 言う間にも姿は変じ、噛まれた部分も径を大きくしていく。諦めず齧りついた餓鬼の顎は、可動域を超えて砕けた。そうして現れたのは、巨大な、九つ首の大蛇。
「光栄に思え―この威容を目に焼き付けて逝ける事を。」
 表情の推し量れない蛇の目からは、なぜかそれでも、愉悦の色が見て取れた。天井の低さに窮屈そうに首をもたげ、フォルターはその獲物を睥睨する。その姿の与える恐怖は、予感させる死は、彼らの足を無意識のうちに後ろへと運ばせた。

 逃げ出した餓鬼は、奥へ向かおうと通路に入る。入ろうとしたはずだったが、それは遮られ、その身の至る所に刻まれた傷がなおも恐怖を混乱を煽る。
「出遅れてしまったかな?」
 エンは、派手な戦闘の裏に隠れるようにして巧みに注意を掻い潜り、餓鬼たちの現れた通路へと回り込んでいた。そして、使用されたは「雪迎え」、触れたものを切り刻む銀糸を罠として張り巡らせた。日の下であればそれは光を跳ね返し、見ることはできたかもしれない。暗がりにおいてそれは、不可視の刃そのものであった。何が起きたかは彼らには分からないが、分かったのは「逃げられない」ということ。
 恐怖を押し、あるいは恐怖に駆られ、生き残るために彼らは蛇との対峙を選ぶ。それに当たり、戦えない餓鬼を犠牲にしよう。自分だけでも生き残らねば。そう考えた者たちは一目散に倒れた仲間の体に貪りついた。
「あっ」
 エンの声に制止の意図があったかどうかは定かではないが、とにかく止まることなく食べ続けた彼らは暫くの後に苦しみだした。喉を掻きむしり、目を押さえ、のたうち回る。これまたこの羅刹の仕込んだ毒である。
「あーあ、そんなに慌てて食べるから」
 呆れたように言いながら、その手の鋸刃を振り下ろす。順に転げ落ちる頭を見ながら、さらに恐怖の色を強める餓鬼たち。これらは本当に人間か、と。
「ふふっ…どちらが喰われる側かこれでわかったであろう、下郎共よ」
 毒に苦しみその身を溶かし、叩き潰され呑み込まれ。スナック菓子の袋のように、気付けば空間内のオブリビオンたちはその姿を消していた。もはや此に顕現せし餓鬼道はその姿を消し。総ての餓鬼は「次」へと向かった。かもしれない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『闇刃阿修羅』

POW   :    六道輪廻撃
【六本の腕】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    救世塵殺
自身が装備する【武器】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    後光・偽
【全身】から【目映い光】を放ち、【相手を怯ませる】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は月凪・ハルマです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●救済とは何ぞや
「せっかく救ってやろうというものを、そうも地獄に苦しみたいか」
座した男は息を吐く。悟入も遠き凡愚らを嘲笑い。救世を信じぬ暗愚らを蔑み。
「さにあり現世は無間地獄、死こそが真なる救いなり」
 億劫そうに立ち上がりながら、紛い物の教えを説く。
「仏に逢うては仏を殺し祖に逢うては祖を殺し羅漢に逢うては羅漢を殺し父母に逢うては父母を殺し親眷に逢うては親眷を殺して!」
 その語りは次第に圧を高め勢いを強め、高揚は限界へと昇り詰める。すでにそこに人型はなく、そこにあるは異形の姿。
「そう救済とは殺すことにあり救済者とは殺すものなり!さあ救わせてくれ!この身に!その身を!」

 これを倒せば、村人たちの洗脳状態は解かれるだろう。そしてこれを倒して村に残るものは、罪の意識と、殺された者と、遺された者。
すべきことも、できることも、オブリビオンを倒すこと。
フォルター・ユングフラウ
【WIZ】

頭が高いぞ、下郎
貴様の倫理に従えば、我こそは救済者よ
三下如きが我に説教を垂れるでない…貴様を“救済”し、その騒々しい口を閉じさせてやろう

大威力攻撃や物量攻撃、妨害…なるほど、癪ではあるが実に均整の取れた能力ではないか
であれば
攻撃と回避の両立が出来る、UC:トーデスシュトラーフェにて対抗しよう
死角より、一撃一撃じっくりと削り抉ってやる
誘惑、毒、呪詛、催眠、吸血…さぁ、存分にその身で味わえ
一息に救済されるよりも、徐々に救済される方が有難みがあるだろう?

