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いきなり!ドラゴンステーキ:ドラゴンの香草焼き

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●アックス&ウィザーズ
 剣と魔法と竜の世界、アックス&ウィザーズ。
 この世界は滅びた筈の古代帝国が復活し、タンジョンから出現するモンスターや、邪悪な魔法使い、盗賊や悪魔、そしてドラゴンなどが跋扈する世界……。
 ここで今ある問題が……。

●グルメスの野望
「世界には、まだ見ぬ食材がゴマンとあるッ! その食材を料理し、喰らうのが、この俺……グルメスだァ! お前達には、その協力をして欲しいィ! 何故なら、俺の専門は、未知の食材を喰らう事ッ! それ故に、弱いィ! お前達がビビッてしまう程、俺は……弱いィ! だから、お前達に食材を探してほしいィ。そして、今回の料理は……ドラゴンの香草焼きだァ!」
 自称・グルメキングであるグルメスは、冒険者達に対して、自らの思いをぶち撒けた。
 彼にとっては、ドラゴンすらも食材。
 喰らうべき、肉ッ!
 ただ、それだけであり、それ以上のモノでもないッ!
 それ故に、喰らうッ!
 例え、それがドラゴンであったとしても、問答無用で喰らう。
 それが自称・グルメキングとしての生き様だったッ!
「まずはドラゴンの香草焼きに必要な香草をゲット! 香草はアルラウネに激似だが、気にするなッ! ウッカリ間違って、アルラウネを引っこ抜いても、自己責任ッ! しかも、見分ける方法は、何もないッ! 単なる運だッ! 運任せだッ! そして、メインイベント! ワイバーンとの戦闘だ! ワイバーンはドラゴンの亜種だが、シャレ抜きで強いッ! もしかすると死ぬかも知れないが、気にするなッ! そいつらの屍を越えて、ゲットするだけの価値があるッ! それだけ食いたいッ! 俺は喰いたいッ! ドラゴンのステーキが喰いたいんだァァァァァァァァァァァァァア!」
 そう言ってグルメスが全身の筋肉を隆起させ、ケモノのような叫び声を響かせた。

●ガジルからの依頼
「みんな忙しい中、集まってくれてありがとうね」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が、猟兵達を前にして今回の依頼を説明した。
 自称・グルメキングことグルメスが、冒険者達を集めて、ドラゴン退治を計画しているようである。
 だが、冒険者と言っても、所詮は一般人。
 そんな連中が束になって、ドラゴンと戦ったとしても、勝てる訳が無い。
 そういった意味でも、彼らに危険が及ぶ前に、ドラゴンを退治してほしいと言う事である。


ゆうきつかさ
 この依頼はネタ依頼です。
 そのため、どんな行動をしても、不思議な力によって、大成功になります。
 戦争依頼で殺伐として心を癒すも良し、ドラゴンハンターになるも良し、旅団でピクニックをするついでにドラゴンを狩っても良し、旅団対抗料理合戦をしても、まったく問題ありません。
 キャパシティ的にガッツリ余裕があるので、どんどん参加していただいて構いません。
 その代わり、プレイングでは、自分の見せ場を考えた上で、書いてください。
 可能な限り、格好良く書きたいので、この辺りは『俺、強ぇ!』くらいのノリで構いません。
 とにかく、格好良く活躍させたいので、これだけ守っていただければ、何の問題もありません。
 また執筆の開始は2月14日8:30を予定しているので、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『アルラウネ』

POW   :    ルナティック・クライ
【聞く者を狂わせるおぞましい叫び声 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    スクリーミング・レギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【マンドレイク(アルラウネの幼生) 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    リパルシブ・シャウト
対象のユーベルコードに対し【それを吹き飛ばす程の大音声 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴィサラ・ヴァイン
私だってドラゴンステーキが食べたいぞおぉぉぉぉ!!
なので私も協力しますねー
先ずは香草集めですね。これはひたすら引っこ抜いて集めます
アルラウネ? 私、知ってますよ。引っこ抜かれた植物って仲間になるんですよね? ゲームで見た事あります、後ろにちょこちょこ付いてくるの
もちろん付いて来ますよね???(恐怖を与える27した上でユーベルコード【強迫】で言う事を聞かせます))
仲間が増えたら、みんなで更に香草を引っこ抜いて、強迫して仲間増やして、みんなで歌います!
「ぼくたちピクミ(自主規制)」
※アドリブ改変歓迎


ユーリ・ヴォルフ
チコル・フワッフルと行動
アドリブ共闘大歓迎!

なあチコル。私が真の姿(炎竜)になって尻尾をステーキにすればいきなり解決ではないか?

さーて香辛料だな!アルラウネ対策に耳栓をする!
チコルも耳栓をして更に耳を縛る!これで完璧だ!

本当に聞こえていないかテストをしてみる
「チコル。愛している」
こんなの聞かれたらアルラウネ引っこ抜く以前に再起不能になってしまう!うおおおおお!!!照れ隠しに奇声を上げながらありとあらゆる草を引っこ抜く!その速度は一瞬にして草原を荒野に変えるかもしれない…!有事の際はこれだ!ドラゴニック・エンド!香辛料でないものは燃やし尽くせ!ファフニール!!


シーザー・ゴールドマン
【POW】
「ハハハ、グルメキングのグルメス君か。楽しい男だな。
 宜しい。「ドラゴンの香草焼き」協力しようじゃないか」
戦術
まずはアルウラネ似の香草か。どれ、運試しといこうか。
[第六感]に従って適当に引き抜きます。
「む、当たりか。もう一度引くかね」
とアルウラネに当たるまで引っこ抜きます。
アルウラネの叫び声は『シドンの栄華』の「維持の魔力」で強化した[オーラ防御]で防ぎ、オーラセイバーで料理。
「アルウラネは貴重な触媒になるのでね。これは私が頂こう。
 勿論、香草は全てグルメス君に進呈するよ」


チコル・フワッフル
ユーリ・ヴォルフと行動
★アドリブ、他猟兵との絡み歓迎!

ユーリの尻尾って食べれるの!?い、痛くないの……?
(何となく自分の尻尾をそっと足の間に挟む)

ちょっとビックリしちゃったけど、まずは香辛料の調達だね!
耳栓だね、オッケー!
何だか厳重だけど、私は耳がいいから、これくらいが丁度いいのかも。
(耳が聞こえない程度に縛られつつ)

ユーリが何か喋ってるけど、聞こえないや!
えっ?「アイスが要る」?
そうだね、ステーキの後はデザートが欲しいね!

何だかユーリのやる気が凄い!私も負けてられないっ(ぽいぽいと軽装になり)
【ダッシュ】で素早く場を駆け回りながら、【シーブズ・ギャンビット】のダガーで邪魔な物を刈っていくよ!


ロルフ・ロートケプヒェン
ドラゴンの香草焼き!!!??

なんだその、聞くだけで心踊るワードしか並んでねぇメニュー名は!
ワイバーンの肉なら前に食ったけど、肉好きのおれがドラゴンの肉に興味がわかねぇ筈がねぇ……!

こうなったらおれも、うまい肉に向かって一直線だ!

今からおれも、ドラゴンハンターの一人、すなわち立派な狩人だ!

そのための障害になるもんは、全部ぶっとばしてやる!


アルラウネの大声には、おれの『緋色狼の咆哮』で対抗だ!

おれの大声や、肉に対する気迫で相手に『恐怖を与える』事に成功したら、追撃の『2回攻撃』!

おれの武器に持ち変えて『マヒ攻撃、毒使い、傷口をえぐる』で更に追い詰めてやる!

※プレ外の言動、他猟兵との連携等大歓迎


ナイツ・ディン
『我は喰われぬぞ!?』
「いや何も言ってないから。そもそもディロは竜槍だろ。」
ドラゴンステーキ、美味しいのかな?

