●縁結びなんて絶対ゆるせない!
──リゾート『イズモ07』内の縁結び神社にて。
そこは多くのキマイラ達でごった返していた。誰も彼もが良縁祈願の絵馬やお守りを手に、わいわいと楽しそうに話している。
しかし、事件はいつも唐突に起きるもの。
「……むかつく。むかつくむかつくむかつくむかつくーっ! 無量大数むかつく! なーにが縁結びだ! なーにが良縁成就だ! ボク様の前で縁を結ぼうなんてな、一億劫はやいんだよーっ!!」
突如そんなヒステリックな声が響き渡り、どこからともなく数多のイソギンチャクの頭部を持つ怪人が神社へと襲来する。あるものは堂々と鳥居から、あるものは周囲の植え込みから、そしてまたあるものはマンホールの中から。
彼らは逃げ出そうとするキマイラ達に狙いを定めると、そのうねうねとした触手を伸ばしキマイラ達を次々と絡め取りヒステリックな声の主──狛犬を彷彿とさせる耳と尻尾を持つ少女の元へと連れていく。
「『素敵な恋人ができますように』『新しい出会いがありますように』……うーっ! どいつもこいつも縁結び縁結び縁結び!! そんなものは──こうだ!!」
手刀一閃。
少女がキマイラ達を恐ろしい速度と勢いで薙げば、彼らが持っていたお守りや絵馬が真っ二つに断ち切られ、更には服や所持している物品も真っ二つになってしまう。
唐突に身に降り掛かったあまりの理不尽さに呆然とするキマイラ達。
少女はそれを見て満足げににやりと笑う。
「おまえたちの『縁を切った』。これでおまえたちは、もうだれとも縁を結べない……! ふふふ、ふふふふふ、ふーはははははっ!!」
神社にこだまする少女の高笑い。それにつられるようにして『イーソイソイソ!』と笑うイソギンチャク頭の怪人達。
脱力したキマイラ達を前に少女は腕を組み、社を背後に渾身のドヤ顔を浮かべる。
「ボク様は『どんな縁でも一刀両断する神様』のキリ!! ボク様がいる限り、縁はぜったい結ばせない!!」
同時にドガァン! と社が派手に爆発した。立ち上る煙はパステルブルーの色をしており、まるで神の到来を告げる狼煙のようだった。
●
「えっんむっすびー、えっんむっすびー」
グリモアベースに集まった猟兵達の前に、三千院・操はマシュマロを頬張りながら三分ほど遅れて現れた。
「んぐんぐ。あ、遅れてごめんね! きみたちにこうして集まってもらったのは他でもない……キマイラフューチャーで事件だよ!」
キリッ! とした顔をして、操はグリモアから虚空へ映像を投射した。
そこには荘厳な、しかしどこかポップな雰囲気の大きな神社が映っていた。ところどころにハートをモチーフにした絵馬やおみくじなどが設置されており、中央には円形のアーチがあった。
「ここ! 『イズモ07』っていう和風のリゾートの中にある縁結び神社なんだけど、ここが怪人達に襲撃されちゃうんだよ!」
続いて操は映像を切り変える。
そうすれば、犬のような耳と尻尾を持ち額に一本の角を生やした少女が映し出された。
「襲撃してくるのはこの子! 自称『どんな縁でも一刀両断する縁切りの神様』のキリちゃん! と、そのお供のイソギンチャク怪人の皆さんでーす」
『キリ』と称された怪人の隣にイソギンチャク怪人がちょこんと追加される。
「キリちゃんは縁結びって言葉がめちゃくちゃ嫌いなんだって! そりゃ縁結び神社も襲っちゃうよねー。んで、そんなキリちゃんがこの神社に来てるキマイラ達の『縁』をズバズバ斬ろうとしてるから、それを阻止してほしいってわけ!」
――曰く、キリはどんな縁であっても容赦なく断ち切ってしまうという。人の縁は勿論のこと、物の縁や事の縁さえも。
「あっ、でも安心して! キリちゃんの『縁切り』は物理だから! 当たらなければどうということはないよ!」
ぐっ、と親指をたてる操。
「キリちゃん達を撃退したら、なんと! この『イズモ07』にある温泉施設を貸し切りで楽しめちゃいまーす! 激アツサウナに露天風呂、薬草風呂もあるらしいよ! もしかしたら、そこで縁も結べちゃうかも……? なんちゃって!」
再び映像が変わり、映し出されるのは赤を基調とした豪奢な温泉施設だ。室内には梅の花が咲いており、牡丹の浮いた露天風呂や薄桃色の濁り湯などが見られた。
「それじゃ、がんばってねー!」
映像を消し、操はばきりとグリモアを握る。
同時に猟兵達の体が光に包まれる。一瞬の浮遊感の後に目を開ければ、そこは件の神社の中だった。
ヒガキ ミョウリ
●ズバッとスパっと!!!
四作目はキマイラフューチャーです。
神社で縁切り絶対許さないガールを打倒してください。がんばえー!
ボクっ娘っていいですよね。
●第一章
『イソギンチャク怪人』との集団戦。
神社へと襲撃してくるイソギンチャク怪人との戦闘です。
いっぱいいます。触手で絡め取ろうとしてくるので気をつけてください。
●第二章
『キリ』とのボス戦。
邪魔されて激おこのキリちゃんとの戦闘です。
縁結びを考えてたり口に出したりすると狙われやすくなる……かもしれません。
●第三章
温泉施設でリフレッシュ!
全体的に赤い温泉施設で温まることができます。
お好きなようにお楽しみください。
グリモア猟兵の三千院・操は第三章にてお声がけがあった場合のみ登場します。
皆さんのご参加お待ちしております!
何卒宜しくお願い致しますー!
