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益荒男の宿し児

#UDCアース

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#UDCアース


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『剛き者の島』
 現地の言葉でそう呼ばれる島。海が外敵を阻むような小さな町で、その祝祭は行われていた。かつて、戦国の世。その名の通り、屈強な戦士を多く排出していたこの島では、祝祭のさなか、より強い男子を求めてとある儀式が行われていた。
 曰く『屈強な男子が児を宿す』
 かつてその島は各地から力を求めて、男達が集まっていた。その頃は女子はおらず、しかし、それでも、その島からは年若く力強い男子が定期的に生まれたのだという。
 そして、それは今もなお。

『白き血に満ちた床、其、来たりて児を宿す』

 母無き児が生まれ出ずる。

◇◇◇

「ま、どうにもUDCの気配がするってんでな」
 涅児削・陸燈(人間のUDCエージェント・f30173)は言う。その島は強靭な戦士を信奉する宗教の信者が暮らしており、祝祭を行いUDCを召喚しようとしているらしい。
 招いた外界の猛者と共に、女人禁制の社で島の男達と数日を過ごし『床』としての下地をつくり、強き児を授かる儀式を行う。それがこの島の祝祭。
「強き児、っていうのが人間とは限らねえってことさ」
 恐らく、それはUDCそのものか、UDCに繋がる何か。
 猟兵たちには上手く儀式に取り入り、大本のUDCの撃破を目指してほしい。強き力を持つ猟兵ならば、信者のお眼鏡に叶うことは容易いだろう。
 儀式に協力するふりをしながら、UDCを叩くチャンスを探る。それが今回の任務だ。
 陸燈はそしてにやりと笑い。
「社で何が起きても、自己責任でな」
 そう言い残すのだった。


熱血漢
 いつもの感じの熱血漢です。
『床』とやらになって、儀式に潜入し、元凶のUDCを撃破してください。

第一章
 島に住む屈強な因子を受け継いだ男達と共に『床』となる準備をして下さい。

第二章
 パープルテンタクルズが召喚され、儀式が遂行されようとします。

第三章
 儀式の遂行によって、楽園が召喚されるので、これを撃破してください。

 以上、よろしくおねがいします。
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第1章 日常 『「祝祭」への参加』

POW   :    奇妙な食事を食べたり、奇怪な祈りのポーズを鍛錬する等、積極的に順応する

SPD   :    周囲の参加者の言動を注意して観察し、それを模倣する事で怪しまれずに過ごす

WIZ   :    注意深く会話を重ねる事で、他の参加者と親交を深めると共に、情報収集をする

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

中條・竜矢
☆【POW判定】
まあ、どういうことなのか分かってしまったが……それならそれで私みたいな汚れてしまってる奴がやった方がいいだろう。(そう言うが無意識に期待してしまっていた)
受け継いでいる因子というの自体がUDCから与えられてるものなのかもな。

祝祭なら適当に歩いていれば誘われるだろう。おとなしくそれについて行く。そういうことをする場所に行くことになるだろうな。

やるんだろう……何人でも相手してやる(自分が多く相手すれば他の猟兵の負担も減るだろうと誘う)
ん、ぐ……そんなものか(生命力吸収で回復しながら多数の相手をする。腹部の圧を感じながら無意識に表情が緩んでしまう)



 それがどういう事なのかは、十分に分かってしまった。
 それならそれで、私みたいな汚れてしまってる奴がやった方がいいだろう。
 そう言いながらも、期待を抱かなかったかと言われれば、それを否定する事はできない。適当に島を歩いていれば誘われるだろう。その時にこういってやればいい。
「この島で祝祭があるから、と誘われたんだ」と。
 中條・竜矢(変化する竜騎士・f03331)はしかし、その社に連れられてはいなかった。
「ァッ……ッ、ぅあッ、ン……!」
 喧騒もほど近い、民家の物置、その物陰。竜矢は首に撒いたチョーカーを掴まれながら、島の男に揺さぶられていた。体の芯を貫くような剛直が容赦なく竜矢を抉る。獣のように四足をついた竜矢は、与えられる痛みと快楽に涎を垂らし、淫らに声を上げる。
 腰を突き上げ、背を逸らし、首を操られるように。
(……ッ、これは……任務の為だ……っ!)
 嬌声を上げる竜矢が自らに釈明するように心中で声を上げるも、男には関係がない。男が見えているのは、男に貫かれながらその蜜肉から雄茎をまろびだし甘美な欲を垂流す淫猥な竜人の雄だ。
 いや、雄と呼ぶのさえ値しない。
 彼の――益荒男の子孫の因子を受け継いだ男の剛直に悦びに喘ぐ竜矢など、雄の体を持った雌でしかない。男に貫かれ、種を注がれる為の。
「はあ、ッ、どうだ雌犬!」
「ぁ……ッ、ちが、ッあァ……」
 拒絶の言葉も口先だけだ。
 本当に拒絶したいのなら、全力を出せばいい。簡単に男を縊り殺してやれるだろう。だが、彼はそうしない。
 これが任務だから。彼らは一般人だから。そんな枷を嵌めて、自らの悦楽に溺れぬように息をしてみせる。だくだく、と己の中に粘液が流し込まれる感触を感じた。
「は、っぁ……、ああ、悪いな、兄さん」
 それは、こんな昼の往来が傍にある状態で体を交わらせたことへの謝罪でないことは、竜矢にも分かった。
 気付けば、竜矢を見る目は彼だけではなく。数人の男達のギラつく目が竜矢を射抜いていた。
「ぁ……、あ」
 注がれた液体が、どぷりと溢れた。快感が全身を伝う。まだまだ、日は長い。漲る雄欲が今まさに彼の目の前に晒されるのだと、重なる金具と布の音が明確に竜矢へと伝えていた。

