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唾吐きのロゴス

作者：にゃあら

●祝福せよ臓物クロース、廃棄したダーク・ヤング
　一月にまみれたカレンダーが人の姿を抱擁（だ）いていた。年から年中『もちつき』で在れば彼女のやる気も落ちるのだろう。嗚々、聖なるかなと投擲された大袋（ハギス）が謳う、どこぞの聖人の再誕に誰しもが悦ぶ中で――メリー・メリーは鈴を知れない。
　ホワイト・クリスマスにぶっ壊されたブッシュ・ド・ノエル、塑の狂気は押して増やす（プッシュ・ド・フエル）に違いない。素敵な悪夢（ナイトメア）をプレゼント、悪い子も良い子も収容違反（あやまち）を起こして終えばおやすみだ。
　――枕元に置いた腐れ心臓、二度と君は目覚めない。

　ところで蛆虫ニンゲンなんて視聴（み）たいと思わない？
　きらめいた星は冒涜的な橇を知っている。

●グリモアベース
「貴様等、ユールだ。祝辞（ワード）を垂れ流す暇もなく、UDC組織は日々稼働している事だろう。嗚呼――哀れな人間は不意の致命（ミス）に弱いのだよ、何よりも彼等は真面を愛していたのだ――精神崩壊を起こした人物が『何をやるか』想像に難くない」
　大惨事だ――クカカとグリモア猟兵は嗤い、猟兵（きみ）を認識（み）ている――狂気に陥った人物は化け物を解放せんと振る舞うに決まっている。
「支部に鎖されており、休眠状態のUDCの対話・世話を行っている職員のひとりだ。彼の精神状態を元に戻しつつ『それ』の方法を訊き出すと好い。完全覚醒を止めたとしても予定調和『化け物は覚醒しようとする』故な――ついでに取り巻きの情報を集またら上出来と言えよう。素晴らしいほどのホワイトだと思い給え」
　あとは普段通りUDCを『削除』すれば好いのだろう。
「付け足すとすれば支部の最深部、邪神様との戦闘時。設備を扱えば有利に戦えるかもしれぬ――ケーキに蝋燭を突き刺すなど外道でしかないのだ」
　グリモアが輝いて。

第1章 日常 『きらめく星の舞台』

POW   :    輝く星を捜す SPD   :    煌く灯を探す WIZ   :    瞬く光を示す 👑5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

　UDC職員の朝は早い――怪物に月と日を教えなければならない。
　UDC職員の夜は遅い――怪物に明日を教えなければならない。
　永遠と続くような業務内容に煉獄のような水掛け論。
　ふと、外を眺めればあまねく星々。
　――わかっている、今が12月だという事は。
　その現実を漏らしてはならない。
　その真実を吐いてはならない。
　たとえ疲れていても、気が触れそうでも、応えてはならない。

　ふらりと目眩を感じたのは雪の所為であった。
　シャララ、シャララン、幻聴（すず）が鳴る。


　蚯蚓と稲穂の関係性を殆どの人類は忘れていた、畝の後ろでのたうつ悪魔が過去（オブリビオン）と化すのも時間の問題だろう。クリスマスにせよ大晦日にせよ春節にせよ、力任せの労働から離れる機会（とき）でしかなかったのだ。暖炉（うろ）に投げられた端材（き）のぬくもりを君はちゃあんと無碍にしている――それを一年の終わりと定義した所為で――この貌（ざま）だ、目が回るほどの白紙に刺されていく。
　とりとめもない世間話だよ――火酒（も）え滓のような時代に山と積まれた仕事（いし）が嗤う、これを崩すにはおはなし相手が不可欠なのだ。ついでに量も半分になるぞ。ちょっとした喜劇（わら）いが場を濁した――そろそろスモーク・サーモンに触れたら如何か。磔刑（つ）かれたメシアが鬱陶しそうに机を蹴った。
　転がっていたエナジー・ドリンクの缶（はらわた）にはご退場願ってノン・カフェインへ手を伸ばすと好い。いかれた根詰めには気楽な三十分を捧げるべきだ――善は急げを冒し尽くして急がば回れの化身とする――二十五分の作業と五分間の星光浴。
　冬の三角形をはんぶんこする、血液が巡った。

