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ビーチェの繭

#シルバーレイン #決戦 #土蜘蛛戦争 #神曲

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●アトラク=ナクアは斯くかたり
 日常と呼ばれた、何事にも代え難い悦びが人類(かれら)を抱擁していた。いと紡ぎの裏側でスヤスヤしているのは誰か、それを暴く術は果たして、真に救いだと謂えるのだろうか。からからと繰り返した巣作りが美しい肉と骨と血を再生(つく)っていく――たとえば街そのものを神曲(うた)としよう、悉くが天国篇(ページ)に侵蝕されている――ずず、ず、と啜られた尊い々い命、捕食者は如何に首傾げるのか。
 未熟だった世界(こと)を思い出す。未熟だった涙(こと)を思い出す。つまりオマエは捕食者(ばけもの)として振る舞うべきだったのだ。ならば――ハルピュイアの食べ残しで満足するなど在り得ない、新鮮な儘に保存(つつ)んでおくのが正しい。
 私は今度こそ使命を果たし、そして――。

●グリモアベース
「うっわマジですかこれ。そんな無茶苦茶な事オブリビオンでもやれますかね??? まあやっちゃった事は認めるしかありませんよ。それでは猟兵(てめぇら)戦争(いくさ)の時間です。覚悟して三半規管(みみんなか)かっぽじってくださいね」
 グリモア猟兵たる隣人は――目隠しで視えないが――真剣そのものであった。地獄と煉獄と天国がいっぺんに出来上がったらこんな面にもなるだろう。
「あー。あー。兎に角ですね。ふと予知(み)たらシルバーレイン世界にですよ? 【街まるごと包み込んだでっけぇ檻】が在ったんですよ。まあ簡単に言ったら蜘蛛の巣ってやつですかね? そんでそんな事やらかしたのは【国見・眞由璃】っつーとんでも土蜘蛛女王様ってわけです」
 溜息を吐きながら手元の書物をぺらぺらやっている、その内容は蜘蛛の生態だろうか。
「こんなもん資料のしの字にもなりゃしません――檻ん中の人間はどうやら【日常を謳歌している】ようですぜ。こりゃ記憶操作の類に違いありません、そんでおねんねの時間にゃ繭んとこ、包まってむにゃむにゃしてる内に女王様が精気(おいのち)ちゅーちゅーって感じです。早よ醒ましてやってくださいな」
 無意味だと思ったのか資料をばたん、溜息混ざりの説明は続く。
「一般人助けたら雑魚が来るんでお片付けしましょう。土蜘蛛の身体っぽいらしいんで蜘蛛足とか蜘蛛糸とかに注意してくだせぇ――ぶっ飛ばしたら本番です、アンタの全力をぶつけて殺(や)りなさい――嗚呼、そうそう。長引かせたくねぇなら考えない方がいいかもしれませんよ!!!」
 グリモアが輝いて。


にゃあら
 にゃあらです。
 土蜘蛛戦争開幕。

 第一章。
 街が大規模な檻に覆われています。
 内側の人々はなんてことない日常を謳歌していますが、おねんねの時間には繭の中、精気を女王に啜られているようです。
 違和感を突き付けて醒ましてやってください。
 最悪、繭から引き剥がしても問題ありません。

 第二章。
 土蜘蛛化オブリビオンとの戦闘です。
 彼等は土蜘蛛の特徴を有しています。
 蜘蛛足や腹部の糸に注意してください。
 プレイングに対処方法を記したら有利に働くでしょう。

 第三章。
 土蜘蛛の女王『国見・眞由璃』との決戦です。
 詳細不明。

 宜しくお願い致します。
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第1章 日常 『君のことを教えて』

POW   :    力強い言葉で語らおう

SPD   :    数多の言葉で紡ごう

WIZ   :    他の誰でもない貴方の言葉で拓こう

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 蜘蛛の神は橋渡しの意図で有り、からからと世界を編むと謂うのか。絡み合った糸は慈しみを思わせる繭と化し、素敵な日常へと人類(ひと)を誘うのだろう――されど悉くは晩餐と説け、最後を知らされず啜られて終うのだ――猟兵(きみ)は目覚めの為に何を語り、何を捲るのか、よくよくビーチェと交わり給え。
黒影・兵庫
なんということでしょう!
土蜘蛛の女王のせいで
虫さんたちに悪いイメージが!
大問題です!せんせー!
(「たいして良いイメージなくない?」)
何てこと言うんですか!
いいですか!?虫さんは常にヒーローで...
(「あーとにかくさぁ檻の中の人たちの目を覚まさなきゃ」)
む!そうですね!精気を吸われているなら
体調に影響があるはず!
そこら辺を突っ込んだりしますか!
工作兵さんにもご助力していただき取り囲んで『言いくるめ』
それに加えて俺の『催眠術』で覚醒させましょう!
(「カルトの宗教勧誘みたいね」)
向こうからしたらこちらが異常なんで
あながち間違いではありませんね!



 天蓋(そら)から落っこちた蜘蛛の糸の粘つきが、良い印象を与えるとは思えない。たとえ彼女等が益虫(よいもの)だとしても人の嫌悪を拭う事は難しいのだ――なんということでしょう! 土蜘蛛の女王(オブリビオン)の所為で虫たちの悪趣味(イメージ)が肥大化(ふく)らんでいく。問題も問題、これは凄惨なまでの大問題だ。黒眼鏡(ふくがん)かけた蜻蛉じみて忙しなく脳内の先生(きみ)に言葉(と)うてみた――たいして良いイメージなくない? 岩の下葉っぱの裏キッチンの隅あなたのお隣、かさかさと蠢動(うご)く節(あし)は改竄(か)えられないのだ――何てこと言うんですか!
 一寸の虫にも五分の魂、簡単に説けば『小さくても力持ち』。いいですか!? 虫さんは常に英雄(ヒーロー)で俺の憧れの――長引きそうだから以下省略、溜息混じりのあー、が流れる――とにかくさぁ。籠の中の鳥ではなく檻の中の人だ、後ろが正面で在っても救助(たす)けに向かわねば成らない。蛹ごっこでとろけた脳を覚醒させるのだ。
 工作兵の皆さん――涌き出したのは『日常に溶け込めるだろう人っぽい昆虫種』、楽し気にお話している誰かさんを囲んで叩かず言いくるめだ。お元気そうですね、最近調子はどうですか――ちょっと顔色が悪いようです。そんな※※さんにはこれ! 少しお時間ください、そしたら元に戻れます。
 どこぞの宗教勧誘みたいね。隅っこから焚(ひのこ)が漏れたが催眠(まじない)は完了、指摘された違和感(もの)を否定する術はなく誰かさんは街を出ていった。
 向こうからしたらこちらが異常なんで――こんな状況下で正気でいられる方が可笑しいのだ、あながち間違いではありませんね――意図に絡まれた何某かが心中を察していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴桜・雪風
街一つ、『巣』へと変えましたか
流石、一つの勢力を率いていただけはあります
この様な災害が如き怪異、探偵の仕事ではありませんが……
「迷えるヒトが居るなら、桜の精としては少し見過ごせませんわね」

粘つく蜘蛛糸を苦もなく刀で切り払いながら
囚われた人々に声を駆けて回ります
「もし、そこのあなた。あなたは誰ですか?」
「平穏な日常こそ真に尊き輝き……ですが、偽りの世界でそれを追っても破綻しかありえないでしょう。あなたの本当の日常にお帰りなさいませ。先導はわたくしが務めますから」