◇◇◇

 そうして、漸く竜矢は社へと連れられた。
 男達に支えられ、その腹だけにとどまらず、精を先端から滲み出させながら滾る雄根の根本からすら白濁を零す竜矢は、柔らかな床に落とされて、快楽にまどろむような瞳を押し上げた。
 雄の匂い。
 息荒く首をもたげた竜矢の視界には、島の男達が襦袢に身を包んでいる姿が映っていた。その誰もが下帯を付けておらず、襦袢の前合わせから、その熱り立つ剛直をのぞかせている。透明な滴りが糸を引いて床を汚す。
 そんな光景に、竜矢は憎々しげな表情を作り出す。
「やるんだろう……何人でも相手してやる……ッ」
 自分が犠牲になれば他の猟兵の負担も減るだろう。そう考えながら、竜矢は無意識に己の肉茎に、そして今もなお白を零すそのスリットを撫でていた。
 だが、そう思わなければ、己を保てないのだと、本当は気づいている。
 既に大量に注がれた腹の圧に、それでも、まだ欲しいと願う己の淫乱に気づいてしまう。我先にと迫る男達に弄ばれ、嬲られる事に堪らなく快感を感じる自分に気づいてしまう。熱を放つ肉を咥え込む。舌を這わせ、肉壁をくねらせ、時に自らの杭をもいじられながら、竜矢は『耐え』る。
 己の中で弾ける感触。と同時に喉へと熱い迸りが放たれる。衰えぬ男達。それを相手にしながら、彼はまだ無自覚だった。
「とんだ淫乱だな」
 言っていればいい、と竜矢は認めない。
 自ら求めるように雄を頬張るその表情に笑みが浮かんでいることなど、彼は認めること無く。その体に白き血を注がれ続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アガルタ・フレア

床…というのは建造物の一部。という意味では無いのだろうな…

だが、良いだろう。この罪に満ちた体でも適うならば喜んで捧げようとも

白き血か。何を示すのかは知らぬが、受け入れてやろう。

な、待て…まさか、そういう事だと言うのか?身を清めたのはその為…

ああ、だが、それも悦ばしい。我輩は慰めになるか。欲を注ぎ我輩の身体を床にしたいならば、好きなだけ使うといい。

まだ満ちてはいないぞ。
(自ら島の男達を誘う)



「床……というのは建造物の一部という意味ではないのだろうな……」
 アガルタ・フレア(夜照らす闇・f35035)は、通された社の一室で薄い布に着替えさせられていた。全身を洗われ、儀式のためと連れてこられたアガルタは今は一人。
 床、白い血。伝承に残るそれらの言葉を考察しようとした、その時。
「お待たせしました」
 と部屋の中に、幾人かの男達が入ってきた。
「……な」
 アガルタは、驚きの声を上げた。
 それもそうだろう。現れたガタイのいい男たちは皆、着物の帯を締める事なく、その雄々しい肉体をさらけ出していた。天を突かんばかりの屹立からは雫が溢れている。
 そんな様子の男たちが、アガルタを飢えたような視線で見つめていた。そして、男たちはアガルタの体へと手を伸ばす。
「ん、む……」
「いい体してんな、兄さん」
 鍛えられた肉体。黒き獣の毛並みを指が這いずり回る。快楽と僅かな不快がアガルタに襲いかかる。だが、彼は抵抗しなかった。
 儀式がどのように行われるのかは知らないが。
「――受け入れてやろう」
 そう言葉を零した瞬間に、男たちの感嘆するような息遣いが重なる。触れる無数の手が、次第にアガルタの神経が集まる場所を刺激しはじめる。膨らんだ胸の先、既に反応を起こす雄肉、そして、弾力のある双丘の奥にある窄み。
「く……ふ、ぁ」
 潜り込む指がそこを押し広げる。侵略される快に声を漏らしながらアガルタの頭にふととある考えが浮かんだ。
「な、待て……まさか、そういうことだと言うのか?」
 白い血を注ぐ。というのは。直前に体を隅々まで清めたのは。
 思考が形になる、その時。答えは明確にアガルタの中へと沈み込んできた。
「ぉおッ、すげ……ッ」
 立ったままに硬い異物が、じゅぶ、と押し込まれる。太く長いそれがアガルタの内壁をこすれば、体内に隠されたそのスポットが刺激されて脳が蕩けるような快楽がアガルタを包み込んだ。
 抜かれ、そして打ち込まれる。腰を砕けさせたアガルタに、杭打ちの男はその逞しい背に覆いかぶさるように腰を振り始めた。淫らな水音が室内にあふれかえる。
「ッ、もう、限界……ッ」
 背中の男が半ば叫ぶように言うのとほぼ同時、アガルタは己の中に熱い迸りが打ち付けられるのを感じていた。
 島の男達。アガルタが獣のように組み敷かれるのを見て己を慰めている男たち。アガルタはその欲望を向けられている事を自覚しながら、それを悦ばしいとさえ感じていた。
 この身が彼らの慰みとなるのなら。
 そして、床として満たされなければならないのならば。
 先程まで男が埋めていた穴を、自ら広げてアガルタは男たちに告げる。
「さあ、まだ満ちてはいないぞ」
 長い床造りが、今始まっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『パープルテンタクルズ』

POW   :    押し寄せる狂気の触手
【触手群】が命中した対象に対し、高威力高命中の【太い触手による刺突】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    束縛する恍惚の触手
【身体部位に絡みつく触手】【脱力をもたらす触手】【恍惚を与える触手】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    増殖する触手の嬰児
レベル×5体の、小型の戦闘用【触手塊】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 自らの腹が膨らんでいるのが分かる。注ぎ込まれた白き血に満たされた体内は、床となる。
 それは種を埋め込まれ、そして、揺りかごとなる為の。
 強き児を生む為の床。
 そうして、祭壇へと案内された猟兵たちの前に現れたのは、紫の触手だった。
「おお……荒神様……」
 自らをも、誰のものとも知らぬ白濁で汚した島の男達が、それらを崇める。
 もう猟兵達には理解が出来るだろう。
 パープルテンタクルズ。あれが『強き児』とやらの親であり、父なのだと。
 だが、それを屠るだけでは足りないのだということも、また、理解できた。
 あれらは、生み出される児の為の機構でしかない。儀式を経て生み出されるもの。いや、生み出されるという過程を得ることで、かつて人界に交わった異形。
 それこそが、猟兵達が倒すべき敵。
 床となるものは交わり、そして、生み出さなければならない。
 数時間で事足りるのだという、回生とも言うべき儀式が遂行されていく。パープルテンタクルズの無数の指が床を求めていた。

◇◇◇

 卵を植え付けられ、数時間後、生み落とします。卵を受け取ったあとは、倒しても問題ありません。
 倒さなくても、第三章で取り込まれます。特に戦力強化みたいなことは起こらないです。
 よろしくおねがいします。
中條・竜矢
【SPD判定】☆
ん、ああ……はあっ(余す所なく注がれた身体で対峙する。咄嗟にユーベルコードで反撃しようとするが)う、あああっ(触手をすべて受けてしまい、手が止まる)
は、中に、ああ(卵を植え付けられ、力を封じられたまま触手や男たちに襲われる)
もっと、ううん……(卵が育っていくにつれ、甘い叫びを上げて自分から受け止めていく)

いってしま、あああっ!(腹筋が見えなくなるほど卵と精で精で膨らまされ、産み落としたしまった)



「ん、ああ……っ、はあ、はあっ」
 中條・竜也(変化する竜騎士・f03331)は、身動ぎするたびに、たぷんと揺れる感覚のする身体で、どこからともなく這い出てきたパープルテンタクルズに、竜也はそれでも堕ちてはいないとその腕をドラゴンの頭部へと変えて、それを迎え撃つ。
 だが、彼は今、白き血を蓄えた床。水をたらふく飲み込んだ様に腹を膨らませ、嬲られるように快楽を強制されていた彼の身体は、思うようには動かない。
「……っく、このッ」
 精彩を欠いた彼の反撃を、触手達が逆に絡め取ってはユーベルコードを弱体化させていく。触手の勢いに押され、竜也の身体は床に叩きつけられてしまった。
「ん、オ゛ッ!?」
 その衝撃でたっぷりと注ぎ込まれていた白がその入口から2つの線を描いて噴き出す。その快感が竜也に致命的な隙を作ってしまう。
「く、ッ腕が……!」
 胴体に輪をかけるように絡みついた触手に両腕を固定されてしまう。僅かにも動かせず、もはや腕など無いと同義。そんな彼が見たのは、抵抗する術を失った己に近づく触手達、そして島の男たちだ。
「う、ぁあ……っ、ぁあ!」
 触手が己の先端を竜也の洞窟に当たる。男たちが拡げたそこは太い触手を受け入れていた。
「あ、っ奥、だめ……」
 触手が白い海を掻き分ける。脱力と恍惚を与える触手が、それに特化した形状の凹凸で雄のスポットを的確に抉り、容赦なく挿し込まれていく。
 そして、彼の奥へと到達した触手が膨らむ。mそれはゆっくりと触手の中を通り、竜也のその場所へと押し上げられ。
「中に、あ、あ」
 コロンと、ニ、三回粘液に転ぶ何か。それを感じた後、触手は竜也の中から這い出ていった。だが、それで開放してくれるというわけでも無かったようだ。
竜也に大量に注ぎ込んだはずの男たちが囲む。その全てが、まるで数週間の禁欲を終えた後のように熱り立っている。
「あ、ぁあ……欲しい……ッ、ア゛ァ゛!! ハァ、アア!」
 前置きもなく貫かれる竜也は再び際限ない快楽に飲み込まれていく。注がれ、それが植え付けられた卵に触れるたび膨らんでいくのが分かる。卵同士が擦れる。狭い肉室を窮屈そうに押し上げていけば、彼の逞しい肉体を歪な醜いものへと変貌させていく。アンバランスに膨らんだ腹。そこに美しさすら備えていたあの腹筋は跡形もなく、無様な肉風船があるばかり。
「もっとッ、奥゛、奥にッ……っああッ」
 だが、男たちは構わず、更に彼の中へとその迸りを放っていく。竜也も苦しみの悲鳴など上げず、男たちによって甘い声を上げるばかり。
「あ、ッ、あ!」
 そしてその時を悟って、竜也は声を上げた。膨らんだ腹は限界だ。裂けそうな痛みすら快感になってしまう今の竜也には、卵がもたらす激痛は何にも勝る悦楽だ。ここがどこか、人々に見られているという事も忘却し、竜也はあられもない声を上げて絶頂する。
「いってしま、あああッ!!」
 噴水のように溢れ出る白濁とともに、まるまると膨らんだ卵が地面に転がる。3つの卵を吐き出して、尚、そこから溢れ出る白い液体に体を汚す竜也は脱力したまま、転がる白いそれをただ見つめていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アガルタ・フレア

