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四国遠征~こんぴらさん~

#シルバーレイン

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#シルバーレイン


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 長い石段を昇れば、いずれは本宮が見えてくるはず……だがその期待は裏切られる。神宮に潜り込んだゴーストの笑い声が響く限り、迷宮と化した境内から出ることも目的地へたどり着くこともできない。
「往けるのはあの世だけ……」
 繰り返し、繰り返し、響く笑い声。
「この世へは返してやらぬ。我が汚染した土地に足を踏み入れた生者は、その命を捧ぐまで永遠に迷い続けるがよい……」

「シルバーレインには対ゴースト組織がいくつかあって、四国の天輪教というのもそのひとつらしい。今回は彼らからの依頼でね。山の上にある神社周辺地域に霊石というアイテムを使ってゴーストを閉じ込め、人払いをしたまではいいものの、内部を罠だらけの迷宮に変えられてしまったことで手がつけられない状況みたいなんだ」
 麒・嵐(東方妖怪の冒険商人・f29276)によれば、罠の種類は大きく分けて2つ。
「ひとつは、永遠に続く石段や上下が逆になった建物みたいな場所に関する罠。ふたつめは、ゴーストの放った分身の影がわらわらと湧き出してくるお邪魔虫の罠。これが合わさると、非常に面倒なことになる。正解の道を探し出すのを分身が邪魔してくるし、分身は地形を熟知しているから奇妙に変形したこの迷宮を味方につけて戦うようだ。境内のどこかには迷宮を無効にするお守りが隠されているらしいけど、果たしてどこにあることやら」

 閉じ込められているゴーストは『シラバキ』という名前で、仮面を纏っている。その怨念は果てしなく、生者への憎しみと恨みで周辺の土地を汚してゆくのだ。
「見事シラバキを討伐できれば、後はお楽しみ。大規模な人払いをしたりして、地域の人々も不安になっている。それを誤魔化し――じゃなかった、普段通りの生活を取り戻してもらいやすくするためにも、皆が率先して楽しんでくれたらいい雰囲気づくりになるだろうというわけ」
 頼んだよ、と嵐は言った。
「観光がてら、楽しんできなよ」


ツヅキ
 プレイング受付期間:常時。タイミングによっては他の参加者と一緒にリプレイを執筆する場合があります。
 継続・飛び込みどちらも歓迎です。
 共同プレイングをかけられる場合はプレイング冒頭にお相手の呼び名とID・もしくは団体名をご記載ください。

●金刀比羅宮周辺地域
 既に人払いは済んでおり、派手に戦っても問題ありません。事件が解決できれば、第3章で周辺地域の観光を行うことができるようになります。
 内部は罠が満載の迷宮となっており、ボスの元へたどり着くか罠を無効化するお守りを見つけることで無効化できます。
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第1章 冒険 『オブリビオン迷宮』

POW   :    湧いて出てくる敵を倒しながら進む

SPD   :    仕掛けられた罠を解除する

WIZ   :    敵の魔力を探知し、ボスの居場所を探す

イラスト:十姉妹

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

大倉・新月
なつかしい、黴と死臭の匂い
詠唱銀を残留思念に……ふふ、何年振りかしら

境内で正解の道を探しましょう
こういうときは、断末魔の瞳が役に立……ええ?そんな能力はない?
(スカルロードに無言で突っ込まれて)
仕方ないわね、地道に歩いてヒントを探るわ
美術室に胸像があったように、神社にも不自然な配置のオブジェがあるかもしれない
お守りが隠されてるかもしれないから、注意深く…時には大胆に壊しましょう

戦う必要がなくともここなら迷惑をかけないだろうから、
お邪魔虫には腕が鈍っていないか試し撃ちさせてもらうわね
ミヅキちゃんも、骨が鈍ってないか試し斬りしていってね
ああ……昔みたいで、本当に楽しい