逢う全てを殺す─それを体現して来たのが、我が人生
案ずるな
貴様に代わり、今後も我が全てを“救済”し続けてやろう…はははっ!

※アドリブ歓迎


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
あえて殺すまでも無く、生きてりゃいずれ死ぬもんだろうに。
既に与えられてる救いを横取りして救世気取りかい。

ま、何であれ殴り合うことに変わりは無し。ちょいと疲れるが、少しばかり真面目に行こうか。

【鋭敏感覚】を発動して、見える範囲の武器は目で見て見切り、死角は風切り音で聞き分けて、可能な限りは避けるとしよう。
避けきれない分は右手の外骨格と武器で叩き落して、それでも足りなきゃ体の強靭さに任せて刺さろうが斬られようが耐えればいい。

避けて受けて近付いたなら後はまあ、力任せにぶん殴るだけだね。

他人に救いを求めるほど、あたしは弱くないんでねえ。救われるのはそっちだけで十分さね。


エスタシュ・ロックドア
阿修羅が人間道で地獄と救済を説くか
村にテメェさえ来なけりゃ連中はまだマシだったはずだがな

行くぜ、餓鬼道抜けて六道最下、今ここが地獄だ
『ブレイズフレイム』発動
敵だけを焼く様に調整して【範囲攻撃】、火に撒くぜ
だがこれは牽制、目晦まし
すかさず突っ込んで【怪力】でフリントを下段、
火の中から逆袈裟に斬り上げる
地獄の折檻はこんなもんじゃねぇだろうが、お試しサービスってやつよ

敵の攻撃は【ダッシュ】で避ける
間に合わなけりゃ、仕方ねぇか
そのまま受けるがタダじゃすまさねぇ
腕が多かろうと踏ん張る足は二本のみ
傷から火ぃ噴きつつ、
六本のうち一本の腕を【怪力】で掴んで【カウンター】【グラップル】
投げ飛ばしてやらぁ


宮落・ライア
なんだ?救われたいのか?
そうならそうと早く言えばいいのに。
さ、殺そう。キミは周りに迷惑かけすぎる。

まぁ、ボクの家系も死は安寧、安らぎの時って考えだけどさ。
それはあくまで精一杯生きて生きて生ききって、その最後のお休みなんだ。
だから、その教義は切って捨てるよ。


さて、肉を切らせて骨を断ちにいこう。【刀】
【見切り】で相手の攻撃にあわせて【カウンター・捨て身の一撃・激痛耐性・怪力・残像・鎧砕き・薙ぎ払い・剣刃一閃】で腕の何本かは貰おうか。

そのまま止めをさせるのなら、【二回攻撃・力溜め・大剣】で叩き潰す。


火守・かこ
聞き捨てならねぇこと言いやがって。この俺を救うだ?
俺の死に場所は俺自身で決める!今ここでテメェに殺られる気なんざ更々ねぇんだよ!

◆POW行動

見た感じ、あの六本腕は驚異だが肉体の方はそこまで頑丈って感じはしねぇな
至近距離で金砕棒の一撃を叩き込めば良いダメージを与えられそうだし、ここは隙を見て突っ込むぜ!
隙が無かったとしても突っ込むけどな!危険なんざ関係ねぇ、どんとこいだ!
敵のユーベルコードを前に身を晒すことになるかもしれねぇが、そこは【野生の勘】で可能な限り回避を狙う
たとえ喰らっても、【怪力】【鎧砕き】【捨て身の一撃】を駆使した【地爆衝】の一撃さえ打ち込めれば良しってな!