第1章 集団戦
『イソギンチャク怪人』
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POW : テンタクル・テンペスト
予め【触手を振り回しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : ウネウネ・アネモネ
自身の肉体を【ウネウネモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : ポイゾナス・ポリプ
【頭部】から【毒針のついた触手】を放ち、【麻痺毒】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ヴィサラ・ヴァイン
毒で私に勝てると思ってるんですか?(毒使い24、毒耐性14)
そんなわけで、毒で真っ向勝負しますねー
ポイゾナス・ポリプを誘い受けつつ【隠された恐怖】で頭の毒ヘビを噛みつかせます
24時間痒みが治らない毒を流し込みますねー
私が受けた傷は【霊薬の雨】で塞ぎます
「最近せっかく友達ができたのに、縁切りされちゃうのは困ります……」
「そもそもイソギンチャク怪人を動員してる時点で、縁切り出来てなくないですか? あの人」
「……あ、私怖くない、怖くない普通のキマイラですよー」
●毒蛇の娘
猟兵達の出現によって、よりうぞうぞと蠢くイソギンチャク怪人達。
見ようによっては少し気持ち悪いかもしれないその集団の前にあるのは一人の少女。
「最近せっかく友達ができたのに、縁切りされちゃうのは困ります……。そもそもイソギンチャク怪人を動員してる時点で、縁切り出来てなくないですか? あの人」
ヴィサラ・ヴァイン(人見知りなゴルゴン少女・f00702)。彼女はぼそりと呟く。
「……あ、私怖くない、怖くない普通のキマイラですよー」
咄嗟に彼女はこにこと笑顔を浮かべ、イソギンチャク怪人達に手を振った。
しかしそれを逆にイソギンチャク怪人たちは脅威だと見なしたのか、その頭部の触手をヴィサラに向けて一直線に伸ばし、体の自由を奪うべく麻痺毒を滴らせる――!
「っ……!」
一瞬のことにヴィサラは対応しきれず、触手を喰らう。
『イーソイソイソ!』と満足げに笑うイソギンチャク怪人。
だが、しかし。
「――毒で、私に勝てると思ってるんですか?」
その笑い声は、恐ろしいほど冷たいヴィサラの声によりかき消された。
次の瞬間、イソギンチャク怪人に迫るのはヴィサラの頭髪、否、毒蛇。彼女の髪は生きる蛇となっている。故に、近づかれれば近づかれるほどに狙いを定めやすい。
蛇の毒牙がイソギンチャク怪人の体に突き立つ。ビクン!! と怪人の体が跳ね、すぐさまに全身を掻きむしりはじめた。
「24時間。それが、この毒の継続時間です。それまであなたは、全身のかゆみに苛まれることになる。……っと」
地面に倒れ、のたうち回る怪人を尻目に、ヴィサラは血液から精製した霊薬を飲み干し、わずかに残る麻痺毒を打ち消す。
「──さぁ。真っ向勝負、しましょうか」
にっこりと微笑むヴィサラ。
ぞぞぞ、とヴィサラから遠のいていくイソギンチャク怪人達。
いまこの場で一番怖いのは間違いなくヴィサラ・ヴァイン。彼女だった。
大成功
🔵🔵🔵
氷魚・晴天
勝手に縁切られちゃ堪んないなあ。
あ、でも、こんなぬめぬめの縁はお断りかなっ!
薄霧魄眼で攻撃を感知しながら【野生の勘】と【第六感】に任せて【残像】残す【忍び足】混ぜた足捌きで、触手の攻撃を避けて肉薄するよ。
触手に襲われても【傷口をえぐる】ように斬りやすそうな部分を裂いて脱出。
水滴纏う刀、滝晒しで【2回攻撃】、【属性攻撃】で含ませた水を基点に氷結させて、動きを阻害していくね。
動作は俊敏に【早業】を披露する。
ううん、君たち顔怖いなあ……もう
触手に絡めとられてベトベトになっても、お風呂で流せば……でもやだなあ。
まあ仕方ないか。
アドリブ、連携歓迎だよ
バラバ・バルディ
ほほぉっ!良いのう良いのう、わしも温泉は好きじゃ!しかも花を浮かべた湯や色つきの湯もあるとあっては、もはや行かぬという選択肢など合ってないようなものよ!それに加え、縁結びの手伝いもできるのなら一石二鳥!そうと決まれば善は急げじゃ、勇んで行こうぞ皆の衆ー!
【SPD】
おぉ、こやつの存在をすっかりと失念しておったわ。しかし、触手……ううむ。如何わしい液を出さんだけマシ、かのう?(心もち渋い顔)
離れたところから『高速詠唱』で『属性攻撃』し、近寄られれば『逃げ足』『ダッシュ』で距離をとる。これを繰り返して敵を『挑発』、隙が生じたら『全力魔法』で留めよ!
毛がベタつくのはもう勘弁じゃ!
※アドリブ、絡み等歓迎
●陽気翁と楽天猫
「ほほぉっ! 良いのう良いのう、わしも温泉は好きじゃ! しかも花を浮かべた湯や色つきの湯もあるとあっては、もはや行かぬという選択肢など合ってないようなものよ!」
弾んだ声をあげ、チャッチャッと足の爪を鳴らすシャーマンズゴーストがいた。
バラバ・バルディ(奇妙で愉快な曲者爺さん・f12139)。頭の上からつま先までをカラフルな色彩で固めた背の高い彼は、明るく陽気に言葉を続ける。
「それに加え、縁結びの手伝いもできるのなら一石二鳥! そうと決まれば善は急げじゃ、勇んで行こうぞ皆の衆ー!」
おーっ! と手を上げてそのままこの場を離れようとするバラバ。
「バラバさん待ってー。怪人たちのこと忘れてるよー」
そんな彼を止めたのは側でイソギンチャク怪人の相手をしていた青のケットシー、氷魚・晴天(空の青き透・f12827)だ。
「おぉ! こやつらの存在をすっかりと失念しておったわ。しかし、触手……ううむ。如何わしい液を出さんだけマシ、かのう?」
晴天に声をかけられれば、バラバは立ち止まり心持ち渋い顔をしながら異彩の杖を構える。
オブリビオンの中には『そういうもの』も存在している。脳内によぎるかつて相対した相手のことを思い出せば、バラバの顔が曇るのも当然のことだった。
「毛がベタつくのはもう勘弁じゃ! 晴天君、わしは後ろから援護をするから前は頼むのじゃ!」
「わかったよ。ベトベトになってもお風呂で流せば……でもやだなぁ……。まぁ、仕方ないか」