叫び声には叫び声で。ディロの必死な抵抗を込めた咆哮をぶち当ててやろう。
『我は偉大な竜ぞ、捕食者ぞ!!!』
はいはい、雑草処理お願いね。吹き飛んだやつがアルラウネで、飛ばなかったやつは香草だな。ナイフ(妖精にとっては普通の長剣)で根本から刈り取っていこう。

……ディロが苦戦してるようなら援護射撃でスナイプしとこ。ただ表立って助けると不機嫌になりそうだし、目立たないで隠れつつ。
あとアルラウネは喰えないと……美味しいのか?
ディロ:30cmの紅竜。雑食。尊大ドラゴン
共闘、アドリブ可(コメディ寄り)


エコリアチ・ヤエ
【ニコラと行動】
「ドラゴンの肉か、俺も興味あったし良いチャンスか」
ウキウキ気分で香草摘みに励む。
もしニコラが採取用のカゴにそのままアルラウネを入れたら本体は邪魔だろって食べれそうな頭の葉っぱだけ引きちぎって本体は投げ捨てる。その表情は無情であり、同情は一切なし。
「おいおいまてまて、マンドレイクも放り込み始めたが食うの?こんなに可愛いのにか?」
マンドレイクを食べようとすることには抗議を入れる。
採取しまくったカゴ(中身は何かは定かではない)を見かねてUCでそこらの木で台車みたいなのを作る。
作った台車を押すのはニコラに押し付け。かわい子ぶろうがお前の方がパワーあるだろ絶対。
[アドリブなんでも歓迎]


ニコラ・クローディア
ヤエ(f00287)とコンビ参加
「アルラウネの葉は珍味と聞くけれど…ドラゴンステーキと合うかも試してみましょうか」
アルラウネを見分ける方法が無いと言うが、それならまとめて収穫してしまおう
アルラウネは大きいから背中に籠を背負ってそれに投げ込むとして、香草は肩掛け鞄でも持ち込んでそれに摘みましょう
「はい、ちょっと黙りましょうねー」
引っこ抜いたアルラウネが叫んだら龍闘術で強化した手刀でサクっと倒して背中の籠へぽい
マンドレイクは…消滅しないよう倒せるかしら?
上手くできたら揚げモノ用にね
「ヤエ、どれくらい集まったかしら?」
収穫量は適宜確認
「ねぇ、アルラウネの本体が無い気がするのだけれど」
アドリブ大歓迎



●クサを狩るモノ者達
「グルメキングのグルメス君……か。なかなか楽しい男だったな。ドラゴンの香草焼きか。実に面白い事を考えるな。さて、まずは香草を見つけるとするか」
 シーザー・ゴールドマン(ダンピールのフォースナイト・f00256)はグルメスとの楽しい一時を思い出しながら、第六感を駆使して手当たり次第に香草っぽいモノを引き抜いた。
「ドラゴンの香草焼きだと!? なんだその、聞くだけで心踊るワードしか並んでねぇ、メニュー名は! ワイバーンの肉なら前に食ったけど、肉好きのおれにとっちゃ、そんな事は関係ねぇ! 早く香草を見つけて、美味い肉に向かって一直線だ!」
 その横でロルフ・ロートケプヒェン(赤ずきんクン・f08008)も、興奮気味に草を抜く。
 頭の中に思い浮かぶのは、ドラゴンの巨大な……肉ッ!
 ……早く食べたい。
 今すぐ食べたいッ!
 そんな気持ちが、ロルフを急かす。
 だが、引き抜いたのは、どれも香草ではなく、草ばかり。
 挙句の果てに、人面ニンジンや、セクシー大根まで採れる始末。
 しかも、セクシー人参に至っては、無駄にリアルな人型だった。
「私だってドラゴンステーキが食べたいぞおぉぉぉぉ!!」
 ヴィサラ・ヴァイン(人見知りなゴルゴン少女・f00702)も、ひたすら草を引っこ抜き、香草集めを頑張っていた。
 いまのところ、アルラウネは引っこ抜いていないが、引っこ抜いた草のどれが香草なのか分からない。
 もちろん、香草と言うくらいなのだから、きっとイイ匂いがするはず。
 そう思って草を嗅ぐと、何故かほんのりスパイシー。
 その途端、脳裏に浮かぶのは、筋骨隆々の漢達が脇見せポーズで迫ってくる光景ッ!
 それが何を意味しているのかは……あえて考えない事にした。
『我は喰われぬぞ!?』
 そんな中、30cmの紅竜ディロが、危機感を覚えて、勇ましく咆哮を上げた。
 どうせ、喰われるなら、喰ってやる!
 そんな気持ちでナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)を甘噛みッ!
 ……甘い。
 ほんのり甘いチョコレート風味。
「いや、何も言ってないから。そもそもディロは竜槍だろ。それ以前に、甘くないから! いや、だから歯を立てるな!」
 ナイツが困った様子でツッコミを入れたものの、ディロはまったく話を聞いていない。
 それどころか、『この部分が特に甘いッ!』と言わんばかりに、ナイツをさらに甘噛みした。
「だから、甘くないって」
『いや、甘いッ!』
 ディロの言葉に迷いはない。
 むしろ蒼竜のローアも呼んで、一緒に甘噛みする気満々の様子である。
『ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!』
 次の瞬間、アルラウネの悲鳴が辺りに響く。
「……む、当たりか」
 すぐさま、シーザーが【シドンの栄華(デウス・アニマ)】を使い、オーラ防御で自らの身を護る。
「おれの声が聞こえない、なんて言わせねぇぞ!」
 それに合わせて、ロルフが【緋色狼の咆哮(ダス・ブルーレン・デス・オン・ヴォルフ)】で、アルラウネの悲鳴に対抗ッ!
『我は偉大な竜ぞ、捕食者ぞ!!!』
 ディロも、何となく対抗意識を燃やして、ガオオオオンと咆哮を上げた。
「う……」
 これにはアルラウネもビビッたのか、何やらションボリ、委縮ムード。
「……えっ? もう終わりなの? ほら、もっと何かないの? あるよね? もっと凄いの?」
 そこに追い打ちをかけるようにして、ロルフがアルラウネに攻撃を仕掛け、その傷口をグリグリと抉って追い詰める。
「……!」
 そのせいか、アルラウネも涙になりつつ、『ご、ごめんなさい! だから傷口を抉るのだけは……! 抉るのだけはァァァァァァァァ! 止めてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』と言わんばかりにガタブルした。
「そう言えば、アルラウネって喰えないのか?」
 ナイツがマジマジとアルラウネに視線を送る。
「……!」
 その途端、アルラウネが、あからさまに両目をギョッとさせた。
 まるで『な、何を言うんですか、急に! 美味しいと思いますか? ほら、見てください。いかにも美味しくなさそうでしょ? だって、ほら、凄く臭そうだし! 食べた瞬間、絶対に吐きますって、間違いなく……!』と言わんばかりの勢いで、何やらあたふたとしていた。
「それって、アルラウネですよね? 私、知ってます。引っこ抜かれた植物って、仲間になるんです。だって、ゲームで見た事がありますもの。後ろをちょこちょこついて来る感じで、とっても可愛いんですよ♪ もちろん、ついてきますよね?」
 ヴィサラが強迫じみた熱い視線で、アルラウネの返事を待った。
「……!」
 アルラウネが、激しくコクコク。
 この状況で、NOとは言えない。
 ……と言うか、圧が凄いッ!
 例え、ヴィサラがアルラウネではなく、ピクミ……的な何かを思い浮かべていたとしても、ここは話を合わせるしかない。
 故に、コクコク。
 激しく、コクコク。
 首がもぎ取れそうな勢いで、激しく同意ッ!
 その上、瞳をキラキラ。
 『私は味方、味方なの♪』と言わんばかりに、円らな瞳をキラつかせた。
「アルウラネは貴重な触媒になるのでね。……これは私が頂こう」
 次の瞬間、シーザーが表情ひとつ変えず、オーラセイバーでアルラウネを瞬殺ッ!
「……!」
 アルラウネ自身も何が起こったのか分からず、アルラウネ汁を撒き散らして息絶えた。
 それでも、シーザーはまったく気にしていない様子で、アルラウネだったモノを麻袋の中に詰めるのだった。