※アドリブ連携歓迎


エン・アウァールス
▼アレンジ歓迎

▼心情
分かるよ。
確かに、この世は地獄だとも。

…かつて、ヒトをね、救おうと。
ヒトを憐れに思い。その苦痛を無くそうとしたオブリビオンを知っているよ。キミもそうなのかい?
一一 そうなら、ごめんね。

それと、地獄も悪くないよ。
「住めば都」っていう言葉もある。…知らない?

▼戦闘
【戦闘知識】【激痛耐性】【見切り】【スナイパー】を駆使。
「肉剥」を【武器改造】で薙刀形状に変化させ、敵の多腕に対応する。敵との距離を取ると同時に、多腕の間を縫うように「黒鳶」で目を狙う。

▼村人からの糾弾があった場合
ひとついいかな。
一一 キミ達は、オブリビオンとヒトのどちらかな?

ヒト?…そう、
…残念。

【恫喝】で黙らせる。


鶴来・桐葉
てめえか…あんなふざけたもんを広めやがったのは…何も言わねえ、斬り捨ててやる!!

【作戦】仲間と連携。サイコソードを攻撃重視にして、【二回攻撃】を利用して斬り捨てる。常に怒りの表情。「殺すのが救済だと…?てめえのせいで何人死んだと思ってやがる…あんまこんなこと言いたかねえがてめえには言わせてもらうぜ…てめえが死ね!」敵からの攻撃には【残像】と【盾受け】で対処。
【残像】で敵が空振った隙をつく。「そいつぁ残像だよクソが」

【戦闘終了後】今まで犠牲になった人たちの事を思いながら「これで少しでも供養になってればいいが…」
(絡み・アドリブOK)


桜井・夕月
欲に塗れて行動して居るなぁ。ほら、あなたがその救済を受ける時がきたよ?

○SPD
必要かつ可能なら阿修羅戦の前に回復
味方のサポートに専念
月牙による敵の攻撃の妨害と味方の攻撃の補助、魔弾での回復など
【スナイパー】【援護射撃】【衝撃波】【戦闘知識】
【属性攻撃】【医術】【高速詠唱】【クイックドロウ】【2回攻撃】【フェイント】

武器含め敵が視界に入る状況、距離を保つ
攻撃を喰らわない様に行動したい
【暗視】【地形の利用】【物を隠す】【目立たない】【第六感】【世界知識】【激痛耐性】【カウンター】

影獣(狐)
ウカ、出番だよ。一緒にサポートよろしくね。
後光の攻撃、影で覆って弱めたりとかできないかな。

アドリブ・共闘歓迎



●光もたらす者 堕落せしめる者
「てめえか…あんなふざけたもんを広めやがったのは…」
 鶴来・桐葉は怒っていた。勿論この場にいる何人かの猟兵がそうであったが、その中でも特筆すべきほどにその感情を強く見せていた。抜き身を携え正面からずんずんと歩み寄る。刀は、餓鬼たちとの戦いと同じユーベルコードによりその刀身を大きくしていたが、それは怒りによるものか、先よりさらに大きなものであるように見えた。
「ふざけたもの さにあらじ これは信仰である 救済である」
 歯を剥き、射殺さんばかりに睨みつける。
「殺すのが救済だと…?てめえのせいで何人死んだと思ってやがる」
「然り 何人も救われた これからも救われよう」
 飽くまで冷然としたその言葉に、一瞬言葉を失い、次に総身からあらん限りの怒りを絞り出すような声で、告げる。
「あんまこんなこと言いたかねえがてめえには言わせてもらうぜ…」
 力の限りに、さりとて力任せではなく。桐葉の超能力により編まれた刃が異形へと向かう。
「てめえが死ね!」
「瞋恚は毒ぞ」
 重さのない、純然たる鋭さだけにより外殻を構成されたその刃はしかし、憐れむような声で言う闇刃阿修羅に半身を退けて躱され、そこに刀が大きく振り上げられた。
「まだまだぁっ!」
 踏み込んだ足に力を込めて身を起こしながら懐に入り、振り上げた敵の肘を盾でかち上げる。そうして空いた胴体に、続く横薙ぎの斬撃が襲った。
「ぐうっ」
 崇められ奉られたそれに生まれた驕りは、続いて油断を生み、傷を刻まれた。傷は警戒を生み、油断を殺す。
「この身が死しては救世が成らぬ まだまだ救い足りぬ 救わねば」
 声に混じる、恍惚と愉悦。安寧ではなく破滅を求むる、貪欲。さすればそこから放たれる後光に、仏性はいかばかりか。
 ともあれそれは事実として猟兵たちの前に顕現し、確実にその視力を奪う。至近で受けた桐葉への被害は著しく、彼の視界は眩い闇に囚われた。
「くっ、この…!」
「恐るるなかれ 死は平穏なり」
 知覚できない猟兵の側面へ回り込み、今度こそと構えるが。