囚われた人々を助けたら、残すは犯人達のみ
「貴女方が捕食者として荒ぶるなら――わたくしも狩猟者として振る舞うとしましょう」



 全くが超常的なのだ、埒外(カオス)の内側に罰や罪を注入(い)れるとは禁忌(タブー)としか認識(おも)いようがない。はらはらと落ちる葉(よう)が如く、未だ青々として異てはお勤めする事もままならない――街一つ『巣』へと変えましたか――流石は蜘蛛の群れ、一個の勢力を率いていただけはあります。するりと一匹逃してしまえば終いには鼠算、この様な災害(わざわい)こそ怪異『らしさ』と説くべきだろう。それでも。
 迷えるヒトが居るなら、桜の精としては少し見過ごせませんわね――埋められたのは死体ではなく生体(せいたい)と謂えよう、重ねて酒で酔っ払った拍子でもないのだ。日常(うそつき)と激突(ごっつん)した頭(おつむ)では理性を保っていられない。もし、もし、そこのあなた――ふざけた意図(もの)を切り払いつつ、包まれた君に言辞(はなびら)。
 あなたは誰ですか? ほつれた襤褸(きれはし)を何度も何度も直した結果が『歪』で在るならば救いようがない。勝手気儘に救われてくれと幻灯(あかり)が揺れていく。手を取り合ったら先導は猟兵(オマエ)――あなたの本当の日常にお帰りなさいませ。破綻していた繭(はらわた)が本当の貌(かたち)を再構築(み)ていく。尊い尊い真実味がいっそう光輝をつまんでいた。
 踵を返した犯人(ばけもの)に宣戦布告の言霊(かたち)として、狩猟者の振る舞いを心(こ)に抱(し)て往け。これは、虚れは美しいエメラルドの凝視(うつし)み、慈しみをかける所以は無くなったのだ――荒ぶる女王(おんな)に仕込み在れ。
 絹にさわられた空色が墜ちる感覚を得ていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

プリズム・アストランティア
国見・眞由璃…話には聞いていたけれど
直接会った事もないし、会う事もないと思っていたけれどね。
オブリビオンとして復活したのなら放ってはおけないわ。

まずは檻に囚われた人たちを助けないといけないわ。
ヘヴンリィ・シルバー・ストームで銀色の雨を降らして
人々を捕えている繭を薙ぎ払い眠っている人達を優しい雨で
回復させて目を醒まさせるわ。
助けた人たちが土蜘蛛に襲われないよう
安全な場所を見つけてそこに避難させるわね。

「まだ完全に力は取り戻していないけど、それでもやらないと」
「大丈夫、必ずみんな助けるから」



 煉獄の真ん中で熟睡していた、ただの人類(いっぴき)に牙を晒すなど何事だろうか。アトラク=ナクアは一心不乱に世界(はし)を渡し、喰う間も惜しんで傲慢(わら)っているのか。国見・眞由璃――話には聞いていたけれど――直接会った事はないし、会う事もないと思っていたけれどね。この場、この運命(ば)、切り抜ける他に『世界を再び穏やかにする』術はないのだ。過去(オブリビオン)として復活したのなら放ってはおけないわ。たとえば地獄に垂れた糸、登ってきたのは『重さを理解出来ている』蜘蛛の群れか。
 優しさの雫(えき)がぽた・ぽた、と。銀色(いろ)を纏って檻(なか)を濡らしていく。その埒外(ユーベルコード)には絶対的な、猟兵(オマエ)の思いが籠められて癒(い)るのだろう。大丈夫、必ずみんな助けるから――現在はお姫様が王子様に手を伸ばしたって好いのだ、自己で煌めく月として万色(かげ)を脱(ぬ)いていく。鎖帷子(ころも)を剥がない神様とは大違いだ。
 まだ完全に力を取り戻してはいないけど、それでも――全てを脅かす忘却(もの)に屈してはいけない、普段の大学生活(ほんしつ)を永久に守るべく。
 目覚めた何某(ひとびと)を土蜘蛛(かれら)に啜られぬよう『ハート・マーク』で避難(さき)駆ける。街の外(むこう)にはたくさんの正気(まとも)が在った。猟兵(オマエ)は温かな光景(めのまえ)を脳裡に焼き付け『戦禍』に潜(かえ)る。沈黙出来ない少女はハルピュイアに餌をやる事を由としなかったのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・水無月
街一つとか大事なのですよ。
この状況で一般人の保護をする。
かなり大変な気がするですよ。
んー、逆に規模が大きいからこそ隙はある?
街一つですかー。
これって行動範囲が街の外まである人ってどうなってるんだろう?
外には出るけど戻ってくるのか、それとも街の中に留まるのか?
でも、外に出てるなら違和感で正気に戻るとかありそうだよね。
だとすると…記憶操作で街の中なのか。
それなら突くべきところはそのあたりだよね。
会社や学校はどうしたのかな?ってね。
公園にたむろす大量のお父さんたち…地獄かな?
これは早く解決しないとね。
それに流通はどうなってるんだろう?
まともに動いてないとすると…ヤバくないかな?



 首を傾げていたどこぞの少女が一回転、ころころ、ころころ遊んだ先には天国か。絡みあった禍津(まがつ)の裏面(そば)で一本一本が大切だと一般人(あたりまえ)に説かれている。ああ、街一つ蜘蛛(おんな)に呑まれたと考えたなら、なんとまあ大事だろうか。この状況で人類(ひと)の保護・避難を行わなければならない。かなり大変な気がするですよ――それとも逆転の発想(おつむ)を起こして未たら如何か、大規模故に隙を見出せる? ふと迷い込んだ演技(ふり)して電球(ハテナ・マーク)だ。行動範囲が街の外(あっち)だとどうなっている。霧の町じみて繋がっているのか、振り返って終うのか。外出可能であれば違和感の拍子(てのひら)、ふれて正気に戻れるのかもしれず――それなら記憶操作(まゆのなか)での街の中(はらわた)だ、つっつくべき弱点(あな)を見つけた。
 枝と枝を繋ぐよりも地に穴を掘った方が楽だったに違いない、故に悉くは隙(あな)と見做されたのだ。ねえ、※※さん、会社はどうしたのかな? ねえ、※※くん、学校はどうしたのかな? 公園でたむろするお父さんやお子さん、立場が同じであればブランコでキャッキャウフフだ――地獄かな??? どこぞの少女も苦虫食んでいる。このパンダさんは僕のものだ。じゃあこっちのコアラは私のものね。
 これは早く解決しないとね。ぶらり散歩(あゆ)んでいる余裕はない、無理に引き摺ったお母さんがわぁわぁと嘆いている……それに流通はどうなってるんだろう?
 エンジンは響かずノイズだけが蠕動(う)いていた。まともに動いてないとすると――背筋(せ)を這った冷汗(えきたい)、猫のように丸くなった。
 ヤバくないかな?