●嬉し恥ずかしドラゴンブレス
「なあ、チコル……。私が真の姿(炎竜)になって、尻尾をステーキにすれば、この問題は解決じゃないか?」
 ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)が、頭の中にテールステーキを思い浮かべた。
 美味しいか、どうかは別として、同じドラゴンなのだから、似たような感じのはず。
 例え、美味しくなかったとしても、一流ショフの手に掛かれば、美味しく仕上がりそうな予感であった。
「ユーリの尻尾って食べれるの!? い、痛くないの……?」
 その途端、チコル・フワッフル(もふもふウサキツネ・f09826)が、何となく自分の尻尾を、そっと足の間に挟む。
 そもそも、斬られた尻尾が生えてくるのか、疑問である。
 それに、生えてこないのであれば、その傷跡を見るたび、ションボリしてしまう。
 そんな気持ちになってまで、ドラゴンステーキを食べたいとは思っていない。
「いや、別にチコルを悲しませるつもりはなかったんだが……。とにかく、まずは香草を手に入れないとな」
 ユーリが申し訳なさそうにしながら、アルラウネ対策で耳栓をすると、チコルにも耳栓をして、さらに耳を縛り付けた。
「何だか厳重だけど、私は耳がいいから、これくらいが丁度いいのかも」
 チコルが苦笑いを浮かべて、ユーリに視線を送る。
「本当に聞こえていないのか? それじゃ、試してみるぞ。……チコル。愛している」
 その途端、ユーリが恥ずかしそうに頬を染める。
 万が一、これが聞こえるようであれば、アルラウネを引っこ抜く前に、再起不能になってしまう。
「……えっ? 何か言った? ひょっとして、アイス要る? そうだね、ステーキの後は、デザートが欲しいね! あ、でも、今の時期だとアイスは、ちょっと合わないかな? ん? アイス……? あいす……愛……」
 チコルが連想ゲームの如く、似たような言葉を続けていく。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
 次の瞬間、ユーリが顔を真っ赤にしながら、照れ隠しに奇声を響かせ、あらゆる草を抜いて、抜いて、抜きまくった。
 その中にはアルラウネっぽいモノもいたが、気にせず、その場でズンバラリン!
 草原を荒野に変える勢いで、抜いて、抜いて、抜きまくった!
「何だかユーリのやる気が凄い! 私も負けてられないっ」
 チコルも何やら楽しい気持ちになり、ポイポイポポイッと軽装になると、ダッシュで素早く場を駆け回りながら、【シーブズ・ギャンビット】のダガーで邪魔な物を刈り取った。
「有事の際はこれだ! ドラゴニック・エンド! 香辛料でないものは燃やし尽くせ!ファフニール!!」
 そして、ユーリが放った槍の一撃が引き金となり、森の一部が炎に包まれるのであった。

●災厄の足音
「ドラゴンの肉か、俺も興味あったし良いチャンスか」
 一方、エコリアチ・ヤエ(悪魔の呼び声・f00287)はウキウキ気分で、香草摘みに励んでいた。
 辺りは見渡す限り、草、草、草……?
 何やら怪しげな草が『抜いてください』と言わんばかりに自己主張をしていた。
 おそらく、あれがアルラウネ。
 わざと引っこ抜かせて、驚かせるつもりでいるのだろう。
 何やら悪戯心満載で、土の中に隠れて、クスクス笑っていた。
 そのせいで、アルラウネの居場所が丸わかり。
「アルラウネの葉は珍味と聞くけれど……。ドラゴンステーキと合うかも試してみましょうか」
 ニコラ・クローディア(世界を渡る龍賢者・f00091)が、興味津々な様子で手当たり次第に草を抜く。
 しかも、怪しげな草を中心に。
 その中には、毒草などもあったが、多少であれば刺激になり、場合によっては薬にもなるため、採っておいても損はないだろう。
「ぐぎゃあああああああああああああ!」
 次の瞬間、ニコラが香草と間違えて、アルラウネを引っこ抜いた。
 しかし、ニコラは至って、冷静。
「はい、ちょっと黙りましょうねー」
 すぐさま、ニコラが龍闘術で強化した手刀で、サクッとアルラウネを倒す。
「……!」
 それを目の当たりにしたアルラウネが、慌てた様子で口を噤む。
 こちらはエコリアチが抜いたアルラウネ。
 何やらマズイモノを見てしまった感じで、全身から脂汗が止まらない。
「……ん? これはアルラウネじゃないのか?」
 エコリアチがマジマジと、アルラウネに視線を送る。
 その気配を察したアルラウネが、円らな瞳をキラキラ
 『イジめる? イジめないよね』と言わんばかりに、ウルルンモード。
 だが、ニコラは気にせず、アルラウネを手刀で、スパァーン!
 まるで草を刈るように、スパァーンであった。
「おいおい、まてまて、さすがにそれはないだろ」
 そう言ってエコリアチが、別のアルラウネを引っこ抜き、食べる事が出来そうな頭の葉っぱだけを引き千切り、表情ひとつ変えずにポイッと捨てた。
 その途端、地面に転がったアルラウネが、捨てられた子犬のような表情を浮かべ、土の中に潜っていった。
「……えっ? アルラウネ本体は捨てるの?」
 ニコラが驚いた様子で、エコリアチに視線を送る。
「……ああ。こうしておけば、また葉っぱの部分が生えてくるだろ? その時に、また引っこ抜けば、材料に困ることもないしな。それとマンドレイクも食うなよ。こんなに可愛いんだから、大きくなるまで待ってやれ」
 そう言ってエコリアチが、即席移動車にカゴを乗せていく。
「……!」
 その言葉を聞いた途端、アルラウネ達は恐怖した。
 ……またいつか奴らが来る。
 自分達を狩るため、奴らが来ると……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ワイバーン』

POW   :    ワイバーンダイブ
【急降下からの爪の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【毒を帯びた尾による突き刺し】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    飛竜の知恵
【自分の眼下にいる】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ワイバーンブラスト
【急降下】から【咆哮と共に衝撃波】を放ち、【爆風】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●森の王ワイバーン
 ワイバーンは誰と戦っても負けた事が無かった。
 ある意味、怖いモノなし。
 俺様最強ッ!
 ……と言うか、俺に勝てる奴なんていないんじゃね?
 そう思ってしまうほど、強かった。
 そのため、森の動物達からも、尊敬の眼差しを向けられ、何やら気分は王様モード。
 『安心しろ。どんな奴が来ても、俺が蹴散らしてやるッ! つーか、俺……強ぇし! みんなザコばっかだしなッ!』
 そんな上から目線で、踏ん反り返りまくっていた。
 だが、そんな日々も猟兵達が現れた事によって、覆される事になる……。
ナイツ・ディン
「なんかすげーらしいぞ、ココのドラゴン。帝竜直属の親衛隊にしてこの森一帯を治める王だとか。」
『なんだと!?……いや我は魔法学園の出身だが。帝竜の話は聞いたこと有るぞ!?』
動物と話すで話を集める限り、そんな情報が。上がるハードル。

出会ったら様子見。でも第六感がこいつ小物だと言っている。ジャミング能力か……?
「ご機嫌麗しく、竜よ。……ほんとに強いのか?」

念の為出し惜しみなし、全力で竜化の騎士。
強いやつ喰えば更に強くなれそうじゃね?
「ちったあ動揺を抑えろよ、竜化に支障をきたすぞ?」
『格上だろうが喰らうてやろう!ナイツ、お前も喰われろ!』