はぁ、と小さくため息を吐いた晴天は再び滝晒しをイソギンチャク怪人たちへと向ける。刀身に流れる水滴が地面へと落ちれば、それが戦の合図だった。
「イソイソ、イソイソイソイソ、イーソイソーーーッ!!(訳:あっちのやつは怖いからおまえらを捕まえてやるぜェーーッ!!)」
ヒャッハー! と言わんばかりに、二人へと襲いかかるイソギンチャク怪人。
ゴムのような弾力性を持ち、全身をウネウネと蠢動させながら二人の猟兵を捕らえようと触手を伸ばす。
「見えてるっ」
「ほーっ、危ないのう!」
晴天は周囲に極小の水滴を無数に浮遊させることで怪人たちの攻撃を予測して、バラバはヒョイヒョイと身軽に地面を蹴りあげて触手を逃げるように回避した。
「こんなぬめぬめの縁はお断りかなっ!」
そして、攻撃を避けつつ怪人たちに肉薄した晴天が即座に刀を振るう。水滴を帯びる刀が彼らを二度切り裂けば、そこから氷が花開く。
氷華に寄生された怪人たちの動きは先程よりも明らかに鈍くなっていた。
「……ゴムは凍らせると切れやすくなる。さっきの君たちの伸縮性と弾力性は、すごくゴムに似ていたけれど」
ぶん、と晴天が刀身についた怪人たちの体液を振り払う。
「君たちの場合、どうなるのかな?」
それは純粋な興味から出た言葉だ。しかし、イソギンチャク怪人たちはそれを処刑宣告か何かと勘違いしたのか、ゾゾゾと蠢く。
「勝手に縁切られちゃ堪んないからなぁ。ちょっと、静かにしておいてもらうよっ」
もはやほとんど動けなくなった怪人たちを尻目に晴天はほかの怪人たちのもとへと駆けていった。
「イソイソーッ!!(訳:あいつらの敵ーッ!!)」
そして、イソギンチャク怪人たちの怒りの矛先が向いたのは何故かバルバだった。
「なんでわしなんじゃー?!」
怪人たちはぬらりといやらしい光を放つ触手をバルバへと矢鱈滅多に伸ばす。
しかし。
「ほっほっほー! 当たらん、当たらんのう! ちゃんと狙っておるのか?」
ケラケラと陽気に笑いながらバルバは容易く触手を避け、距離を取る。
戦場に響くそんな明るい笑い声は、イソギンチャク怪人たちを逆撫でし、怒りを加速させるには充分すぎるものだった。
バラバに苛立てば苛立つほどに、怪人たちの攻撃は杜撰さを増していく。
そして、その杜撰さは命取りになる。
「隙ありぃ! じゃ!」
バルバが口遊むのは呪言。簡略化された詠唱は即座に終了し、異彩の杖の先端に幾重もの魔法陣が展開される。
「唐揚げになるがよいわ!」
轟!! と魔法陣から放たれるのは爆炎の奔流。それらはまるで意思を持つようにイソギンチャク怪人たちを飲み込み、燃やし、そうして黒焦げにしていった。
「すごいや。プスプスいってるよ、彼ら」
「晴天君もなかなかやるのう!」
二人はお互いにお互いを援護しながら戦闘を続けていく。
──彼らの戦闘によって、イソギンチャク怪人たちの総数は残り半分にまで減少していた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
春霞・遙
大量の触手とかすごく嫌ですけど、民間の人の安全のために頑張らないとですよね。
この世界の温泉もとても行ってみたいし。
「忍び足」で「目立たない」ように拳銃で「援護射撃」や「だまし討ち」や「零距離射撃」など織り交ぜて攻撃を。
【謎を喰らう触手の群れ】は相手が疑問を感じないならただの木偶ですが、盾くらいには使えるでしょう。毒針のついた触手は呼び出した触手たちに任せる。
可能であれば反撃させてやりたいので、目くらましやらやられたフリやら【生まれながらの光】でやられた傷を無かったことにしたりして疑問の感情を与えたいです。
●出張ドクター
「ふむ……」
革製のローブを白衣の上から羽織り、顎に指を這わせながら戦場を見渡しているのは春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)だ。
他の猟兵達の派手な動きによってバッタバッタとなぎ倒されていくイソギンチャク怪人達を瞳に映しながら、懐にしまった拳銃のグリップを握る。
「大量の触手とかすごく嫌ですけど、民間の人の安全のために頑張らないと、ですよね」
遥はそう呟いて拳銃をゆっくりと抜き取る。
替えのカートリッジは充分。調子も十全。
これほど賑やかな戦場ならば、少し息を殺して足音を潜めることで、己の気配を消すことができるだろうと判断する。
(「それに、この世界の温泉もとても行ってみたいし」)
温泉好きな彼女は映し出された温泉施設の映像に密かに思いを馳せていた。
この世界の温泉は始めてだ。一体どんな風なのか……。ゆっくり浸かるためにもまずは、目の前の敵を打倒しなければ。
ガチャリと手にする銃のスライドを引き、引き金に指を掛ける。
ゆっくりと足を忍ばせ、他の猟兵達の戦闘に紛れてイソギンチャク怪人たちの群れへと近付いていく。そうして最も手近な怪人の背後へとやってくれば、銃口が当てられる。
即座に響いた発砲音を聞いた者は何人いただろうか? 幾人もの猟兵が戦い乱れるこの戦場で、たった一つの僅かな音を聞き逃さずにそれに対応できる者が何人いるだろうか?
──ドサリと怪人が石畳へと倒れれば、そこから彼女の攻撃が始まった。
視界に攻撃を受けそうな猟兵がいればそちらに援護の銃弾を飛ばし、己の姿を見誤ったものには背後や側面からのだまし討ちを行い、一気に距離を詰めてきたものにはゼロ距離で頭を撃ち抜いた。
「せめて盾くらいには使えるでしょう」
迫る麻痺の触手は己が召喚した謎を喰らう触手に防がせ、その間に銃弾を再装填し狙撃。また一体の怪人が地に伏せる。
(「やられてばかり、というのも可哀想ですね」)
同時、遥は己の肉体から光を放つ。それは受けたものの傷を回復する聖なる光。遥の傷は勿論、『怪人の傷も癒えていく』。
そんな現象が起きれば怪人たちはこう思わずにはいられない。
『なぜ?』と。
そして、その感情こそが貪欲なる食指を起動させる最上の餌となる。
それまで木偶の如く盾として扱われていた触手が激しく暴れはじめ、疑問を抱いた怪人達を飲み込んでいく。ばきり、ぐしゃりと厭な音が響き渡れば、また一歩全滅へと近づいた。
成功
🔵🔵🔴
ヴィサラ・ヴァイン
誰が怖いやつですか。誰が(聞き耳1、動物と話す1)
私は怖くない普通のキマイラだって言いましたよー?