成功 🔵​🔵​🔴​

虻須・志郎
蜘蛛同士の流行りとかあったのかなーって
いや、キャラがな、被っていると言うんだ
俺の中の邪神様が
ふっしぎー

しっかし繭か。蜘蛛の巣なのに繭ってのも変な話だよな
内蔵無限紡績兵装でしなやかな縄を縫製しロープワーク
目立たない様に地形を利用しつつ
周辺を飛び回り情報収集
捕まってる奴等の状況を確認しながら
先の事を見据え敵首魁の居場所も探っておく
凡そ戦闘半径を算出したらアレを使うぜ
こういう時こそ、先生やテメェらの贈り物が役に立つ訳よ隣人ちゃん

空より無数の鏡を降らせて呪いを解くお手伝い
さあ……人ならばお家へ帰る時間だ
人ならざるならば……生きて出られると思うなよ

覚悟しろ
蜘蛛がテメェらだけじゃあ無えって事、教えてやんよ



 怪物(フリークス)に人間らしさを求めて、深掘りを繰り返した結果が同族嫌悪(アトラク=ナクア)か。キャラクター設定欄(もじれつ)を整えていなくても理解(わか)り易い、筆舌し難いほどの女子(おんなのこ)っぷり。嗚呼、全く、何もかもが不思議な現(こと)だ。兎にも角にも殴られたり蹴られたり回されたりする前に救出(うご)かねばならない――しっかし――目と鼻の先で群贅(かた)まっているのは繭、蜘蛛の巣だと謂うのに『繭』とはこれまた奇怪な噺で、何方かと謂えば保存食と記すべきだろう。ならば此方(オマエ)も繰るべきは縄(ロープ)、しなやかに成された無限(いと)が地形(まち)を這って往く。
 情報を収集(あつ)める為には先ず『見易い』位置に身を投げると好い、そんな小言(ことば)が聞こえたのか聞こえていないのか、オマエは犠牲者(ひと)の面を記憶していく。その序でに首魁(おおもの)の姿を捉えてみると悦ばしい――それでは何時ぞやの猛禽類に感謝して『あれ』を揮うが好い。こういう空間(とこ)こそ、先生やテメェらの贈り物が役に立つ訳よ――汝、隣人を愛せよ? いいや、いいや、人類を称えよ。算出(けいさん)された第二章(オペラ)にタイトルは要らない。
 こっちの水は甘くて冷たい、あっちの水はからくて熱い。虚空(そら)から落ちた鏡(すがたかたち)が人間(ひと)と世界を融合(と)かしていく。さあ、お家へ帰る時間だ。それとも帰りたくないと? 人ならざる過去(もの)には眩暈(どくぶつ)を――生きて出られると思うなよ。蛆虫から益虫まで揃いも揃って三下(ざこ)らしい。局外者(アウトサイダー)は決して混濁(にご)れない筈だ。
 覚悟しろ――蜘蛛がテメェらだけじゃあ無えって事、教えてやんよ――硝子片(かけら)に切断された巣窟(いと)がシナプスじみて震えていた。
 お呪いごっこからは卒業出来ない。

成功 🔵​🔵​🔴​

新名・有花
WIZ
アドリブ連携歓迎

ーー女王(はは)
記憶になく知識でしか知らないはずの
気配を感じるような気がする。

『Lu♪』

……安心おしよ、ミィ。
心配そうに歌うされこうべを一撫で。
あんたが隣で歌う限り、あたしはあちらには堕ちない。
あたしだけじゃなく、みんなに歌ってあげな、ミィ。
常人ならば耐えきれない『恐怖を与える』ようなのを一曲。
日常にはそぐわない歌う骨に、違和感を覚えるはずさ。
後はただ目覚めればいい。
悪い夢はあたしたちが何とかするからさ。
……女王。今のあんたの夢はきっと多くを傷付ける。
あんたが命と引き換えに助命を請うた同胞さえも。
それは嫌だから、あたしたちはあんたを止めたい。
行こう、ミィ
『La♪』



 死骸(どうたい)の事を想起(おも)い返そうにも蜘蛛の腹部(はら)が邪魔してたまらなく、記憶にないタダの知識(みそ)だけが渦巻くと謂うのか。たれるような気配(よかん)の中で猟兵(オマエ)は呟(ひと)こと――女王(はは)――と漏らした。童歌(わらべ)の声帯(こえ)の儘に輪郭(いと)を辿っている。反芻、反芻、如何にか乞(こ)うにかさまようように――Lu♪――やけに不安げな、否定的な奏(おと)が耳を擽った。
 安心おしよ、ミィ――心配(ふ)れるように歌った、されこうべをひと撫で。あんたが隣で歌う限り、あたしはあちらには堕ちない――たとえ虚空(せかい)が墜ちたとしても同じ事だろう。嗚呼、あたしだけじゃなく。皆(ひとびと)にも聞かせてあげた方が好い。かたかた・かたかたかた・まるで魔王(きゆう)の如くに一曲を。
 常人(ひと)の詰まった耳朶(あな)におぞましい、決して『耐えてはいけない』メロディが流れ始めた。日々にそぐわないうたうほね、聞いて見て告げれば強烈な違和感(もの)に苛まれる筈だ。後はただ目覚めればいい――悪い夢に迷い込んだ有象無象(じんぶつ)の錯乱具合「あたしたちが何とかするからさ」――甘ったるさの抜け落ちた、壊れかけのユリカゴ。今の女王(あんた)の夢はきっと多くを傷付ける。
 アトラク=ナクアと称した方が相応(にあい)なのだ。あんたが命と引き換えに助命を請うた『同胞』さえも――ぞくり、脳天から掬われるような気分。それは嫌だから、あたしたちはあんたを止めたい。大切な約束と誓いが、破れぬ絆(わっか)を模ったのか。
 行こう、ミィ――La♪

 ――深い深い愛情が、アル、とちいさく。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『赤燐蟲『捕食型』』

POW   :    ヤツはなんでも呑み込む口を持っている
【相手の死角から突然巨大な口による捕食攻撃】を放ち、命中した敵を【丸呑みした後、消化液塗れの胃壁】に包み継続ダメージを与える。自身が【近付く際に地中や水中、建造物の中を潜行】していると威力アップ。
SPD   :    どこにでもヤツは現れる
【地中や水中、建造物の中を潜行している】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させる。
WIZ   :    逃げてもヤツは追ってくる
【相手の死角から突然現れ巨大な口による捕食】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【匂いや行動パターン】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 からっぽになった繭(それ)を認識して土蜘蛛と化した蛆虫(オブリビオン)が咆哮した。複数の脚(それ)を怒(いか)らせつつ、粘ついた糸(もの)を吐き散らかしている。餌が無い。餌が無くなった。女王様の晩餐(えさ)が消えてしまった。原因は何だ。原因は猟兵(あれ)だ。猟兵(あれ)を代わりに捕まえよう。
 しかし我慢出来る筈もない。群れ成す彼等は童(こ)の如く、癇癪を起こして口(あな)を晒した。裂けるように、暴かれるように、もう新鮮なものを保存(くさ)らせるのはヤメだ――どこにでもヤツは現れる、そういう過去(もの)だろう。

 異物は排除(しょうか)しなければならない。
アノマーシェ・ミサキ
「我が知る土蜘蛛とは様子が違う…これがオブリビオン、なのですね…!」

我はアノマーシェ
銀誓館の猟兵の1人
銀誓館に救われる前は望まずながらもかの女王の陣営にいた者として…
かの女王の新たな罪…オブリビオンを討ちます!

死角からの不意打ち、全て避けるのは難しいでしょう
次の攻撃は威力が上がる…
ならば…耐えて迎え撃つだけです!

我が命減らせども、我は赦しの舞を…いえ、今は載霊の舞を舞う!
※赦しの舞…旧シルバーレインの『土蜘蛛の巫女』の技、今は使用不能

巫覡載霊の舞を使用
敵の攻撃を避け、万一喰らっても耐えつつ
なぎなたの衝撃波で一体でも多く赤燐蟲を攻撃し殲滅
なぎなたを使うのも久々、腕が衰えていないと良いのですが…!