巨大化して引っ掻いて噛み付いてやろう。先に味見だ。(吸血)


エコリアチ・ヤエ
【ニコラと行動】
新鮮な肉を食うには傷は少なく血を抜いて持ち帰るのが定番だろ?
くっくっく、もも肉やテールもいいがせせりなんかも見れば見るほどうまそうだなお前さん。
俺に美味しく食われるために暴れてくれるなよ俺の食料(捕食者の目)

召喚した死霊蛇竜で羽、体、首と巻き込んで締め上げ。これで敵の攻撃も防げるだろうか。
ニコラが動脈狙いで攻撃を入れるので、その後さらに首を締め上げて血を絞り出す。
自分は前に出ず、後方ポジションからしか攻撃せず。死霊騎士は俺のガードかニコラのサポートに回す。
[アドリブなんでも歓迎]


ニコラ・クローディア
ヤエ(f00287)とコンビ
「血抜きね…つまりきちんと解体すればいいのね?」
狩りは専門外なので、方法はヤエの提案に従う
ワイバーンと対峙しながら情報収集のための観察
一般的なワイバーンの骨格、臓器配置等から医術関連の知識を応用して、この個体を捌くためにナイフ、もとい槍を入れるべき場所を考える
「――抵抗を削ぐための麻酔、迅速な瀉血、安楽死。手順はこれで決まりね」
ヤエが蛇竜でワイバーンの動きを止めたタイミングで一気に畳みかけるわ
麻酔:マヒ攻撃
瀉血:串刺し+スナイパーで頸動脈狙い
ここまでくれば手術と一緒よ…安心なさい、すぐ楽にしてあげるから
ああ、忘れるところだった
「――いただきます♪」
アドリブ歓迎


ロルフ・ロートケプヒェン
あいつ、物理的におれ達を見下してきててなんかムカつくぜ……!
それでも、腐っても森の王者だ、こっちも油断はできねぇな

だけど、それにしても……あの身体つき……
ワイバーンを見て、『赤ずきんの問い』を発動だ!

相手が空を飛んでようとも、おれの声さえ聞こえれば、充分ユーベルコードを発動させられるはずだ

飛んでこっちを見てるワイバーンに、問いかけるぜ
『どうして、お前はそんなに美味しそうなんだ?』
まるで今日、おれ達の糧になるために此処に居るみたいだな?

『大食い』精神丸出しの声音で、相手に『恐怖を与える』ぞ

なんだって、あの翼の根本に、太い足に!
骨の髄まで美味しそうだ……!

※プレ外の言動、他猟兵との連携等大歓迎


ヴィサラ・ヴァイン
ピクミ……アルラウネ、仲間にならなかった……可愛かったのに……ドラゴンステーキ食べて癒されよ……
それにしても空を飛んでるのってズルくないですか?
ゲームでもそんなのいましたよ。空の王者(笑)
まあ私は地上から見てるだけで攻撃できますけど。はい【メドゥーサの魔眼】
身体が一部分でも石になったら、空飛ぶの大変でしょ? 重いし、バランス取りづらいでしょうし

そして彼女は重大な事に気がつく
……石になったらステーキにできないじゃないですか!


有馬・ナオ
宿主さんがお肉を食べたい為に此処にきましゅた…。

(宿主・桜さんはドラゴンの
肉、肉と準備体操中)

桜さん、最近は体にお肉付きすぎて服が合わないでしゅよ。

ギャー、
リボン引っ張らないで(涙)


マリアしゃんと
コンビを組みます。

【Pow】を使い。

飛んでいるワイバーンを
アームドフォートの【一斉発射】で対空放火。

攻撃が来たら、盾を構え
味方を【かばう】【オーラ防御】で耐え凌ぎます。

敵の猛攻が激しければ
UC【アルティメットボディ】
を発動し耐えます。

今回は、宿主の
食い意地が張っているから。

ただでは退きませんよ。


マリア・ハルゼンヌ
【有馬・ナオ】さんと一緒に参加致します。

グルメにドラゴンの肉…
興味深いです。

料理がマンネリ化
していたので。

ここは是非とも、
新しいレシピが
欲しかったので依頼依頼を成功せねば(苦笑)

◾戦闘【WiZ】能力

普段は回復ばかりなので…
攻めに行かせて頂きます。


ワイバーンの攻撃には
紙一重で【見切り】【武器受け】を活用。

攻撃には、新しいスキルを
使って見ます

メイスを【武器改造】し 鉄球
を付けたモーニングスターで
戦います。

中々いい具合…お仕置きには
活用できそうです(女神のような微笑み)

改造武器を振り回し【 衝撃波】でワイバーンを落とせたなら。

UC【 ジャッジメント・クルセイド 】で追撃を掛けます。


ユーリ・ヴォルフ
チコル・フワッフルと行動
アドリブ共闘大歓迎

食す為だけに退治するという依頼は初めてだ
これまでは悪者を倒すという大義名分があった…
お前はステーキになるために倒されるんだ。本当にすまないッ
せめて美味しく頂いてやるから覚悟しろ!

他が戦っている隙に
チコルを一生懸命持ち上げて空を飛ぶ
飛竜の【眼下】よりも上に行くためだ
そして上方まで飛ぶことができたら

「チコル!飛べ!!」
回転し遠心力をつけ速度を上げて
ワイバーンへ向かってチコルを思い切りブン投げる!
命名『チコルズインパクト』!

投げた後も油断はせず
敵が急降下している所を追うように【ドラゴニアン・チェイン】を投じ
勢いに任せて槍で串刺しにする


チコル・フワッフル
ユーリ・ヴォルフと行動
★アドリブ、他猟兵との絡み歓迎!

ユーリはさっき、何て言ってたんだろ?……って考えてたらワイバーンだ!
食べたことないけど、美味しいのかな?
ま、食べてみたら分かるよね!いっくぞー!

ユーリにワイバーンより高い位置まで運んでもらうよ。
空を飛ぶ生き物は、上からの攻撃には慣れてないはず。
うひゃあー、高いね!ユーリ、凄ぉい!よーし、後は任せて!!
ユーリが投げるタイミングに合わせて【ジャンプ】!
【空中戦】と【投擲】で夏陽のダガーをワイバーンに投げ込みながら、【ガチキマイラ】で頭部を変化させて噛み付き攻撃!
がおぉ!がぶがぶ!!

ユーリや他の人が攻撃する際は、邪魔にならないよう気をつけるねっ。


シーザー・ゴールドマン
【POW】
さて、次はワイバーンか。
ワイバーンと言えば、紋章でドラゴンの使用が王家のみしか許されない国で創造された世界もあるが。
この世界では立派なドラゴンの一員のようだね。
ドラゴンの香草焼きの食材になって貰おうか。
戦術
「飛ばれているとやりにくいね。降りてきたまえ」
『サイコキネシス』で上から押さえつけるように地上に墜とします。
墜とした後はオーラセイバーを振るって戦います。
「後に料理が控えている。出来るだけ綺麗な状態で仕留めたいね」


グァンデ・アォ
《アドリブ、連携、苦戦描写、その他何でも歓迎です》
ワイバーンの立派な姿に、思わず見とれちゃうよ。
うーわー、すっごい翼ー……(思わず自分の翼をぱたぱた)

……っと、見とれてる場合じゃないや。ボクも戦わなきゃ!
空を飛んで、ワイバーンの背後をとるよ!
うひゃー、相手がおっきいから、回り込むのも大変!

背後をとったら、サイコキネシスで大きな手のひら型の力場を作って、急降下するワイバーンの尻尾をつかんで引っ張るんだ!
うんとこしょ、どっこいしょ!
背後からなら、攻撃予想もできないでしょ!



