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救いの手は

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 その村には病があった。
 子供に対して発症し、苦痛と悪夢を与えて苦しませ続け、最終的にはその命を摘み取ってしまう。
 病は一種の呪いでもあり、ありとあらゆる薬をもってしても治療されることはない。
 そんな絶望という病に取りつかれた村があった。
 だが、絶望の中に一筋の光が差し込む様に救いの手は差し伸べられる。
 空から舞い降りる黒い天馬。病気に苦しむ子供の前に、天使のように舞い降りたシスターは告げた。
「その子を預けてください。さすれば加護と、救いがもたらされるでしょう」
 苦しみ、苦しみ、疲弊した村人はその言葉を否定することはできなかった。


 グリモワベース。
 ウインド・ノーワルド(自称ドクター・f09121)によって集められた猟兵達に、予知の巻末が語られた。
 病によって苦しむ村、そこに目をつけたオブリビオンが子供達を救い、村を救うという言葉の元に子供を奪い、なんらかの存在に捧げているという。
「病気をダシにこういう事をする連中はなかなか尽きませんね。いっその事病気自体も仕組まれたようにも見えますが……治療自体は不可能ではないものです」
 村を襲う病。あの世界だからこそ治療手段がないというだけで、ウインドを始めとして医療技術を持つ猟兵達ならば治療することも可能なものだという。
「ただ、この時点で連れ去られた子供達についてはもうどうなっているかは定かではねーです。こればかりは諦めるしかない……って奴ですね、残念ですが」
 どこに連れていかれたのか、何にされてしまったのか。それはもう定かではない。救えない命もあるという事だ。
「ですが、これ以上被害を増やすわけにもいかねぇってことで、皆さんには現地に出向いてもらってオブリビオンの被害となる子供達を減らしてもらう事になります」
 村人たちを説得する、子供達を救う、方法はいくらでもある。
「あの村の領主はオブリビオンに諭されて完全に手駒になっちまってます。どうにかして犠牲になる子供を守り切れれば連中は動き出すでしょう。そこを仕留めます」
 兎にも角にもまずは子供を守る事から行動は始まる。方法は猟兵次第だが、生贄になる子供が得られなくなるとなればオブリビオンも強行手段に出るしかないという事なのだろう。
「予知された存在は完全教典『ユートピア』。聖職者……ではなく、憑依されたものが持つ経典がオブリビオンです。皆さんもその言葉に惑わされねーように気をつけてくださいね」
 聖職者に憑依するオブリビオン。憑依された者もまた被害者であることに変わりはない。救えるか否か、それもまた猟兵達次第。
「さて、準備が出来たら行きましょう。っと、そうでしたあの村を襲う病気の治療薬は既に用意があります、もしすぐに治療する場合はこれらを使ってください」
 ウインドは猟兵達の前にいくつかの錠剤を置く。飲ませてから数日安静にさせれば病は落ち着く。しかし、オブリビオンを信じ切っている村人達の目をかいくぐらねば投薬は難しい。
 だが、オブリビオンを排除してしまえばそんなことを気にすることもなくなる。
 救いという言葉の病に侵され切ったこの村を救えるのか、それは文字通り君達次第。


トビカゼ
 トビカゼです。ダークセイヴァーでのシナリオを用意させていただきました。
 今回の目的は病に侵された子供達を生贄にさせないようにしてからオブリビオンをおびき出してぶっ飛ばす、という流れになります。
 オープニングにもありましたように、病気の治療薬自体は皆さまに配布されているため、病気の子供達に飲ませれば治療は可能です。しかし、村人たちはオブリビオンを信じ切っているため説得するなり、気絶させるなりしない限り投薬を邪魔しにくるでしょう。
 少々厄介な冒険が終われば、後はオブリビオンとの戦闘です。
 どうにかしてこの村を救っていただければと思います。
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第1章 冒険 『病』

POW   :    村人たちを説得し、子供たちの安全を確保する

SPD   :    病弱な子供たちを匿い、領主をあぶり出す

WIZ   :    領主の情報を引き出し、次の標的になりそうな子供を守る

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

千手院・ソワカ
むむっ。これはなかなか厄介な事件ですの。
救いを語る邪悪なオブリビオン…仏罰を下す必要がありますわね!

ともあれ、当面は子供を救わねば。
村人に罪はない以上、なるべく穏便に説得といきたいですわ。

「この愚僧にも何かできることがありましょう。それからでも、かの加護の元に送り出すのは間に合うのでは?」
 状況から察するに、子供たちは戻ってきていないと見受けますの。子供と二度と会えない事を喜ぶ親がありましょうか?
 そうなる前に、こちらの投薬に賭けてみて欲しいと【礼儀作法】と【祈り】でもって一軒一軒粘り強く回ってみますわ。
 少々泥臭いですが、人の信頼を得る為には、この正攻法が一番誠意があると愚考しますの。