*アドリブ等歓迎


馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風

まあねー、放っておけませんのでー。行きますかー。

迷宮ですかー。陰海月、おいでなさいなー。
陰海月には解くのに集中してもらいますのでー、結界張って。
そして、お邪魔虫わらわらですよね、つまりは数が多い。

その幸運も霊力も生命力もいただきましょう。これで不意を受けづらくなりますしねー?
で、まあ漆黒風を投擲していきましょうかー。陰海月の邪魔はさせませんのでー。


陰海月、迷宮大好き!ぷきゅぷきゅ解く。
もし、行き先にお邪魔虫いたら、なぎ払う。



 見渡す限り、景色はどこまでも続くような錯覚に陥ること間違いなしの場所だった。大倉・新月(トータルエクリプス・f35688)は鼻先を掠めるつんとした匂いに懐かしさを覚える。
 黴と死臭、日常と隣り合わせにある死に属する者たちの発するそれ……微かに笑ってしまった。もう何年振りになるのか、指を折って数えたい気分になる。
「こういうのー、放っておけないたちでしてねー」
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は肩上に陰海月を纏い、颯爽と石段を駆け登る。指の間に挟んだ棒手裏剣を擲ってヴェールのように舞う影絵を仕留めては、先へ。
「結界を張っても張ってもきりがありませんねー、ですがいつまで持ちますかねー」
 いい加減に、敵は学習すべきだろう。棒手裏剣――即ち漆黒風を受ける度に彼らは奈落へと近づき、義透は幸運や霊力に恵まれるのだということを。
「さて、正解の道はどこかしら? こういう時はやっぱり断末魔の瞳が役に立……」
 だが、傍らのスカルロードが残念そうに首を振った。
「ええ? そんな能力はない? じゃあ、地道に歩いてヒントを探るしかないじゃないの。ご同行の海月さんはもう答えがわかったのかしら」
「ぷきゅぷきゅっ」
 首を振る影海月。
「ぷきゅきゅ、きゅ!」
 だが、目星はついたようでふわふわと鳥居をくぐって先に進むのだった。螺旋状にぐるりと巡る石段の旅はいまだ終わりが見えない。
「そういえば、美術室には胸像があったわね。ああいう不自然な配置のオブジェを壊せばお守りが隠されているかもしれないわ」
「なるほど、一理ありますねー。陰海月、心当たりはありますかー?」
「ぷきゅっ」
 陰海月は行く手を阻む分身を薙ぎ払うように体当たりして、ぐるぐると狭い隙間まで潜り込んでゆく。周囲に不穏な気配を察し、新月が声を上げた。
「! 敵が集まってきたわ。もしかして正解が近いんじゃない?」
 どこか嬉しそうにキューブ型のケースを開き、中から取り出した自動拳銃を構える。さて、腕は鈍ってやしないだろうか。
「ミヅキちゃんも、骨は鈍ってないわよね?」
 ――無論、とミヅキの白刃が先陣を切って分身の影を斬り捨てた。新月はミヅキに背を預け、小気味よく銃弾を撃ち放つ。蜂の巣になった影が消え失せ、「ふぅ」と自然に微笑みがこぼれた。昔を思い出して、気分が高揚する。
「ぷきゅぷきゅ」
 陰海月に呼ばれた義透はどれ、と石碑の前に膝をついた。どうやら、運よくお守りのある場所にたどり着いたらしい。
「よくやりましたねー」
 義透に褒められた陰海月が嬉しそうに跳ねた。
「それじゃ、壊すわよ。こういうのは大胆にいかなくちゃ!」
 それっと、強引に突き倒して壊すと地面の穴から組紐で封された小箱が出てくる。義透が中を空けると、白絹で織られたお守りが現れた。
「これはこれはー」
 効果は覿面で、境内はあっという間に元の正常さを取り戻す。これを持っている者には効かない幻術といったところなのだろう。
「あれを見てください、本宮に明かりがついてますねー」
「本当だわ……よし、いきましょう」
 新月の背をミヅキが付かず離れずついてゆく。ああ、と新月は思った。昔みたいで、本当に楽しい……と。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ユッピ・ユピテール
◎アドリブ&連携OK!