●等活地獄
「欲に塗れて行動して居るなぁ」
 挑発的に放たれる言葉。覚者を自認するそれの注意を惹くには至らないが、それは言葉だけであった場合。同じく放たれた魔弾の群れは黙殺することを許さなかった。
「何故邪魔をする 何故救いを阻む」
 一人の猟兵の手によって釣瓶撃ちの目に遭った阿修羅は攻撃の手を止め、尽かぬ魔弾の射手を見た。視線の先の桜井・夕月の背後には、多尾の影獣・ウカが警戒を示し随伴する。
「ほら、あなたがその救済を受ける時がきたよ?」
「この身は導くものなり 未だ救いを得るに能わず しかるに まだその時では
「なんだ?救われたいのか?そうならそうと早く言えばいいのに」
 拍子抜けする程にあっけらかんとした調子の声は、問答の相手とはまた別の方向から聞こえた。振り向けば銀髪の少女、その姿が無拍子に滑り来る。
 異形は右上段の刃を振り上げ、猟兵めがけ振り下ろして迎撃する。切り裂いたは残像、掻き消え他方から宮落・ライアが肉薄する。間髪入れずに左中段より放たれた斬撃は、彼女に浅くはない傷を与え、続く攻撃も、当たる避けられるはあれども深浅大小さまざまに斬り付けた。途中夕月の月牙より放たれる魔弾も飛び来たが、仲間への被害を嫌ってか、どれも容易に回避できるものであった。真白の肌に咲き散る赤は紅蓮地獄もさながらに、されど燃え立つ両の目はなおも清けき大紅蓮。確かにその身に負うたはずの激痛をものともせずに、地上においては蓋をしていた感情を解き放つように、噤んだ言葉を突き刺すように、真直ぐに見据えて吐いた言葉は、簡潔であった。
「さ、殺そう」
 まるでちょっと思いついて電車で少し遠出しようか、とでも言うような軽さで投げかけられる殺意。眼前で救いを待つばかりの苦痛を覚えているはずの少女から告げられる殺意。どこから来る自信か気骨か、人として存在するものなら不気味さか、あるいは疑問を抱いたことだろう。しかし阿修羅は人ならず、油断は消ゆとも驕りはありて、それは致命的な誤謬を呼んだ。満身の力の籠った一閃が、眼前の白より放たれる。
 新たに振った刃は意に背き、ライアを切り裂かず異形の腕を離れていく。速度と剛力をもって伸べられた右下段の腕は、その芯材を捉えた猟兵の攻撃によって斬り飛ばされ、肘から先を失った。
 危機感からか救済のためか、眼前の生者を貫くために放とうとした左腕は、更なる一太刀に追撃を阻まれる。
「まだだって言ってんだろクソが」
 見ると死角より、サイコソードの巨大な刃。やや目を顰めてはいるが、少なからず視力は回復している。桐葉は食い込んだ刃を引き切るようにして、また一本、左下段の腕を奪い去った。男は視線の先に目配せをし、引き続きライアを回復の魔弾で狙撃し続けていた夕月が応えて手を挙げて見せた。