そんな事いうイソギンチャク怪人さんには、5分を30日間に感じる薬(毒)を30日間注入し続けますよ?(恐怖を与える27)
……嘘です嘘です。私の言うこと聞いてくれれば、そんな事しないですからー(範囲攻撃14でまとめて【強迫】します)
そうですね、怪人さん同士で喧嘩してくれたら許してあげますよー。
「そう簡単には命を取らない私、怖くなーい怖くなーい」
「……そんなに怖がると、本当に泣いちゃいますよ……?」
●毒蛇の姫
そして。
「誰が怖いやつですか。誰が」
ヴィサラ・ヴァインの瞳が、揺れる。
イソギンチャク怪人は口にしてしまっていたのだ『あっちのやつは怖い』と。
ヴィサラは動物と会話をすることができる。彼女の耳にはそれはしっかりと届いていたのだ、己を恐れる者の声が。
「私は、怖くない普通のキマイラだって言いましたよー?」
にっこりと、彼女の口角が釣り上がり、その顔に微笑みが形づくられていく。
しかし纏う空気は異貌。他者を畏怖させ、恐慌させ、そして凍てつかせるモノ。
「そんな事いうイソギンチャク怪人さんには、5分を30日間に感じる薬を30日間注入し続けますよ?」
うっすらと微笑みの奥の瞳が光る。
それに見据えられたイソギンチャク怪人達はビクゥ! と体を竦ませた。距離を取ろうと足を動かそうとするが動かない。まるで石にでもなってしまったかのように、退くことができない。
──恐怖。
目前の少女に恐れを抱いていることに怪人達が気付くまでに時間はかからなかった。
怖い。恐ろしい。目前にいる笑顔の少女がただ恐ろしくて堪らない。全身の毛穴という毛穴から厭な汁が噴き出る。心臓がどくどくと高鳴るのを感じる。目前の彼女の機嫌を損ねたら、どうなるかわからない――。
それを感知したのか、ヴィサラは再びにっこりと笑う。
「……嘘です嘘です。私の言うこと聞いてくれれば、そんな事しないですからー」
怪人達は直感する。これはヤバイ。これはマズイ。このままではもっと恐ろしいことが起きる。けれど、足は動かない。
「ね?」
刹那。イソギンチャク怪人達はソレを視ることになる。
頭髪の代わりに数多の蛇を生やし、数多の生命を吸い取ったかのような真紅の瞳をし、底知れぬ圧を帯びる――蛇の魔女(ゴルゴーン)を。
「そうですね……怪人さん同士で喧嘩してくれたら、許してあげますよー」
最早、怪人たちに選択肢などなかった。
何よりもどれよりも恐ろしいこの少女になにかされるよりも、お互いを潰しあって『許される』ほうが余程いい。
――程なくして、イソギンチャク怪人達の同士討ちが始まった。
「そう簡単には命を取らない私、怖くなーい怖くなーい」
くるりと。
倒れ伏したイソギンチャク怪人たちに背を向けてヴィサラを口遊む。
或いはそれこそが最も悪辣だと、少女は知ってか知らずか、微笑を浮かべて歩みを進める。花のように可憐でありながら確かに恐怖を誘う笑みに、イソギンチャク怪人達の『その先』にあるものもビクリと肩を竦ませる。
「……そんなに怖がると、本当に泣いちゃいますよ……?」
密やかに呟いたその言葉を聞いたものは、果たして。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『キリ』
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POW : 縁切断(物理)
【手刀】が命中した対象を切断する。
SPD : 縁消去(物理)
【何らかプラス】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【狛犬のような自動砲台】から、高命中力の【その感情を抱いた時の記憶を消す光線】を飛ばす。
WIZ : ただの八つ当たり
【なんかムカついた】から【強烈なビンタ】を放ち、【あまりの理不尽さからくる動揺】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠カスミ・アナスタシア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●絶対縁切るガール登場!!
「ぐぬ……ぐぬぬぬ……!!」
猟兵達によって蹴散らされた怪人たちを見て、少女は不満げに顔を歪めて眉間に深い皺を刻んでいた。
「なーーんだおまえたち! いきなり現れてずっばずっばと!! ボク様の縁切りの邪魔するつもり?! むかつくむかつくむかつく!! 八百万むかつくーーーっ!!!」
ダンダンダン!! と石畳を踏みつけながら怒りの感情を顕にするのは勿論──自称『どんな縁でも一刀両断する神様』のキリだ。
「こうなったら、ボク様が直接相手してやる……!! ボク様の邪魔をしたこと、久遠に後悔させてやるんだから!」
ひどくご立腹の様子で、びしりと指先を猟兵達に向ける。彼女の瞳にあるのは紛れもなく憤怒の色。自分の邪魔をするものたちを排除する暴君の炎だった。
バラバ・バルディ
【WIZ】
ほっほっほ!やあれ、困った駄々っ子じゃなあ。先に皆の邪魔をしたのはお主じゃろうに。せめて切るのが悪縁ならば、皆も感謝したかもしれぬがのう。
ふーむ、ただ倒してしまうというのも芸がないのう……よし、せっかくじゃ!ついでにキマイラ達の沈んだ気持ちも浮き立たせるようなものを見せてやろうぞ!
(【エレメンタル・ファンタジア】で色とりどりの花の雨を降らせ、敵の視界を覆います。)
※アドリブ、共闘等歓迎!
春霞・遙
そんなに縁を切りたいなら縁切り寺にでも居座れば悪縁に困っている人たちからありがたがられたでしょうに。
オブリビオンとして現れた以上倒さないという選択肢はないのですけどね。
他の人の良縁を願って切られても困るし、いい子たちが入院して受け持ちになれたら嬉しいとでも思っておきましょうか?それなら縁を切られて悪いことはない。
主に「援護射撃」と回復で他の方のお手伝いをします。
彼女のユーベルコードは自動砲台からの光線以外直接攻撃のようですし、近づかれたなら火で牽制しましょうか。
避けようとは思いますが、火を点したハシバミの枝をかざして手刀やビンタを躊躇してくれれば避けやすいかな、と。
連携アドリブ歓迎
ミラ・パーチェ
WIZ選択
こらー!黙って聞いていたら、なんて罰当たりな事をするの!
折角、神様が繋いでくれた縁を切っちゃうなんて……
神様の代わりにお説教が必要みたいね、逆に後悔させてあげるんだから!
【怪力】のままにメイスを全力でフルスイングするわ
ビンタを受けたら、その分はジャッジメント・クルセイドで倍返しよ
受けなくても、怯んだ隙とかがあればジャッジメント・クルセイド
神様の怒りを思い知れ、ってヤツよ!