 御神籤で引いたのはとても派手々々しい大吉(こううん)だった、たくさんの光輝(ひかり)に溺れるような感覚で、猟兵(オマエ)は過去(ときのながれ)を噛み締めていく。銀誓館(かれら)に救われる前に『我』は何処に存在(い)たと謂うのか。嗚呼、望まずながらも蜘蛛の意図(キバ)に結われていた。で、在ればたとえ地獄の底だとしても『新たな罪』を見逃してはいけない――これがオブリビオンなのですね――眼窩(あな)を塞ぐように跳ねる、忘却と昨日の合成獣(キメラ)、無尽蔵(むげん)の如くに咆哮した。
 幾等手足頭(すべて)を酷使したところで蛆虫(ワーム)からは逃れ難い、逸脱した人形(ドール)が如くに死角(えいり)さを掴み、オマエの腸(ウインナー)を求めるのか。更に執着的なまでの威力増加(おも)い――ならば――為すべき手札(ふだ)はただの一枚、古強者(つわもの)故の躊躇のなさか。
 我が命減らせども、赦しの舞を――否、此度『言い換えた』とすれば戴霊の舞か。その姿形(にくとほね)はまるで蝶の貌(ようす)、憧れの餌(まと)に魅せ掛けた神霊体(エネルギー)の放出――蜂のように刺す機会を見出すのだ。
 はじけろ衝撃、蛆の芯(なか)を悉く薙いでいくのだ。一体でも多くの雑魚(それ)を散らせ、たとえ幾数日(たましい)を削いでも片を付けるのだ――唯一の不安材料は時間(おとろ)えだろうか。しかし長物(えもの)、下がる気配など一滴もない。
 目指すは国見(あたま)の急所(なか)だけか。少年はただ『討ち取る』事だけを信念(こころ)に進む――赤とも緑とも謂えない体液が藍色を嗤った。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒影・兵庫
食べることしか頭にない
虫さんの品位を下げるような敵ですね…!
(「そう?むしろ虫のあるべき姿って感じよ?」)
またせんせーはそんなこと言う!
もっと虫さんの気持ちに寄り添ってください!
(「気持ちって…まぁそれはともかく!敵は土蜘蛛の特徴を有しているけど、どうする?」)
はい!せんせー!
毒と鋭い蜘蛛足と糸と捕食攻撃に注意が必要ですね!
素早いですが俺を食うの目的なので俺に近づくはず!
『毒耐性』の『オーラ防御』で身を護り、俺を飲み込んだら火計兵さんの炎で糸と肉を燃やしてしまいましょう!
(「えぇ。内側から太陽のような暖かさでエメラルドグリーンに染めてあげましょう」)
はい!では作戦開始です!



 蝗害(アバドーン)――その一言で表現可能な街(ここ)は莫迦げているほどに辺獄(リンボ)だった。涌き立つ蠕動(うご)きは神も佛も知らない脳味噌(なまもの)で、決して上には登れない連中なのだろう。嗚呼、暴食の罪(ベルゼブブ)だけがノイズ音(ぶぶぶ)と騒々しいのか――虫さんの品位を下げるような敵(オブリビオン)ですね。問い掛けた先には教導虫(あなた)の溜息(いき)、むしろ虫(かれら)の在るべき姿ではないのか。またせんせーはそんなこと言う! 子供心に親の心、両者の交わせた様子(つら)ではないか。もっと虫さんの気持ちに寄り添ってください! 無理難題(カオス)を手繰っている場合では『ない』のでは――赤々(こうこう)とした艶(かわ)が畝(つち)を弄っていた。
 作戦開始です――エメラルド・グリーンへの調理方法(しるべ)は定められた。とある一個体(だれ)かが大口(あな)を開けて突進してくる。まるで鴨が葱を背負って来る現実、感覚器官(ぜんたい)を解(ひら)いた赤(きみ)は小虫(オマエ)を呑んだ――此処から如何する? 消化されておやさいの肥やしにでもなるのか。いいや、違う。毒々とした襞(もの)にオーラ越しで触れ、繭を加工するのには何が要る?
 ジャック・オー・ランタンには遅いだろうが、さまよう蛆虫(ウィリアム)には十分だ。バチバチと笑い出した蛍(かれら)の光(ねつ)が翠玉色(いろ)付けた儘に猛り成す。染まれ染まれ太陽の甲殻(ひょうめん)の貌(さま)、中までよく『火を通す』のが正解だ――つたった糸(でんせん)までも燃えて焦(な)くなる。
 せんせー! 虫さんの気持ちに寄り添えましたか? これなら誰だって理解出来る、熱くて息苦しくて融けていく、そんな程度(しんじつ)だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴桜・雪風
土蜘蛛の眷属とはいえ、本能のままに襲ってくるだけならいなし様はありましょう?
殺気を抑える知能も持ち合わせないようですし
「身構えていれば、死は遠いものですよ」

第一、地の中を這う大蚯蚓が蜘蛛の足と糸を得た所でどうするというのでしょう
とても地蜘蛛の如き瞬きの速度で動けるとは思えないのですが
「少なくともわたくしの剣よりは遅いですね。足が八つに首が一つ。しめて九閃で丁度勘定が合います」

大口を開けて何でも食らうとて
銀閃のもたらす死を喰らい尽くすことなどとてもとても
おそすぎてあくびの一つも出ようというものでしょう?



 ひどく怠惰(つみ)の深い女王様(おんなのひと)だとは思えないか、彼等に粘ついた幾本の節(あし)も取扱説明書(ページ)捲れねば無意味でしかない。本能のままに襲ってくる、ただの蛆虫(ワーム)が果たして猟兵(オマエ)の脅威に成り得るだろうか。殺気を抑える知能(のうみそ)もない、愚かな魔王(どれい)に何が出来るのだろうか――身構えていれば、死は遠いものですよ――枯れた桜の木の下に死体を埋めた? これではあなた、まるで冬虫夏草(きのこ)の蝉殻(うろ)でしかない。
 第一、地中を貪る大蚯蚓(もじれつ)が蜘蛛の脚と神の意図を得て『なに』が為せるのか。これほどの蛇足をオマエは見た事がなく、機動力その他を相殺(ころ)して愚弄(いじ)ったとしか考えられない――たとえば不定形生物(スライム)に脳髄(シナプス)を埋め込むような所業だ――少なくともわたくしの剣よりは遅いですね。足が八つに首が一つ、しめて九閃(ひっさつ)で丁度勘定が合います――吐き捨てた寿命(きみ)は泣き方を知らない。
 盲目白痴(よだれたらし)の数なき獣(ゆうれい)が、ガバリと門(アギト)を開いていた。最早『自分が死んでいる』事にすら気付けずに、幸せそうな面して横たわっている。「おそすぎてあくびの一つも出ようというものでしょう?」――銀色の閃きは痕(あと)からやってくる、痙攣(ふる)えた胴体だけが夢想しているのか。
 ――事件現場にメッセージを残させてはいけない、剣豪(きみ)はちゃんと理解していた。デパアトの屋上で変身(いもむし)と握手。

成功 🔵​🔵​🔴​

虻須・志郎
こんな世界にも芋虫はいるんだな
なァ……テメェらはどうやって羽搏く?