●救済とは何ぞや
「教えに背きしも救うてこその救世である さらば見よ改めよ 救いの光なれば」
 再び光量を増す阿修羅だが、悠長に待つような猟兵ではない。
「ウカ、出番だよ」
 夕月の声に影が駆け出し、その敵に飛び掛かる。影は光を覆い、飲み込み、堂内の闇を速やかに奪還して異形を困惑させた。覚者に迷いは容れる余地はないはずであろうが。そしてそれは戦にても。
黒い獣を払いのけたそれの眼は、すぐに迫る黒に埋められ、その嘴口へと捧げられた。
「分かるよ。確かに、この世は地獄だとも」
 異形の薙刀を提げた羅刹、自身に手裏剣を擲った男、エン・アウァールスに隻眼を向け、オブリビオンは我が目からそれを引き抜いて捨てる。
「…かつて、ヒトをね、救おうと。ヒトを憐れに思い。その苦痛を無くそうとしたオブリビオンを知っているよ。キミもそうなのかい?」
 憐憫を知るヒトならざるものと、知らぬヒトなりしもの。迫害されし異端は、この現世に地獄を見る。そこにすら、悲しみはない。悲しみのない悲しみは、されど消えない。
「――そうなら、ごめんね」
 降魔の力はその身に宿り、その身を苛み、血は眼を伝った。
「さように苦行なりしか なればこそ 疾く疾く救済を成さねば」
 阿修羅は感極まったように声を強め、穿たれた眼窩より血を溢れさせながら、空間に刀を幾本も生み出した。差し向けられた無数の刀を、ユーベルコードでその身を強化したエンは薙刀の一本のみでいなし、払い、躱し、時に刺されながらも、悠然と前進を続ける。そうして血涙の二者が向かい合い、救済者はその手で刀を振り下ろさんとした。この、苦悶の男を救おうと。
「今こそ救おう この身に その身を委ねるがいい」
 しかしその刃は容易く弾かれ、続く挙動で鋸刃が肩口の肉へと強かに割り込んだ。
「でも、地獄も悪くないよ」
 彼の地獄は、救われるべき地獄ではない。
「『住めば都』っていう言葉もある。…知らない?」
 故郷への愛着なんて、そう珍しいものでもないだろう。

●外道も覇道も道なれば
「阿修羅が人間道で地獄と救済を説くか。村にテメェさえ来なけりゃ連中はまだマシだったはずだがな」
 こちらの鬼は怒りも悲しみも知る。そして今は、オーバーヒートのレッドゾーン。
「行くぜ、餓鬼道抜けて六道最下、今ここが地獄だ」
 エスタシュ・ロックドアは、その身の傷から噴き出す焦熱をオブリビオンへと浴びせかける。吹き払おうとも追い来る火は、まさに地獄の責め苦のようにその身を苛む。
「かほどの火 悟道の厳しさには比するべくもない」
 排除を諦め甘んじてその火を受け、猟兵の攻撃に備えようとするも、対する相手の姿はなく、さすがに慌てて周囲を見回す。
「おらぁ!」
 炎を潜るようにして現れた男に対し、六臂を束ねて防御と為す、はずだった。裂帛の気合と共に繰り出された剛剣フリントによる逆袈裟の斬り上げは、あるはずだった下腕の防御を抜けて――即ち、がら空きの腹部を抉り斬った。
「地獄の折檻はこんなもんじゃねぇだろうが、お試しサービスってやつよ。そら、まだまだ行くぜ!」
 仰け反る羅刹の腕を取り、両の脚を地面から引き抜いた。
「おのれ悪鬼め いざや降伏せしめん」
 担いだエスタシュの背に、刀を突き立て攻撃を留めんとする。この猟兵においては激痛耐性を持ち合わせておらず、そこには強烈な痛みが走ったことだろう。しかし、彼は止まらず。それどころかその血を火として浴びせかけながら、力任せにブン投げた。
「がっ」
 背から落とされ一瞬呼吸を止め、急ぎ立ち上がろうと起こしかけた阿修羅の身体は
「頭が高いぞ、下郎」
 誰もいないはずの背後より延べられた黒い靴によって、再び地面へと押し付けられた。見上げれば黒い女、巨大な鋸刃の収穫鎌、そして今に消え行く魔法陣の残滓。見下ろしながら嗜虐的な笑みを向けるフォルター・ユングフラウの足は、異形の肩を踏みにじる。先ほど、エンに抉られたその肩を。
「おぉ、おぉ、虫けらが脚を捥がれてじたばたと…良いざまではないか」
 耐える相手に酷薄に赤い瞳の目を細めながら、阿修羅の身に鎌をあてがい煽り立てる。
「貴様の倫理に従えば、我こそは救済者よ」
 教えに背きし魔性の言葉は俗人の解脱を妨げる。そう考えた教えのものは、必死に転び逃れ、立ち上がるが、姿を見失う。さりとて間違いは正さねばならぬ。今に、すぐに。
「この身の倫理ではない 定めし真諦である 飛縁魔ふぜいがいたずらに救済を騙り
「三下如きが我に説教を垂れるでない」
 背を抉られる。振り返り刀を振るうが、それは空を切る。そしてまた背を。
「さぁ、存分にその身で味わえ。一息に救済されるよりも、有難みがあるだろう?」
 言うように、受ける傷はそれぞれに致命たりえぬが、それぞれが深く、重い。そして聞こえる悪意の笑いも、看過できるものではない。救世のためには、これなる魔性を速やかに除かねば。