これはゴーストタウンにある仕掛けみたいなものだろう!
……ユノが説いてたようにやれば、きっと罠🪤も解けるはず!

……ユノ!私を操ってほしい!君の判断なら間違いないからね!(ユーベルコード)

私が敵を倒す、ユノが罠の仕掛けを私を動かして解けば、きっと進めるはず!

(バーチャルキャラ・ユノ)
ゆっぴ、たぶん階段のループになっている境界、上下で異なる場所があるから、そこにいる地縛霊か残留思念に注意してみて?なにかある?

(罠に対応)
むむ!これがそれか!
私に任せてくれ!

(御守りも一緒に探して、罠を突破しよう)


儀水・芽亜
ふむ、『ラビュリントス』ですか。時間稼ぎには有効な手段です。
だからといって迷子になるつもりはありません。

「偵察」がてら地図を書いていき、不自然に重合する部分を重点的に「審美眼」で探りましょう。どうせ迷宮を造るのなら、美学を持って。
空間の歪みを見つけられたら、裁断鋏『Gemeinde』で空間を切り裂きます。
これで迷宮から出られたらいいのですけどね。
二重、三重の迷宮構成になっているくらいは覚悟しています。それでも足は止めず、出口を探しますよ。
やることは変わらず、地道なマッピングです。

単調な仕事は慣れていますから。出口が見えるまで淡々と歩みを進め、必ずやこの迷宮を乗り越えてみせましょう。



 まっしろでふわふわした体を好奇心いっぱいに膨らませたユッピ・ユピテール(モーラットヒーロー・f35358)は、「なるほどわかったぞ」とばかりに両腕を組み合わせて頷いた。
「……ユノ!」
「どうしたのゆっぴ?」
「あれを思い出す」
「あれって?」
「ゴーストタウンにある仕掛けだ!」
 ピンクの指先をピッと掲げ、ユッピはくるくると周囲を回り始める。
「さあ、敵はどこからやってくる? そちらは任せろ、そしてユノには私を操って罠の仕掛けを何とかしてほしい!」
「わかったよ、ゆっぴ」
 小さな妖精のようなバーチャルキャラがにっこりと笑って頷いた。
「地図によれば、このあたりが不自然に重複しているようですね」
 儀水・芽亜(共に見る希望の夢・f35644)は手書きの地図を書き込み、ペンの先を顎に寄せて小首を傾げる。
 ――ラビュリントス。
 確かに時間稼ぎには相応しい手段ではある。しかしながら、おとなしく付き合ってあげるほどには芽亜も暇を持て余しているわけではないのだ。
 ぴん、ときたユノが右手の棒で地図の階段辺りを示した。
「ここ、階段のループになっている境界、上下で異なる場所があるみたい。ゆっぴ、いってみてくれる?」
「ああ!」
 ユッピが空を飛ぶとマントが翻り、中から飛び出した刃が迫る影らを颯爽と切り裂いた。ユノの指摘通りに癒着した空間を切り離すのは芽亜の操る細身の軍刀を思わせる鋏で、布を切るのと同じ要領で真っ二つにしてしまう。
「空間の向こうにもうひとつ、階段が続いていますね」
 芽亜は奥をのぞき込み、その先に広がる光景を説明する。
「それにひと際おおきな鳥居が見えます。このまま進んでみましょうか」
 手書きの地図に新たな道を書き加え、くすりと微笑む。幾重にも空間が被さっているせいで地図の書き込み量も半端でない。だが、己の審美眼によって隠された謎を解こうとする作業は意外と楽しいものでもあった。
「ゆっぴ、あそこ、残留思念みたいな気配を感じるよ」
「むむ! あれだな!」
 不自然に建つ石碑の周囲を注意深く探ったユッピは、その裏側にスイッチのようなものがあるのを発見。
「オン!」
 現れたのは複数の影が繋がって出来た凧のような分身であった。
「がんばって、ゆっぴ」
「任せてくれ!」
 マントから迸る刃が影を打ち倒し、石碑の下に隠されていた木箱からお守りを入手する。誇らしげにそれを掲げるゆっぴを中心に迷宮が解かれ、正常な空間が戻ってきた。
「あれは……」
 芽亜は遠くに見える別宮に幽然と灯る明かりを見た。
「あそこが出口でしょうか。いってみましょう」
 元の空間に戻ってもなお、石段は長く淡々とした道が続いてゆく。だが、こうした地道で単調な歩みはむしろ芽亜の得意とするところであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『シラバキ』