ロープワークで周囲に迎撃用の巣を張り巡らせつつ
眷属を周辺に解き放ち能動的に追い詰めて奴らを捕縛する
動けば動くだけ絡みつくぜ、特製だからな
地中や水中? 建造物の中?
馬鹿言うな……ここは俺の巣の中だ
テメェら全員罠ン中だよ

内蔵無限紡績兵装で奴らの口を縛り上げ部位破壊
芋虫退治はとっくに余所でやらせて貰ってんだ
そんなの専売特許でも何でも無えよ
とっとと帰れ、B級映画の世界にな
一匹ずつブン殴って生命力吸収

蜘蛛の子を散らすってのはこれでいいのかい?
いいや、こんなんじゃねえ
久しぶりにヤバい気配を感じるぜ。なあ邪神様

ああ――
アトラク=ナクアの匂いだ



 呪文(もんく)を七つに並べたならば、それを表現するのに適切な言辞は何か。面倒臭いと投擲(す)てられた犠牲者(じんるい)は哀れにも自ら橋の下へと逝くのだろうか。少なくとも谷底には無作為(い)に反した蠢きども――こんな世界にも芋虫はいるんだな――紫色から蚯蚓色、果てには赤色の素敵な顎(うつろ)だ。なァ、テメェらはどうやって羽搏く? 足掻いても藻掻いても猛禽類(ぐるり)、頭部を回す事は出来ない。どこにでも『ヤツ』は現れる……ならば上々、この肉厚さは一切代え難い汁気(ジュース)なのだ。
 無秩序(カオス)を秩序(ただ)す術を幽霊(かこ)は持てなかった。複数(かず)で涌き立ち囲み始めたのは蛆ではなく蜘蛛(スパイダー)、オマエの放った眷属(れつ)は決して獲物を逃さない――指先を引けば意図(きみ)の儘に――地中? 水中? コンクリート・ジャングルの裏側? 莫迦言うな……ここは俺の巣の中だ。
 テメェら全員罠ン中だよ。
 第四の蜘蛛(アヴス・シロン)の手中(なか)で悶えのたうつ悉く。咆哮(こえ)をあげる事も赦されず『つつ』まれた貌(さま)は繭下の犠牲者か――とっとと帰れ、B級映画の世界にな――退治するのに専売特許もクソもねぇ。王者(かんむり)を握るように、ただ、蛋白質として喰い尽くせ。
 蜘蛛の子を散らすってのはこれでいいのかい? 囚われのお姫様ではなく捕らえる側の悪役(ヴィラン)に問うてみる。いいや、こんなんじゃねえ。もっと、近くて遠い、洞窟(かなた)の名状し難い気配(にお)い――なあ邪神様、腹が減って(いあ)仕方がねぇ、だよな?
 ああ――アトラク=ナクアの匂いだ。
 地獄からの猛威がギチギチと騒いでいる。

成功 🔵​🔵​🔴​

新名・有花
アドリブ連携歓迎
死角がなくなるよう自分を中心に蜘蛛の巣を張り巡らせる。(指定UC)
這うだけの蟲でなく蜘蛛足を生やしたのがあんたらの失敗さ。
蜘蛛の巣に触れて腕力が奪われたなら、
その脚の重さがあんたらの枷になるだろう。
動きが鈍ったところへ『怪力』をもって赤手を振るい殴りかかる。
髪色とも炎とも違う赤(ち)を体に浴びながらも、
隣の白(骨)の白さが変わらないことに安堵。
あんたらがあたしの糧になる番だよ!



 文句(まじない)を七つ揃えられなかったのは神の所為だ、だらりと垂れ下がったものを罪人が掴んだとして、真に救いだとは思惟出来ない。ほころびた端っこを修正(ととの)える事は苦でもなく、ただ自分(おまえ)を中心として曼荼羅(せかい)が再構築(つく)られた――視界の隅で這っている誰かさんに失敗を叩き付けてやれ、蜘蛛足(ある)く今が必ずしも幸せではないのだ――触れた檻(おり)にはもう最後、甘ったるい日常すらも味わえずに蒼白(そ)まるのか。その脚の重さがあんたらの枷になるだろう。
 金々(こんこん)とギラ憑いた瞳(め)が真ん前の『うじむし』を睨下(み)ていた。乱された髪色とはまた違う、ぬらりとした赤(たいえき)が舞っていく――それ即ち単純明快な暴力性、ぶち殴った赤手(えもの)のなんと歓喜(よろこ)ばしい事か。あんたらがあたしの糧になる番だよ! 啜りに啜った埒外(エネルギー)、さて、行き先はオマエかお隣さんの頭蓋(はず)れか――嗚呼、安堵。どうやらオマエだったらしい。
 花嫁の指には素敵な糸を。花嫁の頭には綺麗な赤を。うたうこうべには決して汚れない、美しき文句(まじない)を――LuもLaもLoも、血の池地獄には届かないか――嗚々、しっかりと栓をしなかった閻魔(あなた)の罪だ、ふたりをわかつ事は不可能。炎熱(ほむら)の如くに絆された、恋情(しろ)さを称えて。

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・水無月
土蜘蛛?
その見た目でそれはない。
ないのだけど…
オブリビオンってそーゆーものなのかー。
んー、倒してしまえば一緒だから気にする必要はないか。
とゆーか見た目がアレな上に数がたくさんなのが辛いし。
こいつの攻撃方法を考慮すると留まることなく動き続ける。
たぶんこれが有効な気がするですよ。
数が多いのでてきとーに弾丸をばら撒きながらUCを。
クレセント・スラッシャーを叩き込むですよ!
この程度の相手なら衝撃波でも威力は十分なのです。
設置型の罠みたいに使えるのですよ。
つまりどんどん蹴り殺していけばそれだけ有利になる!
さぁ、ボス戦前に体を温めておくのですよ。
ウォーミングアップの時間なのです。



 月から落ちてきた獣が狂気を孕むとは感じられなかった。貌の無い存在を罵倒するかの如くに人類、我が物二度と放さないのだろう。
 土蜘蛛――なのだろうか、と、脳天からハテナ・マークが飛び出した。土中(ほし)を抉るような外見で『それ』はないだろうと溜息(いき)を吐いてしまうほどだ。しかし、嗚呼、過去(オブリビオン)と認識すれば納得する他に赦されない。たとえ涎を垂らしつつ潜行し、わきわきと八つ足を動かしていても『そう』なのだろう。倒してしまえばワームホール、何もかもが『一緒』、だから気にする必要はないか――とゆーか。きついのは見た目アレな上にうじゃうじゃしているから。生理的嫌悪(おぞ)け、糸繰りがぐちゅぐちゅと誘ってくる。
 決して留まってはいけないよ。外(ガイア)の言の葉を咀嚼するかの如く、オマエはミート・パイじみて動き回るのか。たぶんこれが有効な気がするですよ――たとえばトリガー・ハッピー、牽制出来たならば隙間(ま)を縫って埒外(と)び込めよ――三日月型の衝撃(いちげき)曰く、トラップとしても上出来だ。
 ウォーミングアップの時間なのです。蹴り殺せば蹴り殺すほどにバッタ・バッタと完全変態(いもむし)どもが爆ぜていく。有利対面(おわかれ)の挨拶をする暇もなく赤いシミは地獄篇(ぜつぼう)へと塗れるのか。さぁ、ボス戦前のあたたまりは十分だ、あとは女王様(おかお)を拝見(み)るのみで在れ――暗黒面(ダークサイド)のお披露目といこう。
 車輪(うんめい)は自らで回すものだ、虚を蹴った兎足(ききあし)が臨む。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『土蜘蛛の女王『国見・眞由璃』』