●知るか
 専心が、裏を返して隙となる。
「あえて殺すまでも無く、生きてりゃいずれ死ぬもんだろうに」
 冷たく見遣るペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードと
「聞き捨てならねぇこと言いやがって。この俺を救うだ?」
 怒りを燃やす火守・かこ。それらの思いも言葉も、文字通り踊らされ、我知らず視野を狭める隻眼の覚者には届かない。そうして二人は、駆け、跳んだ。
「俺の死に場所は俺自身で決める!今ここでテメェに殺られる気なんざ更々ねぇんだよ!」
 その力強い声に気付かぬはずはなく、当然阿修羅はかこを向き、同時にもう一人の猟兵にも気付く。差し向けられた飛天の刃が二人を襲う。
「ちょいと疲れるが、少しばかり真面目に行こうか」
察知されたことにやや残念そうにすると、ペトニアロトゥシカはユーベルコードを行使し、感覚を超常的に研ぎ澄ます。飛び来る刃を目で見て躱し、耳で聞いて躱し、武器で叩いて落とし、時折右手で弾き散らす。
一方のかこも、戦場で培った経験と勘のみで躱してのけながら着実に進む。が、ついには刃をその身に届かせ、血を噴き出させた。それは追い詰められたものの活路を開いた安堵からか
「したり さあ恐るるなかれ 救済を受け入れよ」
 声を高くし、愉悦の色を再び濃くして吠え立てる。傷を負えば恐れ、慌てるはずである。

 はずであるが。
「関係ねぇ」
「耐えればいい」
 言の通りに耐え遂せた二人は、阿修羅の眼前でそれぞれの得物を振り上げる。異形の隻眼に困惑の色が浮かぶ。それもまた、関係ねぇ。
「ぶっ潰れろおおおおおおお!!!」
 一人は叫び、一人は黙して、金砕棒を、大斧を、別々の方向から剛力をもって振り下ろした。堂が揺れ、床はひしゃげ、異形の胴体はいびつに砕けた。
「がはっ」
「そうだ。貴様はそのように、伏して仰ぎ見るが似合いであるぞ」
 身体の半分の制御を失い、今度こそ真に潰されて死に損なった虫のようにもがき、それでもなお立ち上がろうとするオブリビオンを、フォルターが蹴り転がしながら言う。
「逢う全てを殺す―それを体現して来たのが、我が人生」
「違うのだ 救世とはそのようなものでは」
「案ずるな。貴様に代わり、今後も我が全てを"救済"し続けてやろう…はははっ!」
「おのれ 天魔め」