POW   :    拡大性シラバキさま
【感染性呪詛の塊 】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【呪詛】を放ち続ける。
SPD   :    純粋呪詛存在
自身の身体部位ひとつを【純粋なる呪詛 】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    霊的汚染地帯
【撃ち出した「呪詛の塊」 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を呪い、霊的に汚染して】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:小林蕪

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 まさか、とシラバキは驚いていた。
「我の迷宮を破った者がおるのか……彼らはもうすぐやってくる……我に汚染されし宮に……この場所に……」
 そこはひとつの大きな広間の四方をぐるりと取り囲む形で廊下が続く作りをした宮であった。
 シラバキはこの廊下を自在に行き来して敵の背後を取ることができる。地形の利が我にあることを確信したように、ゆらりと揺らめきながら今も移動し続けている。
「往けるのはあの世だけ……」
 笑う声、揺れる影――。
馬県・義透
人格交代
第二『静かなる者』霊力使いの武士
一人称:私 冷静沈着
武器:白雪林

ここからは私が。陰海月(生者)は、影へと退避なさいな。

このままでは地の利は向こうにありますから…即座に先制攻撃で【四悪霊・水】を使用して、場をこちらへと引き寄せます。
ええ、相手はオブリビオンである以上、絶対に適応できませんので。
ああ、見つけましたよ。白雪林による破魔の霊力矢を射かけましょう。

四天霊障による破魔のオーラ防御に結界術で守りは固めていますので。その呪詛の塊は甘んじて食らいましょう。
…しかし、どう悪霊を呪うおつもりで?『我ら』は死者、あの世には一度行ってますが?(呪詛耐性)

ここは、今を生きる者の場所ですよ。


儀水・芽亜
これはまた、私にはお誂え向きのオブリビオン。いいでしょう、綺麗さっぱり討滅して差し上げます。

座敷の四方を囲む廊下の空間を出入りするなら、私は座敷の真ん中に陣取るまで。
「全力魔法」破魔の「属性攻撃」「範囲攻撃」「呪詛耐性」「除霊」でサイコフィールド。この一角は十分覆えるはずです。あなたの呪詛そのものを、「呪詛耐性」で解体してみせますよ。

