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攻略! たぬきのお城!

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 まるでちんどん屋のように町を練り歩くオブリビオンの群れ、狸兵団がいる。彼らはそれぞれ武器を手にしており、またそれとは別に別の看板を掲げている個体もいる。
『この町にある金目のものを寄越せ』
 要約するとその看板にはそんな事が書かれていた。白黒の狸が鳴らす太鼓の音と共に人の住む建物の戸を叩いては、徴収していく狸たち。その度に狸たちは歓喜の鳴き声を上げ、高らかに太鼓の音はなる。
「これで今度こそ喜んでもらえるたぬー!」
 まあ渡されたのは穴の開いた鍋とか、めっきり先の短くなった箒とかなんだけど。たぬきに物の価値は分からない。


「それでもいつかは本当に大きな被害が出ちゃうかも知れないから」
 リアナ・トラヴェリア(ドラゴニアンの黒騎士・f04463)は彼らの所業にそうコメントを付けた。
「説明するね。この狸の兵隊達は、あるお城から出てきて近くの町にお金になりそうな者を取りに来てるんだ。多分このお城の主にそう言われてるんだろうね。だから皆にはこのお城に乗り込んで狸達と城主を撃破してきてもらいたいんだ」
 そう言って彼女が持ち出したのは釣り竿である。何故。
「この近くにある川で魚が良く釣れるんだって。狸たちにこの魚を渡せば、門番が簡単に扉を開けてくれたりお腹いっぱいで眠たくなったりするみたい」
 使えない兵士過ぎないだろうか。ともかく、釣果を上げることで余計な戦闘を回避できる要素があるのは、戦闘の不得意な猟兵でも出来ることがあるということだろう。
「狸たちをなんとかしたら、あとは城主との戦いだね。どんな相手かは分からないけど気をつけてね」
 そこまで言うとリアナは猟兵達を送り出す。
「それじゃ頑張ってきてね! 行ってらっしゃい!」


西灰三
何時もお世話になっています。
西灰三です。
今回はサムライエンパイアの依頼をお送りします。

第一章で得た🔵の数によって、第二章での展開が有利になる可能性があります。釣った魚でどうアプローチするかも考えてみると面白いかも知れません。
第三章はボス戦です。ちょっと部下に恵まれていない気がします。

それでは皆様のプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『珍味を求めて』

POW   :    釣り竿で釣って捕まえる

SPD   :    素潜りで飛びかかり捕まえる

WIZ   :    網や罠を設置して捕まえる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

カーニンヒェン・ボーゲン
なんとも微笑ましくなってしまいますが、いつ大事になるとも限りません。
悪事を働く狸めは、いつか尻尾に火をつけられてしまうのだと教えて差し上げなければ。
対話し、お互いの領分を越えずに、それを平穏として暮らす事は叶わぬのでしょうか。

さておき。釣りは久しくしておりませんでしたな。
『釣り』の技、鈍っておらぬと良いのですが。
川は渓流か、本流でしょうかな?ポイント選びは慎重に行います(重視)。
必要なら皆様に情報共有を。

『迷彩』を活かし、水面に姿が映らぬよう『目立たない』。
竿の『操作』は腕の見せ所ですぞ。

差し入れの際には、町に出た者は宴会に参じていたと嘘を言い、居残りの門番どのが不憫だったと、説き伏せます。


目面・真
狸が人のように歩く様は滑稽だね。遥か古のコメディーに動物を人のように見せかけて笑わせるモノがあったそうだが。

【POW】
それはともかく。近くの川で釣れる魚は美味いのか?
町人に尋ねて、釣るなら餌は何がイイのか調べておかなければな。
服装は羽織袴に太刀佩きのサムライ風を装うとしよう。
ついでに、旨い酒などあればイイだろう。狸相手の差し入れには過ぎたモノだとは思うが、念には念を入れなければな。

釣り技能があるので、この自分の腕を信じるのみ。
あとはポイントを見定めて粘り強く待って、釣り上げるだけだ。

焼き魚にして持って行ってやろうか。酒もつけてな。
町人の変装をして差し入れしよう。美味しいですぞ、どうぞ。


ルエリラ・ルエラ
狸汁にされちまうべ。って台詞が出てくる物語読んだ事あるなぁ。どんな味なんだろう?
………やらないよ?ほんとだよ?

とりあえずお魚を捕まえるところからだね。
私は普通に釣りをしようかな。あまりした事ないからちょっと楽しみ。
いっぱい釣れるといいな。

釣れたらお魚を警備が手薄なとこを守る狸さんにあげよう。
お魚を焼いて門番さんにプレゼント。
ついでに美味しいお魚ベースの芋煮を目の前にちらつかせて、この芋煮美味しいのにな。なにかいい情報でもあればなぁ。ってアピールアピール。
芋煮の魅力の前に狸はメロメロになるはずだよ。


リアヘル・タクティシェ
【POW】
釣った魚で穏便に門を通れるなら
それに越したことはない
魚釣りに【戦闘知識】を活かせることはない
釣り糸を垂らしている間に
城攻めの策のひとつでも考えておくか
あと糸が引くまで手が空くこともあるだろう
UDCアースで仕入れて来た材料を使って
持てるだけの火炎瓶を作成しよう
火炎瓶の作成に【戦闘知識】は使えるか?
食糧を得るために釣りをすることもあるが
それほど得意というわけではない
釣果がどうなるかは運しだいだな




 サムライエンパイアのとある町。グリモア猟兵が渡した川の情報を得る前に目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)が立ち寄っていた。なんでも生活用水を得るために向かうこともあるその川は川幅も広く、渡り鳥達も飢えや乾きを癒すために立ち寄る場所であるらしい。その辺りの虫を餌にして釣る者もいると真は聞いた。彼が町を出て川へ出向いた時には既に何人かが釣り糸を垂らしていた。
「………」
 まず真の目に写ったのは全身を板金鎧に包んだリアヘル・タクティシェ(復讐騎・f13977)であった。竿を振る彼の足元には魚籠以外に何故か大量の空き瓶が用意されており、またその脇には大きめの瓶が立ててある。恐らく釣りの合間に何かをしているのだろうが、真の目にはさっぱりである。彼も酒瓶を用意している以上、猟兵にも色々な考えを持つものがいるのだろう。
「よいしょ」
 色々な考えを持つといえばルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)もであろう。彼女は鍋で何かを煮ながら釣りをしている。だが何よりも印象に残るのは鍋から立ち上る芳しい香りである。……芋煮である。恐らくは彼女も賄賂に力を入れるタイプなのだろう。現にあまり釣果が上がっているとは言い難い、やはり本命はこちらなのだろう。決して狸汁を作るため、ではないはずだ。
 真がポイントを探していると一人の老紳士が矍鑠とした立ち姿で釣り針から魚を外していた。明らかにその姿は手慣れたものであると分かる、カーニンヒェン・ボーゲン(或いは一介のジジイ・f05393)は現れた真に対し帽子を上げるだけの挨拶をすると再び疑似餌をキャストし、まるで生きているかのごとくロッドを動かす。本人は水面から身を遠ざけており自身の存在を悟らせないように立ち振る舞っている。無論、彼の釣果は群を抜いている。
 真はこの達人に負けじと、竿を振る。果たしてカーニンヒェンの腕に迫れるだろうか。

 彼らは一通り釣果を携えて合流する。釣りの間は言葉少なになったためか、その分やや饒舌になっている。
「狸が人のように歩く様は滑稽だね。遥か古のコメディーに動物を人のように見せかけて笑わせるモノがあったそうだが」
「なんとも微笑ましくなってしまいますが、いつ大事になるとも限りません。悪事を働く狸めは、いつか尻尾に火をつけられてしまうのだと教えて差し上げなければ」
「火か」
「狸汁にされちまうべ。って台詞が出てくる物語読んだ事あるなぁ。どんな味なんだろう?」
「食べるのか?」
「………やらないよ? ほんとだよ?」
「……対話し、お互いの領分を越えずに、それを平穏として暮らす事は叶わぬのでしょうか」
「奴らはオブリビオンだ」
「ええ、分かっています」
 そんな話をしながら彼らは城門前にたどり着き、門番の狸達に声をかける。
「何者たぬ!」
「よろしいですかな? 町に出た方々が宴会に参じていて、こちらに残っている門番殿が不憫だと思い差し入れを用意したのですが」
「たぬー……?」
 カーニンヒェンの言葉に首をかしげる狸に真とルリエラが畳み掛ける。
「焼き魚も酒もある、美味しいですぞ」
「芋煮もあるよ!」
「ご、ごくりたぬ」
 城門を守っていた狸はよだれを垂らしながら差し入れを見る。狸はあっさりとその魅力に陥落して頭を垂れた。
「し、仕方ないたぬ! ここを通って置いていくたぬ!」
 狸は扉を開けて猟兵達を通す。まずは彼らが先行し城内に入り込む。
「これで第1段階は終了か。穏便に済ませた事で労力を使わずに済んだのは助かる」
 リアヘルは背嚢から釣りの間に作った火炎瓶を確かめる。果たしてこれをどう使うか考えているのだろう。
「じゃあ私が情報集めてくるよ。芋煮の魅力の前には狸はメロメロだよ!」
 ルリエラがそう言うと鍋を手に城内を歩き出す。元々騙されやすい狸たちである。彼女の言う通り情報を得るのは容易い相手だろう。猟兵達は城攻めの準備を着々と進めていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

水蓮・レン
釣りかぁ。釣りはしたことないんだよね……。
でも、僕には問題はないね。【眷属の召喚:大鴉】で大鴉を呼ぶよ。この大鴉に魚を狩って貰うことにしよう。
……鴉は魚を狩らない?
な、なら鴉で魚を追い込んだところを、飛び込んで捕まえるよ。

首尾よく魚を捕まえたら、たぬきの兵隊に渡すよ。
この時に色々聞いてみようか。

「どうしてこの城の主に仕えてるの?」
「主ってどんな人?」
「立派な城だけど何か苦労してることとかある? 城に仕掛けがあって行き来するのが面倒臭いとか」

城の主とたぬき達の事情と、あとは城に仕掛けがあるなら聞いておきたいかな。
上手く話が進むようなら、魚でたぬきが裏切らないか試してみたいけど……。できるかなあ。


銀座・みよし
・SPD
んまっ!お魚釣りでございますか!
…お恥ずかしいことに、釣りの経験ははじめてでございまして
ですので連れてきている隼のホルスさんのお力を頼りにいたします

作戦はこうです
ホルスさんにお願いして水辺の上を飛んでもらいます
その鋭い【視力】にて魚影を見つけてもらいます
わたくしが全力で素潜りし魚を捕らえます

無論それだけではなく
魚に存在が気付かれぬようにギリギリまで【目立たない】ようにし、
良きタイミングをはかるために【第六感】を働かせることにより
素潜り漁の成果を上げて見せましょう!

…というわけで潜るならば、今でございます!
とーう!!

(アドリブ・絡みなど歓迎!




 水蓮・レン(ダンピールのウィザード・f12940)は召喚した大鴉を川の上に飛ばしながら、魚を捕まえた後のことを考えていた。
『どうしてこの城の主に仕えてるの?』
『主ってどんな人?』
『立派な城だけど何か苦労してることとかある? 城に仕掛けがあって行き来するのが面倒臭いとか』
 どれもこれも魚を取ってからの事ではある。取らぬ狸の皮算用、というわけでもないが。そんな風に先々の事を考えていたら、視界を共有していた烏が大きく動いて視界が大きく揺れた。
「な、なんだ!?」
 突然のことに慌てた彼は、気を取り直して見上げると大きな隼が丁度同じように衝突を回避していた。何事かと彼が考えていると、背後から声がかけられる。
「これは申し訳ありませんわ」
 レンが振り返ると銀座・みよし(おやしきのみならいメイド・f00360)が裾をつまんでお辞儀をしていた。どうやら彼女も同じ発想であったらしい。二人共釣りが初めてと言う所から至った結論が同じと言うことである。
「どうでしょう、ここは1つ力を合わせるというのは」
 みよしがそうレンに提案すると、彼もまた頷いて応える。
「いいね、じゃあ僕の方で群れを追い込もう」
「ではホルスさんに前を塞いでもらいましょう」
 手早く二人は遣り取りをすると、打ち合わせの通りに大鴉と隼は動く。大鴉は水面スレスレを飛び、爪で水面を叩きながら魚群を追い立てる。他方隼のホルスはその逃げる方向へ立ちふさがり魚群の動きをコントロールし、川岸へと追い立てる。手近な所に来たのを確認したみよしは身をかがめる。
「潜るならば、今でございます! とーう!!」
「判断早いなあ! 僕もっ!」
 思い切り飛び込んだみよしの後を追ったレンも飛び込む。すばやく二人は水の中で手足を動かして、捕まえた魚を次々と容器に詰めていく。猟兵たるものこれくらいは容易いと言って良いのだろう。二人が川から上がった時、容器の中には魚が詰まっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

弥久・銀花
これからする事は、分類するのなら【WIZ】枠でしょうか。


撒き餌をばら撒いて、魚が寄ってきた後、顔を水面に突っ込んで人狼咆哮を放ちます。

衝撃が水中に伝わるので近くの魚が気絶するって寸法ですね。
後はタモ網で掬って生け捕りにします。

活きの良い魚が大漁です。







(アドリブ、負傷など歓迎です。 ちなみに、銀花は泳げません。)




 弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)は神妙な顔をして川の前に立っていた。彼女が取り出したのは撒き餌である。これを水面に広げる事で魚が寄ってくるという寸法である。これ自体は普通の魚釣りでも用いるやり方ではある。
「………」
 だが彼女は無手である。釣り竿すら持っていない。何をするのかと、近くの鳥が見ていたら彼女は水面に顔を突っ込んだ。そして放つユーベルコードは人狼咆哮。『激しい咆哮を放ち範囲内の全員を高威力で無差別攻撃する』技である。
 ……色々吹っ飛んだ。まず水が霧状になって吹き飛び、続いて近くにいた魚も粉々になった。発生した力は川の中だけではなく、川底をえぐり、川の外の岩や木々を傷つけてしまう。あまりに威力の高すぎる力は、何かの形を残したまま手に入れる場合にはそぐわないのだろう。彼女は遠くに浮かんでいる形を残したままの魚を、ややがっくりとした表情で拾い集めていく。横着はやはり良くないらしい。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携可)
「魚を傷つけないことが大事だから」
ユーベルコードで攻撃するのは禁止よと、
フォルセティには言い聞かせておく

■作戦
とにかく数で勝負と新鮮な魚を投網でたくさん獲って
狸たちにプレゼントする

■行動
リアナに言われた川でおもりを付けた釣り糸を垂らし、
影の追跡者の召喚でおもりを追跡。
水中で視覚を共有し周囲の魚群を確認

魚群なし → 釣竿を動かして移動
魚群あり → 弟に指示

「発見したわ。北北東距離10m、水深1mよ!」

大量の魚を確保出来たら大八車にのせて狸達の元へ
「新鮮な魚が獲れたので食べてくださいね」
一部は刺身にして奇麗な絵皿に盛り付けて提供
(技能:コミュ力、料理)


フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【POW】(共闘可)
「えー、投網するの?」
イスベル・ウラーノ叩きつければ一瞬なのに、
ユーベルコードは禁止だって
とにかくフィオ姉ちゃんに言われた通り投網するよ

【行動】()内は技能
予め「投網」を準備
「すっごく濡れるよ」
フィオ姉ちゃんに言われるがまま、腰高くらいまで川に入る
指示があればそちらへ向かって投網をする
「とりゃー」
何度かやってコツを掴むと調子がのるかも
キレイな魚が一杯獲れると嬉しいよね

なるべく新鮮でキレイな魚を集めて荷車へ積み込むよ
途中で何匹か魚を捌くのも忘れないよ

大漁旗を掲げて狸さんの元へ
「すっごい新鮮な魚だから、今のうちの食べちゃってね」
お腹が膨れるまで魚を進めるよ


アイリ・フラジャイル
連携アドリブ可

リアナの言う通り、放っておいたら危なそうだもの
魚を沢山捕まえればいいのね?

こういう時はコール・リゾルブで
全自動魚獲りマシン(静音)を召喚するわ
異世界のD○SH村で学習した。アタシは詳しいのよ

魚の価値や餌場はこの世界の知識で徹底リサーチして
効率よくいいお魚を沢山獲りたいわね

網は魚を傷つけないよう工夫して
静止した記憶を保冷庫に変形して鮮度を保った保存を

獲ったお魚の良さをとことん説明するわ
大丈夫よアタシ、学食バイトは伊達じゃない
旬の食材を吟味して披露するの。いい物でしょ?

でさ、ちょっと聞きたいんだけど……
沢山あるからここ開けてくれないかな?
中まで運ばせてほしいの。きっと喜んでもらえるわ




「えー、投網するの?」
「魚を傷つけないことが大事だから」
 フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)とフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)の姉弟はそんな話をしている。弟の方は氷塊を呼べば一瞬なのにと言っているが、先程その調子で捕まえるべき対象を粉々にした者がいたので止めたのは正しいだろう。彼ら姉弟のやり取りを通り過ぎながら見ているのは、同じ旅団のアイリ・フラジャイル(夢見る戦争人形・f08078)である。事前に魚の価値を調査してきた彼女は、何がこの川に置いて有効なのかを考えてきている。
「コール・リゾルブ!」
 アイリが呼び出したのは全自動魚獲りマシンだ。毎度引っ張り出される汎用性の高いユーベルコードである。それはともかく川の中を進むリゾルバーは静かにゆっくりと進み、魚をその機体の中へと閉じ込めていく。
 他方そこより上流にいた姉弟は魚群を探していた。フィオリナが垂らした釣り糸の先にある錘に影の追跡者を追わせて水中を探索する。
「ねー、まだー?」
「ちょっと待って、今探しているところだから」
 弟の言葉を聞きながら、彼女は神経を澄ませて状況を確認する。
「……発見したわ。北北東距離10m、水深1mよ!」
 姉の言葉を聞いてフォルセティは準備していた網を手に持って川の中へと足を踏み入れる。
「すっごく濡れるよ」
「我慢して」
 不満を姉に冷たく返されると、ざぶざぶと彼は腰ほどの深さまで歩いていく。
「とりゃー」
 なんとなく気合の入り切らない掛け声とともに広がった網が水中に沈み込むと、魚群を上から捕まえる。そのまま彼が網を引き上げればビチビチと魚が外気に当てられて踊っている。
「取れたー?」
「取れたよー! ……あれ? あれなんだろう?」
 下流から登ってきたのは謎の機械。それはアイリのリゾルバーである。
「二人共、こっちで獲ってたんだ?」
 アイリの問いに二人は頷く。
「大体取れたから持っていこうと思って」
「傷の少ないのを選んでね」
 姉弟は大八車に魚を積み、そのうちの幾つかを刺し身にする。……川魚の生食は危険なのだがまあ良いだろう、狸に出すものだし。
「ああ、じゃあ乗り切らないのはアタシが持っていくわ。この装備保冷庫になるし」
 アイリは自身の獲ったものと、大八車に乗り切らなかったものを保冷庫に入れて担ぐ。しばらくしてから、彼女たち一行は城門前へと辿り着く。狸たちは既になんか嬉しそうではある。アイリ達は疑問に思いながらも、持ってきたものの良さをアピールする。
「新鮮な魚が獲れたので食べてくださいね」
「今のうちの食べちゃってね」
「どう? いい物でしょ?」
 狸はこくこくと頷く。それを見たアイリが1つの頼み事をする。
「でさ、ちょっと聞きたいんだけど……沢山あるからここ開けてくれないかな?」
 彼女の言葉を聞いて、狸はいそいそと城門を開ける。一行はあまりにたやすく門が開いたのを訝しげに思うが、とりあえず入れるならと魚を運び入れていく。
 城の中では宴会の準備中であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

風間・敬人
はいはい、美味い魚を捕ると聞いてきた虎さんです。

にしても、やっぱ基本は塩焼きだよな。
他にはいくつか思いつくが、泥を吐かせなきゃいけないよな。
って、え?
自分らで食うんじゃなくて、狸への賄賂?
なんだ、そうか。
ま、オブリビオン被害を防ぐ為ならしょうがないよな。
よっしゃ任せろ。
相手が魚だろうと、狩りなら虎の得意分野ってな。
野生の勘と第六感を駆使して、捕りまくってやるぜ。
レプリカクラフトで網を設置して、追い込み漁だ。
大量に捕れば、俺らで食ったって文句はねぇだろ。
だからな、塩と串用意しとけよ。
狸んとこ行く前に、焼き魚で腹ごしらえと行こうぜ。

他者との絡み・アドリブ大歓迎です。
よろしくお願いします。


神久・紅玉
ローラさん(f01443)と一緒に頑張ってお魚を集めるのです
手分けして一杯集めましょうね
ふふーふ、ローラさん相手でも負けませんよ
お互いに大漁目指して、えいえいおーなのです

ふふー、捕まえたお魚はローラさんとお料理しましょう

行動/WIZ
『コミュ力』は場の流れを読むことに他ならない、何事にも流れというものは存在する
特出した『コミュ力』であれば、魚が好む場所や頻繁に使う道がおのずと見え
『変幻自在のおもちゃ箱』で『トイピース』で無数の罠作成し『コミュ力』から適切な場所に設置
勿論、他の猟兵の行動も流れの1つ、逃げてこちらに来るお魚さんも予想済みです


猟兵さん同士の絡み、セリフや行動のアレンジ大歓迎なのですよ


キャロライン・ブラック
紅玉(f03420)さまと共に行動いたします

門番をお腹いっぱいにするためには沢山のお魚が必要
ですから、どちらが多くとれるか勝負ですわ紅玉様
ええ、お互い切磋琢磨して参りましょう

さて、わたくしはユーベルコードで川の上部下部を塞ぎ
そこに捕らわれたお魚を網で一掃いたしましょう

少々はしたないやり方ではございますが、これも平和のため
……決して、紅玉さまに負けたくないという訳ではなくてよ?

それと、門番の所にお持ちする前に調理して参りましょう
きっとそのままでも美味しく召し上がって頂けるのでしょうが
より美味しくいたした方がお互い良い気持ちでいられると存じますの

猟兵同士の絡み、セリフや行動のアレンジも大歓迎ですわ


材木座・楢重
魚釣りですか……
釣りは苦手なのですが、僅かでも力になれればと思いまして参加させて頂きます。
門番さんには面白いものをご覧に入れたい旨を伝え、範囲内に被害が出ない様に配慮しながら周囲に「ファフロツキーズ出来」で魚の雨を降らせましょう。
なるべく珍しく、それでいて味が良いものをイメージします。
川魚よりは海の魚が良いでしょうかね。
「これらの魚は全て貴方方にお譲りしましょう、その見返りといっては何ですが……中に入れて頂けませんかね?」
交渉が成功した場合にはお礼として更に魚の雨を降らせましょう。
もし失敗した場合には出した魚を全て消して帰らせて貰います。




 神久・紅玉(つま先立ちの林檎・f03420)とキャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)
「門番をお腹いっぱいにするためには沢山のお魚が必要です。ですから、どちらが多くとれるか勝負ですわ紅玉様」
「ふふーふ、ローラさん相手でも負けませんよ。お互いに大漁目指して、えいえいおーなのです」
 二人は川の前で二手に別れてよりどちらが多く取れるかを競う。紅玉は川の中にいる魚に対して耳を傾ける。
(「『コミュ力』は場の流れを読むことに他ならない、何事にも流れというものは存在する。特出した『コミュ力』であれば、魚が好む場所や頻繁に使う道がおのずと見える!」)
 見えません。魚は人間じゃないし。基本的にコミュニケーション能力とは人同士のやり取りの中で力を発揮するものだろう。水面を睨みつける彼女の手は罠を掴んだまま止まっている。
「……ふふ、これなら勝てますわ!」
 固まった紅玉を見てキャロラインは勝ちを確信する。彼女が取り出したのはレインボーワンド、世界に色を塗るための道具だ。
「青い、透き通るような、氷河の色。冷たく固めてしまえば、ほら、綺麗なままでいられるわ?」
 呪いの言葉とともに川に向かって氷河色の塗料を放つキャロライン。これで上流下流を凍らせて根こそぎ網をかければ勝てるだろう。だが、その目論見は直ぐ様に破綻する。
「あ、あれ?」
 塗料が川に流されていく。彼女の技は塗料を媒体としている、常に動き続ける流体に対し色を塗るのは難しいだろう。染めることならば出来るかも知れないが、時間がかかるだろうしその間にも水は動き塗料は拡散していく。結果生じるのは氷の粒が水流に流されるくらいだろう。……結果として二人の戦いは共倒れと言っていいだろう。
「……何してんだ?」
 その片方、動きを止めている紅玉に風間・敬人(軽トラ・f04208)が声をかける。
「魚の動きを読もうと思って」
「……読めたか?」
 紅玉は首を横に振る。敬人はその動きを黙って見ると、レプリカクラフトで追い込み用の網を作る。
「良いか? こういうのは勘と感覚を頼りにするんだ」
 手慣れた様子で敬人は罠を仕掛けていく。狩りなら虎の役割と言わんばかりに。
「罠ならあるんだろ。そことそこ、俺の罠から逃げたやつを捕まえる所に置いてくれ」
「う、うん」
 彼が紅玉に気軽に声をかけているのは、彼女のコミュ力が影響しているのかも知れない。なんだかんだで魚取りを進めている紅玉である。一方その頃キャロラインは途方にくれていた。網をかけるにしても、魚の位置を把握するのも難しい。
「どうなされましたか?」
 彼女に後ろから声をかけたのは材木座・楢重(材木座組代表取締役・f01840)である。
「……魚をどうしたら取れるかと思いまして」
「成程。実の所僕も魚釣りの仕方も分からないものでして」
 楢重は顎髭を指でなぞると、何かを思いついたように頷く。
「門番さんの前で見せるつもりでしたが、そういうことならば一つ肌を脱ぎましょう」
「何か妙案がありますの?」
「ええ、ちょっと離れてい下さいね。……降り注ぎなさい!」
 楢重が叫ぶと空から多数の新鮮な海水魚が落っこちてくる。一通り落ちてきてからキャロラインが恐る恐る近づいてくる。
「……これなら……!」
 とりあえず落ちてきた魚を二人で集めていると、紅玉と敬人が容器に魚を詰めて戻ってくる。
「ローラさん、こんなに集めたの!?」
「……海の魚に見えるんだが」
 敬人が一匹つまみ上げて呟く。まあ良いやと彼は言ってから呟く。
「……これだけあれば自分らで食う分もあるな」
「門番に渡すのではなく?」
「こんだけありゃ文句は言われないだろ」
 楢重の問いに敬人はそう返した。彼の言葉を聞いた紅玉とキャロラインは手を上げる。
「ではわたくし達が料理をしますわ」
「ふふー、任せてよ」
「じゃあ塩焼きを頼む。狸んとこ行く前に焼き魚で腹ごしらえと行こうぜ」
 敬人は二人にリクエストし、その隣で楢重が唸っている。
「ところでこれどうやって運びましょうか」
「ああ、あれに積んでおけばいいだろ」
「……軽トラですか」
 無頼號と名付けられた敬人の軽トラの荷台に男二人が魚を積んでいく。全て積み終わった頃には魚がいい感じに焼けていたそうな。一行は腹ごしらえをしてから、城へと向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『狸兵団』

POW   :    狂乱野鉄砲
【仲間がやられた恐怖心】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【弓矢や火縄銃の集中砲火】で攻撃する。
SPD   :    狸兵団突撃
予め【突撃陣形を組む】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ   :    パンダ混じりの狸囃子
戦闘力のない【子狸応援団(何故かパンダがいる…)】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【戦場に響く賑やかな太鼓の音】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 狸の城はどんちゃん騒ぎであった。なんでかっていうと、次から次へと食べ物が持ち込まれてくるから。狸によっては酒に酔っ払っているものや、満腹になって眠りこけているのもいる。
 猟兵達はこの様子を見る限り一網打尽にするのは簡単だろうと判断する。が、このタイミングに一緒に食事をするのも構わないだろう。食べ物が犠牲になるかも知れないし。あとオブリビオンと相伴するというのもあまりない機会だし。
 とりあえずどうしたものかと、猟兵達は考える。選択は彼らに与えられた。
目面・真
意外な光景だね。ここまで見事に覿面とは、さすがに引くね。
差し入れしておいて言うのもなんだが。

せっかくだから、魚と酒で徹底的に狸共を酔い潰してしまおうか。
コレでこの場が解決するのであれば悪い選択ではあるまい。
世間話をしてもイイかもな。上司の話も聞き出せるカモシレナイからね。
髪切った? とかも聞いてみたいね。
しかし、この魚は美味いね。狸も好物になるはずだ。妙に納得した。
酒は飲まなくはナイが、程々にな。

これでは倒せないとか、狸共を倒そうとか、そういった空気を乱す雰囲気を察したら、
では舞いを一指し、披露致そうか。
と大太刀を抜いて星羅閃閃をお見舞いしようか。もちろん狸相手にね。


ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
どうするかって?
もちろん芋煮会開催!だよ。
オブリビオンに芋煮を振るまうのも久しぶりかな。

まず【芋煮ビット】を使って芋煮を皆に振舞うよ。
芋煮は謎の空間から生える物。芋煮を食べてる間は人類皆兄弟。おかわりもあるぞ。という感じで、いっぱい振舞うよ。
寝ている狸はそのままに、起きてる狸にはどんどん食べさせ、お眠にさせれば戦闘を一切行わず城主に会えるって寸法だね。私賢い。
そして一緒にいる仲間には別にダメージを受けてはいないだろうけど【芋煮フェスティバル】も使っての大盤振る舞い。私は無意味に凄く疲れるだろうけど。芋煮会なら仕方ない。
山形風、仙台風、毒芋煮、好きなのを食べていいよ!




「……意外な光景だね」
 目の前でゴロゴロとくつろいでいる狸たちを眺めて目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)が呟いた。魚などを持ち込んだ猟兵達はそのまま座敷に通されて、膳の前に案内されている。まさか敵のど真ん中で歓待を受けることになるとは真には予想がつかなかった。
(「……ここまで見事に覿面とは、さすがに引くね。差し入れしておいてなんだが」)
 彼は更に彼らを酔い潰そうと酒瓶を取り出そうとする、ふと視線をずらした所でルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)が何かごそごそとしているのを見る。
「何をしようとしている?」
「どうするかって? もちろん芋煮会開催! だよ!」
 一分の迷いすら無い視線を彼女は向ける。考えていることはほぼ同じのようなのだが、なんだか腹に一物を抱えている様子すら無い。
「オブリビオンに芋煮を振るまうのも久しぶりかな」
 ぐるぐると腕を動かす彼女を見て、まあ腹も膨れて温まるなら酔も早く回るだろうと真は判断し改めて酒の準備をする。
「よし! 行け! 芋煮!」
 ルリエラが虚空から呼び出したのは芋煮の鍋である。ご丁寧にそれぞれの膳の前に一つ一つ脳波コントロールで置かれていく。
「す、すごいたぬー!」
「芋煮を食べてる間は人類皆兄弟!」
「こ、これ全部食べて良いたぬか!」
「おかわりもあるぞ!」
「なんなら酒も付くぞ!」
 狸たちは身を震わせて喜ぶ、ちょろい、とその場にいた猟兵達は思ったとか。
「芋煮もいいが魚もな。……そう言えば、お前達の上司はどういうやつなんだ?」
「なんだか難しい事をいっぱい知ってるたぬ。いまはお出かけしてるたぬよ! 帰ってきたら歓迎しなきゃ!」
 真は酒を酌み交わしながら狸に探りを入れると、軽い調子で答える。真は意外と美味い焼き魚をつまみに、なるほどと頷く。
「芋煮、おかわりないたぬ?」
「まだまだ出すよ! 山形風、仙台風、毒芋煮、好きなのを食べていいよ!」
「毒芋煮ってなんだ」
 ルリエラの言葉に思わず真が突っ込む。
「毒芋煮は毒芋煮だよ? あ、芋煮フェスティバル開こうか? すっごい元気になるよ?」
「毒芋煮でもたぬ?」
「毒芋煮でも!」
「じゃあ食べるたぬ!」
「食うのか」
 とりあえず真は再びツッコみながらも愛刀の柄を撫でる。この分なら振るう機会はなさそうだが、いつでも抜けるだけの心の準備をしておくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【SPD】(共闘/アドリブ可)
「なんだかびっくりだよね」
どんちゃん騒ぎに呆れながらも、狸を満足させて眠らせる作戦だよ!

【行動】()内は技能
「もっともっと楽しもうよ!」
銀月琴ルーナ・プラータを取り出し(楽器演奏)で
狸囃子にあわせた軽快なリズムを奏でるよ
狸達の間を回って、演奏しながら軽く踊ったりするよ

子狸やパンダ!?達とも共演してみたり、一緒に戯れたりして
楽しみながら、疲れさせて寝かしつけるよ。

その後、子守歌のようなゆったりした曲調に変えるよ。
これで残っていた狸達を眠らせるんだ
「♪たんたんたぬき たぬきのおしろで ねんねんころり ねんころり~」

ちょっとだけ城主に同情するよ


フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携・アドリブ可)
■作戦
狸達を供応し満腹・泥酔させた後、武器を回収・破壊し無力化する

■行動
「どんどん食べて飲んでね」
自ら料理を次々に運んできて、狸達の前に並べる
ちょっとだけお酌をしたり
(狸に酌をする猟兵もレアよね)

豪快な食べっぷりの狸がいれば
「すごいわ、素敵ね♪」
と拍手喝采しておだてて、他の狸達も食べるように煽る

頃合いをみて弟に合図して眠くなるような曲を流し
毛布やゴザ等を並べて横になるように促す

「邪魔だから外しておくわね」
何食わぬ顔で弓矢や火縄銃を回収。太鼓や笛などもまとめて
庭の奥に積み上げ、エレクトロレギオンで破壊しておく

「さて、そろそろ出てきてもいい頃ね」




 大食漢なのかはた満足を知らないのか、狸たちの食欲は変わらず旺盛だ。それでも酔が回り始めてきたのか注意力が落ち始めているように見える。
「どんどん食べてね」
 フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)が酌をしながら狸の前を周りその様子をうかがっている。狸の猪口を持つ手が震えているのを見る限り結構来ているのだろう。酌をする自身を振り返る余裕もあったりする。
(「狸に酌をする猟兵もレアよね」)
 そんな事を考えて回っていると、一匹の狸が声をかけてくる。
「たぬー、おかわり!」
「すごいわ、素敵ね♪」
 芋煮を一気にかき込む狸に拍手し、他のみんなもどうぞと声をかければ次々と空の器が上がる。とりあえず彼らはまだまだ食べる気らしい。
「もっともっと楽しもうよ!」
 フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)が銀月琴ルーナ・プラータの弦を弾くと、狸たちもそれに応じて太鼓を取り出す。
「タヌ達も一曲披露するたぬー!」
 フォルセティと狸たちの合奏にはなぜかパンダなども混ざっている。弦楽器と太鼓のアンサンブルで大広間はちょっとした宴会場となる。狸たちはその曲に盛り上がりヤンヤヤンヤと囃子を上げる。その際に楽器演奏の邪魔になるからとフィオリナが近くに置いてあった狸達の武具を脇へと追いやる。その前には別の猟兵がいるのだが。
「邪魔だから外しておくわね」
「お願いするたぬー」
 狸の間を弦を爪弾きながら踊り歩くフォルセティをフォローするように動く。もっともそれがどういう意味かを狸達はよく分かっていないだろうが。彼女は弟に目配せすると、弟はゆっくりした曲を引き始める。
「たんたんたぬき たぬきのおしろで ねんねんころり ねんころり~」
 ゆったりした旋律が流れると子狸達が眠り始める。フィオリナは眠った彼らの上に、毛布をかけ始める。徐々に猟兵達の動きが狸達に効果を及び始めた。
(「……ちょっとだけ城主に同情するよ」)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

弥久・銀花
ふーむ、折角ですし私もお相伴に預かりましょう。

寝こけてるのは、跨いだり側を通ったりして、こっそり武器を軽く蹴っ飛ばして手元から少しだけ離したりしつつ。
良い感じに酔っ払ってる狸の隣に座ります。

顔に大きな傷がありますが、実は私は美人です。
そんな私の酌で飲めせられないお酒なんてありません! (銀花は未成年なのでお酒は飲んだ事はありませんし飲めません)

お酌をしながらこのお城の城主の場所を聞き出します、その人にもお酌をしたいと言えば行けるでしょうか?


他の人が戦闘を始めてしまったら、こっそりと奥へと進んじゃいましょう。


私も戦闘に参加する破目になったら、人狼咆哮で周辺の狸をぶっ飛ばしてやりましょうか。


材木座・楢重
皆さん賑やかで楽しそうですねぇ。
こんなに可愛らしいのに倒さなければならないとは……
でも、それはそれ。
これはこれ。
全力で当たらせて頂きますね。
とは言いつつも、お料理が台無しになっては実に勿体ない。
戦いはお料理をなるべく頂戴してからにしましょうかね。
戦意を失っているとはいえ周囲がオブリビオンだらけですから警戒は怠らない様にしましょう。
「シャドーピープル追躡」を使い、シャドーピープルの方を召喚致しましょう。
【第六感】を常に研ぎ澄ましながら、シャドーピープルの方と2人で警戒に当たります。
シャドーピープルの方は影とは言え物理的な干渉が出来ますから、有事までは2人でお料理を頂いていましょうね。




「おっと、すみません」
 弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)が熱燗を手に狸たちの前を酌をして回っているその時の言葉がこれである。彼女が道の途中で横になって寝息を立てている狸を跨いだ時に出たものだ。ついうっかり武器を蹴ったのは気のせいだ、多分。
「……皆さん賑やかで楽しそうですねぇ」
 材木座・楢重(材木座組代表取締役・f01840)はシャドーピープルを自分とは遠い席に座らせて、その視界から覗くものと自分の見ているものを揃えてそんな声が溢れた。とりあえず見ている限りだと警戒心は全くなさそうだ。シャドーピープルにしても「なんだか黒い人」以上に見られてはいないみたいだし。そんな楢重の元に銀花が酌をしに腰をかがめる。
「今はどんな感じですか?」
「心地よい気分ですね」
 二人の会話の頭には狸が、と付く。小さなやり取りでそれだけを確認すると楢重は猪口を傾けてから肴をつまむ。ついでにシャドーピープルの方も箸を器用に動かして食事を続ける。無論警戒は怠ってはいないが、緊張感が高いというわけでもない。一方の銀花は酌をした狸に呼び止められた。
「ありがとうたぬ! ところでその顔の格好いいたぬね!」
「え、あ、ありがとうございます?」
 銀花は自身の美貌には自身を持っていた。だがあくまでそれは彼女視点であり、狸視点ではない。……所詮狸は狸である。狸的には彼女の顔の傷の方がポイントが高いらしい。謎だ。
「ところでお酒はのまないたぬ?」
「私は未成年なので、飲んだ事はありませんし飲めません。ごめんなさい」
「そうたぬか。それじゃ仕方ないたぬね」
 ちょっと残念がる狸に銀花が尋ねたい事があると口を開く。
「ところで、このお城の城主どのは? ご挨拶をしたいのですが」
「お出かけしてるたぬ! たぬ達が持ち帰ったものを別の町に持っていってるたぬよ! 帰りにお土産持って帰ってきてくれるたぬ!」
「そうですか、それは残念ですね」
 言いながらも狸たちの上の人物像を結ぼうとする銀花、果たしてどのような人物なのだろうか。楢重もシャドーピープル越しに彼女らの会話を聞きながら思考を巡らせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

風間・敬人
狸の宴会に紛れる虎さんですよ。

折角の機会だし、まずは狸の宴会に参加するか。
ついでに酔わせて寝させちまえば、後が楽になりそうだし。
つーのは建前で、飯を無駄にできるかってんだ。
塩焼き、鯉こく、あらいと何でもござれだな。

一頻り楽しんだら、仕事をしねぇとな。
狸どもの掃除といくか。
とは言え、直接倒すのは御同業にお任せだ。
俺ぁワイヤーフックで脚払ったり武器を絡めとったりと嫌がらせだ。
レプリカクラフトで、ワイヤーネットの仕掛け罠を、とか思ったが、
乱戦でそれやると御同業にも被害が出そうだな。
今んとこは大人しくしとくか。

他者との絡み・アドリブ大歓迎。
よろしくお願いします。


カーニンヒェン・ボーゲン
なんとも…なんとも微笑ましくなってしまいますが、
いつ大事になるとも限りません。(第1章ぶり、2回目)
上司のお方は、本当に部下に恵まれておらぬのでしょうか?
与えれば喜び、一生懸命に命を遂行しようとし、
見ていればこんなにも温かな気持ちになるというのに。

食事は、いたしません。
誰かの攻撃で場が荒れるまで、脱走者が出ぬように出入口に門番宜しく、
立ち詰めていようと思います。
でなければ情が移りすぎてしまいますから。
暫し、この奇妙で夢のような宴を楽しみます。

お別れはあっさりと、済ませたいものです。
私も、彼らも、何も感じる間のないままに送りだせたら。
【UC:剣刃一閃】使用
いけません。老い先短いジジイ故の感傷か。




(「なんとも……なんとも微笑ましくなってしまいます、いつ大事になるとも限りません」)
 カーニンヒェン・ボーゲン(或いは一介のジジイ・f05393)はすやすやと寝息を立てている子狸を見て内心で呟く。彼の背後には先程動かした彼らの武器がある、そして彼の隣には廊下につながる襖も、簡単には逃さぬ算段だ。万全を期しながら彼はちらりと目を狸達にやると更に思考を進める。
(「上司のお方は、本当に部下に恵まれておらぬのでしょうか? 与えれば喜び、一生懸命に命を遂行しようとし、見ていればこんなにも温かな気持ちになるというのに」)
 確かに見ている分には微笑ましい相手ではある。恐らくオブリビオンですらなければ、と言うところであろう。
「……食べないのか?」
「はい、私は結構です」
 焼き魚を頭からかじる風間・敬人(軽トラ・f04208)の問いにカーニンヒェンは静かに頷く。敬人は彼の背後にある武具をワイヤーで固定すると自分の席に座り直す。これで万が一にでも狸たちが自らの職務を思い出しても問題にはならないだろう・
「さっきから見てると狸たちにあんまり近づいてないみたいだな。……あ、食わねえならもらって良いか?」
「ええ、どうぞ。……情が移りすぎてしまいますからね」
 膳の上のものを持っていく敬人にカーニンヒェンは小さく返す。敬人は鯉こくをすすりながら獣の耳を彼の方へと向けている。
「まあでも俺達の出番はないかもなあ」
「ほう、どういうことですかな」
 カーニンヒェンは虎顔の男に問うと、彼は鯉の身をつまみながら答える。喉を鳴らして美味いと小さく呟いてから返してくる・
「俺も戦うつもりだったんだが、この宴に参加してないヤツがいる。城の中にいるのにな」
「成程、そうでしたか。ではこの奇妙で夢のような宴が覚めるのも近そうですな」
 カーニンヒェンの言葉を聞いて猪口を傾ける敬人は頷いた。
「飯も無駄にできねえしな、その時が来るまで大人しくしておこうぜ」
「そうですな、お別れは想像以上にあっさりと終わりそうです」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイリ・フラジャイル
連携アドリブ歓迎

手抜きじゃないわ、相手は狸よ
陣を組んで盛り上がってる狸兵団へ
コール・リゾルブ(カラオケマシン)を投入!
飲めや歌えや踊れやで大騒ぎして貰うわ
アタシは一切の手を汚さずに任務を遂行出来る
ああ――古代文明の利器って素晴らしい♪

一頻り盛り上がって相手も疲れた所で
……狸って鍋にするんだっけ?
冗談よ冗談、どうしようか?
狸たちが眠りこけてる間に
城主をやっつけて下克上でもしちゃう?
別に悪い狸じゃあないのよね皆、頭以外は

最悪、無理やり無力化する必要があるなら
カラオケマシンから全自動狸獲りマシン(爆音)にでも……
そんな機能は無いって?
それじゃあ網でも放ちましょう、どばっとね


水蓮・レン
……まあ、うん。
折角考えてたんだし、質問してみようかな。
まずは狸たちと食事しながら話をしてみようか。

「どうしてこの城の主に仕えてるの?」
「主ってどんな人なの?」

狸たちに調子を合わせて、話を聞き出してみよう。
お酒で酔っ払ってる狸を選んだ方が口が滑りやすいかな。
城の主の弱点とか聞けたら、楽でいいんだけど。

その後は……流石にちょっと騙し討ちは気が引けないでもないし、酔い潰してみんな眠るように仕向けてみるとか?

「ほらほら、もっと呑んで呑んで。狸さんのいいところ見てみたい!」

無理そうなら普通に戦うかな。
【ウィザード・ミサイル】で応援団の太鼓を燃やして、相手のパワーアップを防ぎながら戦おう。




「コール・リゾルブ!」
 アイリ・フラジャイル(夢見る戦争人形・f08078)が呼び出したのはカラオケマシンである。へべれけ状態の狸たちの中心でマイクを掲げて音楽を鳴らしている。近くにいた狸の手を引き、即席の舞台の上に上げてマイクを渡す。
「ど、どうすればいいたぬ!?」
「ノリと勢いで歌えばいいのよ!」
 割とぶん投げである。古代文明の利器すごいですね。彼女を中心として騒ぎが大きくなっているのを遠巻きに見ている狸もいる。やはりこういうのは人を、いや狸を選ぶのだろう。それでも盛り上がるの方が多数派なあたりちょっと頭軽い気がするが。その離れている側の隣に座っているのは水蓮・レン(ダンピールのウィザード・f12940)である。
「君は行かないの?」
「賑やかすぎるのは苦手たぬ」
 そう答えた狸の目元は赤く、ろれつもちょっと怪しい。今なら口も軽いだろうとレンは気になっていた事を聞く。
「どうしてこの城の主に仕えてるの?」
「親分とはぐれたたぬ達を拾ってくれた恩人だからたぬ! 恩はきちんと返さないと駄目たぬ!」
「その君達の主ってどんな人なの?」
「たぬ達よりもずっと賢いたぬ! そろばん使えるたぬよ!」
 どうもレンの思うような情報は出てこないっぽい。この狸達はそこまで頭良くないし、知っていたとしても弱点を教えてくれたりはしないだろう。基本的には仲が余程悪くないとどのような敵でも自分達や仲間の弱点を他者にみだりに教えたりはしないだろう。
「……ありがとう、じゃあお礼にもっと飲んでよ」
「これは悪いたぬね。おっとっと」
 狸はぐいと呑む、空になった器に即座にレンが次を注ぐ。
「ほらほら、もっと呑んで呑んで。狸さんのいいところ見てみたい!」
 レンがそうやって狸を酔い潰している頃、アイリ主催のカラオケ大会は挑戦者達の喉が潰れ始めていた。
「こ、声がもう出ないたぬ……ちょっと休むたぬ……」
 満腹と酩酊と疲労の重なった狸達全体のテンションは大分落ちている。
(「さて、これからどうしようか? ……狸って鍋にするんだっけ?」)
 よもやそれを直接口には出せないと彼女は首を横に振る。
(「城主は今は留守みたいだし、網でもかけちゃおうか」)
 と、彼女が考えた所で城内に爆音が響く。何が起きたのかとアイリは周りを見るとレンと目が合う。
「この音……?」
「いやいや、私じゃないわよ! そんな機能ついてないし」
 周りの狸たちも何が起きたのかバッチリと目を覚まして走り回っている。猟兵達も周りを注意深く窺うと襖がびしゃりと開く。
「か、火事たぬ! 早く逃げるたぬ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キャロライン・ブラック
なんとか無事に門を潜り抜けることができましたわね
ええ、目論見通りでしてよ?

さて、後は一網打尽と参りたい所でしたが……
流石にこの雰囲気の中戦うのは憚られます

かといって、共に食べるにも先程のお魚でお腹もいっぱいですから
料理の腕を振るい、さらに狸たちをお腹いっぱいにいたしますの

満腹で眠るにせよ、酔い潰れるにせよ
無力化いたせば戦いもないでしょう?

狸たちへの対応は紅玉さまが行って下さいますから
わたくしは紅玉さまが伺った好みの味や匂いで
より多くの狸のお腹を満たしますの

もしも戦闘が始まったら、無力化いたした狸たちは
端の方へ寄せておきましょう

楽しくお話しした相手を闇討ちいたすのは
少々心苦しいものね、紅玉さま?


神久・紅玉
ちょっと失敗しちゃったのですよ……
その分みんなが助けてくれたから上手に準備が出来たのです

ここからは迷惑をかけないようにしっかりとやっていくのです。
助けてもらった分は私たちがしっかりと返さないとですね

狸さんと宴会ですか……ううー!仲良くなると戦いづらいですね
ですが、せっかくの機会ですので交流をしたいのです
どうにかできるだけ戦わずに無力化できるように頑張りましょう

狸さんとお話をしながら食べ物や味の好みもたずねたりとお話ですね
きっとローラさんなら上手に料理とかを手伝ってくれるはず
お酒も一緒に話せば進むはず、ですよね

なかなか難しいですね、オブリビオンとの関係は
ですがやれることを精一杯やるのですよ


リアヘル・タクティシェ
オブリビオンと食事をすることに興味はない
他の猟兵が狸兵団と食事をするなら時間稼ぎになるだろう
その間に文字通りのブービートラップで芸も工夫もないが
城内の空き部屋や各所に作成した火炎瓶を置き
その火炎瓶にこれもUDCアースで手配して来た
手榴弾とワイヤーを使って火炎瓶を動かすと手榴弾が作動する仕掛け罠を設置して回る
この後どんなオブリビオンが現れるかわからないが
狸兵団が残っていれば物珍しさか
あるいは火炎瓶が何なのかということがわかっていても手に取る可能性は高いだろう
何本かの火炎瓶は背嚢の中に残しておいて場合によって城に火を放つ為に取っておく
敵の拠点の中でこんなにじっくりと罠を仕掛ける余裕があるとはな




 時間は少しばかり遡り、場所は城内の台所。そこではキャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)が包丁を踊らせて魚を捌いていた、他方では火にかかった鍋の中身をすくっては味を見て調整をしている。
「ちょっと薄味でしょうか」
 そう独り言をつぶやいた所で神久・紅玉(つま先立ちの林檎・f03420)が空いた器を持って帰ってくる。
「ただいまですよ」
「お帰りなさい、味の方はどうですか?」
 紅玉が水溜に器を入れるのを見てキャロラインが尋ねると、彼女は唇に指を当てた。
「もう少し濃い味の方が好みだそうですよ」
「それなら、これくらいで良いですね。あ、味見していきます?」
「はい! いただきます!」
 狸たちの宴会で供されている料理はここでキャロラインが中心となって作っていた。先程川で取れた魚を中心に、保存してあった味噌や漬物も利用して。傍らには七輪も置いてあり、その上でも魚が香味を漂わせていた。
「こっちは焼き上がったね、じゃあ持っていくです」
「行ってらっしゃいですよ」
 紅玉はキャロラインから送り出される言葉を聞くと宴会場へと行き、空いた器のある狸たちの元へと料理を配膳する。
「お味はどうですか?」
「とってもおいしいたぬ!」
「そうですか、良かったです! お酒も良かったらどうぞですよ」
 無邪気に答える狸の表情を見ると、紅玉の胸の内がちくりと痛む。彼女が料理を配り終え、空いた器を下げて宴会場から出ると、奥の廊下からリアヘル・タクティシェ(復讐騎・f13977)が無言で歩いてくるのを見つける。そう言えば彼はずっと宴会場にはいなかったはずだ。その彼も紅玉の方に気付いたようだ。
「今はどんな様子だ?」
「え、えっと皆盛り上がっている感じです」
「奴らの武器は?」
「……仲間の猟兵がまとめて見張っているみたいです」
「分かった」
 何故か紅玉にはリアヘルの発言が不穏当なものにしか聞こえない。内心狸たちと戦わずに無力化出来ないかと考えている彼女にとっては危険な香りしかしない。
「……何をするつもりです?」
「火をこの城にかける。準備も終わった」
 その言葉を聞いて紅玉は頭を抱えた。とりあえず猟兵達は余裕で脱出出来るだろう、飲み食いも意識的にセーブしているし。だが狸たちはどうか。
「武器を焼けばそれ以上狸さんたちは何もできないですよね」
「無力化という意味で言うのなら変わりはない。だがオブリビオンは倒さねばいずれ世界を埋め尽くし滅ぼす存在だ」
 リアヘルはそれだけ言うと、別の部屋に行く。恐らく爆装置がある部屋を目指すのだろう。残された紅玉は台所へ走りキャロラインと彼女は言葉を交わす。
「この城を焼くつもりで準備を終えてる猟兵がいるみたい、多分すぐ始まると思います」
「なるほど、それは確かに有効ですわね。その割には浮かない顔ですのね」
「……なかなか難しいですね、オブリビオンとの関係は」
 絞り出したようにそう呟いた紅玉の肩をキャロラインは叩いて片目をつぶる。
「楽しくお話しした相手を闇討ちいたすのは少々心苦しいものね、紅玉さま?」
 彼女の本心を悟ったキャロラインは二人だけで狸達をなんとかしようと動き出す。彼女たちが台所を後にしたタイミングで爆発音が響き渡る。時間はないと二人は走り出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『悪徳商人』

POW   :    先生、お願いします!
【オブリビオンの浪人の先生】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    短筒での発砲
【短筒】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    か、金ならいくらでもやる!
【懐】から【黄金の最中】を放ち、【魅了】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠犬憑・転助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「全く狸どもめ……二束三文にしかならないものばかり集めおってからに……」
 狸のお城の城主である商人は愚痴りながら帰り道を急いでいた。あんなのでも貴重な部下であり食い扶持くらいは用意してやらなければならない。ため息を付く商人の背後では荷役が黙って大八車を引いている。
「……ん?」
 ふと、商人の足が止まる。妙に城の方が明るい。嫌な胸騒ぎを感じた商人は足早に城へと向かう。するとそこでは豪勢に城が炎を上げていた。
「はあっ!?」
 しかも中から狸達の悲鳴や轟音が上がっている。留守中にどうやら襲撃を受けたらしい、それにしても派手すぎる。商人が呆然としていると、焼け落ちる城を背にして猟兵達が向かってくる。
 こうして猟兵達は城の主であるオブリビオンと邂逅するのであった。
目面・真
あの目をひん剥いた町人がオブリビオンか?
余程驚いたと見える。あごが外れそうなほどクチを開けているじゃないか。
狸共は楽しそうに倒れたぞ。オマエが難しいコトをいっぱい知っている、と自慢しながらね。
オレにも聞かせてもらおうか、オマエが知っている秘密をな。

用心棒の先生を呼んだか。オレも剣には自信があるんだ、勝負致せ。
先制攻撃と二回攻撃で相手の機先を制す。大太刀で袈裟懸けに斬りつけてやる。
アームドフォートを持って来れば良かったんだが、この恰好ではな。
フェイントと残像で用心棒の攻撃を躱して、斬り合うコトになるだろう。

用心棒が片付いたら星羅閃閃を悪徳商人に放つ。
祈るがイイ。オマエが行きつく先は奈落の底だぞ。


材木座・楢重
あの気の良い狸さん達はどうなったのでしょうか、敵とはいえ少し気に掛かります。

どうやら貴方があのお城の主の様ですね。
いきなりですが、そういう訳ですのでお覚悟を。

「UFO来襲」を使い悪徳商人を攻撃します。
……おっと、この時代ではUFOというよりは虚舟と言うべきでしょうかね。
この舟はアストラル体ですから障害物もお構いなしです。
頭上から舟のレーザービームを撃って攻撃をして頂きましょう。
状況的に余裕がありそうでしたら悪徳商人を舟の中へ吸い込んで貰い、人体実験的な事象を体験して貰いましょうか。

食らうとあまり宜しくない反撃技をお持ちの様な気がしますので、【第六感】を頼りに回避に専念します。


リアヘル・タクティシェ
●戦闘知識を用いた作戦
予め城門付近の蔵か小屋を爆破装置の範囲から外しておく
その建物の戸口付近を狙って全周囲に仕掛け弓を設置して
遠隔で矢を射出できるようにしておく
俺は城壁の上に陣取って上から悪徳商人を弓矢で狙い
罠を仕掛けた建物に追い立てるように矢を射かけ続ける

●殺傷性の高い罠
炎か矢を逃れる為に商人が罠に飛び込んだら
仕掛け弓を作動させて矢を放つ
浪人の先生でも全周囲から放たれる矢から商人を守り切れはしないだろう
矢による負傷で足を止めていることを想定して
全速力で罠を仕掛けた建物の戸口へと向かい
残った火炎瓶を惜しみなく商人のいる建物内に放り込む
俺より早く罠に掛かった獲物に近付けた猟兵がいたら警告する




「あの目をひん剥いた町人がオブリビオンか?」
 目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)が炎に照らされる商人の顔を見て呟いた。見た目はただの町人である、だがこうして出てきた以上少なからず戦闘力のあるオブリビオンなのだろう。真は油断せず剣を抜く。
「お、お前達は何者だ!」
「……どうやら貴方があのお城の主の様ですね」
 狼狽するオブリビオンの姿でそう判断した材木座・楢重(材木座組代表取締役・f01840)が確認としての問いかけを行う。
「あ、ああ! そうだ! 私の城を燃やしたのはお前達か!」
「ええ、正確には私『達』ではないですが」
 城を燃やしたのはリアヘル・タクティシェ(復讐騎・f13977)である。その彼は火の手の回っていない城壁からオブリビオンを狙っている。
「し、城にいた狸共はどうした」
「さて、私としても少し気がかりです」
 楢重は同じ場で食事を共にした存在である狸達の事を少しばかり案じている。炎の混乱の中で全てが無事というわけではないだろう。
「……狸共は楽しそうに倒れたぞ。オマエが難しいコトをいっぱい知っている、と自慢しながらね」
 頭には酒で、と言う言葉が付くが。真は口元を歪ませオブリビオンを挑発する。
「オレにも聞かせてもらおうか、オマエが知っている秘密をな」
「貴様らなんぞに教えるかっ! 先生! お願いします!」
 オブリビオンは浪人を呼び出して自らの手勢を整えると、猟兵達に復讐せんと挑みかかってくる。対する猟兵もユーベルコードを発動する。
「ベントラ ベントラ スペースピープル!!」
 楢重が呼び出したのはいわゆる空飛ぶ円盤である。突如飛来したUFOはビームを放ち悪徳商人を狙撃する。
「な、なんだこれは!?」
「UFOです。……おっと、この時代では虚舟と言うべきでしょうかね」
「大工みたいな風体なのに呪い師とかふざけるな!」
 必死で光線をかいくぐりながら逃げ回る悪徳商人の足元にリアヘルの放った矢が突き刺さる。
「くそっ!」
 UFOと矢に追い立てられ、知らず知らずのうちに悪徳商人は城壁内にある蔵の方へと誘導されていく、それを察した浪人が助けに入ろうとするがそこに真が割り込む。
「邪魔をするな!」
「腕に覚えがありそうだな、オレも剣には自信があるんだ、勝負致せ」
 真の先の先の剣が鋭く伸び、浪人の出鼻を挫く。浪人は舌打ちをすると刀を構え直し、真と打ち合う。だが、剣の冴えは真のほうが一枚も二枚も上手だ。浪人が剣を振るう隙を真は巧みな剣さばきで切り払っていく。
「こいつ、強い!」
「はっ、大したことねえな!」
 真は大きく浪人の刀を弾き飛ばし、そのまま袈裟懸けに切り裂き真っ二つにする。どうと倒れた浪人の向こうでは依然として悪徳商人が追い立てられている。
「祈るがイイ。オマエが行きつく先は奈落の底だぞ」
 彼の言葉の通り悪徳商人は罠のある蔵の扉の前へと追い立てられている。
「くっ、こんなところにまで……! ……なっ!?」
 商人が気付いたのは自らに向いた引き絞られた弓、勿論矢が装填されている。
「うおおおっ!?」
 矢が放たれるよりも早く悪徳商人は蔵の中に入り戸を急いで閉める。だがそれこそがリアヘルの思う壺である。彼は天井近くの明り取りの窓から火炎瓶をありったけ投げ込んで行く。
「……ここまで来て火攻めだと!?」
 蔵の中にあったものに次々と引火してたちまちに悪徳商人は追い詰められていく。商人は外から聞こえてくる矢の音が尽きたのを確認すると、焦げた裾を激しく振りながら外へと脱出する。だが今度はUFOのトラクタービームに釣り上げられてしまう。
「つ、次から次へと!」
 手足をばたつかせても無情にもUFOの中に吸い込まれて行く悪徳商人。UFOの中から表現しづらい音がした後、地面へと投げ捨てられた悪徳商人の姿はボロボロだ。それでも五体満足なのはさすがのオブリビオンと言ったところか。やけにしぶとい悪徳商人の受難は始まったばかりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルセティ・ソルレスティア
【チームSS】【SPD】(共闘可)
「フィオ姉ちゃん、あれ可哀そうな城主だよ、きっと!」
遭遇した悪徳商人に簡単に顛末を話し
「部下はちゃんと選んだ方がいいよ」と同情する

【行動】()内は技能
「ボク、あれ見てみたいな」
悪徳商人の足元を狙ってイスベル・ウラーノを叩きつけ、
【先生、お願いします!】を誘導するよ。
浪人が登場したら「テレビで見たやつだー」と大喜びする。

「でも浪人の先生って、要するに無職のダメダメな人だよね」
と言いながら(高速詠唱×先制攻撃)でクラロ・デ・ルーナを
放って浪人を撃破するよ

そのあとはWIZ攻撃の人に任せるよ
フィオ姉ちゃん達がピンチなったらグアルディアン・サトゥルノで
サポートするよ!


フィオリナ・ソルレスティア
【チームSS】【WIZ】(他猟兵と連携可)
「馬鹿なことやってないで、早く殲滅するわよ」
相手はそれなりに力を持ったオブリビオンだから
気を引き締めして戦わないと

■作戦
機械兵器の集団で商人を一斉に襲撃し、その対処に追われる隙をついて
バベルの光で狙い撃ちする

■行動
弟たちが城主とやり取りしている間にエレクトロレギオンを召喚
入れ替わるような形で城主を攻撃させる

城主が機械兵器に対処している隙にフォーカスでロックオン
[全力魔法×2回攻撃]でバベルの光を発動する

「貴方に帰る城はなくなったわ。あきらめるのね」
(ほとんど不可抗力なんだけど)


アイリ・フラジャイル
【チームSS】(共闘可)
金をばら撒く所をまず見ようか
アタシはそれをよく知っているし、既に埋蔵金も頂いたのよ
見てごらんと、静止した記憶から500WP分(未使用)の金を見せびらかす
ねえ、アンタはもっと無いの? そんなんじゃ満足しないわ

そしてアクト・リフレクトで『金の無い平行世界』と結果を入れ替える
無いの、ねえ。おいジャンプしろよ
焦燥する姿が目に浮かびそう。だけどあれはオブリビオン
ちょっと気の毒だけど、黄金竜の牙でしっかり脅して
おい、そんなシケた金でどうにかしようっての?

これで悔い改めて消えてくれたりしないかしら
野生の鏡餅がいる世界だもの、邪気が晴れれば
狸もコイツも普通になったりしないのかしらね




「フィオ姉ちゃん、あれ可哀そうな城主だよ、きっと!」
「馬鹿なことやってないで、早く殲滅するわよ」
 フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)とフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)は地面に落ちてきた悪徳商人を指す。
「お前達……一体どれだけいるんだ……?」
「あの狸たちよりは少ないわね」
 よろよろと立ち上がりながら問うた悪徳商人にアイリ・フラジャイル(夢見る戦争人形・f08078)が答える。
「あ、あの狸たちなんだけど、ボク達がいろいろ持ってったら快くお城の中へ入れてもらえたよ?」
「……あの馬鹿狸共め……!」
「貴方に帰る城はなくなったわ。あきらめるのね」
 言いながらも悪徳商人は近づいてきていたフィオリオナのエレクトロレギオンを短筒の連射で破壊する。相手の隙を作るつもりならば自分一人で行うよりは、他者の行動を見込んだほうが有効に動けるだろう。一人で出来ることは多くないのだから。
「この程度の策で私をどうにか出来ると思うな!」
「あ、じゃあボクあれ見てみたいな」
「何をだ!」
「先生! って言うの」
「じゃあ見せてやろう!」
 再び召喚される浪人がフォルセティに斬りかかる、彼は身をかがめて避けるが浪人は続けて斬りかかる。
「でも浪人の先生って、要するに無職のダメダメな人だよね」
「今は雇われている!」
 高速詠唱で放たれるエネルギー波が怒る浪人の体をかすめる、だが同時に浪人の刀の切っ先がフォルセティの脇腹を貫く。撃破できると油断していたが故のダメージである。だがそれを見て怒りに燃えるのはフィオリナだ。
「……許さない!」
 高空からのレーザーで浪人を攻撃するが簡単には落ちない。命中率は高くても攻撃力はそこまででもないのだ。
「金ならくれてやる、だからこちらに付け。悪い話ではあるまい」
 一方その頃、悪徳商人はアイリに交渉を持ちかけていた。あの姉妹と違い、ある程度は話が通じそうと考えての交渉だろう。だがアイリは首を横に振った。
「悪いけどそれくらいのお金じゃあアタシは動かないわ」
 かつて某徳川将軍から振る舞われた報奨と比べれば、悪徳商人の提示する金額とはとても釣り合うことはない。その額を商人に見せてアイリは問う。
「ねえ、アンタはもっと無いの? そんなんじゃ満足しないわ」
「ええい、ならばこれでどうだ! ……あれ、な、無いぞ?」
「無いの、ねえ。おいジャンプしろよ」
 アイリはペチペチと剣で頬を叩くが、悪徳商人は何が起きたのか分かっていないようだ。それもそのはず、彼女が相手が金を出す瞬間を見計らって『別の平行世界』と一瞬だけ置き換えたからだ。
「おい、そんなシケた金でどうにかしようっての?」
「いや、まて、こんなはずは、おかしい……ごふぅ!」
 チンピラのごとくいちゃもんを付けてから剣の腹で悪徳商人をぶっ飛ばすアイリ。これで悔い改めて消えてくれたり、邪気が晴れれば普通になったりはしないかと考えるが、まだ立ち上がる悪徳商人の姿を見て世の中そんなに甘くないと理解するアイリだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神久・紅玉
まずは〈変幻自在のおもちゃ箱〉で作った大鎌を振るって
辺りに広がる焔がこれ以上燃え広がるのを防ぐとするのです

別に狸さんの為ではないのです
捨て鉢になって向かってこられても困るのですから
だから逃げるなら勝手にするのですよ、狸さんたち

尤も、また悪さをするなら次はどうなるか分からないのですけれども
今回は――あちらの城主の人が本命なのです

持ち前の〈コミュ力〉を活かして、周りの猟兵さんが動きやすいように
連携をしながら敵を追い詰めていくのです
周りに合わせて武器を可変させられるのも強みですからね

悪者の命乞いは受け付けませんよ、それに
ここにあるのは二束三文にしかならないもの、ですから

アドリブ・改変等大歓迎なのです


キャロライン・ブラック
どうやら城の主もお帰りになったご様子
早々に終わらせてしまいましょう

まずはわたくしの好きな色、染め物の藍を発動
紅玉さまのお手に染料で刻印を施し
お力を強化いたします

後は寝ていらっしゃる方たちを起こして
城主の元へと向かいますの

安全な道は紅玉さまが確保して下さるもの
わたくしも、他の方も、悠々と逃げ通せると信じております

その際、動けない様子の方がいらしたら
こっそり抱えて城の外まで運びましょう

残念ながら狸たちは逃げたようです
ええ、とても運の良いオブリビオンね?

城主まで辿り着いたら
紅玉さま同様に猟兵の皆さまを強化いたします

その後は回避や挑発的な攻撃に専念して陽動ですの
猟兵として、しっかりと戦い抜きますわ


ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
芋煮を食べてる間は人類皆兄弟。
食べ終わった狸はオブリビオン。慈悲はない。南無南無。
というわけで悪徳商人、成敗するよ。

とりあえず『盗み攻撃』で懐からあの黄金の最中を頂こう。夢があるよね夢が。
その後は味方への『援護射撃』中心に戦おうかな。
一応狙いはあの短筒。【貫通する矢(アインス)】で撃ち抜きたいね。
流石に商人に射撃戦で負けるつもりはないよ。
撃ち抜いたあとは持ち物の『純金のゴボウ』で時代劇ごっこしようかな。ゴボウを矢にして飛ばしてゴスッと当てるのもいいね。まぁ流れで。
終ったら黄金の最中をネズミ小僧みたいに町人にばら撒いてみたいな。




 悪徳商人が立ち上がった時、近くには燃え上がる城に対して合掌をするルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)の姿があった。芋煮を共に食べたことは忘れない。食べ終わったら敵だけど。世の中は無情である。
「というわけで悪徳商人、成敗するよ」
「ま、待て! か、金なら!」
 未だ懐に金子を残しているこの商人は結構力あるのではなかろうか、それはともかくルリエラは首を横にふる。
「もらわなくても、いただくから」
 手にしたダガーで悪徳商人の懐ごと体を切りつけて、黄金の菓子を奪い去っていくルリエラ。彼女は手に収まった重みを確かめながら悠々と距離を取る。
「奴らはどれだけ私から奪えば気が済むんだ!」
「そんなこと言えるのも時間の問題ですよ」
「どうやら城の主もお帰りになったご様子。早々に終わらせてしまいましょう」
 悪徳商人に声をかけたのは、燃え盛る城から現れた神久・紅玉(つま先立ちの林檎・f03420)とキャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)である。紅玉の手には藍の色が塗られている。彼女らの裾は焦げ、肌は熱で焼け赤く、頬に煤もついている。彼女たちが火災の城の中で先程までいたのは確かだろう。
「くっ!」
 逃げようとする悪徳商人の前にガジェットが組み合わさって作られた大鎌が振り下ろされる。まるで逃さないと言うように。
「貴方は本命です、逃すわけには行かないのですよ」
 大物の武器を小柄な彼女が振り回しているとは思えない速度で切っ先が悪徳商人の肩口を捉える。その速さはキャロラインの好む色によるもの。彼女のイメージは塗料に乗って現実を改変する力を持つ。その力は紅玉の攻撃を加速させる。
「残念ながら狸たちは逃げたようです。……ええ、とても運の良いオブリビオンね?」
 まるで目の前の悪徳商人の運が悪いかのようにキャロラインは微笑む。もっともそれでも目の前のオブリビオンは生き汚く生き残ろうと必死だ。
「本当に使えない狸共め!」
 そう毒づくのは、どちらかと言えば危機に晒されたストレスを解消するためだろう。少しでも逃げる隙を作ろうとして、懐から短筒を抜き紅玉に向けて引き金に指をかける。
「狸さんたちは勝手にしただけですよ。ここにあるのは二束三文にしかならないもの、ですから」
 紅玉がそう言うと大鎌の刃の部分を形成していたガジェットが、ガシャリと音を立てて銃口と彼女の前を塞ぐように落ちる。オブリビオンは新しく生じた障害物を避けるように銃口を持ち上げる。
「もらった!」
 だが次の瞬間、銃弾は発射されず代わりに銃口に突き刺さっていたのは黄金のゴボウ。
「はあっ!?」
 変な声が出るものの、引き金を引く指は止まらない。銃口を塞がれた単筒は暴発し、悪徳商人の右手を中心に酷く焼いた。即座にキャロラインが至近距離にいた紅玉に近づき、その身を案じる。
「大丈夫ですか、紅玉さま」
「うん、私は大丈夫。……でも、あの時上着を投げつけられて逃してしまいました」
 血の跡は彼女の近くから林に向かって伸びていた。追いかけようとする二人をルリエラが止める。
「二人共ぼろぼろだし休んだ方が良いと思うよ。ほら芋煮でも食べて」
 彼女に言われた途端、二人は自身の体に疲労が溜まっているのに気付く。肌は痛むし息もいつの間にか切れている。ずっと城内を走りっぱなしだったので無理も無いだろう。その場に座り込んで動けない二人を見ながら、ルリエラは手に入れた金をどうしようかと考えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カーニンヒェン・ボーゲン
おやあなたが。
部下には恵まれないが、賢く優しい城主どのですか。
恵まれないと嘆く前に、教育を改めるか、他に靡かぬ程度には報酬を共有なさった方が良いかと、僭越ながらこのジジイめは思います。

ですが、それも過ぎゆくこと。
あちらで会ったら我々らのこと、謝っておいてください。
「騙して悪かった。」と。

【UC:剣刃一閃】を使用します。
相手の動きを「追跡」して「2回攻撃」で攻撃と防御を兼ねます。
場合によっては「残像」を残して相手の油断を誘うことも出来れば。
この手の輩は不利になれば逃げ腰になるのが常。
奥の手や逃亡には気をつけておきたい。

荷役はオブリビオンではないのであれば保護を。
またいずれ釣りに訪れたいものです。




「……こ、ここまで来れば。確かこの辺りに雇った荷役が……」
 逃げを打とうと戻ってきていたらしい悪徳商人はあたりを見回す。だがどこを見ても待たせておいたはずの荷役の姿も大八車の姿もない。
「……おや、あなたが」
 その声を聞いて悪徳商人は息を飲む。轍の向こうからやってきたのはカーニンヒェン・ボーゲン(或いは一介のジジイ・f05393)であり、それが今まで自らを追い詰めてきた猟兵であると本能的に分かってしまったからだ。
「部下には恵まれないが、賢く優しい城主どのですか。……恵まれないと嘆く前に、教育を改めるか、他に靡かぬ程度には報酬を共有なさった方が良いかと、僭越ながらこのジジイめは思います」
「だ、黙れ! 知った風な口を!」
 彼の忠言に口ではそう答えるものの、果たして商人には術がない。浪人も単筒も黄金も手には無い。
「それは失礼。……ですが、それも過ぎゆくこと。あちらで会ったら我々らのこと、謝っておいてください」
「何を……」
「『騙して悪かった』と」
 老人の手にしていた杖が金属音を鳴らす。その意味を知る前に、悪徳商人の胴は泣き別れとなりその場に落ちた。カーニンヒェンは一仕事が終わったのを確認すると愛帽を深く被り直す。
「またいずれ釣りに訪れたいものです」
 老人はそして静かに去る。そして跡に残されるのは焼け落ちた城だけであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月24日


挿絵イラスト