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星夜の灯

#UDCアース

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#UDCアース


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●星夜の灯
 夜空にはきらきら輝く星々が。そして、地上にはきらきら輝くイルミネーション。
 街は輝きを纏って人々を誘う。広場の中央には大きなクリスマスツリー。
 天辺のお星さまから連なる輝きがツリーを囲み、飾られたオーナメントを照らし出す。
 そして周囲のお店にはクリスマス雑貨も並んでいた。
 キャンドルの店は、さまざまなデザインの物が並びどれにしようかと悩むのも楽しい。
 クリスマスツリーのオーナメントの店も盛況だ。星や天使の人形、オーナメントボール。キャンディケインにひいらぎ。サンタクロースやトナカイの人形は、どれも表情が違っているお手製。
 他にもくるみ割り人形の店、シュトーレンやお菓子の店がある。
 そして、他にはこの場で食べれるものも。
 ホットチョコレート、ホットワイン。スパークリングワインにビール、エッグノック。
 ぐるぐるまきのソーセージ。温野菜にはチーズがたっぷり。牛肉の煮込みや近くのパスタの店が出している海老のビスクスープパスタ。バゲットピッツァも一緒にいかがなんて声も聞こえてくる。
 甘いものがほしければフォンダンショコラや一口サイズの焼き菓子などもある。
 ほかにもいろいろな店が並ぶここは、クリスマスマーケット。
 ひとびとのにぎわいは楽しげで、今日もそれは続くものと思われていた。
 それが、現れるまでは。
 突如現れたそれは、チョウチンアンコウのうな頭に幼児のような体躯と不釣合い。
 大きく口をあてて、その場にある店ごと、まるのみして捧げようとする。
 それはアングラーフィッシュ・レイダース――あるものに得た物をささげて、そして復活を助けるもの。
 やがてこの場の半分が飲み込まれたのちに現れる大きな存在は、荒れたこの場に絶望する人々をみて舌なめずりするのだ。
 美味そうダナ、と口角あげて。

●予知
「UDCアースに向かってほしいんじゃ」
 そう、終夜・嵐吾(灰青・f05366)は集う者達に切り出した。
 街中に、何の脈絡もなく、突然――UDCが洪水の如く溢れ出す。それが起きるのだと告げて。
「何かしらの原因はあるんじゃろうが……事態を収拾する事のが先じゃからな」
 巻き込まれた人々を助けに行ってほしいんじゃと嵐吾は言う。
 それが起こるのは、クリスマスマーケットでのこと。
 幸い、まだ日は暮れておらず人はまばら。広場にある店の関係のものたちがほとんどだ。それでもしばらくすれば、クリスマスマーケットに足を運ぶ人々が増えてくる。
「皆には現れるものをさくっと倒し、その後にも出てくる一等やばいのを倒してほしい」
 その後は、この戦いを目にしてしまった者達を日常に戻すための呼び水となってほしいと嵐吾は言う。
 つまり、クリスマスマーケットを思い切り楽しむということだ。
「店の者達にとっては、仕事をするのが日常じゃろう。何かあったのも忘れるくらい忙しくしてやればええ」
 この場所を訪れる人々も、楽しそうな空気があればいつも通りなのだと思うだろうからと続けて。
「どうにもなりそーにない人がおれば、UDC組織から貸与される記憶消去銃を借りてさくっとな、やってしまうと良い」
 その方がそのものの為になるじゃろうからと嵐吾は告げて、手の内でグリモアを輝かせる。
「んでは、いってきておくれ」
 クリスマスマーケットを守るために、と嵐吾は猟兵たちをその地へと送る。


志羽
 お目通しありがとうございます、志羽です。
 プレイング締め切り、受付方法などはお手数ですがマスターページの【簡易連絡】をご確認ください。
 プレイング受付は冒頭公開後からとなります。

●シナリオについて
 第一章:集団戦『アングラーフィッシュ・レイダース』
 第二章:ボス戦『病蠅の王』
 第三章:日常『きらめく星の舞台』
 以上の流れとなっております。

 一章、二章はさくさくと進めていく予定です。冒頭公開後より、受付となります。
 三章については、また改めて日程などの連絡となります。

●お願い
 複数人数でのご参加の場合は、ご一緒する方がわかるように互いに【ID】は【チームタグ】を記入していただけると助かります。また、失効日が同じになるように調整していただけると非常に助かります。(続けて二章、三章参加の場合、IDについては必要ありません)
 ご協力よろしくお願いします。

 お声掛けあれば志羽のNPCもご一緒できます。
 以上です。
 ご参加お待ちしております。
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第1章 集団戦 『アングラーフィッシュ・レイダース』

POW   :    丸呑み攻撃
【頭部の誘因突起から放つ催眠光】が命中した対象に対し、高威力高命中の【丸呑み攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    祭儀場の召喚
【口から吐く霧状の催眠ガス】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を邪神復活の儀式空間に変える霧で満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    胃袋空間
小さな【体躯】で【丸呑みした口】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【広大な胃袋空間】で、いつでも外に出られる。

イラスト:蛭野摩耶

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 日が落ち始め、イルミネーションやライトが灯り輝きを増す頃――それは現れた。
 突然、どこからともなく溢れてくる。
 クリスマスマーケットのメインの場である大きなツリーの周りに。
 それはアングラーフィッシュ・レイダース。チョウチンアンコウのような頭に幼児の体躯。不釣り合いなバランスのそれはぱかっと大きく口をあけ、たたたっと周囲の出店へと走る。
 店の準備をしていたモノは、ふっと視界にはいった小さな体躯のものを子供かと思い、いらっしゃいませと笑いかけたというのに。
 ばくり、と。
 店の一角が食べられ、がしゃんがしゃんと音たてて飾り付けなどが地に落ちる。
「えっ、何……わあああっ!?」
「か、かいぶつ!!??」
 ばくり、ばくり。
 現れたアングラーフィッシュ・レイダースは周囲の店を食べていく。
 人には目もくれず、店ばかりを。たらふく、腹にため込んだものをささげるために。
篝・倫太郎
マーケット楽しむためにもさっさと還って貰お……

幻影召喚使用
召喚したうさぎ達には出店に極力被害出さないよう
体当たり攻撃を指示して先制攻撃
喰われそうになったら抵抗するように指示も忘れないどく

抵抗しない奴は喰われちまうからな?
んじゃ、全員突撃ー!
しょこ、しょこら、細かい指示はお前に任せた!

兔雪崩れに紛れて俺も華焔刀でなぎ払い
俺も店が無い方向に吹き飛ばしで引き離してから
刃先返して2回攻撃
攻撃には部位破壊も乗せておっきな口を狙ってく

ちょっとしたドッキリ企画みたいな
ショーみたいな感じで戦えたら良いんだけど、どーかな?

店への被害を最小限に
接近する敵は念動力で引き剥がして吹き飛ばし

敵の攻撃は見切りと残像で回避



 ぐぁ、と大きく口をあけたアングラーフィッシュ・レイダースたちが動き始める。
 店へと向かって一歩を踏み出す――けれど、それを突き飛ばすものがあった。
 どんと体当たりされたアングラーフィッシュ・レイダースは大きく瞬いてそれを見る。
 それはラビットグリフォンの幻影。
 篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)の召喚した幻影たちだった。
「マーケット楽しむためにもさっさと還って貰お……」
 召喚したうさぎたちに、出店守ってと指示を出す。
「喰われそうになったら抵抗もな。抵抗しない奴は喰われちまうからな?」
 そう言って倫太郎は改めてアングラーフィッシュ・レイダースを示す。
「んじゃ、全員突撃ー! しょこ、しょこら、細かい指示はお前に任せた!」
 幻影たちが突撃する。その中に紛れて倫太郎も踏み込み華焔刀で薙ぎ払う。
 店のない方向に吹き飛ばして引き離し、その大きな口を狙って攻撃叩き込む。
「ショーみたいな感じで戦えたら良いんだけど、どーかな?」
 倫太郎はひとびとのいる店の方へと視線向ける。
 店の中にいるものたちは恐々としつつも様子をうかがう者もいれば、完全に身を丸くして何も見ないようにしているものもいる。そうっと逃げようとしているものもいた。
 ちょっとしたドッキリ企画みたいに思ってくれたらと思うが、それもこれから次第だろうか。
 店への被害を最小限にしつつ、倫太郎はアングラーフィッシュ・レイダースを一体ずつ倒していく。
 見えるものを丸のみにして、吸い込もうとしているアングラーフィッシュ・レイダース。その口を叩き潰すように華焔刀の刃が振り下ろされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鉄・悠生
クリスマスって何でこんなにワクワクすんだろな
後で弥生(双子の片割れ)も呼ぶか

の前にひと仕事だな!
こんな危ないとこじゃ弥生呼べねーもん、頑張ろ

でも、さっきの兄ちゃんみたいに盛り上がりそうなのはできないんだよな
カンフーっぽい動きで戦えば、ちったぁ周りの人も怖くなくなるか?
出たなクリスマス破壊結社!次は俺が相手だ!なんつって

引きつけて『斬撃波』で『範囲攻撃』
っと、吹っ飛ばす方向気をつけないとな
店のモンを壊さない、一般人に怪我させない、父さんに教わったことは忘れてないし!
敵の攻撃は『オーラ防御』で防ぐ

【降魔点穴】で敵の手足を狙い
命中したら、ちょっとカンフーアクションさせたい
できなくても地道に戦うのみ!



 クリスマスって何でこんなにワクワクすんだろな、と鉄・悠生(鉄家次男・f35575)はツリーを見上げる。
 後で弥生も呼ぶか、と双子の片割れの姿を思い浮かべ、そして視線は周囲へと向けられた。
 楽しい雰囲気が、本来なら満ち溢れていたのだろう。けれど今は、アングラーフィッシュ・レイダースたちがクリスマスマーケットを荒らすかのようにあふれている。
「の前にひと仕事だな! こんな危ないとこじゃ弥生呼べねーもん、頑張ろ」
 悠生はぱしっと拳と掌合わせて敵に立ち向かうべく動く。まずはこの状況を終わらせねばならないから。
「でも、さっきの兄ちゃんみたいに盛り上がりそうなのはできないんだよな」
 カンフーっぽい動きで戦えば、ちったぁ周りの人も怖くなくなるか? と自分の前に飛び出てきたアングラーフィッシュ・レイダースへと構える悠生。
「出たなクリスマス破壊結社! 次は俺が相手だ!」
 なんつって、と敵が飛び込んでくるのを、一歩踏みとどまって引きつける。
「っと、吹っ飛ばす方向気をつけないとな」
 引きつけ、衝撃波を放つ悠生。放たれた衝撃波がアングラーフィッシュ・レイダースを捉え吹き飛ばす。
「店のモンを壊さない、一般人に怪我させない、父さんに教わったことは忘れてないし!」
 吹き飛ばした方向も問題ない。店から引き離すように吹き飛ばし、アングラーフィッシュ・レイダースへと悠生は踏み込む。
 狙うのは秘孔への指突。触れた瞬間、闘気が流し込まれアングラーフィッシュ・レイダースの身が空に浮いた。
 そのまま、悠生はカンフーの動きで仕掛ける。鮮やかに技を繰り出して。
 そうできなくても地道に戦うのみ! と悠生は駆ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​

筧・清史郎
随分と食いしん坊な魚さんだな
しかし、悪食にもほどがある
それに、幼児の如き体躯とは…これが、きもかわというやつだろうか?(こてり

だが俺は生憎、愛らしい海の仲間さんやもふもふしている動物さんが好きだ
平和を脅かすきもかわなお魚さんは、早急に捌いて
海は海でも、躯の海へと還してやろう

催眠光は、当たらなければ問題はない
花霞の残像で敵を翻弄しつつ、頭部の突起の動向に注視
光を見切り躱せば、桜嵐を巻き起こし
振るう刃で、ばさりばさり次々と3枚におろしてやろう
しかし…あまり美味ではなさそうだな

美味なものは、クリスマスマーケットで楽しもう
そのためにも、まずは確りと事を成そうか
俺の好む甘味も沢山あるだろうしな(そわり



「随分と食いしん坊な魚さんだな」
 ふふ、と涼やかに笑み乗せて筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)はアングラーフィッシュ・レイダースの前に立つ。
 ばくばくと、大きく口を開けて威嚇してくるそれらは、何でも飲み込まんとしているようだ。その様に悪食にもほどがあると瞳を細め。
「それに、幼児の如き体躯とは……これが、きもかわというやつだろうか?」
 首傾げて、アングラーフィッシュ・レイダースは大きく口を開けるばかりで答えはなく。
 そしてこのアングラーフィッシュ・レイダースは清史郎の心擽る存在ではなかった。
 きゅるっと可愛らしい視線を向けてくるでもないし、もふもふもない。残念ながら友にはなれそうにない雰囲気だ。
「だが俺は生憎、愛らしい海の仲間さんやもふもふしている動物さんが好きだ」
 すらりと抜いた刀を清史郎は向けて。
「平和を脅かすきもかわなお魚さんは、早急に捌いて――海は海でも、躯の海へと還してやろう」
 びゃっと光る催眠光。けれどそれは当たらなければ問題はない。
 光放つ頭部の突起を注視して、清史郎は光る瞬間を見切って躱し桜嵐を巻き起こす。
「三枚におろしてやろう」
 そう言うけれど、しかし……と声色が落ちる。
「あまり美味ではなさそうだな」
 大きくあけた口に、桜花弁と共に連撃を加えていく。
 ぐぎゃっとひしゃげた声あげて、アングラーフィッシュ・レイダースは消えていく。
 美味なものは、クリスマスマーケットで楽しもうと清史郎の刃は冴える。そのためにも、まずは確りと事を成すだけ。
 だってここには――清史郎の好む甘味も沢山ありそうだ。そわりとしてしまうのは、ふと目に入った店の看板にとろけるフォンダンショコラのイラストが描いてあったせい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

獅羽・要
人間を狙わんのは不幸中の幸いか
とはいえ、店を飲まれては路頭に迷おうよ
吐き出してもらおう。彼らはこれからも生きていくのだからな

幸いなことに、UDCアースは建造物が多い
蜘蛛糸をひっかける場所に困らぬということだ

蜘蛛の巣を張り、彼奴原を捕えて斬り殺していく
民間人と彼奴原の間を塞ぐように糸を張り、食い止める
今の内に逃げるなり、身を隠すなりするといい
UDC組織の職員が避難誘導しているだろう

念を入れて、糸で簀巻きにしてつるそう
中で光ろうが俺には届かんし、腕力を吸うから逃げられもすまい
民間人の記憶は処理するのだろうが、記憶にこびりつくような行いはしたくないからな
さくさく首を落として参ろう



「人間を狙わんのは不幸中の幸いか」
 とはいえ、と獅羽・要(獅羽家の人蜘蛛・f35636)は刀構える。
 店の中で震えるものもいるのを視界の端にとらえて。
「店を飲まれては路頭に迷おうよ」
 吐き出してもらおうとアングラーフィッシュ・レイダースへと踏み込む。
「彼らはこれからも生きていくのだからな」
 アングラーフィッシュ・レイダースも要に気付いて、口をバクバクさせながら距離詰める。
 けれどその口が、要に届くことはないのだ。
 ぴたり、とアングラーフィッシュ・レイダースは動きを止める。それ以上前に進めないのだ。
 それは蜘蛛糸。
 幸いなことに建造物が多いこの世界。要が蜘蛛糸を引っかける場所に困る事はなかった。
 張り巡らされた蜘蛛の巣にとらえられたアングラーフィッシュ・レイダースをその刃が捕える。
 ひとびとの方へは向かぬように、その間を塞ぐように糸を貼って守りながら。
「今の内に逃げるなり、身を隠すなりするといい」
 ふと、隠れているものが視界に入り告げれば慌てて動き出す。UDC組織の職員も近くにいるだろう。逃げたなら避難誘導をするはずだ。
 そう思っていると、飛び掛かる影があり要はひゅっと糸を飛ばす。
 ぐるぐる巻きにされたそれはぶらんぶらんと宙吊りの簀巻き状態だ。
 びかっと何かが光ったような気もするが、それは届かず、その大きな口も使えない状況。
 のちのち、民間人の記憶は処理するのだろうが――
「記憶にこびりつくような行いはしたくないからな」
 時間はかけず、短く――要はさくさくとその首を落として倒していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朧・ユェー
【月光】

おやおや
お魚の頭に人の身体とはアンバランスというか、不気味ですねぇ
おや?僕も食べられてしまうのですか?彼女の言葉にふふっと笑って

好き嫌いないのは良い事ですが
食べて良いものと悪いものがありますからね?
マーケット食べたら皆さん困りますし、ルーシーちゃんも…

ぬいぐるみ達のどーんとしてる姿に
可愛らしいのに強いですね
これではルーシーちゃんもぬいぐるみも喰べられてしまいます

屍鬼

ディナーの時間です
自分の血を与えてグールを鬼へ

貴方達も喰べられる側になったらわかると思います
天使達は喰べてはいけませんよ?ねぇ?にっこりと微笑んで
小さな手のぬくもりに我に返り大丈夫なら良かったと優しい笑みを彼女に向けて


ルーシー・ブルーベル
【月光】

ひ、ひえ
ひとの頭がお魚さんになってる
少し怖い……い、いえ。大丈夫!
クリスマスマーケットもゆぇパパも、食べさせたりしないもの

何でも食べるのはエライって思うけれど
あの光線には当たりたくないわ
ぬいぐるみさん達、協力してね

【勇敢なお友だち】

みんなでどーん!ってぶつかって、あちらの狙いを逸らすわ
周りの人やお店、パパに危害を与えそうなコが居たら
真っ先にどーん!
きっとココを楽しみにしている人がたくさん居るはず
ボロボロになったら
お店の人もお客さんもガッカリしちゃうし

お魚さんよりグールさんの方が好き嫌いないかも?
…あれ、パパ怒ってる?
手をぎゅっと握り
パパとグールさんが守って下さったから
ルーシーは大丈夫よ



 ばくん、ばくんと大きな口を動かすけれど、その体は不釣り合い。
「ひ、ひえ」
 その姿を目にして、ひとの頭がお魚さんになってる、とルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)はアングラーフィッシュ・レイダースの姿に一歩後ろへ。
 その様に笑み零し、朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)はおやおやと肩竦める。
「お魚の頭に人の身体とはアンバランスというか、不気味ですねぇ」
 けれどばくんと大きく口動かす敵の前へ、ルーシーはユェーを守るように立つ。
 少し怖い――けれど。
「い、いえ。大丈夫! クリスマスマーケットもゆぇパパも、食べさせたりしないもの」
「おや? 僕も食べられてしまうのですか?」
 その言葉にふふっとユェーは笑い零す。食べられないようにするのとルーシーは気合一杯。
 守られているけれど、何かあれば守るのは――いや、何も届かせぬつもりの心地。
 敵は威嚇するように大きな口を動かす。ばくばくと大きく動くその口はなんでも飲み込んでしまいそう。
「何でも食べるのはエライって思うけれど」
 びかびかと放たれる光線。それには当たりたくないわとルーシーはきゅっと抱きしめたぬいぐるみへと、協力をお願いする。
 そしてユェーは、まるで諭すように語りかける。
「好き嫌いないのは良い事ですが、食べて良いものと悪いものがありますからね?」
 けれどその言葉を理解できる相手ではないこともわかってはいるのだ。
「マーケット食べたら皆さん困りますし、ルーシーちゃんも……」
 と、視線向けた時。
「おねがい、行って」
 大きな角持つ羊のぬいぐるみに突進をお願い。ルーシーの元から飛び出したぬいぐるみは敵へとどーんと体当たり。
 周りの人やお店、それにユェーに危害を与えそうなアングラーフィッシュ・レイダースがいれば、そちらを示して向かってもらう。
 どーん! と体当たりして体勢くずせば、その大きな口は空を食むばかりだ。
 きっとココを楽しみにしている人がたくさん居るはずなのだ。
「ボロボロになったら、お店の人もお客さんもガッカリしちゃうし」
 次はあの子! とルーシーが言葉向け、それに応えるぬいぐるみ達。
 可愛らしいのに強いですねと、ユェーは微笑む。
 どんと突き飛ばして、けれどアングラーフィッシュ・レイダースたちはわらわらと増えていく。
「これではルーシーちゃんもぬいぐるみも喰べられてしまいます」
 それなら、とユェーは喚びおこす。
「ディナーの時間です」
 己の血を与えて、グールを鬼へと変えて。
 その身現すことを許された狂気暴食の巨大な黒キ鬼は、アングラーフィッシュ・レイダースを次々と丸のみにしていく。
「お魚さんよりグールさんの方が好き嫌いないかも?」
 そうかもしれません、と返してユェーは瞳細める。
「貴方達も喰べられる側になったらわかると思います」
 天使達は喰べてはいけませんよ? ねぇ? とにっこりと微笑んで――きゅっと、繋いだ手の温もりを感じユェーは我を取り戻す。
 あれ? と思った娘の視線も受けて。
 パパ怒ってる? と感じたルーシーはその手をぎゅっと握っていた。
「パパとグールさんが守って下さったから、ルーシーは大丈夫よ」
 その言葉に、ぬくもりに優しい笑みを。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『病蠅の王』

POW   :    弱き者、汝の名ハ
【聞くに堪えない侮辱】が命中した対象の【胃】から棘を生やし、対象がこれまで話した【弱音】に応じた追加ダメージを与える。
SPD   :    絶望せヨ、我が腹のため二
自身の身体部位ひとつを【毒の牙持つ己】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    オレに飯を持って来イ!!!
自身が【空腹】を感じると、レベル×1体の【眷属の蠅人間】が召喚される。眷属の蠅人間は空腹を与えた対象を追跡し、攻撃する。

イラスト:ロルベイ

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は花邨・八千代です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 アングラーフィッシュ・レイダースの姿がこの場から消え去る。
 けれど――まだ、終わってはいない。
 何処からともなく黒い影が立ち上る。その中より出てきたのは、病蠅の王。
 しかしそれは、んん? と不機嫌そうな声を零した。
 ここに絶望が満ちて、用意されている筈だったのにその気配が乏しい。
 それは猟兵達がことごとく、アングラーフィッシュ・レイダースを倒したから。
「オレの食事がなのは、お前たちのせいだナ」
 なら、まずは前菜としてお前たちを食ウという。これから絶望に、落としてと。
獅羽・要
人間は貴様の餌ではない
蟻でも食っていろ
足りなくば今から砂を噛ませてやる

背から伸ばした一対の蜘蛛手で電流を放ち、
召喚された蠅人間共の動きを止めて
その隙に踏み込んで刀で首を落とそう

念動力で彼奴等の頭部を集め
ボールにしてデカブツへ蹴り飛ばす
そちらに注意が行った隙に駆け寄り、切りつける

最も無理そうであれば深追いはしない
残りの死体を念力で投げ飛ばし、目くらまし兼追撃としよう
自分の力を過信せず、堅実に確実に対処する
もしダメージを与えられずとも体力は削っておきたいところだ



 引きあがった口元から舌が除く。貪欲な、何物をも食らおうとするような気配に、獅羽・要(獅羽家の人蜘蛛・f35636)は顔をしかめる。
 要の目の前にいるのは病蠅の王。
 この場のものを、恐怖に、絶望に落として喰らおうとするものだ。
「人間は貴様の餌ではない。蟻でも食っていろ」
 要は言い放ち、病蠅の王へと構える。
 足りなくば今から砂を噛ませてやる、と。
「砂ァ? そんなもの、腹の足しにもならン。ああ、早くオレに飯を持って来イ!!!」
 喰うならばやはり人が良いと口開いた病蠅の王。べろりと長い舌を躍らせ空腹を叫べば眷属の蠅人間を召喚し要へと向けた。
 その様を一瞥して、要は背から伸ばした一対の蜘蛛手より電流を放つ。
 地を打つように、空を跳ねるように踊ったそれは蠅人間の動きを止める。
 その隙に一足、踏み込んで要は刀を滑らせた。ただなめらかに、無駄な動きなく。
 その動きに乗せられるように落とされていく頭。それを要は念動力で集め――病蠅の王へと蹴り飛ばす。
 病蠅の王へはそれをよけず、ただその尾のひと払いで砕いた。己の眷属などどうでもよいというように簡単に。
 けれど、要を見失う一瞬には十分。
 駆けより、刃走らせその身を斬りつけていく。とっさのことに病蠅の王も反応できず、突然走る痛みに唸るのみた。
 無理そうであれば深追いはせず、残っている蠅人間の身体を念力で掴んで投げ飛ばして目くらましと追撃を重ねる。
 要は堅実だった。
 自分の力を過信せず、堅実に確実に対処していく。
 その力を削ぐために、今できることを続けていくだけ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
俺達はメインディッシュじゃねぇかと思うケド
ま、何を前菜と言うかはそれぞれなんだろな

つっても、大人しく絶望に落とされるつもりもねぇし
餌になるつもりもねぇから
この後のデートの為にもサクサクっと還って貰うぜ

暁戒縛鎖使用
斬撃波を乗せた華焔刀でなぎ払いの先制攻撃
刃先返してフェイントを混ぜつつ2回攻撃

敵が眷属を召喚したら、そいつらも纏めて範囲攻撃
致命傷じゃなくても当たればいい
当たれば金の鎖が戒めてくれるから

出来るだけ病蠅の王には多くの攻撃を入れて
追加攻撃マシマシにしてやろ!

敵の攻撃は見切りと残像で回避
回避不能時はオーラ防御でジャストガード
以降は攻撃に生命力吸収を乗せてく

周囲に大きく被害が出ないよう立ち回り



 病蠅の王の姿は、その場にふてぶてしく存在している。
 これがいる限りは、この場所に日常は訪れないことを、知っていた。
「俺達はメインディッシュじゃねぇかと思うケド」
 ま、何を前菜と言うかはそれぞれなんだろなと、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)はわずかに口端に笑み乗せる。
 ここに簡単に挫かれるものがいないことを、また知っているから。
「つっても、大人しく絶望に落とされるつもりもねぇし」
 餌になるつもりもねぇから――この後のデートの為にもサクサクっと還って貰うぜ、と倫太郎は華焔刀を取りまわし、攻撃放つ。
 その一撃が当たれば、いいのだ。
「其処に汝を戒める鎖を放つ」
 そして金の鎖を躍らせて病蠅の王を戒める。
 その鎖はぎりぎりと締め上げ、ダメージを常に与えていくもの。さらに薙ぎ払う華焔刀より放たれる斬撃が病蠅の王の上を走る。
 しかし病蠅の王もやられているわけではなく、再び眷属たる蠅人間を召喚し、倫太郎へと向かわせる。
 数が多いなと、零して、纏めて薙ぎ払う。攻撃あたれば、金の鎖が戒めて動けなくしてしまえるのだから。
 蠅人間たちが抑えられている間に、続けて攻撃を。
 しゃらりしゃらりと金の鎖の戒めは増えて、病蠅の王は動きづらくなる。振り払おうとするが、それはほどけぬもの。
 喉の奥から唸るような声を零す病蠅の王。
 向けられた攻撃は守りつつ、その生命力を奪うように倫太郎は立ち回る。
 周囲に大きく被害が出ないよう、この場に縫いとめるように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鉄・悠生
お前がボスか
皆が楽しんでる日に絶望なんてバラまかせねーぞ
ここで弥生と遊ぶんだよ俺は!邪魔すんな!

闘気を纏い敵の懐へ飛び込む
攻撃は『見切り』で避け、避けきれないものは『オーラ防御』
『スナイパー』で『部位破壊』を狙う
既に負傷した手足があればそっち、なければ一番近い手足がターゲット
『斬撃波』でダメージを与えいき
ある程度蓄積したところで【リベレイション】を自分にかけ止めに一撃
これで手足のどれか封じられるといいんだけど

日常は奪わせないし、絶対に守り切ってみせる
俺が父さんと母さんから貰ったのは、その為の力だ

つーか、お前のコース料理なんかに組み込まれてたまるかよ!
俺、料理は食材になるより断然食べる派だしな!



 金の鎖に戒められ、病蠅の王は動きもままならぬところ。
「お前がボスか」
 鉄・悠生(鉄家次男・f35575)はその前に立って、言い放つ。
「皆が楽しんでる日に絶望なんてバラまかせねーぞ。ここで弥生と遊ぶんだよ俺は! 邪魔すんな!」
 この後の楽しみを絶対に奪わせない。
 そんな強い気持ちで悠生は告げて、闘気を纏いその懐へと飛び込む。
 己の攻撃が、もっとも届きそうな――そう、破壊できそうな場所は。
 動きままならぬ、その足がぎりぎりと痛み皮も裂けている様子。
 そこだ、と悠生は踏み込み、斬撃波でもってさらに傷を深めていく。
「ぐぬゥ! 弱気ものガ! オレの飯は大人しく喰われていロ!」
 病蠅の王の声が響く。けれどその言葉は悠生にとって何でもなく続けてさらに攻撃かける。
 そして――今、と見切る一瞬があった。
 悠生は己の身に英霊を纏わせる。攻撃力が五倍となるが、その代わりに己の生命力を削られることになるがそれでも、今がその時。
 日常は奪わせない。絶対に守りきってみせると強い意志のせて。
(「俺が父さんと母さんから貰ったのは、その為の力だ
」)
 握りこんだ拳を、悠生はただ真っ直ぐと突き出すのみ。
「つーか、お前のコース料理なんかに組み込まれてたまるかよ!」
 ともに、心打ちも一緒に吐き出して。
 悠生の拳貫いた病蠅の王の足は破壊され、力失いべしゃりと潰れる。
「俺、料理は食材になるより断然食べる派だしな!」
 それはお前の料理になんて、絶対なってやらないという宣誓のように。
 この後の楽しみのひとつも食べる事なんだからなと言って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

筧・清史郎
生憎だが、俺は箱だ
箱は食せないぞ(きょとり
それに、絶望という感情をまだ俺はよく知らない
未知のものには逆に興味があるな

先程の魚さんも美味ではなさそうだったが
今回も到底食べられそうにない敵だな
美味な甘味などをクリスマスマーケットで楽しむためにも
早々に終わらせようか

蒼桜の刀を抜き放ち、敵を叩き斬ろう
むしろ俺への侮辱とやらを聞いてみたいと思うも、聞いても全くピンとこず
(結局よく分からずさらりとかわす箱)
弱音というものを口にしたこともないしな
UCは、始めのうちは命中率重視
敵に隙生じれば一気に攻めに転じて攻撃力重視の斬撃をお見舞いしよう

友とこの後クリスマスマーケットを楽しむ予定だからな
さぁ、お還り願おうか



 病蠅の王は足一つ失って、呻きを零す。オレの餌のくせに,
と。
 しかしそれに。
「生憎だが、俺は箱だ。箱は食せないぞ」
 瞬きひとつ、きょとりと筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は返す。
 清史郎はそれに、とわずかに口端に笑み乗せる。
 絶望という感情をまだ俺はよく知らない――それは清史郎にとって未知のもの。
 逆に興味があるなと思うのだ。
 それをこの病蠅の王がもたらしてくれるのだろうか。
 その様を見て、思うのは。
「先程の魚さんも美味ではなさそうだったが、到底食べられそうにない敵だな」
 そうであるならば長くこの場にいてもらう事はない。
 ふわりと、僅かに甘い香がする。
 美味な甘味などをクリスマスマーケットで楽しむためにもと清史郎は蒼桜の刃を抜き放った。
「早々に終わらせようか」
 この刃で叩き斬ってしまおうと踏み込む。
「喰えぬ箱などいるものカ! 箱なら大人しく潰れておケ! エサの真似事カ~!?」
 ぶんっとふられる尾を清史郎は避ける。
 箱なのは変わらぬ事。当たり前のことを、とその言葉をさらりとかわしつつも、大人しくしているわけがないのだ。
 その様にさらなる侮辱を重ねる病蠅の王。しかしそれも、清史郎には響かない。弱音というものを口にもしたこともないのだから。
 しかしいつまでも遊んでいるわけにはいかない。
 友とこの後クリスマスマーケットを楽しむ予定だからなと、斬閃の命中度を高めつつ。
「さぁ、お還り願おうか」
 その一刀は、持てる力すべてがのせられていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朧・ユェー
【月光】

おやおや、魚の次はこれは大きな…
凄い姿ですね
びっくりしてる彼女の手を握り
大丈夫ですよ

食事は貴方の、駄目ですよ
アレは貴方のでは無いです
それに僕たちを食べようとは
嗚呼、小さなこの子を食べるのは許せないですねぇ
一口、一傷も指一本でさえ触れさせはしませんとにっこり笑って

敵を怯むことなく向かおうとしているルーシーちゃん
ふふっ、とても頼もしいですね
ありがとうねぇ

美しい花は舞う
貴方にこの花は勿体無いですねぇ

グール、今日は貴方の御馳走の日ですよ
今度は大きいですから、お腹いっぱいにお喰べ

さぁ、喰べらる側はどんな気持ちでしょうか?

屍鬼
グールを再び鬼化し、もぐもぐと喰らいつく

今日グールが良く食べますね
美味しいのでしょうか?
んー、満腹になる事は無いですねぇ
下手をすれば全てを喰らいつくしてしまいますからね
ルーシーちゃんは美味しいご飯を用意しますからね
嬉しそうな娘に微笑んで頭をそっと撫でて


ルーシー・ブルーベル
【月光】

あのお魚さん達がマーケットを食べようとしていたのは
あなたのご飯にするためだったのね
お腹が空いているのは可哀そうだけれど、おあいにく様
ルーシーはゼツボウしたりなんかしないわ
ゆぇパパがお隣にいるなら、やる気は十分

うう、お魚の次はハエのニンゲンさん?
何か見た目が怖めの敵が多いわ……
繋いだ手をぎゅうと握り返して
うん、ありがとう
だいじょうぶ、だいじょうぶよ
パパが守って下さっているって信じてる
でもルーシーもパパが一口でも食べられてしまうのはイヤだから
こちらを追ってくるのなら、先ずはそれを止めましょう
釣鐘水仙の青い花、舞ってちょうだい

花びらが切り咲くのはルーシー達を狙うすべてよ
倒しきる事は出来ずとも、動きを阻害出来れば十分でしょう
ほら、お腹をすかせた本当に怖い鬼がやってくる

グールさんってお腹いっぱいになる事ってあるのかな?
おいしそうには、見えないけれど……
わ、そうなの
満腹になれないのも大変なのね……

わあ、本当?
パパのご飯、ほんとうに本当においしいから大好きよ!
撫ぜてくれる手に頭をよせて



 痛みに呻く病蠅の王。
「あああ、オレに大人しく食われていればいいものヲ!」
 それは攻撃を受け、傷を受けた事への苛立ちを零していた。
 その様に朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)はおやおやと片眉を僅かにあげる。
「魚の次はこれは大きな……凄い姿ですね」
 そして、ユェーの手をきゅっと握っているのはルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)。
 さっきまでいた歪な魚頭の子供を思い出し、その眉は顰められる。
「あのお魚さん達がマーケットを食べようとしていたのはあなたのご飯にするためだったのね」
 そう言いながら、知らずときゅっと、つなぐ手に力が籠っていた。その手のぬくもりは互いを繋ぐやさしいもの。
「お腹が空いているのは可哀そうだけれど、おあいにく様。ルーシーはゼツボウしたりなんかしないわ」
 だって、ときゅっとまたその手を握り返す。
 ゆぇパパがお隣にいるなら、やる気は十分。ルーシーは早くやっつけちゃいましょと向かうのだけれど病蠅の王が召喚した蠅人間はちょっと遠慮したい。
「うう、お魚の次はハエのニンゲンさん? 何か見た目が怖めの敵が多いわ……」
 その手を、大丈夫ですよと握り返してユェーは伝える。ルーシーはユェーを見上げて微笑んだ。
「うん、ありがとう。だいじょうぶ、だいじょうぶよ」
 だって知っている。信じている。
 パパが守って下さっているって。
 駄目ですよ、とユェーは柔らかに紡ぐ。
「アレは貴方のでは無いです。それに僕たちを食べようとは」
 嗚呼、小さなこの子を食べるのは許せないですねぇと向かってくる蠅人間を一瞥する。
「一口、一傷も指一本でさえ触れさせはしません」
 そう紡いで、にっこりと笑む。
 そしてルーシーも、でもと思う。
 パパが一口でも食べられてしまうのはイヤだから。
 まっすぐ敵を見据え敵に怯むことなく向かおうとしているルーシー。
「ふふっ、とても頼もしいですね。ありがとうねぇ」
 その言葉にルーシーは笑み浮かべ、釣鐘水仙の青い花を躍らせる。
 舞ってちょうだい、と。
 ひらり、ふわりと踊っている様は柔らか。けれどそれは鋭利でもある。
 花弁は蠅人間たちを、そして病蠅の王へも届く。ルーシーとユェーを狙う全てを。
 美しいその青い花をユェーは視線で撫で柔らかに見つめる。
「貴方にこの花は勿体無いですねぇ」
 病蠅の王は食べるという。けれど――それは己の身に返る事もあるのだとそれは知らぬのだ。
 蠅人間と、病蠅の王の動きが花弁によって阻まれてその瞬間を生み出す。
「ほら、お腹をすかせた本当に怖い鬼がやってくる」
 ルーシーの言葉にユェーは病蠅の王へと、向かわせる。
「グール、今日は貴方の御馳走の日ですよ」
 今度は大きいですから、お腹いっぱいにお喰べと、示して。
「さぁ、喰べらる側はどんな気持ちでしょうか?」
 それは再び鬼となる。巨大な黒き鬼に、ユェーから滴る紅血の雫を得て。
 そして、飛び掛かる。向かう先は、病蠅の王のもと。
 その肉を食んで咀嚼して、喰らうのは己だと示していた。
「今日グールが良く食べますね。美味しいのでしょうか?」
 ユェーはその様子を目にほとりと零す。
「グールさんってお腹いっぱいになる事ってあるのかな? おいしそうには、見えないけれど……」
「んー、満腹になる事は無いですねぇ」
「わ、そうなの。満腹になれないのも大変なのね……」
 ぱちりと瞬いて、ルーシーはぎゅっとユェーと繋いだ手を強める。
 下手をすれば全てを喰らいつくしてしまいますからねとユェーは病蠅の王のひしゃげた声にすと瞳細めて――けれど次には柔らかに。
「ルーシーちゃんは美味しいご飯を用意しますからね」
「わあ、本当? パパのご飯、ほんとうに本当においしいから大好きよ!」
 ぱ、とその表情は花咲くように綻ぶ。楽しみなことをまたひとつ、見つけて。
 嬉しいとルーシーは自分の全てで伝えてくる。ユェーは微笑んで、ルーシーの頭に手を伸ばす。
 そっと撫でてくれる。ふふとくすぐったそうに笑み零し、ルーシーはその手に頭を寄せる。
 戦いももう終わる。
 そしてこの場にいつもの日常が戻ってくるまであともう少し。
 鬼がすべてを食べ終わるから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『きらめく星の舞台』

POW   :    輝く星を捜す

SPD   :    煌く灯を探す

WIZ   :    瞬く光を示す

イラスト:葎

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 クリスマスマーケットの場から脅威は除かれた。
 けれど――そこにまだ日常はなく。そのきっかけを作るのは猟兵。
 一点もののクリスマスのオーナメントの店。くるみ割り人形も並んでおり少しずつ表情が違う様。
 クリスマスカードの店はどれもこれも素敵で迷ってしまうというもの。
 そうっと香りを運んでくるのはアロマキャンドル。それも、模様が彫り込んであるものなどさまざまなものがある。
 それらを見ていれば――ふわりと良い香り。
 甘い香りはホットチョコレート。その上に生クリームか、それともマシュマロか。トッピングはどうぞお好きに。
 大人はホットワインやホットサングリアもオススメ。寒くてもきゅっとビール飲むのも良い。
 そして飲み物と一緒に温かな食事もある。
 ソーセージ。温野菜にはトロトロのチーズが目の前でかけてもらえる。
 牛肉の煮込みは濃厚で、ほろりと口の中で崩れていく柔らかさ。
 この近くにあるパスタの店が用意しているのはエビのビスクスープパスタ。
 バゲットピッツァも色々な種類が並び、マルゲリータやシーフード。チーズだけのものもあったり。
 焼きあがったらすぐに売り切れてしまうもの。
 そうしてお腹を満たしたら、甘いものも恋しくなる。
 フォンダンショコラは熱々で中からとろりと幸せの味。焼き菓子の詰め合わせを買って、好きなものを分け合うのも良い。
 そんな風に、賑わいが戻ってくれば――それが日常。
 気づけば、空には星が煌めいている。
 輝きの下、人々の笑顔もまた綻んであたたかな灯が満ち溢れる。
椚・一叶
友人のトリス(f27131)と
普段なら食べ歩き、と答えるところだが
嗅いだことない良い香りに
きらきらした物あって店も気になる
ホットワインで温まりつつ、行こう

カカッ
儂らに食べ物のおあずけはできない
土産は食べ物以外が良さそう
満腹になれば途中までは我慢できるか?
とキャンドルの店を覗き込み
森の香りするやつ、どうだ
なんだか落ち着く
トリスはどんな香り好きか
クリスマスらしく飾られたやつも面白い
貴様も部屋に合うのでは
キャンドル、ただの蝋燭かと思いきや奥深い

美味しいものか、そうこなくては
肉は絶対欠かせない
食後はホットチョコを楽しむのも良い
それが流れ出るというフォンダンショコラと迷う
クリスマス、特別感あって楽しいな


鳥栖・エンデ
友人のイチカ君(f14515)と
事件も解決したことだし
クリスマスマーケットを楽しんじゃお〜

お店眺めるのと食べ歩き、どっちが好きかな?
とりあえずホットワイン片手に
色んなところ見て回ろうか
ホットチョコも気になってるんだよねぇ
美味しいものは別腹だよ〜

お菓子はこの場で食べたくなったり
イチカ君に真っ先に感想言いたくなりそうだし、
お土産に買って帰るなら
キャンドルのお店が良さそうかなって
色んな香りや形のがあるねぇ
焚火みたいにパチパチ音がするのも面白そうかも

キラキラ色々楽しんだけれども
やっぱり最後はあったかくて
美味しいもの食べて帰ろ〜
ソーセージにチーズにスープパスタ、
賑やかなクリスマス楽しいねぇ



●きらきら輝く時間
 事件も解決したことだし、と鳥栖・エンデ(悪喰・f27131)の声は弾む。
「クリスマスマーケットを楽しんじゃお~」
 そう言って、エンデは椚・一叶(未熟者・f14515)へと笑いかける。
「お店眺めるのと食べ歩き、どっちが好きかな?」
 普段なら食べ歩き、と一叶は答えただろう。
 けれどふわりと――その鼻を擽る嗅いだことのない良い香りに誘われる。
 それにきらきらと光るものばかりの店もあって気になるのだ。
 そんな、少しそわりとした様子にエンデは気付いて、とりあえずと一叶へとあるものを差し出す。
 それはホットワインだ。
「ホットワイン片手に、色んなところ見て回ろうか」
 ホットチョコも気になってるんだよねぇとエンデは甘い香りに蛇の尻尾を躍らせる。
 美味しいものは別腹だよ~と笑って。
 一叶はホットワイン受け取って、温まりつつ行こうと一歩踏み出した。
 どれもこれも、綺麗で、楽しくて、美味しそうで。
 お菓子の並ぶ店の前で足が止まる。
 クリスマスならではのシュトレンもあったり。あとは焼き菓子の詰め合わせ。
「ここで食べたくなりそ」
 それに食べたらイチカ君に真っ先に感想言いたくなりそうだし、とエンデは言う。
「カカッ、儂らに食べ物のおあずけはできない」
 土産は食べ物以外がよさそうと一叶は言う。
 けれどふと。
「満腹になれば途中までは我慢できるか?」
 なんて言いながら足を運んだのはキャンドルの店だ。
「色んな香りや形のがあるねぇ」
 ひとつ手にとって、その香りを試してみる。華やかな、花の香りがエンデの手にとったキャンドルからしていた。
「森の香りするやつ、どうだ」
 一叶が手にしていたのはすっとする香りが感じられる。なんだか落ち着く、とそれをエンデにも差し出して試してみると良いと紡ぐ。
「トリスはどんな香り好きか」
「これもいい香り。焚火みたいにパチパチ音がするのも面白そうかも」
 なんて、キャンドルを手に取って色々見ていると、ひょろりとしたサンタクロースの形のキャンドルと一叶は出会う。
 クリスマスらしく飾られたやつも面白いと。
「貴様も部屋に合うのでは」
 キャンドル、ただの蝋燭かと思いきや奥深いと頷いて。
 様々なものから選んでみるのも、きっと楽しみの一つなのだろう。
 クリスマスマーケットの店はほかにも。
 クリスマスツリーの飾りの店はきらきら輝く飾りも多い。雑貨の店ものぞいて、くるみ割り人形の店ではお試しに割ってみたり。
 そうして楽しい時間を過ごしていると――お腹も減ってくる。
「やっぱり最後はあったかくて美味しいもの食べて帰ろ~」
「美味しいものか、そうこなくては」
 肉は絶対欠かせないと一叶が示したのは牛頬肉のシチュー。
 とろとろに蕩ける程に柔らかく煮込まれているらしい。濃厚な深い香りが誘ってくる。
 エンデはソーセージにチーズにスープパスタとすでに色々なものを。
 ぐるぐるっと撒かれたソーセージはパリッと焼き目も綺麗だ。
「食後はホットチョコ……いや、それが流れ出るというフォンダンショコラ……」
 ううんと唸って一叶は迷うと零す。
 どっちも食べちゃおうとエンデは笑って。
「クリスマス、特別感あって楽しいな」
「賑やかなクリスマス楽しいねぇ」
 きらきら輝くクリスマスマーケット。人々が浮かべる笑顔もきらきら輝いているよう。
 ふたり、そんな雰囲気も全部楽しんでいく星灯の夜。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鉄・悠生
【鉄家双子】
弥生ー!こっちこ…お?怒ってる?
いやー、敵片付けたら弥生と遊べるかなって
そっか、心配してくれたんだな、ごめん
大丈夫、怪我はないし疲れも弥生と遊べは吹っ飛ぶし
ありがとーな!
(心配してくれたことが嬉しい。笑顔でほっぺつままれ)

お詫びにホットチョコレートとバゲットピッツァ奢るわ
ホットチョコレートは何乗せる?
俺もマシュマロにしよっかな
ピッツァは違うの頼むなら半分こしよーぜ!
俺はシーフードにするわ
弥生が食べさせてくれるから喜んで貰う
ほい、お返しにこっちもあーん
二人で食べさせ合うのがなんか楽しい

おいしいけどまだまだ足りないな
次かー、歩きながら探そうぜ!
いつもみたいに手を繋いでおいしいもの探しへ


鉄・弥生
【鉄家双子】

悠生に呼ばれて合流したけど
私、ちょっと怒ってるの

もうっ!一人で飛び出していったと思ったら
戦ってたなんて!

大きな怪我、してないよね?
…あ、リベレイション使ったでしょ
少し疲れてるよね?

(悠生のほっぺ摘まんでむにむに。拗ねよりも心配が強い)

無事ならいいの、許してあげる
その代わり、めいっぱい遊ぼうね

ホットチョコレートはマシュマロ乗せ
ピッツァはマルゲリータがいいな
うん、半分こしよ
はい、あーん?

二人で過ごすおやつの時間の穏やかさも
いつの間にか食べ物が消えちゃってるのも、いつも通り

どうして美味しいものってすぐ消えちゃうんだろ
ね、悠生。次は何食べよっか?

いつも通りに手と手を繋いで
あたたかな灯の中へ



●ふたりの時間
 この場所の憂いを払った後――呼び出した彼女を待つ。その時間も、楽しいものだ。
 そしてその姿を見つけて、鉄・悠生(鉄家次男・f35575)はぱっと笑顔浮かべて大きく手をふる。
「弥生ー! こっちこ……お? 怒ってる?」
 けれど、近づいてきた彼女――鉄・弥生(鉄家次女・f35576)の表情は笑顔ではなく、ちょっとばかりお怒りのご様子。
「もうっ! 一人で飛び出していったと思ったら、戦ってたなんて!」
「いやー、敵片付けたら弥生と遊べるかなって」
 あははと笑って返す。けれど弥生の表情にその気持ち感じて悠生は
「そっか、心配してくれたんだな、ごめん」
「大きな怪我、してないよね?」
 そう言って、弥生は悠生を見詰め瞬く。
「……あ、リベレイション使ったでしょ。少し疲れてるよね?」
「大丈夫、怪我はないし疲れも弥生と遊べは吹っ飛ぶし」
 ありがとーな! と笑うその頬を弥生はつまんでむにむにと。
 悠生が自分を置いて、戦いに向かったことに拗ねる気持ちより心配の気持ちのほうが強い弥生。
 そして悠生は、弥生が心配してくれたことが嬉しくて笑顔でほっぺをむにむにされる。
「無事ならいいの、許してあげる。その代わり、めいっぱい遊ぼうね」
 そしてその手が離れたら、弥生は楽しもうと笑顔を悠生へと向けていた。
「お詫びにホットチョコレートとバゲットピッツァ奢るわ。ホットチョコレートは何乗せる?」
 悠生はまず、ホットチョコレートの店の前へ。弥生も一緒に向かいながら、うーんと悩んで。
「ホットチョコレートはマシュマロ乗せ」
「俺もマシュマロにしよっかな」
 そのお隣の店ではバゲットピッツァが色々並んでいる。
 サラミが乗ったもの。ソーセージがのったものや野菜たっぷりのもの。
 どれもこれも、美味しそうに見えるけれどその中から弥生が選んだのは。
「ピッツァはマルゲリータがいいな」
「ピッツァは違うの頼むなら半分こしよーぜ!」
「うん、半分こしよ」
 俺はシーフードにするわと悠生はエビやイカが乗って、その上にとろとろのチーズがかかっているのを指さす。
 それは丁度、焼きあがったばかりのあつあつとろとろ。
 どうぞ~とお見せの人から受け取って。
「はい、あーん?」
 弥生が差し出したバゲットピッツァ。悠生は口開けて、一口貰う。
 あつあつでチーズがとろりと伸びていくのを二人で慌てながら。
「ほい、お返しにこっちもあーん」
 そのお返しに弥生もぱくり。美味しいと頬緩めて笑いあう。
 二人で食べさせ合うのはなんだか楽しくて悠生も笑顔だ。
 そしていつの間にか、食べていたバゲットピッツァはその手から消えていた。
「どうして美味しいものってすぐ消えちゃうんだろ」
「おいしいけどまだまだ足りないな」
 それなら、まだまだ食べちゃおっかと弥生はくるりとクリスマスマーケットを見渡して。
 パスタのお店、ソーセージを焼いているお店――どこからも良い香りが漂ってくる。
「ね、悠生。次は何食べよっか?」
「次かー、歩きながら探そうぜ!」
 行こうと悠生は自然に弥生と手を繋ぐ。
 それはいつもの事。いつもみたいに、手を繋いでふたりで美味しいもの探しへ。
 きゅっと握るその手に笑み浮かべて、あたたかな灯の中へ向かう足取りは軽く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
倫太郎、お疲れ様でした
頑張ったら、今度は食事ですね

倫太郎と労いながらマーケットへと向かう
パンフレットだけでは、お店の商品を全て知れる訳ではありませんからね
皆へのお土産も見つけられるかもしれません
のんびり回っていきましょう

片手で抱えたましゅまろは、すっかり冬毛でカイロ代わりに
もう片方の手は倫太郎と手を繋いで行きましょう

やはり冬ならではのものが欲しいです
私はエビのスープが気になります
温かいスープは体が温まりますからね

それぞれ分け合って頂けば、幸せも半分ずつです
焼き菓子の他にフォンダンショコラも買って行きましょう
温め直して、皆で食べたいです


篝・倫太郎
【華禱】
夜彦ー、俺頑張ったー
で、腹減ったー

マーケットのパンフレットにも
地図とかあった気もするけど……
見ずにのんびり巡るのも悪くないよな?

しょこらを懐に収めながらそう声を掛けて
人混みにはぐれないように手を繋いで巡る

夜彦が気になるものがあれば買うし
温かい方が断然旨いだろ!ってものはその場で喰う
温野菜にチーズとか絶対美味いじゃん

あ、掛けないやつも貰お
少し冷めたらしょこにあげよう、頑張ったから
はは、ましゅにもあげるから大丈夫!

色んな美味しいを二人で分ければ
寒いのはあまり気になんないな

焼き菓子は勿論として……
子供達が気に入りそうなもんをひとつずつ買ってこうぜ?
くるみ割り人形とかクリスマスカードとか色々!



●幸せの時間
 この場の憂いを払ったひとり、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)。
 頑張ったのだからこれからは、ご褒美タイムだ。
「夜彦ー、俺頑張ったー。で、腹減ったー」
「倫太郎、お疲れ様でした」
 倫太郎を月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)はねぎらって、くすりと笑み零す。
「頑張ったら、今度は食事ですね」
 キラキラ輝くクリスマスマーケット。倫太郎が守ったこの場所を一緒に楽しみましょうと夜彦は紡ぐ。
 ふと、視線巡らせばこのマーケットのパンフレットもある。そういうものには、たいてい地図が描かれているものだ。
 けれど、今日はそれを手にとらない。
「見ずにのんびり巡るのも悪くないよな?」
「パンフレットだけでは、お店の商品を全て知れる訳ではありませんからね」
 皆へのお土産も見つけられるかもしれませんと、夜彦は笑む。
 のんびり回っていきましょう、時間は沢山あるのですからと。
 それにはにかむ倫太郎は、しょこらを懐へ。夜彦の手にいるましゅまろも、すっかり冬毛でぬくぬくとしている。
 そしてもう一方の空いた手を繋いで、ふたりでゆるりと歩み始めるのだ。人混みの中ではぐれぬように。
 どの店もライトアップされてきらきらと輝いている。
 クリスマスツリーのオーナメントの店。ふわふわの、しょこらとましゅまろに似た飾りはなんて探してみたり。
 キャンドルもなにもかも、輝いていて心弾ませるものばかりだ。
 そうしてクリスマスマーケットを見て回っていると――ふわり。
 良い香りが二人の鼻をくすぐる。それは色々な、おいしいものだ。
「温野菜にチーズとか絶対美味いじゃん」
 夜彦は何が気になる? と倫太郎は問う。
 温かい方が断然旨いだろ! と思うものはこの場にいろいろ。
 たとえば焼き立てのバゲットピッツァ。焼き立てのソーセージ。
「やはり冬ならではのものが欲しいです」
 気になる、というのならと夜彦が示したのはエビのスープ。
 エビの全てを使って作られたそれはふわりと良い香りを漂わせる。
「温かいスープは体が温まりますからね」
 それも旨そうと言いながら、倫太郎はチーズがかかっていないものももらう。
 少し冷めたらしょこらにあげるからな、と紡げば懐でもそもそ、嬉しそうだ。
 そしてそれをましゅまろもじぃと夜彦の手の上から見つめている。
「はは、ましゅにもあげるから大丈夫!」
 あそこのテーブル空いてると良い場所を見つける。
 ほかの料理も気になるものがいっぱいあって、二人で分け合えば幸せ。
 温かいものもとれば寒いのはあまり気にならなかった。
 しょこらもましゅまろも一緒に、食べて。ふたりの足はお菓子が置いてある店へと向かう。
「焼き菓子は勿論として……」
「焼き菓子の他にフォンダンショコラも買って行きましょう」
 温め直して、皆で食べたいですと夜彦は皆での時間を想像して擽ったそうに笑む。
 すると店員が、温め方の説明もつけておきますね! なんて声をかけてきた。
 倫太郎がじゃあ、と皆の分を買って。マドレーヌやフィナンシェ、クリスマスに彩られたマフィンもと選んでいく。
 そしてそうだ、と倫太郎は思いつく。
「子供達が気に入りそうなもんをひとつずつ買ってこうぜ? くるみ割り人形とかクリスマスカードとか色々!」
 夜彦はその楽しそうな表情に、ええと笑い返す。
 まだまだ、幸せで楽しい時間は始まったばかり。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

筧・清史郎
らんらんと

まずは一息、喉を潤そうか
甘いココアでな(微笑み
トッピングは勿論、クリームもマシュマロも全部のせだ
らんらんも一口どうだ?

何か摘まみつつ酒でも頂こうか
ふふ、好きなだけ飲んでいいぞ
らんらんを介抱するのはいつもの事だからな
俺はこの、色々な果実が入ったグリューワインが気になるな
改めて友と乾杯し暖を取ろう
ソーセージとバゲットピッツァもつまみに
ほら、この酒も美味だぞ(何気に次々勧め

今年も共に、色々な所に赴いたな
主も正しい輪廻に還す事ができたしな
その節は世話になった、有難う
ふふ、来年も共に楽しく過ごそう

さて次は、一等甘いフォンダンショコラを頂きにいこうか
(ふにゃりとなっている友を笑顔で言いくるめつつ



●いつも通り
 この場の憂いを払った筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は、友――終夜・嵐吾(灰青・f05366)へとこちらだと手を振る。
「せーちゃんおつかれ~。なんか飲むか?」
 そう言って笑う嵐吾へ、そうだなと頷く。まずは一息、喉を潤そうかと。
「甘いココアでな」
「ココア……」
「クリームもマシュマロも全部のせで。らんらんも一口どうだ?」
 またそんな甘そうな、と半眼の嵐吾。
「わしは酒を飲むからええよ」
 その言葉にそうかと笑んでココアを飲み、次は何か摘まみつつ酒でも頂こうかと清史郎は言う。
「ふふ、好きなだけ飲んでいいぞ」
 らんらんを介抱するのはいつもの事だからなと清史郎が手にしたのはグリューワイン。
 いろいろな果実が入っており見た目も楽しい。
 嵐吾もわしも飲むと手にし、ふたりで改めて乾杯を。
 ソーセージにバゲットピッツァ。それをお供に飲んで――杯をあけて。
「ほら、この酒も美味だぞ」
「おお、ビールか!」
 と、清史郎は次々とすすめ仲良くぐびぐび。
 そんな風に友と過ごす時間は――今年も沢山あった。
 色々な所に赴いて。そして。
 主も――正しい輪廻に還す事ができたと清史郎は零す。
「その節は世話になった、有難う」
「うむ? うむ」
「ふふ、来年も共に楽しく過ごそう」
 何の礼か、わかっているようでわかっていない。
 酒を飲んで酔ってきた友はふにゃりと笑むのだ。
「さて次は、一等甘いフォンダンショコラを頂きにいこうか」
「わしもたべる~」
 酒には甘いもんがあうとご機嫌。では、クリームにチョコレートソースマシマシでというのも、いつもなら甘すぎると言うが今日はわかっていない。
 そんな嵐吾に笑顔を向けて、さらに甘さマシマシフォンダンショコラを清史郎は注文していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朧・ユェー
【月光】

えぇ、無事でよかったですねぇ
はい?良いですよ、ではオーナメントのお店に行きましょうか?
ふふっ、きっと素敵な館のツリーになりますね
手を繋ぎお店へ
可愛らしいモノに嬉しそうに探す娘ににっこりと微笑んで
白銀のお月さま?おや、それは誰の事でしょうか?
きっと僕の事だろうとありがとうねぇと言葉を添えて
僕ですか?では金色の美しい花の形、誰かさんの綺麗な髪に似てますね?
どういたしまして

おやおや、風邪を引いたら大変だ
そっと自分のコートを彼女にかけて
僕は丈夫だから大丈夫ですよ
ふふっ、とても暖かいですね、ありがとう

そうですね、暖かいモノを頂きましょうか?
チーズをかけるのは美味しそうですねぇ
おや?人参を…?構いませんが…
頑張って人参を食べたら、甘いマシュマロと生クリームが入ったホットチョコレートを淹れようと思ったのですが…
残念ですねぇ
彼女の反応にくすくす笑って
えぇ、一緒に飲みましょうね


ルーシー・ブルーベル
【月光】

クリスマスマーケットは無事ね。よかった
ねえねえ、ゆぇパパ
オーナメントのお店に行かない?
かわいいのを買ってね、あの館のツリーに飾るの!
飾り付け、手伝って下さる?
手をつないでお店へ
うーん、どれもかわいい
えっとね、お星さまの飾りと、赤いクツシタと……これ!
白銀のお月さま!大きくて恰好よくて、
んふふーだれかさんみたいでしょう?
だれとは言わないけれど、どういたしまして!
パパは、お花?
ふふ、だれのことかな。でもありがとう!

……くしゃん!
くしゃみをひとつ
少し寒くなってきた
あ、ありがとう
でもこれじゃパパが寒くなっちゃう
むう。丈夫でも風邪ひくかもしれないのに
考えて――ぎゅってくっつく事にする
少しはあったかいでしょ?

ね、このまま温かいもの、食べにいこう?
ソーセージとかお野菜にトロってチーズをかけてるの見たの
すごくおいしそうだったわ!
ニンジンは、食べてくれるとうれしいのだけど……

ええぇえ!?そんな、究極の選択……!
じゃ、じゃあ……ニンジン食べる。食べるけど
ホットチョコレート、パパもいっしょに飲んでね?



●手を繋いで
 人々が、そして楽しい時間が戻ってきて。
 きらきら輝くクリスマスマーケットの姿にルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)はふわりと笑み浮かべる。
「クリスマスマーケットは無事ね。よかった」
「えぇ、無事でよかったですねぇ」
 そのほっとした心地の声色に朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)もまた微笑む。
 そしてルーシーの心を最初に擽ったお店は。
「ねえねえ、ゆぇパパ。オーナメントのお店に行かない?」
 まぁるいオーナメントや、天使やトナカイ、サンタの飾り。キャンドルなども並んでいる。
「はい? 良いですよ、ではオーナメントのお店に行きましょうか?」
「かわいいのを買ってね、あの館のツリーに飾るの!」
 たたっと一歩先を進むルーシー。嬉しそうに、楽しそうにくるっと回ってそう紡ぐ。
「飾り付け、手伝って下さる?」
「ふふっ、きっと素敵な館のツリーになりますね」
 どちらともなく、自然に手を繋いで二人でオーナメントのお店へ。
 そのお店にあるものはどれもこれも、可愛らしくて素敵なもの。
「うーん、どれもかわいい」
 どれもこれも、かわいくて気になって。幸せな悩みを抱えて、嬉しそうで楽しそうだ。
 そんな様子を見守ってにっこりとユェーは微笑みを向ける。
「決まりましたか?」
「えっとね、お星さまの飾りと、赤いクツシタと……これ!」
 ふふりと、これしかないでしょうというような表情でルーシーが見せたのは。
「白銀のお月さま!」
「白銀のお月さま?」
「大きくて恰好よくて、」
 そこでルーシーはふにゃりと笑む。
「んふふーだれかさんみたいでしょう?」
「おや、それは誰の事でしょうか?」
 きっと僕の事だろうとユェーは微笑んで、ありがとうねぇと言葉添える。
 そう、誰とは言わずにルーシーもどういたしまして! と笑顔の花咲かせるのだ。
 そしてその笑みを見て、ユェーもまたひとつ、手に取っていた。
 それを見てルーシーは少し首を傾げて。
「パパは、お花?」
 その手にあるのは、金色の美しい花。
「誰かさんの綺麗な髪に似てますね?」
 と、ユェーはその花をそうっと、ルーシーの髪に添えて見せる。
 それは、自分のことだともちろんルーシーもわかっていた。
「ふふ、だれのことかな。でもありがとう!」
 今度はどういたしまして、とユェーが紡ぐ番。
「……くしゃん!」
 と、ルーシーはくしゃみひとつ。
 それは少し寒くなってきたから零れたもの。
「おやおや、風邪を引いたら大変だ」
 そっと自分のコートをルーシーへとかけるユェー。
「あ、ありがとう。でもこれじゃパパが寒くなっちゃう」
 眉を八の字にして零すルーシー。けれどユェーは微笑んで。
「僕は丈夫だから大丈夫ですよ」
「むう。丈夫でも風邪ひくかもしれないのに」
 少し考えて――こうしましょ! とルーシーはユぇーへとぎゅっとくっついた。
「少しはあったかいでしょ?」
「ふふっ、とても暖かいですね、ありがとう」
 そんな少女の気遣いに微笑みを。
 そしてくいっと服の端をルーシーは引っ張って。
「ね、このまま温かいもの、食べにいこう?」
「そうですね、暖かいモノを頂きましょうか?」
「ソーセージとかお野菜にトロってチーズをかけてるの見たの」
 すごくおいしそうだったわ! ととろとろチーズを思うルーシー。
「チーズをかけるのは美味しそうですねぇ」
 それはきっとあの店かなとくるりと視線巡らせるユェー。
 あたたかなものを得て、にこにこと笑顔の人々の姿が目に入る。
「ニンジンは、食べてくれるとうれしいのだけど……」
「おや? 人参を……? 構いませんが……」
 ユェーはニンジンから逃れようとするルーシーに僅かばかり表情曇らせてみせて。
「頑張って人参を食べたら、甘いマシュマロと生クリームが入ったホットチョコレートを淹れようと思ったのですが……」
 残念ですねぇ、とため息交じりに。
「ええぇえ!? そんな、究極の選択……!」
 甘いホットチョコレートなんて美味しいに決まっている。
 それをニンジンを食べなければ――ルーシーの中にある天秤がホットチョコレートとニンジンを秤にかけてぐらぐら。
 そしてそれは、ホットチョコレートに傾くのだ。
「じゃ、じゃあ……ニンジン食べる。食べるけど」
 唸る様に紡ぐ。そんな彼女の反応にくすくすとユェーは笑い零して。
「ホットチョコレート、パパもいっしょに飲んでね?」
「えぇ、一緒に飲みましょうね」
 まずは、でもニンジンからなんて言って。
 二人で温かいものを、手を繋いで一緒に探しに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

瑞月・苺々子
【星縁】
クリスマスマーケット、ももの住んでいた世界にはなかった文化なの!
人がいっぱいね。ひとりで来たら、きっとももは迷子になっちゃってたかも。
でもね。今日はお友達もいっしょ!
さあ、どこから回ろうかしら?
それよりレイラ、ちゃんとついてきてる?

みて!色んなスノードームがあるの!
スノードームキャンドル……?っていうの?
あっ、このお馬さんが入ってるの、ミーシャにぴったりかも!
えへへ、プレゼントして驚かせちゃおうかしら。

ふたりともお買い物は済んだ?ちょっと休憩したいな。
温かいチョコレートの飲み物も、初めてで楽しい!

レイラ、ももにプレゼントなの?
きゃあ!なんてキュートなイチゴのリース!
帰ったら早速飾らなきゃ。ありがとうね。

めいいっぱい遊んだクリスマス。楽しかったなぁ。
また来年もこれたらいいね!
その時までどうか、みんなが元気で過ごせますように……!


レイラ・ピスキウム
【星縁】
クリスマスマーケット……。
やはり人がたくさん。街も人も賑やかだ。
僕だけでは迷って辿り着けなかっただろうな……。連れてきてくれた2人には感謝しないと。
さて、逸れないように2人について歩きます。

ミーシャさんが選ぶお店はセンスが良いですね。
色んなものがあって見ているだけでも楽しいな。
……ああ、あれなんていいかも。
イチゴのクリスマスリース。そうそう見かけるものでもありません。
可愛いし面白い……。
これは苺々子さんに贈りましょう。渡すまで内緒でね?

買い物が済んだのなら、休憩にしましょう。
ああ、苺々子さん、火傷しないようにね。
ホットチョコレートで一休みした後は、プレゼント交換会といこうか。

ミーシャさんが僕にプレゼント、ですか?
あなたが選ぶものはいつもオシャレです。
……もしかして、本から僕を連想しましたね?
あはは、解りやすくて良いです。素直に嬉しいな。

ここに来て初めて過ごすクリスマスだけど、素敵な思い出になりました。
2人に巡り合えて良かった。
また、こういう楽しい場所にみんなで行けると良いね。


ミーシャ・アルバンフレット
【星縁】
賑やかな星空に、負けず劣らず輝くイルミネーション…
たまにはこういう賑やかな場所も良いものね
ふふ。苺々子ってば、そんなに尻尾振って。余程楽しいみたい

あら。あのお店、何か良さそうね
少し寄ってみましょうか
見立て通り、色々あって素敵…
…へえ。ランタンの中身がスノードームになってるのね
雪だるまが本を読んでてカワイイかも
本、って言ったらレイラよね
プレゼントしたらどんな反応するかしら?

うんうん。歩き回って疲れたものね
ホットチョコの温かさと甘さが沁みるわ…

みんなそれぞれを思ってプレゼントを選んだのね
…ふふ、なんか面白いな
苺々子がくれたプレゼント、私の愛馬をイメージしたのかしら?
ありがとう。ダニエルオットも喜ぶわ

こうして話していると本当に弟妹みたい
不思議な縁で結ばれているのがよくわかるかも
―――ねえ、次はどこに行きましょうか?



●来年も、これからも、きっと
 楽しそうな声が聞こえてくる。すれ違う人々の、誰も彼もが笑顔でいっぱいだ。
 そして賑やかな星空に、負けず劣らず輝くイルミネーション、とミーシャ・アルバンフレット(泡沫のスコル・f00060)は瞳瞬かせる。
「たまにはこういう賑やかな場所も良いものね」
「クリスマスマーケット、ももの住んでいた世界にはなかった文化なの!」
 そう言って、初めて触れる世界に瑞月・苺々子(苺の花詞・f29455)はきらきら、瞳輝かせて笑顔だ。瞳に映る何もかもが、新鮮で面白くて楽しそう。
 そしてこの場所を、レイラ・ピスキウム(あの星の名で・f35748)も見詰めている。
「クリスマスマーケット……」
 やはり人がたくさん。街も人も賑やかだとレイラは零す。外の世界も、やはり悪くない。
「人がいっぱいね。ひとりで来たら、きっとももは迷子になっちゃってたかも」
 その言葉に、レイラもうんと頷く。けれど――今日は一人ではない。
「さあ、どこから回ろうかしら?」
 そしてふわりと、苺々子の尻尾は楽し気に動く。それを見つめ、ミーシャは笑み深め。
「ふふ。苺々子ってば、そんなに尻尾振って。余程楽しいみたい」
 くすりと、自分も楽しい気持ち。
「それよりレイラ、ちゃんとついてきてる?」
 くるりと後ろを振り向く苺々子。レイラはうんと頷いて返す。絶望的な方向音痴。迷っても楽しいだろうけれど、今日はそうならないようにふたりの後ろをついていく。
 けれど――自分だけでは、きっと。
「僕だけでは迷って辿り着けなかっただろうな……」
 連れてきてくれたふたりには感謝しないと、とレイラは二人にそうっと思い添える。そして逸れないようにと、ふたりの姿を見失わないように気を付ける。
「あら。あのお店、何か良さそうね」
 少し寄ってみましょうかとミーシャが示すのは色々な雑貨の店だ。
「ミーシャさんが選ぶお店はセンスが良いですね」
 色んなものがあって見ているだけでも楽しいなとレイラは並ぶものを見詰める。
 色々なもの。どれを選んだらいいのか、目移りもしてしまう。
「……ああ、あれなんていいかも」
 そう言ってレイラが手にとったのはイチゴのクリスマスリース。
 それはそうそう見かけるものでもないし、なにより。
「可愛いし面白い……」
 これは苺々子さんに贈りましょうとレイラはそれを買う。渡すまでは、何を買ったのかも内緒だ。
 そしてミーシャも色々と見て、手を伸ばして。
「色々あって素敵……」
「みて! 色んなスノードームがあるの!」
 どうぞ手に取ってみてくださいなと店員が微笑む。
「スノードームキャンドル……? っていうの?」
 どれもこれも可愛らしい。キャンドル型のランタン。その中がスノードームになっているのだ。
 そして、同じものがふたつとない。それぞれ違う顔をもっている。
 そのひとつを手に取る。それは苺々子も、ミーシャも。
「……へえ。ランタンの中身がスノードームになってるのね」
 雪だるまが本を読んでてカワイイかも、と思いながらミーシャはレイラの方へと視線をちらりと向ける。
 本といったら――レイラだ。
「プレゼントしたらどんな反応するかしら?」
 ふふ、とミーシャが小さなイタズラを思いついたような笑み浮かべている時、苺々子もまた素敵なものを見つけていた。
「あっ、このお馬さんが入ってるの、ミーシャにぴったりかも!」
 そうっと、手に取った一つ。苺々子の手にあるそれは、馬がひひんと嘶くもの。
「えへへ、プレゼントして驚かせちゃおうかしら」
 そうっとミーシャを見て。贈ったらどんな顔するかしらとそれもまた楽しみのひとつ。
 プレゼントを買って、他の店もめぐって。
「ふたりともお買い物は済んだ?」
 ちょっと休憩したいなと苺々子は言う。
 いろんなお店を巡って楽しいけれどもちょっとお疲れ。
「うんうん。歩き回って疲れたものね」
 なら、と向かう先はフードマーケットだ。
「温かいチョコレートの飲み物も、初めてで楽しい!」
「ああ、苺々子さん、火傷しないようにね」
 あついホットチョコレート。
 少しだけ冷まして、口に広がる甘い味。
「ホットチョコの温かさと甘さが沁みるわ……」
 おいしいとミーシャもほっこり笑顔。
 それを飲んだら――プレゼント交換。
 それぞれを思ってプレゼントを選んだのだ。
「……ふふ、なんか面白いな」
 ミーシャの手にあるのは苺々子からのプレゼント。
「私の愛馬をイメージしたのかしら?」
 ミーシャと言ったらお馬さん。雪の中を走る黒い馬は、ミーシャの愛馬と似ている気もする。
「ありがとう。ダニエルオットも喜ぶわ」
 後で見せてあげなきゃ、なんて笑って。
「レイラ、ももにプレゼントなの?」
 そう言って受け取ったのは――さっき買ったばかり。
 開けていい? と訊ねてそうっと中を、どきどきしながらのぞき込む。
「きゃあ! なんてキュートなイチゴのリース!」
 帰ったら早速飾らなきゃと苺々子は嬉しそうににこにこと微笑んで。
「ありがとうね」
 どういたしましてと微笑むレイラ。そんなレイラにはミーシャからプレゼント。
「ミーシャさんが僕にプレゼント、ですか?」
 レイラも、それをそうっと開く。あなたが選ぶものはいつもオシャレですと、プレゼントが何かそわりとしつつ。
「……もしかして、本から僕を連想しましたね? あはは、解りやすくて良いです。素直に嬉しいな」
 思わず笑み零し、レイラはありがとうと紡ぐ。
 ここに来て初めて過ごすクリスマス――楽しい時間に、選んだプレゼント、もらったプレゼント。
 どれもこれも素敵な思い出になりましたとレイラは言う。
「ふたりに巡り合えて良かった」
 めいいっぱい遊んだクリスマス。それはもちろん、苺々子もで楽しかったなぁと零す。そして、思うのは――
「また来年もこれたらいいね!」
「また、こういう楽しい場所にみんなで行けると良いね」
 その声が重なって、また笑いあう。
 そしてこうして話していると本当に弟妹みたいとミーシャも思うのだ。
 不思議な縁で結ばれている。それがよくわかるようで。
 その為にも。
「その時までどうか、みんなが元気で過ごせますように……!」
 きらきら輝くお星さまにお願いひとつ。
 でも、まだまだクリスマスマーケットは始まったばかり。
「―――ねえ、次はどこに行きましょうか?」
 ミーシャは苺々子とレイラを誘う。
 それはこのクリスマスマーケットの他のお店でもあり、そしてまた――どこか、別の楽しい所でもある。
 だって縁はまだまだ、続くのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年12月25日


挿絵イラスト