敵が背後を取ってくることは想定内。背後へバックステップして距離を無くし、閉じた状態の『Gemeinde』を逆手に掴んで突き刺します。

せめてその仮面を叩き割りたいものですけど、先人が施した封印かもしれませんしね。欲張りは禁物です。
さあ、このまま静かに朽ちてください。



 さらりと前髪が靡き、再び顔が見えるようになった時にはもう馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の顔つきは別人へと変わっていた。
「さあ、お前は影へと退避なさいな」
 陰海月が少し名残惜しそうに去るのを待ってから、義透の頭上を水の鳥が飛び回り始める。足を踏み出すごと紡がれる呪文が別宮に踏み込むのと同時に発動、降り注ぐ氷の羽がもたらす氷原へと周囲の環境を作り変えてしまった。
「ほう……!? 何が起こった? この氷原はいったい?」
 シラバキの注意がその瞬間、儀水・芽亜(共に見る希望の夢・f35644)から完全に逸れたのが仇となる。
「中央は頂きましたよ」
 芽亜は躊躇いなく、座敷の真ん中を陣取った。一瞬にして、あらゆる守りを固めた悪霊お断りの結界が完成する。
「うぬ……!?」
 シラバキの足元から浸食するはずの呪詛を鴇色の炎が押し返すように揺らめいた。
「もはや呪詛は効きません。どれだけ押し寄せようと、端から解体してゆくだけです」
 裾から燃え移る炎が身体を這い上がる前にシラバキは半身を切り捨て、後ろ向きに廊下へと逃げ込んだ。みるみるうちに全身を縮め、呪詛の塊となって再び広間へと姿を現すも、義透の霊障に侵入を阻まれる。
「ぬッ」
 なんだこれは、と言わんばかりの狼狽を見せるシラバキに義透は説明してやった。
「破魔の効果を乗せた『我ら』の“無念”が齎す護りでありますよ。……しかし、そもそもの話としてどう悪霊を呪うおつもりで?」
 くすくすと義透は笑い、両手を広げて遠きを見つめる。
「『我ら』は死者、そう……だからこそあなたに告げましょう。ここは、今を生きる者の場所ですよ」
 引き分けた長弓より放たれた霊矢がシラバキの眉間を貫いた。
「ぐあッ!」
 よろめきながら、ぐるぐると廊下を彷徨い芽亜の背後へ再び姿を現す。芽亜は避けるどころか逆に後ろ向きに跳んで距離を詰めるとそのまま――振り返らぬままに逆手に掴んだ裁断鋏を渾身の力で突き刺してやるのだった。
「お、おのれおのれ……」
「あまり騒がれると、その仮面を叩き割ってやりたくなってしまいます。欲張って先人が施した封印を解いてしまうような事態は避けたいですからね」
 しっ、と芽亜は可愛らしく人差し指を唇に押し当てた。
「お静かに。さあ、このまま綺麗さっぱり朽ち果ててください」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大倉・新月
連携・アドリブ歓迎

霊媒士としては、呪霊を祓ってあげたいところだけれど…
ひとまず呪詛耐性で耐えつつ活路を拓く方向性で行くわ
UCを伴う場合はミヅキちゃんを盾にして、受けたものを活用しましょう
そうしたら、戦場が呪詛まみれになるわね……
ふふ、うふふふ……楽しいわねぇ……

私は私でガンナイフからの誘導弾や、接近できたら零距離射撃でダメージを与えていく…
地味だけど、ダメージソースは確保しておかないと

まだね、あの世へは行けないの
それはシラバキさんも同じだと思うけれど
あの世へ行けない者同士、もうちょっとここで遊んでいましょう?
どっちが嫌になってあの世に行くか、根競べ
私、ミヅキちゃんと一緒なら無限に居てもいいわ



「話には聞いてたけど、ものすごい呪詛ね……ッ」
 大倉・新月(トータルエクリプス・f35688)の髪や服といったあらゆる物が吹き荒ぶ呪詛の嵐に翻弄されてはためいた。
「死出の旅へ出よ……早う、早う――」
「おあいにく様ね、霊媒士に向かって言うセリフじゃないわ。ミヅキちゃん、あなたの鎌で全ての呪詛を受け止めて?」
 ゆらりと前に出たスカルロードの満月は新月を守るようにその身を晒す。まるで自らが鏡界となるべくして、受け止めた呪詛をそのまま映し返したのだった。
「ぬ……!?」
 夥しい呪詛の波に押され、さすがのシラバキも驚嘆に慄いた。
「我の呪詛を跳ね返したというのか」
「正確に言えば、一度受け止めてから再現したというほうが正しいかしらね? ほら、私はもうここにいるわよ。あなたのすぐ近くにね……」
 満月に意識が行き過ぎていたシラバキの、もう眼前に新月が迫っていた。問答無用で胸元に銃口を押し付け、連続で接射。穿たれた破片が飛び散った周囲に闇色の染みを齎した。
「ぐぬッ」
「まだね、あの世へは行けないの」
 新月は二丁のガンナイフを構え直し、誘導弾を撃ち出した。距離を取って廊下へ逃げ込まんとするシラバキの背に追いつくまで加速する。
「当たった?」
 襖を跳ね除け、新月はすぐさまシラバキを追った。ここはまるで黄泉の世界に似ている。空間と時間の感覚があやふやになって、自分が誰だかわからなくなってしまうような……けれどそれはまやかしだ。
「ここは、この世」
 新月の唇が呟いた。
「シラバキさんも同じでしょう? あなたも私も、まだあの世へは行けないの。そんな者同士、もうちょっとここで遊んでいましょうよ。どっちが嫌になってあの世に行くか、根競べ」
 にっこりと、新月は綺麗に微笑んだ。
「私、ミヅキちゃんと一緒なら無限に居てもいいわ」
 それは月の見えない寂静に青く咲く、太陽すら喰らう娘のどこか病んだ愛の言葉でもあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