POW   :    眞由璃紅蓮撃
【右腕に装備した「赤手」】が命中した部位に【凝縮した精気】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
SPD   :    疑似式「無限繁栄」
自身の【精気】を代償に、1〜12体の【土蜘蛛化オブリビオン】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
WIZ   :    土蜘蛛禁縛陣
【指先から放つ強靭な蜘蛛糸】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 アトラク=ナクア――仔蜘蛛(てあし)を蹴散らした事で『国見・眞由璃』、女王はその貌(すがた)を猟兵(きみたち)を前に晒(み)せつけた。女学生の愛らしさと王としての美しさ、悉くを備えた外見(それ)は正に『絶対的』な捕食者だろう。そんな彼女が最初に放った言辞(セリフ)は意外なものだった。

 ――【交渉】をしましょう。

 今の儘、この街を抱擁(だ)いている檻がもう少し『大きく』なれば事情が変わっていく。例えるならば『牛の肉を食べるのではなく、牛の乳を飲む事』になるのだ。つまり『住民を捕食するのではなく、ちょっと精気を啜るだけでよくなる』のだろう――無暗に増殖する捕食者も、ピラミッドの関係性には抗えないのだ。総ては『新たな子供達』の為に。

 猟兵(きみたち)は【交渉】を受け入れてもいいし、斬り捨ててもいい。
プリズム・アストランティア
ここで交渉を持ちかけてくるという事は
追い詰めているという証拠ね。
礼節を欠いているのは以前と変わらないという事かしら。
ドレスアップ・プリンセスで飛翔能力を得て
眞由璃の赤手の一撃や蜘蛛糸に捕えられないよう飛び回るわ。
そして隙を見つけたらクッキーハートの魔力を全開で攻撃を叩きこむわ。
仲間と連携している状況なら撹乱を優先して
仲間が攻撃できる機会を作るように戦うわね。

「私には苦し紛れの言い逃れにしか聞こえないわ」



 胃酸を漏らすように垂れた、ただ無意味(ばかげた)糸が『意図』を秤にのせて往く。何度も何度も、無暗矢鱈(めつれつ)に増殖(ふ)えてしまうのは人類(そちら)ではないのか、残飯をつついた鴉の如くに溜息を吐いた――ここで交渉を持ち掛けてくる所以、それを態々、高らかに宣言する所以はないだろう――追い詰められている証拠ね。女王様(おんな)の頭が如何してか揺れていた【初めから解りきった事だろう】と謂うのに。
 礼節を欠いているのは以前(むかし)と変わらないという事かしら。愈々疑問符(ハテナ・マーク)は清掃(ぬぐ)われて、暴力的なまでの二文字が銀色の雨を降らせている。みしみしと軋んだ世界の虚(なか)で埒外の数多、それでは『決裂』として見做そうではないか。
 私には苦し紛れの言い逃れにしか聞こえないわ――虚空が耳を傾けないのは当たり前で数々の盲目的な行いが自分の首を絞めたのだろう。磔にされた冤罪者(むじつ)の味を誰が確かめられると嗤うのか。キラリ・キラリと宙駆けたお姫様、囚われる事は決してない。
 赤々とした巨腕(カイナ)を潜るように心臓(クッキーハート)が爆ぜていた。舞い散る花弁の綺麗(うつ)くしさに凝視(ころ)される感覚、嗚呼、ビーチェとはこんなにも醜悪(あくしつ)だったのか――隙は生じた、超越性(エネルギー)を叩き込むならば今だろう。渡る術の見当たらない、深い々い暗黒(やみ)が佇んでいた。
 長引かせたくないなら、考えてはいけない。

成功 🔵​🔵​🔴​

アノマーシェ・ミサキ
この交渉は…切り捨てるべきだと、思います

以前と方法は違えど
土蜘蛛を、オブリビオンを増やす手段があるなら
何らかの代償が必要でしょう

いずれまた、住民を捕食するかそれ以上の何かが必要になる…
または何かを起こすはず
そうなる前に『今の時点で』対処しないといけない

この地の人々をこれ以上利用させはしません
銀誓館の能力者…猟兵であり、今は土蜘蛛の巫女ならざる我は
あなたを倒します、かつての女王!

ヘヴンリィ・シルバー・ストームを使用
「懐かしき銀色の雨…新たに来る銀色の嵐、ここに!」
万色の稲妻で女王や土蜘蛛型オブリビオンを攻撃しつつ
優しい雨で猟兵の皆様を回復します
これが今の我の、赦しの…味方を癒し敵を穿つ、嵐です。



 掲げられた言辞(ワード)を反芻するほど頽廃(くさ)れたシナプスは持っていない。異物混入(はらわた)よりも大切に為すべきは胎綿(ユリカゴ)で、ぶくぶくと泡立つ命を無駄にしてはいけない。たとえば、感謝する気持ちを有していたとしても、それは『畜肉』に対する「ありがとう」でしかないのだ――この交渉は切り捨てるべきだと、思います――無限繁栄(ふ)やせば増やすほどに餌が要となってくる。領域(おお)いを大きくしても最終的には『不足してくる』筈なのだ。そう、今対処しなければ『何かを起こす』に決まっている。そうなる前に、現、不穏(さいぼう)は焼いておくのが正解だろう。青色の瞳と赤色の瞳が表裏(あくむ)の儘に重なった――この地の人々をこれ以上利用させはしません。
 かつての能力者は現(いま)では一匹の猟兵だ。かつての土蜘蛛の巫女も現(いま)では一人の『我』なのだ。あなたを倒します――過去(オブリビオン)は確実に、絶対的に『いま』に悪影響を及ぼす、ならば滅ぼされる前に滅ぼした方が賢明だろう。結んでも結ばなくても代償は高くつく。
 数多の土蜘蛛(かれら)に中るのは万色(カラフル)に長けた稲妻(エネルギー)で在った。懐かしき銀色の雨は士気を上げ、新たなる銀色の嵐(ストーム)と化して【ここ】に到る――これが今の我の、赦しの――嗚呼、穿たんと暴威(ふる)われた超越性(ちから)、何者が抑え込めると謂うのか。
 天国篇(ページ)は最終局面(ラスト・シーン)を彩るが如く純白の薔薇の演技(フリ)をして魅せた。かつての君は影も形もなく、面白くなさそうに傷を嘗めた。運命の糸に繰られた獣どもが一斉に断末魔(ほうこう)を――。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴桜・雪風
成程?共存共栄、汝隣人を愛せよ
互いを殺すこと無く済ませる道があるなら
それを求めるのは人の道に沿うものでしょうね

「ですが、それが成立するのは両者の力関係がほぼ対等な場合のみ。只人にとっては絶対的な捕食者の立場に立てるあなた方と、共存などと土台無理な話なのです」
見かけの上では平和になったとしても
それは寛大な捕食者のお慈悲で生かして頂いているだけの関係でしょう
命奪われぬとはいえ、偽りの日常を彷徨うだけの飼い殺しを人生と呼べとは
やはりあなた達はヒトとは違う生き物なのですね