●ワイバーンの森
「さて、次はワイバーンか。ワイバーンと言えば、紋章でドラゴンの使用が王家のみしか許されない国で創造された世界もあるが……。この世界では立派なドラゴンの一員のようだね」
 シーザー・ゴールドマン(ダンピールのフォースナイト・f00256)はワイバーンを倒すため、猟兵達を連れて森の奥を目指していた。
 ワイバーンは、この森の王として君臨しており、動物達から絶大な信頼を得ているようだ。
 そのため、猟兵達の存在も動物達を通じて森中に知れ渡り、ワイバーンの耳にも届いているようである。
「なんかすげーらしいぞ、ココのドラゴン。帝竜直属の親衛隊にしてこの森一帯を治める王だとか」
『なんだと!? ……いや我は魔法学園の出身だが。帝竜の話は聞いたこと有るぞ!?』
 ナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)も動物達からワイバーンについての噂を聞き、その事を紅竜ディロに話していた。
 そのたび、ハードルが上がり、ワイバーンが脳内で、神格化された。
 実際には、それほど強くなかったはずのワイバーンが、世界を滅ぼすドラゴンレベルの出世ぶり。
 ただし、ワイバーン自身も、そう思い込んでいるため、まったく問題が無い可能性も高いのだが……。
「まあ、腐っても森の王者だ。油断すると痛い目に遭うかも知れないしな」
 ロルフ・ロートケプヒェン(赤ずきんクン・f08008)が、警戒した様子で辺りを見回した。
 例え、噂程は強くなかったとしても、相手はドラゴン。
 油断をした事によって、ブレス一発で全滅という事態になったら、それこそ笑えない。
「ピクミ……アルラウネ、仲間にならなかった……可愛かったのに……」
 そんな中、ヴィサラ・ヴァイン(人見知りなゴルゴン少女・f00702)が、ションボリとした様子で肩を落とした。
 脳裏に浮かぶのは、沢山のピク……アルラウネ。
 引っこ抜かれて、投げられて、食べられても、ついてくるほど可愛らしい奴らが、ここにはいない。
 それでも、彼らの魂は胸の中で……生きているッ!
「とりあえず、ドラゴンステーキを食べて癒されよ……」
 ヴィサラがサクッと気持ちを切り替え、きょろきょろと辺りを見回した。
 グルメスの話が間違いでなければ、ワイバーンがいるのは、この辺り。
 猟兵達の存在が森中に知れ渡っている事を考えると、ワイバーンが何処かに隠れている可能性も捨てきれない。
「グルメにドラゴンの肉……ですか。実に興味深いです。料理がマンネリ化していたので、ここは是非とも!」
 マリア・ハルゼンヌ(エルフのクレリック・f06545)が、自分自身に気合を入れた。
 この依頼を成功させて、新しいレシピをゲット!
 それが最も重要すべき事。
 ある意味、果たすべき役目であると言えた。
「最近、桜さんは身体にお肉が付き過ぎて、服が合わないので、少し遠慮してほしいところで……ギャー! リボンを引っ張らないで欲しいでしゅ! 別に食べたら駄目という訳でなく、少し遠……わ、わ、分かったでしゅ。分かったでしゅから、それ以上は……ぎゃああああああああああああ!」
 有馬・ナオ(チョコファイター・f10768)が宿主である桜しおんに引っ張られ、今にも泣きそうな様子で悲鳴を上げた。
 既に、しおんの脳内は、肉、肉、肉ッ!
 辺り一面、肉景色と化しているため、ナオの話を全く聞こうとしないようだ。
 それどころか、ナオをズタボロにしてでも、ワイバーンを喰らう気満々でいるため、ナオもションボリモードに突入中ッ!
「まあ、新鮮な肉を食うなら、傷が少なく、血を抜いて持ち帰るのが定番だな」
 エコリアチ・ヤエ(悪魔の呼び声・f00287)が、頭の中でワイバーンとの戦いをシミュレートした。
 果たして、上手く行くだろうか……?
 おそらく、仲間達は何も考えていない。
 最悪、何も考えずボコボコにするのがオチである。
 そうなった場合、ステーキにしても美味しくない。
 それだけは何としても、避けたい事態ッ!
「……血抜きね。つまり、きちんと解体すればいいのね?」
 ニコラ・クローディア(世界を渡る龍賢者・f00091)が、色々と察した様子で答えを返す。
 ハッキリ言って、狩りは専門外。
 それ故に、エコリアチの提案を飲み、なるべくワイバーンを傷つける事なく、仕留める事を心掛けるようにした。
 もちろん、実際に戦闘が起これば、どうなるか分からない。
 場合によっては、ワイバーンが黒コゲ。
 もしくは、それ以上の状態になってしまう可能性も、充分にあるのだから……!
 その場合を考えて、何か対策を考えておく必要がありそうだが、まわりに生えているのは、怪しげなキノコのみ。
 これでワイバーンの代わりになるかどうかは、怪しいところである。
「……とは言え、食す為だけに退治するという依頼は初めてだ。これまでは悪者を倒すという大義名分があったからな」
 ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)が、複雑な気持ちになった。
 別にワイバーンが悪さをしていると言う訳ではないため、その事を考えると罪悪感に苛まれてしまうのだが、ただ単に殺すためでなく、食べるために倒すのだから、あまり深く考える必要がないだろう。
「そう言えばワイバーンって食べた事が無いけど、美味しいのかな? ……って、ワイバーンだ!」
 その途端、チコル・フワッフル(もふもふウサキツネ・f09826)が、驚いた様子で声を上げる。
 ワイバーンは上空で羽をバタつかせ、猟兵達を見下ろしていた。
『俺の命を狙って、この森に足を踏み入れたのは、お前等かッ!』
 次の瞬間、ワイバーンが自らの力を誇示するかのように、グオオオオオオオオオオオオオンと勇ましく咆哮を響かせた。