 猟兵達がやってきた村。子供達を救わねばならないというのに大人たちはオブリビオンを信じ切っているのか信じて祈るだけで何も手を打とうとはしていない。
「少しだけでもいいんです、話を聞いてくれないでしょうか?」
 そんな場所でも、千手院・ソワカ(破戒僧ガバ勢・f00994)は真摯に礼儀をもって一つの家を訪ねていた。
 苦しむ子供を救うためにやってきたソワカを誰が追い払う事が出来ようか。ただ真摯に真っ直ぐに彼は子供の親に向き直る。
「この愚僧にも何かできることがありましょう。それからでも、かの加護の元に送り出すのは間に合うのでは?」
「でも……あの人ならきっと救ってくれるって」
 不確実なものより確実なものを取りたい。そんな気持ちがあるからまだ、ソワカの手にある薬を試そうと思えないのだろう。
「……状況は存じています。加護の元に送り出された子供、まだ戻ってきていないのでしょう?」
「え、ええ……まだまだ戻ってきてないわ。でも、きっと戻ってくるって」
「ご子息がそうなれば、不安でしょう?」
 子供がなかなか戻ってこない。確かにその隙を突かれた親の心情は揺れる。
「ここに病の特効薬があります。こちらに賭けてみてください……きっと、よくなりますから」
 ソワカが差し出した薬。ついに親はその薬を受け取って、試してみますと答えてくれた。
「ありがとうございます。信じてくれて……では」
 ようやく一軒。時間もかかるし苦労もかかった。けれど、この一歩一歩が確実な信頼へつながっていく。
 きっとこの家族はもう引き裂かれることはない。そんな確信を得ながらソワカは次の家へと足を運ぶ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルトルファス・ルーテルガイト
(アドリブ、他PCとのからみ歓迎)

…聖者や司祭は、医術を【邪教の魔術】と断じる事がある。
…医療という人の救いに傾いて、神への信仰が失われるのが主な理由だそうだ。
(フゥ、とため息つきながら)…医療と信仰、同じ様に人を救いたい筈が、どこで行違えてしまったのやら。

(POW:村人説得)
…ここはあえて聖者の真似事を演じ、奴等を信じさせる方法をとる。
…自分を聖者の一人と名乗り、子供が苦しむ姿を感じて来た事を告げる。
…証代わりに、村人に『恵みの陽光』を使って治療を施す方法をとる。
…説得して件の子供の所へ行けたなら、同じく『恵みの陽光』を使いながら
ドクターからもらった治療薬を飲ませてあげたい。


四軒屋・綴
《アドリブ絡み改変歓迎》

どこの世界も生老病死、後の三字は抗い難き、か。

ともあれ身体もないのでは……まぁなんとかなるだろうッ!

薬を入れた袋を引っ掛けて頭一つで漂いつつ疲弊した村人を探して【ダッシュ】ッ!&ユーベルコードッ!どうだ楽になったろうとか言って言いくるめてその後治療薬とオブリビオンについての情報を話して信じて貰うッ!とりあえず村に置いて貰えるまで頼み込むぞッ!

「おぉっと頭が滑ったァッ!」
「まぁ落ち着け、少しはなんか身体が楽な気がするだろう?うん?そうッ!俺は癒しパワーを持っているのだッ!」
「どこぞの馬の骨に預けるか、薬を飲ませて寄り添うか、だ、人の親なら選ぶまでもないだろう?」



「いえ、結構です。怪しげなものは使いたくありませんので」
 ルトルファス・ルーテルガイト(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)が訪ねた家の大人はそう言ってルトルファスを追いやり、ドアを閉めた。
「ふぅ……全く」
 医療と信仰。そのどちらも元は同じように人を救うためのものだったはずなのに、どうしてこうなってしまったのか。
 ため息をつきながらルトルファスは別の家へと向かう。
「おや?」
 家の目の前で何やら顔を抱えて暴れる人と、その周囲で困惑する人達。
「おぉっと頭が滑ったァッ!」
「……あれは」
 村人の顔には何故かメカメカしい仮面。そういえば、四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)がマスクだけの状態でかけていったなとルトルファスは思い出した。
「まぁ落ち着け、少しはなんか身体が楽な気がするだろう? うん? そうッ! 俺は癒しパワーを持っているのだッ!」
 突如としてマスクから噴き出る蒸気。その蒸気の正体はナノマシンであり、疲れ切っていた村人の疲労が見る見るうちに取れていく。
「お、おお……?」
「どうだ。これが俺達の力!」
 全く強引なやり口だ。
 そう思うルトルファスだったが、確かにこうやって実際に救って見せればそれを信じるという物。
「私も聖者。彼と同じように子供達を治療することができます」
 引き抜いた剣から溢れ出る柔らかい光が、暴れていた村人によって軽く怪我をしていた村人の傷を瞬く間に癒す。
 それを見るなり、彼らはルトルファスの事を聖者だと崇め、称えだした。
「聖者か……」
 真似事だというのに、ここまで信じ切ってしまう。どれだけ心が疲弊した状態にあったのだろうか。
「どこぞの馬の骨に預けるか、薬を飲ませて寄り添うか、だ。人の親なら選ぶまでもないだろう?」
 村人に装着されたまま、綴そう説得すれば彼らはすぐに頷いた。
 これだけ治療を施してくれた彼らなら大丈夫。そう彼らは信じてくれたのだ。
「それじゃあ、案内してもらえるか?」
「頼むぞ! 後落ちた薬をちょっと拾ってほしい!」
 流石に薬を入れた袋をひっさげたままやってきたが完璧には出来なかった。そこばかりは体がないことを不便に思いつつも、二人は案内された先に向かい、子供達に治療を施す。
 しばらくすれば子供は落ち着き、二人の治療技術も併せてゆっくりと快復へと向かっていく。
 そんな姿を、最初ルトルファスの治療を断った人もまた見ており、ゆっくりと救いを求めるように歩きだした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。薬を飲ませれば子供は助かるのね?
そう…。こういう時、他の世界の技術は頼りになる。
何も返す事が出来ないのが心苦しいけど…ん。
今は、与えられた役目を果たす事だけを考えよう…。