八つ当たりの矛先が負傷した仲間に向かうなら、挑発
聖者である限り、神様との縁は切っても切れないものなの
それでも切ると言うのなら……ええ、好きなだけやってみなさい!
動いたらお腹空いてきちゃったかも?温泉饅頭はあるかしら?
●フラワーバレッド・クルセイド
「こらー!黙って聞いていたら、なんて罰当たりな事をするの!」
透き通るような、それでいて芯の強い声が響き渡った。
「折角、神様が繋いでくれた縁を切っちゃうなんて……。神様の代わりにお説教が必要みたいね、逆に後悔させてあげるんだから!」
手にしたメイスの切っ先を向け、キリへと宣戦布告をしたのはミラ・パーチェ(夢追い人・f09057)。神を信じ、祈りを捧げ、そうして神の導くままに流浪する聖女は神より授かった縁を切る者へと戦意を向ける。
「ほっほっほ! やあれ、困った駄々っ子じゃなあ。先に皆の邪魔をしたのはお主じゃろうに」
ミラの言葉に続くように、バラバ・バルディが顎をさする。
「せめて切るのが悪縁ならば、皆も感謝したかもしれぬがのう」
七十年も生きている彼は、幼子に諭すように言葉を紡ぐ。
「そのとおり。そんなに縁を切りたいなら縁切り寺にでも居座れば悪縁に困っている人たちからありがたがられたでしょうに」
やれやれと肩を竦めるバラバの隣で、春霞・遥が拳銃のカートリッジを入れ替えながら呟く。
「まぁ、オブリビオンとして現れた以上倒さないという選択肢はないのですけどね」
自分たちは猟兵であり、相手はオブリビオン。その立ち位置が崩れることはない。
遥はスライドを引き、射撃の準備を整えた。
「邪魔してきたのもそうだけど、なんかおまえたちを見てるとムカつくんだよ!!」
言って、キリが猟兵達へと駆ける。
両手は大きく振りかぶられており、そのまま接近を許せば何が起こるかは容易に想像できるだろう。
「ふーむ、ただ倒してしまうというのも芸がないのう……よし、せっかくじゃ! ついでにキマイラ達の沈んだ気持ちも浮き立たせるようなものを見せてやろうぞ!」
故に、バラバはその視界を遮る。
彼が異彩の杖を一振りすると同時、空から色とりどりの花の雨が降り注いだ。季節を問わない数多幾多の花々は、その色彩と量も相まってキリの動きを鈍らせる。
先程まで怪人たちに捕らわれていたキマイラたちから感嘆の声があがれば、バラバは愉快そうに顔を綻ばせた。
「――そこです」
そして、遥はキリの隙を見逃さずに拳銃のトリガーを引く。
「ぐっ、ぁぁっ……!」
三発の弾丸が銃口から射出され、花々によって視界を覆われたキリへと飛来した。
太腿、二の腕、脇腹をえぐった鉛玉に彼女の体がぐらりと揺れる。
「ミラさん、お願いします」
そのまま遥は背後の聖女へと声をかける。――彼女は医者だ。基本的に支援に長けている。先程は人数に紛れることによって暗殺めいた行動を可能としたが、今回の相手は単騎。正面から相手にするのは分が悪い。
「任せて頂戴!」
そのままミラの指先がキリへと向けられれば、遥か上空が煌めいた。
「神様の怒りを思い知れ、ってヤツよ!」
刹那、膨大な光量を伴って光の十字架が顕現する。空から現れたそれはキリの肉体を包み込み、まさしく『神の怒り』と言わんばかりに激しい熱をもって審判を下した。
「ぐっ……うう、クソ、クソ……ッ!」
声をあげることもできずに全身を灼かれ、地面に伏した彼女はゆっくりと立ち上がり、猟兵たちに激しい憤怒の眼差しを向ける。
「もう、おまえたちなんか知らないっ!!」
体中からぷすぷすと煙を上げ、べーっと舌を出すキリ。彼女は凄まじい速度で別の猟兵へと狙いを定めると、逃げるように突撃しにいったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヴィサラ・ヴァイン
はあ、こんなに怖がられると傷付きますね……
でも私は大丈夫。大切な友達が、私の事怖くないって言ってくれましたから(大事そうに【魔女の秘薬】を抱える。大切な友達からの贈り物。無茶しないでねってカカオ100%味なんです)(縁切断(物理)を誘う)
「って私の大事な秘薬ー!?」
そりゃ狙われますよねー。すっごい縁を感じさせる物ですからねー。私もスッパリ断ち切られてますー。でも……
「怪物を殺そうとした者は、例え神様であってもその報いを受けてもらいます」
【究極の対価】で猛毒の返り血を浴びせます。存分に苦しめ(毒使い32、恐怖を与える29)私は零れた【魔女の秘薬】で回復
「……苦いよぉ……怪我しちゃってごめん……」
●ハイカカオ・ハイポイズン
「はぁ、こんなに怖がられると傷付きますね……」
一方その頃、ヴィサラ・ヴァインは先程の戦闘で自分をめちゃくちゃに怖がっていたイソギンチャク怪人を思い出し、すこしばかり傷心気味だった。
「でも私は大丈夫。大切な友達が、私の事怖くないって言ってくれましたから」
懐から取り出したのは魔女の秘薬。無茶しないでね、と友人から贈られたカカオ100%味のそれを抱えれば、少しだけ彼女の心は癒やされた。
だが――。
「むむっ縁のにおい!! 絶対☆縁切り☆ズバズバ!!」
『友人からの贈り物』という縁に関係深いものにに思いを馳せていれば、彼女はすぐさまやってくる。
「えっ?」
上空から聞こえる声にそちらを見やれば、そこには絶対縁切るガールのキリの姿があった。
「ちぇすとぉ!」
「あぶな! って私の大事な秘薬ー!?」
間一髪。アームハンマーのように秘薬に叩きつけられようとしていた手刀を自分の体で受ければ、受けた部分の服が、肌が、肉に斬撃が走る。
(「そりゃ狙われますよねー。すっごい縁を感じさせる物ですからねー。私もスッパリ断ち切られてますー。でも……」)
ヴィサラにとって、この程度は想定内だった。身を苛む鋭い痛みを堪えながら、彼女はそのまま片方の手でキリを掴む。
「ぁえっ?!」
「怪物を殺そうとした者は、例え神様であってもその報いを受けてもらいます」
ぞっとするほどに冷たい声にキリが怯めば、それが命取りになった。
ヴィサラの傷口がぐじゅぐじゅと蠢いたと思った次の瞬間、そこから濁った血液が噴き出し、キリの体を濡らす。
「ガ、ァァァァッッ!??」
同時に、キリの全身をふたたび灼くような痛みが襲った。光による審判と同じか、或いはそれ以上の継続する痛みにのたうち回る。呼吸が浅くなり、息をするたびに全身の細胞が死滅するような錯覚を覚える。
存分に苦しめ、とヴィサラはキリを見下ろす。先の血は猛毒、放っておけばいずれ命は絶たれる。それまでこの少女の様を見ているとしよう。
「……苦いよぉ……怪我しちゃってごめん……」
少しばかりこぼれた魔女の秘薬を舐め取り傷を回復しながら、ヴィサラはそんなことを思うのだった。
――キリの討伐が成されたのは、それから数秒後のことだった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『スパっとさわやか!いい湯だね♪』
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POW : 激アツサウナでガンガン汗を流す!