●森の王降臨ッ!
「うーわー、すっごい翼ー……」
 それを目の当たりにしたグァンデ・アォ(敖 広徳・f10200)が、思わず自分の翼をパタパタさせた。
 しかし、ワイバーンの翼は、それよりも勇ましく、力強かった。
「ご機嫌麗しく、竜よ。……ほんとに強いのか?」
 ナイツがワイバーンに対して、疑いの眼差しを送る。
 ……彼の第六感が言っている。
 コイツは弱い。限りなく、ザコである、と……!
 紅竜ディロも同じ気持ちでいるのか、『いや、コイツ。弱いだろ』と言わんばかりに、生暖かい視線を送っていた。
『馬鹿にするなッ! 俺は強いッ! この森で最強だァァァァァァァァァァァァァァァァァ!』
 そんな空気を察したのか、ワイバーンがムッとした様子で、大地を揺るがす程の勢いで咆哮を響かせた。
 確かに一見すると……強そう。
 何となく、見掛け倒しな気もするが、そこそこ強そうな感じであった。
「……と言うか、さっきから物理的におれ達を見下してきてて、なんかムカつくぜ……! それにしても……あの身体つき……」
 ロルフがワイバーンをマジマジと見つめ、ゴクリと唾を飲み込んだ。
 ワイバーンは見るからに美味しそうで、傭兵達に食べられるために存在しているような印象を受けた。
『な、なんだ、その目は……!』
 それに気づいたワイバーンが、気まずい様子で汗を流す。
 何やらよく分からないが、嫌な予感しかしない。
「それ以前に、空を飛んでるのって、ズルくないですか?」
 ヴィサラもムッとした様子で、ワイバーンをジロリと睨む。
『いや、悪くない。これは俺の……特権だ!』
 ワイバーンが自信に満ちた様子で、エッヘンと胸を張る。
 そもそも、ワイバーンにとって、空を飛ぶのは、息を吸うのと同じ事。
 それ故に何も悪い事ではない。
「飛ばれているとやりにくいね。降りてきたまえ」
 すぐさま、シーザーが【サイコキネシス】を使い、上から押さえつけるようにして地上に堕とそうとした。
『ぐぬぬぬぬっ! 負けてたまるかァァァァァァァァァァァア!』
 ワイバーンが全身の筋肉を隆起させ、必死になって翼をバサつかせた。
「ちったあ動揺を抑えろよ、竜化に支障をきたすぞ?」
『格上だろうが喰らうてやろう! ナイツ、お前も喰われろ!』
 その間にナイツが紅竜ディロに喰われ、巨大な竜の姿になって、ワイバーンに攻撃ッ!
「……っと、見とれてる場合じゃないや。ボクも戦わなきゃ!」
 続いて、グァンデも空を飛び、ワイバーンの背後に回り込むと、【サイコキネシス】で大きな手の平の力場を作り、急降下してワイバーンの尻尾を掴んで引っ張った。
『うぐッ! 何をするゥ!』
 それはワイバーンにとって、予想外の出来事。
「身体が一部分でも石になったら、空を飛ぶの大変でしょ? 重いし、バランス取りづらいでしょうし……。ちょっと石になって見ませんか?」
 すぐさま、ヴィサラが【メドゥーサの魔眼(ペトロゲイズ)】を使い、ワイバーンを石化して、地面にドシンと落下させた。
 だが、そこでヴィサラは気づいた。
 もっとも、重大な事を……!
 石になったら、ステーキに出来ないッ!
 その事実を知った時、ヴィサラの血の気が一気に引いた。
 幸い、ワイバーンの石化はすぐに解けたが、ヴィサラにはその一瞬が、とても長く感じられた。
『こ、殺す気かァァァァァァァァァァアア!』
 ワイバーンも酷く焦った様子で、脂汗をダラリと流す。
 危うく石像と化すところだったため、嫌な汗が止まらない。
 何とか元に戻る事が出来たものの、まだ身体が石化しているような感覚で、身体がガチガチになっていた。
「あのさー、ちょぉーっと、気になったんだけど……。どうして、お前はそんなに美味しそうなんだ? まるで今日、おれ達の糧になるために此処に居るみたいだな? 特に、その翼の根本に、太い足! 骨の髄まで美味しそうだ……!」
 そんな空気を察したロルフが大食い精神丸出しで、ワイバーンに恐怖を与える勢いで、『赤ずきんからの問い(ソコニフレテハイケナイ)』を使う。
『いや、俺は美味くないぞッ! うぐッ! なんだ、この痛みはッ! 何なのだッ!』
 ワイバーンがロルフの問いに答えた途端、激しい痛みに襲われた。
「くっくっく、確かに美味そうだな。もも肉やテールもいいが、せせりなんかも見れば見るほど美味そうだ。まっ、俺に美味しく食われるためにも、暴れてくれるなよ、俺の食料ッ!」
 その間にエコリアチが捕食者の目で、【リザレクト・オブリビオン】を使い、召喚した死霊蛇竜で羽、体、首と巻き込んで、ワイバーンをぎゅぎゅっと締め上げた。
『ぬおおおおおおお! こ、これは動けぬ! 動けぬぞおおおおおおおおおおおお!』
 ワイバーンが必死に暴れても、後の祭り。
 動けば動くほど、死霊蛇竜が締め付け、三途の向こう側で、お婆ちゃんワイバーンが手招きしている姿が見えた。
「――抵抗を削ぐための麻酔、迅速な瀉血、安楽死。手順はこれで決まりね。ここまでくれば手術と一緒よ…安心なさい、すぐ楽にしてあげるから……」
 ニコラがイイ笑顔を浮かべながら、ワイバーンの骨格、臓器配置等から医術関連の知識を応用して、何処から捌くかジックリと観察し始めた。
『ちょっ、待て待て待てッ! まさか俺を喰うのか!?』
 ワイバーンが青ざめた表情を浮かべて、ニコラを二度見。
 だが、ニコラにとって、ワイバーンは、喋る肉。
 それ以上でも、それ以下でもなかった。
「お前はステーキになるために倒されるんだ。本当にすまないッ! せめて美味しく頂いてやるから覚悟しろ!」
 ユーリが申し訳なさそうにしながら、チコルを一生懸命持ち上げて空を飛ぶ。
 そして、回転する事で遠心力をつけ、ワイバーンに向かって思いっきりぶん投げた。
 名付けて『チコルズインパクトッ!』。
 巨大な弾丸と化したチコルが、ワイバーンに直撃ッ!
「がおぉ! がぶがぶ!!」
 それに合わせて、チコルが【ガチキマイラ】を使い、ワイバーンに牙を突き立てた。
「お、美味しいッ!」
 チコルが瞳をランランと輝かせ、ワイバーンに牙を突き立てた。
 この美味さメガトン級ッ!
 そんな言葉が思い浮かんでしまう程、ワイバーンは美味かったッ!
『ちょっ! 待て、待て! 俺は美味くないッ! それは単なる思い込みだッ!』
 ワイバーンが身の危険を感じて、キッパリと言い放つ。
(『……マズイ、コイツらマジだ。マジで俺を喰おうとしていやがるッ!』)
 そのため、ワイバーンは思った。
 こんな事なら、猟兵の前に現れるべきではなかったと……!
 だからと言って、逃げる訳には行かない。
 そもそも、逃げられる訳が無いッ!
 正直言って、荷物を纏めて、帰りたい。
 ……と言うか、頼むから帰らせてくれ!
 そんな気持ちがワイバーンの表情から伝わってきた。
「今回は、宿主の食い意地が張っているから。ただでは退きませんよ」
 しかし、ナオも退けない。
 退ける訳が無い。
 宿主の桜も、ワイバーンを、食べる気満々。
 それよりも、肉、肉、肉であるッ!
『ぐぬっ! だから、待て! 俺はまだ生きているから!』
 ワイバーンが必死に抵抗しても、猟兵達は華麗にスルー。
「さて……それでは、まずは肉を柔らかくしましょうか」
 マリアが眼鏡をキランと輝かせ、メイスを武器改造して、モーニングスターを作り上げ、ワイバーンめがけて勢いよくボンボンボコンと振り下ろした。
『ぐおっ! やめ、やめてくれええええええええええ!』
 そのたび、肉がどんどん柔らかくなり、ワイバーンの鳴き声が辺りに響く。
『こ、このままでは、俺は……俺はあああああああああああああああああああああ! あ……げふっ!』
 そして、ポックリ。
 ワイバーンが、あの世に逝った。
 だが、これで食材ゲット!
 後は宴の準備をするだけとなった!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『いきなり!ドラゴンステーキ』

POW   :    食って食って食いまくれ!!!

SPD   :    ガーッと一気に食いまくれ!!!