龍見・潤(サポート)
人間のストームブリンガー×雀鬼です。
女性ですが、日常・依頼・戦闘時共に少年~青年の口調・行動です。
本人は性別バレを厭いませんが、
その可能性のある描写は出来る限り控えて頂ければと思います。

平常時は元気活発、礼儀正しく。
戦闘時は戦闘経験の浅さ故に敵の出方を確認し慎重に動きます
但しどんな状況でも「命大事に」
特に危機的状況では口八丁や雀鬼のブラフを使ったり
戦闘時では積極的に身を挺して庇います

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


紬雁・紅葉(サポート)
『業邪…御鎮めします』
基本戦闘場面に参加

破魔、属性攻撃、衝撃波、薙ぎ払い等とUCを適宜組み合わせて攻撃

見切り、残像、オーラ防御、武器受け等とUCで防御や回避

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃

範囲攻撃と2回攻撃での雑魚払いが得意だが
ボスとの戦闘も遜色なく行えるし行う


羅刹紋を顕わに戦笑み
傷負っても笑みを崩さず
何処までも羅刹の血と"剣神"の導きに従い
災魔業邪を打ち倒す

敵の最期に
去り罷りませい!
の言葉を

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 猟兵たちの激しい攻撃をその身に受け続け、満身創痍となったシラバキの動きに異変が起きた。自らの姿を留め置くことが難しく、引き裂かれた襤褸のようにみすぼらしくなってゆく。
「おのれ、よくも我をこのような姿に変えてくれたな……許さぬ、許さぬ……」
「どうやら、観念する時が来たようだね?」
 龍見・潤(少年は夜空を辿る・f35439)は間合いを測るように七支刀を構え、崩れかけたシラバキと対峙した。
「業邪……神域を汚した罪を贖い給え……」
 目を閉じて精神を統一する紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)の肌に浮かぶ羅刹の紋様。放たれし呪詛の塊を見切り、薙刀の刃で右に左にと撃ち払った。
「敵は死に体だが、慎重にいこう」
「ええ、よろしくどうぞ」
 潤と紅葉は互いに背を預け、時に庇い合いながらシラバキを追い詰める。潤がお守り代わりの麻雀牌を握り締めれば顕現する、英霊の加護。
「はぁッ!!」
「ぐッ」
 袈裟に斬り上げた太刀傷から血の代わりに呪詛の闇が漏れ出した。潤はできれだけそれに触らないよう、距離を取って様子を窺う。
「よくも……よくも……」
 ほとんど我を忘れかけたシラバキがゆらゆらと潤に向かって近づいた。
「いいのか?」
 潤はぎりぎりまで相手を引き付けてから、勝利を確信した瞳で告げる。
「予告してやるよ、お前は――ここで負けるんだ」
「……八雲立つ」
 神々しき声色で呟いた紅葉の前に顕現する九本の剣が、その時一斉に切っ先をシラバキに向かって迸った。
「が……ッ」
 シラバキは失念していたのだ。戦場の利が己にあることを忘れ、目の前の敵に拘泥した。その背後を取られて必殺の一撃を受けたのはあまりにも皮肉なことだった。
「うぐ、が――」
「去り罷りませい!」
 紅葉の鋭い破邪の言葉をきっかけとして、シラバキの体が霧散する。闇が晴れ、そこは元の正常な別宮に戻っていた。
「大丈夫、外も元通りだ」
 潤は息を弾ませ、静まり返る神宮の庭へと元気に駆け出して行った。ふと紅葉は空を見上げ、喜ばしそうに微笑んだ。
「御許にてお騒がせ致しました。業邪は御鎮め致しました故、もうご心配はございません――」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『今日は観光日和』