「次はアレをまぐわえと言うのか……」

男たちに汚された体で受け入れる。
良いだろう。

「我輩を孕ませたいというのなら存分に孕ませるといい。だがこの恍惚も痛みも疲労も、全て分け合って貰うぞ……!」

UCで痛みや傷をパープルテンタクルに反映する。

見られている。犯されている情けない己を。その事にどうしようもなく、昂ってしまう。

穿たれながら、自らも差し出された男に腰をうちつけ、卵を成長させて、強き児とやらを産み落とす雄のひとりとなってしまう。

頃合を見て火を更に灯して触手達を焼き払おう。
許せとは言わぬ。だが、お前たちと我輩の子……遺す訳にもいかんのでな。

うんだ卵が動く時を待つ



「次はアレをまぐわえと言うのか……」
 アガルタ・フレア(夜照らす闇・f35035)はその清らかな夜の如き毛皮を男達の白き欲望で汚しながら、己の膨らんだ腹を撫でる。
 うぞうぞとアガルタの脚に巻き付いて注ぎこまれたその口の場所を探すようにする紫色の触手に、ここだと誘うようにしてアガルタは己を股を開く。
 足の下から手を通し、締めた孔を拡げればコポリと白濁の塊が落ちて、床に水たまりを作る。その濃厚な匂いに誘われるように触手が素早い動きでアガルタの下肢に張り付いていた。
「良いだろう……、ん、ぐ……っ」
 卵管がアガルタの洞窟を探し当て、柔らかくほぐされた中を侵していく。その容赦のない侵入に苦悶の声を上げながらも、しかしその屹立はその全身に行き渡る恍惚の快感をまじまじと見せつける。
 誰が見ようと、アガルタという雄は自らの肚を犯されながら激痛から快楽を得ているのだと。
「我輩を孕ませたいというのなら存分に孕ませるといい……」
 息を吐きながら、その口に笑みを浮かばせながらも、アガルタは己を汚す触手に険しい目付きを見せる。その目には快楽を貪る雄としての本能が在りながらもどこか高貴なる者の高潔さをも見せている。
「だがこの恍惚も痛みも疲労も、全て分け合って貰うぞ……!」
 アガルタが血を流せば、その血がまたたく燃え上がり、黒い炎が地面を舐めた。それが触手にも纏わりついて、彼の痛みや傷を反映していく。アガルタの中が卵で引き伸ばされれば、その痛みがまた触手へともたらされる。
 艶めかしい音を響かせる触手とアガルタの結合を、島の男達が遠巻きに見つめていたと思えば、少しずつその輪を狭めていくのが見えた。
(……見られている……っ)
 男達の欲情の視線。それが紫色の触手に犯されている自分に向けられているという背徳が、彼を内側から苛んでいる。ごり、と腹の中で擦れる感触を抱えながら、ずるりと抜けていった触手の代わりを探すようにしてアガルタは、己の孔を男達へと向ければ、彼らは待っていたとばかりに彼に覆いかぶさっていく。
「おら、っ、注ぎ込んでやる……!」
「ん、ぐッあ……っ、ああッ」
 逞しい体に貫かれ、アガルタは快楽を叫び、己の中に更に白を招き入れようと腰を動かす。その彼自身の漲りにも、男達は生唾を呑み込んでいた。
「もう、我慢、なんて出来ねえよ……っ、俺もはら、孕ませてくれッ」
「ッ、ああ、いいだろうっ」
 島の男が下穿きを全て脱ぎ去ると、雌としての機能のない孔をさらけ出す。そんな彼にアガルタはそれを拒む事は出来ない。その獣欲のためかそれとも慈悲か。
 交接は続いていく。男達の精を受ければ、卵が膨らんでいくのが分かる。
「ぉお、おおっぐ、ぁ、ああッごお……!」
 その腹が外からでも大きく膨らんでいるのが分かるようになる頃、アガルタは白き液体にまみれた卵をその注がれた口からひり出していた。
 転がるそれら。精魂尽きたと眠る男達の中で意識を保つアガルタは、己から白を垂らしながらもそれを睨んだ。
 男達、触手そして、己の子。それににじり寄ろうとする触手を黒炎で焼き払い、彼はこういった。
「許せとは言わぬ。だが、お前たちと我輩の子……遺す訳にもいかんのでな」
 おのが子の誕生を見ること無く散っていく触手に、静かに告げて彼は揺れる玉を見つめたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋月・充嘉

(ちゃっかり交ざってた)
あー、どうっすかなぁ。このまま男達と交わっておきたいんすけど、あの触手とも相手しないといけないんすよね?
んー、さすがに体力は温存してたほうがいいだろうし少しだけ仮眠するっすかねぇ。
というわけで…(自分の顎下に銃のジェスチャーを当てて)ばーん。
(ウルフに肉体を一時譲渡)


……
………は?なんだ、この状況は?
それにこの身体の重さは、…ってあいつじゃねぇか!!
あいつ、意識だけ呼び出しやがって!
(思いつく限りの悪態)
はー…くそ、わかった。来いよ。
触手だけじゃねぇ、体力有り余ってる野郎どももだ!
あいつが寝るんじゃなかったって後悔するくらい、俺が絞りとってやるよ!!



「ふうー、お兄さんもたんまり出たっすねえ」
 ごぽりと音を立てる脈動に全身を震わせながら秋月・充嘉(キマイラメカニカ・f01160)は、自分の太い尾に跨って充嘉の中に己の胤を吐き出した男の力んだ尻を叩いてその健闘を讃える。
 男が充嘉から己を引きずり出しては、席を譲るようにして脇へと退いていく。充嘉は、自分を囲む男の中から次の相手が出てくるのだと、考えていたが、しかし誰も充嘉の体に跨がろうとはしない。その徴はなおも滾っているというのに。
「ん、どうしたんすか? まだまだ元気じゃないっすか」
 時に太く、時に長く、形もよく。個性を持ちながらも皆逞しい雄に幾度も、飽きることも無く貫かれ注がれた充嘉の腹は、彼らの迸りを受けて膨らんでいる。下っ腹から膨らむそれが上へと逆流しようとしているのが分かるようだった。
 願わくば、もっと交わっておきたいと思う充嘉だが、状況はそれを許してくれないようだった。
「ああ、そうっすね、あれとも相手しないといけないすよね?」
 充嘉は、男達の視線の先。にじり寄ってくる紫色の触手を見据えて笑って呟いた。島の男達に注がれたこの体に卵を受ける。それが床なのだから。充嘉とて嫌なわけではない、あの触手に体を抉じ開けられるのもそれはそれで興味があったが。
「んー、さすがに体力は温存してたほうがいいだろうし」
 この後に、邪神退治が待っていると考えるとここで体力を消耗するのは避けたい。
「少しだけ仮眠するっすかねぇ」
 そう考えた充嘉は自らの顎下に銃の形をした指、その人差し指の先端をつけて。
「ばーん」
 遊ぶ子供のように発した声を引き金に、彼の意識は急速に落ちていった。