「ですから、わたくし達の間で成立する交渉はもっと原始的なものしかあり得ません。暴の力を持って相手を排除するかされる類の、ですね」



 誰が嘔吐(は)き棄てた言の葉だったか、現実(いま)が化けて終えば如何でも良い事柄だ。バイブルの音読(た)れ流しに耳朶(たぶ)で触れる事など莫迦らしく、故在ったとしても今更でしかない――共存共栄、汝隣人を愛せよ――叩いた、叩かれた、そんな関係性で在れば幾等か対話(おはなし)の価値も見出せたに違いない。しかし人道(にんげんじごく)に化け物の類は這入り込めないのだ――容赦のない二等辺三角形が絶滅の種を蒔いていく。それが成立するのは両者の力関係がほぼ対等な場合のみ、そういう結末(こと)。
 上っ面の平穏が幻覚(うそ)と共に人々の脳髄(みそ)を冒していく。寛大な捕食者(おんな)の着の身着のまま、気が触れないまでに、生かしていただける、などと『頷ける』楽園はない。慈しみに飼い殺される気分を想像(おも)って視ると好い――籠の中の小虫が与えられた餌だけを食んでいる、僕こそが世界の支配者だ――! やはりあなた達はヒトとは違う生き物なのですね。誰しもが盲目性を鵜呑みに出来るとは思えない。
 ですから――悉くは原初、生命(いのち)が落とされた時代(とき)に帰結する。わたくし達の間で成立(な)るのはひとつしか思惟(あ)り得ない。握り締めた拳と拳の交わし遭い。暴の力で以て相手を排除するかされる類の……。
 推理も解答もクソもない、すらりと現れた得物の、なんと畏怖(おそ)ろしい事か。最後の頁に綴られた犯人の心境、あとは断罪(た)ってしまうと好い。
 ――三悪趣(しゅみのわるい)蜘蛛(もの)が戒(ノックス)に喰われた。埋める死骸(なきがら)を残してはいけない。

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・水無月
それで交渉のつもりなのです?
乗るわけないんだよなー。
現時点でもヤバめな被害出てるのです。
それに力を蓄えた先。
子供たちとやらが増えたらどう動くつもりなのか…
数を制限して大人しく引き籠る?
そんなつもりはないのだろうね。
そーゆーのが予想できる以上倒すしかない。
まぁ、オブリビオンなら倒す以外に選択肢はないらしいけどね。
交渉は決裂…あとは暴力で解決するだけなのです!
ガンナイフでの牽制からのクレセント・スラッシャー!
留まることなく動き続けて攻撃を叩き込むのです。
召喚された土蜘蛛は射撃と衝撃波で処理するですよ。



 黒山羊(ははおや)の言辞(なきごえ)を子供達(ダーク・ヤング)が咀嚼出来るとは到底、人で在れ獣で在れ肯定成せなかった。現時点(いま)の状態を改めてオマエ、観察(なが)めて未ると好い――おおきな街(せかい)を丸々と呑み込む、筆舌にし難い異常な繭(もうふ)。何れ世界(シルバーレイン)を抱擁するとは思えないか? それで交渉のつもりだと言うならば、人類(にんげん)を莫迦にしている。乗るわけないんだよなー。予想・予測の範囲でしかない、そんな戯言が通用するとは女王(おまえ)も思(お気楽)ではない筈だ。二通りの選択肢を突き付けられている。いいや、最初から道はひとつしかなかった。
 過去(オブリビオン)で在るならば悉くを骸の海に還さねば成らない。絶対的な意識(シナプス)が埒外の虚(あな)を埋めていく。嗚呼、交渉は決裂だ。あとはどこぞの探偵じみて暴の力を揮うのみで在れ――光を孕んだ神は闇の存在を無碍にした。
 夜を統べた得物(もの)が如何して煉獄に留まると謳うのか、詩われた存在(ちから)を懸命に扱う貌(さま)のなんと猛々しい事か――ガン・ナイフの牽制が儘に痕跡(はかい)せよ眷属の群れ――停滞を知らない圧倒的な衝撃(つき)が腹部(はら)を潰した。
 お喋りごっこはこれにて終いだ、ゴミ処理人形(ドール)の舞踏が大人らしく振る舞った。暗く闇く惑く、勾玉(おかざり)が鈍(きらめ)いて。これで見納めだろう満月(そら)が女王様(つみ)を攫って魅せたのか。
 兎は何を眺めて跳ねる、急所としか説明出来ない。

成功 🔵​🔵​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロ描写NG
POW

「その交渉、私は賛成よ。
住民が心身を脅かされず暮らせるなら頭ごなしに否定する理由は無い。
私を半吸血鬼というだけで迫害した人間達より
遥かに寛容ね、土蜘蛛は

でも猟兵には「そもそもお前達にやる餌は無い」
「いいから黙って殺らせろ」という連中も多いわ。
だから保険をかけさせて頂戴。
お互いに精気を吸い合って、魂の欠片を交換するの

私はオブリビオン救済を掲げる死霊術士。
貴女に万が一の事があっても
吸収した魂の欠片から蘇生できる。
この子(守護霊)達のようにね」

眞由璃を優しく抱擁し【生命力吸収】のキスで互いの精気を交換。
もし裏切られて攻撃されても『永劫火生』で復活。
私は彼女を裏切らないけどね



 救済――それを悉くに振り撒く事は神で在っても不可能だろう。優劣を酷使(あつか)う連中の貌(つら)を何度も何度も、見て、味わった猟兵(オマエ)から為せば、彼女の寛容(いいぶん)は慈悲深く思える。たとえば人間どもの大笑いは何に向けられていた? 闇が蔓延る世界観の中で唾を嘔吐(は)かれた経験は無限量に視える――その交渉、私は賛成よ。悪魔や天使の方がよっぽど信頼出来る、この永久に近しい無辜が如何して迫害されるのか。
 何方かと謂えば埒外(オマエ)の方が異端なのだ。周囲、蔓延る熱量(エネルギー)の渦、それを表現(と)くならば『不変性の殺意』でしかない。そもそもお前達にやる餌はないのだ。いいから黙って殺(なぐ)らせろ――ひどい野蛮性も存在したものだ、臓腑から酸性(す)っぱさが昇ってくる――おぞましいほどの嫌悪が脳裡を舐っていた。
 ぬいぐるみごっこに思えてきて仕方がない、と、国見・眞由璃は微笑んだ。猟兵(おまえ)の提案した保険とやらが何処まで通用するのか、三千世界と呼ばれる結界に臨むと好い――お互いに精気を吸う貌(さま)は契約(くさり)あそび、交換されたアストラルの欠片が明滅していた。守護霊(おなかま)達にもよろしく伝えといてくれ――万が一に備えての蘇生方法、本質が塩だけとは限らないのだ。
 接吻(キス・マーク)を拭う、マイナス感情は決して『ない』のだろう。裏切りが存在(あ)るとすればおそらく、君達以外からの発生(ノイズ)に違いない。永劫(かえ)る事なく絆された深淵(ふか)みが両者を讃えていた。抱擁(ぬくもり)。

 何かしら、力が必要なら私に声をかけなさい。これは使命を果たし、生き延びる為の術(ほうほう)なのですから――同盟と呼ばれるマッチがすられた。

※トミーウォーカーより……戦闘と区別をつけるため、眞由璃の交渉に応じた場合は、結果を大失敗でカウントしています。シナリオ失敗すると、眞由璃の檻はそのまま残ります。

大失敗[評価なし]

黒影・兵庫
(「黒影。殺しなさい。これは提案じゃないわ。命令よ」)
せんせーはまたそんなこと言う!
その責任をしょい込む系の発言はバレないから効果あるんですよ!
でもせんせーの言う通りです!
そもそもアンタら何も知らない人達を問答無用で餌にしていた時点で
交渉のテーブルを蹴り上げているんだよなぁ
もし手下が暴走したって話なら手綱握れてない時点で交渉は無意味だよ!
もういい?
ほんじゃ光学兵さん光の刃で焼き切ってください!
ついでに俺もオーバーロードしちゃいます!
(真の姿に変身後、『念動力』で敵の動きを阻害し『オーラ防御』で身を包んだ後『衝撃波』を使ったダッシュで敵に『シールドバッシュ』を仕掛ける)
あともう一つ!アンタらのせいで良い虫さんのイメージが損なわれた!
俺にとってこれが一番の理由だよ!
(「…交渉するオブリビオンかぁ…めんどくさいのが出てきたわね…」)