POW   :    ご当地グルメを満喫する

SPD   :    街中や自然の中を散策する

WIZ   :    神社仏閣を巡ってみる

イラスト:乙川

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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 元の平和を取り戻した神宮周辺ではあったが、大規模な人払いの影響か地元の人々の不安は未だぬぐい切れない気配を見せる。
 同地域に看板を出している名物のうどん店はどこも客の姿はまばらで、手ぬぐいやこんぴらさまをモチーフにした土産物屋も人の出が少ないようだ。地元名菓である「おいり」を乗せたソフトクリームはいつもなら人気であるにも関わらず、やはり閑散としている。
 重要文化財の観音像などが陳列された宝物館のみならず、季節のパフェ(ベリーソースとクリームを交互に重ねた上に大きないちごやアイスが乗っている)がお勧めのカフェレストランなどが軒を連ねた参道近辺にも未だ活気が戻りきってはいなかった。
「どうしたものか……」
 天輪教の者たちも心配そうに見守っている。既に安全であることが十分に伝われば人々も安心して参拝できるようになるだろうと、期待を込めて祈るのだった。
儀水・芽亜
アリアデバイスとインカムを通して、遠くまで言葉を届けましょう。「コミュ力」使用です。

はい、皆さん。神宮の警戒態勢は解除されました。もうなんの心配も要りません。安心してご参拝やご参道めぐりを楽しんでください。
こちらのお店、安売りしてますよ。うどんも今なら格安。(人払いのことなど考えずにうどんを仕入れてるでしょうから)
さあさあ、初冬の神宮を楽しむなら今ですからね。

まあ、こんな宣伝文句をあちこちでばらまいて。
私、観光大使じゃなくて学園の事務職員なんですけどねぇ。

人通りが増えてきたら、切り札と行きますか。
「範囲攻撃」のヒーリングヴォイス和讃版。仏道なのは承知の上。旋律だけ頂いて神道版にアレンジです。



「――皆さん、神宮の警戒態勢は解除されました。もうなんの心配も要りません。心してご参拝やご賛同めぐりを楽しんだください」
 儀水・芽亜(共に見る希望の夢・f35644)が市民へ語りかける言葉がインカムとデバイスのスピーカーを通じて地域一帯に流れ始めた。
「なんだ? 耳に心地よいアナウンスだな……いつもの放送とは違う人の声だ」
 興味を引かれた人々が少しずつ、神宮周辺に集まる。芽亜のお勧めがうどんだと聞き、暖簾をくぐって店の中を覗いた客に店主が声をかける。
「いらっしゃい。今日は山菜がサービスで付くよ。急な休みで余っているんだ」
「店主さん、あと四名入れますか? どちらの方もかけうどんをご所望です」
 芽亜が新しい客を案内すると、店主は「いらっしゃい!」と店を開けられなかった分まで声を張り上げるように歓迎するのだった。
「さあさあ、初冬の神宮を楽しむなら今ですよ。ゆっくりと時間をお過ごしくださいな」
 一通りのアナウンスを済ませ、芽亜は「ふぅ」と少しだけ休憩を取る。まるで観光大使のような仕事ぶりだ。
(「実際は学園の事務職員なんですけどねぇ」)
 軽く発声練習をしてから、芽亜はのびやかな歌声を披露する。人出の増えてきた参道に響き渡るのは旋律のついた七五調の句歌。和讃という仏道を褒めたたえる賛歌の一種を神道版にアレンジした旋律は趣深く、歴史ある神宮の景色に映えるのだった。
「皆さんの不安も大分和らいできたようですね。この分なら、今日明日のうちにはいつも通りの生活が戻って来るでしょう」

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
【外邨家】
せっかくなので、蛍嘉をよびましたー。
あ、人格は『疾き者』に戻りましたよー。蛍嘉とは双子なんです。

さて、どうしましょうかね?と二人して考えてたら…陰海月がパフェを食べたい、と言い出して。
陰海月、頭脳労働(迷宮解明)しましたからねー。ご褒美にもいいでしょう。
たまにはこういう店で、二人してのんびりするのもいいでしょう?

あと、霹靂へのお土産に手ぬぐいを。水濡れのとき、手ぬぐいで拭かれるのが心地よいみたいなのでー。


陰海月、パフェめっちゃ食べたい。スプーンは頑張って持つ!
無理だったら、いわゆる『あーん』をしてもらう。ぷっきゅっ!
霹靂とは友達


外邨・蛍嘉
【外邨家】
義透に呼ばれてさ。
あっちが兄だけど、基本は呼び捨て。

んー、やっぱりこういうところって、世界変わっても似てるもんなんだねぇ。
で、どうしようか?と相談してたら…ぷきゅぷきゅ鳴き声が聞こえて。
本当、義透って陰海月に甘いよね。
でも、たしかにこういう店でのんびりするのもいいね。私たち、よく行くのはいわゆる『和』になるから。
陰海月が食べづらそうにしてたら、スプーン持ってあげようかね。うん、孫のようだ。

私も陽凪にお土産を買おう…。その「おいり」なら陽凪も食べられそうだし。
私自身も興味あるから買っていこう。…私は婿とった身だけどね。


陽凪は影の中でゆらゆら泳ぐ。お土産の「おいり」が楽しみで仕方ない。



 カフェ&レストランの一角にて、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)と外邨・蛍嘉(雪待天泉・f29452)が揃ってテーブルを囲んでいる。いや、陰海月と陽凪も一緒であった。一生懸命にスプーンを持とうとする仕草が可愛らしく、蛍嘉はほころぶように笑って代わりにすくってやったクリームと果物を陰海月の口元まで運んでやる。
「ぷっきゅっ!」
「ふふ、まるで孫のようだ」
 発端は少し前、義透が呼び出した蛍嘉とこれからどうするか相談をしていた時のことである。義透の肩をつつくようにして、陰海月がぷきゅぷきゅ何かを訴えるように鳴き出したのだ。
「パフェですか? いいですよ、ご褒美です。陰海月、頭脳労働しましたからねー」
「本当、義透って陰海月に甘いよね。でも、こういう店でのんびりするのも新鮮で楽しいよ。いつもはもっとこう、和菓子とか日本料理とか……和風ばかり選びがちだからね」
「たまにはこういう店で、二人してのんびりするのもいいでしょう?」
「ああ、誘ってくれてありがとうよ」
 蛍嘉は参道の様子を眺め、この世界の営みを興味ありげに見つめるのだった。神社仏閣を訪れる人々は皆どこか畏まった雰囲気で、ところ変わっても似ているものはあるのだとしみじみ思う。
 帰り道に土産の手ぬぐいを求めた義透は棚の前で悩むように腕を組んだ。
「いろいろありますねー」
「誰への土産だい?」
「霹靂がですね、水濡れのときに手ぬぐいで拭かれるのが好きみたいなんですよー。では、これにしましょうか」
 義透は購入した包みを大事そうに仕舞い込む。陰海月も友達へのお土産が嬉しいらしく、「ぷきゅぷきゅ」と伸びたり縮んだりして喜んだ。
「蛍嘉のそれは、『おいり』ですかー」
「とっくの昔に婿とった身だけどね。これなら陽凪も食べられそうだろ?」
 目の前で揺らしてやると、影の中でゆらゆらと泳ぐ陽凪がヒレを広げて興奮した様子。どうやら、楽しみで仕方がないようだ。
「おや、夕陽が綺麗ですねー」
 参道に落ち着きある黄昏の色が義透たちと包み込もうとしている。今日のことは陰海月たちにとってもよい思い出となるだろう。長く伸びるふたりの影を、陽凪がちゃぽんと楽しそうに跳ねていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年12月13日


挿絵イラスト