WIZ   :    いろんな食べ合わせで美味しく食いまくれ!!!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エコリアチ・ヤエ
想像以上に弱かったが、ドラゴン肉美味いな!
正直どうなるかとも思ったが無事に狩って肉を持ち帰ることが出来て一安心だ。(このなりだが大喜び)
この際だ、いろんな食べ合わせも試してみるか。じゃがいも、にんじん、葉野菜、それに香辛料や香草……そういやアルラウネの香草はどれかな。
美味いならまた野生に戻したやつ、頃合い見て葉っぱもぎ取りに行ってもいいな。
ってニコラお前ここにあった肉いつの間に食った?!これはうかうかしてると食いっぱぐれちまう!!
…なぁ、ニコラ。俺は思ったんだがお前、ドラゴニアンじゃなかったか? これ共喰い…(美味いドラゴンステーキを頬張りながら)


ニコラ・クローディア
「ふふ、ワイバーン肉を無事ゲット…今回は思ってたよりてこずらなかったわね。やっぱり皆で掛ると違うわねぇ」
安堵の笑みを浮かべながら調理を待つ。
ナリこそ上品だが…ドラゴニアンである。一口一口で食べる量が多いので結構な速度で目の前に積まれた肉が消えていくことだろう。
「肉汁でべったべたになったところに…野菜。うん、やっぱり最高ね」
そして食べ方はバランス良く。野菜も適宜口に入れてさっぱりしよう。生野菜もいいよね。
「ワイバーンはワイバーンよ。それ、牛を食べた人間に対して『ヒトが牛食ってる、哺乳類同士の共食いだ!』って言うようなものだから気をつけなさい?」
ヤエの質問にはたしなめる形で答える。


ナイツ・ディン
【POW】
「焼いて喰うのが鉄板だよな。香草焼きだし。」
『喰 わ せ ろ!!』
竜槍の紅竜ディロは自由気ままに食い荒らす。肉食竜もっしゃもっしゃ。
蒼竜ローアはちまちま。竜のわりにお上品に。
小柄な妖精種なのであんまり食べれないが、まあ一人と2匹合わせれば2人前ぐらい平らげる。《串刺し》で纏めてぱくり。
「……香草焼きなら日持ちするかな。こっそり持ち帰ろっと。」
《物を隠す》、《盗み》、《目立たない》、《忍び足》で他の猟兵の眼を盗んで数個、持ち帰りタッパーにでも突っ込んでいく。

「美味しかったな、竜。」
『――だから喰いたそうな眼をするな貴様ら!』
ディロが他の猟兵に狙われる前に撤退しよう。お土産抱えて。


チコル・フワッフル
★アドリブ、他猟兵との絡み歓迎!

ユーリは急用があるって帰っちゃったから、ユーリの分もモリモリ食べるよ!
さっき齧っただけでも凄く美味しかったのに、しっかり調理されたお肉はどれだけ美味しいんだろう?わくわくする!

準備が整ったら【野生の感】で美味しく焼けてるお肉を探し【ダッシュ】で確保!
私達が倒したんだから、しっかり食べ尽くさないとね。
いただきまーす!

一口噛めば口内にお肉の旨味が広がる……!
お、美味しいーーー!!
尻尾をパタパタ振りながら、スピーディーにぱくぱく食べていくよっ。
ドラゴンステーキってこんなに美味しいんだ!
クセになっちゃいそう♪

食べ終わったら、おかわり!
お肉が無くなるまで、食べまくるよっ!


ロルフ・ロートケプヒェン
やったー!!!待ちに待ってた肉タイムだぜ!!!

もちろん、ドラゴン肉は、豪快にステーキにして食いたいな
おれはモモ肉のところが良いな
きっとよく動かしてて、肉の質も良いんだろうな

だけど、手羽元?をカリッと揚げても旨そうだな
舌も、普通の牛とかよりもガッツリとれそうだし、生でも食えるんならおれ、竜刺しにしてぇ!!!

くう、捨てるところが無さそうだぜ
皆はどうやって食うのかな?

皆の食べ方も真似したり、皆にもステーキを勧めたりするぞ

なんたって、皆の力を合わせて仕留めた大物だからな
皆で、無駄なく美味しく、食べ尽くさなきゃあ損ってもんだろ!

※プレ外の言動、他猟兵との絡み等大歓迎


シーザー・ゴールドマン
さあ、ドラゴンの香草焼きを味わうとしようか。
ステーキに合う赤ワインを[世界知識]に照らし合わせて用意しておこう。

美味いね。苦労……はしていないが、まあ、運動後だしね。
うん、ワインにも合う。
グルメス君は満足かな?
まだまだ、他の料理のアイデアがあるのではないかね。


ヴィサラ・ヴァイン
ドラゴンさんが何か言ってた気がするけど、私は気にしません(聞き耳1動物と話す1)
そんな事よりドラゴンステーキだ! 香草のピク…アルラウネも一緒にです! 多少の毒とか私気にしませんから(毒耐性15)
とにかくぱくぱく食べます。私料理とか出来ないのでそこは人任せですが……頑張って食べ専やりますよ!
頭の蛇にもステーキを食べさせます。蛇さんも労ってあげないとね! 恥ずかしいので隠れ隠れ食べてもらいますけど
蛇「しゅー(今回何もしてないけどな……)」
あ、その部分の肉美味しそう(【隠された恐怖】で素早く蛇を伸ばして回収)
いやあ、めっちゃ美味しかったです。これはまたドラゴンさん狩らないとですね!
アドリブ歓迎