 合成蟲(キメラ)の真実(まねごと)と如何にしてわかり遭うと謂うのか、若葉を食むように這っていた青虫、そのぶっくらとした触り心地は寄生(はち)にとっての枕でしかない。黒影、殺しなさい――脳裡(せつな)に混じり有った殺意に濁りなど赦されない、たとえば此れが提案の類で在ればどれほどに無慈悲なのだろう。慈しまれた児の為に電波信号(シナプス)馳せて異る――命令よ。せんせーはまたそんなこと言う! 誰かが責任(いのち)を背負わねばならないのだ、親の役割と見做せば当たり前と解せよう。
 バレてからではもう遅い、その咀嚼は交渉テーブルにおいても同じ事だ。大前提として『既に人間を啜っている』のがダメなのだ。蹴り上げたちゃぶ台の上にはたくさんの調理前、もう、子供達(ガキ)が暴れた始末などとは宣えない――嗚呼、手綱を握れない頭(オツム)などカタツムリに突っ込めないガブリに等しい――もういい? 話し合いで解決出来る領域から大きく外れてしまったのだ、あとは終いを描く他にない。
 甲殻(かた)く淵を塗られたオマエの輪郭(すがた)は埒外(カオス)としか表現成せない、盲目的なまでに求めていた捕食者は此度、捕食される側の想いを浴びせられたのだ。みしみしと不可視(みえない)糸に阻まれる鈍痛(かんかく)が国見・眞由璃の血肉を蝕んでいく――吶喊(どぅ)、と殴打(なぐ)された勢いの儘にふらついた脆弱性。
 最後にひとつだけ殺さなければならない理由(たね)を蒔くとしたら、それはオマエ個人の憤慨(アバドーン)で在った。土蜘蛛(アンタら)の所為で損なわれた虫さんの素敵なイメージ、誰が如何やって埋めて直すと謂うのか。最早救う価値も掬う心臓(こころ)も見当たらず、為すべきサイコロ・ステーキに容赦は与えられなかった――地面と呼ばれる大皿にタランチュラの汁気、ぶくぶくと嗤っている泡だくは穀物にかけても悦ばしい!
 交渉するオブリビオン――強さと面倒臭さを兼ね備えた『それ』の破片に溜息(いき)を吹いた。もしも『虫』の扱いが良ければ何方に転んでいたのか。
 ――教導虫(スクイリア)は考えを脳隅(すみっこ)に棄てた。
 頭の上に目玉でも生えているのか、何者かの臓腑が惨めに映り。

成功 🔵​🔵​🔴​

虻須・志郎
この世界の流儀に従おうとは思うがな――
ウチの奴から言いたい事があるらしい

フフ、肉を喰らわず乳を搾るだけ、だと
それで肉の味を忘れられるならば重畳
だが、貴様以外の同胞はどうだろうか?
かつての戦では分派が後にも暴れたのだろう
ええ? 今回もそうならぬという保証はあるのかい?
あるというならば――妾に示して見せよ

言いくるめつつ奴の出方を伺う
ほう、それが赤手……触れれば爆ぜるというか
擬態した女学生の姿のまま脚を生やして囮とする
容易く躱せる相手では無いだろう
使い物にならない部位は破壊して切り離す
奴の手管を見切る為に――こうか?
左腕に白銀の装甲を顕現
擬似神性兵装、見せ付けてくれようぞ

挑発して奴に仕掛けさせる
蜘蛛糸は蜘蛛糸で絡め取り地形破壊
眷属は催眠術でハッキング、こちらの僕にしてくれよう
後は分かるな……暴力的な怪力で殴り合いよ
赤と銀を爆ぜ散らかして
咄嗟にロープワークの罠を仕掛ける
蜘蛛同士、やれる事はそう変わらんならば
最後に残るのは己が力のみよ
なあ女王、終いにしようぞ
そして騙し討ちで捕縛して捨て身でブン殴る



 アトラク=ナクアは斯くかたり、語りか騙りを定めるのは猟兵(オマエ)等の真意(こころ)で在った。ありふれた因縁(くさり)を甘んじて受けるのか、莫迦みたいに絆されず喰い散らかすのか。最も望ましいのは世界の流儀(ルール)に従う事だろう。神様(※※)は物語の続きを深めたくて疼きつつ嗤(あ)る――が。ウチの奴から言いたい事があるらしい。男は支配権(コントロール)を第四の蜘蛛(それ)に手渡したのか。
 それは巨大な蜘蛛で在ったり、妖艶な美女で在ったり、漆黒の戦士で在ったりする。此度の顕現ではど真ん中、権能(ちから)溢れるような貌(さま)は何方が『女王』なのか判断(わか)らなくした。嗚々、敵存在が味方になる展開のなんと熱烈な事か――肉の味を忘れられる獣はいない――乳しぼりだけで生きられないのは人類が証明している。
 かつての戦争(あらそい)を思い返してみれば、嗚呼、ひとつの巣で足りない過去(こと)を知っていた。後にも先にも必ずや暴れたくてたまらない群れが『出て』くる。くるくると廻り出した歯車は決して、共食いすらも止められないのだ――今回もそうならぬという保証はあるのかい? ギラついた赫目(ひかり)に睨まれた、オブリビオンはぐぅとも鳴けない。あるというならば――妾に示して見せよ。
 決裂(ひびいった)世界は夜鷹(ウィップ・アーウィル)の誘拐に染められてしまった。赤手(えもの)の艶めきを鈍らせる腕(かいな)は最早なく、生き延びる為の最後の暴力(ちから)に頼ったのだ――ほう、それが――触れれば即爆(そくし)の巨大な代物、で、在れば要なのは囮(かべ)と解答(い)えた。脚を生やした擬態(おんな)がカサカサと地雷原(しゅうい)を駆けていく。これは使い物にならない、あれは使い物にならない。腐れた部位は切り離して教育(すす)め。奴の手管はもう見切った……こうか?
 赤に対成す色彩は銀だろう、此処に創造(つく)られた至高天(いただき)こそが薔薇(トゲ)に相応しい。疑似神性兵装(SHIROGANE)――見せ付けてくれようぞ。

 嘔気が治まるとは思えなかったのだ、膨らんだ殺意を抑える事は出来ない。
 正面からぶん殴る――悉くはその為の仕掛けだ。

 涌き出た眷属(こどもたち)に催眠(まどわし)を齎し形勢逆転(フィールド)を整えていく。蜘蛛糸と蜘蛛糸の混在(ケイオス)が光景(せかい)を崩壊(けつれつ)に導いていく。幾度も行われた暴力行為(あくむ)に、異厭、引き摺り込んで謳わせろ――火花(はな)ひらくカラフルどもの殴打、そこに忍ばせた無間地獄(いと)――美しき哉、裸体(にえ)の女、怪物程度が神を殺せる筈がない。
 なあ女王、終いにしようぞ――結局のところ過去(かのじょ)はひどく純真(うぶ)だったのだ、最後に残された己の力を忘れている――傷つく事を恐れずに、死に絶える事を怖れずに、ただ畏れを揮うだけでは……この存在(ばけもの)には敵わない。
 ゴキャ・リ――大切な大切な、檻に致命的な歪(ひびわ)れ。

 すられたマッチは秒で消え、ここには国見・眞由璃の死體もなく。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年12月04日


挿絵イラスト