…とはいえ。聖者でも指導者でも無い私に人々の説得なんて出来ない
…いささか邪道だけど。緊急事態と思って目を瞑ってもらおう

旅人に変装して村の人間が集まる場所…。
酒場なり集会場なりに向かい礼儀作法に則り挨拶
“吸血鬼の圧政から親戚のいる村に逃げてる最中の娘”を演じ、
雑談をして多少でも警戒を解いた後【限定解放・血の波濤】を応用発動
誘惑の呪詛(非殺傷)を周囲に放ち村人達を魅了状態に。
彼らを説得(呪)して自分の子供達に薬を飲ませよう



 小さな錠剤。薬を飲ませれば子供達は助かる。
 こういう時に、他の世界の技術という物は頼りになる。ダークセイヴァーという世界だけでは救えないものまで救えるのだ。
「……私は」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はこの村にやってきたときに渡された薬を見て小さくため息をついた。
 こうやって世界の人々を救われた時、特に返すことができない心苦しさ。けれども、今はやるべきことを。
 そんな彼女の視線の先には、村の酒場。ここには多くの人たちが集まっている。
「失礼します」
 扉を開け、恭しく礼を擦れば自然と視線は彼女に集まった。
「あ、すみません。吸血鬼の圧政から、叔父さんのいる村へ移動している最中で……」
 旅人に扮した彼女の礼儀正しい態度。この世界の事情をよく知る彼女の言葉を疑う者達は居なかった。
 事実ではなく演じている彼女だが、その巧みな言葉遣いは村人達の警戒を解き解す。
「……ところで、皆さん大変な状態だとお聞きしましたが」
「ああ、子供がね……だが、もう大丈夫だ。次はうちの子がきっと加護を得られるんだ」
 オブリビオンの加護。そんなものに子供達を渡すわけにはいかない。
「――限定解放」
 誰にも聞こえない様に小さく、リーヴァルディは力を解放する。
 酒場に広がった血色の波動。制御し、抑制した力が村人達へと注がれると同時に、彼らは恍惚した視線をリーヴァルディへ向ける。「先にこれを試して。きっと、助かるから」
 魅了された彼らは、リーヴァルディから薬を受け取るなり、急ぎ酒場から出て自分達の家へと戻っていく。
 緊急事態、いささか邪道ではあるがこの方法は確かに、多くの人を助けることができただろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャオ・フィルナート
旅人のフリで村人に声掛け

あの…すみません
俺、2つ先の村まで行きたくて…
ただ、道中長そうなので、一晩泊めていただければと思ったんですが…
そんな場合でも無さそうですね
異様な雰囲気…何が、あったんです?

少しでも情報を聞き出そうと挑戦
子供やオブリビオンの話題が出たなら
その子供達がどの家にいるのかを可能な限り聞き出したい、ね
必要に応じて他の猟兵達とも共有

おおよその目星を付けたらUCに【催眠術】を付与して発動
★マイクで村全体に届け、村人達を眠らせる

その隙に、目星をつけた建物の裏手や窓から侵入
得意の【暗殺】術で静かに速やかに
子供達に薬を飲ませ保護して回る
…口下手だから……眠らなかった村人の説得は、任せます…



「あの……すみません」
 猟兵達が活動している場所とは異なる区画で、シャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)は村人の一人に話しかけた。
 旅人の格好をして話しかけた彼を見て、村人はすぐに旅人だと判断してくれたようだ。
「俺、2つ先の村まで行きたくて……ただ、道中長そうなので、一晩泊めていただければと思ったんですが……」
「ああ……悪いね、旅人さん。うちは今病気の子供がいてね」
 やはりか。事前に合った情報通りだ。
「病気……何かあったんですね。いくつか使える知識があるかもしれません、病気の子供達がいる家ってどのあたりでしょう」
「そうだな……泊まりづらいだろうし、わかる範囲で教えておくよ」
 自分の家、近場の家、聞いた話による家。元々外部の人達には親切にするような人たちだったのだろうか、詳しく説明をしてくれた。
「ありがとうございます、泊まる場所もおかげで何とかなりそうです」
 一通り情報を聞き出したシャオは、その村人が自分の家へ戻っていくのを見送るなりそっとマイクを取り出して歌を歌いだす。
 柔らかい歌声。催眠効果を乗せた音色が周囲一帯に響き渡る。
「……お邪魔させてもらいます」
 村人の家から物音が消えた事を確認したシャオは、その裏手から得意とする暗殺技術を用いて、音もなく静かに建物に侵入する。
 苦しみながら眠る子供を見つけるなり、その口に薬を含ませて飲ませていく。
 強引な手だが、説得という工程を省いた確実な方法。きっと目が覚めた時には、彼らは平和に起きれるだろう。
「後は……みんなに」
 病気の子供達の居場所。これを共有して急いで村全体を救ってしまおう。
 家を飛び出したシャオは、猟兵達の元へと急ぎ、向かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユウ・シャーロッド
【心情】
呪いを悪用、と聞くと心が嫌な感じにもやもやします。
記憶にないけど他人事じゃない様な・・とにかく!
私に少しでも出来ることがあれば、お手伝いしたいです!

オブリビオンを信じているうえに、子供が心配で疲弊している時に
私達の様な他所の人が話しかけてきたら警戒しますよね。

だからこちらの都合は後にして、
まずは村人の方の気持ちを少しでも楽にしてあげたいな!


【動き】
まずは怪我や精神的疲労等をすぐに癒せる【生まれながらの光】を
一人一人気遣いながら使い、
元気になるよう【祈り】を込めて
自分の疲労は見せないようにして【全力】で治癒します!

その後、お話してくれる方が居たら
世間話の様に領主さんの情報を聞きたいです!



「……はい、これで大丈夫ですよ」
 柔らかな光が、日常の生活できずをった村人を癒す。ユウ・シャーロッド(白練の杖・f06924)は村人達の警戒を解くために、ただただ彼らを無償で癒す事だけを続けている。
 すでにオブリビオンの言葉を信じている村人達に、いきなり別の救いだと声をかけてしまえば警戒されることは確かであり、自分達が信頼される為にも彼女の行動は必要な事だった。
「ふぅ、もう心配しないで大丈夫です」
 腕を怪我した村人の傷を癒せば、これで子供達の看病ができると喜んでくれた。そこにオブリビオンの聖職者の名前が出てきてしまう事は複雑だったが、少なくとも自分達は信頼され始めてきたようだ。
 彼女の行動によって、他の猟兵の行動がうまく行ったところもいくつかあるのは間違いないだろう。
「そういえば、ここの領主さんはどのような方なんでしょう?」
「ああ、領主様か。元々俺達の事を気にかけてくれるいい人でね、病気が流行ったときも必死にあの手この手を尽くしてくれたんだ」
 最も、解決にはつながらず。うまく行かなかったことによって少しずつ心労がたまったのか、ふさぎ込む様になってしまったと悲しそうに教えてくれた。
「でも、そんなときにあの聖職者様を紹介してくれたんだ。おかげで皆救われる」
 完全教典『ユートピア』。それに憑依された聖職者に諭されて、元々信頼のあった領主を利用することで疑われることなく村人達に取り入ったのだろう。
 話を続けて聞いていけば、領主本人に悪意があったとは思えない。彼もまた、同じような被害者なのだろうかとユウは思う。
「ありがとうございました」
「ああ、ところでお嬢ちゃんはどうするんだい?」
「私ですか?」
 このまま他の人達を治療して回る。そう言おうとした瞬間、突如として村から悲鳴が聞こえてきた。
「っ。何が起きたんですか!?」
「て、天馬が! 天馬が襲ってきた! なんでだ!?」
 村人達の悲鳴を聞いて、ユウは外に飛び出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『首無しの天馬』

POW   :    突進
【高速移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【突進】で攻撃する。
SPD   :    幽鬼の馬車
自身の身長の2倍の【馬車】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
WIZ   :    飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達の目の前に舞い降りたのは無数の天馬。
 首を持たず、その翼を駆って飛び回る姿に多少の優雅さは感じられるものの、鮎喰そのものは全く隠せていない。
「どうして加護を受けずに、薬などを受け入れたのでしょう?」
 声が響く。女性の声だが姿は見えない。
「仕方ありません。加護を与えます、浄化の加護を」
 そんな言葉と共に天馬は猛り、村人達へ襲い掛かる。
 突如として反旗を翻されたことに村人達は絶望し、その場で動けなくなる者達も現れる。
 ついにオブリビオンが動き出した、彼らを守り、討滅し、その首魁を引きずり降ろさねばならないだろう。
リーヴァルディ・カーライル
…ん。早々に馬脚を露したのは好都合だけど、今の状況は少し不味い
せっかく助けた村人達が襲われたら元も子も無い…
少し無理をしないといけないけど、彼らを護らないと…

魔力を溜めて【影絵の兵団】を二回発動(2回攻撃)
攻撃を受けると自爆して敵の傷口を抉る影兵を召喚
村人達を守る護衛に回し、天馬の攻撃を防ぐ盾になるよう命じる

…これで領主の意図は分かったはず。
貴方達は巻き込まれないうちに逃げなさい…。

防具を改造して自身の存在感を増す誘惑の呪詛を付与し、
天馬の視線を引き付け、村人が居ない方向へ誘導する
第六感が危険を感じたら回避行動を取って敵の突進を見切り、
生命力を吸収する大鎌を怪力任せになぎ払いカウンターを試みる


シャオ・フィルナート
浄化が必要なのはむしろ…そっちじゃないの……?

背中に★氷の翼を形成
羽根状の氷の弾丸を敵の群れに【一斉射撃】
更に両手に二対の★罪咎の剣を持ち
【属性攻撃】により武器に斬攻撃+凍結効果を付与
自身も触れたもの全てを凍らせる程の冷気を纏いながら
素早い動きで敵の間をすり抜け次々と暗殺

空中に逃げる敵がいるなら
めんどくさい……
一時的に武器を★雹燕に持ち変え
触れたものを凍らせる氷の鎌鼬による
上空への【範囲攻撃】で翼を狙い撃墜

敵が地上に落ちて来た所で
【UC】により自分を台風の目として氷の竜巻を作成
意図的に動き回る事で被害拡大狙い

動けない村人がいるのが、気になるね…
敵の動きを極力【見切り】
村人狙いの敵を優先撃破



 首のない天馬が空をかけ、村の周囲を飛び交う。
「不味い……」
 そんな様子を見て、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は状況が悪い方向に傾いていることを即座に理解した。
 村人たちの心が揺らいだ事が伝わったのだろうか、あれらは完全に村人を攻撃対象に加えている。ならば無理をしてでも守らねばならない。
「護らないと……行って」
 高めた魔力を解放すると、リーヴァルディの周りには小型の、影絵でできた兵士たちが無数に現れた。召喚したそれらは、そのまま影のように村人と天馬の間に割り込み立ちはだかる。
 だが、空を舞う天馬に手出しは出来ない影は、あっさりとその突進によって薙ぎ払われ、そして爆発する。
 次々と影絵の兵士たちが誘爆して突進した天馬を一瞬で消し飛ばした。
「……これで領主の意図はわかったはず。貴方達は巻き込まれないうちに逃げなさい……」
 再び影絵の兵士たちを呼び出しながら、リーヴァルディが村人に告げると慌てて彼らは逃げ出し、建物の中へと隠れていく。
「浄化が必要なのは、どっちだろうね……?」
 影絵の兵士の爆発で吹き飛んだ天馬を見て、他の天馬が警戒を始めて空中に飛び上がったのを見上げながらシャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)は背中に氷の翼を形成する。
 りんと氷がかたどられる音が響くと同時に飛び上がったシャオは翼を大きく広げると同時に、氷の弾丸を宙に舞う天馬に一斉に射出する。
 すさまじい氷の刃が天馬を貫き、飛ぶ力を失って墜落した天馬は接近したシャオの二刀の罪咎の剣によって切り裂かれると同時に、凍てつき砕け散って消えていった。
 他の天馬もリーヴァルディの召喚した兵士たちに取り囲まれ、爆破されて消滅していく。
「めんどくさい……」
 だが、その全てを撃破するよりも早く、天馬は再び空を蹴って空へと逃げていく。
「逃がさない……」
 同じように、空へ逃げていく天馬が厄介だと考えていたリーヴァルディは防具に誘惑の呪詛を告げる印を刻み込むと同時に天馬たちの視線を集めるべく、真っ直ぐ突っ込んでいく。
 視線は全てリーヴァルディへ。誘惑されるように天馬の意識は村人からそれ、そしてシャオからもそれた。
 その背後を応用にシャオが振りぬいた氷の扇による一閃が、氷の鎌鼬となって空飛ぶ天馬の翼を咲き、凍らせ、そして地に落としていく。
 もちろん、地に落ちた天馬を逃がすリーヴァルディではない。落下した天馬はリーヴァルディの鎌によって両断されればその姿を消す。
 口数は少ない二人だが。確かに、そして冷静に天馬を狩り続けるために、確実な一手を担っていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルトルファス・ルーテルガイト
(聖者…の振りをしていた精霊剣士は、冷たい表情を天馬に向ける)
…救いと加護を嘯く者が人に害をなすか、悪魔と変わらぬな。
…いや…それを救いと正当化するから、悪魔よりたちが悪いな。
(柄だけの剣を、天馬に向けて構えながら)

(方針)
…飛び回っているつもりなら、地上に引きずりおろしてやる。
…【エレメンタル・ファンタジア】で【風の竜巻】を発生させて、飛び回る天馬を遮るように攻める。
…竜巻故、飛び立たずに地面に近づけば痛い目は見なくなるだろう。
…だがそうなれば、こちらの攻撃も十分に届く距離だ。
…後続の攻撃の援護につながる。
…だからと言って飛び回っていても、竜巻の餌食となって苦痛なだけだぞ。


千手院・ソワカ
喝ーッ! 加護を語り人々を蹂躙するとは、それはもはや神仏への冒涜ですの!
相手に遠慮する必要が全くないのは大助かりですわ。
御仏が瞼を閉じている間に、速攻でカタをつけてやりますの。

天馬の狙いは、村人に向いているようですわね。
ならばここは我がユーベルコード、『完成せよ、降魔成道』で同時に複数の天馬を叩き落しますの。

「半径20m…私の間合いですわー! おん、むにむに、まかむに! しゃかむにそわか!」
攻撃は最大の防御なのですわ。我ら猟兵を優先的に対応せざるを得なくなるまで、徹底的にやりますの。


四軒屋・綴
《アドリブ絡み改変歓迎》

いやぁ助かったッ!感謝だ村人ッ!子供たちを、頼んだぞッ!

村人の頭から飛び立ちユーベルコード発動ッ!高らかに叫びつつ防御力重視の蒸気機関車系ヒーローに変身ッ!するぞッ!

まさか馬の骨ならぬ羽の馬のとはなッ!両腕に蒸気機関車型装備を装着し【一斉発射】ッ!味方がいれば【援護射撃】ッ!そうでなければ羽を狙うッ!羽毛と言うのは燃えやすいだろうッ!【属性攻撃】の熱でアッツアツにしてやるッ!

味方への攻撃には【ダッシュ】で駆け込み【オーラ防御】で【かばう】ッ!自身への攻撃ならもっと話は早いなッ!スピードを乗せて殴るッ!【怪力】で【吹き飛ばし】てその辺に叩きつけるッ!すまん村人ッ!



「……救いと加護を嘯く者が人に害をなすか、悪魔と変わらぬな」
 聖者のふりは終わりだと言わんばかりに、ルトルファス・ルーテルガイト(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)は冷めた表情を天馬へ向けた。
「いや、これを救いと正当化するから、悪魔よりも性質が悪いな」
 悪魔は契約に基づいて行動する。救いというもので正当化して行動はしない。最も、比べるだけ大差ないことかもしれないが。
 柄だけの剣を向けて、ルトルファスはそう断じた。
「まずは引きずりおろしてやる」
 とはいえ、飛び回る相手に正面から挑むことはない。ルトルファスの魔力が周囲の風の属性を刺激し、突如として竜巻が発生する。
 その嵐は天高く伸び、飛び回る天馬を巻き込む様に、飛行進路を遮るようにして荒れ狂う。
「見事だッ! ちょっとだけ走ってくれ村人よッ!」
 村人の顔に装着されたままの四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)は、村人にそう告げると彼は勢いよく走って加速する。
「来たれマイボディッ!」
 その勢いをカタパルトのように利用して宙に飛び出した綴は具現化プログラムを実行。自身の体が目の前に構築されていき、合体するようにその顔に装着されると、すさまじい蒸気が吹き上がり、彼の尽きぬ勇気と心意義が唸りを上げる。
「馬の骨ならぬ羽の馬のとはなッ!」
 ドスンと重厚感のある着地をすると同時に、両手に構えた蒸気機関車型装備から一斉に放たれる銃弾が竜巻に煽られ降下してきた天馬へ襲い掛かり、その羽を撃ち貫いていく。
「喝ーッ!」
 羽を撃ち抜かれ、飛行能力を失い落下した天馬の胴を千手院・ソワカ(破戒僧ガバ勢・f00994)の掌底が打ち抜いた。その一撃はあっさりと天馬を吹き飛ばし、一撃のもとに仕留めてしまう。
「加護を語り人々を蹂躙するとは、それはもはや神仏への冒涜ですの!」
 最も、こうまで大々的に動いてくれればこちらも遠慮をする必要などない。御仏も瞼を閉じていてくれるだろう、速攻でカタをつけてしまいたいところだ。
「御仏か。今この時は頼りになる……行こうか」
 ルトルファスが柄のない剣を振りぬけば、天馬の胴が両断される。
 精霊の加護を受けたことにより具現化された刀身は、神を気取り、救いを詠う存在を切り捨てた。
「……逃げるか? できればだがな」
 その刃から逃れるように天馬が飛び上がるが、吹き荒れる竜巻がそれを許さない。
「おん、むにむに、まかむに! しゃかむにそわか!」
 独特な詠唱を紡ぐソワカの背中に、千手観音を思わせるオーラが見え隠れする。
「半径20m……私の間合いですわー!」
 そのまま一斉に打撃の嵐を撃ちは放とうとするソワカに対し、1匹の天馬が突進してくる。
 身を挺してでもその発動を止めようという試みだろうか。
「させるかぁーーッ!!」
 だが、そのソワカに対する突撃に割り込んだ綴はその突進を防御重視で構築したボディで正面から受け止める。
 怪力を発揮したその体で、噴き出る蒸気で動力を稼働させてその突進を受け止め、全力で投げ飛ばす。
「鉄・拳・制・裁ッ!」
 投げ飛ばした天馬を、加速して追いかけたままに全力のスピードを上乗せして殴り飛ばす。
 その一撃は他の天馬を巻き込みながら村人の目の前を通り抜けて大地に叩きつけた。
「すまん村人ッ! 次は気を付ける!」
 突然通過した天馬に驚いてへたり込んだ村人に力強く笑う綴だった。
「……ちょっと勢いで負けた気もしますが。こちらは遠慮なし! ん、むにむに、まかむに! しゃかむにそわか!」
 今度こそ、妨害もない状態でソワカの全方位に対応する凄まじい打撃の嵐が打ち放たれる。
 全方位に飛ぶ掌底が地上戦を余儀なくされた天馬を次々と撃ち落としていく。
 逃げようとする天馬もルトルファスの竜巻に巻き込まれ、次々と地に落ちていき、気が付けば周囲に悪意を振りまく天馬の存在はなくなっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『完全教典『ユートピア』』

POW   :    戒律ノ一「安寧」
自身の【争いを好まない性格 】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    戒律ノ二「誠実」
【教典から飛ばした紙片 】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
WIZ   :    天啓
対象の攻撃を軽減する【共鳴神霊体 】に変身しつつ、【平和を紡いだ時間に応じて強くなる光】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「……これはどういう事でしょうか」
 天馬を打ち倒した猟兵達の前に、シスター服をまとった女性が一人、現れた。
「加護と、救いをもたらすための彼らを、どうしてあなた達は打ち倒したのでしょう」
 間違いない、オブリビオン。シスターの持つあの経典こそがその本体。
「理想の世界のために尽力していたのに、どうして邪魔するのでしょう。どうして彼らも救いを求めず、あなた達の薬などに頼ったのでしょう……嗚呼、嗚呼、嘆かわしい」
 言葉も通じない。あの経典は理想郷のために動いているのか、それともただの悪意なのか。
 それを推し量る事も無駄なのだろうか。ただただ言葉を並べてはいるが、君たちに向ける殺意は変わらない。
「あなた達も救わないとなりませんね。ええ、この手で……救ってあげましょう」
 シスター、否。完全経典『ユートピア』は戦いの構えを取り、君たちに向き直った。
リーヴァルディ・カーライル
…ん。お前の騙る救いになんて興味は無いけど、
軽々に、私を救うなんて言葉を口にしないで…。

改造した防具の呪詛を変更し、第六感を強化。
殺意の存在感を見切り、大鎌を怪力任せになぎ払い武器で受ける。
敵の宣告を受けた時は、呪詛耐性でダメージを軽減して耐える。

…無駄。私はもう呪われているもの。
お前の戒めでは、私を止める事はできない。

敵が隙を晒したら【限定解放・血の魔剣】を発動
自身の生命力を吸収して魔力を溜め黒炎の剣の2回攻撃を行い、
過去の存在のみを傷口を抉るように消滅させる黒炎を放つ。

…この黒炎は過去を焼却する。
現在を生きる者には、傷一つ付ける事は無い。

…お前が逝くのは理想郷じゃない。骸の海よ、完全教典。


四軒屋・綴
《アドリブ改変絡み歓迎》

親子を引き離す信仰があってたまるものかッ!

【ダッシュ】で接近戦を挑むッ!とにかく速度重視で徒手空拳ッ!そして敵の目の前でユーベルコード発動ッ!囮と壁を兼ねた分身を組みつかせて自身も【怪力】と【グラップリング】を発動ッ!動きを封じておもいっきり教典を握りつぶすッ!なんなら奪って投げるッ!熱の【属性攻撃】と【生命力吸収】、勿論【怪力】もおまけ付きだッ!

「紙屑如きが神を騙るんじゃあないッ!」
「上から目線ではなく隣に寄り添うのが聖職の務めだろうッ!」


千手院・ソワカ
「説破! 加護も救いも理想の世界も、全ては人々が己の心の中に築くもの。それを押し付けようとは笑止千万ですのッ!」
ましてそれがオブリビオンによる死という形であれば尚更ですわ。
かのシスターが正しく修行の道に戻れるよう、何とか尽力してみたいと思いますの。

他の猟兵の方が動きやすいように、我がコード「人形遊戯の波紋疾走」で相手の戒律や天啓を打ち消していきますわ。
攻撃よりは防御を重視して、機を見つけたときは命中率重視の「我は号する済度の一撃」で彼女の経典のみをピンポイントでブチ抜きますの。
「討つべきものはただ一点! くらいやがれですのーッ!」


シャオ・フィルナート
確かに尽力はしていたんだろう…
お前にとっての理想の世界の為に

翠狼を召喚、協力
自身は★氷麗ノ剣を手に
【暗殺術】の機動力に凍結の【属性攻撃】を合わせての接近戦
こちらに注意が向いたら中断、距離を取り
反対側から翠狼で牙や爪での奇襲後再び俺が仕掛けるの繰り返し

翠狼の力で攻撃の合間に敵の周囲に水分のばら撒き
剣から放出する激流により
敵を濡らしながら水溜り上に追い込んで

集中力不足…

足場に向けた氷の鎌鼬で敵ごと凍結
翠狼との同時攻撃で…経典狙い…

<敵UC>
動作禁止、直接攻撃禁止等
→★死星眼の覚醒で【催眠、生命力吸収】+翠狼の攻撃
直接は…動いてない…

上記以外も基本、従うけど…
穴のあるルールなら…そこをついて攻撃…


ルトルファス・ルーテルガイト
…祈るだけで人が救われるのなら、だれも苦労はしない。
…人を救うという点ならば、【医学】もまた人の病から救う力だ。
…が、今の貴様にそれを説いても無駄な事なのだろう?
…だから今は、貴様の救済を拒絶して…斬り捨てるだけだ。

(方針)
…シスターを倒してからでも良いが、できる事なら元凶の本を狙う戦法をとりたい所。
…【精霊剣】で【炎の精霊】を付与させる、ただの経典でないにしろ…炎で焼くのが一番効率が良い。

…あの経典が何を求めてくるのかは知らん、だが仮に「争うな」とルールを求められても、たとえ自分の身が傷ついたとしても…進むしかない。
…そうでなければ、今この場において…人を救う事が出来ないのだから。