●グルメスの宴
「これが噂のワイバーンかッ! さすが猟兵ッ! 俺が見込んだだけはあるッ! だが、お前達がいなければワイバーンを手に入れる事は出来なかったッ! そういった意味でも、これはお前達の手柄ッ! お前達の実力で勝ち取った勝利ッ! 故に、俺から褒美をやろうッ! 鶏、豚、羊、牛の肉だッ! 良かったら、食べ比べをしてくれ! もちろん、サラダも用意したから、好きなだけ食べてくれ!」
 自称・グルメキングであるグルメスが、自分の宮殿に猟兵達を招待して、上機嫌な様子で料理を振舞った。
 部屋の中央に置かれているのは、ドラゴンの香草焼きッ!
 それを囲むようにして並ぶのは、沢山の肉料理。
 そして、野菜、野菜、マンドレイクッ!
 何処かで紛れ込んだのか、野菜籠の中にマンドレイクが入っていた。
 それを心配そうに見つめるのは、頭の草を引き千切られたアルラウネ達であった。
 いますぐ助けに行きたい気持ちはあるものの、何やら死亡フラグが立ちそうな雰囲気が漂っているため、ガタブルと身体を震わせていた。
「やったー!!! 待ちに待った肉タイムだぜ!!! おれはモモ肉のところが良いな」
 そんな中、ロルフ・ロートケプヒェン(赤ずきんクン・f08008)がワイバーンのモモ肉に齧りつき、幸せそうな表情を浮かべた。
 ワイバーンのモモ肉は肉質も良く食べ応えもあり、噛めば噛むほど旨味が口の中に広がった。
 しかも、鼻から抜ける香草のニオイが食欲を増進させ、いくら食べてもまったく飽きが来なかった。
「焼いて喰うのが鉄板だよな。香草焼きだし」
『喰 わ せ ろ!!』
 ナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)も、鉄板の上でワイバーンの肉を焼き、それを串刺しにして美味しそうにパクついた。
 竜槍の紅竜ディロも自由気ままにワイバーンの肉を喰らい、もっしゃもっしゃと口を動かした。
『う、美味いっ!』
 紅竜ディロが両目をカッと見開き、今にも旨味の光柱が立ちそうな勢いで、天井ギリギリのところまでブレスを吐いた。
 特に香草が良いアクセントになっており、ワイバーン特有の臭みを掻き消し、旨味を倍増させていた。
 蒼竜ローアもワイバーンの肉をパクつき、幸せそうな表情を浮かべていた。
「やはり、ドラゴンの香草焼きにワインが合う。特に、この赤が……」
 シーザー・ゴールドマン(ダンピールのフォースナイト・f00256)も上機嫌な様子で、ドラゴンの香草焼きを食べながら、赤ワインを口に含む。
 グラスに注がれた赤ワイン越しに見えるのは、マンドレイクの姿。
 何やら興味津々な様子で、こちらを見ているため、何か食べたいのかも知れない。
 だが、マンドレイクの主食が、何なのか分からない。
 頭の上に沢山のハテナマークが浮かぶ中、物陰に隠れて様子を窺っていたアルラウネ達が、妙にソワソワ、オロオロ。
 『絶対、ヤバイ! ヤバイから!』と言わんばかりに、誰かをチラ見しつつ、マンドレイクを手招きしていた。
「それにしても、想像以上に弱かったな。だが、ドラゴン肉美味いな! 正直、どうなるかとも思ったが無事に狩って肉を持ち帰ることが出来て一安心だ。この際だ、いろんな食べ合わせも試してみるか」
 その視線に何となく気づきつつ、エコリアチ・ヤエ(悪魔の呼び声・f00287)も、じゃがいも、にんじん、葉野菜、香辛料や、香草、アルラウネの香草など使い、色々な食べ合わせを試してみた。
 どれも美味いが、アルラウネの香草が、一番美味いッ!
 マンドレイクもエコリアチから貰ったカリカリを食べつつ、何やら納得した様子でウンウンと頷いていた。
「!!!!!!!!」
 これにはアルラウネ達も、二度見。
 『そいつが一番ヤバイッ!』とばかりにハンドサインを送っているものの、マンドレイクはカリカリに夢中ッ!
 そのため、アルラウネ達が物陰に隠れたまま、『ヤバイ、ヤバイ、ヤバイッ!』と言わんばかりに、身体をクネクネさせていた。
「確かに、今回は思ってたより、てこずらなかったわね。やっぱり皆で掛ると違うわねぇ」
 ニコラ・クローディア(世界を渡る龍賢者・f00091)も安堵の溜息を漏らしながら、ドラゴンの香草焼きを口に運ぶ。
 ナリこそ上品ではあるものの、ニコラはドラゴニアン。
 一口一口食べる量が多いため、かなりの速度で目の前に積まれて肉が消えていく。
 その途中でニコラがマンドレイクと目が合った。
「……」
 ニコラがじーっと、マンドレイクを睨む。
「……?」
 しかし、マンドレイクは、頭上にハテナ。
「……」
 ニコラが、さらにマンドレイクを、ガン見。
「……!」
 マンドレイクは思った。
 ひょっとして、サラダ代わりに食べられてしまうのでは、と……。
「とりあえず、肉ッ!」
 ニコラが肉とマンドレイクを天秤に乗せ、肉を食べる事を優先した。
 その間にマンドレイクが、トンズラダッシュ。
 ようやく自分の置かれている状況を理解したのか、アルラウネ達に飛びつき、ガタブルと身体を震わせた。
「……って、ニコラ。お前、ここにあった肉、いつの間に食った?! これはウカウカしてると、食いっぱぐれちまう!!
 エコリアチがハッとした表情を浮かべ、何かに取り憑かれた様子で肉を喰らう。
 ニコラは気にせず、肉を口に運んでいるが、そのスピードは半端ない。
「みんな盛り上がっているね♪ ユーリは急用があるって帰っちゃったから、ユーリの分もモリモリ食べるよ! さっき齧っただけでも凄く美味しかったのに、しっかり調理されたお肉はどれだけ美味しいんだろう? わくわくする!」
 一方、チコル・フワッフル(もふもふウサキツネ・f09826)が野生の勘で、美味しく焼けている肉を見つけ、ダッシュで肉を確保した。
 その途端、脳裏に浮かんだのは、ユーリの笑顔。
(「私達が倒したんだから、しっかり食べ尽くさないとね」)
 そんな事を考えながら、ワイバーンの肉を噛みつき、口の中に広がった旨味で、自然と尻尾がパタついた。
 ここまでウマイと味わって食べようと言う気持ちが無くなり、スピーティにパクつく事こそ正義であるかのように思えてきた。
「きっと、ワイバーンさんも、あの世で喜んでいるでしょうね。こんなに美味しく料理してもらえたのですから♪」
 ヴィサラ・ヴァイン(大蛇を殺すゴルゴン・f00702)も、アルラウネ達と一緒にパクパク、モグモグ。
 こちらのアルラウネは、此処に来る途中で仲良くなった亜種ラウネ。
 何故か赤、青、黄とアルラウネにあるまじき色合いをしているが、ヴィサラはまったく気にしていない。
 むしろ、これがスタンダードと言わんばかりに、仲良しである。
「確かに美味いなッ! この手羽先もカリッと揚がっていて美味いし、この舌なんて牛以上の旨味があるしなッ! 生でも食えるんなら、竜刺しにしてぇ!!! くう、捨てるところが無さそうだぜ。こりゃあ、皆で、無駄なく美味しく、食べ尽くさなきゃあ、損ってもんだろ!」
 ロルフが天にも昇るような気持ちになりながら、次から次へと肉を口に運んでいく。
 しかも、タレが特にウマイ!
 グルメスによって、各地から色々なタレが集められている事もあり、いくら食べても飽きがこない。
 それどころか、もっと食べたいと思ってしまう程の美味しさである。
「蛇さんも労ってあげないとね! 恥ずかしいので隠れ隠れ食べてもらいますけど……」
 ヴィサラが頭の蛇を隠すようにして、ちょこちょこと肉を運んでいく。
「しゅー(今回何もしてないけどな……)」
 頭の蛇が複雑な気持ちになりつつ、肉を美味しそうにパクついた。
 その味が忘れられないほど美味しかったため、またドラゴンが狩りたくなった。
「肉汁でべったべたになったところに……野菜。うん、やっぱり最高ね」
 そんな中、ニコラが口直しにサラダを頬張り、サッパリした様子でニコリと笑う。
「……なぁ、ニコラ。俺は思ったんだが、お前……ドラゴニアンじゃなかったか? これ共喰い……」
 エコリアチがステーキを頬張りながら、気まずい様子でニコラにツッコミを入れた。
「ワイバーンはワイバーンよ。それ、牛を食べた人間に対して『ヒトが牛食ってる、哺乳類同士の共食いだ!』って言うようなものだから気をつけなさい?」
 ニコラがエコリアチをたしなめながら、再びステーキを口にした。
「まあ、これだけ美味しいんだから、思わず食べちゃうよね。ホント、クセになっちゃいそう♪ ユーリにも御土産を持っていこうっと♪」
 一方、チコルは上機嫌な様子で、料理をタッパーに詰めていた。
「……香草焼きなら、日持ちするかな。せっかくだから持って帰るか」
 ナイツも妙に納得した様子で、串刺しにした肉を、タッパーに移し替えた。
 紅竜ディロも『なるべく、多めにな』と言わんばかりに、睨みを利かす。
「お、共食いか。お前も食われないようにしておけよ、竜」
 ナイツが軽く冗談を言いながら、紅竜ディロにサッと視線を送る。
『――当たり前だッ! だから喰いたそうな眼をするな、貴様ら!』
 その途端、紅竜ディロが身の危険を感じて、猟兵達をジロリと睨む。
「ハッハッハッハッ! 食べる訳がないだろ。少なくとも今は……」
 グルメスが上機嫌な様子で高笑いを響かせ、瞳をキランと輝かせた。
『我は美味くないぞッ!』
 そのため、紅竜ディロが火花をバチバチ。
 グルメス的には軽いジョークだったようだが、そう受け取る事が出来ない程、彼の目が笑っていなかった。
「グルメス君は満足かな? まだまだ、他の料理のアイデアがあるのではないかね」
 シーザーが何やら察した様子で、グルメスに視線を送る。
 さすがに、これで終わりだとは思えない。
 むしろ、始まり。
 すべての始まりのように思えた。
「ああ、もちろん。この世界には俺が食べた事のない食材が山ほどあるッ! それを食べて尽くすまで、俺の胃袋が満たされる事はないッ! その時は、また協力してくれ! お前達がいたからこそ、今回の料理を胃袋に収める事が出来たッ! だからこそ、俺にとってお前達は必要な存在なのだからなッ!」
 そう言ってグルメスがドラゴンの香草焼きに食らいつき、猟兵達に対して期待の眼差しを送るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト