【サポート優先】アカリのヒロアス紀行・下水編
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)
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ヒーローズアース、そこには「知られざる文明」というものがある。海洋都市、宇宙基地、地下世界……SF小説に幾度となく描かれた世界が地球のそこかしこに実在する、それが英雄の世界のもう一つの顔だ。
その世界はアースクライシスで侵略を受け、戦場となることで地上の人々の前にその姿を露にした。結果としてどの文明も深く傷ついたが、戦乱を乗り越えた世界は共に手を取り合い復興への道を歩み始めた。皮肉にも悪が起こした大戦が文明同士の絆を深く繋いだのだ。
それから二年、今知られざる文明はどうなっているのか……
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「つーわけで、戦争終結から二年したんで改めて知られざる文明について勉強してみるっす」
そう言うのはミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)のボディの一人、アカリ・ゴールド。ヒーローズアース出身でありアースクライシスを機にミルケンのボディとなった彼女だが、その時までは一般人であったこともあり知られざる文明に詳しいとは言えない。
「今回行くのは下水道迷宮のダストブロンクスっす。ここは街の増設に伴って放棄されたニューヨーク地下の汚染区域に住み着いた人たちが作り上げた、超巨大スラムみたいな感じのとこっす。公害汚染時代に流された廃液から生まれたバイオモンスターが大勢いるっすね。まーやっぱ治安も悪くて排他的なところなんすけど、認めた相手のためには命を懸けるような義理堅い人もいるっす」
ヒーローズアース繁栄の陰で膨れ上がった闇。望まれずして生まれた世界ではあるが、しかしそこは自然ならぬ異形の生命や世界のどこでも生きていく場所を失った者さえ受け入れる、最後の希望の地でもあるのかもしれない。愛する者と文字通り一つになったアシュリーや、感情の有無すら定かでなくとも主にだけは絶対の忠誠を尽くすダークポイント。そして彼らを王として受け入れたスカムキングのように、ここでこそ生きる道のある者もいるのだろう。
「まあそんなところなんすけど、アースクライシスで他の文明と同列扱いされた今こそチャンスって感じで、人を呼べる区域を作り市民権を得ていこうという活動も始まったみたいっす。差し当たっては下水を探索し、何が問題かを洗い出していきたいみたいっす」
衛生、治安、貧困、問題は山積みだが、住人は慣れ切ってしまい何が悪いのかの感覚が麻痺してしまっている。蜘蛛の巣のように張り巡らされた下水を進み、ダストブロンクスを見て回って欲しいということだ。進む手段は住人が用いているボートを借りられるので、川下りやラフティング気分でやってみるのもいいかもしれない。
「で、見回ってると『悲劇のゲルミュータント』というミュータントヒーローのオブリビオンが出てくるっす。廃液で望まずにミュータントの力を得たまま死んでオブリビオン化したみたいっす。ぶっちゃけダストブロンクスではよくある話みたいっす。スカムキングの手下の生き残りではあるみたいっすけど、元々あんま理性は残ってないみたいっすね」
この文明に置いて命は軽い。これもまたいずれ対処すべきこの地の問題なのかもしれない。
「戦闘あるんであたしも直接は行けないっすけど、皆さんの活動を報告書にまとめて勉強させてもらうっす。それでは、よろしくお願いするっす!」
最後に体育会系らしく大声で言うと、アカリは地下迷宮へ猟兵たちを送り出した。
鳴声海矢
鳴声海矢です。個人的ヒーローズアース強化月間。
『注意!』
今回はサポート優先シナリオとして、基本的にプレイングを各章少数しか募集していません。
なるべく早い完結を目標に、サポートフル活用、文字数少な目で執筆の予定です。
プレイングを頂いてもリプレイは非常に短くなります。送る場合はご了承の上でお願いします。
第一章ではダストブロンクスの下水道をボートに乗って進んでいってもらいます。ゆっくりした流れの場所で風景の観察や住人との交流をしてみるもよし、急な流れの場所で下水ラフティングを楽しむもよし。治安は悪いですが猟兵に喧嘩を売ってくる一般人はさすがにそういません。
第二章では『悲劇のゲルミュータント』との集団戦。ミュータント化、分裂、オブリビオン化の果てに自我や理性もほとんど残っていません。特に理由も目的もなく、眼に入った相手に悲鳴を上げながら襲い掛かってきます。一応はスカムキングの手下の生き残りですが、潜伏というよりはたまたま倒されずにここに残っていただけの様です。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 日常
『げすいアドベンチャー』
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POW : せっかくだからこの段差の多い水路を進むぜ
SPD : じゃあこの速度の速い水路を行こう
WIZ : それじゃあゆっくりだけど分岐の多い水路にしようかな
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シフォン・メルヴェイユ(サポート)
『楽しい世界が待っていたらいいなぁ。』
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
怒った時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
のんびりとして、無邪気な性格をしています。
基本的に常に笑顔で人に接して、
敵以外なら誰に対しても友好的な性格です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
知られざる文明の一つ、下水迷宮ダストブロンクス。不潔で危険な世界だが、それに怖じる猟兵ではない。
「楽しい世界が待っていたらいいなぁ」
シフォン・メルヴェイユ(夢見る少女・f19704)はいつもの調子を崩さずに、その地下世界へと足を踏み入れた。もとより何不自由なく育った天真爛漫な彼女はこういった場所にも過剰な警戒心は抱かないのだろう。
そういった存在はこの世界の住人にとってはカモか、あるいは嫌悪の対象となることも少なくないのだが、相手が猟兵となれば恩もあるしうかつに手も出せない。何よりせっかく他の文明との交流を推進している所なのだ、少なくとも簡単に入って来れる場所にあまり悪いイメージを着けたくもない。
「よく来てくれたな。とりあえず、こいつを使ってみて回ってくれ」
開発推進派らしきバイオモンスターの男が、そう言ってシフォンを一台のボートに乗せた。廃棄品か盗品を無理矢理補修して使っているのだろうそれはお世辞にも上等とは言い難いが、客を乗せることを考えてか出来る限りの掃除はしてあるらしい。
「わかった、ありがとう!」
躊躇なくそれに乗り、下水を漕ぎ出すシフォン。小さなボートなので動かすのに対した力もいらず、すいすいと前に進んでいく。
「うーん、どっちに行こうかなー……じゃ、こっち!」
思いつくままに方向を決めていくシフォン。しばらくはバイオモンスターが別のボートで黙ってついて来ていたが、進むにつれて不安げな表情になっていく。
「お、おい、分かって行ってんのか? そっちは……」
「え? 何が……わっ!?」
声を掛けられた瞬間、シフォンのボートががくんと揺れ、急にスピードを上げた。
そのまま高速で急流を滑り降りていくボート。
「うわー!?」
こちらは下層まで一気に降りるための急流。よほど急いでいる時でなければ地元民も使わない危険な水路だ。猛スピードで進んでいくボートを何とか操作するシフォン。
だがその前に、急なカーブが突如として現れる。
「こうなる事は予測済み、その攻撃は当たらないわよ!」
シフォンはその障害に慌てるどころか、自信満々でオールを突き出した。それは的確に壁を突き、鋭角にボートの進行方向を変える。
「うおおおおお!?」
後ろではバイオモンスターがやっとの思いで衝突を回避、何とか転覆せずにシフォンに続いた。
やがて下層の急流の終わりにつき、ボートから降りるシフォン。
「楽しかった! 地下でボートの川下りアトラクションなんて人気でるよ! あ、でもユーベルコード必須な道は案内人さん置いた方がいいかな?」
「お、おう……アトラクション……考えとくわ……」
平然としたその様子に息を切らしながら言うバイオモンスター。ダストブロンクステーマパーク設営という妙案が実現されるかどうかは、まだ分からない話である。
成功
🔵🔵🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
確かに、住む場所によって常識などは変わってきますからねぇ。
お手伝い致しますぅ。
『治安』に関しては、暫くは『案内人兼護衛がつく』等の方法も有りますし、一先ず影響が大きそうなのは『衛生面』でしょうかぁ?
まずは『ボート』をお借りして、『観光客目線』で色々と見て回り、気になる項目を纏めてみましょう。
ダストブロンクスの特徴を考えますと、或る程度『雑然とした雰囲気』は残っていた方が珍しさも有って楽しめるでしょうから、『廃液』等の『その域を逸脱した項目』への対処になりますかねぇ?
更に【饒僕】を発動、この場所で違和感の薄い『鼠』等の姿の『僕』を召喚、目の届かない場所等も調べてみますぅ。
ダストブロンクスは治安も環境も悪い。それは住人自身も自覚していることである。だが外の世界、別の文明にだって犯罪は起こるし病気もある。それに比べてどこがどう悪いのか、どれくらいまで行けば問題と見なされるのか。その辺りの感覚が他文明とずれているということを、外の世界を学ぶうち住人達は思い知らされていた。
「確かに、住む場所によって常識などは変わってきますからねぇ。お手伝い致しますぅ」
住人達もそのずれを良しとしているわけではない。それを分かって、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は今まず住人達に自覚させるべき問題を考える。
「『治安』に関しては、暫くは『案内人兼護衛がつく』等の方法も有りますし、一先ず影響が大きそうなのは『衛生面』でしょうかぁ?」
元よりヒーローのいる世界、腕自慢には困らない。またダストブロンクス住民自身が用心棒を買って出ることでその評判を上げることもできる。もちろんその為の人選などの問題もあるが、その辺りはおいおい選定していけばいいだろう。
そしてそれ以上に緊急に対処すべき箇所を見極めるべく、ボートを借りて下水を進むるこる。
「なるほど、これは……」
観光客ならどう見るか、その目線で周囲を観察するるこる。無遠慮にじろじろ見てくる地元民や廃材を組み合わせて作ったような住居、どこから持ってきたかも定かではない機械や衣服を売る店など、いかにもスラム然とした風景がそこには広がっていた。
確かに身の危険を感じるような光景だが、一方でこれはまさにここでしか見られない光景。安全が担保されていればこの上ない観光資源にすらなり得るものとも言えた。
「ダストブロンクスの特徴を考えますと、或る程度『雑然とした雰囲気』は残っていた方が珍しさも有って楽しめるでしょうから、『廃液』等の『その域を逸脱した項目』への対処になりますかねぇ?」
そもそも下水というのは汚水を流すためのものだ。その上生物が突然変異を起こすほどの廃液が長年にわたって流されている。これは珍しいとかそういう以前に、生きていくため何とかするべきものである。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、女神の僕達よ、私の元へ」
そしてそう言った汚染物質はどこにどのような形で広がっているか分からない。るこるは【豊乳女神の加護・饒僕】で鼠などの違和感の薄い形の僕を作り、人が入れないような場所の調査に当たらせた。
そうして見れば出るわ出るわ、平然と鼠に襲い掛かってくるゴキブリや元が何の生物だったのかもわからないのたうつ虫、そしてそれらが常食としているような蛍光色の粘液など、およそよそ者どころか地元民にすら危険そうなものがそこかしこに隠れていた。
こんなものが脇にいてよく生活できるというものだが、恐らくは自分に関わる場所にいるものはきちんと駆除しているのだろう。ただ根絶する気がない……他人のことまではどうでもいいし出来るとも思っていないというだけのことかもしれない。
最も改革すべきは『環境は大きく改善できる』と思っていない意識自体なのかもしれない。そしてそのために他文明の力を借りるという形の交流も悪くないだろう。
そのことを伝えていこうと考えたところで、僕から緊急の連絡が入る。
下水奥部の粘液溜まり、そこに見過ごせない危険物がいると……
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『悲劇のゲルミュータント』
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POW : ゲル・ハンマー
自身の【ゲル化した右腕】を【身長と同程度の巨大ハンマー】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD : ゲル・キャノン
【ゲル化した体で作った砲身からゲル弾】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : ゲル・ブレード
速度マッハ5.0以上の【極超音速に到達したことで刃化したゲルの鞭】で攻撃する。軌跡にはしばらく【緑色の弾力あるゲル物質】が残り、追撃や足場代わりに利用できる。
イラスト:ヤヅキヒロ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPDの方がクリアしやすいと判断したら、そちらを使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使う形です。
主に銃撃UCやヴァリアブル~を使う雰囲気です。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
他人の事は気にしない素振りを見せますが、基本、不器用なので、どう接したらいいのかわからない感じです。
ですが、合せるところは合せたり、守ってあげたりしています。
特に女性は家族の事もあり、守ってあげたい意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
フルム・サーブル(サポート)
余裕があるときや敵に憐れみを感じる場合は基本通りの穏やかな口調
余裕がなかったり、敵がえげつなくて怒りを感じるような場合は
「敵には」の口調です
でもあまりキャラぶれは気にしないので
公序良俗に反しない限りは好きに扱ってください
技能は【力溜め】【怪力】【グラップル】【シールドバッシュ】【カウンター】など
セットされているもの(サバイバル用にばらつきがあります)
を活用し、小さい体で戦場を飛び回りながら
優雅(自称)な戦いをします
どうみてもそのスタイルは脳筋です
武器は鍵(バトルアックス)や杖(バールのようなもの)をメインに使いますが
選択されたユーベルコードによっては拳一つでの戦いも可能です
ダストブロンクス下層、特に危険な廃液や汚染物質が溜まっている、元々が放棄領域であるダストブロンクスからさらに放棄された真の無法地帯。
そこは何を捨てても咎められないし、何が潜んでいても探されない。最もあらゆる存在を侵食し汚染するこの場所に潜めるものなど普通はいはしないが。
その粘液だまりの中を、まるで普通の水のように泳ぐ女性が一人。シャツにジーンズという軽装の女性が粘液から出て通路に上がると、その女性の体が緑に染まりその部分がぐしゃりと溶け落ちた。
ただの粘液となったその体はまるで生き物のように蠢き、立ち上がって元の女性と同じ姿を取る。そして半身を失った方も、その断裂面から大量に粘液を分泌し元の姿に戻った。
悍ましい方法で次々と分裂していく女性。その姿を見て、フルム・サーブル(森林の妖精さん・f03354)は歯を食いしばって拳を固く握った。
「ひどすぎる……!」
ごく最近他の知られざる文明にも訪れた彼は、自然と調和したアトランティス、原初の荒々しい生命力に満ちたセンターオブジアースとのあまりの落差に身を震わせる。
自然を愛する彼にとって、それを破壊しつくした結果生まれたこの場所は到底許容し難い。だが、ここに住む住人達がそれを成したわけではないし、目の前の女性もその被害者なのだ。
非道な敵には武人となり毅然として向かう彼だが、今はその怒りのやり場さえない。ただ、目の前の相手を倒し、眠らせてやる。それしかできることはないのだ。
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
怒りに震えるフルムに、別の男が声をかけた。アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)は努めて落ち着いた声で協力を申し出る。
「アア……クルシイ……タスケテ……ワタシ……」
うわごとのように言いながら迫ってくる『悲劇のミュータント』と化した女性の集団。それに対しアスは黙って『ブルーブラスター』を抜き、一射することで応えた。
「アアアアアア!!」
一体ずつは脆いのか、絶叫と共に崩れていくミュータント。その悲鳴にもアスはクールに表情を変えない。だがさりとて、思うところがないわけではない。
(何もできないし何も聞けないなら……何も言う必要はない)
生き別れた姉や妹を探すアスは女性に対して守りたいという思いが強い。だが、今目の前の相手に対してできることは倒す以外に何もないのだ。何を言っても悲劇を覆せないなら、ただ成すべきを成すのみ。今は努めて冷静、冷酷であれと、アスは己に言い聞かせていた。
「コナイデ、タスケテ、コナイデ、タスケテ……」
相反するうわごとを言いながら、片手を自身と同じ大きさのハンマーに変え振り回しながら迫るミュータントたち。その巨大なハンマーを、フルムはじっと見つめた。
「大きければ大きいほど、倒し甲斐があるというものだ」
味方が見せてくれた冷静さに倣おう。その意思と共に、薔薇の舞い散る旋風を纏ってそのハンマーに突っ込んでいくフルム。恐らく耐久を犠牲に振り回していただろうそれは、【妖精さん大金星】の突撃に簡単に散らされる。
「何が金星だ……」
こうすることでしか救えない、やはりそれに胸は収まらぬフルム。だが体を砕かれたミュータントははや死に体。
「隙を見せるとは……そこだ! 撃ち貫け、イーグルショット!!」
アスがそれを【イーグルショット】で貫き、崩れた体に最後の致命打を与えていく。元々内臓や急所などない体だが、ミュータントとしてのエネルギーも砕き散らされたか女性たちはただの砕けた粘液となって辺り一面に散らばり、そのまま煙を上げて消滅していった。
「……終わった。帰るぞ」
「……だね」
少ない言葉を交わしてその場を立ち去る二人。元より人付き合いな苦手なアスと普段は優雅な所作を心がけるフルム。その胸の内は、何も言わずとも互いが察せていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
虚偽・うつろぎ(サポート)
世界問わず大歓迎
世界を超えて自爆活動さ
アドリブ連携等ご自由に
登場即自爆
自爆できれば台詞も活躍もいらぬ!
速攻で自爆することが最優先
1歩も動かず即自爆
そう、自爆だ
僕に自爆をさせるんだ!
僕もろとも鏖殺だ
これぞ鏖殺領域なり
ただ自爆するためだけに現れる存在
何かいきなり自爆する怪奇現象
もはや災害である
技能:捨て身の一撃を用いての
メッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆
射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
大事なのは自爆までのスピード
有無言わせぬスピードで自爆する
これ最重要だね
捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能
粘液の体を引きずりながらずるずると進み続ける悲劇のゲルミュータントたち。
彼女たちの体が混ざった緑の粘液だまりを越え、次に差し掛かるのはやはり何の液体なのか分からない黒の粘液だまりだ。
他と比べればやや範囲は狭いその粘液だまりにゲルミュータントたちは入っていく。あるいは彼女たちに人としての理性が残っていれば、それを怪しみ、回避することもできただろう。
だが、現実として人としての意識を粘液による変異とオブリビオン化によって塗りつぶされた彼女にそんなものはもう残っていなかった。
そしてゲルミュータントたちがその黒い粘液の半ばほどまで進んだその時。突如として大爆発が起こった。
圧倒的な大爆発。その威力はダストブロンクス全体を揺るがすかの如く凄まじく、事実この時はるか離れた上層でさえその揺れは慣れぬ地震として住人達に感知されていた。
至近で受ければボス級オブリビオンにすら致命傷を与えかねぬほどの爆発を足元から受けたゲルミュータントたちは、粘液の欠片も残さず消え果てた。
敵の多くが射程に入ってからの爆発までのスピードはまさに瞬速、怪しむ隙すら与えない。だがこの爆発を一度でも見たことのある者はむしろこう思うだろう、今回は随分待ったものだと。
敵が入れば即自爆、敵がいなくても即自爆。そんな爆破を唯一絶対とする者が多くを必殺の距離に巻き込めるまで我慢するとは。
あるいはこれこそが、彼の悲劇のゲルミュータントに対するせめてもの手向けだろうか。粘液の一滴も残さぬほどに消滅させ、苦しむばかりの世から解き放ってやろうと。
「うつろぎ式・切宮殺戮術『一爆鏖殺』 これが僕の鏖殺領域さ」
そんな台詞も残さない彼からは一切の意図は読み取れない。余人が勝手に想像するしかなく、そしてそれに何かを言うことは彼は決してないだろう。
そうして虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)は、今日も華麗に自爆して果てたのであった。
成功
🔵🔵🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
どうやら、御出でですねぇ。
可哀想な事情をお持ちの様ですし、本人の為にも早目に仕留めた方が良さそうですぅ。
『FAS』による飛行で足場の影響を防ぎ、『FMS』のバリアで周囲を覆いましょう。
そして【酷郭】を発動、戦場全体に『律』を流し込み『裁域』を形成しますねぇ。
『ハンマー』の攻撃は『FGS』の重力波で、相手の巨大化による質量を逆利用した妨害と『裁域』で大気や地面を『爆破』することによる[カウンター]、『FMS』のバリア、更に『FSS』のシールドを加えた多重防御で防ぎますぅ。
後は『FRS』の[砲撃]と『FBS』の斬撃に『爆破』を重ねた[範囲攻撃]で、確実に叩いて参りますねぇ。
砕かれても、粘液だまりからゲルミュータントたちは発生する。元は人の身であった彼女たちだが、その名通りのゲルのミュータントと化してからは粘液と混ざりあい、その体をそこら中に広げていた。
最早個人としての存在すら曖昧になった彼女たち、もとい彼女は、その身の混ざった粘液がどこかにある限りそこから何度でも現れて嘆き続けるのだろう。
「どうやら、御出でですねぇ。可哀想な事情をお持ちの様ですし、本人の為にも早目に仕留めた方が良さそうですぅ」
水上に浮遊した状態で夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は彼女たちを見下ろしそう言った。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その刑場の理をここに」
【豊乳女神の加護・酷郭】で周囲を覆い、さらにバリアを張って中に敵を閉じ込める。粘液の欠片でも外に出てしまえば彼女たちはそこから発生しかねない。ごく狭い範囲の中で、その身全てを破壊する必要があった。
「ダシテ……カエシテ……」
閉じ込められたことを理解したのか、あるいは偶然その場にあったうわごとが出ただけか。その右手を大きく膨れ上がらせてハンマーのような形状にし、それを高速で振るいるこるを打ち砕こうとするが、るこるも多重に張った防御の奥からそれを爆破し届かせない。
「アア……アアアアア……」
組成の脆いハンマーは自重による自壊も合わせて崩れ、辺りに飛び散った。だが一向に構わず仲間の……あるいは自分の死体を乗り越え、硬度の残るそれを足場にしてゲルミュータントたちは次々と宙に浮くるこる目指して登ってくる。
それに対しては前面に配置した攻撃能力のある兵装で迎撃することで押し返し、やはり自分へは届かせない。
それでもゲルミュータントたちは遮二無二上ってくる。やはり理性や知性はほぼ残っていないのか、無策同然の特攻はほとんど自動的とすら言える程簡単に押し返されていくが、決して彼女たちは全身をやめない。
彼女たちが振り回す右手のハンマーは、ある者は早さを重視し、ある者は大きさを完全に制御して正確に動かすなど個体ごとに別の動きをしていた。だがその一方で簡単に押し返され、倒されて行く彼女たちは皆一様に能力の代償として防御面を犠牲にしているように見える。
それはただ攻めかかることしか考えられないので不要な能力を削っているのか、あるいは彼女自身が唯一の救いである『滅び』を欲しているのか。
うわごとしか言わぬその口からはその真意は語られないが、もしそうであれば一刻も早く願いをかなえてやろうと、るこるは多重の攻撃を与えることで殲滅していくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
POW
今度はスカムキングの配下とはね……
理性は無くとも、襲いかかって来る本能があるなら
救済のしようはあるわ
守護霊の【ドーピング】で戦闘力を高め『芳しき熱愛』で汚泥化。
相手がどの能力を5倍化しても物理攻撃な時点で無効。
【毒耐性】も強化されてるから蝕まれる事も無い
【念動力・マヒ攻撃】で金縛りにして引き寄せ
猛毒で服を溶かし、厭らしい水音と共に全身を【慰め】
媚毒の【呪詛】で心身を快楽に染め上げながら【生命力吸収】
彼女達の悲鳴を淫らな嬌声に変えつつ救済
彼女達の魂に記憶が残っていれば
【ハッキング・学習力】で解析・修復し
『悪欲渦巻く街』の時みたく
生前の人格に近い彼女達の霊を【召喚術】で呼べるかも
体の欠片さえあれば何度でも湧いてくる悲劇のゲルミュータント。彼女たちにとっては生きていること自体が苦痛でしかないが、一方でその特性の利用価値は高い。
故に、アースクライシス時スカムキングはダストブロンクスを彷徨っていた彼女たちに目をつけ、生きた罠としてこの場に配置していた。
だが、彼女の出番は来ることはなくスカムキングは倒されアースクライシスも終結し、結果目的を失くした彼女たちはここで無意味に喘ぎ続けることとなっていた。
「今度はスカムキングの配下とはね……」
少し前、同様にアースクライシス以降無為に潜伏し続けていたジェネシス・エイト配下と見えたドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は、予想外に多いアースクライシスの置き土産にそう呟く。
「理性は無くとも、襲いかかって来る本能があるなら救済のしようはあるわ……愛の言葉はクサいくらいが丁度いいの」
ならばそのスカムキング同様の力で迎え撃とうと、【芳しき熱愛】で自身を汚泥と化して待ち受ける。その泥を、ゲルミュータントたちは腕を変えた巨大ハンマーで滅多打ちにした。
泥と粘液、汚水が入り混じり悪臭を撒き散らしながら飛び散るが、泥と化した体にそれ自体ではダメージはない。自身の体と攪拌させて戻れなくする、という手もあったかもしれないが、そこまでの知能はゲルミュータントたちにはなく、ただただ敵と思しき目の前の泥を殴りつけるしかできることはない。
ドゥルールは泥の体をその身に絡め念動力で抑え込み彼女たちの服を溶かそうとするが、恐らく服自体がゲルで再現されたものなのだろう、その下はそのままゲルの体と繋がっていた。
だがそれなら元から全裸なのと同じ。その体に媚毒を宿してミュータントの体に擦り付け、水音を立ててその声を嬌声に変えようとする。
「アアアアア……」
それでも、ミュータントたちの悲鳴は止まない。あるいはもう人としての感覚も残っていないのか。どこまでも生命を逸脱させられた彼女たち。だが、そう言う相手でも方法があることをドゥルールは知っていた。
「あの時みたく生前の人格に近い彼女達の霊を【召喚術】で呼べるかも」
泥の体を広げゲルミュータントたちを覆い尽くし、生命力を吸い尽くす。それによってオブリビオンとしてのゲルミュータントは容易に全滅させられた。だがまだすべきことはあると、吸収した生命力と魂の記憶から彼女の魂を再現しようとするドゥルール。
「……あ、わた、し……」
かつて肉体を改造しつくされ悍ましき異形と化した女性たちにそうしたように、彼女の生前の記憶を呼び覚ませれば。
泥の中、一瞬ゲルの欠片もないただの女性の姿が見え、そしてそれはそのまままた泥の中へ消えていった。果たしてそれはスカムキングがアシュリーをそうしたように、愛の元の一体化であったか。その姿を飲み込んで泥が流れるようドゥルールがその場を去った今、その答えはもう見えなかった。
世界が繁栄のために切り捨てた汚点全てを押し付けられたダストブロンクスと、そこに生きる者たち。これを『知られざる』文明としてはならないと、漂う汚液は言葉なく伝えていた。
大成功
🔵🔵🔵