「……祈るだけで人が救われるのなら、だれも苦労はしない。人を救うという点ならば、【医学】もまた人の病から救う力だ」
 ルトルファス・ルーテルガイト(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)はユートピアに対してはっきりとそう言い切った。
 それに対し、不服そうな顔を浮かべたユートピアが口を開くよりも早く、ルトルファスは次の言葉を告げていく。
「が、今の貴様にそれを説いても無駄な事なのだろう? だから今は、貴様の救済を拒絶して……斬り捨てるだけだ」
 そこに一切の同調はない。目の前の救済を拒絶して、ただ切り捨てるというのが彼の答え。突きつけた剣が炎を吹き出す、それが明確な戦いの火ぶたを切った。
「救いを拒絶する、と? なら、貴方は何をするというのです。切り捨てて……それで?」
 ルトルファスはその問いに返さない。
「……ん。お前のお前の騙る救いになんて興味は無いけど、軽々に、私を救うなんて言葉を口にしないで……」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)もまた、彼女の言葉を拒絶した。
 防具に施した呪詛を書き換え、自らの感覚をより鋭く研ぎ澄ます。目の前のオブリビオンがこちらに向ける殺意の感覚をより強く感じ取る。
「いけませんよ。そのような事を口にしては。攻撃などしては」
 ユートピアの放つ教典から飛ばした紙片がリーヴァルディに触れる。同時に体にルールの宣告が刻み込まれるが、リーヴァルディは一切気にした様子を見せずに駆けた。
「……無駄。私はもう呪われているもの。お前の戒めでは、私を止める事はできない」
「ふふ、だから救いが必要なのですよ」
 目の前に迫るリーヴァルディを見て、ユートピアは敢えて回避せずその鎌を身体全身で受け止めた。突き刺さった大鎌の刃が降りぬかれると同時にユートピアは笑みを浮かべる。
 攻撃するなというルールを破ったリーヴァルディは体に強い負担を受け、その場で膝をつく。だが、立て直しはすぐにできる、もとよりこれを受ける想定はあった。
「親子を引き離す信仰があってたまるものかッ!」
「説破!」
 その立て直す時間を作るかのように、四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)と千手院・ソワカ(破戒僧ガバ勢・f00994)が飛び込んだ。
 真っ直ぐ正面から突っ込む綴を援護するように、後方でソワカが備える。正面から飛び込み、鋭く降りぬいた拳をユートピアは受け止め、笑みを浮かべる。
「……手ごたえがッ!」
「ええ、ええ。争う気などないのです。そう、救いに来ただけ」
 パラパラと紙片が舞い、綴を包む。
「動かないでくださいまし」
「くッ!?」
 動けない。わざと攻撃を受けるユートピアの能力はどんどん跳ね上がり、攻撃に対する高まり、その用いる力も跳ね上がりだしている。今動けばどんなダメージを受けるのか想像もつかない。
「刻むぞコードのビートッ! ですの!」
 だが、後方から紙片が舞い散り、綴の周囲の紙片を押し返し彼に刻まれた宣告を相殺し、消し飛ばす。
「加護も救いも理想の世界も、全ては人々が己の心の中に築くもの。それを押し付けようとは笑止千万ですのッ!」
「押し付けねば救われない。ふふ、そういう事ですよ?」
「だから笑止千万ですのッ! 救いとは求めるもの、押し付けるものではないですのッ!」
 無数の紙片と紙片が押し合い、押し付けあう宣告をソワカの紙片が打ち消し、除去していく。
「救い。確かに尽力していたんだろう……お前にとっての理想の世界のために」
「……あら」
 ぽつりと呟いたシャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)にユートピアは反応を示した。
「ええ、もちろん。理想の世界のために動かない人などいないでしょう?」
「……だよね」
 瞬時に、シャオの真横で何かが凍結したかと思えば氷を砕き、水をまとった大きな紺碧色の狼が姿を見せた。
 大きく雄たけびを上げたそれに飛び乗ると、シャオは氷麗ノ剣を握りしめてユートピアへと向かう。
「厄介な!」
 シャオの動きを抑制しようとするが、紙片はソワカの援護によって意味を成していない。
「そこ……」
 狼から飛び降りたシャオの剣がユートピアの、シスターの腕へ突き刺さる。能力により強化されたその体は切断されずに剣を受け止める。
「逃げないね……?」
「救いに来たものがどうして逃げましょうか?」
 とことんまで不利な行動をとっている。おかげで彼女の能力は極限的にまで高まっている。
「ならば狙いを変えよう」
 一瞬、リーヴァルディの姿が変わったかと思えば、黒い炎を纏う剣が召現し、それをつかんだリーヴァルディの命を燃やすように炎が刃と共にユートピアを狙った。
「っ!?」
 彼女は大きく回避した。シスター本人ではなく、完全経典そのものを。
「攻撃するな、か。救いを求める割にはずいぶんだな……最も、受け手も進むしかないのだが」
 同じように、ルトルファスも剣に炎を宿して完全経典を狙って刃を振るう。そうしなければ、今この場において救うべき人を救えないのだから。
 炎を纏った二人の連撃。まともに受けられるわけがないと思ったのか、今まで以上に大きく動いていく。
「こうなれば……!?」
 自分自身を共鳴神霊体へ展示させようとした。その瞬間、シスターは大きく体勢を崩した。
「……集中力不足」
 駆け抜けた狼が残した水。リーヴァルディとルトルファスによって追い込まれ、水の上に踏み込んだ彼女の足元の水が一気に凝固し、凍り付いたのだ。
「逃がさんジョキッ!!」
 凍結した大地を、蒸気の熱で踏み抜いて駆け込んだ綴がシスターの腕に抱えられた完全経典を狙って飛び込む。
「そうはさせません!」
 だが、それを迎撃するように経典から強烈な閃光が放たれ綴を一瞬の元に消し飛ばした。
「逃がさんと言ったぞッ!!」
「分身……!?」
 彼のユーベルコードによって生み出されていた分身。抑え込ませる一手としてはなったそれは大きな陽動となり大きな隙を作りだした。
「紙屑如きが神を騙るんじゃあないッ!」
 飛び込んだ綴の腕が、ついに完全経典をつかみ取る。吹き上がる熱と蒸気が経典をゆがめ、強引に握りつぶすような怪力がぎりぎりと経典を抑え込む。だが、そのままやられるわけにも行かないと光を放ち始める。
「上から目線ではなく隣に寄り添うのが聖職の務めだろうッ! それができぬ貴様はッ!!」
 完全に光を放つ前に綴はそれを勢いよく投げ飛ばす。その先には、他の猟兵達の姿。
「見事ですの!」
 待ち構えていたソワカがしっかりと構えを取る。
「討つべきものはただ一点! くらいやがれですのーッ!」
 背中から生えたスクラップの千手、それが経典を打ち抜き、上空へと弾き飛ばす。
 狼とシャオの刃が交差するように経典を引き裂き、一瞬で凍結させたかと思えば炎と黒炎を纏った2対の刃が経典へ迫った。
「終わりだ」
「お前が逝くのは理想郷じゃない。骸の海よ、完全教典」
 完全に手から離れた経典は、言葉を発することなく切り裂かれ、炎で燃える。
 しばらく燃え上がったかと思えば、それはゆっくりと灰となり消えていく。
「……終わったか」
 糸が切れたように倒れこむシスター。命に別状はない。
 自分の理想の為に人を救おうとし、人々を欺いた経典は消え去った。再び同じものが出てくるかもしれないが、この地が騙されることはないだろう。
 猟兵達が持ち込んだ薬はこの地に蔓延った病を癒し、ついには本当の救いをもたらした。
 その事実は、間違いない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月23日


挿絵イラスト