◇◇◇

「ん……、っ、な、なんだこの状況?」
 目を覚ました充嘉は、目の前に現れたオブリビオンに目を剥き、そして違和感のある感覚に己の体を見下ろした。
「この身体の重さは、……ってあいつじゃねぇか!!」
 白に汚れた体、妙に疼く腹の底、立ち上がる欲望。男達、触手。
 体の状態と、状況。そしてこの体の持ち主の性格を考えたウルフは諦めるように呟くと、抵抗を止めて脚を広げた。ぼびゅっと呆れる程に注ぎ込まれた白濁が溢れ出る。そこに栓をするように触手の太い管がぶるりと潜り込んできた。
 快楽が慣れきった体に走り、男臭い喘ぎ声が喉から漏れた。
「おっ、ぐ……っ、どんだけヤラれてんだよ……」
 周りの男達が下手人だろう。とはいえ、それだけ注いでいるというのに彼らはまだ十翼は尽きていないらしい。この肉体は既に昂ぶっていて、周りには美味そうな雄がウルフに欲情の涎を垂らしているのだ。
 貫かれた紫肉の中から何かが侵入ってくる感覚に背骨を震わせながら、ウルフはそそり立つ充嘉の物を擦り上げ、周囲の男を睨みつけた。
 この触手が事を終えるまで待ってもいられない。
「来いよ。てめえら、体力有り余ってる野郎どももだよ!」
 中で蠢く刺激に震える両足を膂力で無理矢理に押さえつけて、まるで触手にまたがるように腰を浮かせたウルフは、強引に近くにいた男の腰を引き寄せると、その滾りを一気に己の喉奥へと突き刺した。喉を締め、舌が肉を擦る。質実剛健とした彼の性格からは考えられないような慣れた舌技が島の男を瞬く間に限界へと引き上げては、その熱い迸りを喉で受け止めていた。
「おぶ、ッ、……っんぐ、ん!」
 恍惚とした笑みで肉棒を手放したウルフは、既に手に握っていた二人のそれを合わせるようにして、舌なめずりをする。充嘉の奔放さに呆れている彼の面影はそこにはなく。
「あいつが寝るんじゃなかったって後悔するくらい、俺が絞りとってやるよ!!」
 一皮剥がされたそこには、充嘉を凌ぐ程の獣欲が滾っていた。
 卵を産み落とした後も、状況が変わるまで彼らは上も下も無いほどに交わりあうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
☆しかしながら…あんまり穏やかそうじゃねえよな、この街も。ま、どうにかなるだろ。…なんて考えてたのが、数日前。

今?
あー…まあ、うん。現実は、とても厳しかったな、って…
ここまでされるなんて思ってなかったっつーか…
(触手漬けにされて数時間。放心状態、どこか他人事みたいな感じに自分の状況を捉え…)
っごぉ!?
(植え付けられた卵が蠢き外へ出ようとする激痛で現実へと引き戻される。
 事が終わった後、消耗しつつも起き上がり)
クソッタレが…ここまでやりやがって…!
こうなりゃ片っ端から、バラしてやる…!
(触手塊に突撃、絡まれなんかされつつも怒りのままに片っ端から触手を千切り捨てようとする)



 随分、穏やかそうではない話だ。とブリッツ・エレクトロダンス(★3:DJ.Blitz・f01017)は島に向かいながら、呟いていた。
 島の男総ぐるみで儀式を行っている。それも招き入れた男に対して何かしら……児を授けさせるような怪しげな儀式だ。
 とはいえ、ブリッツとて様々な状況に対応してきた玄人には違いない。
「ま、どうにかなるだろ」
 これまでの戦場を思い返し、ブリッツはそう考えていた。

◇◇◇

「ぁ、むが……ぉっ、ぁッッ」
 ブリッツは己の奥から先端へと何かが駆け抜ける感覚と、その感覚に反して僅かに数滴の濁りを溢すだけで脈動ばかりの屹立を見下ろして、籠る声を放り出した。
 触手に捕らわれて数時間――いや、数日は経っているだろうか。島の男達に歓迎を受けたブリッツはそのまま儀式へと移り……そして、今に至る。
 その黒豹の体は半分が触手に覆われ、絶えず愛撫と抽挿が繰り返される。口に粘液を流し込まれ、全身が敏感な部位へと変えられているブリッツは、その歪な触手の凹凸が体を擦る度に否応ない快楽に苛まれる。
 初めは全身を跳ねさせ頭を下げた雄から白濁を吐き出していたが、今は搾られすすり上げられ、吐き出すものもないのに張り詰めたまま、空射ちを続けていた。
「ぉあ……ッ、アアッ」
 出ている。出すものも無いのに。とブリッツはまるで他人事のように考えていた。口の中を蠢く触手を噛み締めて、妙に冷静な思考をブリッツはする。
 触手に穿たれながら島の男が更に注ぎ込む。その度に産み付けられた卵が育っていくのを、半ば放心状態で感じていた。
(まさかここまでされる、なんてなあ……)と少しずつ膨らんだ腹を見下ろしたその時。ぎゅる、とそれが動くのをブリッツは感じ、そして。
「んご、っ、いぎぁ、ア゛ぁ!?」
 激烈な痛みがブリッツの意識を現実へと強制的に引き戻した。十分に成長した卵が狭い道を抉じ開けるように外へと進んでいく。
 痛い! 痛い! だというのに、どっぷとブリッツの枯れていた筈の迸りが溢れ落ちる。敏感に恍惚に震える腸内を激痛と快楽が苛んで、ブリッツは広げた脚からぶるりぶるりと白桃色の卵を産み落としていく。
「さい、ごぉ……ッ」
 膨らんでいた腹も戻り、ごぼごぼと誰のともわからぬ白と一緒に最後の卵を吐き出したブリッツは、ようやく数時間ぶりに触手から解放されていた。
「ぁ……ぐ、クソッタレが……好き放題やりやがって……!」
 触手の体液が特殊な効果があるのか、ブリッツは締まりの良いままの己の挿入口に触れて、敏感な刺激と妙な喪失感を味わいながら立ち上がる。
 なぶられ続け消耗しているが、もう我慢する必要はない。
「片っぱしからバラしてやる……!」
 一気にブリッツは触手へと突撃する。ブリッツの戦いはここからだ。太く長い触手はブリッツを拘束し、彼を恍惚に堕とそうとしてくる。疼くブリッツはそれに貫かれたいという欲情を抱え時折攻めこまれながら、その触手達を千切り散らしていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『楽園』