SPD : 風光明媚な露天風呂で開放感に浸る
WIZ : 香り豊かな薬草風呂で心身ともに癒される
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ゆったり温泉、さっぱり爽快
キリを打倒した猟兵達はその後、最初に告げられたスパへと足を運んだ。
言われていた通り貸し切り状態。今この場所には猟兵達しかいない……!
でかでかと達筆で「男」「女」と分けられた暖簾をくぐり、豪奢な赤の施設内を色々と探してみれば、サウナや露天風呂・薬草風呂は勿論のことだがジャグジーや岩風呂などの様々な温泉が見られた。
どうやらサービスとしてコーヒー牛乳やいちご牛乳などの飲料も提供されているらしい。
さて、貴方達は達はここでどのように過ごすだろうか?
ガルムゼノン・フェンリル
ふむ。
戦闘には生憎参加できなかったが、お風呂だけの参加でもいいのか。
ではお言葉に甘えてお風呂に入ろうか。ゼル、おいで(息子のデュオゼルガを連れて)
やはり露天風呂は格別だ。
息子とのんびりお風呂……ふふ、気持ちいいね。
操くんも一緒に如何かな?
お風呂から出たら息子とおなじ腰に手を当てるポーズで牛乳を一気飲みしようか。
ぷはー!
デュオゼルガ・フェンリル
へー、お風呂だけのさんかでもいいんだ?
じゃあ俺は父さんと一緒に入ろっと!
父さんについていく形でお風呂に入るぞー!
露天風呂気持ちいいなー♪
お、操さんだ!やっほー
操さんの筋肉スゲーな!俺だって負けてないぜー(むきっ
……俺のはモフモフに埋もれて全くわかんねぇけどなー
お風呂上がったら父さんと同じポーズで腰に手を当てながらコーヒー牛乳を一気飲みだ!
ぷはー♪
バラバ・バルディ
つ い に!念願のっ!温泉っ!じゃぁあーっ!!ぬぁっはははは!貸し切りなだけあって広々しとるのーう!これだけ色々な湯があるとどこから行こうか迷うわい(ひょこひょこと上機嫌に跳ねながら施設内をうろちょろ)おぉそうじゃ、操君も誘おうぞ!この広い施設にわしらだけというのも勿体ないしのう!
ぬふぁ~……うぅむ、良い湯じゃのう……温度も景色も抜群じゃ!……むっ、誰とは寂しいことを聞くのう!もうバラバを忘れたか?(爪で湯を弾きながら)
温泉巡りを心行くまで堪能したら、あのいちご牛乳というのを飲んでみようかの!コーヒー牛乳は試したことがあるんじゃが、いちご牛乳は初めてじゃ!
ぬははっ楽しいのう!
※アドリブ他歓迎!
●牡丹浮かぶ露天風呂
「つ・い・に! 念願のっ! 温泉っ! じゃぁあーっ!! ぬぁっはははは!」
目前に広がる真紅の温泉施設を見て、バラバ・バルディは声高らかに笑う。
イソギンチャク怪人と相対した時も、戦いを忘れてそのまま温泉に行こうとしていたほどに、バラバはこの温泉を楽しみにしていた。
「貸し切りなだけあって広々しとるのーう! これだけ色々な湯があるとどこから行こうか迷うわい!」
ひょこひょこと上機嫌に跳ねながら、あっちへいったりこっちへいったりと歩き回るバラバ。
薬草風呂にサウナ、砂風呂に泡風呂……いくつもある温泉の種類に目移りしていると、不意に自分たちを転送した彼のことが頭に浮かんだ。
「おぉそうじゃ、操君も誘おうぞ! この広い施設にわしらだけというのも勿体ないしのう!」
愉快そうに弾んだ声をあげながら、バラバは操を探しはじめた。
●
「ふむ、ではお言葉に甘えてお風呂に入ろうか。ゼル、おいで」
「うん! 一緒に入るんだぜー!」
施設内を歩く人狼の親子が一組――ガルムゼノン・フェンリル(砕月の咆哮・f01970)とデュオゼルガ・フェンリル(月下の人狼・f00372)の二人だ。
彼らは仲良く手を繋ぎながら、露天風呂へと向かっていた。
そんな時、デュオゼルガがふと立ち止まり声をあげる。
「お、操さんだ!やっほー」
それは自分たちをこの世界へと転送した猟兵、三千院・操を見つけたからだった。
彼はふらふらと当て所なく彷徨っているようで、デュオゼルガに声を掛けられればにこにこ笑いながら二人へと近付いた。
「あ! ゼルくんにガルムさん! やっほー!」
「あぁ、こんにちは。操くん。私達はこれから露天風呂に行こうと思うんだけど、操くんも一緒に如何かな?」
「え! いいの? わーい! へへへ、ありがとー!」
顔を綻ばせて操は喜び、二人と一緒に露天風呂へと向かう。
●
かぽーん、と軽い音が浴槽内に響く。
湯船には牡丹の花が浮かび、目前にはリゾート『IZUMO』の光景が広がっていた。
ゆったりと温泉に浸かっているのはデュオゼルガ、ガルムゼノン、操、そして派手なシャーマンズゴースト――バラバだ。
彼は三人が露天風呂に入る手前でようやく操を見つけ、四人はなんやかんやで一緒にお風呂に入ることとなったのだ。
「ぬふぁ~……うぅむ、良い湯じゃのう……温度も景色も抜群じゃ!」
気持ちよさそうに全身を温い水に浸しながらバラバは言う。
「ねね! そういえば聞き逃しちゃってたんだけどー……おじいさん、誰だっけ? こう、喉まで出てきてるんだけど思い出せなくて、ううーーん……」
上腕二頭筋を膨らませ、顎に手をあてながら操は頭を捻る。
「むっ、誰とは寂しいことを聞くのう! もうバラバを忘れたか? バラバ・バルディじゃ!」
ぱちゃぱちゃと爪で湯を弾きながらバラバがそういえば、操ははっとしたような顔を浮かべた。
「あー! そうだそうだ! 思い出したー! バラバさん! いやぁーおれとしたことが面目ない面目ないー」
にへらと笑いながら、操は軽く頭を掻いたのだった。
「ふー、やはり露天風呂は格別だ。息子とのんびりお風呂……ふふ、気持ちいいね」
頭にタオルを載せ、眼下の景色を見つめながらガルムゼノンは零す。
「へへ、いい匂いもするし温かいし、最高なんだぜー」
その隣でデュオゼルガはへにゃりとした表情を浮かべながら湯に浸かっていた。
鼻孔を突くのは牡丹の柔らかな香り。どこか甘いその匂いに包まれれば、身も心も癒やされていった。
「それにしても、操さんの筋肉スゲーな! 俺だって負けてないぜー」
デュオゼルガは近くの操の鍛えられた肉体を見て、自分の上腕二頭筋を盛り上がらせながらふんすと鼻を鳴らす。
普段であれば人狼特有の毛量によって分かりづらいそれは、今はお湯によって張り付きしっかりと見えるようになっていた。
「おー! さっすが格闘家! でもでも、おれだって!」
ぐぐぐ、と軽く胸筋を見せつけるようなポーズを取る操。
――そこからしばらくデュオゼルガと操のお互いの筋肉の張り合いがはじまって、バラバがそれを賑やかし、三人がのぼせそうになったところで、ガルムゼノンに連れられるようにして上がったのだった。
●
「「「「ぷはー!」」」」
湯からあがった彼らは、四人一列に横に並び、腰に手をあてて牛乳を飲み干した。
ガルムゼノンは普通の牛乳、デュオゼルガはコーヒー牛乳、バラバはいちご牛乳、そして操はミックス牛乳。
そんな風に彼らはこの温泉施設を楽しみ、そうして時間は過ぎていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
春霞・遙
折角のほかの世界なのでいろんなお湯を楽しみたいです。
髪をアップにまとめてかけ湯をして、ゆっくり入浴。熱いお湯に肩まで浸かっていると早々にのぼせてしまうので、好きなお湯を見つけたら半身浴でのんびりしていようかな。
はぁ、全身あったかくて幸せ。天然温泉好きだけどここの薬草風呂はいいなぁ、香りも安心する。
キリちゃんはなんであんなに縁を切りたがったのかな、みんなでわいわいしてたほうがきっと楽しいのに。一人温泉みたいにたまには一人でゆっくりもいいけど、さ。
疲れも悩みもお湯に溶けてくみたい。明日からのお仕事も頑張るぞー。
●淡色の薬草風呂
「はぁ、全身あったかくて幸せ。天然温泉好きだけどここの薬草風呂はいいなぁ、香りも安心する」
春霞・遥は淡い桃色の薬草風呂にゆったりと浸かっていた。
どうたらこの湯は梅の花も使われているのか、ふんわりとした優しい香りは遥の日頃の疲れをほぐしていった。
(「いろいろ浸かってみたけど、このお湯が一番好きかも」)
遥はぼんやりと思いを巡らせる。
温泉好きの彼女はせっかくだからとこの施設の様々な湯を巡った。泡風呂、砂風呂、寝湯、露天風呂――いずれもなかなか良いものだったが、彼女のお気にいりとなったのはこの薬草風呂だった。
(「そういえば」)
ふと、脳裏に彼女の姿が過る。キマイラ達の縁を切ろうとしていた自称神様、キリの姿が。
(「キリちゃんはなんであんなに縁を切りたがったのかな、みんなでわいわいしてたほうがきっと楽しいのに。一人温泉みたいにたまには一人でゆっくりもいいけど、さ」)
『縁切り』に固執した彼女の理由はなんだったのか。縁を断ち切るよりも、縁を結んだほうがきっと楽しい。
駄々をこねる彼女の姿は、たまに診察にやってくる子供たちの姿とどこか似ていた。だからなのだろうか、こんな風に想いを馳せるのは。
いずれにせよ、骸の海へと沈んだ彼女の真意はもう分からない。
遥はそんな想いを打ち消すように伸びをする。
しばらく浸かっていれば、抱いていたもやもやとした悩みも、全身に纏わりつく疲れも、徐々にお湯に溶け出していくようだった。
「よし、明日からのお仕事も頑張るぞー」
彼女はもう過去の産物。自分たちには今しかない。
猟兵として医師として、多くの子どもたちの明日を守るために遥は気持ちを改めるのだった。
成功
🔵🔵🔴
秋月・充嘉
POW
サウナ、サウナ、貸し切りサウナ♪
んー広い!…ここまで広いなら出してもいいっすよね?(もぞもぞ)
ふー…、場所によっては出せないから窮屈なんすよねー。
龍の翼と尻尾。せっかくだし文字通りに羽を広げて休みますか。
サウナから出たら何飲もうかなー?王道に牛乳?それともコーヒー牛乳?いやいやいちご牛乳も捨てがたい…。うーん変わり種はないっすかねー?
●汗だく高温サウナ
「サウナ、サウナ、貸し切りサウナ♪」
ふんふんと口ずさみながら秋月・充嘉(キマイラメカニカ・f01160)は扉を開く。
「んー広い! ……ここまで広いなら出してもいいっすよね?」
むわりとした熱気が全身を包むのを感じながら、サウナの内装を見渡す。リゾートの温泉施設ということもあってかなり広く、十数人は余裕で入れそうなほどだった。
「ん、ぐ、っ……」
やがて充嘉の肩甲骨と尾てい骨の付近がぼこりと盛り上がれば、程なくして紅蓮の翼と尻尾が現れた。広がった羽根はこのサウナの端に届くまで大きく、尻尾は神話の大蛇のように太い。
「ふー……、場所によっては出せないから窮屈なんすよねー」
腰掛けに座りながら、充嘉はぼそりと呟く。
ゆっくりと翼を伸ばし、尻尾をだらりと垂らしリラックスをしていれば、だんだんとその肉体を汗が伝っていった。
自分の体温があがっていくのを感じ、流れる汗が増えていく。
「……そろそろ出るっすかね。ふー、あっちぃ……」
ぱたぱたと顔を手仰ぎしながら充嘉はサウナから出る。軽くシャワーを浴びて脱衣場に戻り、服を着ている最中に目に止まったのは飲料の自販機だ。
「お、いろいろあるっすねー。何飲もうかなー? 王道に牛乳? それともコーヒー牛乳? いやいやいちご牛乳も捨てがたい……。うーん変わり種はないっすかねー?」
面白そうなものはなにかないか……そんな風に探していれば、ふと薄緑色の飲料が目にとまる。
「これは……メロン牛乳……!」
ラベルにはメロンと牛乳のデザイン。それを見れば、その飲料が何なのかすぐに理解できた。
充嘉はすぐさまそれを購入すると、ごっきゅごっきゅと飲み干す。
口内に広がる柔らかなメロンの味に、甘党の彼は顔をほころばせるのだった。
成功
🔵🔵🔴
ヴィサラ・ヴァイン
はあ、今回の依頼は散々でした……イソギンチャク怪人に怖がられるし、リムからもらった秘薬は縁切り(物理)されるし……
……よし、リフレッシュしよ!
リム(f08099)を誘って縁結びの神社にお参り
……自称神様を殺した私が神社に来るのもどうかと思うけど、切られた縁を結び直さないとだしね
拝殿でリムとの縁結びを願います
怖くないって言ってくれてありがとう
怪我しちゃって、秘薬も割られちゃってごめん
大好き
……何だか言いたい事はいっぱい。でも上手く思考がまとまらない。だから、そっと『手を握る』事にします。優しく微笑みながら
……私、リムがいれば頑張れるよ
その後は温泉に。猛毒の血が染みないか心配だけど目一杯楽しみます
リミティア・スカイクラッド
ヴィサラさん(f00702)に誘われてやってきました
キマイラフューチャーにはこんな所もあるのですね
縁結びの神社があるそうなので、そちらでヴィサラさんとリムの友情が末永く続くよう祈願しておきましょう
絵馬に一緒に名前を書いたり、おみくじを引いたり
あ、おみくじは大吉が出るまで引きます。出るまで引きます(大事なことなので)
ヴィサラさんはなにか落ち込んでいるようなので、彼女が安心できるようのんびりリゾート地を楽しみましょう
何があったかは自分からは聞かずに、一緒に過ごす穏やかな時間を
お風呂にも入って、背中の流し合いっことかしながらリラックスしたいです
これからも一緒にいますよ、ヴィサラさん
●縁結びの神社
「はあ、今回の依頼は散々でした……。イソギンチャク怪人に怖がられるし、リムからもらった秘薬は縁切り(物理)されるし……」
ヴィサラ・ヴァインは辟易した様子で溜息を吐いた。
それもそうだ。怖くないと言っているのに怖いとドン引きされ、大切な友人からもらった秘薬はキリの攻撃によって破壊されてしまった。
しっかりと守ったつもりだったのだが、どうやらうっかり力加減を間違えてしまったらしい。縁切り(物理)の力とは恐ろしいものだ。
「……よし、リフレッシュしよ!」
しかし、いつまでも消沈している訳にもいかない。もう戦いは終わったのだから。
彼女は秘薬をくれた友人――リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)を呼び、温泉施設に行く前に縁結びの神社に立ち寄ることにした。
●
(「……自称神様を殺した私が神社に来るのもどうかと思うけど、切られた縁を結び直さないとだしね」)
自分と友人の縁を象徴するものだった秘薬は壊されてしまった。いつも怖がられてばかりいた自分にできた大切な友人のリミティア。彼女との縁をも断ち切られてしまったような、そんな厭な考えが過る。
そんな筈はない、とヴィサラは頭を振ってそれを打ち消し、リミティアと共に歩みを進める。
やがて二人は拝殿までやってくる。そうしてしゃらん、と鈴の澄んだ音が鳴り響く。ぱんぱんと手を合わせ、瞳を閉じて思い思いのことを祈った。
(「リムと、もう一度縁を結べますように」)
(「ヴィサラさんとリムの友情が、末永く続きますように」)
お互いにお互いのことを願い、瞳を開く。
「ヴィサラさんは、何を願ったのですか?」
「秘密。こういうの、言ったら叶わなくなっちゃうから」
「そうでしたか。でしたら、お互いに秘密……ですね」
「……うん」
言いながら、ヴィサラの心のうちでは様々な思いが浮かんでいた。
怖くないって言ってくれてありがとう。
怪我しちゃって、秘薬も割られちゃってごめん。
大好き。
言いたいことは次から次へと浮かんできて、溢れ出しそうだった。戦っている時はきちんと冷静に思考を回せるのに、いまはなんだか上手くまとまらない。
「――っ」
だから、彼女はとなりにいるリミティアの手をゆっくりと握った。
リミティアはそれを拒むことなく、ヴィサラの顔をみつめる。
「……私、リムがいれば頑張れるよ」
言葉を紡げば、ヴィサラの顔には柔らかな笑みが浮かんだ。
色々迷って、回らない頭で考えて、そうして口を出たのは、その言葉だった。
たとえどれほど怖がられて傷ついても、目の前にいる自分を肯定してくれた友達のためならば、幾らだって強くなれる。
「はい。これからも一緒にいますよ、ヴィサラさん」
リミティアもゆるい微笑みを浮かべて、そう答えた。
●
その後、二人はまずリミティアの希望で絵馬に一緒に名前を書いたり、おみくじを引いたりした。
ヴィサラは中吉、リミティアははじめ小吉だったが、こんな結果は認めないとばかりに引きに引きに引きまくって、ようやく最後の一つになるまで引いて大吉を手に入れた。
「これで実質大吉です」
すこしばかり自慢げな顔をしながら、彼女はやっとの思いで手に入れた大吉を大事にしまう。そこになんと書いてあったかは、はてさて――。
そうしてようやく温泉施設へと赴いた時には日は傾いており、少しばかり暗くなったリゾートを露天風呂から臨みながら、流し合いっこや洗いっこをした。
彼女たち二人の絆は、過去の産物になど断ち切られることはないほどに強く、そして美しいものだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