●説破
 潰れた臓腑を悔恨に煮やすそれの耳に、哄笑は鳴り止まず。そこに再びライアが立つ。先の鋭き刀ではなく、手に携えるは重き大剣。この人はまた別だけど、と前置きしつつ語りかける。
「キミは周りに迷惑かけすぎる」
「されどこの身は救済のため 救世のため」
「だから要らねぇって言ってんだろ」
 血塗れで噛み付くかこに、四臂の阿修羅は鼻白む。
「何故に拒む 現世の地獄なるを認めながら そのようになりながら 何故救済を求めぬか」
「まぁ、ボクの家系も死は安寧、安らぎの時って考えだけどさ。それはあくまで精一杯生きて生きて生ききって、その最後のお休みなんだ」
「では死せるまで苦しみながら生き続けよと それではあまりに」
 まるで喰いさがるそれ自身こそが救いを求めるように、声に悲愴な色を乗せて問い続ける。
「他人に救いを求めるほど、あたしは弱くないんでねえ。救われるのはそっちだけで十分さね」
「そのような 否 そのようなことは この身にこそ救いは要らぬ 衆生を救う使命を全うするまでは」
「じゃあ他の人もそうなんじゃないの」
 必死で我が意を語る阿修羅の舌が、ペトニアロトゥシカの煩わしそうにも聞こえる声を受けてはたと止まった。為すべきこと、為したいことを為すまでは死ねない。そんな思いがあることは最初から知っていたのに。
「ああ」
 何やらを成し遂げたように、しかして解放されたように大きく息を吐き、声を漏らして項垂れた。
「じゃあ、もういいね」
 返事は待たれず、力強く振り下ろされた大剣によって叩き潰され、オブリビオンは霞み消えた。

●救済とは
「これで少しでも供養になってればいいが…」
 地上へと戻る道すがら、桐葉は呟く。気の重さは、低い天井のせいばかりではないだろう。
 小屋から出ると、正気を取り戻した村人たちが集まっていた。表情を見るに、歓待するそれではない。喜ばしからざる客人は、その評価を変えることなく去ることとなった。追い出されるように帰路を行く中、その声は聞こえた。

「なんてことしてくれたんだ」
 大きくはない声。出所の特定は難しい程度のその声は、震えていた。猟兵によって救われたのは承知の上で、自責の念から逃れるため、罪の在処をすり替えるため、放たれた糾弾の声。
 この猟兵のように強ければ、あるいはこの猟兵のように構わなければ、感ずることのなかったであろう苦しみ。誰が、如何にして如何なる業苦を背負っていたかは分からないが、今改めては、全ての村人が一様に罪科を得て、しかも裁かれることはない。弱き者にはそれが耐え難く、何者かのせいにせねば、その心は潰れかねぬのであろう。
 察するにあまりある胸中に、唇を噛み俯く者もあった。身勝手な物言いに憤る者もある。しかしどうしようとも命は戻らず、罪は消えない。なれば甘んずるべきか。少しでも生きる力となるのであれば。

「ひとつ、いいかな」
 一人足を止めて、エンは見回しながら穏やかに言う。目を合わせる者はない。
「――キミ達は、オブリビオンとヒトのどちらかな?」
 質されたは矜持か、廉恥か。それでも人間か、と。
「馬鹿言うんでねえ、人に決まってんだろうが」
 恐れる心を鼓舞するように、若者が一人吠え立てた。そう、と羅刹は短く言って、茫洋とした表情のまま踵を返す。続く言葉は足音に掻き消えず、衆人の耳へと届いた。届けられた。
「……残念」
 オブリビオンだったら――その横顔に怒りや悲しみは見て取れず、問われた意図も読み取れず。神仏を騙る魔性より村を救いしは、即ち魔性ならざるや。慄く村を捨て置き、エンは仲間の後を追う。

 村は、オブリビオンより救われた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月27日
宿敵 『闇刃阿修羅』 を撃破!


挿絵イラスト