POW   :    孵卵
【触れれば対象の素材を問わず同化する肉片】が命中した対象に対し、高威力高命中の【同化欲求以外の思考を阻害する饐えた甘香】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    出生
全身を【絶えず分泌する粘液】で覆い、自身が敵から受けた【拒絶の感情や行動】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
WIZ   :    胎動
【強制的な同化性能】を籠めた【自在に変形し操作する全身の肉塊】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【楽園への拒絶、忌避感】のみを攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はルーダス・アルゲナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ペリペリ……と卵が割れ、現れたのは薄紅色の塊だった。それは互いに手を繋ぐようにして大きな塊となり、己の血と肉に従うように母を求める。
 その肉塊に取り込まれた強者達が同化し、やがて1つに混じり合い、1つの赤子として零れ落ちる。それが強き児であり、この島の男達の先祖。儀式によって生み出される人間ならざる人間。
 それを阻止する為立ち上がる猟兵達の、その反応速度を上回る速度で肉塊は猟兵達をその体内に包み込んでいた。それは正しく猟兵達を床とした怪物。
 生も死もなく、記憶と現実の境もなく、自己も他者もない中で交わり続ける快楽から逃れ、猟兵達は肉塊を拒絶しなければいけない。

◇◇◇

 第三章です。
 取り込まれた所からスタートです。
 記憶の中の誰かや、本当に知らない誰か。様々な人と交わり1つになる薄紅色の肉塊に包まれています。
 抜け出して、追ってくる肉塊を退けてください。
 肉塊は床となった者を取り込まないと自壊するので、抜け出すだけでも問題ありません。
 あとはお好きにどうぞ。
秋月・充嘉

んあ?なーんか、喉がイガイガしてるような…
つか、ここどこっすかねぇ。めちゃくちゃ気持ちイイんすけど
ウルフとプレジデントを呼んでみるっすかね。
うん?近くにいて遠くもいるような変な感じっす
変といえば、サンドイッチになってるような気がするんすねぇ。肉肉肉って感じ。でも一枚のような

あ、これ邪神っすか!ヤバい本気でわからなかった…!
それなら早く抜け出さないと。二人とも聞こえるっすよね?1、2の3で外に出るっすよ!
1、2の3!

「だぁくそ、まだ引っ付いてる感じがしやがる!」
『まさか丸呑みの一体化とは。スーツが台無しだ』

そんじゃま正気にかえった男達とまたまぐわうっすかね
一体化しなくとも一つにはなれるんすよ?



「ん、あ」
 秋月・充嘉(キマイラメカニカ・f01160)は一時譲渡していた肉体で意識を取り戻して、体の違和感に声を出した。
「ああー、んーなんか、喉がイガイガしてるような」
 甘い香りに包まれている。
 そして、全身が溶けるような、強烈とはいえないが安らかな快感。頭蓋骨の裏をこすられるような、僅かな不快がどうしようもなく心地良い。
 喉奥に残る男達の名残に、どうやらウルフが愉しみまくったらしいと思い至りながら、ウルフはここがどこかを考えた。
「一面、ピンクっすねえ」
 見えるものはそれだけ。そんな中に浮いているような感覚。
 何度も混じり合い、重なりあい、溶け合う。気持ちいい。言葉に表せない快楽が全身から○○を染み出させるような。そんな心地よさがある。
「……うん?」
 一人で愉しむのも勿体無いと、充嘉はウルフとプレジデントを召喚するが、しかしその二人の姿が現れることはなかった。
 召喚に応えた手応えはあったし、なんなら、その気配も感じる。近くにいて、遠くにもいるような。それでいて重なっているような。
 一言で言えば、変な感覚。
「変といえば、なんかサンドイッチになってるような気がするんすよねえ」
 肉肉肉、といった感じに。だが、窮屈感はない。むしろ何者にも縛られず、囚われず、自由ですらある。
 いやそもそも。
「――俺の体どこっすかね?」
 意識は融けていた。見えていると思っていたものも目では見ておらず、あることが当然だった肉体はどこにもない。
 一面、淡桃色。それは充嘉自身も例外ではなかった。
 そう感じた瞬間、充嘉は急速に自我を取り戻していった。埒外の存在、猟兵という存在が自我を融解させるこの空間でまだ形を保っている。
「これ邪神の中っすか! 今、完全に受け入れてたっすね……!」
 違和感が高まっていく、と同時に甘い香りが鼻を突く。
「二人とも聞こえるっすよね!? 1、2の3で外に出るっすよ!」
 ここままでは、また融けてしまう。そう考えた充嘉は呼び出したはずの二人へと声を発する。気付けば自分の体がはっきりと像を結んでいる。
「1、2の――」

◇◇◇ 

「3!」
「だぁくそ、まだひっついてる感じがしやがる!」
『まさか丸呑みの一体化とは。スーツが台無しだ』
 桃色の肉塊から一気に吐き出された三人はもつれ合うようにして、儀式上の床に転がっていた。猟兵の力を取り込んだ肉塊が、床だけでなく他の男も巻き込んでいたらしい。
「ぁあ……一つになれたのに」
 完全に自我を取り戻せてはいないのだろう、男達に充嘉は手を叩いて注意を己に向けた。このままではあの肉塊に突っ込んでしまいそうだから。
 だから、人助けだ。そんな名分を得た彼を止めるものはいない。
「一体化しなくとも一つにはなれるんすよ」
 別々の個体だからこそ一つになる事でより快楽がある。それをじっくりたっぷり教えてやるっすよ。
 充嘉は、後ろの2人に目配せをして、舌なめずりをした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

中條・竜矢
☆【POW判定】
う、はあっ……(かつて犯されたオブリビオンたちに再び犯される幻覚に襲われる)
ふ、うあっ……(声が聞こえた気がして視線を上げるとチョーカーをくれた友人が。表情が見えないが、そう認識してしまった)は、お前に、されるなら(いいかなと思ってしまったところ、くだらないものなんて捨ててしまえとチョーカーに手がかかる)
違う……あいつはそんなこと言わない!(意識が戻り、また友人に会うため、そして今戻りたい場所があることで戦意を戻し、ユーベルコードで反撃する)

っ……はあっ……なんとかなったか



「ああッ、あ!」
 溶けていく。自分の体が崩れて、零れ落ちて、犯される。
 中條・竜也(変化する竜騎士・f03331)はもはや男女の境すらないまま、これまで彼の体に種を刻みつけてきたオブリビオンに嬲られ続ける。
「ふ、ぅあ゛……ッ」
 もはや何の液体かもしれぬ迸りが体内を満たしていく。勢いよく吐きつけられる嫌悪するべきその行為に。否応なく与えられる快楽に竜也は自らそれを受け入れようとすらしてしまいそうになりながら、どうにか最後の矜持だけは掴んだまま、次々と訪れる絶頂の快感に耐え抜いていた。
 どろりと溶ける。全身の孔という孔に他の存在が入り込んできては、脳が溶けるような安らかな心地よさが竜也の思考を鈍らせていく。形が無くなっていく幻覚。だが、竜也の肉体は人の形を保っている。
 それはかつて友人から受け取った『呪い』による恩恵。
「ぁ……え?」
 不意にその首につけたチョーカーが引かれる感触に意識を向ければ、竜也を見下ろす何かの影がそこにあった。桃色の空間で、ぼんやりと浮かぶ輪郭。それは人の形をしているのかすら分からない程曖昧な存在だったが、竜也にはそれが、呪いのチョーカーをくれた友人なのだと認識してしまった。
 そう思えば瞬く間にそれは像を結ぶ。オブリビオン達を押しのけるように竜也の肌と触れ合う友人。
「あ、っ……ぅ」
 友人の指が竜也をなぞる。
 オブリビオンたちの竜也を嬲り、犯し、吐き捨てるような快楽とは違う、心を溶かすような気持ちよさが竜也をまどろみへと誘う。
「竜也、お前と一つになりたいんだ」
 甘い囁きが聞こえた。
 このまま、彼に犯される。一つになっていくのなら。
 それは、いいことなのかもしれない。友人の指先が竜也の中をかき混ぜる。甘い滾りが腹のそこで沸き立つ。一つになりたい。今すぐにでも友人を受け入れたい。
「だから」
 と友人はもう一度竜也のチョーカーを撫でて、囁いた。
「こんなもの捨ててしまえ」
 そんな言葉に目を見開いた。あなたがそれを言うのか。本当にあなたがそれを望むのなら私はそれを捨て去ってしまおう。
 だが、あなたは私が望もうとも、それを許してはくれない。あいつは、それを許さない。
「違う……あいつはそんな事言わない!」
 竜也はその瞬間に、その空間の全てを拒絶する。無意識に受け入れていたオブリビオンの記憶も、友人の愛撫も全てを拒絶し、そして、今自分が戻るべき、戻りたい場所を再認識する。
 また友人に会いたい。だが、それはこんな形ではない。
 手に黒竜印が浮かび上がる。肉塊に捕らわれていた竜也がそれを動かすまでもない。浸食攻撃が空間を蝕んでいき、崩壊させていき。
 竜也は気付けば元の儀式場に倒れていた。注がれたままの男たちの種を零しながら、竜也は体に残る愛しい感触を思い出すように疼く花弁に指を含ませ、憂う息を吐き出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
☆………。
(記憶と現実、自己と他者の境界があやふやなそこで、もういない誰かを見出す)
■■■■―――。
(ルームメイト、ジャンルの違う音楽仲間、あるいは片思いの相手。抵抗しようという気持ちが霞み、相手に身を任せてしまう)
ああ、そうだな。■■■■、お前がここにいるってんなら、俺もこのままお前と一緒に溶けちまっても…

…違う
(フラッシュバックを起こす。彼はもういない。ある日、帰宅した時に…彼はもう、自殺していたのだ。自殺の原因を知ったのは随分後だったが)
お前は■■■■じゃない。
あいつは…もう、いないんだッ!
あいつの姿を真似たところでそれは俺の片思いしていたあいつじゃない!

(放電突撃で内側から突き破る!)



 ――音。

 音がする。音の連なり。規則的に、それでいて不規則に。
 噛み合わず。それでいて。時折心地のよい音を奏でる不文律。
 音。声、心臓の音。言葉、歌。口ずさむリズム。震えて、唇を抜けていく息。冷たい指先。軋み。熱い熱。吐息。残響。掌の上の残穢。白い斜陽。
 聞いているのは、現実か。響いているのは記憶か。
 うかぶうみのなか、口をひらいた。
「■■■■」
 開いているのか分からない瞳に姿が映る。輪郭もないそれは、確かにそうだ。指のない腕で頬を撫でる。溶けた耳に触感が滑り込んでくる。香りが眼窩に張り付いて、骨が侵されていく。

 そこにいる。

 ここにいる。

 ともにいる。

 なかにいる。

 同じ場所で、違う音を鳴らして、時々噛み合う音に笑みを向けて、交わされない視線に笑みを浮かべて。
 そうしていたお前がいる。
「■■■■、ここにいたんだな」
 色彩が無色の味覚に消え行く目で、■■■■を見つめる。
「ああ、そうだな」
 笑みを向けた。返される。欲しかった熱が染み込んでくる。
 加速していく。鼓動も遅く、崩れていく。混ざりあっていく。舌が絡み付く。肉が消えていく。内臓のその奥にある玉虫色の暗闇が燃える。
「■■■■、お前がここにいるってんなら、俺もこのままお前と一緒に溶けちまっても」

 残響。

 静寂。音が消える。そんな喪失を知っている。冷たい指先。握り締めた拳。呼吸、リズム。音が消えた。
 ■■■■。
 もう噛み合うことも、噛み合わないこともなくなった静寂の中の、■■■■がいる。
「――ァ……?」
 目の奥からずるりと何かが零れる。涙が伝う。吐き気が内臓の場所を伝えてくる。何も触れられない感触が指を思い出させる。
 思い出させる。
「違う……」
 死体を思い出させる。全てが、記憶の全てが帰結する。
 音が弾ける。安らかな静寂を拒んで、雷光学光が瞬く。
「お前は■■■■じゃない。あいつは……もう、いないんだッ!」
 ブリッツ・エレクトロダンス(★3:DJ.Blitz・f01017)は、浮かぶ靄のごとき肉の輪郭に吠えた。しゃがれる喉を押し広げ、咆哮する。肉の塊が記憶を浚い、変わっていく。
 だとして、戻っては来ない。それは違う。別物だ。偽物で、贋作で、模倣品で。
 ブリッツが浅ましく望んでいるもの、そのものだ。
 だからこそ。
「それは俺の片思いしていたあいつじゃない!

 雷轟が世界を破り裂いた。ブリッツの体ごと焼くような稲妻が駆けて。

 現実の音が溢れる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アガルタ・フレア

心地いい、なんだこれは…

邪神…ああ、吾輩を取り込もうと言うのだな。

溶け合うとは心地いいものなのだな、このままここで終わってしまってもいいのかもしれない。

だが、そうだな。それは出来ない。我が血肉を同化するのなら、我輩の罪をも分け与えるということだ。

我輩の罪は我輩が背負わねばなるまい…故に、共にはなれないのだ。

昏らき火の粉に巻かれて消えるがいい(UC使用)

束の間の安寧に感謝する。



 心地いい。
 その時アガルタ・フレア(夜照らす闇・f35035)は無重力のような、何か温かい液体に浸されているような、淡桃色の世界で目を覚ました。
「なんだ、これは……」
 蕩けるような快楽が全身を包んでいる。手の先から羊水の中へと消えていき、どろりと体が消えていく感覚。そして、それと同時に何人もの意識や温もりが己の中へと流れ込んでくる。
 上下を脈拍ごとに切り替えながら数十人と交わっているような、筆舌に尽くしがたい甘い快楽と僅かな不快。抗いようもない悦楽がアガルタの脳を少しずつ、少しずつ、溶かしていく。
 その中によく知る気配があった。いや、この世界そのものから漂う気配。邪神――オブリビオンの気配だ。
「ああ、我輩を取り込もうというのだな」
 言葉を吐き出して理解した。嫌だと思うこともなかった。溶け合うことは気持ちがいい。この心地よさの中でなら、ここで終わってしまてもいいのかもしれない。
 そう考えながらも、しかし、アガルタは己の体の中に宿る熱を感じずにはいられない。己の身を焼く呪い――福音。それは、アガルタの罪だ。
 ここで溶け合い、血肉と同化するというのなら、それは、アガルタの罪をも分け与えてしまうという事。
「それは、出来ない……」
 アガルタは、己の腕に爪を立てる。引き裂くようにして鮮血を滴らせる。この罪は紛れもなく自らのもので。
「我輩の罪は、我輩が背負わねばなるまい……故に、共にはなれないのだ」
 揺らぐ血が黒い炎を宿す。無重力を泳ぐ血が瞬く間に世界を黒炎で埋め尽くしていく。
「昏き火の粉の巻かれて消えるがいい」
 そして。
 アガルタは桃色の肉塊から吐き出された。全身を汚したままの己を隠すものなど何もない姿で吐き出された彼は、しかし恥ずかしげもなく立ち、振り返る。
「束の間の安寧に感謝する」
 礼を告げ、血の粒を放つ。燃える炎が肉塊を滅していった。

◇◇◇

 そして、正気を取り戻した男達も朧気な記憶ながらに救いを与えられた事を感づいたらしい。彼らはかつて邪神によって落とされた子の末裔なれど、今は体力のあるヒト以外の何物でもない。故に対処は必要無いだろう。
 礼としての宴が催され、そして、彼らの儀式の中での振る舞いはあながち邪神のせいだけでは無いと判明するのだが、それはまた別の話。
 この島に宿し児が生まれる事はもう、無いだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年02月04日


挿絵イラスト