　宙を眺めていると声が聴こえた。
　ジングルベル・ジングルベル、真っ赤なお花のスケープゴート。
　奇遇だね――降誕祭に招かれなかったのは君も同じだ。

　愚痴々々と虫唾がはしる、ただの迷惑行為（クレーマー）を鏖（ころ）して往った。莫迦に出来ないマニュアルが嘘を吐けと叱咤してくる――あの日の『僕』は如何して反撃しなかったのか――喧しい指令（シナリオ）に石を投げ付けよう。
　プレゼントは人間の言語（ロゴス）だ、ぬれた肉に脂分（オイル）を注いでしまえ。三位一体（ブドウ・ジュース）の味わいに愚か者を一滴。
　――逆さになったって煙突からは入れないよ、そんなものは無いからね。

成功 🔵​🔵​🔴​

　星群（いぬ）に追われた人間は目玉を何処かに墜としたのか、ころころと忙しなく動いていた。此方へ彼方へと正気へ狂気へ行ったり来たり、ざわついた脳味噌の異変にも気付けないのか――12月は師走というんだったかしら――おそろしいほどに特別な、普段以上に普段らしいサンタクロースの贈り物（プレゼント）。もういっそ殺してくれないか、と、彼が弱音（つぶ）やいていた……見上げる暇も在りはしない、仔羊の暈増し。
　星辰（シナプス）の限界を迎えていた、塑の貌（つら）には生気が宿っていない。ぐい、と顎（さき）を動かすように目と鼻の先、瞬きをやめない美しさの輪舞曲（ロンド）。ねえ、お話しましょうよ。揃いに々った流れ星（ちりぢり）が怪物どもとお戯れしていく――明日は1月25日、あと一年は我慢してね――みえない絶望、称えられた。
　クリスマスツリーは無いけれど――焦げ付いた前頭葉（はっぱ）に映り込んだ、天蓋（ふた）いっぱいの意志（かがや）き。牢獄（どろぬま）から一歩、浄化された世界（そら）に飛び出して――せめて気分だけでも味わってもらえるなら嬉しいわ。
　涅々（くりくり）と遊泳（あそ）んでいる瞳（あなた）のやわらいだ表情。大丈夫、ほっと一息休（つ）けたなら、職員でなくたって赦される。遣い方が間違っていても誰も※※を責めたりしない、幾等か不可視（みえない）フリしたって構わないのだ。

　はじめのロゴスを噛む必要はないのだ、ただ器だけ横たわれば好い。
　――歌が聞こえる、天駆ける橇。すくうように三度。

成功 🔵​🔵​🔴​

　人間に与えられた枷の中で最も慈悲深いのは空腹（はらわた）だろう、じくじくと涌き始めた酸味（えきたい）が底から壁までを覆っていく。お勤めご苦労様です――マイナス感情にスリ殺された、理性的な脳味噌（おつむ）を癒す為には休息他にない――私はどちらかと言うと食べる事よりダンスをすれば治癒（おさ）まる性質（タチ）なんですが。嗚呼、普通の人類は疲弊重なり音にも乗れない、賢い蟲（オマエ）はちゃあんと理解しているのだ。娯楽は三大欲求の奴隷と見做される。
　兎にも角にも腐りかけの土や剥がれた樹皮、そんなご馳走に群がる甲虫の如く。たんまりと料理を創造（つく）り持成（だ）すと悦ばしい。この際に要なのは味よりも情熱（プラス）だ、ダラキュをリアへと変換していく馥郁（こう）ばしさで在れ――食材は此方で用意しました。どんな化け物を世話していたって胃腸は蠢く、たれた涎を無碍には為せない。埒外曰く、そういうユーベルコードなので。
　躊躇を失くした職員（かれ）の食欲ときたら正に蝗（アバドーン）、底無しの口（ブラック・ホール）に消えたのは昔懐かしの肉じゃがだろうか。そんなに焦ったって出汁は逃げない、ゆっくり話でも致しましょう――七面鳥の丸焼きは素手で喰（や）った。
　化け物に対する愚痴は化け物にぶつけるのが正解です。決して捲れないカレンダーが正気を維持している、これ以上のクリスマスは阻止しなければ危ういのだ。
　――鈴のリズムを認識させるな、上司から何度も注意されている。

成功 🔵​🔵​🔴​

　マッサージ・チェアでは届かない、精神世界の泥の塊。
　――中途半端な正気が個人を絞めていた。

　常在戦場（ひび）に重みを感じたら埒外（じんがい）だって癒しを求める、ならば一般人（にんげん）で在る彼にとって化け物ライフは地獄だろう。そうとも、日々日々謎生物のお世話係、こんなんが続いたら誰だって気が触れてしまう。大抵の人類はそんなに強くはない――たとえば、覚悟もなしに超次元（うずまき）へ投げられるような理不尽（もの）だ――精神（シナプス）自壊する前に素晴らしいリフレッシュを。ちゃんとケアすればセーフな筈。外れのないよう慎重に選択（えら）ばれたのは温泉（ぬくもり）だった。
　秘密の隠れ家にはたくさんの湯けむり、遠出する時間がなくたって抵抗しなけりゃホラ『この』通り。頭の中身を空っぽにしておやすみなさいを三度唱えよう。これからのことは後で考える！　クリスマスだとかイブだとか百八だとかは予想（おも）わない。ときにはそれくらいてきとーでもへーきへーき。それこそ「いける」の精神（おきらくさ）だ、ひどく固まった全身（にく）をほぐしていく。鮭の切り身に出番はないのだ。
　特別サービスは箱庭内の時間加速（スピード・アップ）、山積みにされた饅頭がホカホカと彼（きみ）を抱いていた――休んでいってねっ！　艶々とした表面（かわ）がもっちりと微笑んだ、風呂上がりの牛乳（コーヒー味）がうまい。
　――サンタクロースの駄賃にするなど勿体ないと思わないか。

成功 🔵​🔵​🔴​

　ホワイト・クリスマスには長靴を脱ごう、サンタさんへのお手紙を書いて五体投地（いの）りを籠めろと神格（かみ）が謂う。嗚々、素晴らしき哉ユールの万々歳、このブッシュドノエルは馴鹿からの贈り物だよ、さっさと切断（さよなら）しましょうね――とんでもないブラックだねぇ――これなら豚の臓物や石炭をぶつけられた方が正気（マシ）だ、吐き気がするほどの大予言が金曜日（ひづけ）に描かれて往く。兎も角、組合かなんかは何してるんだか……そんなものが『ある』筈もなく書類仕事（おかたづけ）は終わらない。
　嫌な汗を垂らしたのは職員（かれ）だったのか猟兵（オマエ）だったのか、ぞくりと背を這った冷気（おぞけ）を今更拭っている余裕（とき）はない。だから――口を挟むよりも影（て）を貸したのだ――必要なのはコミュニケーションと情報纏め、これだけお話出来たならお世話その他の引継ぎも素早く仕舞える。一人より二人二人より三人ってね。文殊の知恵（のうみそ）酷使（つか）えば大正解、一息入れようじゃないさ。今回の土産物は何だったか――毟り取った鶏か未だ活きている七面鳥か、ワイルドな酒気も悪くない。
　それとも――三位一体（おもち）を皆で分けるのは悦ばしい、忌々しい髭面野郎も切り落とせば沈黙する筈だ。異厭、なんともホッペに優しい濃厚さだろうか。粒か漉しかを選ぶなら君に任せるよ――取り敢えず半殺しじゃあツマラナイ。
　蛆虫混入した臼、解体するのは猟兵（オマエ）のお仕事だ。痺れをきらしたあわてんぼうが覚醒を試みたのだろう、早過ぎた（おっこちた）。

成功 🔵​🔵​🔴​

第2章 集団戦 『侵食寄生型UDC『ヒプノ・パラサイト』』

POW   :    変形奇襲 自身の身体部位ひとつを【寄生体】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。 SPD   :    侵食寄生 【飛び出した寄生体の幼体】が命中した対象に対し、高威力高命中の【寄生による肉体侵食と精神支配】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。 WIZ   :    催眠光波 【寄生体の触角】から【怪しげな光】を放ち、【催眠】により対象の動きを一時的に封じる。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

　12月、12月、12月24日のいい子はスヤスヤしていた筈だった。
　つまり彼女等は悪い子に変異して、うごうごと布団から出て終ったのだ。
　ブラック・サンタに見つかったならもう手遅れ！
　とってもかわいい幼生をプレゼントされたよ！

　良かったね良かったね。
　良かったよ良かったよ、うれしいなぁ！

　なだれ混むように寄生体（パラサイト）が嗤う。
　すべるように寄生体（オブリビオン）が尺取（うね）る。
　クリスマス・ツリーに相性抜群、催眠光波（ちかちか）だよ！
　――たくさんの鈴の音が頭の中を禍き蟲った。


　極光（ひかり）の上澄みを掬うような心地で、救いを欲している子供達を観察（なが）めて魅せた。クリスマスといえばジングルベルに、ツリー。他に何かを忘れてはいないかと超越性（エネルギー）が首をもたげた、鎌じみた蠕動（どうたい）が疑問（と）い掛けてくる。そうね。立派な木々（せかい）の真上にはたくさんの星が不可欠だ、憑き物に中てられたような貌（かたち）で催眠（うじうじ）と橇（あし）がぬめって往く――でもお生憎。彼等もしくは彼女等は溺れる寸前だった一般人（ひと）の膝元だ。出払った五芒星（かがや）きを連れ戻す事は出来ない――代わりにこれをあげましょう。
　サンタ・クロースはティーン・エイジャー、難しいお年頃に思えるけれど『結局』のところ外見（かわ）でしかない。悪い子の為の子守歌は心臓（かく）の央まで反響（ひび）くのだろう。さあ、オーロラたちよ、共に歌いましょう。謳われた神様の居場所は牢獄（ここ）にもない、何故ならば冒涜こそが隣人なのだから。
　リンリンリン・シャンシャンシャン、幻想的と謂うには忌々しい、寄生体（パラサイト）への活性（リズム）が大声（こえ）に融けて失（ゆ）く。なんとも耐え難い聖歌（もの）に這い跳（い）った芋虫（ころころ）、星の位置からは決して逃れられない――とびきりの光を見せてあげる――右往左往と悪戯っ子、取り替えられても文句は吐けない。
　悪い夢からも覚めるくらいのね――道を外れた、小さな小さな肥厚（にくあつ）が靴裏地獄に落とされた。これを養分と成せばきっと美麗な花が咲くでしょう。
　――莫迦にされた馴鹿はもういない、ひっそりと暮らしていたからだ。痙攣（しび）れた蟲がひくりと反って目の玉をごろりん。

成功 🔵​🔵​🔴​

　鈴と笛の輪郭（かたち）を子供達は間違えていないか、蠕動（うご）憑いた寄生体（パラサイト）が精神（シナプス）の芯（なか）を擽っている。おー。おー。これを収容違反（サプライズ・プレゼント）と見做さずに如何表現（ばら）せば好いのか、最早夜鷹（ウィップ・アーウィル）に攫われる魂（アストラル）も無い――いいよ良いよ、みなまで言うなぃ――サンタクロースがせっかちでトナカイが阿呆な面ならば幼児だってあわてんぼうだ、こんなにヨイコを猟兵（オマエ）は初めて視認（み）た。それなら――クリスマス・ツリーの根元（した）にたくさんの包装（リボン）、それを腸と理解しながら三悪趣（オブリビオン）は微笑んだ――鉛玉なんざ無粋だよ、ちゃんと別のを持ってきた。
　神に隠され、神に触れられ、神に成り果てた、そんな三位一体（パンクズ）には肉々しさがお似合いだろう。ブッシュ・ド・ノエルの腐った部分が漸く意識を刺激（さ）して躯る。嗚呼、白い袋は星と一緒にテッペンだ、そんな贅沢言うんじゃねぇ――誰が角度（どう）観察したって厭れはクーラーボックス、とっときの『ブツ』が投擲（な）げられた――頭いっぱいの食いしん坊には丁度好い大きさだ、誰が呼んだか【これがアタシの禁じ手】！！
　喰らいついた個体はかわいそうに、その裏技（ルート）からは逃れられなかった。SAN値直葬大いなる父（サメ）のうみそ、なんとも言葉遊びな夕餉の中で『最後』の二文字を付け足したのか――ついでに邪神の汚染具合も、折り紙付きって代物さ。胃袋（ハイホウ）と癒着（くっつい）たお呪い、胴体（くち）から大量の酸（よだれ）。
　気に入ってくれたかい――あとは寄生体どうし、仲良く共食い（ケンカ）しな。どろぐちゃになった半物質（みしょうか）が羨むようにオマエを覗いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

　蛆虫（ドール）に描かれた多足（あし）の如く、世の中には無碍が数多と潜んでいた。退屈に見せ掛けた裏側には異常なまでの悪夢（ナイトメア）、それ即ち子供達の無邪気（こころ）が存在（たま）るのだろう。兎にも角にも――これはいけない。何処かの誰かさんが視たらイメージどうのこうの、激怒するに決まっている。脳味噌暮らしの誰かさんが視たら、嗚呼、息も狂（と）まるほどの殺意に蔓延（み）ちて終うだろう。そう思惟すればこの場、ホワイト・クリスマスの真似事に立っているのが猟兵（オマエ）で良かった。そうとも細胞（ハイブリッド）、模倣蟲（きみ）はいたって冷静だ。瞳（みどり）が淡々と蠕動（からだ）を観察していく――これもダンスの賜物ですね。もしくは鈴の音の鎮静か。
　抱き締めた相手は自分自身で白銀（しんしん）と世界へ浸透（とろ）けて往く、ある種の振盪（ゆ）れを孕んだ姿勢（ポーズ）のなんと冷気的（さむ）い事か。粛々とあなたを骸の海へ還すことだけしか頭にありません――引っこ抜かれた昆虫は『己が千切れている』事に気付いていないような、妙な手遅れに苛まれて往く。
　純真さを叩き付けながら過去（あなた）に問い掛けてみた、それは、それは酷く当たり前の本能、人間（のこ）りが死んでいなかった始末（せい）。虫なのに冬の備えがなっていないのでは――舐ろうとしても舌が多くて、どれを使えば好いのかわからない。招き異れてしまった寒気（こご）え、肉と魂が動けなく堕（な）って。
　教えて差し上げます――味噌が不足していたのだ、その都度（たび）に皺が尺取（ほど）けてボたリ。静寂に封じられた儘（きみ）に無限量（かなた）在れ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　眠くなくてもお布団に横たわれ、罠を仕掛けてはいけない。
　12月25日の朝を迎えた猟兵（オマエ）は悉く、気力を削がれるような包みに『げんなり』した。崖下へと落とされた感覚（テンション）が戻る気配（すべ）など無く、もう髭面（サンタ・クロース）に文句を垂れる事も出来ない。ひどくない？　まだ豚の内臓や木炭ならば使いよう（マシ）ではある。人と蛆虫のアンハッピーなセット、ちょっとこれは受け取れないです――クーリングオフ？　そんな便利なものを化け物が知っている筈がない。これじゃあ魔王（アザトート）と舞踏（くる）っていた方が楽しそうだ――そっかー。それなら為すべき道はただのひとつ、幸いにも餌（どくむし）はたくさん居るのだ。処分するしかないっぽい！　穀物の紛いを食んだ畜焚（ちくたく）が大雨（あめだま）を欲していた。
　寄生体（パラサイト）どもに相応しい小舞台（マスカレード）を用意すると好い、蟲毒（つぼ）に放り込まれた老若男女（キメラ）は互いを美味としか見ていない。そこに乱入（はい）寄ったのは大百足（ようかい）の類だ。きっと彼が全てを喰らってくれるはず。虚（あな）は大惨事（ちらかし）放題、脚と胴体が桜の如く嗤っていた。
　サボりじゃないですよ？　神か佛かその他じみて猟兵（オマエ）は蟲毒（カオス）を観戦（なが）めていた。参加するのは蟲だけだからね。汚物が四方八方を埋める中で漸く沈黙（くすり）が出来たようだ――我等が敵よ呪い遭え、反射（はんすう）の最下で顎がぎしり。万が一にはなく、強者が蟠って異た。
　――ロールケーキに突き刺さった死骸、羽化赦されなかった子供。

成功 🔵​🔵​🔴​

　堕落するのは何も人間だけの権能（ちから）ではない、内臓まで焼かれた蛆虫どもが如何にも乞うにも贈物（プレゼント）を欲しがっている。良い子も悪い子も結局のところはお菓子の家に惹かれて大惨事だ、蟲毒（なべ）の底にはたくさんの汁気が溜まっている――誰かの為に傷つく現（こと）を厭わない、おそれない猟兵（おまえ）の行動（うご）きは『こう』だ。夢も解せない寄生体（パラサイト）に眠りを与えるべきだと思わないか。
　初心者（うぶ）の在り方を忘れるべからず、勇気（のこりもの）だけを以て投身（な）げ混めば、ふっくらとした肥大（はら）のなんと気色悪い事か。鴉がつつくようにして★（マーク）を握（こ）め給え――鉄拳制裁、正義開幕、どうか笑って還（し）んでくれ。
　老けもしないし死にもしない、それでも物くるいじみて揮うのは執行（おも）いが故か。殴られた箇所が破裂してミート・ボールが転がって往く――ソースは観た感じ酸味が強そうだ、何故ならばジュエルが煩わしいほどに囁いてくる――派手々々しい表面に体液（よだれ）が掛かった。もう、蟲の息すらも聞こえない。
　趣味（おあそび）の続きは煙突の中でやってほしい、そんな文句が漏れてきたが構うものか。滓（あと）は日々、真面目に生きている人々への祝辞（ロゴス）だ。メリー・クリスマス、24の夜は誰も苦しまないよう。
　――朝まで楽しくすっ飛ばせ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　袋（マッシロ）に詰め込まれた贈物（プレゼント）は最終的に『シンプル・イズ・ベスト』だと帰結するのか、がらんどうに空いた胴体から、にくがほしい、にくがほしいと幻聴（き）こえてくる。越えられないユールにブチ中った猟兵（オマエ）は現在未来（これから）、どう鎮魂（なぐさ）めれば好いのかと頭を抱えた――どこぞの誰かだったら一瞬で混乱（パニック）に陥っていただろう、そう思惟すれば安寧（やすら）げる――ゲル状の体液（きず）から発生した奇怪（いつもの）幼生、対処するには目眩（めぐ）らせれば吉。
　あれらはオマエにとっての既知でしかない、最早『見慣れた』在り様に予言じみた彫刻（き）を讃えよ――おや、はじめまして――高く々く天のぼり、塑れでも花は見当たらないのか。ぐるりぐるりと可変され愈々モジバケは変態（しんか）を失くした。
　得物（アサルトライフル）が定めたのは停滞（ぼんやり）している悪い子だ。サンタ・クロースもブラック・サンタも、昔々の子供（オブリビオン）には何もやれない。いいや、ただ一発の弾丸（いつく）しみが額（おつむ）を穿（ゆ）らすのか。
　――枕元には大きな靴下、誰も足など持たないと謂うのに。
　牢獄（えんとつ）への道は開放（ひら）かれた、鈴の音が響いている、ホワイト・クリスマスを待ち望んでいる。オマエは怪物に何を渡したい。
　そんな物語（こと）は決められていた、アカシック・レコードの舌の上。

成功 🔵​🔵​🔴​

第3章 ボス戦 『ナイトメア・サンタクロース』

POW   :    プレゼントはUDC♪ 召喚したレベル×1体の【UDC怪物】に【触手や翼】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。 SPD   :    素敵な悪夢をプレゼント♪ 無敵の【UDC怪物】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。 WIZ   :    これも素敵なプレゼント♪ 【プレゼントの入った袋】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

　サンタクロースがユールの前に現れるのは普段通りだ。
　しかし現は真っ最中、怪物の気を削ぐには嘘を吐く他にない。
　たくさん貼り付けられたカレンダーは悉くが一月だ。
　――メリー・クリスマスだなんて口が裂けても言えやしない。

　渡せない怪物（プレゼント）が溜まっていくばかり。
　蠢いた袋の中身がテケリリ言辞（ロゴス）を宣っている。
　蛆虫ニンゲン一緒に視ようよ、鈴の音はすぐそこでしょう。
　誰かブッシュ・ド・ノエルに臓腑を添えてくれないか。

　そんな悪夢を赦してはならない。


　四月一日（わたぬく）為に重要視すべきは日頃手入れされた、美しくもシンプルな道具だろう。レコードからコンピュータまで数多の機器を揃えたとしても『日が過ぎて』しまえばハイテクも何もない。メリー・クリスマス。24日の夕方頃から25日のお日様サンサン、そんな夢物語は嘘に浸かり、嗚呼、メリーな気分はクリスマスと共に息を引き取った。少なくとも貴女（ブラック・サンタ）は騒々しいかもしれないが、このナンセンスなリズムに君はげんなりか。救いを髭面の誰かさんに求めてくれ、紅の鼻を挫いたならば巡るは晩秋、あの真っ黒にはお似合いの旋律だろうか――伸ばせ伸ばせ決して届かない、あのコスモへ。
　お祭り（ユール）は終わりを告げていた、後先考えずにプレゼントを投げ続けた始末だろう。鈴緒（がらがら）は此方で用意しました。可哀想に、サンタ・クロースの模倣をしたダラキュな仔、袋詰めにした臓物は最早荒らされている。
　鍛えられた足腰のなんと猛々しい事か、伽藍洞（がらあき）になった側頭部（のうみそ）に斬撃波（蹴撃）をぶち禍ませ――鈴とはつまり貴女です。中てられたカレンダーは剥がれて往き晒されたコンクリートがスポンジを望んでいた。
　良い音色を響かせてくださいね。今日は全く素晴らしい茄子ではないか、疑問に疑問を重ねた怪物（イマジナリー）に絶対性などない。ただ蟻地獄（ならく）に落っこちたうっかりさんの叫び声――退廃的な死の肢（おと）が悪夢を晴らしている。
　喪失（うしな）った木炭の数は多い。

成功 🔵​🔵​🔴​

　新年あけましておめでとうございます。
　今年もよろしくお願いします。

　サンタ・クロースは呆然とした貌（ツラ）で猟兵（オマエ）を観た、如何して永遠と降誕祭（※※※※）が目覚めないのか、理解出来ないと頭を抱えている。残念だけどクリスマスはもう終わってしまったわ。そんな、嘘でしょう。だったら如何して世の中はこんなにもホワイトなのだろうか。残酷だけどユールはもう無くなってしまったわ。それは文字通りのブラックな世界観だ、怪物化け物その他大勢が居たんじゃあ騒々しさも絶えてしまう。
　さて――一富士二鷹三茄子、この国で度々聞く言の葉だ、神に詣でる行事（こと）、それを無碍に出来るほど冒涜的なオマエではない。私も真似事してみようかしら。定められた視点には複数のおまもり、燃された代物はちょっと前の叶え済みに違いない。
　新年を祝う花火の代わりにちょっとしたコンペイトウを捧げよう、ひらり、はらりと舞い踊るのは『星の花弁』とでも表現出来ようか。煌めいた星辰（シナプス）はかるく毀れても問題なく、ただただ大振り袋（つつみ）を叩いて流（い）く。
　年明けのお祝いを込めて、あなたにも星の花びらをあげる――聖餅（パン）のちぎりと相違（に）ていたのは気の所為だった、フクロウの目玉から逃れられる邪神（そんざい）はいない。サンタの出番はまだ一年先よ。無限量のプレゼントが包装を待っている。
　大人しく帰りなさいな――切り裂かれた皮と肉と骨が鍋の底にしかれて往く、まだ元気そうな幻想（ウィアード）がうらめしそうに睨んでいた。
　繋げられた蛆虫（ニンゲン）を妄想（おも）いながら。

成功 🔵​🔵​🔴​

　ハッピー・ハロウィンとハッピー・ニュー・イヤーが同時に涌き汚こった気分だ、省略（ハブ）かれたメリー・クリスマスだけがしょんぼりと体育座り（すわ）っている。プレゼントもらえるんですかやったー！　大燥ぎな悪鬼羅刹（オマエ）を視たいのはブラックなサンタも同じだろう、ナイトメアに嵌り込んだお子さん――二十歳以上でも――を逃したくはない。しかし『そうはならない』のが現実だ、誰も蛆虫ニンゲンを視たいと思わないのだ。先程の寄生体（パラサイト）が脳裡に焼き付けられて仕方がない。その袋の中絶対ヤバいよね――たとえば魚の腸に棲んだ回虫、カマキリの腸に棲んだハリガネ。絶対に当たりたくないのですよ！　肩をおとしたきわどい過去（オブリビオン）、握り締めた入り口（ふくろ）。
　すばやく巡らせた思考（おつむ）が辿り着いたのは安地（いち）把握だった。肥大化（こ）えたとしても所詮は袋（そくせき）、リーチに関しては『腕の長さ』程度だろう。ならば遠距離から仕掛けるのか――虎穴に入らずんば虎子を得ず、そういう意図だ。
　ぶん殴りを回避（さ）けるには影（くろ）を使うと好い、外骨格（からだ）をひねらせ潜ったならば背後（うら）にまわって捕縛（つか）まえろ。四肢（すべて）で抑制（おさ）え込めば短期決着（そくざ）に得物（テイルブレード）を突き立てろ。
　最早クリスマス・プレゼントは脅威ではなくなった。肺胞（わた）を穿ってしまえば「イケルイケル」と此方の掌握（もの）。大切な大切な心臓（おも）いを抜き取って離脱（さよなら）だ――猫はきまぐれだが賢い、それを計算しなかった怪物のあやまちだ。
　必ず殺すと書いて必殺、不快感を拭うには袋（ぬの）が小さかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　外気に触れる事も赦されなかったプレゼントが、数多の支援（ちから）を求めている。最早私怨と化した寄生体（パラサイト）がおぞましくも奇天烈（うちがわ）に這入り込むのか。こんばんは、サンタクロースのお嬢さん。ナイトメアは日頃から盲目に違いなく、落ちてもいない視力に悩まされていた。よくよく周りを見回すんだ――網目状の迷路（生地）が胃袋と松果体をつついてくる。とっくにクリスマスのシュトレンは新年のブレーツェルに置き換わったよ。冷蔵庫の中身も確認していないクセに、如何して貴様（オマエ）はハッピー・ニューイヤーと叫びたいのか。ブラックな彼女は膝から崩れてしまう。
　腐る前に配りたい。傷む前に配りたい。二度目の復活を成し得たとして三度目に期待するのは愚かな現（こと）だろう。いけないな、寝坊サンタ――あわてんぼうだったら正気を維持出来たと謂うのに、それは誰が思惟しても楽しくないお旧（ふる）だ。
　お前にも黒いサンタクロースが来てしまう。黄泉（せかい）から沸騰（わ）いたのは瓜二つの亡霊（アストラル）でしかなく、強烈なまでの呪詛（おも）いを孕んでいた。料理にも贈物（プレゼント）にもありつけなかった、とってもかわいそうな死霊（いいこ）たち。足りない、足りていない、蛆虫ニンゲンじゃあ味気ない。
　ジンジャー・ブレッドをあげてくれ――のぼる紫煙に絶望（とら）われて、唾吐きのロゴスは止められない。忌々しい台詞（ことのは）が煙突をくぐる時『ふくろ』の中身はからっぽだった。触手や翼がもぎとられ、聖餅（からだ）は欠片も滓（のこ）されない。
　街を築いても仕事が増えるだけか。

成功 🔵​🔵​🔴​

　鮮度抜群！　触手に不可欠なのは醤油に違いない、ならば脳裡に浮かぶのは不可思議なくとも『鏡餅』だ。橙色の果実（すっぱさ）を讃えながらも猟兵（オマエ）、トランプの模様（スート）を再構築（つく）り妥す。慌てウサギは慌てすぎ、大事な時にゃ寝過ごすものさ。亀にシューズを贈ったって、嗚呼、誰が歓喜（わら）うと謂うのだろう。月がそんなに気になるなら――虚空に映された一羽に訊いてみると良い、随分と酔っ払って異るが葡萄酒のやりすぎか？　臼と杵を持ち出して思う存分餅（マンジュウ）叩け、もしや臓物（もつ）を忘れてはいないか――怪物（ヴォーパルバニー）が出てきそうだねぇ。致命的なまでの弱点（くび）にたくさんの音――だったら「つく」のを変えようか。
　ナイトメア・サンタから嘔吐（は）かれた怪物（うじむし）、纏めに纏めて魅せたら如何か。神様（ホトケサマ）だって理解出来ない大きな鐘（ふくろ）の完成だ。撞けよ々けよと煩悩・邪念・追加で欲望（ほしいもの）――色々諸々ブッ飛ばす大音声（ごぅんごぅん）、反響（ひび）きは効いたのかと自動二輪（きみ）が噴（な）く――ウサギの耳はでっかいだろう？　一富士二鷹三茄子（ゆめ）の如くだ、バッチリ聞いて参っちまえ！
　招き入れた108が脳漿（えき）の類を揺さぶった、終わる筈もなく止まる筈もなく、晦日（31）改めて時計（カレンダー）を認識（み）ると好い。最後に皆で柏手打って――太鼓の序でに魔笛（バイアクヘー）、おや、先導（ミード）が一滴も無い。
　謹賀新年を祝おうじゃないか。捲っても捲っても一月から逃れられない。それなら抱擁（う）け入れた方が賢明（りこう）だね。えっ、宗教がバラバラだ？

　ここは日本さ、問題ねぇよ！
　――ロゴスは一文字（さいご）まで唾まみれ。
　黒山羊（ダーク・ヤング）は読まずに食んだ。
　臓物クロースのお帰りだ、蛆虫ニンゲン焚き棄てて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年12月23日